JP2000258166A - 振動型角速度検出装置 - Google Patents

振動型角速度検出装置

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JP2000258166A
JP2000258166A JP11065875A JP6587599A JP2000258166A JP 2000258166 A JP2000258166 A JP 2000258166A JP 11065875 A JP11065875 A JP 11065875A JP 6587599 A JP6587599 A JP 6587599A JP 2000258166 A JP2000258166 A JP 2000258166A
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vibration
angular velocity
mass
displacement
velocity
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JP11065875A
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English (en)
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Kentarou Mizuno
健太朗 水野
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動型角速度検出装置の精度を上げること。 【解決手段】コリオリ力を利用した振動型角速度検出装
置に、マス部5の振動速度を検出する振動速度検出回路
80を備える。この検出された速度を励振回路20に入
力させ、例えばマス部5の最大振動速度が一定になるよ
うに速度フィードバックをかける。コリオリ力は振動子
(マス部5)の振動速度一定の条件で、角速度に厳密に
比例するので、精度よく角速度が算出できる。例えば、
温度変化等でマス部5の変位量が減少しても、励振回路
20ゲインが上げられ、最大振動速度が一定に維持され
る。従って、温度変化等の影響を受けない精度のよい振
動型角速度検出装置となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体微細加工技
術により振動子を形成し、その振動子を含む系の角速度
をコリオリ力に基づいて検出する振動型角速度検出装置
に関する。例えば、振動子の振動最大速度を一定にする
ことによって、温度変化等の影響を受けず精度よく角速
度を検出する振動型角速度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コリオリ力に基づいて振動子
を含む系の角速度を検出する振動型角速度検出装置があ
る。例えば、特開平10−221083号公報に開示の
振動型ジャイロ装置がその1例である。簡単に説明する
と、板状の振動子が、シリコン基板面内で四隅が支持梁
に支えられ、振動可能に保持されている。これは、半導
体製造技術のパターンニング技術およびエッチング技術
等のマイクロマシニング技術によって製造され、振動子
の下部は中空構造となっている。また、同時にその振動
子の四周辺には静電力が作用するよう互いに噛み合わさ
った1対の櫛歯電極が合計2対と、平行平板電極が2対
形成されている。そして、その1辺の櫛歯電極に交流電
圧を印可し、その静電力と支持梁の復元力によってその
振動子を振動させるものである。
【0003】この振動した状態で、シリコン基板に垂直
な軸回りの回転があればその角速度に比例したコリオリ
力が出現する。例えば、基板面内に振動方向にx軸とそ
れに直交した方向にy軸、そして基板に垂直にz軸をと
ると、このコリオリ力は振動子をy方向へ変位させるよ
うに生起する。そして、振動子のy方向に設けられた上
記平行平板電極の容量変化によって、その変位が求めら
れ、その変位から角速度が求められる。
【0004】ところが、このマイクロマシニング技術に
よって製造された微細構造を持つ振動子は、空気の粘性
抵抗あるいは温度変化による振動系の弾性係数の変化に
よって、その精度が大きく影響を受けることが指摘され
ている。このため、この従来例は、温度変化などの環境
変化に対して上記角速度を安定して求めるために、上記
振動子のx軸方向の振動振幅が一定になるようフィード
バック制御を行っている。そして、そのフィードバック
ループにおける制御係数(検出変位の目標変位に対する
偏差の大きさ)をコリオリ力検出系(y方向の振動)の
