JP2000251795A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000251795A
JP2000251795A JP4836299A JP4836299A JP2000251795A JP 2000251795 A JP2000251795 A JP 2000251795A JP 4836299 A JP4836299 A JP 4836299A JP 4836299 A JP4836299 A JP 4836299A JP 2000251795 A JP2000251795 A JP 2000251795A
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electron
substrate
wiring
thin film
image forming
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JP4836299A
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English (en)
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Masabumi Kiyougaku
正文 教學
Kazuya Miyazaki
和也 宮崎
Tomoko Maruyama
朋子 丸山
Masaaki Shibata
雅章 柴田
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度ばらつきの小さい良好な画像を長時間に
わたり保持し得る大画面の面型の画像形成装置を実現す
る。 【解決手段】 基体と、間隙を置いて対向配置された導
電性膜を有する電子放出素子を複数、前記基体上に配置
した電子源と、画像形成部材とを有する画像形成装置で
あって、前記基体の熱膨張係数が60×10-7/℃以下
であることを特徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子を用
いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子を利用した画像形成
装置として、冷陰極電子放出素子を多数形成した電子源
基板と、透明電極および蛍光体を具備した陽極基板とを
平行に対向させ、真空に排気した平面型の電子線表示パ
ネルが知られている。このような画像形成装置におい
て、電界放出型電子放出素子を用いたものは、例えば、
I.Brodie,”Advanced techno
logy:flat cold−cathode CR
Ts”,Information Display,1
/89,17(1989)に開示されたものがある。ま
た、表面伝導型電子放出素子を用いたものは、例えば、
USP5066883等に開示されている。平面型の電
子線表示パネルは、現在広く用いられている陰極線管
(cathode ray tube:CRT)表示装
置に比べ、軽量化、大画面化を図ることができ、また、
液晶を利用した平面型表示パネルやプラズマ・ディスプ
レイ、エレクトロルミネッセント・ディスプレイ等の他
の平面型表示パネルに比べて、より高輝度、高品質な画
像を提供することができる。特に、表面伝導型電子放出
素子は構成が単純で製造も容易であり、電界放出型電子
放出素子のようにフォトリソグラフィ技術を駆使した複
雑な製造工程を経ることなく、大面積にわたって多数素
子を配列形成した電子源基板を作製できる利点がある。
【0003】図9、図10は、本出願人によって、特開
平06−342636公報において開示された、表面伝
導型電子放出素子を用いた電子源基板の一例を示したも
のである。図9は電子源の一部の平面図を示している。
ここで7は上配線、6下配線、81表面伝導型電子放出
素子、8は層間絶縁層である。図10は、図9における
表面伝導形電子放出素子81を取り出した斜視図であ
る。図10中、91は基板、23は素子電極、4は電子
放出部を有する導電性薄膜、95は電子放出部であり、
素子電極2、3はそれぞれ下配線6、上配線7に接続さ
れ、下配線6と上配線7は層間絶縁層8によって電気的
に絶縁されている。ここで、マトリックス状に配置され
た上配線7と下配線6にそれぞれ走査信号、情報信号と
して所定の電圧を順次印加することで、マトリックスの
交点に位置する所定の電子放出素子を選択的に駆動でき
る。
【0004】このようなマトリクス配置された電子源基
板は、比較的簡単なフォトリソグラフィ技術を用いるこ
とによって作製できるが、より大きな基板を形成する場
合は、印刷技術を用いるのが好ましい。特に、走査信号
を印加する上配線については、1ラインに接続された素
子数が多くなるほど配線を流れる電流量が増加するた
