JP2000259255A - ガス供給制御装置 - Google Patents
ガス供給制御装置Info
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Abstract
出することができ、絞り部の有効断面積の変化と絞り部
の上流側圧力の変化に基づいて、精度よく流体流量を制
御することができるコンパクトなガス供給制御装置を提
供すること。 【解決手段】 オリフィス33の上流側に熱式流量セン
サ36を配設し、オリフィス33を音速流で通過する材
料ガスの流量Q’の変化を熱式流量センサ36により検
出し、その材料ガスの流量Q’の変化から有効断面積の
変化を検出する。
Description
特性を利用したガス供給制御装置に関し、特に、絞り部
の有効断面積を熱式流量センサにより検知し、流体流量
を制御するガス供給制御装置に関するものである。
ば、ウエハ表面に薄膜を形成させるCVD装置では、薄
膜材料を構成する化合物からなる1種又は数種の材料ガ
スをウエハ上に供給している。このとき、ウエハ表面に
形成される薄膜を所望のものにする(例えば、薄膜の厚
さを均一にする)ために、ウエハ上に供給される材料ガ
スを一定量連続して供給させる必要がある。
に供給される材料ガスを一定量連続して供給させるガス
供給制御装置が使用されている。かかるガス供給制御装
置には、マスフローコントローラが使用されていた。し
かし、近年の微細加工の要求に応えるには、マスフロー
コントローラは応答性が鈍く、しかも低流量領域におけ
る制御精度が悪いという問題があった。
55218号公報に記載されたガス供給制御装置は、マ
スフローコントローラに換えて音速ノズルを使用したガ
ス供給制御装置を提案している。特開平10−5521
8号公報に記載されたガス供給制御装置は、直径0.2
mmの丸穴が形成された金属薄板からなるオリフィスを
使用している。そして、かかるオリフィスの下流側の圧
力P2に対するオリフィスの上流側の圧力P1の比P1
/P2が約1.4より大きい場合に、オリフィスを音速
流で通過する材料ガスの流量Qcが、 Qc=K×S×P1 (但し、Kは定数、Sは有効断面積)のベルヌーイの式
で近似される、オリフィスの圧力流量特性を利用するも
のである。
ィスの下流側の圧力P2に対するオリフィスの上流側の
上流圧力P1の比P1/P2 が約1.4より大きけれ
ば、一次圧力検出器で検出されるオリフィスの上流側の
圧力P1に基づいて、オリフィスを通過する材料ガスの
流量Qcを算出することができる。また、オリフィスの
上流側の圧力P1を、オリフィスの上流側に配設された
圧力制御バルブで調節することにより、オリフィスを通
過する材料ガスの流量Qcを設定値に保つことができ
る。
10−55218号公報に記載されたガス供給制御装置
には、次のような問題があった。 (1)腐食性の高い材料ガスを使用すると、オリフィス
の丸穴が腐食し、腐食部分が流体圧力により吹き飛ばさ
れ、拡径する場合があった。また、上流側流路内に発生
したパーティクルが、オリフィスの丸穴周辺に付着し、
丸穴が目詰まりする可能性があった。このとき、丸穴の
直径が僅かに変化しただけで、オリフィスを通過する材
料ガスの流量が大きく変化する。例えば、オリフィスの
丸穴が変形する前の上流側圧力P1を10Pa、オリフ
ィスを通過する材料ガスの流量Qを250cc/sec
とすると、オリフィスの直径が僅か0.2mmから0.
