JP2000255084A - カラー画像処理装置 - Google Patents

カラー画像処理装置

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JP2000255084A
JP2000255084A JP11064646A JP6464699A JP2000255084A JP 2000255084 A JP2000255084 A JP 2000255084A JP 11064646 A JP11064646 A JP 11064646A JP 6464699 A JP6464699 A JP 6464699A JP 2000255084 A JP2000255084 A JP 2000255084A
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ink
pixel
color
image
drying
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JP11064646A
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English (en)
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Koichi Naito
浩一 内藤
Jun Takamura
順 高村
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 普通紙に記録する場合でも、濃度を保ちつ
つ、色間滲みを低減できる多階調の記録が可能なカラー
画像形成装置を提供する。 【解決手段】 記録制御部18はインクジェットヘッド
20を用いて、インク滴を2滴まで重ねて記録し、階調
を表現可能である。また、K(黒)インクは遅乾性イン
クであり、他のカラーインクは速乾性インクである。N
値化部12は、画像データを3値に変換する。要処理画
素抽出部14は、3値2ビットの論理和演算結果から黒
画像領域の画素について、所定範囲内にカラー画像領域
が存在するか否かを判別してカラー画像領域との隣接領
域の画素を抽出する。この抽出結果に従い、領域区分部
15で各領域を区分し、変換処理部16で隣接領域に対
してKインクのインク滴数がその隣接領域全体として減
少するように変換処理を行う。これにより色間滲みを低
減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明はインクジ
ェット方式のカラー画像形成装置に記録画像を送るカラ
ー画像処理装置に関するものである。特に、遅乾性イン
クおよび速乾性インクを用い、遅乾性インクまたは速乾
性インクのいずれかあるいは両方においてインク滴を重
ねて記録することによって階調を表現可能なカラー画像
形成装置においてカラー画像を形成するための画像デー
タに多値画像データを変換するカラー画像処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ノズルから液体のインク滴を吐出して画
像の記録を行うインクジェット方式の画像形成装置は、
構造が簡単で印字の音が小さい記録装置であり、小型プ
リンタに適した技術である。しかし、水性インクを用い
るため、インク滴が被記録媒体に付着してから乾燥ある
いは吸収されるまでに時間がかかるという欠点がある。
特に複数色のインクを用いたカラー画像形成装置におい
て、インク吸収層を設けていない、コピー用紙やレポー
ト用紙などの普通紙では、色と色の境界部で未乾燥ある
いは未吸収のインクが紙上で混ざり、混色滲みを起こす
という欠点がある。そのため、インクの紙への浸透性を
高めた、いわゆる速乾性インクが開発されている。この
速乾性インクによって、色と色の境界部のインクの混色
による滲みを抑えることができる。
【0003】しかし、紙への浸透性を高めることにより
印字部の濃度が低下し、線や文字等のエッジがシャープ
でなくなるという問題が発生する。このため、特に、線
・文字等をシャープに、しかも高密度で再現する必要の
あるインク(通常は黒インク)だけは、紙への浸透が遅
い、いわゆる遅乾性インクを用いている。しかし、この
ように遅乾性インクを用いると、やはり、遅乾性インク
による記録部分と速乾性インクによる記録部分との隣接
部分で混色滲みを防ぐことはできない。
【0004】この問題を解決するため、例えば特開平7
−285264号公報では、遅乾性インクで記録する黒
領域と速乾性インクで記録するカラー領域が隣接してい
るとき、遅乾性インクで記録する領域については遅乾性
インクで記録する画素の一部を速乾性インクで記録して
いる。また、特開平6−136310号公報では、同じ
く黒領域とカラー領域が隣接しているとき、黒領域につ
いては先にカラーインクで記録を行った上から黒インク
で記録を行っている。さらに、特開平7−149036
号公報では、遅乾性インクで記録するドットを、所定の
割合で速乾性インクで記録し、あるいは速乾性インクと
重ねて記録している。また、特開平6−47927号公
報では、同じく黒領域とカラー領域が隣接していると
き、黒領域についてはカラーインクで黒を形成するよう
に記録を行っている。しかし、このような記録方法によ
って、隣接部分での混色滲みを防止し、そのまま連続す
る黒の領域をすべて変換して記録してしまうと、濃度低
下などの問題は依然として残ってしまう。
【0005】そのため、例えば特開平5−276373
号公報や特開平6−113155号公報等に記載されて
いるように、速乾性インクと隣接する遅乾性インクの所
定領域のみについて、遅乾性インクの色を速乾性インク
で表現することが行われている。これによって遅乾性イ
ンクと速乾性インクとの隣接部分における混色滲みを防
止できるとともに、遅乾性インクの領域での濃度を確保
することができる。しかし、遅乾性インクで記録する領
域内において、遅乾性インクのみを用いて記録した部分
から速乾性インクを使用した部分に遅乾性インクが流れ
込むという現象が発生する。そのため、遅乾性インクを
用いて記録する領域内において、速乾性インクを用いた
部分と用いない部分の境界付近に濃度の薄い領域が生
じ、擬似輪郭が発生してしまうという問題がある。
【0006】このような問題を回避するため、例えば特
開平6−206370号公報や特開平10−86503
号公報では、黒画像とカラー画像が隣接している場合
に、黒画像領域においてカラー画像との隣接部から離れ
るに従って、黒インクのドットの比率を増加させてい
る。これにより、混色滲みを防止するとともに擬似輪郭
の発生を防止している。
【0007】しかし、上述の各文献に記載されている混
色滲みを防止する各種の技術は、いずれも、遅乾性イン
ク、速乾性インクを含めて、各色のインクとも記録する
か否か、すなわち各画素において2階調の記録技術を前
提としたものであった。近年、少ない滴量のインク滴を
重ねて記録することで階調性を表現する多階調のインク
ジェット方式の画像形成装置が開発されている。このよ
うな多階調の画像形成装置に対し、上述のような2階調
の混色滲みを防止する技術をそのまま適用することはで
きない。すなわち、少量のインク滴を重ねて記録を行う
場合においては、所定の濃度を出そうとすると必然的に
インク量が多くなるため、色間滲みが悪化する。一方、
色間滲みを抑えるため、重ねるインク滴数を少なくする
と所定の濃度を出すことができない。このように、2階
調の場合には各画素ごとの濃度はあまり関係しなかった
が、各画素ごとに多階調を表現する場合には、各画素の
濃度が関係するため、濃度と色間滲みを両立させること
は困難であった。
【0008】このような多階調のカラー画像形成装置と
して、例えば特開平7−125409号公報に記載され
ているように、下色除去(UCR)処理において黒画像
を生成する際に、黒領域とカラー領域が隣接する部分で
は黒に置き換える量を少なく制御する。これによって黒
とカラーの隣接部において記録時の黒インク量が制限さ
れ、混色滲みを防止することができる。しかしこのよう
な方法では、多階調、例えば256階調を扱わなければ
ならない。そのため、処理量が多くなって処理負荷が増
大し、また、処理時間が長くなって記録動作を高速化で
きない等の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、多階調の記録を行うカラー
画像形成装置で普通紙に記録する場合でも、濃度を保ち
つつ、効果的にしかも高速に色間滲みを防止し、良好な
画像を得ることができるカラー画像処理装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、1画素がnビットからなる多値画像データを、イン
ク滴を重ねて記録することによって階調を表現可能なカ
ラー画像形成装置で記録を行うための出力画像データに
変換するカラー画像処理装置において、前記多値画像デ
ータの1画素を構成するnビットの論理和を演算して前
記多値画像データ中の所定の領域を判別する領域判別手
段と、該境界部判別手段による判別結果に従って重ねる
インク滴数を変化させる変換処理を行う処理手段を有し
ていることを特徴とするものである。
【0011】多階調では参照するビット数が多くなり、
処理量が増加する。これを防止するため、複数ビットの
カラー画像では、各インク色ごとに1画素を構成する複
数ビットの論理和を演算し、演算結果に基づいて変換処
理を行う。論理和演算の結果は2値となるため、従来か
ら用いられている2階調の処理を多階調に対応させるこ
とが可能になる。また、多階調のデータを扱っても、2
階調の場合の処理でよいため、高速に領域判別処理を行
って、後段の変換処理を行うことが可能となる。例えば
変換処理として滲み防止処理を行えば、高速に所定の領
域に対して滲み防止処理を施すことが可能となる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、遅乾性イ
ンクおよび速乾性インクを用い、前記遅乾性インクまた
は前記速乾性インクのいずれかあるいは両方においてイ
ンク滴を重ねて記録することによって階調を表現可能な
カラー画像形成装置で記録を行うための画像データに多
値画像データを変換するカラー画像処理装置において、
前記多値画像データ中の前記カラー画像形成装置に前記
遅乾性インクを用いて記録を行わせる画素の集合からな
る遅乾性画像領域と前記速乾性インクのみを用いて記録
を行わせる画素の集合からなる速乾性画像領域の隣接部
を判別する境界部判別手段と、該境界部判別手段による
判別結果に従って前記遅乾性画像領域の前記速乾性画像
領域との前記隣接部において前記遅乾性インクの滴数を
減らして記録されるように画像処理を行う滲み防止処理
手段を有していることを特徴とするものである。滲み防
止処理手段において隣接部の遅乾性インクの滴数を減ら
すように画像処理を行う際には、隣接部よりも内側の遅
乾性インクの滴数よりも減らしたり、あるいは、画像処
理前の多値画像データが示す遅乾性インクの滴数よりも
減らすように、画像処理を行うことができる。
【0013】少ない液滴量のインク滴を重ねて記録する
方式では、インク滴を記録するか否かと、重ねるインク
滴の数を変更することが可能である。そのいずれかある
いは両方を用いて、遅乾性画像領域の速乾性画像領域と
の隣接部の遅乾性インク量が少なくすることができ、色
間の滲みを減少させることができる。また、遅乾性画像
領域の速乾性画像領域との隣接部以外の部分では、濃度
を保つことができる。特に遅乾性インクとして黒を用い
た場合、黒画像において色目が良くなる。
【0014】滲み防止処理手段では、遅乾性画像領域の
速乾性画像領域との隣接領域において、遅乾性インクの
滴数を減らすとともに、速乾性インクの滴数を増やすこ
とができる。これによって、さらに遅乾性インクの被記
録媒体への吸収を促進するとともに、色目や濃度などを
なるべく変更しないように画像を形成することができ
る。さらに、速乾性画像領域においても、遅乾性画像領
域との隣接領域において速乾性インクの滴数を減らす
と、より色間の滲みを減らすことができる。また、遅乾
性画像領域の速乾性画像領域との隣接領域以外の内部領
域においても、遅乾性インクの滴数を多少減らし、速乾
性インクの滴数を挿入あるいは増やすことによって、遅
乾性画像領域内に低濃度部が生じるの防止し、擬似輪郭
の発生を防止することができる。さらに、遅乾性画像領
域の画素において所定範囲内に速乾性画像領域が存在し
ない場合には、その画素を遅乾性インクにより形成する
ように画像処理を行うことにより、例えば孤立した遅乾
性画像領域や文字、線画などを鮮明かつシャープに記録
することができる。
