JP2000258588A - 使用済燃料貯蔵ラック及びその製造方法 - Google Patents

使用済燃料貯蔵ラック及びその製造方法

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JP2000258588A
JP2000258588A JP11060084A JP6008499A JP2000258588A JP 2000258588 A JP2000258588 A JP 2000258588A JP 11060084 A JP11060084 A JP 11060084A JP 6008499 A JP6008499 A JP 6008499A JP 2000258588 A JP2000258588 A JP 2000258588A
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spent fuel
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cutting
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JP11060084A
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Kiyoshi Yamada
清 山田
Seiichiro Kimura
盛一郎 木村
Yuichi Tonmiya
雄一 頓宮
Hideyuki Minami
秀幸 南
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料貯蔵セル間のピッチ精度を良好に保ち、か
つ組立てが容易で稠密度が向上し、さらに製作コストが
低減する高品質な使用済燃料貯蔵ラック及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】端面に凸部(7)を設けた複数の第1の格
子板(2)と前記凸部(7)が挿入される切込み(6)
を設けた複数の第2の格子板(3)とを格子状に組合わ
せてなる使用済燃料貯蔵ラックにおいて、前記第1の格
子板(2)及び前記第2の格子板(3)の少なくとも一
方の加工を無酸化レーザ切断により行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉より取り出
された使用済燃料集合体を燃料貯蔵プール内に収容貯蔵
するための使用済燃料貯蔵ラックに関し、特にその稠密
度と加工性を向上した使用済燃料貯蔵ラック及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に原子力発電プラントにおいては、
原子炉を一定期間運転した後に炉心から取り出された使
用済燃料を、再処理を行なうまでの間、使用済燃料貯蔵
プール内に設置された使用済燃料貯蔵ラックに収容貯蔵
し、これを冷却して燃料の崩壊熱除去を行なう。
【0003】近年は、前記使用済燃料貯蔵プール内のス
ペースを有効活用して貯蔵容量を増加させるという要望
がある。この目的から、例えば貯蔵燃料間に中性子吸収
能力の大きな材料を介在させて、燃料相互の未臨界性を
保持しながら貯蔵燃料間の間隔を狭くすると共に、この
材料を地震時等においても貯蔵燃料を支持するための強
度部材として用い、稠密度を増大することが可能な使用
済燃料貯蔵ラックが提案されている。
【0004】このような使用済燃料貯蔵ラックの典型的
な例として、中性子吸収能力に優れたボロンを含有し、
かつ構造強度も良好なボロン添加ステンレス鋼を使用
し、貯蔵燃料間に1枚のボロン添加ステンレス鋼が介在
するような、いわゆる格子板状の燃料貯蔵構造をなすも
のがある。また、このような条件を満足し、強度が良好
な構造として、予め形成された角筒体を千鳥格子状に組
合わせるものがある。
【0005】また最近では、さらなる稠密度の向上を目
的として、1体の燃料集合体の幅と略同じ幅を有する板
材の一端面に複数の突起部を、また他端面に前記突起部
へ嵌合可能な凹部を設けた第1の格子板と、その幅が燃
料集合体の幅の倍数と略同じ長さを有する板材に、前記
燃料集合体の幅と略同じ間隔毎に前記第1の格子板の突
起部が差し込まれる複数のスリットを加工した第2の格
子板とから構成されるものがある。この場合、予め前記
第2の格子板に複数枚の前記第1の格子板を配設し固着
したラックユニットを複数作製した後に、これらのラッ
クユニットを順次組み合わせて固着する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら構造強
度が優れたステンレス鋼材の加工には、最終的な部品形
状を得る手段として機械による切削加工以外に方法がな
く、材料歩留まりの低下を招き、多くの切削工数を要し
ている。また、部材形状が大きいため、専用機で加工す
ることが前提になり、生産工程に支障を来たし、加工費
増大の大きな要因になっている。
【0007】また、特殊な成分を含んだ材料のため、購
入価格が高くなるばかりでなく、入荷までの期間が著し
く長いこともあって、材料歩留まりを僅かでも良くする
ことが義務付けられている。
【0008】従来の使用済燃料貯蔵ラックの製作におい
ては、加工工数の低下を図る手段として、プラズマ切断
で粗切りを行なってから機械切削するような方法により
切削量を削減したり、熱影響の少ないレーザ切断を使っ
て、さらに切削量の削減を図ったりしている。しかし、
切削量が少なくなっても段取り等を含む工数に変わりは
なく、多くの工数がかかる原因になっている。