21mmに(5%)拡径しただけで、流量は10.25
%増加して、約275.6cc/secとなり、約25
cc/secも増加する。このように有効断面積の変化
は流体流量を大きく変化させるので、特に微細加工の場
合には、製品が粗悪になり、深刻な問題である。それに
もかかわらず、特開平10−55218号公報に記載さ
れたガス供給制御装置には、オリフィスの径の拡大や目
詰まり等による有効断面積Sの変化を検出するシステム
が設けられていなかった。従って、オリフィスを取り外
して点検しなければ、有効断面積の変化、すなわち、オ
リフィスの故障を発見することができなかった。
公報に記載されたガス供給制御装置は、上述した流量Q
cの算出式において、有効断面積Sを予め所定値に設定
し、定数的に取り扱っていた。従って、特開平10−5
5218号公報に記載されたガス供給制御装置は、上述
した算出式に対して有効断面積Sの変化を補うことがで
きないので、オリフィスが交換を要しない程に劣化して
いる場合に、材料ガスの流量を精度よく制御することが
できないという問題があった。
報のオリフィスは、ねじにより弁本体に取り付けられて
いたため、ガス供給制御装置の構造が大型化していた。
このため、オリフィスからオリフィスの下流に配設され
た最終遮断バルブまでの流路面積が大きく、一定時間最
終バルブを閉鎖した後に、再度最終バルブを開放する
と、オーバーシュートが発生する問題があった。すなわ
ち、最終遮断バルブが閉鎖されても、オリフィスの下流
側圧力P2は上流側圧力P1よりも小さいため、材料ガ
スが上流側から下流側へ供給され続ける。そのため、オ
リフィス33の下流側に蓄積された材料ガスは、所定の
圧力値よりも大きくなる。その後、再度最終遮断バルブ
を開放すると、下流側に蓄積された材料ガスが一気にチ
ャンバへ流れ込み、オーバーシュートを発生する。この
ようなオーバーシュートは、オリフィスから最終遮断バ
ルブまでの流路面積が大きいほど、顕著に発生する。ま
た、オーバーシュートが発生すると、流量は振動しなが
ら目標値に整定されるため、応答時間が長くなり、問題
であった。
するためになされたものであり、絞り部を取り外さなく
ても絞り部の故障を検出することができ、絞り部の有効
断面積の変化と絞り部の上流側圧力の変化に基づいて、
精度よく流体流量を制御することができるコンパクトな
ガス供給制御装置を提供することを目的とする。
制御装置は、流体を音速で連続して通過させる絞り部
と、前記絞り部の上流側で流体圧力を検出する圧力セン
サと、前記絞り部の上流側で流体温度を検出する温度セ
ンサと、前記絞り部の圧力を調節する圧力制御バルブと
を有し、前記圧力センサ及び温度センサの検出結果に基
づいて前記圧力制御バルブを制御することにより、流体
供給量を制御するガス供給制御装置であって、前記絞り
部を通過する流体の流量を検出することにより、前記絞
り部の故障を検出する熱式流量センサを有する。
は、(1)に記載するガス供給制御装置であって、前記
圧力センサ及び温度センサの検出結果に基づいて、前記
絞り部を通過する流体流量を算出する第1演算回路と、
前記熱式流量センサの検出結果に基づいて、前記絞り部
の有効断面積を算出する第2演算回路と、前記絞り部を
通過する流体の流量設定値が入力された制御回路とを有
し、前記第2演算回路の第2算出結果が、前記圧力セン
サの検出結果を補正し、前記第1演算回路が、前記補正
後の圧力センサの検出結果を利用して流体流量を算出し
て、その第1算出結果を前記制御回路へ送信する。
は、(1)又は(2)のいずれかに記載するガス供給制
御装置であって、前記熱式流量センサの検出結果に基づ
いて警告信号を発する比較回路を有する。
は、(1)乃至(3)のいずれか一つに記載するガス供
給制御装置であって、前記熱式流量センサ、前記圧力セ
ンサ及び前記温度センサを、同一カバー内に収納する。
置は、(1)乃至(4)のいずれか一つに記載するガス
供給制御装置であって、前記絞り部を、前記流体供給量
を調節する最終遮断バルブの入口ポートに近傍に設け
た。
の作用について説明する。流体が音速流で通過する絞り
部は、マスフローコントローラとは異なり、高流量領
域、中流量領域及び低流量領域の各領域において、測定
精度が優れており、しかも、構造がシンプルであるため
故障が生じにくいという利点があることが、一般に知ら
れている。
り部の下流側圧力P2に対する上流側圧力P1の比P1
