JP2000266698A - X線による表面観察法および装置 - Google Patents

X線による表面観察法および装置

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正雄 木村
Atsushi Ikari
敦 碇
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Tamaki Suzuki
環輝 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、X線により高温時の表面および表
面付近の構造を観察するための方法及びそれを実現する
装置を提供する。 【解決手段】 試料表面に、表面の上方に位置する加熱
体により加熱し、入射X線と試料面がなす角度αが0<
α≦2×αcの範囲内で入射X線を照射し、該表面からの
反射および/または回折されたX線を測定することを特
徴とした表面観察方法。および、上記方法を実現するた
めの、2 加熱体、3 測温装置、4 試料保持台、5
断熱体、6 容器、7 X線透過窓、8 位置制御装
置、9 雰囲気制御装置、から構成された表面観察装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を試料に照射
し、試料からの反射および/または回折現象によって得
られた反射および/または回折X線の方向、エネルギ
ー、強度の空間分布を検出することにより、材料の電子
構造及び原子構造を解析するX線材料構造解析法の内
で、特に、試料の表面、表面近傍の構造を解析する分野
に応用できる。
【0002】
【従来の技術】X線回折法は他の主要な構造解析法のひ
とつである電子線回折法と比較すると、多様な測定雰囲
気が選択でき、その場観察が可能であることや、多重散
乱が少ないために、回折強度の定量が比較的容易である
ので精密な構造解析をしやすいなどの利点を有する。こ
の様な利点を有するX線回折法を、特に、表面近傍の構
造解析に応用する方法としては、X線を試料に数度の微
小角度(臨界角度αcの20倍以上に相当)で入射するX
線反射率測定法や微小角入射X線回折法が使用されてき
た。
【0003】材料の表面、表面付近構造を利用して特性
の発現を行う分野として、シリコンを用いた電子材料が
挙げられる。こうした分野の材料開発には、シリコンを
加熱した状態でガスを導入する等のプロセスが多い。そ
のため、加熱した状態でシリコン表面の状態を調べるこ
とが重要になるが、従来は試料を加熱するために、シリ
コンを加熱体の上に配置し表面と反対の底面から加熱し
た状態で、X線反射率測定法や微小角入射X線回折法の
測定を実施してきた(J.Zegenhagen, Surf. Sci. rep.
18 (1993) , p 199;Eisenberger and W.C.Marra, Phy
s. Rev. Lett. 47 (1981), p 50)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、加熱した状態で
材料表面の状態を調べるためには、上述のように材料を
加熱体の上に配置し表面と反対の底面から加熱するた
め、加熱体の温度を、測定が必要となる材料表面の温度
よりも高温に保つ必要がある。そのため、融点近傍の高
温域では該材料の下部と加熱体の反応が生じたり、該材
料そのものが溶融するために、この温度域での表面の挙
動を観察することが不可能であった。
【0005】さらに、従来、材料表面の状態をX線を用
いて調べるためには、上述のように、X線の入射角度を
数度程度に保ち行われてきた。通常の無機・金属系の材
料の場合、この条件では、X線の侵入深さは数ミクロン
に達することもあり、表面付近数nmオーダーの挙動を観
察することが不可能であった。
【0006】本発明は、融点近傍の高温域でも、該材料
の下部と加熱体の反応や、該材料そのものの溶融なし
に、この温度域での表面の挙動を観察することが可能な
方法および装置を提供することを目的にしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、試料表面にX線を照射し、該表面から
反射および/または回折されたX線のエネルギーおよび/
または強度の空間分布を検出することにより該表面の原
子および/または電子の構造を解析する方法であって、
入射X線と試料面がなす角度をα、入射X線に対する試
料の臨界角度をαcとしたとき、試料の上方から加熱
し、該試料表面に入射X線を0<α≦2×αcの角度範
