JP2000257443A - ガス化発電プラントとその運転方法 - Google Patents

ガス化発電プラントとその運転方法

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JP2000257443A
JP2000257443A JP11060622A JP6062299A JP2000257443A JP 2000257443 A JP2000257443 A JP 2000257443A JP 11060622 A JP11060622 A JP 11060622A JP 6062299 A JP6062299 A JP 6062299A JP 2000257443 A JP2000257443 A JP 2000257443A
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moisture
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gasification
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Yoshiki Noguchi
芳樹 野口
Hiroshi Fukuhara
広嗣 福原
Fumihiko Kiso
文彦 木曽
Shigeo Hatamiya
重雄 幡宮
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]
    • Y02E20/18Integrated gasification combined cycle [IGCC], e.g. combined with carbon capture and storage [CCS]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン発電プラントにおいて、プラン
ト系外への熱損失を低減し、熱効率向上を図る。 【解決手段】 ガス化発電プラントにおいて、ガス化炉
で発生する生成ガス中に含まれる水分を系外に排出する
こと無くガスタービン燃焼器に導き、ガスタービンで作
動媒体の一部として仕事をさせた後、ガスタービン出口
で排ガス中の水分を回収し、回収した水を、燃料のスラ
リー供給に利用すること、またはガス化炉内若しくはガ
ス化炉出口で生成ガスに水または蒸気として注入するこ
と、またはガスタービン圧縮機の吐出空気に水分を付加
することに利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス化炉を用いて
可燃性燃料ガスを発生させ、該燃料ガスによりガスタ−
ビンを駆動し発電を行うガス化発電プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー資源の有効利用は発電プラン
トにとって永遠の課題であり、特に化石燃料として最大
規模の埋蔵量を有する石炭を始めとして重質油、オイル
サンド、木材、プラスチック、ごみ等の燃料を、酸素あ
るいは空気または両者を混合した酸化剤によりガス化を
行うガス化発電は、将来型発電として開発が進められて
いる。
【0003】石炭をガス化してガスタービンで発電を行
うプラントに関しては、特開平9―194855号公報等に示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガス化発電プラントの
ガス化炉で生成されたガス(粗成ガス)は、ガス精製設
備で精製される。そして、それらガス精製設備に導入さ
れるガスは、精製設備の機器、配管の材料の使用温度の
制約から、300〜600℃で精製される。ガス精製設
備の機器の一つに脱硫装置がある。
【0005】石炭中には硫黄分があり、この硫黄分はガ
ス化後の生成ガス中に硫化水素や硫化カルボニルの形で
含まれている。これら硫黄分をプラント系外にそのまま
放出することは環境対策の面からできないので、大部分
をプラント内で除去、固定化する必要がある。このた
め、前述のように、ガス精製設備の一つとして脱硫装置
が設けられている。脱硫装置としては、湿式脱硫システ
ムが実用化されている。ガス化炉で生成されたガスのガ
ス化炉出口温度は800〜1300℃であるが、この湿
式脱硫プロセスでは、脱硫剤の動作温度の制約から生成