検出出力に乗じて、コリオリ力検出系の温度依存性が補
償されている。
【0005】
【発明が解決しようする課題】しかしながら、上記従来
例では、後述するように、振動子の振動振幅を一定にす
れば、コリオリ力と角速度とは線形関係にあるという仮
定が成立することが前提である。コリオリ力は、回転座
標系を移動する物体に作用する力であり、その速度に応
じて進行方向に右側に垂直に働く力である。物体の質量
をm、z軸回りの回転座標系の角速度ベクトルを
(Ω)、速度ベクトルを(v)とすればコリオリ力Fは
次式の外積で表される。
【数1】 F=2m・(Ω)×(v) =2m|v|・|Ω|・sin θ (1) 但し、θは角速度ベクトル(Ω)と速度ベクトル(v)
のなす角である。特に、角速度ベクトル(Ω)と速度ベ
クトル(v)が直交する場合には、(1)式は、単にF
=2mΩvとなる。ここに、簡単のため|v|をv、|
Ω|をΩとした。
【0006】(1)式を、角速度ベクトルΩに直交し
て、x=X0 sin ωtで振動する振動物体に適用すれ
ば、コリオリ力Fは次式で表される。
【数2】 F=2mΩv=2mΩ・dx/dt =2mΩ(ωX0 )cosωt (2) ここに、X0 は振動子の振幅、ωはx軸方向に振動する
振動子の振動角周波数である。
【0007】さらに、(2)式において最大振幅のみを
検出対象とすればコリオリ力Fは、次式で表される。
【数3】 Fmax =2m(ωX0 )Ω (3) すなわち、コリオリ力Fmax は角速度Ω、最大変位
0 、振動子の振動角周波数ωおよび物体の質量mに比
例する。
【0008】従来例では、ここで振動子の質量mおよび
振動角周波数ωを一定と仮定し、振動子の振幅X0 を一
定に制御することで、コリオリ力Fmax から角速度Ωが
精度よく算出できるとしている。すなわち、次式(4)
の仮定に基づいている。
【数4】 Fmax =kX0 Ω (4) この式は、振動子の振動角周波数ωが極めて安定した場
合にのみに成立する。
【0009】すなわち、実際には、振動子の機械的固有
振動のスペクトルは幅を有している。そして、温度変化
による支持梁の弾性係数の変化、温度変化による空気の
粘性抵抗の変化等の影響を受けて、そのスペクトルが変
化する。例えば、図10に示すように温度T1 ,T2
依存して、共振特性のQ値、ピーク値、ピーク角周波数
が変化する。温度T1 では、振動子は図10に示すよう
に、振動子の固有共振角周波数ω1 で振動する。すなわ
ち振動角周波数は、温度T1 では振動角周波数ω1 、温
度T2 ではω2 となる。振動角周波数が変化するため、
上記(4)式で角速度Ωを求めると、誤差が生ずること
になる。よって、振動子の振幅を一定にするようフィー
ドバック制御しても、必ずしも精度のよい角速度、角速
度から演算される角加速度、回転角が検出されるもので
はなかった。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的は、温度変動の影響を
受けない精度のよい角速度、この角速度から決定される
角加速度、回転角を得ることである。本発明では、コリ
オリ力が振動子の振動速度に比例することに注目し、そ
の振動速度の関連値、例えば最大速度を一定にするよう
にフィードバック制御を行っている。これにより、温度
変化の影響を受けないコリオリ力を発生させることで、
上記の目的を達成するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の振動型角速度検出装置は、基板に対し
て振動可能に配設されたマス部を励振手段によって一軸
方向に振動させ、他の軸の回りの角速度をコリオリ力に
関連する物理量で検出する振動型角速度検出装置におい
て、マス部の振動速度を検出する振動速度検出手段を有
し、励振手段は、振動速度検出手段によって検出された
検出量に基づいて、マス部の振動速度を一定に制御する
ことを特徴とする。
【0012】上記コリオリ力は、回転座標系を移動する
物体に作用する力であり、その物体の移動速度と回転座
標系の角速度に応じて生起する力である。特に、上記の
座標系で振動するマス部が配置された場合は、コリオリ
力は、そのマス部の振動速度と回転軸回りの角速度に比
例する。すなわち、振動速度一定の条件で、コリオリ力
を検出すれば、そのコリオリ力によりその時の角速度が
一義的に決定される。ここで、振動速度とはマス部の最
大速度、実効速度、平均速度あるいは任意の位相での瞬
時速度等の振動速度に関連する全ての振動速度を含む。
【0013】本請求項の振動型角速度検出装置は、上記
コリオリ力の計算式(1)における振動速度vを検出す