/P2が一定値以上になるように全体を制御し、流体が
音速流で絞り部を通過するようにしている。音速流で絞
り部を通過する流体には、下流側圧力P2の変動が上流
側に伝播しないため、絞り部を通過する流体の流量を上
流側圧力P1のみで検出できるという圧力特性がある。
圧力特性を利用するものである。すなわち、ガス供給制
御装置は、第1演算回路において、絞り部を音速流で通
過する流体の圧力特性を利用して、ベルヌーイの式で近
似される第1算出式、すなわち、 Q=K×S×P1×(273/T1)1/2 (但し、Kは定数、Sは絞り部の有効断面積、T1は絞
り部の上流温度)から、絞り部を音速流で通過する流体
の流量Qを算出する。
り部の上流側の圧力検出結果P1と、温度センサで検出
される絞り部の上流側の温度検出結果T1とに基づい
て、絞り部を音速流で通過する材料ガスの流量Qを算出
することができる。また、絞り部の上流圧力P1を上流
圧力制御バルブで調節することにより、絞り部を音速流
で通過する流体の流量Qを設定値に保つことができる。
として、腐食性の高い流体を長時間使用した場合に、絞
り部の流路が腐食され、腐食部分が流体圧力により吹き
飛ばされて流路が拡径したり、パーティクルが流路に目
詰まりするなどして、絞り部の有効断面積が変化する可
能性がある。
出するべく、熱式流量センサを絞り部の上流側に配設し
た。熱式流量センサには、応答性が悪く、しかも低流量
領域における精度が悪いという欠点がある。しかし、絞
り部を通過する流体の流量は、僅かな絞り部の有効断面
積の変化により大きく変化する。例えば、絞り部の流路
が丸穴である場合、丸穴の径が0.2mmから0.21
mmに拡径しただけで、流量は10.25%増加する。
また、熱式流量センサは、流量の変化から絞り部の有効
断面積の変化を検出し、絞り部の故障を検出するもので
あるから、低流量領域でないときに流量を測定し、絞り
部の故障を発見すればよい。従って、本発明のガス供給
制御装置においては、上記熱式流量センサの欠点は問題
とならない。
動している間、絞り部を音速流で通過する流体の流量を
検出する。そして、熱式流量センサの流量検出結果Q’
は、第2演算回路へ送信される。第2演算回路は、第2
算出式、すなわち、 S’=(T1/273)1/2*Q’/KP1 (但し、Kは定数、Q’は熱式流量センサが検出した流
量、T1は絞り部の上流温度)から、絞り部の有効断面
積S’を算出する。
算回路へ送られる。そして、第2算出結果S’は、第1
演算回路が受信した圧力センサの圧力検出結果を補正す
る。すなわち、第2算出結果S’がしきい値を上回る場
合には、有効断面積が拡大しているので、圧力センサの
圧力検出結果を小さくする補正を行う。また、第2算出
結果S’がしきい値を下回る場合には、有効断面積が縮
小しているので、圧力センサの圧力検出結果を大きくす
る補正を行う。
圧力センサの圧力検出結果P1と、温度センサの検出結
果T1とを第1算出式に代入し、絞り部に供給される流
体の流量を算出する。また、第1演算回路は、第2算出
結果S’がしきい値と等しい場合には、圧力センサの検
出結果をそのまま第1算出式に代入し、絞り部に供給さ
れる流体の流量を算出する。よって、作業中に僅かに有
効断面積が変化した場合であっても、絞り部へ供給され
る流体の流量を正確に制御することができる。
は、比較回路及び制御回路へ送られる。比較回路は、第
1演算回路42で算出された第1算出結果Qと、熱式流
量センサの検出結果Q’とを受信する。そして、比較回
路は、第1算出結果Qと熱式流量センサの検出結果Q’
とを比較し、両者の差が許容範囲を超えた場合には、外
部に警報信号を発信し、絞り部の異常を知らせる。よっ
て、作業中に絞り部に故障が発生しても、その時点で絞
り部を交換するなどして故障に対処することができるの
で、絞り部が故障したまま作業を継続することがなく、
歩留まり率が向上する。
値が入力されている。制御回路は、第1算出結果Qが流
量設定値に近づくように、圧力制御バルブの開度を調節
する。すなわち、第1算出結果Qが流量設定値よりも大
きい場合には、圧力制御バルブを閉鎖する方向に制御
し、流量を減少させる。一方、第1算出結果Qが流量設
定値よりも小さい場合には、圧力制御バルブを開放する
方向に制御し、流量を増加させる。このように、圧力制
御バルブが、絞り部の上流側圧力P1を常に最適の開度
で調節するので、流体を一定量連続して供給し続けるこ