【0009】また、切削加工では板材に直接大きな外力
がかかるため、固定方法についても強固に押さえる必要
があり、それが原因となり寸法精度が低下するという問
題もある。
【0010】本発明の目的は、燃料貯蔵セル間のピッチ
精度を良好に保ち、かつ組立てが容易で稠密度が向上
し、さらに製作コストが低減する高品質な使用済燃料貯
蔵ラック及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の使用済燃料貯蔵ラック及びそ
の製造方法は以下の如く構成されている。
【0012】(1)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は、端面に凸部を設けた複数の第1の格子板と前
記凸部が挿入される切込みを設けた複数の第2の格子板
とを格子状に組合わせてなる使用済燃料貯蔵ラックにお
いて、前記第1の格子板及び前記第2の格子板の少なく
とも一方の加工を無酸化レーザ切断により行なう。
【0013】(2)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)に記載の方法であり、かつ前記第1
の格子板の切断は、幅の狭い側の端材を切り落としなが
ら進行する。
【0014】(3)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)または(2)に記載の方法であり、
かつ前記加工では、コーナー部を半径1mm以上2mm
以下の曲線状に構成する。
【0015】(4)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の方法
であり、かつレーザ加工を行なう際に被加工材を支える
ための剣山を、前記被加工材との接触が線接触または点
接触になるような形状とし、この接触面上ではレーザ切
断を行なわないよう配置し、さらに前記剣山の谷側形状
をU字形に、前記剣山の頂部から谷部までの距離を10
0mm以上にした。
【0016】(5)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の方法
であり、かつ被加工材から前記第1の格子板及び前記第
2の格子板を切り抜く際、前記被加工材の端面から加工
テーブルまでの距離を100mm以上設ける。
【0017】(6)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の方法
であり、かつ前記無酸化レーザ切断を、Nガスをアシ
ストガスとして用いて行なう。
【0018】(7)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(6)に記載の方法であり、かつ前記アシ
ストガスが噴出するノズルの先端の直径は2mm以上4
mm以下とし、さらにトーチ内アシストガス圧力を10
kg/cm以上20kg/cm以下として切断を行
なう。
【0019】(8)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の方法
であり、かつ前記第2の格子板に設けられる複数のスリ
ットは、両端が半径2mm以上4mm以下の曲率を有す
る小判型形状である。
【0020】(9)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法は上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の方法
であり、かつ前記加工をレーザ切断で行なう際、そのレ
ーザ切断面の段差は0.05mm以上0.3mm以下であ
る。
【0021】(10)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの
製造方法は上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の方
法であり、かつ前記加工に用いるレーザ発振器の出力は
5kW以上である。
【0022】(11)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの
製造方法は上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の
方法であり、かつ前記加工のレーザ切断速度は、0.5
m/min以上1.0m/min以下である。
【0023】(12)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの
製造方法は上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の
方法であり、かつ被加工材から前記第1の格子板を複数
枚切り抜く際、最後の前記第1の格子板の端面と前記被
加工材の端面との間に100mm以上の間隔を保つ。
【0024】(13)本発明の使用済燃料貯蔵ラック
は、上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の製造方
法により製造されている。
【0025】上記手段を講じた結果、それぞれ以下のよ
うな作用を奏する。
【0026】(1)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、突起またはスリットを設けた格子板同
士を組合わせて結合し一体化することで、燃料貯蔵セル
間のピッチ精度を良好に保つことができ、部材のスリッ
ト加工や外形輪郭の加工を無酸化レーザ切断で行なうこ
とで、機械加工を削減することができる。これにより、