【0015】また、境界部判別手段で遅乾性画像領域と
速乾性画像領域の隣接部を判断する際に、従来の2階調
の場合には画素をビット単位で判断すればよいが、多階
調では参照するビット数が多くなり、処理量が増加す
る。これを防止するため、nビットのカラー画像では、
各インク色ごとにnビットの論理和を演算する。例えば
3階調2ビットであれば、上位ビットと下位ビットとの
論理和を演算する。そして、その演算結果に基づいて判
断を行う。これによって、簡単な処理によって、2階調
の処理を多階調に対応させることが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のカラー画像処理
装置の第1の実施の形態を用いたときの、黒インク印字
部分とカラーインク印字部分の境界付近の画像の説明図
である。カラーインクがイエローの場合を例示する。図
1(A)は、境界付近における画素の印字色情報を表わ
す説明図であり、図2(B)は、普通紙へのインクの浸
透度を表わす紙の断面図である。図中、1は普通紙、2
は紙への浸透性の高いカラーインクで印字される部分、
3は隣接エッジ領域、4はエッジ領域である。以下の説
明では、遅乾性インクとして黒インク、速乾性インクと
してシアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエ
ロー(Y)インクを用いるものとして説明する。なお、
シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー
(Y)インクを総称してカラーインクと呼ぶことがあ
る。
【0017】この実施の形態は、図1(A)に例示され
るように、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速
いカラーインクを用いるインクジェット記録のためのカ
ラー画像処理装置であって、黒で印字する画素(K)の
うちで、4画素以内にイエローで印字する画素(Y)が
あるものを、カラーで印字する画素に隣接するエッジ領
域4の画素群に属する画素として認識し、予め定められ
た第1の周期性で黒の液滴数を減少させ、カラーインク
により印字する画素への置換および黒インクによるドッ
トと重ね合わせる画素を増加させる。この画素群につな
がっている画素群を隣接エッジ領域3の画素群に属する
画素として認識し、この画素群を予め定められた第2の
周期性でカラーインクにより印字する画素への置き換え
および黒インクにより印字する画素との重ね合わせに変
換するものである。
【0018】エッジ領域4においては、この例では第1
の画素変換規則を用いて、黒で印字する画素(K)を水
平方向および垂直方向の1画素置きに、シアンとマゼン
タのインクの混色のカラーで印字する画素(CM)に置
き換えている。また、その他の画素については、黒とと
もにシアンおよびマゼンタのインクを重ねて記録するよ
うに画像データを変換している。
【0019】これに対し、隣接エッジ領域3において
は、黒で印字する画素(K)を第2の画素変換規則を用
いて、この例では水平方向及び垂直方向の2本に1本の
列同士が交差する位置の画素について、黒とシアンとマ
ゼンタとイエロー、あるいはシアンとマゼンタとイエロ
ーのインクの混色によるカラーで印字する画素(KCM
Y or CMY)に置き換えている。
【0020】黒で印字する画素(K)は、エッジ領域4
においては50%であるのに対し、隣接エッジ領域3に
おいては、75%存在する。したがって、イエローで印
字する画素(Y)からの距離が小さい領域(隣接部)ほ
ど、黒の液滴数を少なくしている。さらにこの例のよう
に、カラーインクの混色によるカラーで印字する画素の
割合を高くしている。
【0021】図1(B)に示されるように、この実施の
形態によれば、エッジ領域4は、普通紙1への浸透性の
高いカラーインク部分2に隣接しており、色のコントラ
ストが大きい。したがって、少しでもカラー部分に黒イ
ンクが流れ込むと大きな画質劣化になってしまう。その
ために、紙への浸透の遅い黒インクで印字すべき画素
(K)から、普通紙1への浸透の速いカラーインクで印
字する画素(CM)への置き換えおよび黒インクとカラ
ーインクの重ね合わせを多く行なっている。
【0022】これに対して、隣接エッジ領域3では、紙
への浸透の遅い黒インクで印字する画素(K)から紙へ
の浸透の速いカラーインクで印字する画素(CMY)へ
の置き換えおよび黒インクとカラーインクの重ね合わせ
(KCMY)を比較的低い割合で行ってもかまわない。
したがって、隣接エッジ領域3にも、少量ながら紙への
浸透の速いカラーインクが混色で印字されるので、普通
紙1への浸透性が向上し、エッジ領域4への流れ出しが
少なくなる。その結果、インクが流れ出した部分の画像
濃度が下がり擬似輪郭のように見えるといった不具合が
抑えられる。その結果、黒印字部分の濃度低下および色
目の変化を最小限に抑えることができる。
【0023】再び、図1(A)に戻って、エッジ領域4
および隣接エッジ領域3の認識および置き換えの規則の
概要を説明する。まず各画素の各色ごとに複数ビットで
表現される場合には複数ビット間の論理和を演算し、そ
の演算結果を基にして以下の判定を行う。黒で印字する
画素(K)を、イエローで印字する画素(Y)までの距
離がどの範囲内にあるかを、黒で印字する画素(K)ご
とに判定し、置き換えの処理も黒で印字する画素(K)
ごとに行なっている。
【0024】置き換えの規則は、変換処理の対象となる
黒で印字する画素(K)が、イエローで印字する画素
(Y)からの相対距離に応じて、黒インクによる液滴数
の減少や、カラーインクとの置き換えあるいは重ね合わ
せを行うか否かを決めることができる。しかし、カラー
で印字する画素との境界が近接して2以上の方向に存在
する場合などには、相対距離の評価が煩雑になる。した
がって、変換処理の対象となる画素の絶対位置に基づく
第1,第2の画素変換規則を用いて、変換処理をしてい
る。すなわち、画像全体における座標位置に応じて、置
き換えをするか黒で印字する画素のままにするかを定め
ている。
【0025】画素の絶対位置に基づく第1,第2の画素
変換規則を用いると、画像上の画素の位置に応じた均質
な画素変換を行うことになり、特に、棒グラフなどの幾
何学的図形をカラーで表現した画像に対して好適であ
る。したがって、このようなカラー図形を有する文書の
印字モードを設けて、このモードの時に本発明の画像処
理装置を作動させてもよい。
【0026】また、黒で印字する画素(K)から置き換
え、あるいは黒インクと重ねてカラーインクで印字する
画素には、シアン,マゼンタ,イエローの各単色のイン
ク滴または2色あるいは3色すべてのインク滴の混合に
よるカラーインクを用いる。
【0027】図2は、本発明のカラー画像処理装置を実
現するための概要構成図である。併せて、画像処理装置
全体における位置づけも示している。図3は、2値化さ
れた画像の印字色情報を格納する単位となる画素を表わ
す説明図である。なお、図2,図3は、後述する第2の
実施の形態においても説明に使用する。図2中、11は
色補正部、12はN値化部、13は滲み防止処理部、1
4は要処理画素抽出部、15は領域区分部、16は変換
処理部、17は記録データ格納部、18は記録制御部、
19はインクジェットヘッド駆動部、20はインクジェ
ットヘッドである。
【0028】入力画像は、色補正部11に入力され、ガ
ンマ補正、RGBデータからCMYKデータへの色変
換、ユーザによる色調整などの処理が行われ、N値化部
12に出力される。RGBデータからCMYKデータへ
の色変換処理は、RGBデータからCMYデータに色変
換を行なった後に、黒(K)データの発生、下色の除去
(UCR、アンダーカラーリムーバル)等を行うもので
もよいし、ルックアップテーブルと補間回路を用いてR
GBデータを直接CMYKデータへの色変換を行うもの
でもよい。
【0029】図3に示すように、N値化部12でN値化
を終えた画像データは、水平方向にNI個の画素、垂直
方向にNJ個の画素からなる画像であり、各画素Rij
ついて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックについ
てのON,OFF情報Kij,Cij,Mij,Yijが含まれ
ている。各画素ごとに、それぞれの色について、N値の
値を有する。ここでは一例として最大でN=3とする。
黒のみあるいはカラーのみが3値を有し、カラーあるい
は黒が2値である場合もあるし、黒およびカラーとも3
値である場合もある。そして各画素ごとに、それぞれの
色について、2値の場合には0または1の値を有し、3
値の場合には0,1,2のいずれかの値を有する。な
お、色ごとに横に並んでいる8個あるいは16個の画素
分の値を1つの値として表現する場合もある。
【0030】このようにN値化されたシアン、マゼン
ダ、イエロー、ブラック4色のN値画像は、滲み防止処
理部13に入力されて、滲みを防止した画像に変換する
画像処理が施される。滲み防止処理部13は、要処理画
素抽出部14,領域区分部15,変換処理部16を有し
ている。このうち、要処理画素抽出部14が境界部判別
手段あるいは領域判別手段に対応し、領域区分部15,
変換処理部16が滲み防止処理手段あるいは処理手段に
対応する。
【0031】まず、N値画像が要処理画素抽出部14に
入力されて、滲み防止処理をする必要のある画素、すな
わち、カラーで印字される画素から所定距離の範囲内に
ある黒で印字する画素(K)を抽出する。
【0032】第1の実施の形態においては、黒で印字す
る画素を着目画素として、所定の相対距離内にある参照
画素の中にカラーで印字する画素(C,M,Y)がある
ものを要処理画素とし、この着目画素の中で、要処理画
素に直接にまたは黒で印字する画素(K)を介して隣接
する画素を要処理画素に追加して、滲み処理する必要の
ある画素を抽出する。
【0033】処理対象とされた画素については、領域区
分部15において、カラーで印字される画素(C,M,
Y)までの距離に基づいて、図1に示したエッジ領域4
および隣接エッジ領域3の画素群に区分される。このよ
うにして、画素にどのような滲み防止の処理をかけるか
を決めるための認識を1画素ごとに行う。
【0034】変換処理部16においては、区分された画
素群に属する画素を、画素群ごとに定められた所定の変
換規則に基づいて変換処理する。この変換規則は、黒で
印字する画素を所定の周期性で印字色情報をカラーに置
き換えるものであり、画素変換がなされる画素群ごと
に、カラーで印字する画素までの距離が遠いほど置き換
える画素の割合が小さくなるように定められている。
【0035】記録データ格納部17は、滲み防止処理1
3から出力された画像データをそれぞれ記憶する。記録
制御部18は、記録データ格納部17からの画像データ
の読み出しやインクジェットヘッド駆動部19などの制
御を行う。インクジェットヘッド駆動部19は、記録デ
ータ格納部17から読み出された画像データに従い、イ
ンクジェットヘッド20に対して駆動信号を送出する。
インクジェットヘッド20は、インクジェットヘッド駆
動部19により駆動されたドットに対応して各色のイン
クを噴出し、実際に被記録媒体に記録を行う。3値以上
の色については、この記録動作を同じ記録領域に対して
複数回行い、同じ位置に複数回の液滴噴射を行って重ね
合わせることにより階調表現を行うことが可能である。
【0036】上述した各部の機能は、ディジタル回路な
どによるハードウエアで実現してもよいし、また、CP
Uを用いてソフトウエアで実現してもよい。必要に応じ
て両者を併用してもよい。なお、滲み防止処理13にお
いて、滲み防止以外の他の画像処理を同時に行ってもよ
い。また、要処理画素抽出部14は、後述する第2の実
施の形態のように、黒で印字する画素(K)の全てを処
理対象にするものでもよい。
【0037】図1ないし図3を参照した説明では、第1
の実施の形態の概要について説明した。以下、図4ない
し図18を参照して、滲み防止処理についてより詳細に
説明する。
【0038】図4ないし図6は、本発明の第1の実施の
形態において、N値画像を滲み防止のかかった画像に変
換する処理を説明するための第1〜第3番目のフローチ
ャートである。なお、以下の説明ではN=3として、あ
る画素の色成分はそれぞれ2ビットずつであるとする。
すなわち、ある位置の画素Rijの黒成分は(K1ij,K
ij)、シアン成分は(C1ij,C0ij)、マゼンタ成
分は(M1ij,M0ij)、イエロー成分は(Y1ij,Y
ij)で構成されているものとする。なお、K1ij,C
ij,M1ij,Y1ijを上位ビット、K0ij,C0ij
M0ij,Y1ijを下位ビットと呼ぶことがある。