る振動速度検出手段を有している。また、励振手段はそ
の振動速度を、例えば所定の基準値と比較しその差が0
になるように上記マス部の励振状態をフィードバック制
御している。すなわち、マス部は常時、所定の基準値の
振動速度で励振させられる。従って、コリオリ力に関連
した物理量、例えば、検出軸方向の振動振幅をマス部周
辺に設けられた平行平板電極の容量変化から求めれば精
度よく角速度が得られる。又、検出軸方向の振動が生じ
ないようにその検出軸方向に振動する静電力を印加し、
この静電力がコリオリ力に比例していることから、その
静電力から角速度を検出することも可能である。この
時、上記基準値は、交流・直流を含む電圧値あるいはA
/D変換装置等に与えられるデジタル値を含む。
【0014】このように、本請求項の振動型角速度検出
装置によれば、例えば温度変化等、機械系の固有振動数
を変化させる要因が作用しても、常に振動速度が一定に
維持される。よって、上記コリオリ力の計算式(1)が
常に適用でき、厳密な角速度が得られる。したがって、
常に、角速度、及びその角速度から得られる角加速度、
回転角を精度良く得ることができる。
【0015】また、請求項2の振動型角速度検出装置に
よれば、振動速度検出手段はマス部の振動変位を検出す
る振動変位検出手段と、その検出された振動変位を微分
する微分手段からなることを特徴とする。振動変位検出
手段は、励振手段によって振動せられた方向のマス部の
振動変位を検出する。これは、例えば励振手段に対向し
て設けられた1対の平行平板電極の容量値の変化によっ
て求められる。そして、この検出された振動変位は微分
手段によって微分される。すなわち、振動変位の時間変
化である振動速度が求められる。マス部の振動速度が検
出できるので、請求項1に記載の振動型角速度検出装置
と同等の精度のよい振動型角速度検出装置が実現でき
る。尚、この微分手段は、アナログの微分回路でもよい
し上記静電容量により測定された変位をデジタル化し
て、数値演算により微分するコンピュ−タ装置であって
もよい。
【0016】また、請求項3の振動型角速度検出装置に
よれば、基板に対して振動可能に配設されたマス部を励
振手段によって一軸方向に振動させ、他の軸の回りの角
速度をコリオリ力に関連する物理量で検出する振動型角
速度検出装置において、マス部の変位を検出する変位検
出手段と、マス部の振動周波数を検出する振動周波数検
出手段と、マス部の変位とマス部の振動周波数の積を算
出する乗算器を備え、励振手段は乗算器の出力する積が
一定になるようマス部の励振を制御することを特徴とす
る。
【0017】上記コリオリ力の計算式(1)は、上記
(2)式のようにも表せられる。これは、振動速度に代
えてマス部の振動変位とその振動周波数を得て、それら
の積が一定であれば同様にコリオリ力と角速度が比例関
係にあることを示している。すなわち、振動変位とその
振動周波数の積が一定である条件で振動子を励振させ
て、コリオリ力を検出すれば、そのコリオリ力によりそ
の時の角速度が一義的に求まる。
【0018】本請求項の振動型角速度検出装置は、変位
検出手段によりマス部の変位を検出し、振動周波数検出
手段によりマス部の振動周波数を検出している。また、
乗算器によってマス部の変位とマス部の振動周波数の積
が求められる。そして、励振手段は、例えばその乗算器
の積を所定の基準値と比較し、その差が0になるように
上記マス部の励振状態をフィードバック制御している。
すなわち、マス部の変位とマス部の振動周波数の積は、
は常時一定に制御されている。従って、コリオリ力に関
連した物理量、例えば、検出軸方向の振動振幅をマス部
周辺に設けられた櫛歯電極の容量変化から求めれば、精
度よく、コリオリ力の計算式(2)によって、角速度を
求めることができる。又、検出軸方向の振動が生じない
ようにその検出軸方向に振動する静電力を印加し、この
静電力がコリオリ力に比例していることから、その静電
力から角速度を検出することもできる。
【0019】このように、マス部の変位とマス部の振動
周波数を得て、それらの積が一定になるようマス部の励
振状態を制御すれば請求項1項の振動型角速度検出装置
と同等の優れた性能が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本発明は下記実施例
に限定されるものではない。 (第1実施例)図1に本発明の振動型角速度検出装置の
構成ブロック図を示す。本発明の振動型角速度検出装置
は、シリコン基板表面に形成された角速度センサ10、
角速度センサ10内のマス部5を振動させる励振手段で
ある励振回路20、マス部5の振動変位を検出する振動
