JP2000261358A - 衛星通信受信装置 - Google Patents

衛星通信受信装置

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JP2000261358A
JP2000261358A JP5792799A JP5792799A JP2000261358A JP 2000261358 A JP2000261358 A JP 2000261358A JP 5792799 A JP5792799 A JP 5792799A JP 5792799 A JP5792799 A JP 5792799A JP 2000261358 A JP2000261358 A JP 2000261358A
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satellite
moving
frequency
antenna
circuit
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Yasunori Yoshino
康則 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドップラー効果の影響を排除して受信周波数の
安定化を図り、移動時の衛星捕捉性能を高める。 【解決手段】 衛星方向算出手段14はGPS受信によ
り追尾対象の衛星の方向に係わる情報を取得し、一方、
速度センサにより自動車の移動速度を、地磁気センサに
より自動車の移動方向の情報をそれぞれ取得する。移動
速度算出手段10は、上記衛星の方向に係わる情報、自
動車の移動速度、ならびに自動車の移動方向の情報にも
とづいて、自動車の移動速度の、衛星方向の成分を算出
する。その上で第1のアンプ311および加算回路31
2から成る周波数制御手段12は移動速度算出手段10
が算出した移動速度にもとづいて、衛星からの電波にお
けるドップラー効果による周波数の変動分に応じた量
で、位相比較回路307が出力する電圧を調整し、調整
後の電圧を第1の発振回路310に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星通信において
アンテナを衛星に追尾させるために用いて好適な衛星通
信受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両などの移動体に搭載する衛星通信装
置は、移動体に搭載することから大きさに制約があり、
アンテナおよび通信装置本体の双方とも小型化の要求が
強い。また、衛星通信装置では、移動中も常に衛星の方
向にアンテナを向けて通信を継続できるようにするた
め、追尾アンテナが用いられる場合が多い。さらに、画
像データなども伝送できるようにするため、衛星通信装
置において大容量のデータ伝送の実現が望まれている。
【0003】一般に、大容量のデータ伝送を行うために
は、アンテナ利得を高くするか、または送信機の送信パ
ワーを上げることが有効である。しかし、アンテナ利得
を高くするためにはアンテナを大きくしなければなら
ず、またその結果、アンテナの指向性が鋭くなるため、
いっそう高精度に追尾制御を行うことが必要になる。一
方、送信機の送信パワーを上げた場合には、消費電力や
発熱量の増大を招き、さらには電波干渉や人体への影響
の懸念が生じ、多くの技術的な課題を含むため、この方
法による大容量データ伝送の実現は容易ではない。
【0004】したがって、送信パワーは抑制し、高利得
のアンテナを用いて高精度に追尾を行うことが現実的な
方法となる。しかし、移動体は、通常、移動中は動揺
し、また、移動に伴って衛星指向方向に遮蔽物が介在し
たり、電波の干渉が生じる場合があり、高利得のアンテ
ナを用いて衛星の方向を見失うことなく高精度に追尾を
継続することは非常に難しい。
【0005】このような問題に対処する技術として、従
来より、コリオリの力を利用した振動ジャイロや、サニ
ャック効果を利用した光ファイバジャイロなどにより移
動体の角速度を検出し、積分を行って相対移動角度を求
めたり、GPSや、磁気センサ、車速センサなどによ
り、移動体の絶対方位と車速を求め、移動体の動揺を補
償し、電波が遮蔽された状態から復帰した際に、速やか
に衛星を再捕捉する技術が知られている。
