JP2000263921A - 二液を用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

二液を用いたインクジェット記録方法

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JP2000263921A
JP2000263921A JP7082999A JP7082999A JP2000263921A JP 2000263921 A JP2000263921 A JP 2000263921A JP 7082999 A JP7082999 A JP 7082999A JP 7082999 A JP7082999 A JP 7082999A JP 2000263921 A JP2000263921 A JP 2000263921A
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Japan
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ink
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jet recording
ink jet
reaction liquid
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Tetsuya Aoyama
山 哲 也 青
Hitoshi Ota
田 等 太
Kazuhiko Kitamura
村 和 彦 北
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐光性に優れ、かつにじみの少な
い、とりわけ色間にじみの少ない画像が実現できる二液
を用いたインクジェット記録方法の提供。 【解決手段】 インク組成物と反応液との二液を印刷す
るインクジェット記録方法において、特定構造のカチオ
ン性水溶性樹脂を含んでなる反応液を用いる。すなわ
ち、反応液として、インク組成物と接触したとき凝集物
を生じさせる、下記の式(I)で表される繰り返し単位
を含んでなるカチオン性水溶性樹脂を含んでなるものを
もちいる。 【化1】 (上記式中、R1およびR2は、水素原子またはアルキル
基を表すが、両者が同時に水素原子を表すことはなく、
nは0、1、または2を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳しくは記
録媒体に反応液とインク組成物とを付着させて印刷を行
うインクジェット記録方法に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔
させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法
である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高
品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物
は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防
止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一
般的である。
【0003】一方、インクジェット記録方法として、最
近新たに、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少
なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むイン
ク組成物を適用する方法が提案されている(例えば、特
開平5−202328号公報)。この方法においては、
多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成され、こ
の複合体の存在により、耐水性がありかつカラーブリー
ドがない高品位の画像を得ることができるとされてい
る。
【0004】また、少なくとも浸透性を付与する界面活
性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインク
と、この塩との作用により増粘または凝集するブラック
インクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高
くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得ら
れるという提案もなされている(特開平6−10673
5号公報)。すなわち塩を含んだ第一の液と、インク組
成物との二液を印刷することで、良好な画像が得られる
とするインクジェット記録方法が提案されている。
【0005】また、その他にも二液を印刷するインクジ
ェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−
240557号公報、特開平3−240558号公
報)。
【0006】一方で、良好な画像、とりわけ耐水性を実
現するために、インクジェット記録用インクにカチオン
性樹脂を添加することが行われてきた。
【0007】例えば、特開昭62−119280号公報
には、ヒドロキシエチル化ポリエチレンイミンポリマー
と染料成分とからなるインクが開示されており、このよ
うな組み合わせで耐水性が発現されるとしている。
【0008】また、特公平7−91494号公報には、
ヒドロキシアルキル化ポリアリルアミンポリマーと染料
からなるインクが開示されており、この組み合わせで耐
水性が発現するとしている。
【0009】しかし、上記した2つのインクでは、使用
するポリマーに親水性の高いヒドロキシアルキル基が置
換されているため、画像の充分な耐水性を確保するとい
う点で、さらに改善が必要とされる。
【0010】また、特開平2−255876号、特開平
2−296876号、および特開平3−188174号
各公報には、分子量300以上の1級アミン基を有する
ポリアミンと、アニオン染料と、安定性付与剤とからな
るインク組成物が開示されている。ここでは、1級アミ
ンとアニオン染料の組み合わせにおいて耐水性が発現さ
れるとしている。
【0011】さらに、特開平7−305011号公報に
は、塩基性水溶性高分子と、揮発性塩基をカウンターイ
オンとするアニオン染料と、揮発性塩基をカウンターイ
オンとする緩衝剤とからなる水性インクが開示されてい
る。揮発性塩基によりインク中における高分子の解離を
抑制し、紙上では揮発性塩基を蒸発させて高分子と染料
間の造塩反応を進行させて、耐水性を得るとされてい
る。
【0012】また、特開昭62−238783号公報に
は、ジアリルアミン酸塩およびモノアリルアミン酸塩の
ホモポリマーあるいは両者のコポリマーを含むインクジ
ェット記録用紙が開示されている。この記録媒体上で、
ポリマーと染料との不溶化反応を生じさせ、耐水性を得
ているとされている。
【0013】しかし、上記したインク組成物の中には、
耐光性においてさらに改善が必要とされるものがある。
例えば、特開平2−255876号、特開平2−296
876号、および特開平3−188174号各公報の実
施例にカチオン性樹脂として具体的に示されているポリ
エチレンイミンあるいはポリアリルアミンを用いた場合
は、この樹脂が染料に強くアタックして、例えばインク
を高温放置した場合に染料の分解が生じたり、印刷物の
光分解を促進して染料単独のインクより耐光性を低下さ
せることがある。
【0014】また、特開平7−305011号公報に示
されている、カチオン性樹脂を含む記録媒体を用いる記
録方法では、そもそもインクに耐水性がないため、これ
以外の記録媒体を用いた場合、画像に充分な耐水性が発
現しない。
【0015】
【発明の概要】本発明者等は、今般、インク組成物と反
応液との二液を印刷するインクジェット記録方法におい
て、特定構造のカチオン性水溶性樹脂を含んでなる反応
液を用いることで、良好な画像、とりわけ耐水性、耐光
性に優れ、かつにじみの少ない画像が実現できるとの知
見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0016】従って、本発明は、耐水性、耐光性に優
れ、かつにじみの少ない、とりわけカラーブリードの少
ない画像が実現できる二液を用いたインクジェット記録
方法の提供をその目的としている。
【0017】そして、本発明によるインクジェット記録
方法は、記録媒体に、インク組成物と、反応液とを付着
させて印刷を行うインクジェット記録方法であって、前
記反応液が、インク組成物と接触したとき凝集物を生じ
させる下記の式(I)で表される繰り返し単位を含んで
なるカチオン性水溶性樹脂を含んでなるものである:
【化2】 (上記式中、R1およびR2は、同一でも異なっていても
よく、水素原子またはC1-5アルキル基を表すが、両者
が同時に水素原子を表すことはなく、nは0、1、また
は2を表す)
【0018】