【0039】図4に示すフローチャートは、図2に示し
た要処理画素抽出部14における初期化処理に対応す
る。滲み防止処理を施すか否かを滲み防止コードBij
して1画素ごとに記憶するためにメモリ領域を確保し初
期化する。
【0040】S31においては、j=0として垂直方向
の第0番目を指示し、S32においては、i=0として
水平方向の第0番目を指示し、S33においては、i,
jによって指示された画素に対して滲み防止コードBi
jを0にセットする。S34においては、iの値を1だ
け進め、S35においては、iの値が図3に示した水平
方向の画素数NI未満であればS33に処理を戻し、i
の値がNI以上であればS36に処理を進める。S36
においては、jの値を1だけ進め、S37においては、
jの値が図3に示した垂直方向の画素数NJ未満であれ
ばS32に処理を戻し、jの値がNJ以上であれば、こ
のフローの処理を終了して図5のフローに処理を進め
る。以上の処理ステップにより、図3に示した全ての画
素について滲み防止コードBijを0にセットすることに
なる。
【0041】図5は、図2に示した要処理画素抽出部1
4の機能に対応し、滲み防止処理を施す画素を見つけ出
す処理を行う。この処理は、1ページの画像について2
回以上繰り返される。この繰り返しは、もう新たに滲み
防止処理を施す画素を見つけ出すことがなくなるまで続
く。S41における処理フラグFは、その繰り返しを続
けるか否かを判断するためのフラグである。S41にお
いては、まず滲み防止処理を施す画素を1ページ分捜し
始めるときに処理フラグFをOffにする。
【0042】以下の判定処理では、多値のデータに対し
て判定処理を行わなければならない。この処理を簡単に
するため、各色ごとの多値のデータについて、論理和を
演算して記録の有無を示す2値のデータにしてから判定
を行う。図7は、各色のビットプレーンおよびその論理
和演算の一例の説明図である。上述のように各画素R ij
について、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色につ
いての2ビットの情報(Y1ij,Y0ij)、(M1ij
M0ij)、(C1ij,C0ij)(K1ij,K0 ij)が含
まれている。ここで図7に示すように、2ビットのうち
上位のビットK1ij,C1ij,M1ij,Y1ijと、下位
ビットをK0ij,C0ij,M0ij,Y0 ijは、それぞれ
上位プレーン、下位プレーンを構成する。図7ではそれ
ぞれ、Y色の上位プレーンをY1,下位プレーンをY
0,M色の上位プレーンをM1,下位プレーンをM0,
C色の上位プレーンをC1,下位プレーンをC0,K色
の上位プレーンをK1,下位プレーンをK0として示し
ている。なお、この上位プレーン、下位プレーンは、も
ちろんそのようなデータ構造を形成してもよいが、実際
にこのようなプレーン画像が形成される必要はなく、以
下の説明において概念的に用いるものである。
【0043】S42においては、j=0として垂直方向
の第0番目を指示し、S43においては、i=0として
水平方向の第0番目を指示して着目画素の位置を初期化
する。S44においては、着目する画素Rijについて、
滲み防止コードBijが0であって、かつ、Rij中の黒の
上位、下位のビットの論理和K1ijorK0ijが1(O
n)でカラーの上位、下位のビットの論理和Y1ijor
Y0ij、M1ijorM0ij、C1ij,orC0ijが0
(Off)であるときには、S45に処理を進める。そ
れ以外の場合、すなわち滲み防止コードBijが0でない
か、またはRij中の論理和K1ijorK0ijが0(Of
f)、または論理和Y1ijorY0ij、M1ijorM0
ij、C1ij,orC0ijのいずれかが1(On)である
ときには、S45,S46をスキップさせてS47に処
理を進める。
【0044】その結果、黒を少なくとも1滴以上印字す
る画素であって、滲み防止コードB ijがまだ0である画
素については、後述するS45,S46において、新た
に滲み防止処理を施す画素を見つけ出す処理を行うこと
になる。
【0045】S45においては、後述する第1の周囲画
素検索ウインドウ内の参照画素のC,M,Yの論理和演
算結果(Y1ijorY0ij、M1ijorM0ij、C
ij,orC0ij)のいずれかが1(On)あるいは後
述する第2の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素の滲
み防止コードBが1であるときには、S46に処理を進
める。第1の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素の論
理和の演算結果がいずれも0(Off)であり、かつ、
第2の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素の滲み防止
コードBが0のときには、S46をスキップさせてS4
7に処理を進める。
【0046】図8は、滲み防止処理を施す画素を見つけ
るための周囲画素検索ウインドウの説明図であり、図8
(A)は第1の周囲画素検索ウインドウ、図8(B)は
第2の周囲画素検索ウインドウの説明図である。図中、
81は第1の周囲画素検索ウインドウ、82は着目画
素、83は参照画素、84は第2の周囲画素検索ウイン
ドウである。
【0047】第1の周囲画素検索ウインドウ81は、中
心に着目画素82があり、一例として、着目画素82か
ら水平,垂直方向に2画素の距離にある周囲の画素を参
照画素83とするもので、参照画素83のC,M,Yの
いずれかがOnになっているかどうかを検索するための
ものである。したがって、第1の周囲画素検索ウインド
ウは、カラーで印字する画素(C,M,Y)から黒で印
字する画素(K)までの距離を判定し、カラーで印字す
る画素(C,M,Y)との境界を認識するためのもので
ある。
【0048】なお、黒で印字する画素(K)の領域とカ
ラーで印字する画素(C,M,Y)の領域とが直接的に
隣接している場合にのみ滲み処理をするのであれば、上
述した距離を1としても差し支えない。しかし、インク
滴が紙に着地する位置の精度が高くない場合には、黒で
印字する画素(K)が無色の狭い領域を挟んでカラーで
印字する画素(C,M,Y)に隣接している場合には、
カラーのインク滴と黒のインク滴とが交じり合って滲み
を生じるおそれがある。そのため、このような場合にも
滲み処理をするために、インクジェット記録装置のイン
ク滴の位置精度に合わせて、距離を2以上にしている。
【0049】第2の周囲画素検索ウインドウ84は、中
心に着目画素82があり、一例として、着目画素82か
ら水平,垂直の4方向に直接に隣接する画素を参照画素
83とするもので、参照画素83の滲み防止コードBが
1になっているかどうか検索するためのものである。し
たがって、滲み防止コードBに1が付与され、滲み処理
をする対象となった画素に隣接する、黒で印字する画素
(K)についても滲み処理の対象とする。
【0050】図5に示したフローチャートに戻って説明
をする。S45において、第1の周囲画素検索ウインド
ウ81の中の参照画素についてC,M,Yの論理和演算
結果のいずれかが1(On)になっている場合、あるい
は、第2の周囲画素検索ウインドウ84の中の参照画素
について滲み防止コードBが1になっている場合には、
この着目画素82は、新たに滲み防止処理を施す画素と
して認識され、S46において、Bijを1にセットする
とともに、処理フラグFをONにして、S47に処理を
進める。処理フラグFのOnは、この回の1ページ分の
処理において新たに滲み防止処理を施す画素が少なくと
も1個見つけ出されたことを示す。
【0051】S47においては、iの値を1だけ進め、
S48においては、iの値がNI未満であるときにはS
44に処理を戻し、iの値がNI以上であるときにはS
49に処理を進める。S49においては、jの値を1だ
け進め、S50においては、jの値がNJ未満であると
きにはS43に処理を戻し、jの値がNJ以上であると
きにはS51に処理を進める。S51においては、処理
フラグFがOnであるときには、S42に処理を戻し、
処理フラグFがOffであるときには、このフローの処
理を終了して図6に示すフローに進む。その結果、1ペ
ージ分の処理が終了しても、新たに滲み防止処理を施す
画素が見つけ出されなくなる、つまり処理フラグFがO
FFのままであるようになるまで、S41〜S51の処
理を繰り返すことになる。
【0052】上述した繰り返し処理により、黒で印字す
る画素(K)中で、滲み防止処理を施すべき画素として
認識した要処理画素に直接にまたは他の黒で印字する画
素(K)を介して隣接する画素についても、滲み防止処
理を施す要処理画素として追加認識し、その結果、カラ
ーで印字する画素(C,M,Y)に所定の距離内で連接
する黒で印字する画素についても滲み防止処理を施すこ
とになる。すなわち、カラーで印字する画素(C,M,
Y)から所定の距離以内にある黒で印字する画素(K)
に連接する黒で印字する画素(K)、すなわち、直接的
に、または、黒で印字する他の画素(K)を介して隣接
する黒で印字する画素(K)については、滲み防止コー
ドBが1になるが、白地の中に所定距離だけ離れて孤立
している黒で印字する画素(K)の領域は、滲み防止コ
ードが0のままである。
【0053】図6に示すフローチャートは、図2に示し
た領域区分部15および変換処理部16の機能に対応す
るものである。S61においては、jの値を0とし、S
62においては、iの値を0として、着目画素の位置の
初期化を行ない、以後、全ての画素について処理が行わ
れる。まず、S63においては、着目画素のBijの値が
1であるときには、さらにS64に処理を進め、滲み防
止処理を開始し、0であるときにはS65に処理を進め
る。
【0054】S64においては、後述する第3の周囲画
素検索ウィンドウ内の参照画素のC,M,Yの論理和演
算結果(Y1ijorY0ij、M1ijorM0ij、C
ij,orC0ij)のいずれかが1(On)であるとき
には、図1に示したエッジ領域4であるとしてS66に
処理を進める。また、C,M,Yの論理和演算結果がい
ずれも0(Off)であるときには、図1に示した隣接
エッジ領域3であるとしてS67に処理を進める。
【0055】図9は、エッジ領域を検索するための第3
の周囲画素検索ウインドウの説明図である。図中、図8
と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。9
1は第3の周囲画素検索ウインドウである。第3の周囲
画素検索ウインドウ91は、中心に着目画素82があ
り、一例として、着目画素82から水平,垂直方向に4
画素の距離にある周囲の画素を参照画素83とするもの
で、参照画素83のC,M,Yの論理和演算結果のいず
れかが1(On)になっているか否かを検索するための
ものである。
【0056】第3の周囲画素検索ウインドウ91は、黒
で印字する画素(K)から、カラーで印字する画素
(C,M,Y)までの距離を判定してエッジ領域とする
画素を認識するためのものである。この距離は、インク
の普通紙への滲みの程度によって決められるが、この例
では、距離を4画素として、図8(A)に示した第1の
周囲画素検索ウインドウ81の距離の2画素よりも長く
している。
【0057】S65においては、着目画素について4色
とも処理を行わないでS68に処理を進める。
【0058】S66においては、図1に示したエッジ領
域4に区分される着目画素のRijの上位ビットK1ij
C1ij,M1ij,Y1ijをすべて0にするとともに、下
位ビットをK0ij,C0ij,M0ij,Y0ijは、それぞ
れ後述する第1の画素変換規則(M1K0ij,M1C0
ij,M1M0ij,M1Y0ij)で置き換え、S68に処
理を進める。
【0059】S67においては、図1に示した隣接エッ
ジ領域3に区分される黒で印字する画素について、上位
ビットK1ij,C1ij,M1ij,Y1ijをすべて0にす
るとともに、第2の画素変換規則(M2K0ij,M2C
ij,M2M0ij,M2Y0 ij)で下位ビットをK
ij,C0ij,M0ij,Y0ijを置き換えS68に処理
を進める。
【0060】図10は、第1,第2の画素変換規則を表
わす説明図であり、図10(A)はエッジ領域に適用さ
れる第1の画素変換規則の説明図であり、図10(B)
は隣接エッジ領域に適用される第2の画素変換規則の説
明図である。各画素は、画像の絶対座標(i,j)に基
づいて決められ、周期性を有するので、原点(0,0)
近傍の8×8画素についてだけ例示している。
【0061】図10(A)に示す第1の画素変換規則