とができる。
めには、絞り部の位置が重要である。すなわち、ガス供
給制御装置をコンパクト化し、絞り部から最終遮断遮断
バルブまでの距離を小さくして、オーバーシュートの発
生を防止することが必要である。そこで、本発明のガス
供給制御装置は、圧力センサ、温度センサ及び熱式流量
センサを同一カバー内に収納して、センサパックとする
ことにより、ガス供給制御装置自体をコンパクト化し
た。また、制御不能領域を縮小するために、本発明のガ
ス供給制御装置は、最終遮断バルブの入口ポートに絞り
部を配設している。
を参照して説明する。図1は、半導体製造のウエハ処理
工程における、CVD装置を使用した薄膜形成のライン
の一部であって、本実施の形態のガス供給制御装置を備
えたものを示したブロック図である。
減圧状態に保たれるものである。そして、チャンバ30
と真空ポンプ31の間には、チャンバ30の減圧状態を
電気信号で制御する下流圧力制御バルブ20と、チャン
バ30と真空ポンプ31を遮断する遮断バルブ10が設
けられている。
介して、ウエハ表面の薄膜材料を構成する一種類の元素
からなる材料ガスが供給される。かかる材料ガスを、図
1の半導体製造のウエハ処理工程においては、一定量連
続してチャンバ30内に供給することによって、ウエハ
表面に所望の薄膜を形成させている。ここで、材料ガス
として、一種または数種の化合物ガスを使用する場合も
ある。
て供給するため、最終遮断バルブ11の上流側には、材
料ガスの流量調節を行うガス供給制御装置が設けられて
いる。ガス供給制御装置は、圧縮空気で駆動される圧力
制御バルブ21、熱式流量センサ36、温度センサ3
5、圧力センサ34、中央に直径0.2mmの孔が設け
られた金属薄板からなるオリフィス33などを備え、コ
ントローラ40で制御される。
を断面図で示したものである。図2に示すように、ガス
供給制御装置は、圧力制御バルブ21、温度センサ3
5、熱式流量センサ36、圧力センサ34及び最終遮断
バルブ11を有している。図1には図示されていない
が、圧力制御バルブ21と圧力センサ34との間には、
パージ弁23が配設されている。
びパージ弁23は、上方からねじで第1固定ブロック1
3に固設されている。第1固定ブロック13の図中左側
面には、第1流路変更ブロック16が接続されている。
圧力制御バルブ21は、耐熱用樹脂であるロッドパッキ
ン22を除くほか、その内部は全て金属で構成されてい
る。また、圧力制御バルブ21は、図1に示すように、
電−空レギュレータ39を介して送られる圧縮空気によ
り駆動される。よって、圧力制御バルブ21は、耐熱性
能に優れている。
流量センサ36及び圧力センサ34は、第2固定ブロッ
ク14の図中上側面に固設されている。第2固定ブロッ
ク14の図中左右側面には、第2、第3流路変更ブロッ
ク17、18が接続されている。また、これらのセンサ
は同一カバー38内に収納されて、センサパック37を
構成している。
-1〜1.0×105 Paを測定範囲とするピラニ真空計
である。また、温度センサ35については、圧力センサ
34であるピラニ真空計の温度測定機能を使用してい
る。しかし、圧力センサ34として、金属抵抗歪みセン
サ、半導体抵抗歪みセンサ、可変容量形圧力センサ等を
使用してもよい。また、温度センサ35として、熱電形
温度センサ、金属抵抗温度センサ、サーミスタ等を使用
してもよい。
15の図中上側面に上方からねじで固定されている。第
3固定ブロック15には、第1、第2流路15a、15
bが形成されている。第1流路15aは、オリフィスブ
ロック12を介して、最終遮断バルブ11の入口ポート
11aに連通している。オリフィスブロック12の中央
部には流路が形成され、その一端には、オリフィス33
が設けられている。オリフィスブロック12は、オリフ
ィス33が入力ポート11aに面するように配設されて
いる。また、第2流路15bは、最終遮断バルブ11の
出口ポート11bに連通している。
ロック16及び第2流路変更ブロック17に連結し、第
2連結ブロック25は、第3流路変更ブロック18及び
第3固定ブロック15に連結している。これにより、圧
力制御バルブ21、センサパック37及び最終遮断バル
ブ11は一体化されている。
は、流量設定値Qxを入力され、圧力制御バルブ21に
制御信号を送信する制御回路41と、オリフィス33を
通過する材料ガスの流量を算出する第1演算回路42
