JP2000263212A - 中空部をもつ鋳造品の製造方法及びこれに使用できる装置 - Google Patents

中空部をもつ鋳造品の製造方法及びこれに使用できる装置

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JP2000263212A
JP2000263212A JP11072369A JP7236999A JP2000263212A JP 2000263212 A JP2000263212 A JP 2000263212A JP 11072369 A JP11072369 A JP 11072369A JP 7236999 A JP7236999 A JP 7236999A JP 2000263212 A JP2000263212 A JP 2000263212A
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Japan
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cavity
gas
molten metal
casting
mold
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JP11072369A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Iwase
義孝 岩瀬
Keiji Hatsuyama
圭司 初山
Ryuzo Oide
竜三 大出
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OSAKA GIKEN KK
Aisin Takaoka Co Ltd
Original Assignee
OSAKA GIKEN KK
Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製品形状の確保、キャビティ型面の転写性の確
保、鋳造不良の低減を図ることのできる中空部をもつ鋳
造品の製造方法及びこれに使用できる装置を提供するこ
と。 【解決手段】中空部をもつ鋳造品の製造方法は、低融点
金属の溶湯を鋳造型1のキャビティ13に注湯し凝固さ
せて鋳造品を得る。鋳造型1のキャビティ13に溶湯を
注湯した後に、キャビティ13にガスを送給することに
より、キャビティ13内の未凝固溶湯とガスとを置換
し、中空部を形成する。中空部をもつ鋳造品の製造方法
に使用できる装置は、ガスを収容するガス収容手段80
と、溶湯が注湯された鋳造型1のキャビティ13にガス
収容手段80のガスを送給するガス送給手段84とをも
つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低融点金属の溶湯
を鋳造型のキャビティに注湯し凝固させて中空部をもつ
鋳造品を得る製造方法およびこれに使用できる装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】産業界では、中空部をもつ鋳造品が使用
されている。この鋳造品を製造するにあたり、特開平1
0−225758号公報には、給湯室と給湯室に前進後
退可能に設けられたピストンとをもつ射出成形装置を用
い、給湯室に収容されている低融点金属の溶湯をピスト
ン前進により鋳造型のキャビティに注湯し、その後、ピ
ストン後退により溶湯の逆流作用を発生させ、キャビテ
ィ内に残留している未凝固溶湯の一部を鋳造型のキャビ
ティ外に強制的に吸引除去し、これにより中空部をもつ
低融点金属の鋳造品を製造する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報技術にお
いては、未凝固溶湯の一部を鋳造型のキャビティ外に強
制的に吸引除去するため、中子を用いずとも鋳造品に中
空部を形成することができる。しかしながらキャビティ
内の未凝固溶湯が吸引除去されると、鋳造品の中空部は
製造途中において負圧となるため、製品形状が大気圧の
影響で変形したりつぶれたりし易くなる。よって鋳造品
の正確な製品形状が得られにくいという問題がある。
【0004】溶湯が凝固収縮性をもつ場合には、鋳造型
のキャビティ型面と凝固部分との間に微小隙間が発生し
易い。そのため製品形状の変形が少ないときであって
も、上記した中空部の負圧の影響で前記微小隙間の隙間
幅が中実状の鋳造品の場合に比較して大きくなり易い。
そのためキャビティ型面の転写性が低下する問題があ
る。
【0005】更に、鋳造品に中空部を形成する製造途中
において、その中空部は負圧となるため、該負圧がキャ
ビティ内の低融点金属の溶湯に影響を及ぼすこととな
る。即ち、前記負圧の影響を受けた低融点金属(特にス
ズ系、ビスマス−スズ系合金等のスズを含有している合
金)の未凝固溶湯は、その流動性の良さから溶湯の凝固
部分を通過して流出し、スポンジ状の凝固部分(緻密で
ない部分)を形成してしまうおそれがある。従って、流
動性の良い低融点金属からなる鋳造品では、特に外引け
や鋳巣等の鋳造不良が発生し易くなる問題がある。
【0006】本発明は、上記した実情に鑑みてなされた
ものであり、製品形状の確保、キャビティ型面の転写性