【発明の具体的説明】インクジェット記録方法 本発明によるインクジェット記録方法は、記録媒体に反
応液とインク組成物とを印刷する工程を含んでなるもの
である。
【0019】本発明によるインクジェット記録方法にあ
っては、反応液とインク組成物とが接触することで良好
な画像が実現できる。以下は仮定であってこれによって
本発明が限定的に解釈されないことを条件にその理由を
述べれば次の通りである。反応液とインク組成物とが接
触すると、反応液中の式(I)で表される繰り返し単位
を含んでなるカチオン性水溶性樹脂がインク組成物中の
着色剤、後記する場合によって含まれる樹脂エマルジョ
ン、その他の成分の溶解および/または分散状態を破壊
し、それを凝集させると考えられる。これらの凝集物が
着色剤の記録媒体への浸透を抑制すると考えられる。そ
の結果、色濃度の高い、にじみ、印刷ムラの少ない画像
を実現するものと考えられる。また、カラー画像におい
ては、異なる色の境界領域での不均一な色混じり、すな
わちカラーブリードを有効に防止できるとの利点も有す
る。
【0020】さらに、カチオン性水溶性樹脂は、反応液
中では安定的に溶解しているが、この反応液をインク組
成物とともに記録媒体上に付着させると、カチオン性水
溶性樹脂はインク組成物に含まれる着色剤と静電的な相
互作用を生じ、一方でこの樹脂は記録媒体とも相互作用
を生じ、記録媒体上に安定的に固定され得る。記録媒体
への樹脂の固定化に伴い、着色剤も樹脂と共に記録媒体
に固定され、画像の耐水性が付与されると考えられる。
また、着色剤が記録媒体に良好に固定される結果、にじ
みおよびカラーブリードの少ない画像が実現できると考
えられる。さらに好ましいことには、式(I)で表され
るカチオン性水溶性樹脂を含んだ反応液と染料を含んだ
インク組成物とを組み合わせることで耐光性においても
大きな改善が図られた。従来、カチオン性水溶性樹脂と
して用いられてきたポリアリルアミンと染料との組み合
わせは、その耐光性において染料独自の特性より劣化さ
せるという点で不利であった。しかし、本発明にあって
は、式(I)で表される樹脂を用いることにより、画像
の耐水性を保持しつつ染料単独の耐光性を維持できると
いう、従来の組み合わせでは為し得なかった点を改善す
るものである。
【0021】反応液とインク組成物を記録媒体に適用す
る順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち
反応液を記録媒体に付着させその後この記録媒体にイン
ク組成物を付着させる方法、インク組成物を付着させた
後反応液を付着させる方法、さらに反応液とインク組成
物をその射出直前または直後に混合する方法のいずれも
好適に行うことができる。
【0022】反応液の記録媒体への付着に関しては、イ
ンク組成物を付着させる場所にのみ選択的に反応液を付
着させるという方法と、紙面全体に反応液を付着させる
方法のいずれの態様であってもよい。前者が反応液の消
費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、
反応液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度
の精度が要求される。一方、後者は、前者に比べ反応液
およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和され
るが、紙面全体に大量の反応液を付着させることとな
り、乾燥の際、紙がカールしやすい。従って、いずれの
方法を採用するかは、インク組成物と反応液との組み合
わせを考慮して決定されてよい。前者の方法を採用する
場合、反応液の付着は、インクジェット記録方法による
ことが可能である。
【0023】反応液 本発明において用いられる反応液は、基本的にインク組
成物と接触したとき凝集物を生じさせる下記の式(I)
で表される繰り返し単位を含んでなるカチオン性水溶性
樹脂を含んでなる。
【0024】本発明に用いるカチオン性水溶性樹脂は、
式(I)において、R1およびR2は、同一でも異なって
いてもよく、水素原子またはC1-5アルキル基、好まし
くはメチル基、を表す。但し、このR1およびR2が同時
に水素原子を表すことはない。最も好ましくはR1およ
びR2が同時にメチル基を表す場合である。
【0025】式(I)において、nは0、1、または2
を表すが、好ましくは1を表す場合である。
【0026】本発明の好ましい態様によれば、カチオン
性水溶性樹脂の重量平均分子量は300〜20,000
程度の範囲であるのが好ましく、より好ましくは400
〜10,000程度の範囲であり、最も好ましくは50
0〜2,500の範囲である。本発明の好ましい態様に
よれば、上記のカチオン性水溶性樹脂は反応液全量に対
して0.1〜20重量%の範囲であるのが好ましく、よ
り好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
【0027】本発明の好ましい態様によれば、上記のカ
チオン性水溶性樹脂は、式(I)で表される以外の単位
を含んでなることができる。このような単位を含むこと
で、カチオン性水溶性樹脂の種々の特性を改善すること
ができる。含むことのできる単位を与えるモノマーとし
ては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアルコール、
ビニルアミン、酢酸ビニル、アクリル酸またはアクリル
酸エステル(例えば、低級アルキルエステル)、メタク
リル酸またはメタクリル酸エステル(例えば、低級アル
キルエステル)、アクロニトリル、メチルビニルエーテ
ル、ビニルピロリドン、または二酸化硫黄が挙げられ
る。これらモノマーに由来する単位のカチオン性水溶性
樹脂中の存在量は特に限定されないが、モル比で70%
以下が好ましく、より好ましくは30%以下である。ま
た、これら単位のカチオン性水溶性樹脂中での存在は、
ブロックであっても、ランダムであってもよい。
【0028】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明による反応液は、上記カチオン性水溶性樹脂以外の
水溶性樹脂を含んでなることができる。そのような水溶
性樹脂としては、ノニオン性水溶性樹脂が好ましく、例
えば、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタ
クリレート等のポリメタクリル酸ヒドロキシエステル、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレングリコール等が用いられる。これらの水溶性樹脂
の添加によって反応液をさらに安定化させることができ
る。
【0029】本発明において反応液とは、上記の通りイ
ンク組成物中の染料あるいは顔料、場合によって樹脂エ
マルジョン、その他の成分の分散および/または溶解状
態を破壊し、凝集させ得るものである。
【0030】さらに本発明によるインクジェット記録方
法における反応液には、多価金属塩を含んでなることが
できる。その好ましい例としては、二価以上の多価金属
イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとか
ら構成され、水に可溶な塩が挙げられる。多価金属イオ
ンの具体例としては、Ca2 +、Cu2+、Ni2+、M
2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオン、Al3+
Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰
イオンとしては、Cl-、硝酸イオン、I-、Br-、C
lO3 -およびカルボン酸イオンなどがあげられる。
【0031】とりわけ、Ca2+またはMg2+より構成さ
れる金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質と
いう二つの観点から、好適な結果を与える。
【0032】これら多価金属塩の反応液中における濃度
は印刷品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜
決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度
であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0033】本発明の好ましい態様においては、反応液
に含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオン
と、これら多価金属イオンに結合する硝酸イオンまたは
カルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものであ
る。
【0034】ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは
炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数