と、オリフィス33の流路面積(以下、有効断面積とい
う)を算出する第2演算回路43と、流量異常アラーム
を発する比較回路44が設けられている。
装置が、材料ガスをチャンバ30に一定量連続して供給
し、その供給量を制御する仕組みについて説明する。本
実施の形態のガス供給制御装置は、オリフィス33の下
流側圧力P2に対する上流側圧力P1の比P1/P2を
一定値以上に維持するよう、全体を制御している。この
ように、全体を制御するのは、以下の理由による。
流)/P2(下流)を一定値以上に維持することによ
り、材料ガスがオリフィス33を音速流で通過する。材
料ガスがオリフィス33を音速流で通過すると、下流側
圧力P2の圧力変動が上流側に伝播しない。よって、オ
リフィス33の上下流の圧力比P1(上流)/P2(下
流)を一定値以上に維持すると、オリフィス33を音速
流で通過する材料ガスの流量Qを、上流側圧力P1に基
づいて制御することができる。本実施の形態において
は、オリフィス33の下流側圧力P2に対する上流側圧
力P1の比P1/P2を約2.8以上に設定している。
て、第1演算回路42は、ベルヌーイの式に近似する第
1算出式から、オリフィス33に供給される材料ガスの
流量Qを算出している。すなわち、第1演算回路は、 Q=K×S×P1×(273/T1)1/2 (但し、Kは定数、Sはオリフィス33の有効断面積、
T1はオリフィス33の上流温度)から、オリフィス3
3を音速流で通過する材料ガスの流量Qを算出してい
る。
使用すると、オリフィス33が腐食して流路が拡径した
り、オリフィス33の流路にパーティクルが目詰まりす
るなどして、有効断面積が変化する場合がある。この有
効断面積の変化を検出するため、本実施の形態のガス供
給制御装置は、熱式流量センサ36をオリフィス33の
上流側に配設している。すなわち、熱式流量センサ36
が、オリフィス33を音速流で通過する材料ガスの流量
Q’を、検出し、その流量変化から有効断面積の変化を
検出するのである。
が悪く、しかも低流量領域においては精度が悪いという
欠点がある。しかし、オリフィス33を通過する材料ガ
スの流量Q’は、オリフィス33の有効断面積が僅かに
変化しただけで、大きく変化する。例えば、オリフィス
33の流路の径が直径0.2mm、上流側圧力P1が1
0Paであって、オリフィス33を通過する材料ガスの
流量Qが250cc/secであると仮定する。そし
て、上流側圧力P1が10Paであって、オリフィス3
3の流路の直径が僅か0.2mmから0.21mmに
(5%)拡径した場合、有効断面積は10.25%増加
する。有効断面積の増加に伴い、流量Q’も10.25
%増加して、約275.6cc/secとなり、約25
cc/sec増加する。よって、熱式流量センサ36
は、微妙な流量変化を検出しなくても、有効断面積の変
化を検出することができる。
からオリフィス33の故障を検出することを目的として
いるので、常に材料ガスの流量を検出する必要はない。
よって、熱式流量センサ36は、低流量でないときに、
オリフィス33を通過する材料ガスの流量Q’を検出
し、オリフィス33の故障を検出すればよい。従って、
上記熱式流量センサの欠点は、本実施の形態においては
何ら問題とならない。
ンサ36の流量検出結果Q’に基づいて、第2算出式、
すなわち、 S’=Q’/KP1*(T1/273)1/2 (但し、Kは定数、Q’は熱式流量センサ36が検出し
た流量、T1はオリフィス33の上流温度)から、オリ
フィス33の有効断面積を算出する。そして、第2演算
回路43は、この第2算出結果S’を第1演算回路42
へ送信する。
力検出結果P1を補正する。すなわち、第2算出結果
S’がしきい値を上回る場合には、オリフィス33の有
効断面積が拡径しているので、圧力センサ34の圧力検
出結果P1を小さくする補正を行う。一方、第2算出結
果S’がしきい値を下回る場合には、オリフィス33の
有効断面積が小径となっているので、圧力センサ34の
圧力検出結果P1を大きくする補正を行う。また、第2
算出結果S’がしきい値に等しい場合には、圧力センサ
34の補正を行わない。
4の圧力検出結果P1を第1算出式に代入して、オリフ
ィスへ供給される材料ガスの流量Qが算出される。よっ
て、有効断面積の変化に応じて圧力センサ34の圧力検
出結果P1を適正値に補正するので、作業中に有効断面
積が変化しても、オリフィス33へ供給される材料ガス