変位検出回路30、そして振動変位検出回路30の出力
からマス部の振動速度を算出する微分手段である微分回
路40から構成される。
【0021】角速度センサ10について簡単に説明す
る。角速度センサ10は、半導体製造技術を利用したシ
リコンマイクロマシニング技術て形成され、振動子であ
るマス部5、マス部5の四隅から対角線上に延出された
支持梁であるビーム6、ビーム6をシリコン基板に固定
するアンカー7、マス部5を静電力によって駆動させる
櫛歯電極8a、マス部5の振動変位を静電容量で検出す
る櫛歯電極9aから構成される。ここでは便宜上、基板
面内でマス部5の振動方向にx軸、その直角方向にy
軸、そして基板面に垂直方向にz軸をとる。また、マス
部5の周辺には、上記櫛歯電極8a,9aに歯合せられ
て同じく櫛歯電極8b,9bが形成されている。さら
に、図示はしないがコリオリ力Fを検出するための一対
の平行平板電極がマス部5のy方向に設けられている。
【0022】このマス部5の下部は、シリコンマイクロ
マシニング技術のエッチング技術により空隙となってい
る。また上記4本のビーム6は、厚さ幅とも数μmに形
成されるため、僅かな力で変形する弾性線となってい
る。マス部5はこの4本の弾性線で中空に支持され、2
次元的に揺動可能である。櫛歯電極8aに印加される交
流電圧による交流静電力と、ビームの復元力との関係に
よりマス部5は振動する。特に、マス部5と4本のビー
ム6で形成される振動系の機械的固有振動数と印可され
る交流電圧の周波数が一致すると共振現象が起こる。こ
の共振状態が得られるように、印加される交流電圧の周
波数が調整されている。
【0023】この状態で、z軸回りに基板を回転させる
とコリオリ力が振動状態のマス部5に働く。コリオリ力
について説明する。上述の様に、コリオリ力は、回転座
標系を移動する物体に作用する力であり、回転座標系の
角速度ベクトル(Ω)と速度ベクトル(v)の外積で求
められる。上記系では、物体の質量をmとすればコリオ
リ力FはF=2mΩvとなる。またこれを、x=X0 si
n ωtで振動する振動物体に適用すれば、(2)式より
最大コリオリ力Fmax はFmax =2mΩ・|dx/dt
|=2mΩ(ωX0 )となる。すなわち、最大振動速度
v又は最大速度振幅ωX0 が一定になる制御を行い、そ
の状態で最大コリオリ力Fmax を検出すれば正確なz軸
回りの角速度Ωが得られる。
【0024】次に、信号の流れに沿って上記最大速度振
幅ωX0 を一定にし、正確な角速度Ωを算出する方法に
ついて説明する。先ず、励振回路20からは、所定振幅
0 を有する交流電圧V=V0 sinωtが発振せられ
る。その周波数ωは、上記機械系の固有振動数ωと一致
するように、即ち、共振振動が得られるように周波数が
調整される。この交流電圧Vは、上記電極1を介して櫛
歯電極8aに印可され、上記メカニズムによってマス部
5を振動させる。同時にこのマス部5の振動変位は、対
向して設けられた櫛歯電極9a,9bによって静電容量
の変化で検出される。互いに噛み合わされた櫛歯電極9
a,9bの静電容量は、櫛歯の対向面積に比例する。ま
た、対向面積の変化は、櫛歯電極9bのx方向への変位
量すなわちマス部5の変位である。よって、マス部5の
振動変位は、櫛歯電極9a,9b静電容量の変化で検出
される。この変位量をXとする。実際には電圧で検出さ
れるが、電圧と変位量は1対1に対応するので、ここで
はXを実際の変位量、xを電圧による変位量とする。電
圧による振動変位は信号x=x0 sinωtで表わせら
れる。
【0025】この信号x=x0 sinωtは、次の微分
回路40に入力される。微分回路40の1例を図2に示
す。信号x=x0 sinωtは、微分回路40の入力端
子43に入力され、オペアンプ41によって微分されv
=ωX0 cosωtに変換される。すなわち、Vout 端子
44からは、マス部5の振動速度vが出力される。尚、
図2のコンデンサC,抵抗Rはsinωtを微分するた
めの回路定数である。また、Vbbは基準電圧である。
【0026】Vout 端子44から出力されたマス部5の
振動速度v=ωX0 cosωtは、再び励振回路20にフ
ィードバックされる。励振回路20は、上記発振機能の
他に図3に示す電圧比較機能も有している。励振回路2
0は、マス部5の振動系の共振角周波数ωで発振する発
振器21、振動速度の絶対値である最大振動速度ωX0
を検出するピークホールド回路22、基準電圧を発生さ
せる基準電圧発生器23、基準電圧Vbと最大振動速度
ωX0(電圧)を比較する比較器24、比較器から出力
された電圧に応じて増幅率を制御するAGC増幅器25