7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるもの
である。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好
ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸
などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0035】このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素
基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、その
ようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げら
れる。
【0036】さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカ
ルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸
等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0037】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでいてもよい。高
沸点有機溶媒は、反応液の乾燥を防ぐことによりヘッド
の目詰まりを防止する。高沸点有機溶媒の好ましい例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの
多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価
アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあ
げられる。
【0038】高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されな
いが、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より
好ましくは2〜20重量%程度である。
【0039】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
低沸点有機溶剤を含んでいてもよい。低沸点有機溶剤の
好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげ
られる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶
剤は、反応液の記録媒体上での乾燥時間を短くする効果
がある。低沸点有機溶剤の添加量は0.5〜10重量%
が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲で
ある。
【0040】本発明の好ましい態様によれば、反応液は
浸透剤を含んでいてもよい。浸透剤としては、アニオン
性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性
剤、ノニオン界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノー
ル、エタノール、iso−プロピルアルコール等のアル
コール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
等の多価アルコールの低級アルキルエーテルなどがあげ
られる。
【0041】インク組成物 本発明においてインク組成物とは、モノクロ印刷を行う
場合にはブラックインク組成物を意味し、さらにカラー
印刷を行う場合にはカラーインク組成物、具体的にはイ
エローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシ
アンインク組成物、更に場合によってブラックインク組
成物を意味するものとする。
【0042】本発明において用いられるインク組成物
は、少なくとも着色剤と水とを含んでなる。
【0043】本発明において用いられるインク組成物に
含まれる着色剤としては、染料、顔料のいずれであって
もよい。
【0044】染料は、水に溶解する有機性有色物質であ
り、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接染料、
反応染料、可溶性建染染料、または食品用色素に分類さ
れているものが有用である。また、中性の水に不溶であ
ってもアルカリ水に可溶であれば、カラーインデックス
において油溶染料、塩基性染料または顔料に分類される
着色剤を用いることもできる。
【0046】染料およびアルカリ可溶性の顔料の例とし
ては、黄色系としては、C.I.アシッドイエロー1、
3、11、17、19、23、25、29、36、3
8、40、42、44、49、59、61、70、7
2、75、76、78、79、98、99、110、1
11、127、131、135、142、162、16
4、165、C.I.ダイレクトイエロー1、8、1
1、12、24、26、27、33、39、44、5
0、55、58、85、86、87、88、89、9
8、110、132、142、144、C.I.リアク
ティブイエロー1、2、3、4、6、7、11、12、
13、14、15、16、17、18、22、23、2
4、25、26、27、37、42、C.I.フードイ
エロー3、4、C.I.ソルベントイエロー15、1
9、21、30、109、C.I.ピグメントイエロー
23等が挙げられる。また、赤色系として、C.I.ア
シッドレッド1、6、8、9、13、14、18、2
6、27、32、35、37、42、51、52、5
7、75、77、80、82、85、87、88、8
9、92、94、97、106、111、114、11
5、117、118、119、129、130、13
1、133、134、138、143、145、15
4、155、158、168、180、183、18
4、186、194、198、209、211、21
5、219、249、252、254、262、26
5、274、282、289、303、317、32
0、321、322、C.I.ダイレクトレッド1、
2、4、9、11、13、17、20、23、24、2
8、31、33、37、39、44、46、62、6
3、75、79、80、81、83、84、89、9
5、99、113、197、201、218、220、
224、225、226、227、228、229、2
30、231、C.I.リアクティブレッド1、2、
3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、1
6、17、19、20、21、22、23、24、2
8、29、31、32、33、34、35、36、3
7、38、39、40、41、42、43、45、4
6、49、50、58、59、63、64、C.I.ソ
ルビライズレッド1、C.I.フードレッド7、9、1
4、C.I.ピグメントレッド41、48、54、5
7、58、63、68、81等が挙げられる。また、青
色系として、C.I.アシッドブルー1、7、9、1
5、22、23、25、27、29、40、41、4
3、45、54、59、60、62、72、74、7
8、80、82、83、90、92、93、100、1
02、103、104、112、113、117、12
0、126、127、129、130、131、13
8、140、142、143、151、154、15
8、161、166、167、168、170、17
1、182、183、184、187、192、19
9、203、204、205、229、234、23
6、249、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、1
5、22、25、41、71、76、77、78、8
0、86、87、90、98、106、108、12
0、123、158、160、163、165、16
8、192、193、194、195、196、19
9、200、201、202、203、207、22
5、226、236、237、246、248、24
9、C.I.リアクティブブルー1、2、3、4、5、
7、8、9、13、14、15、17、18、19、2
0、21、25、26、27、28、29、31、3
2、33、34、37、38、39、40、41、4
3、44、46、C.I.ソルビライズバットブルー
1、5、41、C.I.バットブルー29、C.I.フ
ードブルー1、2、C.I.ベイシックブルー9、2
5、28、29、44、C.I.ピグメントブルー1、
17等が挙げられる。更に、黒色系として、C.I.ア
シッドブラック1、2、7、24、26、29、31、
48、50、51、52、58、60、62、63、6
4、67、72、76、77、94、107、108、
109、110、112、115、118、119、1
21、122、131、132、139、140、15
5、156、157、158、159、191、C.