の流量Qが一定となり、チャンバ30内の材料ガスの濃
度を所定値に維持することができる。これにより、不良
品の数が減少し、歩留まり率が向上する。
路44へ送信される。制御回路41には、流量設定値Q
xが入力されている。そして、制御回路41は、第1算
出式から算出された第1算出結果Qが、流量設定値Qx
に近づくように、圧力制御バルブ21の開度を制御し
て、オリフィス33の上流側圧力P1を調節する。
空レギュレータ39に制御信号を発信して、圧力制御バ
ルブ21の駆動源である圧縮空気の供給量を調節するこ
とによって行う。すなわち、第1算出結果Qが流量設定
値Qxよりも大きい場合には、圧力制御バルブ21を閉
鎖する方向に制御し、上流側圧力P1を減圧する。一
方、第1算出結果Qが流量設定値Qxよりも小さい場合
には、圧力制御バルブ21を開放する方向に制御し、上
流側圧力P1を増圧する。これにより、ガス供給制御装
置は、チャンバ30内に材料ガスを一定量連続して供給
し、チャンバ30内の材料ガスの濃度が所定値に維持さ
れるので、不良品の数が減少し、歩留まり率が向上す
る。
熱式流量センサの検出結果Q’とを受信する。そして、
比較回路は、第1算出結果Qと熱式流量センサの検出結
果Q’とを比較し、両者の差が許容範囲を超えた場合に
は、外部に流量異常アラームを発し、オリフィス33の
故障を知らせる。よって、作業者は、オリフィス33が
交換を要するほどに劣化したことを流量異常アラームに
より確認することができるので、その時点でオリフィス
33を交換する等して故障に対処することができる。こ
れにより、オリフィス33が故障したまま作業を継続す
ることがなく、歩留まり率が向上する。
の精度を更に向上させるために、オリフィス33の配置
と応答時間との関係について実験を行った。図5にその
結果を示す。また、図3は、オリフィス33を最終遮断
バルブ11の出口ポート11bの一端に配設した図であ
る。図4は、オリフィス33を圧力センサ34の近傍に
配設した場合のガス供給制御装置の断面図である。図5
の(a)は、オリフィス33を圧力センサ34の近傍に
配設した場合(図4参照)の実験結果を示す図である。
(b)は、オリフィス33を最終遮断バルブ11の入口
ポート11aの一端に配設した場合(図2参照)の実験
結果を示す図である。(c)は、オリフィス33を最終
遮断バルブ11の出口ポート11bの一端に配設した場
合(図3参照)の実験結果を示す図である。(a)〜
(c)のいずれも、縦軸に流量(cc/sec)をと
り、横軸に時間(sec)をとっている。
(a)の圧力センサ34の近傍にオリフィス33を設置
した場合のみに、オーバーシュートAが発生しているこ
とが分かる。すなわち、材料ガスの流量の目標値Q1を
250cc/secとすると、(b)の入口ポート11
aの一端にオリフィス33を配設した場合、及び、
(c)の出口ポート11bの一端にオリフィス33を配
設した場合は、材料ガスの流量が目標値Q1(250c
c/sec)以上になることなく整定している。しか
し、(a)は、材料ガスの流量が、まずQ2(約280
cc/sec)に達してから、目標値Q1(250cc
/sec)に整定している。
て、応答時間が長いことが分かる。すなわち、(b)及
び(c)の応答時間M2、M3は、約0.25secで
あるのに対し、(a)の応答時間M1は、約0.5se
cである。よって、(a)は、(b)及び(c)の約2
倍の応答時間がかかることが分かる。このように、
(a)がオーバーシュートAを発生し、しかも応答時間
が長い理由は、(a)が、(b)及び(c)に比べて、
オリフィス33から最終遮断バルブ11までの流路容積
(以下、制御不能領域という)が大きいことにあると考
えられる。
ィス33の上流側圧力P1が所定値になるように材料ガ
スを常時供給している。また、材料ガスは、オリフィス
33において、上流側の流量よりも下流側の流量方が少
量になるように調節される。よって、最終遮断バルブ1
1が開放されている場合には、オリフィス33の下流側
圧力P2は上流側圧力P1に比べて小さい。ここでは、
上流側圧力P1が、2.8kg/cm2に設定され、下
流側圧力P2が1kg/cm2に設定されているとす
る。しかし、最終遮断バルブ11が閉鎖されると、上流
側圧力P1と下流側圧力P2のバランスがくずれる。す
なわち、最終遮断バルブ11が閉鎖された直後の下流側