から構成される。
【0027】例えば、上記マス部5の振動系の共振角周
波数ωが温度変化等により低下すると、図4のように振
動速度v=ωX0 cosωtが減少する。この減少せら
れた振動速度v=ωX0 cosωtはピークホールド回
路22に入力され最大振動速度ωX0 が抽出される。次
に、この最大振動速度ωX0 は基準電圧Vbと比較器2
4で比較され、そのその速度差△V(電圧)で出力され
る。次に、この速度差△Vは、AGC増幅器25に入力
される。AGC増幅器25は、その電圧に応じて増幅率
を変え、発振器21からの信号を増幅し再び櫛歯電極8
aに印可する。すなわち、比較器24の2つの入力の偏
差(Vb −ωX0 )が0になるようにフィードバック制
御される。この結果、マス部5の最大振幅X0 が増幅さ
れ、最大振動速度ωX0 が一定のVb に維持される。
【0028】この様に、振動角周波数ωが変化しても最
大振動速度ωX0 が一定に維持されるので、上記コリオ
リ力の計算式(3)が適用可能となる。図示しない静電
センサによってコリオリ力の最大値を測定すれば、正確
な誤差のない角速度Ωが求められる。従って、角速度、
角速度から求められる角加速度、回転角を正確に指示す
る振動型角速度検出装置が実現できる。
【0029】(第2実施例)図5に本発明の振動型角速
度検出装置の第2実施例を示す。本実施例と第1実施例
との異なる所は、微分回路40に替えて振動変位信号か
らその周波数を取り出す振動周波数検出回路60と、振
動変位と振動周波数を乗算する乗算器70を備えたこと
である。
【0030】コリオリ力の計算式(3)によれば、最大
振動速度ωX0 が一定であれば角速度Ωはコリオリ力F
に比例して求めることができる。従って、マス部5の振
動変位x(電圧)とその角周波数ωを別々に検出し、そ
れらの積が一定になるよう制御すれば同様に上記(3)
式が適用できる。
【0031】例えば、図5において振動変位検出回路3
0から図示しないピークホールド回路でその最大変位振
幅X0 を求める。またこの時、振動周波数検出回路60
に周波数/電圧変換器を採用し、振動変位検出回路30
から振動変位信号を入力してその角周波数ωを求める。
この時、最大変位振幅X0 、角周波数ωともに電圧で出
力される。この両者を乗算器70で乗算し、その結果を
第1実施例同様に励振回路20に入力する。励振回路2
0では、入力された電圧ωX0 が基準電圧になるように
交流出力がフィードバック制御される。よって、常に最
大変位振幅X0 と振動角周波数ωの積ωX0 が一定にな
るように制御される。従って、図5に示す構成でも厳密
な角速度が得られる。この様な構成でも、精度の良い振
動型角速度検出装置が実現できる。
【0032】(第3実施例)図6に本発明の振動型角速
度検出装置の第3実施例を示す。第1実施例と異なる所
は、振動変位検出回路30と微分回路40に替えて、直
接櫛歯電極9a,9bからマス部5の振動速度を求める
振動速度検出回路80を備えたことである。
【0033】コリオリ力の計算式(1)によれば、最大
振動速度vが一定であれば角速度Ωはコリオリ力Fに比
例して求めることができる。従って、マス部5の振動速
度を直接検出し、それが一定になるようマス部の励振を
制御すれば上記(1)式が適用でき、正確に角速度Ωを
求めることができる。
【0034】例えば、振動速度検出回路80を図7に示
す。これは、オペアンプ81を利用した電流電圧変換回
路である。櫛歯電極9a,9bには、変位に応じて電荷
が移動し次式で表させられる電荷が蓄積される。
【数5】 Q=CV=kXV (5) ここに、Qは櫛歯電極に蓄積される電荷量、Cは静電容
量、Vは印可される電圧、Xはマス部の変位量、kは比
例定数である。
【0035】印可する電圧を一定にし、電荷の時間変化
を見れば次式となる。
【数6】 dQ/dt=i=kV(dX/dt) (6) ここで、iは電流である。これは、電流iはマス部5の
振動速度(dX/dt)に比例することを示している。
よって、この電流を図7に示す振動速度検出回路80の
抵抗Rに流せば、振動速度が電圧に変換されて出力され
る。
【0036】この速度に対応した電圧が同様に励振回路
20に入力され、フィードバック制御されて速度が一定
に維持される。従って、本実施例の構成によればコリオ
リ力の計算式(1)が適用されて、簡単な回路で正確な
角速度を得ることができる。
【0037】(変形例)以上、本発明を表わす1実施例
を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例え
ば第1実施例(図3)において、比較器24は、最大振