は、カラー画像に隣接する黒画像の領域の中で最もカラ
ー画像と近い領域に適用される変換規則である。水平方
向の画素の位置を表わすiの値と垂直方向の画素の位置
を表わすjの値について、iの値が偶数であってjの値
が奇数である場合、または、iの値が奇数であってjの
値が偶数である場合に、本来は黒で印字する画素(K)
の印字色情報をシアンとマゼンタのインクの混色による
カラー(CM)に置き換え、残りの画素については黒と
シアンとマゼンタのインクの混色によるカラー(KC
M)に置き換えるというものである。
【0062】図10(B)に示す第2の画素変換規則
は、iを4で割った余りが0であって、かつ、jの値が
奇数である場合に、本来は黒で印字する画素(K)の印
字色情報を黒とシアンとマゼンタとイエローのインクの
混色によるカラー(KCMY)に置き換える。また、i
を4で割った余りが2であって、かつ、jの値が奇数で
ある場合に、本来は黒で印字する画素(K)の印字色情
報をシアンとマゼンタとイエローのインクの混色による
カラー(CMY)に置き換える。さらに残りの画素につ
いては置き換えをしないというものである。
【0063】図11、図12は、図10(A)に示した
第1の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色
ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図11
(A)は黒のマトリクスM1Kij、図11(B)はシア
ンのマトリクスM1Cij、図12(A)はマゼンタのマ
トリクスM1Mij、図12(B)はイエローのマトリク
スM1Yijを表わす説明図である。
【0064】同様に、図13、図14は、図10(B)
に示した第2の画素変換規則を実際の処理に用いるとき
の、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であ
り、図13(A)は黒のマトリクスM2Kij、図13
(B)はシアンのマトリクスM2Cij、図14(A)は
マゼンタのマトリクスM2Mij、図14(B)はイエロ
ーのマトリクスM2Yijを表わす説明図である。
【0065】再び図6に戻って処理フローを説明する。
S68においては、iの値を1だけ進め、S69におい
ては、iの値がNI未満の場合にはS63に処理を進
め、iの値がNI以上の場合にはS70に処理を進め
る。S70においては、jの値を1だけ進め、S71に
おいては、jの値がNJ未満の場合にはS62に処理を
進め、jの値がNJ以上の場合には、滲み防止処理を終
了する。
【0066】上述した滲み防止処理について、第1〜第
3の周囲画素検索ウインドウ81,84,91の大きさ
や形状、第1の画素変換規則,第2の画素変換規則は、
上述した特定の例に限られるものではない。例えば、周
囲画素検索ウインドウの大きさを変更することができ
る。インク、紙の性質、インク滴のドロップ量、印字速
度、画像解像度等によって良好となる画質は異なる。
【0067】なお、図4,図5に示したフローチャート
の処理を実行する代わりに、着目画素が単に黒で印字す
る画素(K)であるか否かを判定するだけでもよい。こ
の場合でも、図6に示したステップS64における図9
に示した第3の周囲画素検索ウインドウ91を用いた検
索で、滲み防止処理対象とする画素の領域を認識するこ
とができる。しかし、図4,図5に示したフローチャー
トの処理を実行した方が、インク,紙の性質,インク滴
のドロップ量,印字速度,画像解像度等に応じて、着目
画素を滲み防止処理を行う対象とするための基準と、エ
ッジ領域内であると認識するための基準とを、個別に設
定できるという自由度がある。すなわち、黒で印字する
画素(K)である着目画素からカラーで印字する画素
(C,M,Y)までの距離を個別に設定することができ
る。
【0068】上述した、第1の実施の形態のカラー画像
処理装置を用いたときの、具体的な処理の実例を図15
ないし図18を参照して説明する。第1,第2の画素変
換規則としては、図10に示したものを用いる。
【0069】図15は、図2に示したN値化部でN値化
を終えた画像データの一具体例である。この画像データ
に第1の実施の形態のカラー画像処理装置を適用してみ
る。この例では、水平,垂直方向に20個の画素からな
る画像であり、図中、各画素Rijについて、黒、イエロ
ー、マゼンダ、シアンについての論理和演算結果(K1
ijorK0ij,Y1ijorY0ij、M1ijorM0ij
C1ij,orC0ij)を示す代わりに、K,C,M,Y
で黒、シアン、マゼンダ、イエローの各色のインクで印
字すべき画素を表している。太い実線で囲まれた領域が
黒で印字する画素(K)の領域(遅乾性画像領域)とな
っている。太い実線より外側の領域がカラーで印字する
画素の領域(速乾性画像領域)である。ここではイエロ
ーのインクを2滴重ねて濃い黄色を記録するものとし、
2滴を重ねていることを‘yy’として示している。
【0070】図16は、図15に示した画像データに対
する滲み防止コードのセット状況の説明図である。図2
に示した要処理画素抽出部14の処理出力である。同時
に、図5に示したフローチャートの処理結果の状態でも
ある。図8に示した第1,第2の周囲画素検索ウインド
ウ81,84を用いて、Bijをセットした状態である。
図中、0,1は滲み防止コードBijが0,1であること
を表わす。この具体例では、図15に示したように、全
ての黒で印字する画素(K)が、イエローで印字する画
素(yy)に連接しているため、図16に示すように、
太い実線で囲まれた全ての黒で印字する画素(K)の滲
み防止コードが1になっている。
【0071】図17は、エッジ領域と隣接エッジ領域を
表わす説明図である。図2に示した領域区分部15の処
理出力である。同時に、図6に示したS63,S64の
ステップの処理を行なった結果を表わすものでもある。
図16に示した滲み防止コードBijが1の画素群に対し
て、図9に示した第3の周囲画素検索ウインドウ91を
用いて、図中、の画素群が、図1に示したエッジ領域
4であり、1の画素群が図1に示した隣接エッジ領域3
であると認識される。エッジ領域は、イエローで印字す
る画素(yy)と黒で印字する画素(K)との境界線か
ら正確に4画素の幅を有している。
【0072】図18は、エッジ領域および隣接エッジ領
域に対して第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防
止処理を施した後の画像データの説明図である。なお、
図18においてシアンとマゼンタによるカラーをB
(青)として示し、黒とシアンとマゼンタによるカラー
をKBとして示している。また、シアンとマゼンタとイ
エローによるカラー(プロセスブラック)をPとして示
し、さらに黒を重ねる場合にはKPとして示している。
【0073】図18は図2に示した変換処理部16の出
力である。同時に、図6に示したS65、S66、S6
7のステップの処理結果を表わす状態でもある。図17
に示したの画素群について、図11,図12の第1の
画素変換規則を用いてON、OFFの変更を行ない、図
17に示した1の画素群について、図13,図14の第
2の画素変換規則を用いてON、OFFの変更を行う。
その結果、滲み防止処理が施された画像が生成される。
【0074】第1の画素変換規則が適用された画素で
は、インクの紙への浸透速度が上がり、隣接するカラー
画像への滲み出しがなくなる。さらに、第2の画素変換
規則が適用された画素でも、インクの紙への浸透速度は
少し上がり、隣接する第1の画素変換規則が適用された
画素へのインクの流れ出しが少なくなる。また、第1の
画素変換規則がカラー画像に隣接する狭い範囲に適用さ
れるのに比べて、大部分の隣接エッジ領域に第2の画素
変換規則が適用されるため、カラーに隣接する黒画像の
全てを第1の画素変換規則で変換する場合に比べ、黒画
像の中に印字するカラーインクの割合が少なくてすみ、
画像の濃度は高くなり、色目のずれは小さくなる。
【0075】次に、本発明のカラー画像処理装置の第2
の実施の形態を説明する。図2に示した機能ブロックの
概要構成図において、滲み防止処理部13の要処理画素
抽出部14では、単に、黒で印字する画素(K)を処理
対象として、簡略化する。
【0076】領域区分部15では、処理対象を着目画素
として、第1の所定の距離以内にカラーで印字する画素
(C,M,Y)があるか否かを判定し、着目画素から第
1の所定の距離以内にカラーで印字する画素があると判
断された場合には、エッジ領域の画素群であると認識
し、第1の所定の距離以内にカラーで印字する画素
(C,M,Y)がないと判断された場合には、さらに、
第1の所定距離より大きい第2の所定の距離以内にカラ
ーで印字する画素(C,M,Y)があるか否かを判定
し、着目画素から第2の所定の距離以内にカラーで印字
する画素があると判断された場合には、隣接エッジ領域
3の画素群であると認識する。すなわち、隣接エッジ領
域とは、黒画素の中で第1の所定距離以内にカラーで印
字する画素が存在しないが、第2の所定距離以内にカラ
ー画像が存在する領域である。なお、カラーで印字する
画素か否かの判定は、各色ごとの論理和演算結果(K1
ijorK0 ij,Y1ijorY0ij、M1ijorM0ij
C1ij,orC0ij)を用いて行う。
【0077】変換処理部16では、エッジ領域にある画
素については、予め定められた周期性を有する第1の画
素変換規則で印字色情報をカラーに置き換え、隣接エッ
ジ領域にある画素については、予め定められた周期性を
有する第2の画素変換規則で印字色情報をカラーに置き
換える。エッジ領域,隣接エッジ領域のいずれとも認識
されなかった画素については、黒で印字する画素(K)
の変換処理をしない。
【0078】図19は、本発明のカラー画像処理装置の
第2の実施の形態を説明するためのフローチャートであ
る。S103は、図2に示した要処理画素抽出部14の
処理に対応し、S104〜S105は、領域区分部15
の処理に対応し、S106〜S108が変換処理部16
に対応し、全ての画素について処理が行われる。
【0079】S101においては、j=0としてN値画
像(ここでは3値画像)の垂直方向の第0番目を指示
し、S102においては、i=0として水平方向の第0
番目を指示し、S103においては、i,jによって指
示された着目画素Rijを調べ、Rij中の黒の上位、下位
のビットの論理和K1ijorK0ijが1(On)でカラ
ーの上位、下位のビットの論理和Y1ijorY0ij、M
ijorM0ij、C1ij,orC0ijが0(Off)で
あるときには、S104に処理を進める。それ以外の場
合、すなわちRij中の論理和K1ijorK0ijが0(O
ff)、または論理和Y1ijorY0ij、M1ijorM
ij、C1ij,orC0ijのいずれかが1(On)であ
るときには、S106に処理を進める。
【0080】S104においては、後述する第1の周囲
画素検索ウインドウ内の画素のC,M,Yの論理和演算
結果を調べ、いずれかが1(On)であるときには、S
107に処理を進める。また、第1の周囲画素検索ウイ
ンドウ内の画素のC,M,Yの論理和演算結果がいずれ
も0(Off)であるときには、S105に処理を進め
る。S105においては、第2の周囲画素検索ウインド
ウ内の画素のC,M,Yの論理和演算結果を調べ、いず
れかが1(On)であるときには、S108に処理を進
める。また、第2の周囲画素検索ウインドウ内の画素の
C,M,Yの論理和演算結果のいずれも0(Off)で
あるときには、S106に処理を進める。
【0081】図20は、周囲画素検索ウインドウの説明
図であり、図20(A)は第1の周囲画素検索ウインド
ウ121、図20(B)は第2の周囲画素検索ウインド
ウ122の説明図である。第1,第2の周囲画素検索ウ
インドウ121,122は、図8に示した第1の周囲画
素検索ウインドウ81、図9に示した第3の周囲画素検
索ウインドウ91とウインドウサイズを一致させたもの
を例示しているが、処理結果は後述するように異なるも
のとなる。
【0082】S106においては、Kij,Cij,Mij
ijをそのままにしてS109に処理を進める。S10
7においては、上位ビットK1ij,C1ij,M1ij,Y
ijをすべて0にするとともに、下位ビットをK0ij
C0ij,M0ij,Y0ijは、例えば図10(A)に示し
た第1の変換規則(M1K0ij,M1C0ij、M1M0
ij,M1Y0ij)、具体的には図11,図12に示した
ものを用いて変換処理を行う。S108においては、上
位ビットK1ij,C1ij,M1ij,Y1ijをすべて0に
するとともに、下位ビットをK0ij,C0ij,M0ij