【0006】また、電波が遮蔽された後、速やかに衛星
を再捕捉するためには、低C/Nでも衛星の捕捉が可能
な受信機を用いることが重要となるが、高安定度受信機
の使用には、受信機の大きさや、コストの点で制限があ
る。ところで、小型のアンテナは、利得は低いが、設置
面積が狭くて済み、また、ビーム幅が広いために受信可
能範囲が広く、衛星を捕捉しやすいという点で有利であ
る。ただし、衛星捕捉時の追尾精度に関しては、大型で
受信アンテナ利得が高いアンテナほど、受信レベルが高
く、高精度の追尾が可能である。受信アンテナの選定は
これらの点を考慮して総合的に判断しなければならず、
単純ではない。
【0007】そこで、受信機におけるノイズレベルを、
受信機が大型化することなく、かつ低コストで低減でき
れば、アンテナ選定の問題も緩和し、C/Nも改善して
衛星の高精度捕捉と電波遮蔽後の速やかな再捕捉を実現
でき、そして大容量データ伝送も可能となる。
【0008】受信機におけるノイズを減らす有効な方法
として、受信機の検波帯域幅を狭くする方法が従来より
知られている。例えば検波帯域幅を3KHZから300
Hzへと狭くしたとすると、原理的にはC/Nは10d
B改善する。しかし、衛星からの電波の周波数は、衛星
自身における送信機のドリフトや、電波伝搬経路におけ
る影響などにより常に変動している。したがって、この
周波数変動の幅が例えば500KHzであったとする
と、検波帯域幅が300Hzの受信機では、受信帯域外
となって受信不可能となる。
【0009】この問題を解決する1つの方法は、AFC
回路を用いることである。図3はAFC回路を備えた固
定局の一例を示すブロック図である。図3に示した固定
局102では、固定局102から発射し衛星で折返され
た電波を固定局102で受信し、受信信号の周波数の変
動量を測定して、変動量の分だけ電波の周波数を調整
し、周波数を安定化している。詳しく説明すると、アッ
プコンバータ202(U/D)はパイロット発振器20
1(PILOT OSC)からの信号を周波数変換し、
ハイパワーアンプ203(HPA)はその周波数変換さ
れた信号を電力増幅してアンテナ204を通じ、衛星2
05に送信する。アンテナ204から送信された電波は
衛星205で折返されてアンテナ204に戻り、受信信
号としてダウンコンバータ206に入力される。ダウン
コンバータ206はこの受信信号に対して周波数変換を
行ってAFC回路207に出力し、AFC回路207は
ダウンコンバータ206からの受信信号の周波数を監視
する。そして、周波数変動が生じた場合には、AFC回
路207は周波数変動を解消すべくアップコンバータ2
06を制御する。その結果、衛星205からの受信周波
数は常に一定に保たれる。
【0010】この手法は、固定衛星通信においてしばし
ば用いられており、特に1つの親局に対して小型衛星地
球局(子局)を多数配置したシステムで有効である。す
なわち、子局の数が多い場合、親局で周波数変動を抑え
ることで、子局ではそれぞれが周波数スイープ機能を持
つ必要がなくなり、システムの低コスト化を実現でき
る。
【0011】しかし、この種のAFC回路を移動体衛星
通信に応用した場合には、固定局102と異なり、アン
テナおよび受信機が移動体と共に移動するため、ドップ
ラー効果により受信電波の周波数は大幅に変化し、充分
な精度で周波数を安定化できないという問題が生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決するためになされたもので、その目的は、ドッ
プラー効果の影響を排除して受信周波数の安定化を図
り、移動時の衛星捕捉性能を向上させることが可能な衛
星通信受信装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、衛星からの電波を受信して得られた受信信
号の周波数を、第1の基準信号にもとづいて変換する周
波数変換回路と、前記周波数変換回路の出力信号から特
定の周波数帯域の信号を抽出するフィルタと、与えられ
た制御信号に応じた周波数で発振して前記第1の基準信
号を発生する第1の発振回路と、第2の基準信号を発生
する第2の発振回路と、前記フィルタの出力信号と前記
第2の基準信号の位相を比較し、比較結果を表す前記制
御信号を前記第1の発振回路に供給する位相比較回路