動速度ωX0 を基準電圧(定電圧)と比較したが、この
基準電圧を交流としてもよい。ピークホールド回路22
を取り除いて、直接、振動速度ωX0 cosωtを入力
し、且つ上記交流の基準電圧を同相に調整すれば、同等
の電圧差△Vが出力されるので同様のフィードバックが
行われる。
【0038】さらに比較器24は、デジタル素子で構成
されてもよい。その時は、ピークホールド回路22の出
力ωX0 をA/D変換し、デジタルで与えられた電圧値
Vbを比較し、その偏差に応じてAGCアンプ25のゲ
インを調整するようちしても良い。
【0039】また、上記第3実施例(図5)では、振動
周波数を振動変位検出回路30から取り出し振動周波数
を求めたが、櫛歯電極9a,9bから静電容量の変化で
直接取り出しても良い(図8)。またこの時、図9に示
すように振動変位検出回路30をデジタル変位検出器3
1、振動周波数検出回路60を周波数カウンタ61に替
えその出力をデジタル値とし、さらに乗算器70をデジ
タル乗算器71としてもよい。デジタル乗算器71の出
力をD/A変換器72によってアナログ値に変換し、そ
の値を励振回路20に出力すれば同様の効果が得られ
る。
【0040】また上記第3実施例においては、櫛歯電極
9a、9bの静電容量の時間変化でマス部5の速度を直
接求めたが、静電容量に限定しなくともよい。例えば、
マス部5を磁性体とし振動による磁束変化をホール素子
等で検出し、直接速度を求めても良い。物理量の時間変
化が、電流もしくは電圧に変換される素子であればよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る振動型角速度検出装
置の構成ブロック図。
【図2】本発明の第1実施例に係る速度変換に関する1
例の回路図。
【図3】本発明の第1実施例に係る速度フィードバック
の電気回路ブロック図。
【図4】本発明の第1実施例に係る振動速度の信号と基
準電圧の比較図。
【図5】本発明の第2実施例に係る振動型角速度検出装
置の構成ブロック図。
【図6】本発明の第3実施例に係る振動型角速度検出装
置の構成ブロック図。
【図7】本発明の第3実施例に係る速度算出に関する1
例の回路図。
【図8】本発明の第3実施例に係る制御方法の変形ブロ
ック図。
【図9】本発明の第3実施例に係るデジタル制御を用い
た制御方法の変形ブロック図。
【図10】機械的振動スペクトル変化による従来の定振
幅制御誤差の説明図。
【符号の説明】
5 マス部 6 ビーム 8a,8b 櫛歯電極 9a,9b 櫛歯電極 10 角速度センサ 20 励振回路 30 振動変位検出回路 40 微分回路 60 振動周波数検出回路 70 乗算器 80 振動速度検出回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に対して振動可能に配設されたマス部
    を励振手段によって一軸方向に振動させ、他の軸の回り
    の角速度をコリオリ力に関連する物理量で検出する振動
    型角速度検出装置において、 前記マス部の振動速度を検出する振動速度検出手段を有
    し、 前記励振手段は、該振動速度検出手段によって検出され
    た検出量に基づいて、前記マス部の振動速度を一定に制
    御することを特徴とする振動型角速度検出装置。
  2. 【請求項2】前記振動速度検出手段は、前記マス部の振
    動変位を検出する振動変位検出手段と、その検出された
    振動変位を微分する微分手段からなることを特徴とする
    請求項1に記載の振動型角速度検出装置。
  3. 【請求項3】基板に対して振動可能に配設されたマス部
    を励振手段によって一軸方向に振動させ、他の軸の回り
    の角速度をコリオリ力に関連する物理量で検出する振動
    型角速度検出装置において、 前記マス部の変位を検出する変位検出手段と、 前記マス部の振動周波数を検出する振動周波数検出手段
    と、 前記マス部の変位と前記マス部の振動周波数の積を算出
    する乗算器とを備え、 前記励振手段は前記乗算器の出力する積が一定になるよ
    う前記マス部の励振を制御することを特徴とする振動型
    角速度検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012202768A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Denso Corp 角速度センサ

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