I.ダイレクトブラック17、19、22、32、3
5、38、51、56、62、71、74、75、7
7、94、105、106、107、108、112、
113、117、118、132、133、146、1
54、168、171、195、C.I.リアクティブ
ブラック1、3、4、5、6、8、9、10、12、1
3、14、18、C.I.ソルビライズバットブラック
1、C.I.フードブラック2等が挙げられる。これら
の染料またはアルカリ可溶性の顔料を単独または複数種
混合して用いることができる。
【0047】顔料としては、特別な制限なしに無機顔
料、有機顔料を使用することができる。無機顔料として
は、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、フ
ァーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造
されたカーボンブラックを使用することができる。ま
た、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含
む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジコ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キ
レート顔料(例えば、塩基性染料型キレート顔料、酸性
染料型キレート顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ顔
料、アニリンブラックなどを使用することもできる。
【0048】着色剤の存在量は適宜決定されてよいが、
例えばインク組成物全重量に対して0.5〜20重量%
の範囲で添加することが好ましい。この範囲にあること
で、充分な光学濃度の印刷画像が実現でき、またインク
ジェット記録方式に適当な粘度に調整しやすいからであ
【0049】本発明の好ましい態様によれば、これら着
色剤のうち顔料を分散剤または界面活性剤で、あるいは
表面処理によりアニオン性の官能基を導入して、水性媒
体中に分散できる形態にすることが好ましい。これによ
りインク組成物中に、顔料粒子を安定的に分散でき、一
方で記録媒体上では反応液中のカチオン性水溶性樹脂と
導入された官能基との静電的な相互作用が発現して、に
じみやカラーブリードの少ない鮮明な画像が実現でき
る。
【0050】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は樹脂エマルジョンを含んでなるのが好ましい。こ
こで、樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散
相が次のような樹脂成分であるエマルジョンを意味す
る。分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹
脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、などがあげられる。
【0051】本発明の好ましい態様によれば、この樹脂
は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるの
が好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマル
ジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm
程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程
度である。
【0052】これらの樹脂エマルジョンは、樹脂モノマ
ーを、場合によって界面活性剤とともに水中で分散重合
することによって得ることができる。例えば、アクリル
系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョン
は、(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アク
リル酸エステルおよびスチレンを、界面活性剤とともに
水中で分散重合させることによって得ることができる。
樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1
〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量
が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸
透性が得られる。界面活性剤は特に限定されないが、好
ましい例としてはアニオン性界面活性剤(例えばドデシ
ルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート
のアンモニウム塩など)、ノニオン性界面活性剤(例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポ
リオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、こ
れらを単独または二種以上を混合して用いることができ
る。また、アセチレングリコール(オレフィンY、なら
びにサーフィノール82、104、440、465、お
よび485(いずれもAir Products and Chemicals In
c. 製))を用いることも可能である。
【0053】また、市販の樹脂エマルジョンを使用する
ことも可能であり、例えばマイクロジェルE−100
2、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001
(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業
株式会社製)ボンコート5454(スチレン−アクリル
系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社
製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エ
マルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールS
K−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化
学株式会社製)、などがあげられる。
【0054】本発明に使用するインクは、樹脂エマルジ
ョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%と
なるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜2
5重量%の範囲である。
【0055】樹脂エマルジョンは、式(I)で表わされ
る繰り返し単位を含んでなるカチオン性水溶性樹脂との
相互作用により、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録
媒体への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマ
ルジョンの種類によっては記録媒体上で皮膜を形成し、
印刷物の耐擦性をも向上させる効果も有する。
【0056】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は樹脂エマルジョン形態の熱可塑性樹脂を含んでな
るのが好ましい。ここで、熱可塑性樹脂とは、軟化温度
が50℃〜250℃、好ましくは60℃〜200℃、の
ものである。ここで、軟化温度という語は、熱可塑性樹
脂のガラス転移点、融点、粘性率が1011〜1012ポア
ズになる温度、流動点、樹脂エマルジョンの形態にある
場合その最低造膜温度(MFT)のうち最も低い温度を
意味するものとする。本発明による方法の加熱工程で
は、記録媒体を熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度で加
熱する。
【0057】また、これらの樹脂は、軟化または溶融温
度以上に加熱され冷却された際に強固な耐水性、耐擦性
のある膜を形成するものが好ましい。
【0058】水不溶性の熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタア
クリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン‐
ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリ
ル‐ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ
素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セル
ロース、スチレン‐アクリル酸共重合体、スチレン‐メ
タアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン‐アク
リルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポ
リアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセ
タール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポ
リカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニル‐アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリ
ウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。
【0059】低分子量の熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコ
ールワックス、合成酸化ワックス、αオレフィン‐無水
マレイン酸共重合体、カルナバワックス等の動植物系ワ
ックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス等が挙げられる。
【0060】このような樹脂エマルジョンとして、公知
の樹脂エマルジョンを用いることも可能であり、例えば
特公昭62−1426号、特開平3−56573号、特
開平3−79678号、特開平3−160068号、特
開平4−18462号などに記載の樹脂エマルジョンを
そのまま用いることができる。
【0061】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物はアルギン酸誘導体を含んでなるのが好ましい。ア
ルギン酸誘導体の好ましい例としては、アルギン酸アル
カリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)アル
ギン酸有機塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、ア
ルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられる。
【0062】このアルギン酸誘導体のインク組成物への
添加量は、好ましくは0.01〜1重量%程度であり、
より好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0063】アルギン酸誘導体の添加により良好な画像
が得られる理由は確定できないが、反応液に存在する式
(I)で表わされる繰り返し単位を含んでなるカチオン
性水溶性樹脂が、インク組成物中のアルギン酸誘導体と
反応し、着色剤の溶解あるいは分散状態を変化させ、着
色剤の記録媒体への定着が促進されることに起因するも
のと考えられる。
【0064】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は有機溶媒を含んでなるのが好ましい。この有機溶
媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい
例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、is
o−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。
特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、イ