囲内で照射し、該表面からの反射および/または回折さ
れたX線を測定することを特徴とした表面観察方法を用
いる。
【0008】上記方法を実現するためには、試料表面に
X線を照射し、該表面から回折および/または反射された
X線のエネルギーおよび/また強度の空間分布を検出す
る装置であって、試料表面付近のガス雰囲気を制御する
ための容器と該容器内に試料保持台とその試料保持台の
上方に加熱体が設置され、該容器に、試料表面に入射X
線を照射するためのX線が透過可能な窓と、試料表面か
ら反射および/または回折されたX線を検出するための窓
を有することを特徴とした表面観察装置を用いる。
【0009】上記方法を用いることにより、該材料内に
おいて、表面から下方にむかって温度勾配が生じた条件
下での表面構造の解析が可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて説明する。
【0011】本発明は、試料の表面を試料上方から加熱
しながら、X線を極低角、特に、入射X線と試料面がな
す角度αが0<α≦2×αcの範囲内で試料表面に照射
し、表面で反射あるいは回折するX線を検出すること
で、試料の極表面の原子や分子の構造を解析するもので
ある。
【0012】本発明の表面観察装置は、第1図に示すよ
うに、加熱体2、測温装置3、試料保持台4、断熱体
5、6容器、X線透過窓7、位置制御装置8、雰囲気制
御装置9、を備えた構成をなしており、X線源10およ
び、X線検出器11と組み合わせて用いる。
【0013】そして、容器6は、X線源10から発生した
X線が、容器6に設置されたX線透過窓7を通して試料1
の表面に照射され、そこから反射あるいは回折されたX
線が、別のX線透過窓7を通過し、X線検出器11によ
り、X線のエネルギーや強度の空間分布を検出できるよ
うに配置されている。これを実現するために、位置制御
装置8により、試料1の表面と入射X線の相対位置、角
度を制御する。
【0014】位置制御装置8としては、例えば直交する
3軸の各軸の回りの回転と、各軸の方向への直線移動の
機能をもたせたものがよい。これにより、試料1の表面
に入射するX線の位置および方位を正確に制御し、入射
X線と試料面がなす角度αを0<α≦2×αcの範囲内
であるように制御する。それにより、該表面から反射お
よび/または回折されたX線のエネルギーおよび/または
強度の空間分布を検出し、X線反射率、X線回折強度、等
の測定と解析が可能になり、表面の状態を観察すること
が可能になる。位置制御装置8は容器6全体を動かす方
法や試料保持台4を動かす方法がある。
【0015】試料1の表面を加熱した状態に保ったまま
測定するために、該表面の上方に加熱体2を、入射X線
と試料面がなす角度αが0<α≦2×αcの範囲内でX線
を入射でき、かつ、そこから反射および/または回折さ
れたX線がX線透過窓7を通過可能な距離以上離れた上
方に配置している。加熱体2の近傍に測温装置3が設置
されており、測温装置3の信号により加熱体2を制御
し、それにより該表面の温度を制御するようになってい
る。
【0016】該表面のガス雰囲気を制御した状態で加熱
を効果的に行うために、試料1は試料保持台4上に保持
されており、試料1と試料保持台4は、容器6内に設置
されている。容器6は雰囲気制御装置9に接続されてい
る。雰囲気制御装置9は真空ポンプ、各種ガス導入装
置、容器6との間のバルブ、等から構成されている。雰
囲気制御装置9からのガス導入経路は、導入ガスが該表
面付近に流れ込むようになっており、該表面のガス雰囲
気を制御する。
【0017】加熱体2の加熱により試料1の表面を効果
的に加熱し、安定に保温するために、試料1と試料保持
台4を覆うように、断熱体5が配置されている。その結
果、断熱体5から容器6の外界への熱幅射や熱伝導が最
小限になり、効果的かつ定常的な加熱が可能となる。試
料1と試料保持台4がその内部に位置する断熱体5に
は、容器6に設置されたX線透過窓7を通過したX線が
該表面に入射し、かつ、該表面から反射および/または
回折されたX線が検出用のX線透過窓7を通過できるよ
うに窓が設置されている。この窓は、断熱体5に上記の
条件を満たす最小限の大きさの穴を配置すればよい。断
熱体5の内面には試料の汚染を防ぐためのコーティング
もしくは、断熱体5の内部に高純度石英などでできた汚
染防止容器を設置することができる。
【0018】容器6に設置されたX線透過窓7は、X線
が入射するための窓と、試料から反射あるいは回折され
たX線が透過するための窓の計2つ以上設置されてい
