JP2000252560A - Ld励起固体レーザ装置 - Google Patents

Ld励起固体レーザ装置

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JP2000252560A JP4816399A JP4816399A JP2000252560A JP 2000252560 A JP2000252560 A JP 2000252560A JP 4816399 A JP4816399 A JP 4816399A JP 4816399 A JP4816399 A JP 4816399A JP 2000252560 A JP2000252560 A JP 2000252560A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビーム拡がり角をビームパタンの縦方向、横
方向で均一にする。 【解決手段】 コンポジット型レーザ媒質1は、90度
旋光板10と90度旋光板10の両端面を挾み込む2枚
の異方性結晶11,12とから構成されている。異方性
結晶11,12は結晶軸が互いに直交している。集光レ
ンズ4,5は、LD2,3から放射された励起光をコン
ポジット型レーザ媒質1の各端面に集光する。異方性結
晶11,12内で発生した光を全反射鏡7と出力鏡8と
の間で繰り返し反射させることにより、レーザ発振を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LD励起固体レー
ザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体レーザ、すなわちレー
ザダイオード(以下、LDと略記する)を励起光源とす
るLD励起固体レーザ装置が知られている。CW(Cont
inuousWave)または平均出力数W以上のレーザ光をLD
励起固体レーザ装置で得ようとする場合には、連続動作
LD励起光を数百μm以下の微小スポット径に集光し、
レーザ媒質を高密度に励起する方法が一般的である。
【0003】図3(a)はレーザ媒質(ロッド)の温度
勾配を示す図、図3(b)はレーザ媒質の平面図、図3
(c)はレーザ媒質の側面図である。高出力LD光を微
小スポットに集光すると、図3(a)に示すようにレー
ザ媒質である結晶内に温度勾配が発生する。このとき、
dn/dT(nは屈折率、Tは温度)が正の場合は強い
凸レンズ効果を持ち、dn/dTが負の場合は凹レンズ
効果を持つようになる。
【0004】特に、異方性結晶をレーザ媒質として用い
ると、各結晶軸でdn/dTが異なるため、各軸方向の
レンズ効果も異なってくる。図4(a)は、異方性結晶
の平面図であり、異方性結晶の結晶軸を示す図である。
また、図4(b)は異方性結晶の側面図である。図4に
示すような異方性結晶をレーザ媒質として用いると、ビ
ーム拡がり角がレーザパタンの縦方向、横方向でそれぞ
れ異なる。その結果、図5に示すように、扁平なレーザ
ビームパタンとなってしまう。また、結晶内部での光路
長も異なるため、ビーム内での偏光解消度も大きくな
る。さらに、励起パタンとレーザビームパタンの整合も
とりにくくなるため、レーザ効率が低下する。また、ビ
ーム伝搬特性、集光特性もビームの形状に依存して均一
ではなくなるため、用途によっては光源として使用でき
ないものとなってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
LD励起固体レーザ装置では、異方性結晶をレーザ媒質
として用いた場合、レーザビームパタンが扁平となっ
て、レーザ効率が低下し、ビーム内での偏光解消度も大
きくなるという問題点があった。また、ビーム伝搬特
性、集光特性もレーザビームの形状に依存して均一では
なくなるため、用途によっては光源として使用できない
場合があるという問題点があった。本発明は、上記課題
を解決するためになされたもので、ビーム拡がり角をレ
ーザビームパタンの縦方向、横方向で均一にすることが
できるLD励起固体レーザ装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のLD励起固体レ
ーザ装置は、2枚の異方性結晶(11,12)で90度
旋光板(10)を挟み込んだコンポジット型レーザ媒質
(1)と、コンポジット型レーザ媒質の各異方性結晶に
対して励起光を放射する2つのレーザダイオード(2,
3)と、レーザ発振を実現する光共振器(7,8)とを
有している。そして、各異方性結晶の軸は互いに直交し
ている。上述の光共振器の1構成例は、レーザ媒質の外
側に配置された部分反射鏡(8)と全反射鏡(7)とか
らなる。また、上述の光共振器の1構成例は、レーザ媒
質の一方の端面に形成された部分反射コーティング膜と
レーザ媒質の他方の端面に形成された全反射コーティン
グ膜とからなる。また、上述のLD励起固体レーザ装置
の1構成例は、光共振器内にQスイッチ素子を有してい
る。また、上述のLD励起固体レーザ装置の1構成例
は、光共振器内外に波長変換素子を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】[実施の形態の1]次に、本発明
の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態となるLD励起固体
レーザ装置の構成を示すブロック図である。本発明は、
結晶軸を直交させた同形状の異方性結晶で90度旋光板
を挟み込み、それぞれの端面からLD励起するもので、
各軸方向のレンズ効果の影響を同一なものとし、均一な
レーザ拡がり角、高効率・高出力レーザ動作を提供する
ものである。
【0008】図1のLD励起固体レーザ装置は、コンポ
ジット型レーザ媒質1と、励起光を放射するレーザダイ
オード(以下、LDと略記する)2,3と、LD2,3
からの励起光を集光する集光レンズ4,5と、励起光を
透過し発振レーザ光を反射させる2色ミラー6と、発振
レーザ光を完全に反射する全反射鏡7と、発振レーザ光
の一部を反射し一部を通す部分反射鏡である出力鏡8と
を有している。
【0009】コンポジット型レーザ媒質1は、発振レー
ザ光の偏光面を光軸を中心として90度回転させる90
度旋光板10と、90度旋光板10の両端面を挾み込む
2枚の異方性結晶11,12とから構成されている。
【0010】なお、光の入射方向から90度旋光板10
を見たとき、90度旋光板10による光の回転方向は、