組立てが容易になり、製作コストが低減する。
【0027】(2)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、切断の進行に伴い第1の格子板が変形
することがなくなる。
【0028】(3)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、切込み形状や外側形状のコーナー部の
切断をする際、切断の瞬間的な停止を防止し、入熱を抑
えることで熱エネルギの蓄積防止を図ることができる。
【0029】(4)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、受け治具としての剣山と被加工材との
接触面積を最小限に押さえることができ、さらに剣山の
谷側の形状をU字形の曲線形状とし、高さを高くするこ
とで、火花の衝突・跳ね返り方向を分散することができ
る。
【0030】(5)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、被加工材の外周に近い部分を切断する
際に、火花が前記被加工材の裏面側に衝突・付着するこ
とを防止できる。
【0031】(6)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、良好な無酸化レーザ切断を行なうこと
ができる。
【0032】(7)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、高効率、高品質な切断を実現できる。
【0033】(8)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、切断がコーナー部を通過する際に、溶
融金属付着物が第2の格子板の裏面に付着することがな
くなる。
【0034】(9)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの製
造方法によれば、使用済燃料貯蔵ラックの次の組立て及
び溶接工程に支障を来たすことがなくなる。
【0035】(10)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの
製造方法によれば、加工速度が早くなり、生産性が向上
する。
【0036】(11)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの
製造方法によれば、良好な切断結果を得ることができ
る。
【0037】(12)本発明の使用済燃料貯蔵ラックの
製造方法によれば、最後の第1の格子板の切断中の変形
を防止できる。
【0038】(13)本発明の使用済燃料貯蔵ラックに
よれば、燃料貯蔵セル間のピッチ精度を良好に保つこと
ができるとともに、機械加工を削減することができるた
め、組立てが容易になり、製作コストが低減する。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の使用済燃料貯蔵ラ
ック及びその製造方法に係る実施の形態を図面を参照し
て説明する。
【0040】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形
態における使用済燃料貯蔵ラックの平面図、図2の
(a),(b)は、それぞれ該使用済み燃料貯蔵ラック
を構成している第1の格子板及び第2の格子板の見取り
図である。図1に示す使用済燃料貯蔵ラック1を構成す
る場合、複数の第1の格子板2と複数の第2の格子板3
とを、格子状に組み合わせて互いに嵌合固着して方形を
なすようベース4の内側に並設し、燃料貯蔵セル5を形
成する。
【0041】各第1の格子板2は、図示しない1体の燃
料集合体の軸方向の長さに見合う長さを有し、前記燃料
集合体の幅と略同じ幅を有する板材からなる。各第1の
格子板2は、図2の(a)に示すように、その一端面に
沿って燃料貯蔵セル5の1セル分の幅に相当する幅を有
する複数個の突起部7が一定間隔で設けられている。さ
らに、各第1の格子板2の他端面には、隣接する第1の
格子板2の突起部7と嵌合する複数の凹部8が形成され
ている。
【0042】一方、各第2の格子板3は、上記燃料集合
体の軸方向の長さに見合う長さを有し、上記燃料集合体
の幅の倍数と略同じ幅を有する板材からなる。すなわち
各第2の格子板3は、複数の燃料貯蔵セル5を並設した
使用済燃料貯蔵ラック1の幅に相当する幅を有してい
る。各第2の格子板3には、図2の(b)に示すよう
に、燃料貯蔵燃料セル5の1セル分のピッチ、すなわち
前記燃料集合体の幅と略同じ間隔毎に、前記第1の格子
板2の突起部7が差し込まれる複数のスリット6が加工
されている。
【0043】これら複数の第1の格子板2及び複数の第
2の格子板3を使用済燃料貯蔵ラック1の平面上で互い
に直角交差するように配して、第2の格子板3の各スリ
ット6に対応する第1の格子板2の突起部7を差し込
む。さらに、第2の格子板3から突き出した第1の格子
板2の突起部7に、隣接する他の第1の格子板2の凹部
8を嵌着させる。そのうえで、第1の格子板2同士、及
び第1の格子板2と第2の格子板3とを溶接することに
より互いを強固に結合し、並設された複数の燃料貯蔵セ
ル5を形成する。
【0044】(第2の実施の形態)図3は、第1の格子
板2の断面図である。以下、図3を基に第1の格子板2
のレーザ切断工法について説明する。図3において、大
板(被加工材)9より第1の格子板2を複数個所定形状
に切断する場合、第1の格子板2の形状は約4300n
m×150nmと、縦横の比が極めて大きいものとな
る。