の確保、鋳造不良の低減を図ることのできる中空部をも
つ鋳造品の製造方法及びこれに使用できる装置を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る中空部をも
つ鋳造品の製造方法は、鋳造品を成形するキャビティと
前記キャビティを区画するキャビティ型面とを備えた鋳
造型を用い、低融点金属の溶湯を前記鋳造型の前記キャ
ビティに注湯し凝固させて鋳造品を得る製造方法であっ
て、前記鋳造型のキャビティに前記溶湯を注湯した後に
前記キャビティにガスを送給し、未凝固溶湯の少なくと
も一部とガスとを置換することにより中空部を形成する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0008】本製造方法においては、鋳造型のキャビテ
ィに溶湯を注湯した後に、キャビティにガスを送給する
ため、キャビティ内の未凝固溶湯とガスとが置換され
る。この状態で凝固が終了するため、中空部をもつ鋳造
品が得られる。ガスが高圧であれば、高圧のガスが凝固
部分や未凝固溶湯に内側から作用するため、キャビティ
型面の転写性が向上する。更に鋳造品の組織の緻密化を
促進させることができる。
【0009】本発明に係る中空部をもつ鋳造品の製造装
置は、上記した製造方法の実施に使用できるものであ
り、鋳造品を成形するキャビティと前記キャビティを区
画するキャビティ型面とを備えた鋳造型に装備される装
置であって、ガスを収容するガス収容手段と、低融点金
属の溶湯が注湯された前記鋳造型のキャビティに前記ガ
ス収容手段のガスを送給するガス送給手段とをもつこと
を特徴とするものである。
【0010】本製造装置においては、低融点金属の溶湯
が注湯された鋳造型のキャビティにガス収容手段のガス
がガス送給手段により送給される。これによりキャビテ
ィ内の未凝固溶湯とガスとが置換される。この状態で凝
固が終了するため、中空部をもつ鋳造品が得られる。ガ
スが高圧であれば、高圧のガスが凝固部分や未凝固溶湯
に内側から作用するため、キャビティ型面の転写性が向
上する。更に鋳造品の組織の緻密化を促進させることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いる溶湯としては、低
融点金属の溶湯を採用できる。代表的な低融点金属とし
ては例えばビスマス系、スズ系、ビスマスースズ系合金
がある。これらは、純金属のスズよりも低融点であり、
且つ、高比重の低融点高比重金属である。高比重金属の
場合には中実鋳造品であれば、重量が増大するが、中空
部をもてば鋳造品の軽量化が図られる。
【0012】本発明に係る注湯形態としては特に限定さ
れるものではなく、重力で注湯する形態、射出圧で注湯
する形態などがあげられる。上注ぎ、底注ぎ、中注ぎ等
のいずれでも良い。本発明で用いるガスは特に限定され
ないが、溶湯に対して低活性であることが好ましい。溶
湯や凝固部分の酸化劣化を抑制できるためである。低活
性は不活性も含む。故にガスとしては不活性ガスを採用
できる。不活性ガスとしてはアルゴンガス、窒素ガスを
採用できる。更には窒素富化ガスでも良い。
【0013】ガスは高圧ガスが好ましい。高圧ガスのガ
ス圧としては、溶湯の比重、形成する中空部の容積など
に応じて適宜選択でき、特に限定されるものではない。
高圧ガスのガス圧としては、例えば0.3〜15MPa
であるのが好ましく、0.5〜8MPaであるのがより
好ましく、0.8〜1MPaであるのがさらに好まし
い。高圧ガスを得るにあたり、コンプレッサを使用して
圧力を高めたガスをキャビティに送給しても良いし、あ
るいは、高圧ガスボンベのガスをキャビティに送給して
も良い。
【0014】更に本発明においては次の各方式を採用す
ることができる。 ・キャビティ内の溶湯のうち、キャビティ型面に接触し
ている溶湯部分が凝固すると共に、キャビティ型面に接
触していない溶湯部分に未凝固溶湯が残っているとき
に、鋳造型のキャビティへのガスの送給を開始する方式
を採用することができる。未凝固溶湯は流動性をもつた
め、ガス送給に伴う未凝固溶湯とガスとの置換が容易だ
からである。ガスが高圧であれば、未凝固溶湯を押し出
す力が確保されるため、未凝固溶湯とガスとの置換が一
層容易となる。
【0015】・鋳造型のキャビティへガスを送給するに
あたり、鋳造型のキャビティに連通するガス導入口付近
を加熱してガス導入口付近の溶湯の凝固を抑えつつ、キ
ャビティへガスを送給する方式を採用することができ
る。この場合、鋳造型に連通するガス導入口付近が加熱
されるため、ガス導入口付近の未凝固溶湯が固化するこ
とを抑制でき、ガス導入口の詰まりを抑制でき、この結
果ガス導入口を介してのキャビティへのガス送給を良好
になし得る。
【0016】・ガス収容手段はガスを高圧で収容してい
る方式を採用できる。この場合には高圧ガスをキャビテ
ィに送給でき、未凝固溶湯とガスとの置換が容易とな
る。更に、高圧のガスが凝固部分や未凝固溶湯に作用す
るため、キャビティ型面の転写性が向上する。更に鋳造
品の組織の緻密化を促進させることができる。代表的な
ガス収容手段としてはガスボンベがある。
【0017】・ガス送給手段は、ガス収容手段のガスを