ガス温度を装置入口で常温程度まで下げる必要がある。
【0006】生成ガスを冷却する方法の一つに、ガス化
炉出口に熱交換器を設置し間接の冷却媒体として水を用
いる間接熱交換方式がある。この熱交換器では、生成ガ
スとの熱交換を行ない、水の加熱、蒸発により蒸気を発
生させ蒸気タービンで発電し有効利用される。しかし、
熱交換器を設置しなければならないこと、熱交換器の伝
熱面積が大きく設備規模が大きくなることで、ガス化発
電設備全体に対する経済性が悪化するという難点があ
る。生成ガスを熱交換器にて冷却する場合、熱交換器の
伝熱面積の増加を避けて設備費の増加を抑えるためにも
熱交換器出口の生成ガス温度をガス精製設備の運用温度
よりも100〜300℃高くして通常約300〜500℃としてい
る。したがって、ガス精製設備の運用温度よりも高くし
た顕熱分は冷却過程(熱交換器〜ガス精製設備間)で熱
損失となる。また、生成ガスの冷却に伴い、該生成ガス
中の水分の一部が凝縮し、凝縮した水が系外に取り出さ
れるため、凝縮水が持つ熱量が損失となる。
【0007】生成ガス温度を下げる他の方法として、ガ
ス顕熱低下による熱損失を極力小さく抑えるため、ガス
/ガス熱交換器を設けて生成ガスの温度を一旦下げて脱
硫し、脱硫後の精製ガスを再び前記ガス/ガス熱交換器
を通して加熱する方法があるが、この場合も、ガス/ガ
ス熱交換器は設備費増加の要因ともなる。また、ガス/
ガス熱交換器を設ける場合、熱交換器の機器設計上の制
約からガス/ガス熱交換器の入口温度と出口温度の温度
差を60℃程度確保する必要があり、この差分はガス顕
熱損失による熱損失となる。そしてこの方法でも、生成
ガス中に多量の水蒸気分を含んでいると、ガスを冷却し
て温度を下げたとき、生成ガス中の水蒸気分が凝縮し、
凝縮した水は系外に取り出される。このため、この水蒸
気分の凝縮によるガス流量の減少と水分の保有する潜熱
及び顕熱損失による熱損失が大きくなり、ガスタービン
出力及び発電熱効率が低下してしまう欠点がある。
【0008】生成ガスを冷却する別の手段としては、特
開平9―194855号公報に示されるように、ガス化炉内若
しくはガス化炉出口で生成ガスに水または蒸気を注入す
る方法があり、この方法では熱交換器の設置が不要にな
り設備費用の面で有利である。しかしこの場合は、水ま
たは蒸気が直接注入されるため生成ガス中に多量の水分
が付加される。生成ガスに水または蒸気を注入する方法
では熱交換器による制約がないため、生成ガス温度を30
0℃以下に冷却することが可能であるが、過度のガス温
度冷却を行うと生成ガス中の水分が凝縮し、潜熱損失に
よる熱損失が生ずる。
【0009】上述のように、いずれの冷却方式において
も、生成ガス中の水分の凝縮による顕熱と潜熱の損失が
生じるが、その損失量は生成ガス中に含まれている水分
量に左右される。生成ガス中の水分の凝縮には、前記熱
損失によるプラント効率の低下に加え、ガス流量の減少
を来たしてタービン出力の低下を招くという問題があ
る。
【0010】一方、冷却される前の生成ガス中の水分
は、ガス化炉の燃料供給方式、ガス化剤の種類などによ
って大きく影響を受ける。
【0011】ガス化発電の燃料供給方式としては、スラ
リーによる湿式供給方式か若しくはロックホッパによる
乾式方式が一般的に用いられる。湿式供給方式はスラリ
ーポンプを用いるため供給設備規模、供給量制御の安定
性の点で乾式方式より有利であるが、燃料中に多量の水
分が含まれており、ガス化反応によってこれら水分は生
成ガス中に多量の水蒸気として持ち込まれる。このた
め、スラリーによる湿式供給方式がロックホッパによる
乾式方式よりも生成ガス中の水分含有率が高い。
【0012】ガス化剤の種別では、酸素吹き方式と空気
吹き方式があるが、空気吹き方式では、ガス化炉に空気
を吹き込む為空気中の窒素加熱に燃料を多く消費しかつ
生成ガス中の水蒸気分の含有率は、酸素吹き方式よりも
多くなる。
【0013】以上述べたように、ガス化発電設備では、
燃焼器上流側で生成ガスが冷却されて水分が取り出され
ると、潜熱及び顕熱損失による熱損失が大きくなり、か
つ水分の凝縮によるガス流量減により、ガスタービン出
力及び発電熱効率が低下してしまう問題点がある。
【0014】また、脱硫装置をガスタービン下流側に配