め、配線抵抗による電圧降下が生じるので、配線は厚膜
で形成して抵抗をできるだけ小さくするのが好ましい。
特開平08−180797公報等には、配線及び層間絶
縁層をスクリーン印刷法により形成する製造方法が開示
されている。その他の部材についても、例えば、特開平
09−17333公報等には、素子電極をオフセット印
刷法等により形成する製造方法が開示されており、導電
性薄膜においては、インクジェット法により形成する製
造方法が特開平09−69334公報等に開示されてい
る。これらの印刷技術を用いることで、大面積の電子源
基板を容易に製造することができる。
【0005】次に、表面伝導型電子放出素子について説
明する。表面伝導型電子放出素子は基板上に形成された
小面積の導電性薄膜に、膜面に並行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、SnO2 薄膜を用
いたもの[M.I.Elinson、Radio En
g.Electron Phys.、10,1290,
(1965)]、Au薄膜によるもの[G.Ditmm
er,Thin Solid Films,9,317
(1972)],In23 /SnO2 薄膜によるもの
[M.Hartwell and C.G.Fonst
ed,IEEE Trans.ED Conf.,51
9(1975)],カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等
が報告されているが、本出願人は、例えば、特開平02
−56822公報において、酸化パラジウム等の金属微
粒子膜を用いた表面伝導型電子放出素子を開示してい
る。
【0006】表面伝導型電子放出素子を作製するにあた
っては、通常、導電性薄膜にフォーミングと呼ばれる通
電処理によって電子放出部を形成するのが一般的であ
る。フォーミングとは導電性薄膜の両端に直流電圧ある
いは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば1V/分程度
を印加通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしく
は変質せしめ、間隙を形成する処理である。なお、フォ
ーミング処理を施した後、導電性薄膜に電圧を印加し、
素子に電流を流すことにより、間隙近傍から電子を放出
せしめるものである。このとき、電子の放出する部位を
電子放出部と呼ぶ。
【0007】さらに本出願人によって、たとえば特開平
7−235255公報に開示されているように、フォー
ミングを終えた素子に対して活性化処理と呼ばれる処理
を施し、より良好な電子放出を得ることができる。活性
化工程は、有機物質のガスを含有する雰囲気下で、フォ
ーミング処理同様、素子にパルス電圧の印加を繰り返す
ことで行うことができ、雰囲気中に存在する有機物質か
ら、炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、素子電
流If,放出電流Ieが、著しく増加するようになる。
【0008】このような処理を経て作製された表面伝導
型電子放出素子は、例えばフラットパネルディスプレイ
等の画像形成装置に適用可能な電子源として十分な電子
放出特性を有する。
【0009】従って、上述のように、印刷技術を用い
て、表面伝導型電子放出素子からなる大面積の電子源基
板を作製することによって、大面積の画像形成装置、例
えば大画面フラットパネルディスプレイを実現すること
ができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大面積
の電子源基板を用いて画像形成装置を形成する場合、以
下に述べるような問題がある。
【0011】特に表面伝導型電子放出素子を用いて、電
子源を構成する場合は、その電子放出部を構成する微小
間隙が、基板表面に接して形成されており、素子形成時
の熱工程、あるいは素子を駆動した時の熱が基体表面に
直接伝わる.そして、パルスのon/offに同期し
て、基体表面が熱膨張・収縮を起こし、微小間隙近傍の
形態が変化し、その結果、電子放出特性が変化する。
【0012】画像形成装置においては、多数の素子が配
列形成され、かつ、動画表示の場合、表示画像は常に一
定ではないので、素子毎にon/offの頻度や、パル
ス印加時間に差が生じる。
【0013】そのため、多数の表面伝導型電子放出素子
を配列形成した画像形成装置においては、初期には特性
が揃っており均一性の高い表示画像が得られていても、
各素子毎に異なった特性の劣化を引き起こすために、輝
度バラツキなどの表示ムラが現れてしまう場合があっ
た。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために成されたものであり、下述する構成の