キャビティに送給する送給形態と、キャビティへのガス
の送給を停止する停止形態とに切替可能である方式を採
用できる。代表的なガス送給手段としては切替弁があ
る。切替弁としては電気信号で制御できる電磁弁を採用
できる。 ・鋳造型のキャビティに溶湯を注湯する給湯手段と、給
湯手段を保温する保温手段とが設けられており、ガス送
給手段は給湯手段を介して鋳造型のキャビティにガスを
送給する方式を採用することができる。給湯手段は保温
手段で保温されているため、鋳造型のキャビティに溶湯
を給湯手段で給湯するにあたり、給湯手段における溶湯
の凝固詰まりを抑制できる。故に給湯手段を経てガスを
送給することが良好に行なわれるようになる。
【0018】保温手段としては、高温の熱媒体(加熱オ
イル、温水、熱水等の加熱液体、加熱空気などの加熱気
体)が流れる熱媒体通路、あるいは電気ヒータを採用で
きる。
【0019】
【実施例】本発明を具体化した実施例について図1〜図
6を参照して説明する。図1は実施例装置の要部の概念
図、図2は凝固層が形成された状態を示す概念図、図3
〜図5は給湯ノズル部の内部構造図、図6は全体構成図
である。 (実施例の構成)説明の便宜上、実施例装置の全体構成
から説明することとし、図1等を併せ参照して説明す
る。図1に示すように、本実施例においては、金型であ
る鋳造型1が用いられる。成形型として機能する鋳造型
1は、第1分割型としての固定型10と、第2分割型と
しての可動型11とで形成されている。鋳造型1は、キ
ャビティ13と、キャビティ13に連通する湯口15と
を備えている。キャビティ13は空洞状をなし、低融点
金属の中空状の鋳造品を成形するためのものである。
【0020】鋳造型1では、湯口15付近が最終凝固部
分となるように鋳造方案が設定されている。鋳造型1で
鋳造する中空状の鋳造品は、樹脂中空管状体(例えば、
車両の内燃機関等に搭載される樹脂製インテークマニホ
ルド)の中空部分を成形するための低融点金属製の金属
中子である。本実施例に係る低融点金属としては、ビス
マス系、スズ系、ビスマス−スズ系などを採用できる。
これらは低融点高比重金属であり、融点が200℃未満
と低く且つ比重が大きい。即ち、本実施例で使用される
低融点金属は、樹脂材料よりも融点が低く、且つ、水溶
性油よりも高比重のものである。
【0021】図1に示すように、固定型10はキャビテ
ィ13を区画する第1キャビティ型面10aをもつ。可
動型11はキャビティ13を区画する第2キャビティ型
面11aをもつ。湯口15は鋳造型1の底側に形成され
ている。主たる理由は、重力を利用してキャビティ13
内の低融点金属の溶湯を湯口15を介してキャビティ1
3の外方に吐出し易くするためである。
【0022】図6は鋳造機2を示す。鋳造機2は、横方
向に延設された案内面20をもつ基台21と、基台21
の一端側に設けられた縦型の固定ダイベース22と、基
台21の他端側に設けられた縦型の可動ダイベース23
と、可動ダイベース23に水平軸型の旋回軸24を介し
て矢印S1,S2方向に旋回可能に保持された旋回ダイ
ベース25と、基台21の他端側に設けられた型締め機
構の主要素である主油圧シリンダ装置26と、副油圧シ
リンダ装置27とをもつ。
【0023】固定ダイベース22には固定型10が保持
されている。旋回ダイベース25には可動型11が保持
されている。型締め機構の主要素である主油圧シリンダ
装置26が作動すると、可動ダイベース23が旋回ダイ
ベース25及び可動型11と共に水平方向(矢印X1,
X2方向)に移動し、これにより型開閉が行われる。副
油圧シリンダ装置27が作動すると、旋回ダイベース2
5が可動型11と共に旋回軸24の周りを矢印S1,S
2方向に旋回する。
【0024】図1に示すように、鋳造型1の下方の近傍
に位置するように、給湯ノズル部3が縦型配置で鋳造機
2に取付けられている。給湯ノズル部3は、当接ノズル
30を先端にもつと共に内部に給湯室31をもつ縦型円
筒形状の筒体32と、矢印Y1方向に前進可能(上昇)
および矢印Y2方向に後退可能(下降)に筒体32の給
湯室31に設けられた縦型の軸状をなす可動閉鎖部材3
3とをもつ。筒体32の給湯室31の下領域には、低融
点金属の溶湯が供給される溶湯供給口36が形成されて
いる。
【0025】図4に示すように当接ノズル30は、鋳造
型1の湯口15に対面して連通可能なノズル口34を形
成する円錐内壁面30aと、これと同軸的な円錐外壁面
30bともつ。円錐内壁面30a、円錐外壁面30bは
先端に向かうにつれて径小となる傾きをもつ。可動閉鎖
部材33の先端部には、ノズル口34を閉鎖可能な閉鎖
部35が設けられている。閉鎖部35は、その尖端に向
かうにつれて外径が小さくなる円錐状外面35aをも
つ。
【0026】図5に示すように可動閉鎖部材33が矢印
Y1方向へ前進すると、可動閉鎖部材33の閉鎖部35
の円錐状外面35aがノズル口34の円錐内壁面30a
に密接し、可動閉鎖部材33の閉鎖部35がノズル口3
4を閉鎖する。図4に示すように可動閉鎖部材33が矢
印Y2方向へ後退すると、可動閉鎖部材33の閉鎖部3
5の円錐状外面35aがノズル口34の円錐内壁面30
aから離れ、つまり可動閉鎖部材33の閉鎖部35がノ