と、前記フィルタの出力信号を検波して前記衛星からの
電波の電界強度を表す信号を出力する検波回路とを備え
た移動体に搭載された衛星通信受信装置であって、前記
衛星の方向に係わる情報を取得する衛星方向取得手段
と、前記移動体の移動速度を取得する移動速度取得手段
と、前記移動体の移動方向の情報を取得する移動方向取
得手段と、衛星方向取得手段が取得した前記衛星の方向
に係わる情報、移動速度取得手段が取得した前記移動体
の移動速度、ならびに前記移動方向取得手段が取得した
前記移動体の移動方向の情報にもとづいて、前記移動体
の移動速度の、前記衛星方向の成分を算出する移動速度
算出手段と、前記移動速度算出手段が算出した移動速度
にもとづいて、前記衛星からの電波におけるドップラー
効果による周波数の変動分に応じた量で、位相比較回路
が出力する前記制御信号を調整し、調整後の前記制御信
号を前記第1の発振回路に供給する周波数制御手段とを
備えたことを特徴とする。
【0014】本発明の衛星通信受信装置では、衛星方向
取得手段が衛星の方向に係わる情報を取得し、一方、移
動速度取得手段は移動体の移動速度を、移動方向取得手
段は移動体の移動方向の情報をそれぞれ取得する。そし
て、移動速度算出手段は、衛星方向取得手段が取得した
衛星の方向に係わる情報、移動速度取得手段が取得した
移動体の移動速度、ならびに移動方向取得手段が取得し
た移動体の移動方向の情報にもとづいて、移動体の移動
速度の、衛星方向の成分を算出する。その上で、周波数
制御手段は、移動速度算出手段が算出した移動速度にも
とづいて、衛星からの電波におけるドップラー効果によ
る周波数の変動分に応じた量で、位相比較回路が出力す
る制御信号を調整し、調整後の制御信号を第1の発振回
路に供給する。
【0015】したがって、移動体が移動中でも、かつ移
動方向がどの方向であっても、周波数変換回路の出力信
号の周波数は、移動体が停止している場合と同様、きわ
めて安定している。そのため、フィルタの帯域幅を狭く
設定することができ、ノイズレベルの低減を実現でき
る。その結果、C/Nが改善し、検波回路の出力信号に
よりアンテナを衛星に対して追尾させるべく制御する場
合、高精度で衛星を捕捉でき、また移動体の移動により
衛星からの電波が建物などにより一時的に遮蔽された後
も、速やかに衛星を再捕捉することができる。そして、
C/Nの改善により、アンテナ利得を高くしたり、送信
機の送信パワーを上げた場合と同様の効果が得られ、大
容量データの伝送が可能となる。また、特別な回路や手
段は不要であるから、装置が大型化したり、高コスト化
することもない。さらに、C/Nの改善により、アンテ
ナとしては小型でビーム幅の広いアンテナを用いればよ
くなり、アンテナの選定が難しいという問題も解消する
と共に、アンテナ設置スペースも狭くて済む。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明による衛星通
信受信装置の一例を示すブロック図、図2は図1の衛星
通信受信装置を自動車に搭載した状態を示す構成図であ
る。図2に示したように、本実施の形態例の衛星通信受
信装置100は、自動車8に搭載されており、受信機
7、アンテナ1、アンテナ制御装置6、GPSアンテナ
5、GPS受信機4、地磁気センサ3、ならびに速度セ
ンサ2を含んで構成されている。
【0017】受信機7は、図1に示したように、衛星か
らの電波を受信して得られた受信信号の周波数を、第1
の基準信号にもとづいて変換するミキサ303(周波数
変換回路)、ミキサ303の出力信号から特定の周波数
帯域の信号を抽出するフィルタ304、ならびに与えら
れた制御信号に応じた周波数で発振して第1の基準信号
を発生する第1の発振回路310(VCO)を含み、さ
らに、第2の基準信号を発生する第2の発振回路30
0、フィルタ304の出力信号と第2の基準信号の位相
を比較し、比較結果を表す制御信号を第1の発振回路3
10に供給する位相比較回路307、ならびにフィルタ
304の出力信号を検波して衛星からの電波の電界強度
を表す信号を出力する検波回路306などを含んでい
る。
【0018】そして、上記GPSアンテナ5およびGP
S受信機4は本発明にかかわる衛星方向取得手段を構成
し、地磁気センサ3は、本発明にかかわる移動方向取得