【0045】さらに、突起部7や凹部8が数多く配置さ
れているため、切断が進行するにしたがって第1の格子
板2が変形する要素を多く含んでいる。変形する原因の
ひとつに、端材10が熱影響を受けて大きく変形し、レ
ーザ切断中に第1の格子板2に外力をかけていることが
考えられる。
【0046】そこで、レーザ切断の進行とともに、幅の
狭い側の端材10をレーザ切断11によって短尺に分割
し切り落としながら切断を進めてゆく。このとき、大き
く残っている方の部材については、次にレーザ切断を行
なうため、この時点で切断する必要はない。
【0047】(第3の実施の形態)図4は、第1の格子
板2の断面図であり、図3の部分拡大図である。以下図
4を基に第1の格子板2のレーザ切断工法について説明
する。図4において、第1の格子板2を所定形状に切断
するにあたって、コーナー部12を通過する際、切断方
向が急激に変化すると、コーナーで切断が瞬間的に停止
する状態となり、熱エネルギが蓄積されて裏面に溶融金
属が付着する。
【0048】また、突起部7や凹部8の高さは数ミリに
設定されているため、短時間に切断方向が頻繁に変化す
ることになる。その度にコーナー部12での熱エネルギ
の蓄積が起こるため、第1の格子板2の変形要因のひと
つになっている。また、コーナー部12が尖っているた
め、応力が集中しやすいことも変形要因になっている。
【0049】そこで、製品機能に影響しない範囲でコー
ナー12に曲率を持たせ、切断の瞬間的な停止を防止す
ることで、熱エネルギの蓄積防止を図ることができる。
このときの曲率は大きい方が有利であるが、製品機能に
影響のない範囲を考慮して、半径1mmから2mmで十
分である。
【0050】(第4の実施の形態)レーザ切断時に裏面
に発生・飛散する溶融金属と火花の問題において、特
に、加工ガスに不活性ガスを使用する無酸化切断では、
レーザのエネルギで溶融した溶融金属を被加工材から離
脱するために、切断溝を通過するガスの流速と流量が重
要な役割りを果たしている。つまり、切断溝を通過する
ガスの速度が速く、流量が多いほど溶融金属の付着が少
なくなる。
【0051】一方、発生する火花は、ガスとともに下方
に吹き飛ばされながら切断が進行するため、四方八方に
飛散する要因が多く含まれている。火花の飛散が激しい
と、材料の裏面に巻き上げられて衝突するため、その衝
撃で被加工材の裏面に溶融金属粒が多数付着して製品価
値を損なうことが多く、後工程での除去が必要になる。
その原因は、火花が発生する付近の障害物が大きな原因
になっていることが明らかになった。
【0052】例えば、被加工材を支える剣山の付近を通
過すると、それまでほとんどの火花は下方へ落下してい
たものが、ガスの乱流が原因で火花の方向が一定しなく
なり、その一部は上方へ巻き上げられて被加工材の裏面
に衝突・付着する。また、粉塵の排気効果を良くするた
めに遮へい板の近傍を平行に切断するような場合は、火
花のほとんどが遮へい板方向へ急激に屈折して遮へい板
に衝突し、上方に巻き上げられて被加工材の裏面に付着
する。
【0053】そこで本第4の実施の形態では、この不具
合を防止するため、ラック材全てのレーザ切断配置を検
討し、切断が通過する箇所の裏側近傍から、剣山および
遮へい板等ガスの乱流に起因する障害物を排除した装置
の構成とし、裏側に抜ける加工ガスの乱流を防止した。
【0054】図5の(a)は、第4の実施の形態による
剣山の形状の一例を示す図、図5の(b)は従来の剣山
の形状を示す図である。図5の(a)に示すように、大
板9を剣山13における曲線形状の山側14で支え、大
板9と剣山13との接触が線接触または点接触になるよ
うにすることにより、図5の(b)に示す剣山13’に
比べて接触面積を最小限に押さえることができる。
【0055】さらに、剣山13では谷側15の形状もU
字形の曲線形状を呈していることにより、剣山13’に
比べて火花の衝突・跳ね返り方向を分散する効果があ
る。また、山側14から谷側15までの高さを可能な限
り高く設定することにより、火花跳ね返り防止効果が大
きくなる。この場合、前記高さすなわち剣山13の頂部
から谷部までの距離は100mm以上必要である。
【0056】図6は、剣山13の高さとスパッタ付着量
との関係を示す図である。図6に示すように、剣山13
の山側14から谷側15までの高さが高くなるほで、火
花が巻き上げられて裏面側に付着するスパッタの量が少
なくなる。
【0057】(第5の実施の形態)図7は、加工テーブ
ル外周と加工板材の位置関係を示す図である。以下、図
7を基にレーザ切断工法について説明する。図7におい
て、剣山13を備えた加工テーブル16に大板9を配置
する場合、大板9の外周端面から加工テーブル16の外
周カバー17までの間隔が接近していると、大板9の外
周に近い部分を切断する際に、裏側に抜け落ちた火花が
急激に加工テーブル16の外周カバー17側に屈折さ
れ、外周カバー17の側面に衝突して大板9の裏面側に
衝突・付着する。
【0058】そこで本第5の実施の形態では、大板9の
外周端面を切断する際、大板9の外周端面と加工テーブ
ル16の外周カバー17との間隔を100mm以上空け
るようにした。
【0059】図8は、大板9外周と加工テーブル16に
おける外周カバー17のなす距離とスパッタ付着量との
関係を示す図である。図8に示すように、大板9の外周
端面から加工テーブル16の外周カバー17までの間隔
が長くなると、大板9の裏面に付着するスパッタ量は少
なくなる。
【0060】(第6の実施の形態)レーザ光とともにア
シストガスが噴出する先端のノズル径と切断結果とは密