ズル口34を開放する。
【0027】図1に示すように、可動閉鎖部材33の下
方には、オイルに比較して圧縮容易な空気で作動する空
気圧シリンダ38が設けられている。空気圧シリンダ3
8の作動で可動閉鎖部材33は矢印Y1,Y2方向に作
動する。空気圧シリンダ38は空気圧駆動回路38cで
作動される。図6に示すように、低融点金属の溶湯を保
持する溶湯保持部4が鋳造機2の近傍に設けられてい
る。溶湯保持部4は、低融点金属の溶湯を収容する収容
室40をもち断熱材41xを備えた分離槽41と、収容
室40内の底付近に敷設された長パイプ状の放熱管42
とを備えている。放熱管42は熱媒体加熱装置44に接
続されており、熱媒体加熱装置44で加熱された高温
(目標加熱温度:160〜190℃)の熱媒体(例えば
オイル)が放熱管42内を流れ、熱媒体加熱装置44に
戻る。
【0028】比重差に基づいて、分離槽41の上部には
比重の軽い水溶性油L1が貯留されており、底部には水
溶性油L1よりも比重が重い低融点金属の溶湯L2が貯
留されている。低融点金属の鋳造品である金属中子を一
体的に備えた樹脂成形品(射出成形品)は、その金属中
子と共に、分離槽41の水溶性油L1に浸漬される。こ
の浸漬により、160〜190℃の温度に設定された水
溶性油L1の熱で金属中子だけが溶融すると共に、金属
中子の除去された所定形状の樹脂成形品が得られる。溶
融した低融点金属の溶湯L2は比重差に基づいて分離槽
41の底付近に貯まり、放熱管42により適温域(基本
的には160〜190℃)に維持され、後で供給ポンプ
5に吸入されて鋳造型1での鋳造に供される。従って本
実施例に係る分離槽41は、低融点金属を水溶性油L1
の熱で低融点金属を溶融する溶融機能と、溶融した低融
点金属の溶湯L2を適温域に保持する保持機能と、水溶
性油L1と溶湯L2とに分離する分離機能とを備えてい
る。
【0029】図6に示すように、給湯ノズル部3と溶湯
保持部4との間には、溶湯供給部としての供給ポンプ5
が縦型配置で設けられている。供給ポンプ5は分離槽4
1の外方に配置されている。図1に示すように供給ポン
プ5は、先端開口51xを有する縦長の供給室51をも
つ縦型の金属製の供給シリンダ52と、供給室51に移
動可能に設けられた昇降可動式のプランジャ53とを備
えている。更に、プランジャ53を作動させる油圧シリ
ンダ装置54、油圧シリンダ装置54を作動させる油圧
駆動回路54cが設けられている。プランジャ53は金
属製のピストン53aと金属製のロッド53bとをも
つ。プランジャ53のストローク位置はセンサ53w
(例えばポテンショメータ)で検知されている。プラン
ジャ53のストローク位置を示すセンサ53wからの検
知信号により、制御装置7はキャビティ13内への溶湯
の必要注湯量を測定できる。
【0030】図1に示すように、供給ポンプ5の供給シ
リンダ52の先端開口51xと給湯ノズル部3の筒体3
2の溶湯供給口36とは、第1連通路57で連通されて
いる。供給ポンプ5と溶湯保持部4の吐出口4r(図6
参照)とは第2連通路58でつながれている。第2連通
路58には開閉弁59が設けられている。開閉弁59は
電磁弁であり、弁駆動回路59cで作動する。
【0031】図1から理解できるように制御装置7は、
空気圧駆動回路38c、油圧駆動回路54c、弁駆動回
路59c、センサ53w、切替弁駆動回路84cに接続
されている。制御装置7は、信号線38pを介して給湯
ノズル部3の空気圧駆動回路38cに、信号線54pを
介して供給ポンプ5の油圧駆動回路54cに、信号線5
9pを介して開閉弁59の弁駆動回路59cに、信号線
84pを介して切替弁84の切替弁駆動回路84cに指
令信号をそれぞれ出力する。
【0032】図3は給湯ノズル部3の詳細を示す。図3
を参照して給湯ノズル部3の内部構造について説明を加
える。図3に示すように、金属製の筒体32の給湯室3
1内には金属製の可動閉鎖部材33がほぼ同軸的に設け
られている。筒体32の壁には電気ヒータ33tが装備
され、筒体32を加熱するようになっている。可動閉鎖
部材33の内部には、前記した熱媒体加熱装置44で加
熱された高温の熱媒体が流れる熱媒体通路6が保温手段
として形成されている。
【0033】前記した可動閉鎖部材33は、先端部に閉
鎖部35をもつ縦型の金属製の外筒33kと、実質的に
同軸的に外筒33k内に挿入された縦型の金属製の内筒
33mとで構成されている。内筒33mの先端(上端)
と外筒33kの先端(上端)との間には、加熱室61が
形成されている。加熱室61はほぼ円錐空洞状をなして
おり、可動閉鎖部材33の外筒33kの先端である閉鎖
部35の内面側に位置している。加熱室61が高温とな
れば、可動閉鎖部材33の閉鎖部35付近は効果的に加
熱される。
【0034】可動閉鎖部材33の内筒33mの中央域に
は、軸長方向に沿って縦型の中央孔が形成されている。
この中央孔を熱媒体通路6の往路60としている。往路
60の先端(上端)の吹出口60sは加熱室61に臨ん
でいる。往路60の下端には媒体入口6iが形成されて
いる。内筒33mの外壁面には、内筒33mの中心軸線
の回りで溝39が螺旋形状に形成されている。この溝3