手段を構成している。また、図1に示した移動速度算出
手段10は、GPS受信機4が取得した衛星の方向に係
わる情報、速度センサ2が取得した自動車の移動速度、
ならびに地磁気センサ3により取得した自動車8の移動
方向の情報にもとづいて、自動車8の移動速度の、衛星
方向の成分を算出し、算出結果を表す電圧を出力する。
この移動速度算出手段10は、本実施の形態例では一例
としてマクロコンピュータにより構成され、一例として
アンテナ制御装置6に組み込まれている。
【0019】周波数制御手段12は、移動速度算出手段
10が算出した移動速度にもとづいて、衛星からの電波
におけるドップラー効果による周波数の変動分に応じた
量で、位相比較回路307が出力する制御信号を調整
し、調整後の制御信号を第1の発振回路310に供給す
る。周波数制御手段12は、具体的には加算回路312
および第1のアンプ311により構成されている。な
お、第1の発振回路310は電圧制御発振回路であり、
加算回路312からの制御信号の電圧の大きさにより発
振周波数が変化する。
【0020】衛星方向算出手段14は、上記GPSアン
テナ5およびGPSアンテナ5に接続されたGPS受信
機4と共に本発明にかかわる衛星方向取得手段を構成
し、GPS受信機4の出力信号にもとづいて自動車8の
位置を特定した上で、自動車8の位置と衛星の既知の位
置とにもとづいて衛星の方向に係わる情報を取得する。
衛星方向算出手段14は、本実施の形態例ではアンテナ
制御装置6に組み込まれた上記マイクロコンピュータに
より実現されている。アンテナ制御装置6はまた、アン
テナ1により受信した衛星からの信号を受信機7に供給
し、一方、受信機7の検波回路306の出力信号にもと
づいてアンテナ1の方向を制御する。
【0021】次に、このように構成された衛星通信受信
装置100の動作について説明する。まず、受信機7の
基本動作を説明するため、自動車8が停止しており、移
動速度算出手段10が算出する移動速度の、衛星方向の
成分は零であり、第1のアンプ311に入力される電圧
は0ボルトであるとする。アンテナ1で受信された信号
はアンテナ制御装置6を通じて受信機7に入力され、こ
の受信信号はバンドパスフィルタ301でまず不要周波
数成分が除去される。その後、第2のアンプ302で増
幅され、ミキサ303に入力される。ミキサ303には
第1の発振回路310から第1の基準信号が供給されて
おり、ミキサ303は上記受信信号と第1の基準信号と
を乗算することで、受信信号の周波数をより低い周波数
に変換する。
【0022】周波数変換後の受信信号はローパスフィル
タであるフィルタ303において低周波成分のみが抽出
された後、AGCアンプ306に供給される。そして、
AGCアンプ306を通った受信信号は検波回路306
に入力され、第2の発振回路300が生成した第2の基
準信号を移相回路308(90°)で90度位相をシフ
トさせた信号にもとづき検波され、アンテナ1が受信し
た電波の電界強度を表す信号として出力される。
【0023】一方、位相比較回路307は、AGCアン
プ306の出力信号と、第2の発振回路300からの第
2の基準信号との位相を比較し、両信号の位相差に応じ
た大きさの電圧を出力する。この電圧には、加算回路3
12において第1のアンプ311の出力電圧が加算され
るが、この場合には、上述のように第1のアンプ311
の入力電圧は0Vであるため、加算回路312からは位
相比較回路307からの電圧がそのまま出力され、第1
の発振回路310に供給される。そして、第1の発振回
路310は加算回路312からの制御電圧に応じた周波
数で発振し、その周波数の第1の基準信号をミキサ30
3に出力する。したがって、受信機7では上述したAF
C回路が実現されており、衛星からの受信信号の周波数
がある程度変動しても、ミキサ303の出力において、
受信信号の周波数は常に一定となるように制御される。
【0024】次に、自動車8が移動している場合の動作
について説明する。自動車8が停止しているとき、受信
信号の周波数はf(Hz)であり、その後、自動車8が
例えば衛星の方向に向かってV(Km/h)の速度で走
行を開始したとする。このとき、自動車8が走行したこ
とによってドップラー効果が発生し、受信信号の周波数
F(Hz)は、
【0025】
