JP2000253638A - 光を駆動源とする直流モータ - Google Patents

光を駆動源とする直流モータ

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JP2000253638A
JP2000253638A JP5701499A JP5701499A JP2000253638A JP 2000253638 A JP2000253638 A JP 2000253638A JP 5701499 A JP5701499 A JP 5701499A JP 5701499 A JP5701499 A JP 5701499A JP 2000253638 A JP2000253638 A JP 2000253638A
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armature coil
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light
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JP5701499A
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Takeshi Kudo
剛 工藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光を照射することによって回転する直流モー
タを提供する。 【解決手段】 光電変換素子20Bにレーザ光Lが照射
されると、電機子コイル10には、光電変換素子20B
で発生した光電流が供給され、図に示すような向きの回
転トルクが生じる。電機子コイル10が1/4回転して
磁界Hと垂直な状態になると、レーザ光Lは一瞬の間絶
縁部32に照射されるが、その後、光電変換素子20A
に照射されることになり、ここから電機子コイル10が
半回転して再び磁界Hと垂直な状態になるまでの間、電
機子コイル10には、光電変換素子20Bで発生される
光電流とは逆向きの光電流が流れ、図に示すような向き
の回転トルクが生じる。このようなことが繰り返され、
直流モータの回転は持続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁モータの内の
ブラシレスモータ、さらに詳しくは、光を照射すること
によって回転する直流モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、永久磁石と電磁石を組み合わ
せた種々の直流モータが考案され、多くが実用化されて
いる。もっとも直流モータの原理を忠実に利用した構造
は、整流機構(ブラシあるいはコミュテータともいう)
を用いたモータで、その構造は、例えば「DCブラシレ
スモータと制御回路」(谷腰欣司:総合電子出版社.19
84年.p.11)等に開示されている。また、いわゆるコア
レスモータも原理はこれと同様である。
【0003】しかし、これらの直流モータは、機械的な
スイッチとしての摺動部を有する整流機構を採用してい
るため整流機構の摩耗が避けられず、その磨耗によりモ
ータの寿命が制限されるという制約があった。また、摩
耗が進行すると、電磁的なノイズが増すばかりでなく、
モータに過大な電流が流れているにもかかわらず、発生
トルクが少ないという異常を生じる原因にもなる。
【0004】これらの欠点を解消する目的で、整流機構
を用いない、いわゆるブラシレスモータというものも実
用化され、例えば、前記成本p.13や「精密小形モータ
の基礎と応用」(山田博:総合電子出版社.1975年.p
26)等に開示されている。
【0005】しかし、従来のブラシレスモータは永久磁
石を回転子として用いることから、モータの回転に伴っ
て永久磁石回転子の磁極の位置が変化することは原理的
に不可避である。このため、モータが一定方向に回転す
るためには,磁極位置の変化に応じ対応したコイルを励
磁する必要があることから、なんらかの方法で永久磁石
回転子の磁極位置を検知しなければならない。さらに、
固定子たる駆動コイルに流す電流(励磁電流)の向きや
大きさを制御する必要があることから、これを制御する