ンクの乾燥時間を短くする効果がある。
【0065】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒
からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有
機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−
ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル
類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエ
タノールアミンなどがあげられる。
【0066】これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5
〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量
%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はイン
クの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
1.5〜6重量%の範囲である。
【0067】本発明に用いられる、インク組成物は分散
剤および界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の
例としては、前記樹脂エマルジョンの説明で記載した各
種の界面活性剤が挙げられる。
【0068】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は糖を含有してなることも可能である。糖類の例と
しては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四
糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグル
コース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロ
ース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グル
シシール、(ソルビット)、マルトース、セロビオー
ス、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトト
リオース、などがあげられる。ここで、多糖類とは広義
の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、
セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に
用いることとする。
【0069】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH2(CHOH)n CH2OH(ここで、n=2〜5
の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルド
ン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげら
れる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマ
ルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0070】これら糖類の含有量は、インクの0.1〜
40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適
当である。
【0071】その他、必要に応じて、pH調整剤、防腐
剤、防かび剤等を添加しても良い。
【0072】インクジェット記録装置 本発明によるインクジェット記録方法を実施するインク
ジェット記録装置について以下、図面を用いて説明す
る。
【0073】図1のインクジェット記録装置は、インク
組成物および反応液をタンクに収納し、インク組成物お
よび反応液がインクチューブを介して記録ヘッドに供給
される態様である。すなわち、記録ヘッド1とインクタ
ンク2とがインクチューブ3で連通される。ここで、イ
ンクタンク2は内部が区切られてなり、インク組成物、
場合によって複数のカラーインク組成物の部屋と、反応
液の部屋とが設けられてなる。
【0074】記録ヘッド1は、キャリッジ4に沿って、
モータ5で駆動されるタイミングベルト6によって移動
する。一方、記録媒体である紙7はプラテン8およびガ
イド9によって記録ヘッド1と対面する位置に置かれ
る。なお、この態様においては、キャップ10が設けら
れてなる。このキャップ10には吸引ポンプ11が連結
され、いわゆるクリーニング操作を行う。吸引されたイ
ンク組成物はチューブ12を介して廃インクタンク13
に溜め置かれる。
【0075】記録ヘッド1のノズル面の拡大図を図2に
示す。1bで示される部分が反応液のノズル面であっ
て、反応液が吐出されるノズル21が縦方向に設けられ
てなる。一方、1cで示される部分がインク組成物のノ
ズル面であって、ノズル22、23、24、25からは
それぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成
物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物
が吐出される。
【0076】さらにこの図2に記載の記録ヘッドを用い
たインクジェット記録方法を図3を用いて説明する。記
録ヘッド1は矢印A方向に移動する。その移動の間に、
ノズル面1bより反応液が吐出され、記録媒体7上に帯
状の反応液付着領域31を形成する。次に記録媒体7が
紙送り方向矢印Bに所定量移送される。その間記録ヘッ
ド1は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左
端の位置に戻る。そして、既に反応液が付着している反
応液付着領域にインク組成物を印刷し、印刷領域32を
形成する。
【0077】また、図4に記載のように記録ヘッド1に
おいて、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可
能である。図中で、41aおよび41bは反応液の吐出
ノズルであり、ノズル42、43、44、45からはぞ
れぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、
シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐
出される。このような態様の記録ヘッドにおいては、記
録ヘッド1がキャリッジ上を往復する往路、復路いずれ
においても印刷が可能である点で、図2に示される記録
ヘッドを用いた場合よりも速い速度での印刷が期待でき
る。
【0078】さらに反応液とインク組成物の表面張力を
好ましくは前記のように調節することにより、これらの
付着順序にかかわらず、高品質の画像がより一定して得
られる。この場合反応液の吐出ノズルを1つとすること
もでき(例えば図中で41bのノズルを省くことができ
る)、さらなるヘッドの小型化と印刷の高速化が達成で
きる。
【0079】さらに、インクジェット記録装置には、イ
ンク組成物の補充がインクタンクであるカートリッジを
取り替えることで行われるものがある。また、このイン
クタンクは記録ヘッドと一体化されたものであってもよ
い。
【0080】このようなインクタンクを利用したインク
ジェット記録装置の好ましい例を図5に示す。図中で図
1の装置と同一の部材については同一の参照番号を付し
た。図5の態様において、記録ヘッド1aおよび1b
は、インクタンク2aおよび2bと一体化されてなる。
記録ヘッド1aまたは1bをそれぞれインク組成物およ
び反応液を吐出するものとする。印字方法は基本的に図
1の装置と同様であってよい。そして、この態様におい
て、記録ヘッド1aとインクタンク2aおよび記録ヘッ
ド1aおよびインクタンク2bは、キャリッジ4上をと
もに移動する。
【0081】
【実施例】以下本発明を以下の実施例によって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるれものではな
い。なお、以下の実施例において、特に断らないかぎり
%は重量%である。
【0082】合成例1:ポリアリルアミン(PAA)塩
酸塩の調製 モノアリルアミン57.1g(1モル)に36%塩酸1
01.4g(1モル)を加え、59%のモノアリルアミ
ン塩酸塩水溶液を得た。ロータリーエバポレーターで6
7%まで濃縮し、ここへ2,2’−アゾビス−(2−ア
ミジノプロパン)・2塩酸塩を0.01モル加え、50
℃にて24時間重合した。重合終了後、精製し、乾燥し
て、PAAの塩酸塩を得た。
【0083】合成例2:PAA塩酸塩の脱塩酸調製 合成例1で得たPAAの塩酸塩10gを超純水90gに
溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン交換した
イオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)を用い
て、酸部を除去した。得られた樹脂の重量平均分子量は
5,000であった。
【0084】合成例3:低分子量PAAの調製 35%塩酸550g(5.3モル)中に、氷冷下5〜1
0℃で攪拌しながらモノアリルアミン286g(5モ
ル)を滴下した。滴下後、ロータリーエバポレータによ
り、減圧下・60℃にて水および塩化水素を除去し、白
色結晶を得た。この結晶を、減圧下にて80℃で乾燥さ
せ、モノアリルアミン塩酸塩485gを得た。この塩酸
塩を熱分析(TG)で測定したところ、4.8%の水分
を含んでいた。得られたモノアリルアミン塩酸塩から7
0%水溶液を調製し、この水溶液50gに、ラジカル開
始剤2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)・
2塩酸塩を0.01モル加え、さらに35%塩酸を25
g追加した。その後、60℃下で40時間静置重合させ
た。重合終了後、系をアセトン(1900g)/メタノ
ール(100g)の混合液に注入し、生じた沈殿を濾過
した。このろ過ケーキを超純水に溶解し、あらかじめ水
酸化ナトリウムでイオン交換したイオン交換樹脂(IR
A900:オルガノ製)を用いて、酸部を除去し、重量
平均分子量2,000のPAAを得た。
【0085】合成例4 ラジカル開始剤を倍量にしたこと以外は、合成例3と同
様の操作を繰り返し、PAAを調製した。得られたPA
Aの重量平均分子量は900であった。
【0086】合成例5 ラジカル開始剤を3倍量とし、モノアリルアミン塩酸塩
水溶液濃度を50%とした他は、合成例3と同様の操作
を繰り返し、PAAを調製した。得られたPAAの重量
平均分子量は600であった。
【0087】合成例6 ラジカル開始剤の添加量を4倍量とし、重合時間を80
時間にした以外は、合成例3と同様の操作を繰り返し、
PAAを調製した。得られたPAAの重量平均分子量は
350であった。
【0088】さらに、同様の重合方法を繰り返し、種々
の重量平均分子量の樹脂を得た。また、モノマーの塩と
して他の酸を使うことも可能であった。なお、以下の記
載で、例えば、「PAA(Mw1,500)」は重量平
均分子量1,500のフリータイプのポリアリルアミン
を意味する。また、「PAA−R(Mw1,500)」
はPAAのN位にRを置換した重量平均分子量が1,5
00のフリータイプの樹脂を、「PAA−R,R’(M
w1,500)」はPAAのN位にRおよびR’を置換
した重量平均分子量が1,500のフリータイプの樹脂
を意味する。また、「PAA(Mw1,500)の塩酸
塩」は重量平均分子量が1,500のフリータイプのP
AAに塩酸が塩として付加されていることを意味する。
さらに、以下の記載において、メチル基を「Me」、エ
チル基を「Et」、プロピル基を「Pr」と略記する。
【0089】カチオン性水溶性樹脂1 合成例2で調製したPAA(Mw5,000)の25%
水溶液100gを30℃に保ちながら、この水溶液に9
0%蟻酸を90g滴下し、次いで35%ホルムアルデヒ
ドを83g滴下した。滴下終了後、系を80℃になるま
で徐々に昇温した。炭酸ガスが発生してきた。同温度で
6時間放置し、気体の発生が止まったことを確認した。
反応液をアセトン中に注ぎ、反応物を沈殿させた。沈殿
を濾別し、乾燥させて、白色粉末を得た。収量は51.