圧力P2は、上流側圧力P1よりも小さいため、材料ガ
スは、オリフィス33の上流側から下流側へ供給され続
ける。そのため、材料ガスは、上流側圧力P1を2.8
kg/cm2に維持するために、圧力制御バルブ21から
供給され続ける。下流側圧力P2が2.8kg/cm2に
達すると、材料ガスは、圧力制御バルブ21から供給さ
れなくなる。よって、制御不能領域が大きいほど、多量
の材料ガスが、オリフィス33の下流側に蓄積される。
そして、最終遮断バルブ11が開放されると、作業不能
領域に蓄積された所定圧力以上の材料ガスが、一気にチ
ャンバ30へ供給される。これが、オーバーシュートA
を引き起こす原因であると考えられる。
し、応答時間を短縮するためには、制御不能領域を小さ
くしなければならない。制御不能領域を完全に排除し、
チャンバ30に供給される材料ガスの流量を一定量に制
御するためには、最終遮断バルブ11の出口ポート11
bにオリフィス33を配設することが適切であると、考
えられる。しかし、最終遮断バルブ11の出口ポート1
1bの一端にオリフィス33を配設すると、チャンバ3
0内の生成物がオリフィス33の流路に目詰まりした
り、又は、オリフィス33の流路を腐食させ、流路が拡
径したりする等して、オリフィス33が故障する可能性
がある。
所として考えられるのは、最終遮断バルブ11の入口ポ
ート11aである。図5(b)のオリフィス33を最終
遮断バルブ11を入口ポート11aの一端に配設した場
合(図2参照)と、(c)のオリフィス33を最終遮断
バルブ11を出口ポート11bの一端に配設した場合
(図3参照)とを比較すると、流量を目標値(250c
c/sec)に整定するための応答時間T2、T3は、
共に約0.25secであり、殆ど差がないことが分か
る。よって、オリフィス33は、最終遮断バルブ11の
入口ポート11aの一端に配設することが望ましい。最
終遮断バルブ11の入口ポート11aの一端にオリフィ
ス33を配設することにより、制御不能領域を小さくす
ることができる。これにより、オーバーシュートAの発
生を防止することができ、応答時間を短縮することがで
きるので、流量制御の精度が向上し、歩留まり率が向上
する。
給制御装置によれば、材料ガスを音速で連続して通過さ
せるオリフィス33と、オリフィス33の上流側で材料
ガスの圧力を検出する圧力センサ34と、オリフィス3
3の上流側で材料ガスの温度を検出する温度センサ35
と、オリフィス33の圧力を調節する圧力制御バルブ2
1とを有し、圧力センサ34及び温度センサ35の検出
結果P1、T1に基づいて圧力制御バルブ21を制御す
ることにより、材料ガスの供給量を制御するガス供給制
御装置であって、オリフィス33を通過する材料ガスの
流量を検出することにより、オリフィス33の故障を検
出する熱式流量センサ36を有するので、オリフィス3
3を取り外さなくても、オリフィス33の故障を検出す
ることができる。
は、圧力センサ34及び温度センサ35の検出結果P
1、T1に基づいて、オリフィス33を通過する材料ガ
スの流量Qを算出する第1演算回路42と、熱式流量セ
ンサ36の検出結果Q’に基づいて、オリフィス33の
有効断面積S’を算出する第2演算回路43と、オリフ
ィス33を通過する材料ガスの流量設定値Qxが入力さ
れた制御回路41とを有し、第2演算回路43の第2算
出結果S’が、圧力センサの検出結果P1を補正し、第
1演算回路42が、補正後の圧力センサの検出結果P1
を利用して材料ガスの流量Qを算出して、その第1算出
結果Qを制御回路41へ送信するため、チャンバ30へ
材料ガスを一定量連続して供給し、チャンバ30内の材
料ガスの濃度を所定値に維持することができるので、不
良品の数が減少し、歩留まり率が向上する。
は、熱式流量センサ36の検出結果Q’基づいて流量異
常アラームを発する比較回路44を有するので、作業中
においても、オリフィス33が交換を要するほど劣化し
たことを確認することができる。これにより、オリフィ
ス33が故障したまま作業を継続することがなく、歩留
まり率が向上する。
は、熱式流量センサ36、圧力センサ34及び温度セン
サ35を、同一カバー38内に収納するので、ガス供給
制御装置をコンパクト化することができ、省スペース化
を図ることができる。しかも、本実施の形態のガス供給
制御装置は、オリフィス33を、材料ガスの供給量を調
節する最終遮断バルブ11の入口ポート11a近傍に設