外付けの電子回路をも必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決することを目的としたものであって、すなわち電
機子を回転子としながらも、整流機構等の機械的な摺動
部を排除できる直流モータを提供することにある。
【0007】また、従来のブラシレスモータでは必須で
あった励磁電流を制御するための電子回路をも不要にで
きる直流モータを提供することにある。
【0008】さらに、モータを回転させるための電機子
電流を光による光起電力から得る構造とし、非接触でエ
ネルギーの供給を受けながら回転することができる直流
モータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は次のように構成される。
【0010】請求項1に記載の発明では、N極とS極が
対向して配置された磁極間に電機子コイルを回転自在に
支持し、当該電機子コイルに光起電力を供給する光電変
換素子が当該電機子コイルの回転軸を中心として、少な
くとも2つ、軸対象に配置され、これらの光電変換素子
は、前記電機子コイルの端部に取り付けられ、かつ前記
電機子コイルとともに回転するように構成されてなり、
前記少なくとも2つの光電変換素子のうち、いずれか1
つの光電変換素子に向けて光を照射するように構成した
ことを特徴とする。
【0011】このような構成によれば、光が照射されて
いる側の光電変換素子から電機子コイルに光電流が供給
され、この光電流によって電機子コイルに発生する磁界
と磁極間に発生している磁界との相互作用で電機子コイ
ルが回転することになる。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の光を駆動源とする直流モータにおいて、前記光電変
換素子は、前記電機子コイルの回転軸と軸対称に配置さ
れた2つの光電変換素子が一組として用いられ、これら
2つの光電変換素子は、互いに一方の光電変換素子のア
ノード電極が他方の光電変換素子のカソード電極と接続
され、当該一方の光電変換素子のアノード電極と当該他
方の光電変換素子のカソード電極とを接続するそれぞれ
のラインは、前記電機子コイルの両端子にそれぞれ接続
されていることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の光を駆動源とする直流モータにおいて、前記一組の
光電変換素子には、前記電機子コイルの回転に伴って前
記光がいずれか一方の光電変換素子に交互に照射される
ように構成したことを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項1乃至
請求項3に記載の光を駆動源とする直流モータにおい
て、前記光は、レーザ光であることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1に記
載の光を駆動源とする直流モータにおいて、前記光電変
換素子がモノリシックに形成されていることを特徴とす
る。
【0016】すなわち、本発明の光を駆動源とする直流
モータでは、例えば、一組の光電変換素子を互いに光起
電力の向きが異なるように接続して2つの電極を構成
し、この2つの電極を電機子コイルの両端に電気的に接
続し、一組の光電変換素子を電機子コイルの一端に取り
付けて、電機子コイルの回転とともに回転するようにす
る。
【0017】このように構成した直流モータにおいて、
2つの光電変換素子のうちのいずれか一方の光電変換素
子だけに、電機子コイルを回転させるに十分なだけの電
流量を発生させる強度の光を照射すれば、直流モータを
回転させることができる。
【0018】また、光電変換素子は電機子コイルの一方
の端部に取り付けるようにし、2つの光電変換素子は電
機子コイルの回転軸を中心として軸対称に、かつ回転中
心から等距離に配置する。光電流を発生させるための光
を光ファイバーを用いて導き、いずれか一方の光電変換
素子に光が照射されるようにする。
【0019】このようにすれば、電機子コイルの回転に
伴って、自動的に2つのうちのいずれかの光電変換素子
に交互に光が照射されるようになる。このため、外部電
子回路を用いることなく、電機子電流の向きを変えるこ
とが可能となり、直流モータを駆動することができる。
【0020】また、光電変換素子に照射する光は、エネ
ルギー密度の高い光が容易に得られることから、レーザ