る。例えば、X線入射用の窓、それと反対方向に反射X線
の測定用の窓、入射X線と回折X線のなす角度が回折条件
を満たす方向に回折X線の測定用の窓、の計3つを配置
する。これらX線透過窓7としては、X線の透過能が高
い原子番号の小さな元素から構成された材料、例えばベ
リリウム、炭素、等から構成された薄い板を用いて、容
器6と気密性を保った条件で配置する。
【0019】X線源としては例えば、実験室で使用され
る封入管型や回転陽極型、回転軌道の電子線の制動放射
を利用した放射光施設等がある。X線検出器検出器とし
ては、シンチレーション検出器、イオンチャンバー、イ
メージングプレート、CCDカメラを利用した検出器、等
がある。
【0020】上記構成の装置により表面観察を行う方法
は以下の通りである。
【0021】試料1の表面を上方に設置する加熱体2に
より加熱する。表面温度を制御するためには加熱体2の
近傍の測温装置3からの信号を用いる。試料1に直接測
温装置を設置することも可能であるが、それが試料から
反射および/または回折されたX線の測定の障害になる場
合もある。それを防ぐには、事前に、測温装置3と、試
料1に直接接触している測温装置との相関を調べてお
き、その相関関係により測温装置3の温度を補正すれば
よい。
【0022】試料保持台4の温度は加熱体2の温度より
低く設定する。これを実現するためには、試料保持台を
熱伝導等により冷却すればよい。これにより、該表面か
ら下方にむかって温度勾配が生じる。加熱体2、測温装
置3、試料保持台4は、断熱体5の内部に設置されてい
るために、加熱を効率的に行うことが可能であり、上記
温度勾配は一定に保たれる。
【0023】こうした機構のために、試料の表面付近の
みを融点近傍の高温域に保つことが可能になり、試料表
面のみが融解した状態での測定が可能になる。そのた
め、従来は困難であった、融体の構造や、融体/固体の
界面の観察が可能になる。温度勾配の存在のために、試
料の融点近傍の高温域でも、該試料の下部と加熱体の反
応や、該試料そのものの溶融なしに、こうした高い温度
域での表面の挙動を観察することが可能になる。これら
の観察の際には雰囲気制御装置9により、試料表面付近
が真空または不活性ガス中の雰囲気になるようにすれば
よい。本手法はX線を用いているため、材料になんら影
響を与えない非破壊でのその場観察法である。そのた
め、製造ラインの一部に本装置を設置し、製品表面の測
定を行ない得られた情報を試料温度等の制御に反映させ
ることにより、製造プロセスのモニターとして活用可能
である。
【0024】試料と反応性ガスとの反応を観察するため
には、雰囲気制御装置9により、試料表面付近が反応性
ガス中の雰囲気になるようにすればよい。そして試料を
試料表面層がガスと反応する温度に保つことにより、表
面とガスとの反応を調べることが可能である。X線は各
種ガスの透過能が大きいため、このような、反応性ガス
との反応を利用した製造プロセスのモニターとして活用
可能である。
【0025】また、試料が複数の層から構成されている
場合には、X線の入射角度やエネルギーを調整し、表面
からの第ニ層以下の深さまでX線が侵入する条件で、試
料を加熱しながら測定することにより、最表面と表面か
らの第ニ層の界面反応を調べることも可能である。
【0026】該表面から反射および/または回折された
X線のエネルギーおよび/または回折強度の空間分布を
検出するためには、X線源からのX線をX線透過窓7より
入射させて試料に照射し、そこから反射および/または
回折されたX線を別のX線透過窓7を透過させ、検出器に
より測定する。
【0027】該表面からの反射X線のみを検出するため
には、上記のように試料表面に対する入射角度を精密に
制御すればよい。該表面からの回折されたX線も測定す
るためには、測定しようとする回折面の角度がブラッグ
の条件式を満たすように入射X線を入射させる必要があ
る。このためには、位置制御装置8により試料を回転さ
せて回折面と入射X線の角度を調整する。
【0028】試料表面の形態(凹凸、密度、膜厚)のみ
を測定する際には、該表面からの反射X線のみを検出す
ればよい。これに加えて、試料表面の原子構造を調べる
ためには、該表面からの回折されたX線もあわせて測定
すればよい。
【0029】出射用のX線透過窓7は、反射あるいは回
折の方向に一致するように配置すればよい。そして、加
熱された状態で、位置制御装置8により、試料1の表面
と入射X線の相対位置、角度を制御し、検出器により、
該表面から反射および/または回折されたX線のエネル