1gであった。CHNおよびプロトン−NMRより、P
AA−Me,Me(Mw7,400)の蟻酸塩であるこ
とを確認した。
【0090】カチオン性水溶性樹脂2 カチオン性水溶性樹脂1で得た白色粉末20gを超純水
80gに溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン
交換したイオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)
を用いて、蟻酸を除去し、PAA−Me,Me(Mw
7,400)を得た。
【0091】カチオン性水溶性樹脂3 合成例5で調製したPAA(Mw600)の25%水溶
液を100g用いた他は、カチオン性水溶性樹脂7と同
様な組成と操作を繰り返し、白色粉末を得た。収量は3
3.2gであった。CHNおよびプロトン−NMRよ
り、PAA−Me,Me(Mw890)の蟻酸塩である
ことを確認した。
【0092】カチオン性水溶性樹脂4 カチオン性水溶性樹脂3で得た白色粉末20gを超純水
80gに溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン
交換したイオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)
を用いて、蟻酸を除去し、PAA−Me,Me(Mw8
90)を得た。
【0093】カチオン性水溶性樹脂5 合成例3で調製したPAA(Mw2,000)の25%
水溶液100gを30℃に保ちながら、90%蟻酸を4
5g滴下した。滴下終了後、35%ホルムアルデヒドを
41.5g滴下した。滴下終了後、系を80℃になるま
で徐々に昇温した。炭酸ガスが発生してきた。同温度で
6時間放置し、気体の発生が止まったことを確認した。
反応液をアセトン中に注ぎ反応物を沈殿させた。沈殿を
濾別し、乾燥させて、白色粉末を得た。収量は42.5
gであった。CHNおよびプロトン−NMRよリ、PA
A−Me(Mw2,500)の蟻酸塩であることを確認
した。
【0094】カチオン性水溶性樹脂6 カチオン性水溶性樹脂5で得た白色粉末20gを超純水
80gに溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン
交換したイオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)
を用いて、蟻酸を除去し、PAA−Me(Mw2,50
0)を得た。
【0095】カチオン性水溶性樹脂7 合成例4で調製したPAA(Mw900)の25%水溶
液100gを30℃に保ちながら、50%酢酸水溶液を
112g滴下した。滴下終了後、35%ホルムアルデヒ
ドを83g滴下した。滴下終了後、系を80℃になるま
で徐々に昇温した。炭酸ガスが発生してきた。同温度で
6時間放置し、気体の発生が止まったことを確認した。
反応液をアセトン中に注ぎ反応物を沈殿させた。沈殿を
濾別し、乾燥させて、白色粉末を得た。収量は40.1
gであった。CHNおよびプロトン−NMRよリ、PA
A−Et,Et(Mw1,750)の酢酸塩であること
を確認した。
【0096】カチオン性水溶性樹脂8 カチオン性水溶性樹脂7で得た白色粉末20gを超純水
80gに溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン
交換したイオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)
を用いて、酢酸を除去し、PAA−Et,Et(Mw
1,750)を得た。
【0097】カチオン性水溶性樹脂9 合成例5で調製したPAA(Mw600)の25%水溶
液100gを30℃に保ちながら、50%酢酸水溶液を
56g滴下した。滴下終了後、35%ホルムアルデヒド
を41.5g滴下した。滴下終了後、系を80℃になる
まで徐々に昇温した。炭酸ガスが発生してきた。同温度
で6時間放置し、気体の発生が止まったことを確認し
た。反応液をアセトン中に注ぎ反応物を沈殿させた。沈
殿を濾別し、乾燥させて、白色粉末を得た。収量は4
0.5gであった。CHNおよびプロトン−NMRよ
リ、PAA−Et(Mw870)の酢酸塩であることを
確認した。
【0098】カチオン性水溶性樹脂10 カチオン性水溶性樹脂9で得た白色粉末20gを超純水
80gに溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウムでイオン
交換したイオン交換樹脂(IRA900:オルガノ製)
を用いて、酢酸を除去し、PAA−Et(Mw870)
を得た。
【0099】カチオン性水溶性樹脂11 合成例6で調製したPAA(Mw350)の25%水溶
液100gを30℃に保ちながら、90%蟻酸を45
g、および50%酢酸水溶液を56g滴下した。滴下終
了後、35%ホルムアルデヒドを93g滴下した。その
後、さらに35%酢酸を96g滴下した。滴下終了後、
系を80℃になるまで徐々に昇温した。炭酸ガスが発生
してきた。同温度で6時間放置し、気体の発生が止まっ
たことを確認した。反応液をアセトン中に注ぎ、反応物
を沈殿させた。沈殿を濾別し、乾燥させて、白色粉末を
得た。収量は38.0gであった。得た白色粉末全量を
超純水150gに溶解し、あらかじめ水酸化ナトリウム
でイオン交換したイオン交換樹脂(IRA900:オル
ガノ製)を用いて、酢酸および蟻酸を除去した。CHN
およびプロトン−NMRよリ、PAA−Me,Et(M
w610)であることを確認した。
【0100】合成例1〜6で合成したポリアリルアミン
に、カルボン酸を適宜選択し、カチオン性水溶性樹脂1
〜11の手法に準じて反応させることによって、所望の
分子量を有するポリ−(N−アルキルアリルアミン)ま
たはポリ−(N,N−ジアルキルアリルアミン)を合成
することができた。
【0101】カラーインクセット1 C.I.ダイレクトブラック195を6g、グリセリン
を10g、ジエチレングリコールを10g、および2−
ピロリドンを5g混合し、超純水を加えて総量を100
gとして、5μmフィルターで濾過してブラックインク
1を調製した。また、前記染料をC.I.ダイレクトイ
エロー132としてこれを2.5gに、またはC.I.