置し、ガスタービン排気ガスを冷却して脱硫を行う構成
としたものでも、冷却により凝縮した水分は系外に取り
出されるため、そのまま熱損失となり、発電熱効率を損
ねていた。
【0015】本発明の目的は、ガス化炉を用いたガスタ
ービン発電プラントにおいて、プラント系外へ放出され
る熱損失を低減し、熱効率を向上させることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】ガス化発電プラントで熱
効率の向上を図るには、ガス化炉とガスタービンの間、
つまりガスタービン入口前で生成ガス中の水分を回収し
ないことが効果的である。特に、スラリーによる湿式供
給方式を採用した場合や、あるいはロックホッパーによ
る乾式供給方式でも直接接触式生成ガス冷却(水注入方
式)を使用した場合、更には空気吹きガス化方式の場合
には、生成ガス中の水分を回収しないことが効果的であ
る。
【0017】本発明では、上記の目的を達成するため、
ガス化炉で発生する生成ガス中に含まれる水分を系外に
排出することなくガスタービン燃焼器に導き、ガスター
ビンで作動媒体の一部として仕事をさせた後、ガスター
ビン排ガス中の水分を回収して、ガス化炉への燃料のス
ラリー供給、またはガス化炉内部若しくはガス化炉出口
の生成ガスへの水若しくは蒸気注入、またはガスタービ
ン圧縮機出口の空気への水分付加に用いる。
【0018】燃焼器に供給される燃料ガス及び燃焼用空
気(圧縮空気)に含まれる水分量が過大になると、燃焼
器における燃焼が不安定になるから、燃料に含まれる水
分量に基づいて、ガス化炉内部若しくはガス化炉出口の
生成ガスへ供給される水分量と、燃焼用圧縮空気に付加
される水分量を制御して、燃焼器に導入される燃料ガス
及び燃焼用空気に含まれる水分量が、燃焼の不安定の原
因となることのない、かつ、できるだけ多い量になるよ
うにするのが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、燃料として石炭を用いる場
合を中心に本発明の実施の形態を説明するが、燃料とし
て石炭に代わるもの、例えば重質油、オイルサンド、木
材、プラスチック、ごみ等の燃料を用いる場合において
も本発明が同様に適用できる。
【0020】以下、本発明の実施の形態を図1により説
明する。図1に示すガス化発電プラントは、燃料ガスを
生成、供給する燃料ガス系統と、供給された燃料ガスを
空気で燃焼させるガスタービン燃焼器(以下、燃焼器と
いう)12と、燃焼器12に燃焼ガス配管で接続された
ガスタービン14と、ガスタービン14で駆動される発
電機15及びガスタービン圧縮機13と、ガスタービン
14にガスタービン排気ダクト21で接続された加熱器
22と、加熱器22に加熱器出口ダクト23で接続され
た水回収及び脱硫装置24と、水回収及び脱硫装置(水
回収手段)24に接続された排気ダクト25と、前記ガ
スタービン圧縮機13の空気入口に接続されたガスター
ビン吸気空気配管16と、前記ガスタービン圧縮機13
の空気出側に圧縮機吐出空気配管17で接続された増湿
装置18と、を含んで構成されている。
【0021】前記増湿装置18の空気出側は増湿装置出
口配管19で前記加熱器22の被加熱流体入り側に接続
され、前記加熱器22の被加熱流体出側は燃焼器入口配
管20で前記燃焼器12に接続されている。
【0022】燃料ガス系統は、空気取り入れ管2から空
気を取り込んで酸素を分離する空気分離装置3と、燃料
供給管1から供給される燃料でスラリーを製造するスラ
リー製造及び供給装置(スラリー製造手段)31と、前
記空気分離装置3に酸素供給配管4で、前記スラリー製
造及び供給装置31に石炭スラリー供給配管5で、それ
ぞれ接続されたガス化炉6と、ガス化炉6に生成ガス配
管7で接続された脱じん装置8と、脱じん装置8に粗生
成ガス配管9で接続された微量成分除去装置10で構成
され、微量成分除去装置10の出側はガスタービン燃料
供給配管11で前記燃焼器12に接続されている。
【0023】また、水回収及び脱硫装置24は、給水管
26で増湿装置18に接続され、給水管26は給水管2
8でスラリー製造及び供給装置へ、給水管28はガス化
炉給水管27でガス化炉6へ、それぞれ接続されてい
る。ガス化炉6上部にはガス化炉給水管27に接続され
た熱交換器が配置され、この熱交換器の出側は、ガス化