ギーおよび/または回折強度の空間分布を検出する。
【0030】該表面から反射および/または回折された
X線の信号を測定するには、2つの方法がある。その第
一の方法が、入射するX線の波長を1つに限定し、反射
および/または回折されたX線の回折強度の空間分布を
検出する方法である。第ニの方法が、複数(またはある
範囲で連続した)波長のX線を同時に入射し、反射およ
び/または回折されたX線の回折強度をエネルギーの関
数として用いる方法である。前者の方法は高い精度で情
報が得られるが、検出器をスキャンさせる必要がある。
後者の方法は検出器をスキャンさせる必要がなく短時間
でのその場観察が可能であるが、分解精度は前者ほど高
くない。目的に応じてこれらを使いわければよい。
【0031】本法において、X線の入射角度αが臨界角
度αcに比べて大きくなると、該表面から反射されたX
線の信号の強度は著しく低下し、同時にX線の侵入深さ
も急激に増加する。そこで、本法において、十分な強度
の信号を測定し、表面敏感性の高い測定を行うには、X
線の入射角を極低角にすればよいが、特に、X線の入射
角度αを0<α≦2×αcの範囲内にするとよい。
【0032】ここで、X線の入射角度αを2×αc以下
に保つのは、それより大きい角度においては、該表面か
ら反射されたX線の信号の強度は著しく低下し測定が困
難になるためである。こうした傾向は、特に高温で表面
反応が生じた際に、顕著になる。
【0033】入射角度αを2×αc以下に保つ第ニの理
由として、これより大きな角度では、試料への進入深さ
が急激に大きくなり表面敏感性が低下するからである。
入射角度αを入射X線が表面によって全反射される臨界
角度αc近傍に保つと、入射したX線が全反射され入射
線の試料への進入深さが約100Å(約20原子層)より表
面近傍となり、かつ入射X線と回折X線の干渉による強
調効果により最表面の二次元構造に関する情報を得るこ
とが可能になる。こうした効果は、入射角度αが2×α
cを超えると急激に小さくなる。
【0034】入射角度αの下限が0より大きいのは、こ
れ以下ではX線が表面に照射されず測定が不能であるか
らである。また、試料表面が完全な平面でない場合や、
複数の相から構成されているときには、表面粗さや複数
相の加重平均による臨界角度を本発明での臨界角度αc
として採用すればよい。
【0035】例えば、X線の入射角度αが0<α≦2×
αcの範囲内で、該表面からの全反射X線の強度を、全反
射X線が試料表面となす角度の関数として測定すること
により、該表面の密度、凹凸、薄膜が存在する場合には
その厚さ等の情報をえることができる。同様に、X線の
入射角度αが0<α≦2×αcの範囲内で、該表面から
の回折X線の強度を、回折X線が入射X線となす角度の関
数として測定することにより、該表面の結晶構造に関す
る情報を得ることができる。
【0036】
【実施例】実施例1 図1は本発明にかかわる装置の一実施例を示したもので
ある。この一実施例の装置は、加熱体2、測温装置3、
試料保持台4、断熱体5、容器6、X線透過窓7、位置
制御装置8、雰囲気制御装置9、を具備した構成であ
る。
【0037】そして、X線源10として実験室系のCu回
転陽極型の発生装置、あるいは放射光からのX線を用
い、X線検出器検出器11としては、シンチレーション
検出器、イオンチャンバー、イメージングプレート、を
切り替えて使用する。
【0038】位置制御装置8としては、直交する3軸の
各軸の回りの回転と、各軸の方向への直線移動の機能を
有するステージを用い、容器6全体を動かすことによ
り、10から発生したX線がX線透過窓7を通して試料
1に照射され、そこから反射あるいは回折されたX線
が、別のX線透過窓7を通過し、X線検出器11によ
り、X線の強度の空間分布を検出するように配置されて
いる。これを実現するために、位置制御装置8により、
試料1の表面と入射X線の相対位置、角度を制御する。
【0039】該表面の上方に設置された加熱体2は、Si
C をコートした板状のカーボン製のヒータである。試料
保持台4はアルミナ製の円筒状の容器であり、ブロック
状(20X20X25 mm )程度の大きさの試料1を保持可能で
ある。容器6は雰囲気制御装置9と伸縮自在な金属製ベ
ローズで接続されており、雰囲気制御装置9は油回転式
の真空ポンプ、Heガス導入装置、バルブ、圧力計、流量
計から構成されている。雰囲気制御装置9からのHeガス
導入が該表面付近に流れ込むように、試料付近に内径2
mmのアルミナ製の管が配置されている。