アシッドレッド249としてこれを2gに、またはC.
I.ダイレクトブルー199としてこれを4gに変更し
た以外は上記と同様にして、イエローインク1、マゼン
タインク1、およびシアンインク1を調製した。これら
四種のカラーインクを合わせてカラーインクセット1と
する。
【0102】カラーインクセット2 C.I.フードブラック2を10g、グリセリンを15
g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを5g、
ジエチレングリコールを5g、およびノニオン性界面活
性剤サーフィノール465(商品名、エア・プロダクツ
・アンド・ケミカルズ社製)を1g混合し、超純水を加
えて総量を100gとして、ブラックインク2を得た。
また、前記染料をC.I.アシッドイエロー23として
これを5gに、またはC.I.ダイレクトレッド9とし
てこれを2.5gに、またはC.I.ダイレクトブルー
87としてこれを4gに変更した以外は上記と同様にし
て、イエローインク2、マゼンタインク2、およびシア
ンインク2を調製した。これら四種のカラーインクを合
わせてカラーインクセット2とする。
【0103】カラーインクセット3 カーボンブラックMA7(商品名、三菱化成株式会社社
製)を5g、スチレン−アクリル酸共重合体(商品名:
ジョンクリル679、Mw7,000、酸価200、ジ
ョンソンポリマー株式会社製)を1g、およびトリエタ
ノールアミンを0.3gとを混合し、サンドミル(安川
製作所製)にてガラスビーズ(直径1.7mm、82.
5g使用)とともに2時間分散させた。その後ガラスビ
ーズを取り除き、そこへボンコート4001(商品名、
アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分50重量%、大
日本インキ株式会社製)を50g、スクロースを0.7
g、マルチトールを6.3g、グリセリンを10g、2
−ピロリドンを2g、エタノールを4g、および全体量
が100gとなるように超純水を添加して攪拌混合し、
5μmフィルターで濾過してブラックインク3を調製し
た。また、前記顔料を顔料KETYELLOW403
(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)としてこ
れを2gに、または顔料KETRED309(商品名、
大日本インキ化学工業株式会社製)としてこれを2g
に、または顔料KETBLUEEX−1(商品名、大日
本インキ化学工業株式会社製)としてこれを2gに変更
した以外は上記と同様にして、イエローインク3、マゼ
ンタインク3、およびシアンインク3を調製した。これ
ら四種のカラーインクを合わせてカラーインクセット3
とする。
【0104】カラーインクセット4 C.I.ダイレクトブラック19を6g、グリセリンを
10g、ジエチレングリコールを10g、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテルを7g、アルギン酸ナト
リウム(関東工業株式会社製)を0.1g、およびノニ
オン性界面活性剤であるサーフィノール465(商品
名、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)を
0.8g混合し、超純水を加えて総量を100gとし
て、5μmフィルターで濾過してブラックインク4を調
製した。また、前記染料C.I.ダイレクトイエロー1
44としてこれを2.5gに、またはC.I.ダイレク
トレッド227としてこれを2gに、またはC.I.ア
シッドブルー9としてこれを4gに変更した以外は上記
と同様にして、イエローインク4、マゼンタインク4、
およびシアンインク4を調製した。これら四種のカラー
インクを合わせてカラーインクセット4とする。
【0105】反応液1 カチオン性水溶性樹脂としてカチオン性水溶性樹脂2で
あるPAA−Me,Me(Mw7,400)を4g、グ
リセリンを10g、ジエチレングリコールを10g、お
よびジエチレングリコールモノブチルエーテルを5g混
合し、超純水を加えて総量を100gとして、5μフィ
ルターで濾過して反応液1を調製した。
【0106】反応液2 カチオン性水溶性樹脂としてカチオン性水溶性樹脂4で
あるPAA−Me,Me(Mw890)を7g、さらに
35%塩酸を8g用いた以外は、反応液1と同様にし
て、反応液2を調製した。
【0107】反応液3 カチオン性水溶性樹脂としてカチオン性水溶性樹脂8で
あるPAA−Et,Et(Mw1,750)を6g、多
価金属塩として硝酸マグネシウム六水和物を5g用いた
以外は、反応液1と同様にして、反応液3を調製した。
【0108】反応液4 カチオン性水溶性樹脂としてカチオン性水溶性樹脂6で
あるPAA−Me(Mw2,500)を5g、さらに3
5%塩酸を7g、多価金属塩として硝酸マグネシウム六
水和物を5g用いた以外は、反応液1と同様にして、反
応液4を調製した。
【0109】反応液5 カチオン性水溶性樹脂としてカチオン性水溶性樹脂10
であるPAA−Et(Mw870)を7g、さらに35
%塩酸を8g、グリセリンを10g、およびジニチレン
グリコールを10g混合し、超純水を加えて総量を10
0gとして、5μmフィルターで濾過して反応液5を調
製した。
【0110】実施例1 カラーインクセット1と反応液2とを組み合わせて、下
記に示す性能評価試験を行なった。実施例2 カラーインクセット2と反応液1とを組み合わせて、下
記に示す性能評価試験を行なった。実施例3 カラーインクセット3と反応液4とを組み合わせて、下
記に示す性能評価試験を行なった。実施例4 カラーインクセット4と反応液3とを組み合わせて、下
記に示す性能評価試験を行なった。実施例5 カラーインクセット1と反応液5とを組み合わせて、下
記に示す性能評価試験を行なった。実施例6 カラーインクセット2と反応液5とを組合わせて、下記
に示す評価試験を行った。
【0111】比較例1 カラーインクセット1のみを用いて、下記に示す性能評
価試験を行なった。比較例2 カラーインクセット3のみを用いて、下記に示す性能評
価試験を行った。比較例3 カチオン性水溶性樹脂として合成例2で得たPAA(M
w5,000)を4g用いた以外は、反応液1と同様に
して、反応液6を調製した。これとカラーインクセツト
1とを組み合わせて、下記に示す性能評価試験を行なっ
た。
【0112】性能評価試験 上記で調製したカラーインクセットと反応液を各々組み
合わせて、以下の方法で評価した。なお、プリンタとし
て、インクジェット記録方式プリンタ(セイコーエプソ
ン株式会社製;カラープリンタPM−750C)を改良
したものを用いた。
【0113】評価試験1:印刷品質(にじみおよびカラ
ーブリード) 記録媒体としてA4サイズの普通紙2種(商品名:ゼロ
ックス−Pおよびゼロックス−4024、いずれも富士
ゼロックス株式会社製)、および再生紙(商品名:ゼロ
ックス−R、富士ゼロックス株式会社製)を用いた。実
施例1〜6および比較例3については反応液を最初に印
刷してその直後にカラーインクセットでフルカラー画像
を印刷した場合と、カラーインクセットで最初に印刷し
てその直後に反応液を印刷した場合との二種類の評価を
行なった。そして得られたフルカラー画像のにじみおよ
びカラーフリードを目視で評価した。その結果を以下の
基準で評価した。 ・評価A:全ての記録媒体において、にじみおよびカラ
ーブリードが認められない。 ・評価B:若干のにじみあるいはカラーブリードが発生
する記録媒体がある。 ・評価C:全ての記録媒体において、にじみあるいはカ
ラーブリードが顕著に発生する。
【0114】評価試験2:耐水性 評価試験1と同様の記録媒体とプリンタを用い、実施例