9は螺旋の始端39s、螺旋の終端39eをもつ。
【0035】外筒33k内に内筒33mをほぼ同軸的に
挿入することにより、螺旋状の溝39と外筒33kの内
壁面とで熱媒体通路6の復路62が形成されている。復
路62の下端には媒体出口6rが形成されている。媒体
出口6rおよび媒体入口6iは、通管44xを介して熱
媒体供給装置44に接続されている。図3に示すよう
に、媒体入口6iから流入した熱媒体は往路60を通っ
て上昇し、往路60の吹出口60sから加熱室61に吹
き出される。吹出口60sから吹き出された熱媒体は、
可動閉鎖部材33の閉鎖部35の尖端35uに対して、
ほぼ垂直方向から直接的に接触する。そのため、可動閉
鎖部材33の閉鎖部35付近は効果的に加熱される。加
熱室61に吹き出された熱媒体は螺旋状の復路62に沿
って旋回しつつ下降し、媒体出口6rから流出される。
【0036】本実施例においては往路60が一直線状と
なり復路62が螺旋形状とされているため、加熱室61
に流入する熱媒体を加熱室61内に滞留させることがで
きる。そのため、加熱室61を高温の熱媒体で十分に満
たすことができ、閉鎖部35を効率よく加熱することが
可能となる。図3に示すように、昇降体67は第1盤部
67aと第2盤部67bとこれらを連結する橋架軸部6
7cとをもつ。昇降体67には給湯ノズル部3が一体的
に昇降できるように保持されている。昇降シリンダ67
eは前記鋳造機2に保持されるようになっており、昇降
シリンダ67eに昇降体67は連結されている。昇降シ
リンダ67eのロッド67mが作動すると、昇降体67
と共に、給湯ノズル部3は矢印Y1,Y2方向に沿って
昇降する。これにより給湯ノズル部3の当接ノズル30
は前記鋳造型1の湯口15に対して着脱可能となってい
る。
【0037】さて本実施例においては図1に示すよう
に、ガス収容手段として機能する高圧ガスボンベ80が
供給ノズル部3の外方に設けられている。高圧ガスボン
ベ80には不活性ガス(具体的にアルゴンガス)が高圧
(約10〜15MPa)で封入されている。ガス送給手
段として機能できる切替弁84がガスボンベ80と供給
ノズル部3との間に設けられている。切替弁84は電磁
ソレノイドで作動する電磁弁であり、切替弁駆動回路8
4cで作動される。
【0038】切替弁84と高圧ガスボンベ80とは第1
ガス送給路85で接続されている。切替弁84と給湯ノ
ズル部3とは第2ガス送給路86で接続されている。従
って切替弁84を経たガスは、給湯ノズル部3の給湯室
31のうちノズル口34付近にガス導入口87により送
給される。この場合、給湯室31に送給されるガスは、
切替弁84により若干減圧された状態で送給されるよう
になっている。
【0039】切替弁駆動回路84cと制御装置7とは信
号線84pにより接続されており、制御装置7からの指
令により切替弁駆動回路84cを介して切替弁84が切
替作動される。即ち、切替弁84を開いて高圧ガスボン
ベ80のガスを切替弁84を介してキャビティ13に送
給する送給形態と、切替弁84を閉じて高圧ガスボンベ
80のガスをキャビティ13へ送給することを停止する
停止形態とが切替えられる。
【0040】(実施例の使用形態)本実施例の使用形態
について説明を加える。まず、鋳造機2の型締め機構の
作動により可動型11が型締め方向(図6中のX2方
向)に移動して、固定型10と可動型11とが型締めさ
れる。その後、給湯ノズル部3の全体が矢印Y1方向に
上昇し、図1に示すように鋳造型1の湯口15の円錐状
の受面15xに給湯ノズル部3の筒体32の当接ノズル
30の円錐外壁面30bがあてがわれる。これによりノ
ズル口34と湯口15とが対面して連通可能な状態とな
っているが、ノズル口34自体は可動閉鎖部材33によ
って閉鎖されている。
【0041】即ち鋳造型1の湯口15に対して給湯ノズ
ル部3の当接ノズル30を着挿する際には、予め空気圧
シリンダ38の作動により給湯ノズル部3の可動閉鎖部
材33を矢印Y1方向に前進させ、図5に示すように可
動閉鎖部材33の閉鎖部35の円錐状外面35aをノズ
ル口34の円錐内壁面30aに当てがい、ノズル口34
を閉じておく。これによりノズル口34は実質的にシー
ルされる。
【0042】次に給湯工程を行う。給湯に際しては、制
御装置7からの指令信号に基づき、弁駆動回路59cは
開閉弁59を開放作動させる。更に制御装置7からの指
令信号に基づき、油圧駆動回路54cはプランジャ53
を矢印Y3方向に移動(上昇)させ吸引作動を行ない、
供給室51内を減圧する。この結果、供給室51と分離
槽41との差圧に基づいて溶湯保持部4の分離槽41内
の低融点金属の溶湯L2は、吐出口4r(図6参照)、
開閉弁59、第2連通路58、先端開口51xを介して
供給ポンプ5の供給室51に吸引される。このとき前述
のようにノズル口34は閉鎖部35で閉鎖されているた
め、ノズル口34を介して外気が給湯ノズル部3の給湯
室31に進入することは規制される。
【0043】上記のようにして目標量の溶湯L2が供給
室51に吸入されたら、制御装置7からの指令信号に基
づき、弁駆動回路59cは開閉弁59を閉じ、分離槽4
1からの溶湯吸引を停止する。次に制御装置7からの指
令信号に基づき、空気圧駆動回路38cは空気圧シリン