【数1】F=f×(3×10^8+V×10^3/60
/60)/3×10^8 となる。なお、記号^は累乗を表し、例えば10^8は
10の8乗を示している。また、自動車8が衛星から遠
ざかる方向に移動する場合は速度Vの符号はマイナスと
する。ここで、一例としてf=12GHz、V=60K
m/hを代入すると、
【0026】
【数2】F=12×(3×10^8+60×10^3/
60/60)/3×10^8 となり、周波数変動Fdは、Fd=f−F=670Hz
となる。つまり、自動車8が衛星方向に60Km/hで
移動すると受信信号は670Hz高くなる。周波数の変
動量は移動速度に比例するため、特に自動車8が発進や
停止するような場合に、受信信号の周波数は急激にかつ
大きく変化する。このような周波数の変動が生じた場
合、上述のような位相比較にもとづく周波数の調整では
対応しきれず、位相ロックが外れて受信信号の検出が不
可能となる。
【0027】しかし、本実施の形態例では、以下に説明
するようにドップラー効果による周波数の変動をフィー
ドフォワード補償することで、位相ロックの状態が維持
される。まず、衛星方向算出手段14の動作について説
明する。上記GPSアンテナ5およびGPS受信機4に
よるGPS受信によって、自動車8の位置が、例えば北
緯35度31分、東経139度33分と得られたとす
る。また、捕捉すべき衛星は赤道上空の静止衛星であ
り、経度が東経150度であるとする。
【0028】このとき、衛星方向算出手段14はまず、
衛星と自動車8の経度差φをφ=150.0−(139
+33/60)=10.45度と算出し、自動車8の経
度θをθ=35+31/60=35.51度と算出す
る。その上で、衛星の方向AZを、
【0029】
【数3】 AZ=180−atan(tanφ/sinθ) =180−atan(tan10.45/sin35.51) =162.4度 と計算する。
【0030】そして、地磁気センサ3により自動車8の
進行方向が例えば真南であると検出され、一方、速度セ
ンサ2により移動速度が60Km/hと検出されたとす
ると、移動速度算出手段10は、衛星の方向AZ=16
2.4度と、真南の方向=180度とのベクトルの成す
角度から、自動車8の移動速度の、衛星方向の成分V
を、
【0031】
【数4】V=cos(180−162.4)×60=5
7.19Km/h と算出し、この算出結果を表す電圧を第1のアンプ31
1に出力する。自動車8の移動速度が57.19Km/
hの場合、[数2]で60Km/hをこの数値で置き換
えて受信周波数Fを求め、さらに周波数変動Fdを上述
の場合と同様にして求めるとFd=約639Hzとな
る。したがって、57.19Km/hの移動速度に対し
て約639Hzの周波数変動を生じるから、第1のアン
プ311のゲインを、ミキサ303の出力における周波
数変化が約639/57.19Hz/Km/hの周波数
変化となるようにあらかじめ設定しておく。
【0032】その結果、例えば自動車8が60Km/h
の速度で上記方向に移動し、その移動に伴ってドップラ
ー効果が発生しても、周波数の変動分をキャンセルする
ための電圧が第1のアンプ311から出力され、加算回
路312で位相比較回路307からの電圧に加算して第
1の発振回路310に供給される。そして、第1の発振
回路310では加算回路312からの電圧によって発振
周波数が約639Hz分補正され、したがって、ミキサ
303の出力では、ドップラー効果が発生しているにも
かかわらずもとの周波数となる。
【0033】このように、本実施の形態例では、自動車
8が移動中でも、かつ移動方向がどの方向であっても、
ミキサ303の出力信号の周波数は、自動車8が停止し
ている場合と同様、きわめて安定している。そのため、
フィルタ304の帯域幅を狭く設定することができ、ノ
イズレベルの低減を実現できる。その結果、C/Nが改
善し、位相検波回路の出力信号によりアンテナ1を衛星
に対して追尾させるべく制御する場合、高精度で衛星を
捕捉でき、また自動車8の移動により衛星からの電波が
建物などにより一時的に遮蔽された後も、速やかに衛星
を再捕捉することができる。
【0034】そして、C/Nの改善により、アンテナ利
得を高くしたり、送信機の送信パワーを上げた場合と同
様の効果が得られ、大容量データの伝送が可能となる。