【0040】実施例2 実施例1のブロック状(20X20X25 mm )のシリコン表面
の構造変化を観察した。X線源10として放射光から発
生したエネルギーE=6812eVのX線を、検出器11として
シンチレーション検出器を用いた。そして、Si(001) 表
面を He ガス中で温度T=室温〜融点の範囲で、試料表
面からの反射されたX線の強度を、入射角度と出射角度
が等しい条件で、X線の入射角度αが0<α≦6×αc
範囲で変えながら測定した。その中の3つの温度の例を
図2に示す。
【0041】この反射されたX線の強度より反射率を求
めその解析を行うことにより、表面付近の数原子層の密
度と凹凸の数値が得られる。その結果のまとめを表1に
示す。加熱に伴い表面の密度と凹凸が変化していること
が明瞭に確認できる。
【0042】
【表1】
【0043】比較例1 試料1としブロック状(20X20X25 mm )の Si を酸素含
有中の窒素ガス中にて、板状ヒータの上に設置し加熱し
ながら、X線反射率の測定を行った。X線の入射角度αが
0<α≦6×αcの範囲で変えながら測定した。T=1373K
付近の温度で表面の酸化が進行し、測定が困難になり、
それ以上の高温ではヒータとの反応が進行しさらに表面
の融解のために測定不能になった。
【0044】比較例2 試料1としブロック状(20X20X25 mm )の Si を酸素含
有中の窒素ガス中にて、板状ヒータの上に設置し加熱し
ながら、X線反射率の測定を行った。 X線の入射角度α
が5×αc<α≦30×αcの範囲で変えながら測定した
が、室温から高温のすべての温度範囲で、反射X線の強
度が著しく小さく測定不能であった。
【0045】
【効果】本発明により、融点近傍の高温域でも、該シリ
コンの下部と加熱体の反応や、該シリコンそのものの溶
融なしに、この温度域での表面の挙動を観察することが
可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面観察装置。
【図2】本発明による解析により得られたSi表面の加熱
中のX線反射率曲線。
【符号の説明】
1 試料 2 加熱体 3 測温装置 4 試料保持台 5 断熱体 6 容器 7 X線透過窓 8 位置制御装置 9 雰囲気制御装置 10 X線源 11 X線検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 茂 川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本 製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 鈴木 環輝 川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本 製鐵株式会社技術開発本部内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA15 BA18 CA01 DA01 DA09 GA01 GA13 HA09 HA12 JA04 JA14 KA08 KA13 PA07 RA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面にX線を照射し、該表面から反
    射および/または回折されたX線のエネルギーおよび/ま
    たは強度の空間分布を検出することにより該表面の原子
    および/または電子の構造を解析する方法であって、入
    射X線と試料面がなす角度をα、入射X線に対する試料
    の臨界角度をαcとしたとき、試料の上方から試料表面
    を加熱し、該試料表面に入射X線を0<α≦2×αc
    角度範囲内で照射し、該表面からの反射および/または
    回折されたX線を測定することを特徴とした表面観察方
    法。
  2. 【請求項2】 試料表面にX線を照射し、該表面から回
    折および/または反射されたX線のエネルギーおよび/ま
    た強度の空間分布を検出する装置であって、試料表面付
    近のガス雰囲気を制御するための容器と該容器内に試料
    保持台とその試料保持台の上方に加熱体が設置され、該
    容器に、試料表面に入射X線を照射するためのX線が透過
    可能な窓と、試料表面から反射および/または回折され
    たX線を検出するための窓を有することを特徴とした表
    面観察装置。
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