光を用いる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の直流モータ(光駆動型)
の回転原理を説明するための等価回路図である。
【0023】磁極Nと磁極Sに挟まれた磁界中に回転自
在に支持される電機子コイル10の両端10A,10B
には、図1に示すように、互いに逆の極性同士が電気的
に接続された2つの光電変換素子20A,20Bが接続
されている。
【0024】この2つの光電変換素子20A,20B
は、電機子コイル10の回転軸(図2参照)に取り付け
られており、電機子10の回転とともに回転するように
なっている。このため、光電変換素子20A,20Bか
ら回転子である電機子コイル10に電流を供給する経路
において機械的な摺動部が必要なくなる。
【0025】光電変換素子20A,20Bのいずれか一
方にだけ当たるようにレーザ光(スポット光が望まし
い)を照射すると、レーザ光が照射された光電変換素子
20Aまたは20Bのいずれかに光起電力が生じ、この
ために電機子コイル10に電流が流れる。電機子コイル
10に電流が流れたときに発生する磁界は、磁極Nと磁
極Sによって発生している磁界との相互作用(ローレン
ツ力)により、電機子コイル10に回転トルクを生じさ
せる。
【0026】たとえば、光電変換素子20Aにだけレー
ザ光が照射されているとすれば、電機子コイル10の一
端10Aから他端10Bに向かう方向に電流が流れ、こ
の電流に伴って発生する磁界が電機子コイル10に回転
トルクを与える。また、光電変換素子20Bにだけレー
ザ光が照射されているとすれば、光電変換素子20Aに
だけレーザ光が照射されている場合とは逆に、電機子コ
イル10の一端10Bから他端10Aに向かう方向に電
流が流れ、電機子コイル10に光電変換素子20Aにだ
けレーザ光が照射されている場合とは逆向きの磁界を発
生させる。
【0027】したがって、電機子コイル10が半回転す
る間は光電変換素子20Aにレーザ光が当たるように
し、次の半回転の間は光電変換素子20Bにレーザ光が
当たるように、両光電変換素子20A,20Bを配置す
る構成を採れば、電機子コイル10に流れる電流の向き
が半回転ごとに反転するので、電機子コイル10には磁
極Nと磁極Sによって発生している磁界の影響により常
に同じ向きの回転トルクが生じ、電機子コイル10が連
続的に回転するようになる。本発明の直流モータでは、
電機子コイル10の半回転ごとの光電変換素子へのレー
ザ光の切り替えが電機子コイル10自体の回転によって
自動的に行なえるように構成してある。
【0028】図2は、上記の原理に基づいて回転する直
流モータの概略構成図である。
【0029】例示した直流モータは、電機子コイル10
が回転する回転電機子型のモータである。電機子コイル
10は、2つの光電変換素子20A,20Bと2つの電
極を介して図1に示したように結線されている。光電変
換素子20A及び20Bは、それぞれが基板30上で半
円形状にモノリシック形成されている。基板30は円形
を成し、電機子コイル10の回転軸Xとその中心が一致
するように電機子コイル10の1端部に固定して取り付
けられている。したがって、光電変換素子20A,20
Bと電機子コイル10との相対的な位置は不変であり、
光電変換素子20A,20Bは、電機子コイル10の回
転とともに回転することになる。このため、光電変換素
子20A,20Bから電機子コイル10に電流を供給す
る経路になんらの機械的な摺動部を介在させる必要はな
い。また、光電変換素子20A,20Bは、電機子コイ
ル10の回転軸の片端に取り付けているので、回転軸の
もう一方の端部から外部にトルクを取り出すことは容易
である。
【0030】また、回転軸が基板30を貫くように構成
することもできる。
【0031】なお、図2では、電機子コイル10を含む
回転子の軸受けは図示していないが、軸受けは次のいず
れの位置にあっても良い。すなわち、電機子コイル10
から見て回転軸の片側にのみ設けても良いし、通常のモ
ータのように回転軸の両側に設けてもよい。また、図2
では発明の理解を容易にするために電機子コイル10は
1ターンのものを例示しているが、トルクの仕様に応じ
て多数回巻にすることはもちろんである。
【0032】上記した2つの光電変換素子20Aと20