Y0ijは、例えば図10(B)に示した第2の変換規則
(M2K0ij,M2C0ij、M2M0ij,M2Y
ij)、具体的には図13,図14に示したものを用い
て変換処理を行う。
【0083】S109においては、iの値を1だけ進
め、S110においては、iの値がNI未満であるとき
にはS103に処理を戻し、iの値がNI以上であると
きにはS111に処理を進める。S111においては、
jの値を1だけ進め、S112においては、jの値がN
J未満であるときにはS102に処理を戻し、jの値が
NJ以上であるときには滲み防止処理を終了する。
【0084】上述した処理により、図20(A)に示し
た第1の周囲画素検索ウインドウ121に基づき、2画
素の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)が
ある黒で印字する画素(K)については、S104のス
テップでエッジ領域として認識され、S107のステッ
プで第1の画素変換規則を用いて印字色情報に対して変
換処理を行う。図20(B)に示した第2の周囲画素検
索ウインドウ122に基づき、エッジ領域を除き、4画
素の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)が
存在する、黒で印字する画素(K)については、S10
5のステップで隣接エッジ領域として認識され、S10
8のステップで第2の画素変換規則を用いて変換処理を
行う。
【0085】また、図20(B)に示した第2の周囲画
素検索ウインドウ122に基づき、4画素の距離以内に
カラーで印字する画素(C,M,Y)が存在しない、黒
で印字する画素(K)については、S105のステッ
プ,S106のステップで変換処理は行われない。した
がって、4画素の距離を超えてカラーで印字する画素
(C,M,Y)がない白地の中に孤立した黒で印字する
画素(K)の領域および、他の黒で印字する画素(K)
に連接していてもカラーで印字する画素(C,M,Y)
から4画素の距離を超えた黒で印字する画素(K)につ
いては、変換処理は行われない。
【0086】上述した、第2の実施の形態のカラー画像
処理装置を用いたときの、具体的な処理の実例を図2
1,図22を参照して説明する。
【0087】図21は、エッジ領域と隣接エッジ領域を
表わす説明図である。図15に示した画像データに対し
て、図2に示した領域区分部15の処理出力である。同
時に、図19に示したS103、S104,S105の
ステップの処理を行なった結果を表わすものでもある。
【0088】図20に示した第1の周囲画素検索ウイン
ドウ121内の画素のC,M,Yの論理和演算結果を調
べ、いずれかが1(On)になる画素を、エッジ領域の
画素であるとして1で表し、引き続き第2の周囲画素検
索ウインドウ122内の画素のC,M,Yの論理和演算
結果を調べ、いずれかが1(On)になる画素を、隣接
エッジ領域の画素であるとして2で表している。エッジ
領域は、イエローで印字する画素(yy)と黒で印字す
る画素(K)との境界線から正確に2画素の幅を有し、
隣接エッジ領域は、イエローで印字する画素(yy)と
黒で印字する画素(K)との境界線から正確に4画素の
幅を有し、エッジ領域との境界線から正確に2画素の幅
を有している。
【0089】図22は、エッジ領域および隣接エッジ領
域に対して第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防
止処理を施した後の画像データの説明図である。図2に
示した変換処理部16の出力である。同時に、図19に
示したS106、S107、S108のステップの処理
結果を表わすものでもある。なお、図中の各画素の表記
は図15および図18と同様である。図21に示した1
の画素群について、図11,図12の第1の画素変換規
則を用いて変換処理を行ない、図21に示した2の画素
群について、図13,図14の第2の画素変換規則を用
いて変換処理を行う。その結果、滲み防止処理が施され
た画像が生成される。
【0090】この処理によって、第1の画素変換規則が
適用された画素では、インクの紙への浸透速度が上が
り、隣接するカラー画像への滲み出しがなくなる。さら
に、第2の画素変換規則が適用された画素でも、インク
の紙への浸透速度は少し上がり、隣接する第1の画素変
換規則が適用された画素へのインクの流れ出しがなくな
る。また、第1,第2の画素変換規則が適用されたエッ
ジ領域,隣接エッジ領域の画素がカラー画像に隣接する
狭い範囲に適用されるに比べて、大部分は黒で印字され
る画素(K)の領域となるため、さらに、黒画像の中に
印字するカラーインクの割合が少なくてすみ、画像の濃
度は高くなり、色目のずれは小さくなる。
【0091】上述した説明では、図2に示した領域区分
部15において、黒で印字する画素(K)を、カラーで
印字する画素までの距離が最も近いエッジ領域、エッジ
領域に次いで距離が近い隣接エッジ領域、および、距離
が遠い領域の3つの領域に属する画素群に区分し、エッ
ジ領域,隣接エッジ領域の画素群に対して、第1,第2
の画素変換規則を用いて印字色情報をカラーに置き換え
る変換処理を施した。
【0092】しかし、複数の周囲画素検索ウインドウ
を、着目画素からの距離の範囲を異ならせて3種類以上
設けることによって、黒で印字する画素(K)を4つ以
上の画素群に区分し、各画素群に応じて異なる画素変換
規則を用いてもよい。その際、この画素変換規則は、画
素群がカラーで印字する画素(C,M,Y)から遠くな
るにつれて、徐々に印字色情報をカラーに置き換える画
素の割合が減少するように設定する。その際、カラー画
像から最も距離が遠い領域については、置き換えをして
もよいが、図22に示したように置き換えを全く行わな
いようにしてもよい。
【0093】すなわち、着目画素に対する1画素以上の
相異なる距離にある画素の領域を複数定義し、さらにそ
れぞれの領域の画素群に対して、ある周期性の画素変換
規則を対応させておき、全ての黒で印字する画素(K)
を着目画素として、これに対して予め定められた第1の
相対位置の範囲にある画素群の中にカラーで印字する画
素(C,M,Y)があると判断された場合には、着目画
素を予め定められた周期性を有する第1番目の画素変換
規則でカラーの印字に置き換え、同様に、第2番目以降
の第n番目の相対位置の範囲にある画素群の中にカラー
で印字する画素があると判断された場合には、着目画素
を、予め定められた周期性を有する第n番目の画素変換
規則で印字色情報をカラーに置き換えることを繰り返
す。
【0094】逆に、上述の第1の実施の形態と同様に黒
で印字する画素の領域を内部と隣接部に分けるだけとす
ることも可能である。図23は、本発明のカラー画像処
理装置の第2の実施の形態の変形例を説明するためのフ
ローチャートである。ここでは図19と同様のステップ
には同じ符号を付して説明を省略する。また、ここでは
周囲画素検索ウィンドウとして、単一のウィンドウを用
いる。ここでは例えば図20(B)に示すようなウィン
ドウを用いることとする。
【0095】図19と同様に、S103において、i,
jによって指示された着目画素Rijを調べ、Rij中の黒
の上位、下位のビットの論理和K1ijorK0ijが1
(On)でカラーの上位、下位のビットの論理和Y1ij
orY0ij、M1ijorM0ij、C1ij,orC0ij
0(Off)であるときには、S113に処理を進め
る。それ以外の場合、すなわちRij中の論理和K1ij
rK0ijが0(Off)、または論理和Y1ijorY0
ij、M1ijorM0ij、C1ij,orC0ijのいずれか
が1(On)であるときには、S106に処理を進め、
変換処理を行わない。
【0096】S113においては、例えば図20(B)
に示すような周囲画素検索ウインドウ内の画素のC,
M,Yの論理和演算結果を調べ、いずれかが1(On)
であるときには、S107に処理を進め、上述のように
第1の変換規則による変換処理を行う。また、第1の周
囲画素検索ウインドウ内の画素のC,M,Yの論理和演
算結果がいずれも0(Off)であるときには、S11
4に処理を進める。S114においては、S113と同
じ周囲画素検索ウインドウ内の画素のKの論理和演算結
果を調べ、すべてが1(On)であるときには、S10
8に処理を進め、第2の変換規則に従って変換処理を行
う。また、S114で周囲画素検索ウインドウ内の画素
のKの論理和演算結果のいずれかが0(Off)である
ときには、S106に処理を進め、変換処理を行わな
い。
【0097】図24は、図2に示したN値化部でN値化
を終えた画像データの別の具体例、図25は、同じく滲
み防止処理を施した後の画像データの別の具体例の説明
図である。図中の各画素の表記は図15,図18と同様
である。図24に示すような画像データに第2の実施の
形態の変形例を適用してみる。図24に示す例では、水
平,垂直方向に20個の画素からなる画像であり、図
中、各画素Rijについて、黒、イエロー、マゼンダ、シ
アンについての論理和演算結果(K1ijorK0 ij,Y
ijorY0ij、M1ijorM0ij、C1ij,orC0
ij)を示す代わりに、K,C,M,Yで黒、シアン、マ
ゼンダ、イエローの各色のインクで印字すべき画素を表
している。太い実線で囲まれた領域が黒で印字する画素
(K)の領域(遅乾性画像領域)となっている。太い実
線より外側の領域において、上から11画素にはカラー
で印字する画素(ここではイエローインクを2滴重ねて
記録するためyyで表記)の領域(速乾性画像領域)が
存在するが、その下の9画素については、何も印字しな
い空白領域である。
【0098】図24に示すような画像では、黒で印字す
る画素(K)の領域の下から4画素について図20
(B)に示す周囲画素検索ウィンドウを適用すると、周
囲画素検索ウィンドウ内にC、M、Yの論理和演算結果
が1(On)となる画素は存在しないし、また、Kの論
理和演算結果が1(On)とはならない画素が存在す
る。このような場合には、図23のS114からS10
6へ進むため、変換処理を行わない。これによって、滲
み防止処理後の画像は図25に示すようになる。
【0099】このようにして、カラーで印字するの画素
と隣接しない黒で印字する画素の領域のエッジ部分を黒
インクのみで記録することができる。これによって、カ
ラーと隣接しないエッジ部分をシャープに再現すること
ができる。
【0100】上述した第2の実施の形態およびその変形
例においても、周囲画素検索ウインドウの大きさや形状
は、図20に示したものに限られない。画素変換規則に
ついても、図10ないし図14に示したものに限られる
ものではない。インク,紙の性質,インク滴のドロップ
量,印字速度,画像解像度等によって良好となる画質は
異なる。なお、変換規則についていくつかの例を後で示
している。
【0101】また、図2に示した機能ブロックの概要構
成図において、滲み防止処理部13の要処理画素抽出部
14の簡略化を行わず、第1の実施の形態と同様な方法
で滲み防止処理を施す画素を抽出し、それ以外の黒で印
字する画素(K)については、変換処理をしないように
してもよい。なお、第1の実施の形態において説明した
要処理画素抽出部14は、隣接エッジ領域を設けない
で、エッジ領域の画素の印字色情報を置き換える従来の
画像処理装置に用いても、設計の自由度が上がるという
同様な効果を奏する。
【0102】上述した説明では、周囲画素検索ウインド
ウとして、第1の実施の形態の、図8(B)に示した第
2の周囲画素検索ウインドウ82を除き、着目画素から
所定の距離の範囲内にある全ての画素の集合とした。し
かし、必ずしも全ての画素を参照画素とする必要はな
い。
【0103】図26は、周囲画素検索ウインドウの第1
の変形例の説明図である。例えば、第2の実施の形態に
おいて、図20に示した第2の周囲画素検索ウインドウ
122は、図19に示したフローチャートのS104で
第1の周囲画素検索ウインドウ121が用いられた後に
S105で用いるものである。したがって、周囲画素検
索ウインドウ122に代えて、着目画素から2画素の距
離にある画素を参照画素としない周囲画素検索ウインド
ウ131を用いても、第2の周囲画素検索ウインドウ1
22と同じ結果が得られるとともに、周囲画素検索の処
理速度を向上させることができる。
【0104】図27は、周囲画素検索ウインドウの第2
の変形例の説明図である。図27(A)は着目画素から
の距離が2画素の周囲画素検索ウインドウ141、図2
7(B)は着目画素からの距離が4画素の周囲画素検索
ウインドウ142の説明図である。図27(A)に示す
周囲画素検索ウインドウ141は、黒で印字する着目画