接な関係があり、特にスリット加工や外形輪郭加工にお
いてN2をアシストガスに使用する無酸化レーザ切断で
は、さらに密接な関係になってくる。無酸化切断では、
切断溝を通過するNガスの流速・流量を大きくするこ
とが最大のポイントである。
【0061】そこで本第6の実施の形態では、切断用ノ
ズルの先端の直径を2mm以上4mm以下に限定し、さ
らに前記切断用ノズル上部のトーチ内のアシストガス圧
力を10kg/cm以上20kg/cm以下の範囲
に限定し、高効率、高品質な切断を実現した。
【0062】(第7の実施の形態)図9の(a)は、第
7の実施の形態によるスリット形状を示す図であり、図
9の(b),(c)は従来のスリット形状を示す図であ
る。本第7の実施の形態では、第1の格子板2の突起部
7を挿入する第2の格子板3のスリット6の形状を、レ
ーザ切断の特性を考慮し、図9の(a)に示すような両
端が2mmRから4mmRの曲率を有する小判型形状と
した。
【0063】図9の(b)に示す従来のスリット20の
形状では、矩形をなすため、切断が短辺側のコーナー部
を通過する際に、図9の(c)に断面で示すように溶融
金属付着物21が第2の格子板の裏面に付着する。一
方、図9の(a)に示すスリット18の形状によればコ
ーナー部が曲形状をなすため、溶融金属付着物21が第
2の格子板3の裏面に付着することはない。
【0064】(第8の実施の形態)使用済燃料貯蔵ラッ
クに用いられる上記第1の格子板2及び第2の格子板3
は、レーザ切断後そのまま使われるため、本第8の実施
の形態では次の組立て及び溶接工程に支障のないよう、
切断面の粗さ(段差)を0.05mm以上0.3mm以
下、すなわち最大0.3mmとした。
【0065】(第9の実施の形態)ボロンを含有したス
テンレス材の無酸化レーザ切断は、一般的なステンレス
材に比較して、加工速度が遅くなる傾向がある。そのた
め、本第9の実施の形態では生産性を考慮して、使用済
燃料貯蔵ラックの切断に出力が5kW以上のレーザ発振
器を用いる。
【0066】(第10の実施の形態)上記第9の実施の
形態で限定した出力5kW以上のレーザ発振器を用いる
場合、良好な切断結果を得るために、切断速度を0.5
m/min以上1.0m/min以下の範囲にする。
【0067】(第11の実施の形態)図10は、格子板
配列を示す図である。図10において、上記第1の格子
板2のような細長い形状をした長尺板を、大板9からレ
ーザ切断により複数枚板取りするような場合、レーザの
熱影響を受けて第1の格子板2が変形することがある。
【0068】例えば、第1の格子板2の大きさは、約4
300mm×150mmであり、縦横の比が極端に大き
い。このような形状の切断では、熱影響による変形を最
小限に押さえるような加工方法が重要になる。
【0069】特に、第1の格子板2を複数枚配列した最
後の切断では、ほとんどが切り取られて大板9全体の剛
性が失われている。また、残った第1の格子板2の幅が
狭くなっていることから、切断中の変形量が大きくな
り、切断の始点と終点とが一致しないケースが生じる。
【0070】そこで本第11の実施の形態では、第1の
格子板2の最終切断後、最後の第1の格子板2の端面と
残った大板9の端面との間隔が100mm以上になるよ
う複数の第1の格子板2を配列して切断を行なう。
【0071】なお、本発明は上記各実施の形態のみに限
定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施で
きる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、板材からなる2種類の
格子板を、その突起及びスリットの嵌合により組立て溶
接して互いを強固に固着するので、各部の寸法精度が高
く得られ、燃料が未臨界性上で要求される燃料貯蔵セル
間ピッチの効率を良くして稠密度を高くすることが容易
になると共に、組立てが容易になり製造工数を低減する
ことができる。
【0073】また、機械切削加工を無酸化レーザ切断工
法に置き換えたことにより、切削加工がなくなったた
め、材料歩留まりの向上と製造工数の大幅低減を図るこ
とができる。
【0074】すなわち本発明によれば、燃料貯蔵セル間
のピッチ精度を良好に保ち、かつ組立てが容易で稠密度
が向上し、さらに製作コストが低減する高品質な使用済
燃料貯蔵ラック及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る使用済燃料貯
蔵ラックの平面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る第1の格子板
及び第2の格子板の見取り図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る第1の格子板
の断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る第1の格子板
の部分拡大図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る剣山の形状を
示す図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る剣山の高さと
スパッタ付着量との関係を示す図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る加工テーブル
外周と加工板材の位置関係を示す図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る大板外周と加