Bは、絶縁部32を介し、電機子コイル10の回転軸X
を中心として軸対称に取り付けられている。光電変換素
子20A,20Bのそれぞれの受光部は、回転軸Xを中
心とする異なる半径の2つの同心円の円弧をその輪郭線
とする2つ割りのドーナツ状に形成されている。電機子
コイル10が回転するためのエネルギーを供給するレー
ザ光Lは、光ファイバ40により二つのうちいずれか一
方の光電変換素子20Aまたは20Bにのみ照射される
ように構成してある。
【0033】電機子コイル10と光電変換素子20A,
20Bとの取り付け位置の関係及びレーザ光の照射位置
の関係は、図2に示すような関係とすることが好まし
い。つまり、図2に示すように、電機子コイル10のコ
イル面(電機子コイル10が含まれる面)と磁極Nと磁
極Sによって発生している磁界Hが平行になっていると
きに、光電変換素子20Aと20Bとを分離する絶縁部
32の軸線Zが磁界Hと直角になるような位置関係にな
るように電機子コイル10に基板30を取り付ける。こ
の状態のときに、レーザ光Lは、図2に示すように、光
電変換素子20Aまたは20Bの磁界H方向に最も膨ら
んでいる部分に照射されるようにする。
【0034】換言すれば、発生するトルクが0となる角
度に電機子コイル10が位置したときに、電機子コイル
10に流れる電流の向きが切り替わるように、すなわ
ち、レーザ光が2つの光電変換素子20A,20Bのう
ち一方からもう一方に照射されるように、2つの光電変
換素子20A,20Bを取り付ける。このようにすれ
ば、通常のブラシモータのように、トルク角が常にπ/2
となるため、最も効率的に回転トルクを発生させること
ができる。
【0035】このような位置関係にある場合に、図2に
示すように光電変換素子20Bにレーザ光Lが照射され
ると、電機子コイル10には、光電変換素子20Bで発
生した光電流が供給され、図に示すような向きにトルク
が生じる。この結果、電機子コイル10はその回転軸X
を中心として回り始める。電機子コイル10が1/4回
転して磁界Hと垂直な状態になると、レーザ光Lは光電
変換素子20Aと20Bとを分離する絶縁部32に照射
されることになり、一瞬の間、光電変換素子20Aと2
0Bのいずれからも光電流が供給されなくなる。ところ
が電機子コイル10は慣性で回転を続けるので、次の瞬
間から、レーザ光Lは光電変換素子20Aに照射され、
ここから電機子コイル10が半回転して再び磁界Hと垂
直な状態になるまでの間、電機子コイル10には、光電
変換素子20Bで発生される光電流とは逆向きの光電流
が流れ、図に示すような向きにトルクが生じる。このよ
うなことが繰り返され、電機子コイル10には常に同じ
向きに回転を生じさせるような回転トルクが与えられ、
本発明の直流モータの回転は持続されることになる。
【0036】このように、本発明の直流モータで採用し
ている構成によれば、モータ自身の回転によって、光電
変換素子20A,20Bから電機子コイル10に供給さ
れる電流の向きが交番し、かつその電流の向きの変化に
際しては、機械的な切り替え(スイッチング)は一切不
要であり、非常に簡単な構成のブラシレスモータが実現
できることとなる。さらに、従来のブラシレスモータで
は必須であった回転子の位置検知機構や励磁電流のスイ
ッチング回路等も用いる必要はなくなる。
【0037】なお、光電変換素子20A,20Bに照射
する光は、本実施の形態でも例示しているように、エネ
ルギー効率や実用性の点から、光ファイバ40で導いた
レーザ光Lを用いることが好適である。レーザ光Lを用
いれば、直流モータの駆動に十分な強度の光を容易に得
ることができ、かつ光ファイバ40で導いたレーザ光L
は、光電変換素子20A,20Bの小さな受光部にも正
確にスポット的に照射することができるからである。
【0038】また、光電変換素子20A,20Bの材料
は、単結晶シリコン、多結晶あるいはアモルファスシリ
コン、ゲルマニウム、または化合物半導体を用いたもの
など、直流モータの駆動に必要な電力が発生できるもの
であれば種類を問わないが、光電変換効率やこれと関連
するが、十分な電機子電流をまかなえるだけの光電変換
素子の大きさ等を考慮すると、単結晶シリコンまたは化
合物半導体が好適である。
【0039】光電変換素子20A,20Bの材質や設計
にも依存するが、光電変換素子20A,20Bの材質と
