JP2000257129A - 吐水口の整流装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】製造コストが削減できるとともに、吐水口内へ
の組付けが容易であり、しかも異物による目詰まりがよ
り起こり難い吐水口の整流装置を提供する。 【解決手段】波状に折曲加工された金属製弾性帯状材を
さらに環状にまるめて星形の整流部材２を形成し、整流
部材２を吐水口１の内周面にその弾性により拡径させて
保持させると共に、整流部材２の内側には、同様の弾性
帯状材からなり、切断部を有する略Ｃ字状の円筒部材３
を嵌合し、その弾性により円筒部材３を拡径させて保持
させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給水栓等の吐水口
に設けられる整流装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】吐水の整流及び止水後に水滴が落下する
のを防止するため、給水栓の吐水口に従来から設けられ
ている整流装置には、波板状の整流板の上流側に籠形ス
トレーナを装着し、整流板の整流作用と該ストレーナの
表面張力とを利用するものがある。ところで、この籠形
ストレーナは、メッシュプレートをダイセットによるプ
レス加工を施して籠形に形成するものであり、該メッシ
ュプレートは金属製の線材を編成するものであるので、
止水後の水滴の滴下防止をするためには網目を細かくす
る必要がある。そのためにこの籠形ストレーナは、流水
中の異物が引掛かり易く、目詰まりを起こし易い欠点が
あった。

【０００３】また、波板状の帯状材をさらに環状に丸め
て星形の外側整流部材を形成し、外側整流部材を吐水口
の内周面にその弾性により拡径させて保持させると共
に、外側整流部材の内側に同様に星形の内側整流部材を
嵌合してその弾性により内側整流部材を拡径させて保持
させた吐水口の整流装置もある。このような整流装置
は、上述のメッシュプレートと比べると異物の引掛かり
が少ないものの、やはり依然として目詰まりを起こしや
すいという問題があった。また、内側整流部材の形状が
外側整流部材と同様に複雑であるため、製造コストが高
くなったり、外側整流部材の内側に挿入しづらくなり、
組付けが困難になったりするという問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、製造
コストが削減できるとともに、吐水口内の取付けが容易
であり、しかも異物による目詰まりがより起こりにくい
吐水口の整流装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そのために本発明は、波
状に折曲加工された弾性帯状材をさらに環状に丸めて星
形の整流部材を形成し、整流部材の内側に、弾性帯状材
からなり切断部を有する略Ｃ字状の円筒部材を挿入嵌合
してその弾性により円筒部材を保持させ、整流部材及び
円筒部材を吐水口の内周面にそれらの弾性により保持さ
せたことを特徴とする。また、円筒部材には、切断部に
外周方向に突出する係止片が形成されていることを特徴
とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、図面に従い本発明の実施の
形態を説明する。図１に実施形態の整流装置が吐水口１
に設けられた給水栓を示し、図２にその部分断面拡大斜
視図、図３に吐水口１の正面図を示し、図４及び図５に
該吐水口１内に装填される整流部材２と円筒部材３とを
それぞれ斜視図にて示す。

【０００７】整流部材２は、一定幅の金属製弾性帯状材
を波状に折曲加工し、それをさらに環状にまるめて星形
に形成したものある。また、円筒部材３は、弾性帯状材
を整流部材２の内径より小径の円筒状に形成したもので
ある。そして、円筒部材３は、完全に閉じた円筒にする
のではなく切断部４が形成され、さらにこの切断部４に
外周方向に突出する係止片５が形成されている。

【０００８】円筒部材３を整流部材２の内側に挿入嵌合
し、円筒部材３の円筒部６が半径方向に拡開しようとす
る力と、切断部４に形成された係止片５を整流部材２の
突出部７内に嵌め込むことにより、円筒部材３を整流部
材２の内側で保持させる。その後、整流部材２及び円筒
部材３を少し窄めて吐水口１内に装入することによりそ
れらの弾性により整流部材２の外縁部が吐水口１の内周
面に圧着し、保持されるようにする。

【０００９】また、整流部材２を吐水口１の内周面側に
挿入保持させた後、円筒部材３を整流部材２の内側に挿
入保持させても良い。

【００１０】次に、本発明の別形態について図６を使っ
て説明する。この別形態では、円筒部材３の係止片５、
５が切断部４の両端に形成されている。このように係止
片５、５を形成すると、円筒部材３を整流部材２に挿入
した場合、円筒部材３の円筒部６が半径方向に拡開しよ
うとする力はもちろんのこと、両係止片５、５が整流部
材３の突出部７内で周方向に拡開しようとする力が加わ
ることにより、前述の実施例に比べ、円筒部材３がより
強固に整流部材２内に保持される。尚、図７は、整流部
材２と円筒部材３を組付けた状態を示している。

【００１１】このように構成した整流装置では、整流部
材２及び円筒部材３により吐水口１内が複数の整流孔に
区画され、吐水を真直下に指向させることができる。ま
た、星形の整流部材２により吐水口１内の水又は湯との
接触面積を広くとることができ、止水時に吐水口１内の
水又は湯を吐水口１内に留らせるに充分な表面張力を得
ることができ、滴下防止が確実になされる。

【００１２】このように本発明は、弾性帯状材からなる
整流部材と円筒部材とにより、吐水口内にて整流部材と
円筒部材とを弾性拡径させて保持できるようにしたの
で、保持のためのキャップ等の部品を要さず、製造コス
トを軽減できると共に、吐水の整流および止水後の滴下
防止性能を向上させ、目詰まりも起こし難いなど有益な
効果がある。また、従来の内側整流部材を円筒部材にし
たことにより、製造コストのさらなる軽減、組付性が向
上するという効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の整流装置を適用する給水栓の一例を
示した縦断面図。

【図２】図１の給水栓の吐水口の部分断面拡大斜視図。

【図３】図１の吐水口の正面図。

【図４】実施形態に係る整流部材の斜視図。

【図５】実施形態に係る円筒部材の斜視図。

【図６】他の実施形態に係る円筒部材の斜視図。

【図７】他の実施形態に係る整流部材及び円筒部材の組
付図。

【符号の説明】

１吐水口 ２整流部材 ３円筒部材 ４切断部 ５係止片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 波状に折曲加工された弾性帯状材をさら
   に環状に丸めて星形の整流部材を形成し、該整流部材の
   内側に、弾性帯状材からなり切断部を有する略Ｃ字状の
   円筒部材を挿入嵌合してその弾性により該円筒部材を保
   持させ、該整流部材及び該円筒部材を吐水口の内周面に
   それらの弾性により保持させたことを特徴とする吐水口
   の整流装置。
2. 【請求項２】 前記円筒部材には、前記切断部に外周方
   向に突出する係止片が形成されていることを特徴とする
   請求項１記載の吐水口の整流装置。