ダ38を作動させ、給湯ノズル部3の可動閉鎖部材33
を矢印Y2方向に後退させ、給湯ノズル部3のノズル口
34を開放する。
【0044】その後制御装置7からの指令信号に基づい
て、供給ポンプ5のプランジャ53は矢印Y4方向に加
圧操作(下降)する。よって、供給室51に吸入されて
いた低融点金属の溶湯L2は、第1連通路57および溶
湯供給口36を経て、給湯ノズル部3の給湯室31に押
し出される。このとき開閉弁59は閉じられているた
め、溶湯が分離槽41に逆流することを抑え得る。
【0045】給湯室31に押し出された溶湯は給湯室3
1内を上昇し、給湯ノズル部3のノズル口34および鋳
造型1の湯口15を経て、鋳造型1のキャビティ13に
注湯される。注湯の際には切替弁84を閉じ、高圧のガ
スがガス導入口87からキャビティ13内に流出しない
ようにしている。鋳造型1のキャビティ13内に注湯さ
れた低融点金属の溶湯は凝固し、鋳造品が得られる。前
述したように湯口15付近の溶湯は、基本的には最終凝
固部となるように鋳造法案が設定されているものであ
る。
【0046】ところで凝固の際には、鋳造型1のキャビ
ティ13に注湯された低融点金属の溶湯のうち、鋳造型
1の第1キャビティ型面10a,第2キャビティ型面1
1aに接触している部分から凝固する。そのため本実施
例においては図2に示すようにキャビティ13に注湯さ
れた溶湯のうち、鋳造型1の第1キャビティ型面10
a,第2キャビティ型面11aに接触している部分が凝
固して殻状の凝固層XAが形成されているものの、中央
部(第1キャビティ型面10a,第2キャビティ型面1
1aに接触していない部分)がまだ未凝固溶湯である段
階がある。この段階のとき制御装置7は切替弁84を閉
塞状態から開放状態に切り替える。つまり停止形態から
ガス送給形態に切り替える。
【0047】これにより高圧ガスボンベ80に封入され
ていた高圧のガスは、第1ガス送給路85、切替弁84
を経てガス導入口87から送給される。送給された高圧
のガスはキャビティ13内に進入し、低比重のガスと高
比重で流動性をもつ未凝固溶湯との置換が行われる。本
実施例においては、図1に示すように、キャビティ13
におけるガス容積の確保、キャビティ13からの未凝固
溶湯の吐出を効果的に行うため、供給ポンプ5の供給室
51の容積を大きくすべく制御装置7はプランジャ53
を矢印Y3方向に適宜後退させる。
【0048】キャビティ13内の凝固がかなり進行した
ら、切替弁84を閉じて高圧のガスの送給を停止する。
未凝固溶湯がガスで置換された状態で凝固が終了するた
め、中空部をもつ鋳造品が得られる。鋳造完了後に給湯
ノズル部3を下降させて鋳造型1から離脱させる。その
後可動型11を移動させて鋳造型1の型開きを行ない、
鋳造品を鋳造型1から離型する。
【0049】(実施例の主効果)前述したように本実施
例においては鋳造型1のキャビティ13内における未凝
固溶湯がガスと置換された状態で凝固が進行するため、
中空部をもつ鋳造品が中子を用いることなく得られる。
このように中空部をもつ鋳造品が得られるため、中実状
の鋳造品を得る場合に比較して冷却時間の短縮化を図る
ことができ、サイクルタイムの向上に有利となる。
【0050】また鋳造型1のキャビティ13内における
未凝固溶湯がガスと置換された状態で凝固が進行するた
め、中空部の負圧化を防止できる。故に中空部が負圧化
される従来技術とは異なり、鋳造品の変形やつぶれを抑
制することができ、製品形状の確保を図ることができ
る。キャビティ型面10a,11aの転写性も向上す
る。更に中空部が負圧化される従来技術とは異なり、外
引けや鋳巣等の鋳造不良の低減にも貢献できる。
【0051】更に本実施例では高圧のガスを用い、高圧
のガスがキャビティ13内の凝固部分や未凝固溶湯に内
側から作用するため、鋳造品の変形やつぶれをより一層
抑制することができ、キャビティ型面10a,11aの
転写性も一層向上する。高圧のガスがキャビティ13内
の凝固部分や未凝固溶湯に内側から作用するため、鋳造
品の金属組織の緻密化を促進させることができ、中空部
を形成しつつ鋳造品の強度確保を図ることができるよう
になる。
【0052】更に本実施例ではガスは不活性であるた
め、溶湯や鋳造品1の酸化劣化を抑制できる。上記した
ようにキャビティ13内にガスを送給する際に、給湯ノ
ズル部3の給湯室31、ノズル口34、ガス導入口87
付近で溶湯が凝固すると、詰まり現象が生じ、キャビテ
ィ13へのガス送給性が阻害される。この点本実施例に
おいては、給湯ノズル部3の内部には、高温の熱媒体が
流れる熱媒体通路6が保温手段として形成されているた
め、給湯ノズル部3の保温性が維持される。故に給湯ノ
ズル部3の給湯室31、ノズル口34、ガス導入口87
付近で溶湯が凝固して詰まり現象が発生することを抑制
でき、ガス送給性を安定した状態で維持することができ
る。
【0053】本実施例においては前述したように、熱媒
体通路6は、可動閉鎖部材33の閉鎖部35の尖端35
uに熱媒体を衝突させることにより可動閉鎖部材33の
閉鎖部35付近を効率よく加熱する方式である。そのた
めノズル口34に対面する可動閉鎖部材33の閉鎖部3