炉6の生成ガス出口に、生成ガス水注入管30で接続さ
れている。
【0024】ガス化炉6へ石炭スラリー供給配管5を通
って供給される石炭スラリーは、空気分離装置3で空気
から分離され酸素供給配管4を通って供給される酸素ガ
スを酸化剤にしてガス化され、生成ガスとなる。ガス化
炉6で発生した生成ガスは、ガス化炉給水管27より供
給される給水と前記熱交換器で熱交換してガス化炉6上
部で冷却されると共にこの給水を加熱する。加熱された
給水(水あるいは水と蒸気の混合物)は、ガス化炉6出
口で生成ガス中に生成ガス水注入管30により注入さ
れ、生成ガス中に水分を付加するとともに、生成ガス温
度を低下させる。冷却された生成ガスは脱じん装置8に
導かれ、チャー等の固形物等が除去される。脱じん装置
8を通過した生成ガス(粗精製ガス)は微量成分除去装
置10に導かれ、脱じん装置8で除去し切れなかった微
細な固形物等が微量成分除去装置10で除去されて精製
ガスとなる。
【0025】一方、ガスタービン吸気空気配管16を通
った空気は、ガスタービン圧縮機13で圧縮され、増湿
装置18にて水分を付加され、加熱器22にてガスター
ビン出口より排出される高温の燃焼ガスと熱交換して温
度を上昇して燃焼器12に送られる。燃焼器12に送ら
れた圧縮空気は、微量成分除去装置10からガスタービ
ン燃料供給配管11を経て燃焼器12に供給される精製
ガスを燃焼させる。燃焼により発生した高温の燃焼ガス
は、ガスタービン14を回転し、発電機15を駆動し電
力を発生する。
【0026】ガスタービン14を駆動した燃焼ガスは、
ガスタービン排気ダクト21を通って加熱器22にてガ
スタービン圧縮機13の吐出空気と熱交換した後、脱硫
装置及び水回収装置24に導入され、排ガス中の硫黄分
の除去と水の回収を行う。硫黄分の除去と水の回収を行
った排ガスは、排気ガスダクト25より大気に放出され
る。ガスタービンの燃焼ガス(排ガス)中より回収され
た水分は、給水管26で増湿装置18へ供給され、ガス
化炉給水管27でガス化炉6に供給され、給水管28で
スラリー製造及び供給装置31に供給される。
【0027】本実施の形態によれば、生成ガス中の水分
の大部分を燃焼器12に供給して生成ガス中の水分をガ
スタービンの作動媒体の一部として活用できるため、ガ
スタービンの出力を増加できること、ガスタービン排ガ
ス中の水回収による水の再利用によりプラント系外への
顕熱損失による熱損失が小さく抑えられること、ガス化
炉とガスタービン燃焼器の間でのガス温度の低下は極め
て小さい(前記60℃の温度差は不要である)ためガス
温度低下による顕熱損失が小さく抑えられること、生成
ガス中の水分の凝縮が殆ど起こらないため潜熱損失によ
る熱損失が小さく抑えられること、などからプラント熱
効率を向上させることができる。これを図3に示す。
【0028】従来例の生成ガス中の水分率が約1%なの
に比べ、生成ガス中の水分率を約30%にしたので、プ
ラント熱効率は相対値で約3.5%向上した。この内の
約0.2%はガスタービン排ガスから回収された水の再
利用による系外への熱損失の低減による効果である。ま
た前記約3.5%のうちの約0.6%は、ガス顕熱損失
の低減による効果である。残りの2.7%はガス潜熱損
失の低減による効果である。
【0029】本実施の形態の酸素を酸化剤として吹込む
ガス化炉の代わりに、空気を酸化剤として吹込むガス化
炉を用いた場合には、生成ガス流量は約3倍程度となり
熱効率に与える影響は大きくなり、従来例に比べて生成
ガス中の水分を約30%としたとき、プラント熱効率は
相対値で約7%向上した。この内の約0.7%はガスタ
ービン排ガスから回収された水の再利用によるプラント
系外への顕熱損失の低減による効果であり、約1.5%
はガス顕熱損失の低減による効果である。残りの4.8
%はガス潜熱損失の低減による効果である。
【0030】図4は燃焼器への流入ガス中の総水分率に
対する圧縮機出口空気への水分付加割合を示したもので
ある。燃焼器へ流入するガスは燃料ガスと増湿装置によ
り水分を付加された燃焼用に供給される圧縮機出口空気
との合計である。燃焼器への流入ガス中の水分がある限
度を超えると、燃焼性が不安定になる。そこで生成ガス
中の水分率(燃料が本来持っている水分と前記脱硫装置