して単結晶シリコンを用いた場合には、レーザ光の波長
は0.6μmから1.1μmの可視光ないし近赤外光が
適している。この範囲の波長で十分な光強度が得られれ
ばレーザの種類は問わないが、たとえば、半導体レーザ
やNd:YAGレーザなどを用いることができる。た
だ、小型であることや携帯性、コスト等を考慮すると使
用するレーザは、半導体レーザが好適である。
【0040】磁極Nと磁極Sを構成する永久磁石は、従
来の直流モータに用いられているもので差し支えない
が、直流モータの回転トルクは、この磁石で発生する磁
界の強さに比例するため、十分に強力な磁力を発生させ
得るものであることが必要である。磁界が強ければ、同
じ回転トルクを得る上で、電機子コイル10で発生させ
るべき磁束がそれだけ少なくて済むからである。すなわ
ち、これは光電変換素子20A,20Bから出力される
光電流が少なくて済むか、あるいは、電機子コイル10
の巻数が少なくて済むことを意味し、結果として直流モ
ータの小型化に繋がることになる。
【0041】これらの観点から、永久磁石としてはフェ
ライト磁石、アルニコ磁石あるいは希土類磁石などが使
用できる。この中でも、小さな体積で強い磁界が発生で
きる希土類磁石が好適である。永久磁石の体積が小さい
こと、またコイルの巻数が少ないことは、モータの小型
化や製造コストの低減に有利である。
【0042】図3は、2つ一組の光電変換素子20A,
20Bをモノリシックに形成した単一チップの構造を示
す図であり、図4は、図3のA−A断面図である。本実
施の形態では、この図に示すように、2つ−組の光電変
換素子20A,20Bを基板30上でモノリシックに単
一チップ状に形成して、互いの位置を高精度に設定して
いる。
【0043】これらの図において、回転軸Xを中心とす
る半円形状の2つのn型シリコン部分34は下地である
p型シリコン基板30の上に成長させたエピタキシャル
層である。2つのn型シリコン部分34の上にそれぞれ
形成した2つのp型シリコン領域36は、この部分だけ
にアクセプタ不純物(ボロン、B)を選択的に導入した
もので、光電変換素子20A,20Bの内部バイアスを
もたらすpn接合を形成している。このp型シリコン領
域36は、光電変換素子20A,20Bの受光部を構成
し、レーザー光Lは、図3に示すようにこの受光部にス
ポット状に照射される。この光電変換素子間の絶縁は、
n型シリコン部分34とp型シリコン基板30で構成さ
れるpn接合の逆バイアスによって実現される。
【0044】なお、図3では、図を簡単にするために、
外形線、エピタキシャル層を除去した結果生じる段差、
及びpn接合の境界線のみを示してある。
【0045】図4に示すように、回転軸Xを挟んで左右
に対称に形成した二つの光電変換素子20A,20B
は、p型シリコン基板30を共通の基板としている(モ
ノリシック構造)が、pn接合の逆バイアスを利用して
互いに電気的には絶縁してある。その上で、図1に示し
た回路となるように電気配線(図示せず)が施されてい
る。
【0046】2つの光電変換素子20A,20Bが個々
のチップに分かれている場合は、実装・組み立て工程に
おいてそれぞれについて位置あわせが必要であるため工
程が煩雑になるが、本実施の形態のように、モノリシッ
ク構造として光電変換素子20A,20Bを形成すれ
ば、単一チップの中心をモータの回転軸の中心と一致さ
せるような位置合わせをすれば済むため組み立て工程は
簡略化できることになる。
【0047】なお、図3には、n on p型のエピタキ
シャル基板を用いたモノリシック光電変換素子の構造を
示したが、p型シリコン、n型シリコンを入れ替えたp
on n型のエピタキシャル基板を用いても良い。この
場合は、p型シリコン中にpn結合を形成するための不
純物としてボロンではなく、リン(P)またはヒ素(A
s)を用いる。
【0048】また、本実施の形態では、基板や光電変換
素子の形を円形としたが、作製工程に応じて多角形とし
てもよい。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、機
械的な摺動部を有する整流子を用いることなく、照射し
た光のエネルギーによって直流モータを駆動し、トルク
を得ることができる。このため、従来のブラシモータに
伴っていた電磁的、機械的ノイズが減少する。