けたので、制御不能領域が小さくなり、オーバーシュー
トAの発生を防止し、応答時間を短縮させることができ
る。これにより、流量制御の精度が向上し、歩留まり率
が向上する。
施の形態に何ら限定されるものではなく、発明の趣旨を
逸脱しない範囲において、適宜、変更が可能である。例
えば、上記実施の形態においては、絞り部としてオリフ
ィスを使用しているが、ノズル等を使用してもよい。特
に、ノズルのスロート部の下流に拡大管が組み付けられ
ているものについては、オリフィス33や通常のノズル
などと比べ、絞り部の下流圧力P2に対する絞り部の上
流圧力P1の比P1/P2が低い(絞り部の上流圧力P
1と絞り部の下流圧力P2が比較的近い)場合でも、ス
ロート部における音速流は維持されるので、材料ガスを
音速流で通過させたいときにおいて、絞り部の圧力流量
特性を利用する際に必要な要件(絞り部の下流圧力P2
に対する絞り部の上流圧力P1の比P1/P2)を緩和
することができる。
と、前記絞り部の上流側で流体圧力を検出する圧力セン
サと、前記絞り部の上流側で流体温度を検出する温度セ
ンサと、前記絞り部の圧力を調節する圧力制御バルブと
を有し、前記圧力センサ及び温度センサの検出結果に基
づいて前記圧力制御バルブを制御することにより、流体
供給量を制御するガス供給制御装置において、前記絞り
部を通過する流体の流量を検出することにより、前記絞
り部の故障を検出する熱式流量センサを有するので、絞
り部を取り外さなくても、絞り部の故障を検出すること
ができる。
装置を使用した薄膜形成のラインの一部であって、本実
施の形態のガス供給制御装置を備えたものを示したブロ
ック図である。
る。
端に配設した図である。
ある。
ある。(a)は、オリフィスを圧力センサ近傍に配設し
た場合の実験結果を示す図である。(b)は、オリフィ
スを最終遮断バルブの入口ポートの一端に配設した場合
の実験結果を示す図である。(c)は、オリフィスを最
終遮断バルブの出口ポートの一端に配設した図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 流体を音速で連続して通過させる絞り部
と、前記絞り部の上流側で流体圧力を検出する圧力セン
サと、前記絞り部の上流側で流体温度を検出する温度セ
ンサと、前記絞り部の圧力を調節する圧力制御バルブと
を有し、前記圧力センサ及び温度センサの検出結果に基
づいて前記圧力制御バルブを制御することにより、流体
供給量を制御するガス供給制御装置において、 前記絞り部を通過する流体の流量を検出することによ
り、前記絞り部の故障を検出する熱式流量センサを有す
ることを特徴とするガス供給制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載するガス供給制御装置に
おいて、 前記圧力センサ及び温度センサの検出結果に基づいて、
前記絞り部を通過する流体流量を算出する第1演算回路
と、 前記熱式流量センサの検出結果に基づいて、前記絞り部
の有効断面積を算出する第2演算回路と、 前記絞り部を通過する流体の流量設定値が入力された制
御回路とを有し、 前記第2演算回路の第2算出結果が、前記圧力センサの
検出結果を補正し、前記第1演算回路が、前記補正後の
圧力センサの検出結果を利用して流体流量を算出して、
その第1算出結果を前記制御回路へ送信することを特徴
とするガス供給制御装置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
するガス供給制御装置において、 前記熱式流量センサの検出結果に基づいて警告信号を発
する比較回路を有することを特徴とするガス供給制御装
置。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに
記載するガス供給制御装置において、 前記熱式流量センサ、前記圧力センサ及び前記温度セン
サを、同一カバー内に収納することを特徴とするガス供
給制御装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに
記載するガス供給制御装置において、 前記絞り部を、前記流体供給量を調節する最終遮断バル
ブの入口ポート近傍に設けたことを特徴とするガス供給
制御装置。
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