図1の左側から入射する場合と右側から入射する場合の
いずれの場合も同じである。例えば、図1の左側から9
0度旋光板10を見たとき、左側から入射する発振レー
ザ光の偏光面が光軸を中心として時計回りに回転すると
すれば、図1の右側から90度旋光板10を見たとき、
右側から入射する発振レーザ光の偏光面も光軸を中心と
して時計回りに回転する。
【0011】図2は、異方性結晶11,12をそれぞれ
LD2,3側から見た平面図であり、異方性結晶11,
12の結晶軸を示す図である。異方性結晶11,12
は、図2に示すように、結晶軸が互いに直交している。
また、異方性結晶11,12の表面には、発振レーザ光
及び励起光に対して無反射なコーティング膜が形成され
ている。
【0012】次に、このようなLD励起固体レーザ装置
の動作を説明する。集光レンズ4,5は、LD2,3か
ら放射された励起光をコンポジット型レーザ媒質1の各
端面に集光する。レーザ媒質1の各異方性結晶11,1
2は、入射した励起光を効率よく吸収する。
【0013】異方性結晶11,12内で誘導放出により
発生した光は、全反射鏡7で反射され、また2色ミラー
6で反射された後に出力鏡8で反射される。こうして、
異方性結晶11,12内で発生した光を全反射鏡7と出
力鏡8との間で繰り返し反射させることにより、レーザ
発振を得ることができ、発生した発振レーザ光は、出力
鏡5を通って出力される。
【0014】以上のように、本発明では、各異方性結晶
11,12の両端面から同一の条件でLD励起を行うこ
とにより、それぞれの結晶11,12のレンズ効果を同
一なものとしている。また、異方性結晶11,12の結
晶軸を互いに直交させているので、レーザ媒質1内での
レンズ効果の影響を均一にしている。さらに、異方性結
晶11,12の間に90度旋光板10を設けることによ
り、発振レーザ光に対する増幅度は各異方性結晶11,
12において同一となり、温度上昇も同一となる。
【0015】[実施の形態の2]実施の形態の1では、
全反射鏡7と出力鏡8で光共振器を構成したが、コンポ
ジット型レーザ媒質1の一方の端面に形成された部分反
射コーティング膜と、レーザ媒質1の他方の端面に形成
された全反射コーティング膜とにより、光共振器を構成
するようにしてもよい。
【0016】また、実施の形態の1において、全反射鏡
7と出力鏡8との間にQスイッチ素子を挿入して、Qス
イッチレーザ発振を得ることもできる。さらに、光共振
器内あるいは光共振器外に波長変換素子を挿入して、他
の波長を取り出すことも可能である。また、励起用LD
の動作モードは、連続動作だけでなく、パルス動作でも
構わない。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、各異方性結晶の両端面
から同一の条件でLD励起を行うことにより、それぞれ
の結晶のレンズ効果を同一なものとしている。また、異
方性結晶の結晶軸を互いに直交させているので、レーザ
媒質内でのレンズ効果の影響を均一にしている。さら
に、異方性結晶の間に90度旋光板を設けることによ
り、発振レーザ光に対する増幅度は各異方性結晶におい
て同一となり、温度上昇も同一となる。その結果、レー
ザ拡がり角を均一にでき、レーザパタンと励起パタンの
整合性を高めることができ、高効率・高出力動作が可能
となる。さらに、オプティカルコンタクトで励起光を吸
収せずそれ自体発熱しない90度旋光板と、励起光を吸
収し発熱する異方性結晶とを接触させているので、異方
性結晶で発生した熱が90度旋光板に伝わる熱伝導冷却
により、レーザ媒質の冷却効果を大きくすることができ
る。
【0018】また、光共振器内にQスイッチ素子を設け
ることにより、Qスイッチレーザ発振を得ることができ
る。
【0019】また、光共振器内外に波長変換素子を設け
ることにより、発振レーザ波長とは別の波長の光を取り
出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態となるLD励起固
体レーザ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の異方性結晶の結晶軸を示す図である。
【図3】 レーザ媒質の温度勾配を示す図とレーザ媒質
の平面図及び側面図である。
【図4】 異方性結晶の結晶軸を示す図である。
【図5】 異方性結晶をレーザ媒質として用いた従来の
LD励起固体レーザ装置のレーザビームパタンを示す図
である。
【符号の説明】
1…コンポジット型レーザ媒質、2、3…レーザダイオ
ード、4、5…集光レンズ、6…2色ミラー、7…全反
射鏡、8…出力鏡、10…90度旋光板、11、12…
異方性結晶。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の異方性結晶で90度旋光板を挟み
    込んだコンポジット型レーザ媒質と、 このコンポジット型レーザ媒質の各異方性結晶に対して
    励起光を放射する2つのレーザダイオードと、 レーザ発振を実現する光共振器とを有し、 前記異方性結晶の軸が互いに直交していることを特徴と
    するLD励起固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のLD励起固体レーザ装置
    において、 前記光共振器は、前記レーザ媒質の外側に配置された部
    分反射鏡と全反射鏡とからなることを特徴とするLD励
    起固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のLD励起固体レーザ装置
    において、 前記光共振器は、前記レーザ媒質の一方の端面に形成さ
    れた部分反射コーティング膜とレーザ媒質の他方の端面
    に形成された全反射コーティング膜とからなることを特
    徴とするLD励起固体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のLD励起固体レーザ装置
    において、 前記光共振器内にQスイッチ素子を有することを特徴と
    するLD励起固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のLD励起固体レーザ装置
    において、 前記光共振器内外に波長変換素子を有することを特徴と
    するLD励起固体レーザ装置。
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