5を高温に維持することができる。よってノズル口34
付近における溶湯凝固を抑制でき、ノズル口34を介し
てのガス送給性をより一層安定した状態で維持すること
ができる。
【0054】本実施例においては前述したように、熱媒
体通路6の一部は、可動閉鎖部材33の中心軸線の周り
で螺旋形状に巻回された螺旋通路とされているため、熱
媒体が螺旋通路を通過する通過時間を確保できる。故
に、高温の熱媒体の熱交換時間が確保され、高温の熱媒
体で可動閉鎖部材33を効果的に加熱することができ、
ガス送給性を更に安定した状態で維持することができ
る。
【0055】(他の実施例)図7は他の実施例を示す。
この実施例においては鋳造型1の湯口15付近に加熱装
置90が装備されている。加熱装置90は熱媒体が流れ
る通路あるいは電気ヒータで形成することができる。従
って鋳造型1において湯口15付近を最終凝固部分にす
ることが可能となる。よって最終凝固部分である湯口1
5を経て高圧のガスをキャビティ13内に送給したり、
キャビティ13内で高圧のガスに置換されて押し出され
た未凝固溶湯を湯口15を介してキャビティ13外に吐
出させたりすることができる。
【0056】図8は別の他の実施例を示す。この実施例
においては、高圧ガスボンベ80のガスをキャビティ1
3に送給する送給経路と、キャビティ13内でガスと置
換された未凝固溶湯をキャビティ13の外方に押し出す
経路とが別系統とされている。すなわち、湯口15に対
して別の位置にガス導入口93を形成し、ガス導入口9
3を経てキャビティ13内に高圧のガスを送給する。鋳
造型1のガス導入口93の付近には加熱装置94が設け
られている。これによりガス導入口93付近の凝固詰ま
りを抑え、ガス導入口93を介してキャビティ13へガ
スを効果的に送給できるようにしている。加熱装置94
は熱媒体が流れる通路あるいは電気ヒータで形成するこ
とができる。
【0057】本実施例においては、脱着アタッチメント
式のガス中間送給装置95を設け、ガス中間送給装置9
5を鋳造型1のガス導入口93に装備する。ガス中間送
給装置95は、ガス室95aをもつスリーブ95bと、
スリーブ95b内に前進後退つまり矢印H1,H2方向
に移動可能に設けられたシールロッド95cと、シール
ロッド95cを前進後退させる空気圧または油圧式のシ
リンダ装置95dとをもつ。通常の状態では、シールロ
ッド95cはガス導入口93を閉鎖している。
【0058】キャビティ13内に溶湯が注湯され、その
溶湯の外側が凝固して凝固層が形成されると共に、内部
がまだ未凝固の段階において、シリンダ装置95dによ
りシールロッド95cを矢印H2方向に移動し、ガス導
入口93を開放すると共に、切替弁84も開放作動させ
る。この場合、ガス導入口93に連通可能なキャビティ
13部分の溶湯は、加熱装置で加熱されて未凝固状態と
なっている。
【0059】すると、高圧ガスボンベ80の高圧のガス
は、開放状態の切替弁84、開放状態のガス導入口93
から、キャビティ13内に送給される。高圧のガスに置
換されて押し出されたキャビティ13内の未凝固溶湯
は、湯口15、開放状態のノズル口34を介してキャビ
ティ13の外方に吐出される。このように本実施例にお
いても、鋳造型1のキャビティ13内における未凝固溶
湯がガスと置換された状態で凝固が終了するため、中空
部をもつ鋳造品が得られる。
【0060】
【発明の効果】本発明方法によれば、鋳造型のキャビテ
ィに溶湯を注湯した後に、キャビティにガスを送給し、
キャビティ内の未凝固溶湯とガスとを置換する。この状
態で凝固が終了するため、鋳造品に中空部が得られる。
即ち、中空部をもつ鋳造品が得られる。
【0061】本発明方法によれば前記したように、鋳造
型のキャビティに溶湯を注湯した後に、キャビティにガ
スを送給し、キャビティ内の溶湯の未凝固溶湯とガスと
を置換する。そのため中空部が負圧となることを抑える
ことができる。従って製造途中において中空部が負圧と
なる前記した従来技術に比較して、鋳造品の変形やつぶ
れを抑制するのに有利となり、更にキャビティ型面の転
写性も向上する。更に製造途中において中空部が負圧と
なる前記した従来技術に比較して、外引けや鋳巣等の鋳
造不良の低減に貢献できる。
【0062】ガスが高圧ガスであれば、高圧のガスが凝
固部分や未凝固溶湯に内側から作用するため、鋳造品の
変形やつぶれをより一層抑制することができ、キャビテ
ィ型面の転写性も一層向上させることができる。更に外
引けや鋳巣の低減にも一層貢献できる。更に高圧のガス
が凝固部分や未凝固溶湯に内側から作用すれば、鋳造品
の組織の緻密化を促進させることができ、鋳造品の強度
確保も図ることができる。
【0063】本発明に係る製造装置によれば、ガスを収
容するガス収容手段と、低融点金属の溶湯が注湯された
鋳造型のキャビティにガス収容手段のガスを送給するガ
ス送給手段とをもつ。そのため本発明に係る製造装置
は、上記した製造方法の実施に使用でき、中空部をもつ
鋳造品が得られる。更にキャビティに送給したガスによ
り中空部が負圧となることを抑えることができる。従っ
て製造途中において中空部が負圧となる前記した従来技
術に比較して、鋳造品の変形やつぶれを抑制でき、キャ