および比較例に示した組み合わせで、3.5cm(非記録
部)おきに1.5cm幅のブラック、イエロー、マゼン
タ、シアン、レッド、グリーンおよびブルーのフルベタ
印刷と文字印刷を行なった。各々の印刷物を1時間自然
放置した後に、水500mlに1時間浸漬した。浸漬後、
24時間自然乾燥し、非記録部のインク移り濃度および
記録部のインク残りを目視で評価した。その結果を次の
基準で評価した。 ・評価A:非記録部は全く着色していない。記録部にも
変化はない。 ・評価B:非記録部への着色、あるいは記録部の濃度低
下を示す場合がある。 ・評価C:非記録部への着色と記録部の濃度低下が著し
く、特に文字が消えてしまって判読できない。
【0115】評価試験3:耐光性 評価試験1と同様の記録媒体とプリンタを用い、実施例
および比較例に示した組み合わせでフルカラー画像を印
刷した。この印刷物を用いて、キセノンウェザオメータ
ーCi35W(商品名、アトラス・エレクトリック・デ
バイス社製)で露光する前及び一日間露光した後の印刷
物のO.D.値を、カラーコントロールシステムSPM
50(商品名、グレタッグ社製)で測定した。その結果
を次の基準で評価した。 ・評価A:変退色がO.D.値で5%未満である。 ・評価B:変退色がO.D.値で5〜20%の範囲であ
る。 ・評価C:変退色がO.D.値で20%を超える。 以上の結果は、次の表に記載の通りであった。 印刷品質 耐水性 耐光性 反応液前印刷/後印刷 (実施例) 1 A/B A A 2 A/A A A 3 A/B A A 4 A/A A A 5 A/A A A 6 A/A A A (比較例) 1 C C A 2 C B A 3 A/B A C
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録装置を示す図
であって、この態様においては記録ヘッドとインクタン
クがそれぞれ独立してなり、インク組成物および反応液
はインクチューブによって記録ヘッドに供給される。
【図2】記録ヘッドのノズル面の拡大図であって、1b
が反応液のノズル面であり、1cがインク組成物のノズ
ル面である。
【図3】図2の記録ヘッドを用いたインクジェット記録
を説明する図である。図中で、31は反応液付着領域で
あり、32は反応液が付着された上にインク組成物が印
刷された印刷領域である。
【図4】本発明による記録ヘッドの別の態様を示す図で
あって、吐出ノズルが全て横方向に並べて構成されたも
のである。
【図5】本発明によるインクジェット記録装置を示す図
であって、この態様においては記録ヘッドとインクタン
クが一体化されてなる。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 3 インクチューブ 14 ヒータ 21 反応液吐出ノズル 22、23、24、25 インク組成物吐出ノズル 31 反応液付着領域 32 印刷領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北 村 和 彦 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 HA42 HA44 2H086 BA02 BA05 BA53 BA55 4J039 AD23 BA14 BA17 BC19 BE01 BE02 BE30 EA35 EA38 EA47 GA24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に、インク組成物と、反応液とを
    付着させて印刷を行うインクジェット記録方法であっ
    て、 前記反応液が、インク組成物と接触したとき凝集物を生
    じさせる、下記の式(I)で表される繰り返し単位を含
    んでなるカチオン性水溶性樹脂を含んでなる、インクジ
    ェット記録方法: 【化1】 (上記式中、 R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原
    子またはC1-5アルキル基を表すが、両者が同時に水素
    原子を表すことはなく、nは0、1、または2を表す)
  2. 【請求項2】前記カチオン性水溶性樹脂の重量平均分子
    量が300〜20,000の範囲である、請求項1に記
    載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】前記カチオン性水溶性樹脂が酸付加塩であ
    る、請求項1または2のいずれか一項に記載のインクジ
    ェット記録方法。
  4. 【請求項4】前記反応液が塩基性物質をさらに含んでな
    る、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  5. 【請求項5】前記塩基性物質が、アルカリ金属類あるい
    はアルカリ土類金属類の水酸化物である、請求項4に記
    載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】前記式(I)で表される繰り返し単位にお
    いて、R1およびR2が共にメチル基を表す、請求項1〜
    5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】前記反応液が、前記カチオン性水溶性樹脂
    以外の水溶性樹脂をさらに含んでなる、請求項1〜6の
    いずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】前記反応液が多価金属塩をさらに含んでな
    る、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  9. 【請求項9】前記多価金属塩が硝酸塩またはカルボン酸
    塩である、請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】前記反応液のpHが2〜10である、請
    求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録
    方法。
  11. 【請求項11】前記インク組成物が着色剤として顔料ま
    たは染料を含んでなるものである、請求項1〜10のい
    ずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】前記インク組成物が顔料と樹脂エマルジ
    ョンとを含んでなるものである、請求項1〜11のいず
    れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】記録媒体上にインク組成物の液滴を吐出
    する工程が、反応液を記録媒体に付着させる工程の後に
    行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のイン
    クジェット記録方法。
  14. 【請求項14】記録媒体上にインク組成物の液滴を吐出
    する工程が、反応液を記録媒体に付着させる工程の前に
    行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のイン
    クジェット記録方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれか一項に記載の
    記録方法によって記録が行われた、記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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