素82からの距離が2画素となる参照画素83を、水
平,垂直,斜め方向に計8個有する周囲画素検索ウイン
ドウである。図27(B)に示す周囲画素検索ウインド
ウ142は、黒で印字する着目画素82から水平,垂
直,斜め方向に距離が4画素となる参照画素83からな
る、計8個の参照画素の集合を有する周囲画素検索ウイ
ンドウである。いずれも、検索ウインドウ内にある残り
の画素は、検索の対象となる参照画素83としない。
【0105】周囲画素検索ウインドウ141は、同じウ
インドウサイズである、第1の実施の形態の、図8
(A)に示した第1の周囲画素検索ウインドウ81、第
2の実施の形態の、図20(A)に示した第1の周囲画
素検索ウインドウ121の代わりに用いることができ
る。また、周囲画素検索ウインドウ142は、第1の実
施の形態の、図9に示した第3の周囲画素検索ウインド
ウ91、第2の実施の形態の、図20(B)に示した第
2の周囲画素検索ウインドウ122の代わりに用いるこ
とができる。黒で印字する画素(K)から所定範囲にカ
ラーで印字する画素(C,M,Y)があるかどうかの認
識に、ある程度のミスが発生することは避けられない
が、参照画素83の数を減らせることができるため、周
囲画素検索の処理速度を向上させることができる。
【0106】上述した説明では、ウインドウ中で参照画
素83とするものを8方向に1つずつとしたが、これ以
下でもよく、また、逆に、これらに加えて、ウインドウ
内のの周辺部に位置する画素や、距離がウインドウサイ
ズよりも小さい、画素を加えてもよい。着目画素から所
定の相対距離以内にある画素の少なくとも1つを含まな
いものであればよい。なお、着目画素82から各参照画
素83までの距離の最大値が、この周囲画素検索ウイン
ドウのウインドウサイズとなる。
【0107】したがって、上述した周囲画素検索ウイン
ドウ141,142の少なくとも1つを使用する場合
は、周囲画素検出ウィンドウを、着目画素から所定の相
対位置内にある1個以上の参照画素の集合として定義
し、この周囲画素検出ウィンドウを1個または、ウイン
ドウサイズの異なる複数個を用いて、参照画素の集合の
中にカラーで印字する画素があるか否かの判定をして複
数の領域の画素群に区分して、それぞれの画素群に対し
て、ある周期性の置き換え規則を対応させて、黒で印字
する画素(K)の印字情報をカラーに置き換えることに
なる。
【0108】以下、第1,第2の変換規則について、い
くつかの例を示す。まず第1の例では、Y、M、C色の
カラーインクについては2階調、Kインクについては3
階調で記録が可能であるものとして説明する。この場
合、図2に示すインクジェットヘッド20から3階調の
Kインクのインク滴を噴射する際には、1回の噴射動作
によって噴射されるKインクのインク量は、2階調のカ
ラーインクの場合よりも少ない。以下、少ないインク量
で記録する場合には、英小文字を用いるものとし、2滴
を重ねる場合には、英小文字を重ねて用いる。すなわ
ち、Kインク1滴で記録する場合には‘k’と記し、2
滴を重ねて記録する場合には‘kk’と記すことにす
る。なお、2階調により記録する場合には、記録する画
素にはインク色を示す英大文字を用いて記す。すなわち
この第1の例ではカラーインクについては、C、M、Y
と表記する。また、黒の印字を行う画素の領域を黒画像
領域、カラーの印字を行う画素の領域をカラー画像領域
と呼ぶことにする。
【0109】図28は、滲み防止処理部における変換処
理の第1の例で用いる第1の変換規則の一例の説明図で
ある。上述のように、第1の変換規則は黒画像領域のう
ち、カラー画像領域に隣接する数画素の部分において用
いる。図28に示した第1の変換規則では、図28
(A)に示すように、Kインク1滴あるいは2滴で記録
する着目画素について、着目画素の位置がi,jで示さ
れるとき、i+jが偶数のときにはKインク1滴とそれ
に重ねてCインクおよびMインクを記録し、i+jが奇
数のときにはKインクを用いずにCインクとMインクを
重ねて記録するように、変換処理を行う。さらに具体的
には、i+jが偶数のとき着目画素RijのK1ij
「0」、Cij、Mijを「1」にすればよい。また、i+
jが奇数のとき着目画素RijのK1ij、K0ijとも
「0」、Cij、Mijを「1」にすればよい。このような
変換処理によって、図28(B)に示すような黒画像領
域の画素群は、図28(C)に示すように変換される。
この例は、上述の第1の実施の形態において第1の変換
規則として用いたものである。
【0110】このような変換処理によって、図28
(B)ではKインクで4〜8滴記録していたのに比べ、
図28(C)ではKインクで2滴のみ記録することにな
る。そのため、カラー画像領域との隣接部におけるKイ
ンクのインク量が減少し、色間の滲みを起こしにくくな
る。さらに、速乾性のカラーインクをKインクのドット
に隣接させ、また重ねて記録することによって、遅乾性
のKインクの被記録媒体への浸透を促進させ、さらに色
間の滲みを低減することができる。
【0111】なお、図28に示す例ではCインクとMイ
ンクをKインクと置き換え、あるいは重ねて記録してい
るが、C色とM色により青色となる。そのため、黒画像
領域のカラー画像領域との隣接部においては、黒が多少
青みを帯びることになるが、青色は明度が低く、見かけ
上は全体としてほとんど黒に近くなる。また、カラー画
像領域との隣接部分として判定される画素は、カラー画
像領域との境界から数画素程度であり、見かけ上はほと
んど気にならない。
【0112】図29は、滲み防止処理部における変換処
理の第1の例で用いる第2の変換規則の一例の説明図で
ある。上述のように、第2の変換規則は黒画像領域のう
ち、カラー画像領域に隣接する部分より内部において用
いる。図29に示した第2の変換規則では、図29
(A)に示すように、Kインク1滴あるいは2滴で記録
する着目画素について、着目画素の位置がi,jで示さ
れるとき、iを4で割った余りとjを4で割った余りの
組み合わせが(0,3)、(2,1)のときはKインク
を用いずにCインク、Mインク、Yインクを重ねて記録
するように変換処理を行う。また、iを4で割った余り
とjを4で割った余りの組み合わせが(0,1)、
(2,3)のときはKインク1滴と、Cインク、Mイン
ク、Yインクを重ねて記録するように変換処理を行う。
それ以外の場合には、そのままとする。
【0113】このような変換処理によって、図29
(B)に示すようにKインクによる画像領域のイメージ
データは、図29(C)に示すように変換される。この
変換処理では、Kインクによる画素をC+M+Yを重ね
て記録している。C+M+Yは、黒となる。黒インクに
よる黒と区別するため、このC+M+Yによる黒色をプ
ロセスブラックと呼ぶ。プロセスブラックは、黒インク
による黒とは色的には多少異なるものの、一部の画素が
プロセスブラックに置き換わっても全体として黒色とな
る。また、カラー画像領域との隣接部よりも黒インクの
液滴数の減少が少ないので、十分な濃度を表現すること
ができる。なおこの例は、上述の第1の実施の形態にお
いて第2の変換規則として用いたものである。
【0114】このように第2の変換規則により、黒イン
クの画素の一部においてプロセスブラックに置き換え、
また一部について黒インクと重ねて記録することによっ
て、黒画像領域の内部における黒インクの被記録媒体へ
の浸透を促進することができる。そのため、カラー画像
領域との隣接部と黒画像領域の内部との間に擬似輪郭な
どが発生せず、良好な画質を得ることができる。
【0115】図30は、滲み防止処理部における変換処
理の第1の例で用いる第2の変換規則の別の例の説明図
である。図30に示した第2の変換規則では、図30
(A)に示すように、Kインク1滴あるいは2滴で記録
する着目画素について、着目画素の位置がi,jで示さ
れるとき、iを2で割った余りとjを2で割った余りの
組み合わせが(0,0)のときはKインクを用いずにC
インク、Mインク、Yインクを重ねてプロセスブラック
により記録するように変換処理を行う。それ以外の場合
には、そのままとしている。
【0116】このような第2の変換規則と、図28に示
した第1の変換規則によって処理を行うことにより、図
30(B)に示すようにYインクによるカラー画像領域
とKインクによる黒画像領域とが接しているイメージデ
ータは、図30(C)に示すように変換される。
【0117】このような第2の変換規則を用いても、黒
画像領域内部におけるKインクの浸透を促進し、カラー
画像領域との隣接部と内部との間における擬似輪郭の発
生を防止することができる。この例では、黒画像領域内
部においてプロセスブラックとKインクとを重ねないの
で、被記録媒体に付着する総インク量を少なくすること
ができる。
【0118】図31は、滲み防止処理部における変換処
理の第1の例で用いる第2の変換規則のさらに別の例の
説明図である。図31に示した第2の変換規則では、図
31(A)に示すように、Kインク1滴あるいは2滴で
記録する着目画素について、着目画素の位置がi,jで
示されるとき、iを2で割った余りとjを2で割った余
りの組み合わせが(0,0)のときはKインクを用いず
にCインク、Mインク、Yインクを重ねてプロセスブラ
ックにより記録し、(1,1)のときはKインクの滴数
を1滴にして記録するように変換処理を行う。それ以外
の場合には、そのままとしている。
【0119】このような第2の変換規則と、図28に示
した第1の変換規則によって処理を行うことにより、図
31(B)に示すようにYインクによるカラー画像領域
とKインクによる黒画像領域とが接しているイメージデ
ータは、図31(C)に示すように変換される。
【0120】この例では、図30に示した例よりも黒画
像領域内の黒インクの滴数がさらに減少し、インク量が
減るため、被記録媒体への浸透が終了するまでの時間が
短縮される。それとともに、カラー画像領域との隣接部
への流れ込みもさらに減少して擬似輪郭の発生を防止す
ることができる。
【0121】図32は、滲み防止処理部における変換処
理の第1の例において、さらに別の第1,第2の変換規
則を用いた変換例の説明図である。この例では、Y色の
カラー画像領域に隣接する黒画像領域について、例えば
図28に示したような第1の変換規則によって変換を行
っている。
【0122】また、カラー画像領域との隣接部よりも内
部では、4×4画素の16画素のうち2画素について、
CインクおよびMインクによって青(B)を記録する画
素に置き換えている。この程度の置き換え処理でも、黒
画像領域内部からカラー画像領域との隣接部へのKイン
クの流れ込みをある程度抑えて擬似輪郭の発生を抑制す
ることができる。
【0123】次に、滲み防止処理部における変換処理の
第2の例について説明する。この第2の例では、Y、
M、C色のカラーインクについては3階調により濃淡表
現が可能であり、Kインクについては2階調で記録する
ものとして説明する。この場合、図2に示すインクジェ
ットヘッド20から3階調のY、M、Cインクのインク
滴を噴射する際には、1回の噴射動作によって噴射され
るインク量は、2階調のKインクの場合よりも少ない。
【0124】図33は、滲み防止処理部における変換処
理の第2の例で用いる第1の変換規則の一例の説明図で
ある。上述のように、第1の変換規則は黒画像領域のう
ち、カラー画像領域に隣接する部分において用いる。図
33に示した第1の変換規則では、図33(A)に示す
ように、Kインクで記録する着目画素について、着目画
素の位置がi,jで示されるとき、i+jが偶数のとき
にはKインクと、CインクおよびMインクによる小イン
ク滴を重ねて記録し、i+jが奇数のときにはKインク
を用いずにCインクとMインクの小インク滴を重ねて記
録するように、変換処理を行う。さらに具体的には、i
+jが偶数のとき着目画素RijのC0ij、M0ij
「1」にすればよい。また、i+jが奇数のとき着目画
素RijのKijを「0」、C0ij、M0ijを「1」にすれ
ばよい。このような変換処理によって、図33(B)に
示すような黒画像領域の画素群は、図33(C)に示す
ように変換される。
【0125】このような変換処理によって、図33
(B)ではKインクの液滴量が減少し、色間の滲みを起
こしにくくなる。さらに、速乾性のカラーインクをKイ
ンクのドットに隣接させ、また重ねて記録することによ
って、遅乾性のKインクの被記録媒体への浸透を促進さ
せ、さらに色間の滲みを低減することができる。なお、
図33に示す例ではCインクとMインクは小インク滴に
より記録するため、それほどのインク量の増加はなく、
良好に色間の滲みを防止することができる。
【0126】図34は、滲み防止処理部における変換処