また、以上の説明から明らかなように、特別な回路や手
段は不要であるから、装置が大型化したり、高コスト化
することもない。さらに、C/Nの改善により、アンテ
ナ1としては小型でビーム幅の広いアンテナ1を用いれ
ばよくなり、アンテナ1の選定が難しいという問題も解
消すると共に、アンテナ設置スペースも狭くて済む。
【0035】なお、地磁気センサ3からの情報により移
動速度算出手段10が移動速度を算出する際、地磁気セ
ンサ3により検出した磁北と真北との差を修正すること
で、より正確な算出結果を得ることができる。また、本
実施の形態例では、自動車の移動方向を地磁気センサで
求め、移動速度を速度センサで求めるとしたが、これ以
外にも例えばGPS受信機で得られた情報にもとづいて
自動車の移動軌跡を取得し、その移動軌跡より自動車の
方向および速度を求めることも可能である。さらに、ア
ンテナの制御を行う場合、通常、アンテナ姿勢制御用の
加速時計が用いられるが、その加速時計で得られた自動
車の加速度に関する情報により、積分演算などを行って
速度を求めることも可能である。
【0036】そして、衛星の方向に関しても、衛星の方
向をパラメータとして直接入力して衛星の方向を指定す
るといった方法を採ることも可能である。また、本実施
の形態例では、衛星方向算出手段14および移動速度算
出手段10はアンテナ制御装置6により実現されている
としたが、これはアンテナ制御に必要なセンサ類がアン
テナ制御装置6に接続され、そのデータを流用すること
を考慮したためである。したがって、衛星方向算出手段
14および移動速度算出手段10をアンテナ制御装置6
とは別に設けたり、受信機7の一部として構成すること
も無論可能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の衛星通信受
信装置では、衛星方向取得手段が衛星の方向に係わる情
報を取得し、一方、移動速度取得手段は移動体の移動速
度を、移動方向取得手段は移動体の移動方向の情報をそ
れぞれ取得する。そして、移動速度算出手段は、衛星方
向取得手段が取得した衛星の方向に係わる情報、移動速
度取得手段が取得した移動体の移動速度、ならびに移動
方向取得手段が取得した移動体の移動方向の情報にもと
づいて、移動体の移動速度の、衛星方向の成分を算出す
る。その上で、周波数制御手段は、移動速度算出手段が
算出した移動速度にもとづいて、衛星からの電波におけ
るドップラー効果による周波数の変動分に応じた量で、
位相比較回路が出力する制御信号を調整し、調整後の制
御信号を第1の発振回路に供給する。
【0038】したがって、移動体が移動中でも、かつ移
動方向がどの方向であっても、周波数変換回路の出力信
号の周波数は、移動体が停止している場合と同様、きわ
めて安定している。そのため、フィルタの帯域幅を狭く
設定することができ、ノイズレベルの低減を実現でき
る。その結果、C/Nが改善し、検波回路の出力信号に
よりアンテナを衛星に対して追尾させるべく制御する場
合、高精度で衛星を捕捉でき、また移動体の移動により
衛星からの電波が建物などにより一時的に遮蔽された後
も、速やかに衛星を再捕捉することができる。そして、
C/Nの改善により、アンテナ利得を高くしたり、送信
機の送信パワーを上げた場合と同様の効果が得られ、大
容量データの伝送が可能となる。また、特別な回路や手
段は不要であるから、装置が大型化したり、高コスト化
することもない。さらに、C/Nの改善により、アンテ
ナとしては小型でビーム幅の広いアンテナを用いればよ
くなり、アンテナの選定が難しいという問題も解消する
と共に、アンテナ設置スペースも狭くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による衛星通信受信装置の一例を示すブ
ロック図である。
【図2】図1の衛星通信受信装置を自動車に搭載した状
態を示す構成図である。
【図3】AFC回路を備えた固定局の一例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1……アンテナ、2……速度センサ、3……地磁気セン
サ、4……GPS受信機、5……GPSアンテナ、6…
…アンテナ制御装置、7……受信機、8……自動車、1
0……移動速度算出手段、12……周波数制御手段、1