工テーブルにおける外周カバーのなす距離とスパッタ付
着量との関係を示す図。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係るスリット形状
を示す図。
【図10】本発明の第11の実施の形態に係る格子板配
列を示す図。
【符号の説明】
1……使用済燃料貯蔵ラック 2……第1の格子板 3……第2の格子板 4……ベース 5……燃料貯蔵セル 6……スリット 7……突起部 8……凹部 9……大板 10……端材 11……レーザ切断 12……コーナー部 13……剣山 13’……剣山 14……山側 15……谷側 16……加工テーブル 17……外周カバー 18……スリット 20……スリット 21……溶融金属付着物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 頓宮 雄一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 南 秀幸 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端面に凸部を設けた複数の第1の格子板と
    前記凸部が挿入される切込みを設けた複数の第2の格子
    板とを格子状に組合わせてなる使用済燃料貯蔵ラックに
    おいて、 前記第1の格子板及び前記第2の格子板の少なくとも一
    方の加工を無酸化レーザ切断により行なうことを特徴と
    する使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  2. 【請求項2】前記第1の格子板の切断は、幅の狭い側の
    端材を切り落としながら進行することを特徴とする請求
    項1に記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  3. 【請求項3】前記加工では、コーナー部を半径1mm以
    上2mm以下の曲線状に構成することを特徴とする請求
    項1または2に記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造方
    法。
  4. 【請求項4】レーザ加工を行なう際に被加工材を支える
    ための剣山を、前記被加工材との接触が線接触または点
    接触になるような形状とし、この接触面上ではレーザ切
    断を行なわないよう配置し、さらに前記剣山の谷側形状
    をU字形に、前記剣山の頂部から谷部までの距離を10
    0mm以上にしたことを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  5. 【請求項5】被加工材から前記第1の格子板及び前記第
    2の格子板を切り抜く際、前記被加工材の端面から加工
    テーブルまでの距離を100mm以上設けることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載の使用済燃料貯
    蔵ラックの製造方法。
  6. 【請求項6】前記無酸化レーザ切断を、Nガスをアシ
    ストガスとして用いて行なうことを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造
    方法。
  7. 【請求項7】前記アシストガスが噴出するノズルの先端
    の直径は2mm以上4mm以下とし、さらにトーチ内ア
    シストガス圧力を10kg/cm以上20kg/cm
    以下として切断を行なうことを特徴とする請求項6に
    記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  8. 【請求項8】前記第2の格子板に設けられる複数のスリ
    ットは、両端が半径2mm以上4mm以下の曲率を有す
    る小判型形状であることを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  9. 【請求項9】前記加工をレーザ切断で行なう際、そのレ
    ーザ切断面の段差は0.05mm以上0.3mm以下であ
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の
    使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  10. 【請求項10】前記加工に用いるレーザ発振器の出力は
    5kW以上であることを特徴とする請求項1乃至9のい
    ずれかに記載の使用済燃料貯蔵ラックの製造方法。
  11. 【請求項11】前記加工のレーザ切断速度は、0.5m
    /min以上1.0m/min以下であることを特徴と
    する請求項1乃至10のいずれかに記載の使用済燃料貯
    蔵ラックの製造方法。
  12. 【請求項12】被加工材から前記第1の格子板を複数枚
    切り抜く際、最後の前記第1の格子板の端面と前記被加
    工材の端面との間に100mm以上の間隔を保つことを
    特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の使用済
    燃料貯蔵ラックの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれかに記載の製
    造方法により製造されたことを特徴とする使用済燃料貯
    蔵ラック。
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