及び水回収装置24から供給された水分)に追従して圧
縮機吐出空気に対する水分付加割合を制御することで燃
焼器への流入ガス中の総水分率を、燃焼性が不安定にな
らない、できるだけ大きい値にしてプラントを運転する
ことが可能となる。
【0031】また、本実施の形態によれば、生成ガスの
冷却を、熱交換器によらず水または蒸気注入する方法に
より行うことで従来以上の高い熱効率を達成できた。
【0032】また、本実施の形態によれば、補給水量を
一般のLNG焚複合発電設備並みの値に保持できた。
【0033】以下、本発明の他の実施の形態を図2によ
り説明する。図2に示す実施の形態が前記図1に示す実
施の形態と異なるのは、スラリー製造及び供給装置31
に代えて石炭供給装置32が配置され、石炭供給装置3
2とガス化炉6は石炭供給配管38で接続されているこ
と、空気分離装置3と石炭供給装置32が窒素供給配管
37で接続されていること、給水管28は設けられてお
らず、ガス化炉給水管27は、給水管26とガス化炉6
上部に配置された熱交換器を接続していること、であ
る。すなわち、本実施の形態においては、燃料は微粉炭
の形で窒素ガスにより搬送される。他の構成は前記図1
に示すものと同じなので、同一の符号を付して説明を省
略する。
【0034】以下、上記構成の装置の動作につき、説明
する。石炭供給装置32からガス化炉6へ、空気分離装
置3より供給される窒素を用い、石炭供給配管38を経
て供給される石炭は、空気分離装置3で空気から分離さ
れ酸素供給配管4を通ってガス化炉6へ供給される酸素
ガスを酸化剤にしてガス化され、生成ガスとなる。ガス
化炉6で発生した生成ガスは、ガス化炉給水管27より
供給される給水と熱交換してガス化炉6上部で冷却され
ると共にこの給水を加熱する。加熱された前記給水は、
ガス化炉6出口で生成ガス中に生成ガス水注入管30に
より注入され、生成ガス中に水分を付加するとともに、
生成ガス温度を低下させる。温度を低下させた生成ガス
は脱じん装置8へ導かれ、生成ガス中のチャー等の固形
物等が除去される。脱じん装置8を通過した生成ガス
(粗精製ガス)はさらに微量成分除去装置10に導入さ
れ、脱じん装置8でで除去し切れなかった微細な固形物
等を除去されて精製ガスとなる。
【0035】一方、ガスタービン吸気配管16を通った
空気は、ガスタービン圧縮機13で圧縮され、増湿装置
18にて水分を付加され、加熱器22にてガスタービン
出口より排出される高温の燃焼ガスと熱交換して温度を
上昇して、燃焼器12に導入される。燃焼器12に導入
された前記圧縮空気は、微量成分除去装置10からガス
タービン燃料供給配管11を経て燃焼器12に供給され
る精製ガスを燃焼させ、高温の燃焼ガスを発生させる。
燃焼により発生した高温の燃焼ガスは、ガスタービン1
4を回転し、発電機15を駆動し電力を発生する。
【0036】ガスタービン14を駆動した燃焼ガスはガ
スタービン排気ダクト21を通って加熱器22に導か
れ、ここでガスタービン圧縮機13の吐出空気と熱交換
した後、脱硫装置及び水回収装置24に流入する。脱硫
装置及び水回収装置24に流入した排ガスは、排ガス中
の硫黄分の除去と水の回収が行われた後、排気ガスダク
ト25より大気に放出される。脱硫装置及び水回収装置
24においてガスタービンの排ガス中より回収された水
分は、増湿装置18への給水管19を経て増湿装置18
へ、ガス化炉給水管27を経てガス化炉6に、それぞれ
供給される。
【0037】本実施の形態によれば、生成ガス中の水分
率は図1に示す実施の形態より低くなるが、図4に示す
ように圧縮機吐出空気に対する水分付加の割合を増加さ
せることで図1に示す実施の形態と同程度のプラント熱
効率の向上が可能となった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ガスタービンを出た排
ガス中から回収した水分をリサイクルすることによりガ
スタービンの作動媒体の一部として活用でき、ガスター
ビン出力を増加させることができるので、プラント熱効
率を高める効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す系統図である。
【図3】燃料ガス中の水分量とプラント熱効率の関係の
例を示すグラフである。
【図4】燃焼が不安定になる、燃焼器への流入ガス中の