理の第2の例で用いる第2の変換規則の一例の説明図で
ある。上述のように、第2の変換規則は黒画像領域のう
ち、カラー画像領域に隣接する部分以外の、黒画像領域
内部において用いる。図34に示した第2の変換規則で
は、図34(A)に示すように、Kインクで記録する着
目画素について、着目画素の位置がi,jで示されると
き、iを4で割った余りとjを4で割った余りの組み合
わせが(0,3)、(2,1)のときはKインクと、C
インク、Mインク、Yインクの小インク滴を重ねて記録
するように変換処理を行う。また、iを4で割った余り
とjを4で割った余りの組み合わせが(0,1)、
(2,3)のときはKインクを用いずに、Cインク、M
インク、Yインクの小インク滴を重ねて記録するように
変換処理を行う。それ以外の場合には、そのままとす
る。
【0127】このような変換処理によって、図34
(B)に示すようにKインクによる画像領域のイメージ
データは、図34(C)に示すように変換される。この
変換処理では、Kインクによる画素にc+m+yを重
ね、あるいはc+m+yに置き換えて記録している。c
+m+yは、薄いプロセスブラックとなる。プロセスブ
ラックは、黒インクによる黒とは色的には多少異なるも
のの、一部の画素がプロセスブラックに置き換わっても
全体として黒色となる。また、カラー画像領域との隣接
部よりも黒インクの液滴数の減少が少ないので、十分な
濃度を表現することができる。
【0128】このように第2の変換規則により、黒イン
クの画素の一部においてプロセスブラックに置き換え、
また一部について黒インクと重ねて記録することによっ
て、黒画像領域の内部における黒インクの被記録媒体へ
の浸透を促進することができる。そのため、カラー画像
領域との隣接部と黒画像領域の内部との間に擬似輪郭な
どが発生せず、良好な画質を得ることができる。また、
このとき用いるC、M、Yインクによるインク滴は少量
であり、重ねて記録しても黒画像領域内のインク量は極
端に増加することはない。
【0129】図35は、滲み防止処理部における変換処
理の第2の例で用いる第1の変換規則の別の例の説明図
である。図35に示した第1の変換規則では、図35
(A)に示すように、Kインクで記録する着目画素につ
いて、着目画素の位置がi,jで示されるとき、i+j
が奇数のときにはKインクを用いずにCインク、Mイン
ク、Yインクの小インク滴を重ねてプロセスブラックに
より記録するように変換処理を行う。それ以外の場合に
は、Kインクと、C、M、Yインクのいずれかの小イン
ク滴を重ねて記録するように変換処理を行っている。
【0130】このような第1の変換規則と、図34に示
した第2の変換規則によって処理を行うことにより、図
35(B)に示すようにYインクによるカラー画像領域
とKインクによる黒画像領域とが接しているイメージデ
ータは、図35(C)に示すように変換される。
【0131】このような第1の変換規則を用いた場合、
Kインクを用いる画素では速乾性のカラーインクと重ね
て記録されるので、被記録媒体への浸透が促進される。
また、Kインクを用いない画素では薄いプロセスブラッ
クにより記録されるので、濃度は低下するものの、黒の
色目を維持することができる。
【0132】図36は、滲み防止処理部における変換処
理の第2の例で用いる第1,第2の変換規則のさらに別
の例の説明図である。図36(A)に示した第1の変換
規則では、Kインクで記録する着目画素について、着目
画素の位置がi,jで示されるとき、iを2で割った余
りとjを2で割った余りの組み合わせが(0,0)およ
び(1,1)のときはKインクを用いずにCインクとM
インクの小インク滴により記録するように変換処理を行
う。それ以外の場合には、そのままとしている。また、
図36(B)に示した第2の変換規則では、Kインクで
記録する着目画素について、着目画素の位置がi,jで
示されるとき、iを2で割った余りとjを2で割った余
りの組み合わせが(0,0)のときはKインクを用いず
にCインク、Mインク、Yインクを2滴ずつ重ねて濃い
プロセスブラックにより記録するように変換処理を行
う。それ以外の場合には、そのままとしている。
【0133】このような第1、第2の変換規則によって
処理を行うことにより、Yインクによるカラー画像領域
とKインクによる黒画像領域とが接しているイメージデ
ータは、図36(C)に示すように変換される。
【0134】図37は、滲み防止処理部における変換処
理の第2の例においてさらに別の第2の変換規則を用い
た変換例の説明図である。この例では、Y色のカラー画
像領域に隣接する黒画像領域について、例えば図36
(A)に示したような第1の変換規則によって変換を行
う。また、黒画像領域の内部については、図36(B)
に示した第2の変換規則と同様に黒4画素につき1画素
の割合でカラーインクを用いて記録する画素に置き換え
るが、このときCインクおよびMインクの小インク滴を
2滴ずつ記録し、濃い青(bb)による記録を行ってい
る。また、その位置もなるべく離れた位置となるように
工夫し、Kインクの吸収を均一化している。
【0135】図38は、滲み防止処理部における変換処
理の第2の例においてさらに別の変換例の説明図であ
る。図38に示す例では、図36(A),(B)に示し
た第1,第2の変換規則によって黒画像領域内の画素に
ついて処理を行うとともに、カラー画像領域内の画素に
ついても変換処理を行う例を示している。例えば図38
に示すように、カラー画像領域ではYインクの小インク
滴を2滴重ねて記録している。このような場合、黒画像
領域に接するカラー画像領域の画素についてはインク滴
数を減少させ、1滴のみを記録するように変換処理を行
うことができる。具体的には、当該画素の上位ビットで
あるY1プレーンのビットを「0」にすればよい。この
ようにカラー画像領域についても黒画像領域との境界に
おいてインク滴数を減らすことにより、さらに色間の滲
みを低減することができる。
【0136】次に、滲み防止処理部における画像処理の
第3の例について説明する。この第3の例では、Y、
M、C色のカラーインクおよびKインクとも、3階調に
より濃淡表現が可能であるものとして説明する。図39
は、滲み防止処理部における変換処理の第3の例で用い
る第1,第2の変換規則の一例の説明図である。図39
(A)に示した第1の変換規則では、Kインクで記録す
る着目画素について、着目画素の位置がi,jで示され
るとき、i+jが偶数のときはKインクを用いずにCイ
ンクとMインクの小インク滴により記録するように変換
処理を行う。また、i+jが奇数のときはKインクのイ
ンク滴数を減らし、1滴のみを記録するように変換処理
を行っている。また、図39(B)に示した第2の変換
規則では、Kインクで記録する着目画素について、着目
画素の位置がi,jで示されるとき、iを2で割った余
りとjを2で割った余りの組み合わせが(0,0)のと
きはKインクを用いずにCインク、Mインク、Yインク
を2滴ずつ重ねて濃いプロセスブラックにより記録する
ように変換処理を行う。それ以外の場合には、そのまま
としている。なお、第2の変換規則については上述の第
1の例で示した各種の第2の変換規則を適用することが
可能である。このとき、カラーインクを用いる画素につ
いてはそれぞれ2滴ずつ記録するように変換処理を行え
ばよい。
【0137】このような図39(A),(B)に示した
第1、第2の変換規則によって処理を行うことにより、
Yインクによるカラー画像領域とKインクによる黒画像
領域とが接しているイメージデータは、図39(C)に
示すように変換される。この場合、カラー画像領域との
隣接部では、Kインクおよびその他のカラーインクと
も、インク滴数を1滴として記録を行うので、非常にイ
ンク量を少なくすることができる。
【0138】図40は、滲み防止処理部における変換処
理の第3の例においてさらに別の変換例の説明図であ
る。図40に示す例では、図36(A),(B)に示し
た第1,第2の変換規則によって黒画像領域内の画素に
ついて処理を行うとともに、図38に示した例と同様に
カラー画像領域内の画素についても変換処理を行う例を
示している。例えば図38に示すように、カラー画像領
域ではYインクの小インク滴を2滴重ねて記録してい
る。このような場合、黒画像領域に接するカラー画像領
域の画素についてはインク滴数を減少させ、1滴のみを
記録するように変換処理を行うことができる。このよう
にカラー画像領域についても黒画像領域との境界におい
てインク滴数を減らすことにより、さらに色間の滲みを
低減することができる。
【0139】以上、滲み防止処理を行う場合の各種の変
換規則の例について示した。これらの変換規則は、上述
の第1の実施の形態および第2の実施の形態とその変形
例について適用可能である。また、本発明はこれらの規
則に限られるものではなく、例示した以外の変換規則を
用いてもよい。このとき、黒画像領域がカラー画像領域
と接する場合には、カラー画像領域との隣接部におい
て、黒画像領域の内部よりもKインクによって記録する
インク滴数が全体として減少するように構成すればよ
い。また、黒画像領域の内部についても、ある程度、カ
ラーインクを重ね、あるいは置き換えて記録すると、隣
接部との間の擬似輪郭の発生を防止できる。さらに、カ
ラーインクについて多値による記録が可能である場合に
は、カラー画像領域の黒画像領域との隣接部において、
インク滴数を減少させると、より色間滲みを減少させる
ことができる。
【0140】さらに、上述の説明ではKインクを遅乾性
インク、その他の色のインクを速乾性インクとして説明
したが、本発明はこれに限らない。要するに遅乾性イン
クと速乾性インクとの間において上述のような処理を行
えばよい。また、使用するインク色も黒、シアン、マゼ
ンタ、イエローに限られるものではなく、赤、青など、
種々の色のインクを用いてもよい。このとき、いずれの
インクが遅乾性インクであってもよい。
【0141】図41は、本発明のカラー画像処理装置を
実現するための別の概要構成図である。図中、図2と同
様の部分には同じ符号を付してある。201はカラー画
像処理装置、202は出力処理部、203はカラー画像
形成装置である。この例では、カラー画像処理装置20
1は、滲み防止処理部13までの構成を有するととも
に、これらの処理を行った後のイメージデータをカラー
画像形成装置203に送るための出力処理部202を有
している。また、カラー画像形成装置203は、遅乾性
インクと速乾性インクを用いて記録を行うものであり、
遅乾性インクまたは速乾性インクのいずれかあるいは両
方においてインク滴を重ねて記録することによって階調
を表現することが可能である。
【0142】カラー画像処理装置201において行われ
る処理は、上述の図2で示したカラー画像形成装置の一
例において滲み防止処理部13までの各部で行われる処
理と同様である。その後、滲み防止処理が施されたイメ
ージデータが出力処理部202を介してカラー画像形成
装置203に転送される。カラー画像形成装置203で
は、受け取ったイメージデータに従って記録動作を行う
だけで、普通紙に記録しても色間滲みの少ない、良好な
画質のカラー画像を得ることができる。
【0143】この画像処理装置201は、例えばカラー
画像形成装置203と直接あるいはネットワークなどを
介して接続されるコンピュータなどにプリンタドライバ
として組み込むことが可能である。
【0144】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、一部または全部の色のインクについてインク
滴を重ねて記録することによって階調を表現可能なカラ
ー画像形成装置で記録を行う場合に、このような階調表
現による濃度をなるべく維持し、また、色目の劣化を最
小限に抑えつつ、色間滲みを抑制し、良好な画質のカラ
ー画像を得ることができるという効果がある。
【0145】また、多値画像データに対して、1画素を
構成するnビットの論理和を演算して多値画像データ中
の所定の領域を判別することによって、従来より用いて
いた2階調の領域判別処理をそのまま用い、2階調の場
合と同様の高速な処理により領域判別処理を行うことが
できる。そのため、高速に所定の領域を判別して、例え
ば滲み防止処理を施すことが可能になるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラー画像処理装置の第1の実施の
形態を用いたときの、黒インク印字部分とカラーインク
印字部分の境界付近の画像の説明図である。
【図2】 本発明のカラー画像処理装置を実現するため
の概要構成図である。
【図3】 2値化された画像の印字色情報を格納する単