【0050】直流モータの回転に要するエネルギーは、
すべて光で供給されるため、外部から直流モータに電気
配線を設ける必要がない。このように、エネルギーは非
接触で供給されるため、従来のブラシモータでは不可欠
であった整流子(ブラシ)が不要となり、部品コストと
組立コストが低減できるだけでなく、直流モータの小型
化にも効果的である。
【0051】レーザ光でエネルギーを供給する仕組みで
あるため、エネルギー伝達経路(光ファイバ)は電磁
的、機械的ノイズを発生することがなく、周囲の電磁環
境に与える悪影響をなくすことができる。また、外部の
電磁ノイズによる干渉も受けにくい。
【0052】また、いわゆるブラシレスモータでありな
がら、回転子(電機子コイル)の位置検知機構や外付け
の励磁電流スイッチング回路が不要である。したがっ
て、これらの機構、回路に要していたコスト、スペース
が削減でき、安価なモータを提供することができる。
【0053】さらに、本発明の直流モータは、回転子位
置検知機構が不要でありながら、トルク角を常にπ/2に
維持できる仕組みであるため、原理的に最も効率的にト
ルクが発生でき、強力な直流モータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の直流モータ(光駆動型)の回転原理
を説明するための等価回路図である。
【図2】 図1に示した回転原理に基づく直流モータの
概略構成図である。
【図3】 2つ一組の光電変換素子をモノリシックに形
成した単一チップの構造を示す図である。
【図4】 図3のA−A断面図である。
【符号の説明】
10 電機子コイル 10A,10B コイル端 20A,20B 光電変換素子 30 基板 32 絶縁部 40 光ファイバ H 磁界 L レーザ光 X 回転軸 Z 絶縁部の軸線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N極とS極が対向して配置された磁極間
    に電機子コイルを回転自在に支持し、当該電機子コイル
    に光起電力を供給する光電変換素子が当該電機子コイル
    の回転軸を中心として、少なくとも2つ、軸対象に配置
    され、これらの光電変換素子は、前記電機子コイルの端
    部に取り付けられ、かつ前記電機子コイルとともに回転
    するように構成されてなり、前記少なくとも2つの光電
    変換素子のうち、いずれか1つの光電変換素子に向けて
    光を照射するように構成したことを特徴とする光を駆動
    源とする直流モータ。
  2. 【請求項2】 前記光電変換素子は、前記電機子コイル
    の回転軸と軸対称に配置された2つの光電変換素子が一
    組として用いられ、これら2つの光電変換素子は、互い
    に一方の光電変換素子のアノード電極が他方の光電変換
    素子のカソード電極と接続され、当該一方の光電変換素
    子のアノード電極と当該他方の光電変換素子のカソード
    電極とを接続するそれぞれのラインは、前記電機子コイ
    ルの両端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする
    請求項1に記載の光を駆動源とする直流モータ。
  3. 【請求項3】 前記一組の光電変換素子には、前記電機
    子コイルの回転に伴って前記光がいずれか一方の光電変
    換素子に交互に照射されるように構成したことを特徴と
    する請求項2に記載の光を駆動源とする直流モータ。
  4. 【請求項4】 前記光は、レーザ光であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3に記載の光を駆動源とする直
    流モータ。
  5. 【請求項5】 前記光電変換素子がモノリシックに形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の光を駆動
    源とする直流モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110380588A (zh) * 2019-06-27 2019-10-25 夏玉峰 一种高效直流发电机

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