ビティ型面の転写性も向上する。更に外引けや鋳巣等の
鋳造不良の低減にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る概念図である。
【図2】凝固層が形成された状態を示す概念図である。
【図3】給湯ノズル部の断面図である。
【図4】可動閉鎖部材がノズル口を開放している状態を
示す給湯ノズル部の断面図である。
【図5】可動閉鎖部材がノズル口を閉鎖している状態を
示す給湯ノズル部の断面図である。
【図6】全体構成を示す構成図である。
【図7】他の実施例に係る概念図である。
【図8】別の他の実施例に係る概念図である。
【符号の説明】
図中、1は鋳造型、10は固定型、11は可動型、13
はキャビティ、15は湯口、2は鋳造機、3は給湯ノズ
ル部、33は可動閉鎖部材、34はノズル口、35は閉
鎖部、38は空気圧シリンダ、4は溶湯保持部、5は供
給ポンプ、51は供給室、52は供給シリンダ、59は
開閉弁、6は熱媒体通路(保温手段)、61は加熱室、
60は往路、62は復路、7は制御装置、80は高圧ガ
スボンベ(ガス収容手段)、84は切替弁(ガス送給手
段)、87、93はガス導入口、90は加熱装置を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 初山 圭司 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 アイシ ン高丘株式会社内 (72)発明者 大出 竜三 大阪府松原市大堀3丁目11番12号 大阪技 研株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳造品を成形するキャビティと前記キャビ
    ティを区画するキャビティ型面とを備えた鋳造型を用
    い、低融点金属の溶湯を前記鋳造型の前記キャビティに
    注湯し凝固させて鋳造品を得る製造方法であって、 前記鋳造型のキャビティに前記溶湯を注湯した後に前記
    キャビティにガスを送給し、未凝固溶湯の少なくとも一
    部とガスとを置換することにより中空部を形成するよう
    にしたことを特徴とする中空部をもつ鋳造品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記キャビティ内の溶
    湯のうち、前記キャビティ型面に接触している溶湯部分
    が凝固すると共に、前記キャビティ型面に接触していな
    い溶湯部分に未凝固溶湯が残っているときに、前記鋳造
    型のキャビティへの前記ガスの送給を開始することを特
    徴とする中空部をもつ鋳造品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、前記鋳造
    型のキャビティへ前記ガスを送給するにあたり、前記鋳
    造型の前記キャビティに連通するガス導入口付近を加熱
    して前記ガス導入口付近の前記溶湯の凝固を抑えつつ、
    前記キャビティへガスを送給することを特徴とする中空
    部をもつ鋳造品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれか一項にお
    いて、前記ガスは前記溶湯に対して低活性であることを
    特徴とする中空部をもつ鋳造品の製造方法。
  5. 【請求項5】鋳造品を成形するキャビティと前記キャビ
    ティを区画するキャビティ型面とを備えた鋳造型に装備
    される装置であって、 ガスを収容するガス収容手段と、 低融点金属の溶湯が注湯された前記鋳造型のキャビティ
    に前記ガス収容手段のガスを送給するガス送給手段とを
    もつことを特徴とする中空部をもつ鋳造品の製造装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記ガス収容手段はガ
    スを高圧で収容することを特徴とする中空部をもつ鋳造
    品の製造装置。
  7. 【請求項7】請求項5又は請求項6において、前記ガス
    送給手段は、前記ガス収容手段のガスを前記キャビティ
    に送給する送給形態と、前記キャビティへのガスの送給
    を停止する停止形態とに切替可能であることを特徴とす
    る中空部をもつ鋳造品の製造装置。
  8. 【請求項8】請求項5から請求項7のいずれか一項にお
    いて、前記鋳造型のキャビティに前記溶湯を注湯する給
    湯手段と、前記給湯手段を保温する保温手段とが設けら
    れており、前記保温手段で保温されている前記給湯手段
    を介して、前記ガス送給手段は前記鋳造型のキャビティ
    にガスを送給することを特徴とする中空部をもつ鋳造品
    の製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007531630A (ja) * 2004-04-05 2007-11-08 カリーン・ロータル・ハー 鋳造品の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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