位となる画素を表わす説明図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態において、N値画
像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明する
ための第1番目のフローチャートである。
【図5】 本発明の第1の実施の形態において、N値画
像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明する
ための第2番目のフローチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施の形態において、N値画
像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明する
ための第3番目のフローチャートである。
【図7】 各色のビットプレーンおよびその論理和演算
の一例の説明図である。
【図8】 滲み防止処理を施す画素を見つけるための周
囲画素検索ウインドウの説明図であり、図8(A)は第
1の周囲画素検索ウインドウ、図8(B)は第2の周囲
画素検索ウインドウの説明図である。
【図9】 エッジ領域を検索するための第3の周囲画素
検索ウインドウの説明図である。
【図10】 第1,第2の画素変換規則を表わす説明図
であり、図10(A)はエッジ領域に適用される第1の
画素変換規則の説明図であり、図10(B)は隣接エッ
ジ領域に適用される第2の画素変換規則の説明図であ
る。
【図11】 図10(A)に示した第1の画素変換規則
を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF
状態を表わす説明図であり、図11(A)は黒のマトリ
クスM1Kij、図11(B)はシアンのマトリクスM1
ijを表わす説明図である。
【図12】 図10(A)に示した第1の画素変換規則
を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF
状態を表わす説明図であり、図12(A)はマゼンタの
マトリクスM1Mij、図12(B)はイエローのマトリ
クスM1Yijを表わす説明図である。
【図13】 図10(B)に示した第2の画素変換規則
を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF
状態を表わす説明図であり、図13(A)は黒のマトリ
クスM2Kij、図13(B)はシアンのマトリクスM2
ijを表わす説明図である。
【図14】 図10(B)に示した第2の画素変換規則
を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF
状態を表わす説明図であり、図14(A)はマゼンタの
マトリクスM2Mij、図14(B)はイエローのマトリ
クスM2Yijを表わす説明図である。
【図15】 図2に示したN値化部でN値化を終えた画
像データの一具体例である。
【図16】 図15に示した画像データに対する滲み防
止コードのセット状況の説明図である。
【図17】 エッジ領域と隣接エッジ領域を表わす説明
図である。
【図18】 エッジ領域および隣接エッジ領域に対して
第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防止処理を施
した後の画像データの説明図である。
【図19】 本発明のカラー画像処理装置の第2の実施
の形態を説明するためのフローチャートである。
【図20】 周囲画素検索ウインドウの説明図であり、
図20(A)は第1の周囲画素検索ウインドウ121、
図20(B)は第2の周囲画素検索ウインドウ122の
説明図である。
【図21】 エッジ領域と隣接エッジ領域を表わす説明
図である。
【図22】 エッジ領域および隣接エッジ領域に対して
第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防止処理を施
した後の画像データの説明図である。
【図23】 本発明のカラー画像処理装置の第2の実施
の形態の変形例を説明するためのフローチャートであ
る。
【図24】 図2に示したN値化部でN値化を終えた画
像データの別の具体例の説明図である。
【図25】 滲み防止処理を施した後の画像データの別
の具体例の説明図である。
【図26】 周囲画素検索ウインドウの第1の変形例の
説明図である。
【図27】 周囲画素検索ウインドウの第2の変形例の
説明図である。
【図28】 滲み防止処理部における変換処理の第1の
例で用いる第1の変換規則の一例の説明図である。
【図29】 滲み防止処理部における変換処理の第1の
例で用いる第2の変換規則の一例の説明図である。
【図30】 滲み防止処理部における変換処理の第1の
例で用いる第2の変換規則の別の例の説明図である。
【図31】 滲み防止処理部における変換処理の第1の
例で用いる第2の変換規則のさらに別の例の説明図であ
る。
【図32】 滲み防止処理部における変換処理の第1の
例において、さらに別の第1,第2の変換規則を用いた
変換例の説明図である。
【図33】 滲み防止処理部における変換処理の第2の
例で用いる第1の変換規則の一例の説明図である。
【図34】 滲み防止処理部における変換処理の第2の
例で用いる第2の変換規則の一例の説明図である。
【図35】 滲み防止処理部における変換処理の第2の
例で用いる第1の変換規則の別の例の説明図である。
【図36】 滲み防止処理部における変換処理の第2の
例で用いる第1,第2の変換規則のさらに別の例の説明
図である。
【図37】 滲み防止処理部における変換処理の第2の
例においてさらに別の第2の変換規則を用いた変換例の
説明図である。
【図38】 滲み防止処理部における変換処理の第2の
例においてさらに別の変換例の説明図である。
【図39】 滲み防止処理部における変換処理の第3の
例で用いる第1,第2の変換規則の一例の説明図であ
る。
【図40】 滲み防止処理部における変換処理の第3の
例においてさらに別の変換例の説明図である。
【図41】 本発明のカラー画像処理装置を実現するた
めの別の概要構成図である。
【符号の説明】
1…普通紙、2…紙への浸透性の高いカラーインクで印
字される部分、3…隣接エッジ領域、4…エッジ領域、
151…紙への浸透性の低い黒インクで印字される部
分、152…インクが流れ出した部分、13…滲み防止
処理部、14…要処理画素抽出部、15…領域区分部、
16…変換処理部、81…第1の周囲画素検索ウインド
ウ、82…着目画素、83…参照画素、84…第2の周
囲画素検索ウインドウ、91…第3の周囲画素検索ウイ
ンドウ、121…第1の周囲画素検索ウインドウ、12
2…第2の周囲画素検索ウインドウ、131,141,
142…周囲画素検索ウインドウ、201…カラー画像
処理装置、202…出力処理部、203…カラー画像形
成装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA01 EA05 EB03 EB58 EC03 EC39 EC41 ED03 ED05 FA02 2C057 AF05 AF25 AF39 AF91 AH20 AL03 AL31 CA04 CA05 2H086 BA04 BA51

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1画素がnビットからなる多値画像デー
    タを、インク滴を重ねて記録することによって階調を表
    現可能なカラー画像形成装置で記録を行うための出力画
    像データに変換するカラー画像処理装置において、前記
    多値画像データの1画素を構成するnビットの論理和を
    演算して前記多値画像データ中の所定の領域を判別する
    領域判別手段と、該境界部判別手段による判別結果に従
    って重ねるインク滴数を変化させる変換処理を行う処理
    手段を有していることを特徴とするカラー画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 遅乾性インクおよび速乾性インクを用
    い、前記遅乾性インクまたは前記速乾性インクのいずれ
    かあるいは両方においてインク滴を重ねて記録すること
    によって階調を表現可能なカラー画像形成装置で記録を
    行うための画像データに多値画像データを変換するカラ
    ー画像処理装置において、前記多値画像データ中の前記
    カラー画像形成装置に前記遅乾性インクを用いて記録を
    行わせる画素の集合からなる遅乾性画像領域と前記速乾
    性インクのみを用いて記録を行わせる画素の集合からな
    る速乾性画像領域の隣接部を判別する境界部判別手段
    と、該境界部判別手段による判別結果に従って前記遅乾
    性画像領域の前記速乾性画像領域との前記隣接部におい
    て前記遅乾性インクの滴数を減らして記録されるように
    画像処理を行う滲み防止処理手段を有していることを特
    徴とするカラー画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記滲み防止処理手段は、前記境界部判
    別手段による判別結果に従って、前記遅乾性画像領域の
    前記速乾性画像領域との隣接領域における前記遅乾性イ
    ンクの滴数を、前記遅乾性画像領域の前記隣接領域以外
    の内部領域における前記遅乾性インクの滴数よりも減ら
    して前記画像形成装置において記録されるように、前記
    多値画像データに対して画像処理を行うことを特徴とす
    る請求項2に記載のカラー画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記滲み防止処理手段は、前記境界部判
    別手段による判別結果に従って、前記遅乾性画像領域の
    前記速乾性画像領域との隣接領域における前記遅乾性イ
    ンクの滴数を、前記多値画像データが示す前記遅乾性イ
    ンクの滴数よりも減らして前記画像形成装置において記
    録されるように、前記多値画像データに対して画像処理
    を行うことを特徴とする請求項2に記載のカラー画像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記多値画像データは前記カラー画像形
    成装置において用いる各インク色ごとにnビットで構成
    されており、前記境界部判別手段は、各インク色ごとに
    nビットの論理和を演算し、該演算結果に基づいて前記
    遅乾性画像領域と前記速乾性画像領域の隣接部を判断す
    ることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか
    1項に記載のカラー画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記滲み防止処理手段は、前記遅乾性画
    像領域の前記速乾性画像領域との隣接領域においてさら
    に前記速乾性インクの滴数を増やすように画像処理を行
    うことを特徴とする請求項2または請求項5に記載のカ
    ラー画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記滲み防止処理手段は、前記遅乾性画
    像領域の前記速乾性画像領域との隣接領域以外の内部領
    域においても前記遅乾性インクの滴数を減らして前記速
    乾性インクの滴数を増やすように画像処理を行うことを
    特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記
    載のカラー画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記滲み防止処理手段は、前記速乾性画
    像領域の前記遅乾性画像領域との隣接領域において前記
    速乾性インクの滴数を減らすように画像処理を行うこと
    を特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に
    記載のカラー画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記滲み防止処理手段は、前記遅乾性画
    像領域の画素において所定範囲内に前記速乾性画像領域
    が存在しない場合には、該画素を前記遅乾性インクによ
    り形成するように画像処理を行うことを特徴とする請求
    項2ないし請求項8のいずれか1項に記載のカラー画像
    処理装置。
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