総水分率の範囲と、燃料ガス中の水分率と圧縮機出口空
気への水分の付加割合の関係を示す概念図である。
【符号の説明】
6 ガス炉 8 脱じん装置 10 微量成分除去装置(ガス精製装置) 12 燃焼器 13 ガスタービン圧縮機 14 タービン 15 発電機 18 増湿装置 22 加熱器 24 脱硫装置及び水回収装置 26 給水管 27 ガス化炉給水管 28 給水管 30 生成ガス水注入管 31 スラリー製造及び供給装置 32 石炭供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木曽 文彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 幡宮 重雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を酸化剤を用いてガス化するガス化
    炉と、該ガス化炉で発生した生成ガスを取り出す生成ガ
    ス配管と、該生成ガス配管で取り出されたガスを燃料と
    する燃焼器と、該燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動さ
    れるガスタービンとを備えたガス化発電プラントにおい
    て、ガスタービン排ガスから水分を回収する水回収手段
    と、該水回収手段を前記ガス化炉と前記生成ガス配管の
    いずれか一方もしくは双方に接続する管路と、が設けら
    れ、回収された水を前記ガス化炉もしくはガス化炉出口
    の前記生成ガス配管に供給可能に構成されていることを
    特徴とするガス化発電プラント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガス化発電プラントにお
    いて、燃料をスラリーにするスラリー製造手段が配置さ
    れ、前記水回収手段と前記スラリー製造手段を接続する
    管路が設けられて、回収された水を前記スラリー製造手
    段に供給可能に構成されていることを特徴とするガス化
    発電プラント。
  3. 【請求項3】 請求項1のガス化発電プラントにおい
    て、ガスタービン排ガスより回収され、ガス化炉もしく
    はガス化炉出口の生成ガス配管に供給される水は、ガス
    化炉の生成ガスの冷却及び生成ガスへの水分付加に利用
    されることを特徴とするガス化発電プラント。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載のガ
    ス化発電プラントにおいて、前記燃焼器に圧縮空気を供
    給するガスタービン圧縮機と、前記水回収手段に接続さ
    れて前記水回収手段で回収された水をガスタービン圧縮
    機の吐出空気に付加する増湿装置と、が設けられ、前記
    燃焼器に供給される圧縮空気に前記水回収手段で回収さ
    れた水を付加することが可能に構成されていることを特
    徴とするガス化発電プラント。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のガス化
    発電プラントにおいて、生成ガス中の水分は燃焼器にて
    加熱されてガスタービンに供給されることを特徴とする
    ガス化発電プラント。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載のガス化発電プ
    ラントにおいて、生成ガスに含まれている水分及び生成
    ガスに付加された水分は、ガスタービンへ作動流体の一
    部として供給されることを特徴とするガス化発電プラン
    トの運転方法。
  7. 【請求項7】 請求項4又は5に記載のガス化発電プラ
    ントにおいて、燃料ガス中の水分とガスタービン圧縮機
    の吐出空気への付加水分を各々制御し、燃焼器入口のガ
    ス湿分を調節することを特徴とするガス化発電プラント
    の運転方法。
JP11060622A 1999-03-08 1999-03-08 ガス化発電プラントとその運転方法 Pending JP2000257443A (ja)

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