4……衛星方向算出手段、100……衛星通信受信装
置、102……固定局、300……第2の発振回路、3
03……ミキサ、304……フィルタ、306……検波
回路、306……AGCアンプ、307……位相比較回
路、308……移相回路、310……第1の発振回路、
311……第1のアンプ、312……加算回路。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衛星からの電波を受信して得られた受信
    信号の周波数を、第1の基準信号にもとづいて変換する
    周波数変換回路と、 前記周波数変換回路の出力信号から特定の周波数帯域の
    信号を抽出するフィルタと、 与えられた制御信号に応じた周波数で発振して前記第1
    の基準信号を発生する第1の発振回路と、 第2の基準信号を発生する第2の発振回路と、 前記フィルタの出力信号と前記第2の基準信号の位相を
    比較し、比較結果を表す前記制御信号を前記第1の発振
    回路に供給する位相比較回路と、 前記フィルタの出力信号を検波して前記衛星からの電波
    の電界強度を表す信号を出力する検波回路とを備えた、
    移動体に搭載された衛星通信受信装置であって、 前記衛星の方向に係わる情報を取得する衛星方向取得手
    段と、 前記移動体の移動速度を取得する移動速度取得手段と、 前記移動体の移動方向の情報を取得する移動方向取得手
    段と、 衛星方向取得手段が取得した前記衛星の方向に係わる情
    報、移動速度取得手段が取得した前記移動体の移動速
    度、ならびに前記移動方向取得手段が取得した前記移動
    体の移動方向の情報にもとづいて、前記移動体の移動速
    度の、前記衛星方向の成分を算出する移動速度算出手段
    と、 前記移動速度算出手段が算出した移動速度にもとづい
    て、前記衛星からの電波におけるドップラー効果による
    周波数の変動分に応じた量で、位相比較回路が出力する
    前記制御信号を調整し、調整後の前記制御信号を前記第
    1の発振回路に供給する周波数制御手段とを備えたこと
    を特徴とする衛星通信受信装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数変換回路はミキサーを含んで
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の衛星通
    信受信装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の発振回路は電圧制御発振回路
    であり、前記制御信号の電圧の大きさにより発振周波数
    が変化することを特徴とする請求項1記載の衛星通信受
    信装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数制御手段は、前記制御信号の
    電圧の大きさを調整することを特徴とする請求項1記載
    の衛星通信受信装置。
  5. 【請求項5】 前記衛星方向取得手段は、GPSアンテ
    ナおよびGPSアンテナに接続されたGPS受信機を含
    み、GPS受信機の出力信号にもとづいて前記移動体の
    位置を特定した上で、前記移動体の前記位置と前記衛星
    の既知の位置とにもとづいて前記衛星の方向に係わる情
    報を取得することを特徴とする請求項1記載の衛星通信
    受信装置。
  6. 【請求項6】 移動速度取得手段は速度センサにより構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の衛星通信
    受信装置。
  7. 【請求項7】 移動方向取得手段は、地磁気センサを含
    んで構成されていることを特徴とする請求項1記載の衛
    星通信受信装置。
  8. 【請求項8】 前記衛星からの電波を受信するアンテナ
    と、前記アンテナの方向を制御するアンテナ制御装置と
    を含み、前記アンテナ制御装置は、前記検波回路の出力
    信号にもとづいて前記アンテナの方向を制御することを
    特徴とする請求項1記載の衛星通信受信装置。
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