ものである。即ち、本発明の画像形成装置は、基体と、
間隙を置いて対向配置された導電性膜を有する電子放出
素子を複数、前記基体上に配置した電子源と、画像形成
部材とを有する画像形成装置であって、前記基体の熱膨
張係数が60×10-7/℃以下であることを特徴とす
る。ここで、好ましくは、前記基体がガラスからなり、
また前記導電性膜は、炭素または炭素化合物からなる被
膜を有する。
【0015】さらに、本発明の画像形成装置は、前記複
数の電子放出素子の各々が、互いに電気的に絶縁され、
前記基体上に配された、複数のX方向配線と、複数のY
方向配線とに電気的に接続された態様を含む。
【0016】本発明において、上記間隙部(電子放出
部)を有する導電性薄膜として、PdないしPdO、あ
るいはそれらの混合物を主成分とする薄膜が好ましく用
いられる。また、上記電子放出素子としては、表面伝導
型電子放出素子が好ましく用いられ、上記電子放出部に
は、炭素あるいは炭素化合物、あるいはそれらを主成分
とする堆積物を有するものを好ましく用いることができ
る。
【0017】上述のように、本発明においては、上記電
子放出素子を基板上に複数個配置して、入力信号に応じ
て電子を放出する電子源基板、基板上に複数の電子放出
素子を複数個並列に配置し、個々の素子の両端を金属配
線に接続した電子放出素子の行を複数もち、更に、変調
手段を有する電子源基板、基板に、互いに電気的に絶縁
されたm本のX方向金属配線とn本のY方向金属配線と
に、該電子放出素子の一対の素子電極とを接続した電子
放出素子を複数個配列した電子源基板が好ましく用いら
れる。
【0018】
【作用】本発明の画像形成装置は、電子源基板として、
熱膨張係数が60×10-7/℃以下の基板を用いること
で、各電子放出素子への電圧印加時の発熱による微小間
隙近傍の形態の変化を抑制することができる。また、長
時間にわたり初期特性を維持し、均一性の高い良好な画
像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を説明する。図1は、本発明の画像形成装置の1例を示
す概略構成図(平面図)で、電子源基板の一部のみを示
している。また、図2は、図1に示した電子源基板の一
つの電子放出素子を拡大した鳥轍図である。図3には、
図2におけるA−A’断面図を示した。
【0020】図1、図2、図3において、1は基体、
2、3は素子電極、4は導電性薄膜、5は間隙部(電子
放出部)、6、7はそれぞれ素子電極2、3に接続され
た配線、8は配線6と7を電気的に絶縁するための層間
絶縁層である。なお、配線6、7はそれぞれ、図1中の
座標に照らして、Y方向配線、X方向配線と呼び、また
絶縁層8との位置関係により、それぞれ下配線、上配線
と呼ぶことがある。
【0021】本発明の画像形成装置に用いられる基板に
ついて以下に説明する。本発明において、基体1は、熱
膨張係数の小さい基板が用いられる。具体的には、熱膨
張係数が60×10-7/℃以下である基板である。例え
ば、石英ガラス、Na等の不純物を減少させたガラス、
アルミナ等のセラミックス等が用いられる。
【0022】上記熱膨張係数を有するガラスとしは、石
英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、
アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラ
ス、96%ケイ酸ガラス、チタンケイ酸ガラス、パイレ
ックスガラスなどが上げられる。
【0023】図11(a)〜(d)は、熱膨張係数が種
々異なるガラス基体上に表面伝導型電子放出素子を形成
し、その駆動時における素子電流Ifの電流波形を比較
したものである。なお、駆動には、図11(e)に示す
矩形状のパルス電圧を印加した。
【0024】図11(a)〜(d)に示されるように、
基体の熱膨張係数が大きくなるほど、素子電流Ifの電
流波形が右下がりになり、電圧に対して線形の応答をし
なくなることが分かる。ここで、線形の応答とは、一定
の電圧値に対して一定の素子電流が流れることを意味す
る。図11に示した現象は、駆動時の熱により基体が熱
膨張し、後述する間隙部(電子放出部)5を変形させる
ためと考えている。従って、基体1の熱膨張に起因した
電子放出特性の変動や劣化を抑えるためには、上記の右
下がりの素子電流波形の小さい基体を選択すればよい。
【0025】電圧に対する電流の線形応答からのずれ
は、極力小さいことが望ましいが、本発明の画像形成装
置の性能に鑑みて、図11中の(b)、すなわち60×
10-7/℃の熱膨張率以下の基板でみられる程度のずれ
であれば、上記の電子放出特性の変動や劣化に対して十
分な効果を有する。
【0026】対向する素子電極2,3の材料としては、
以後の熱処理工程を経ても安定した導電性を有するもの
が好ましく、例えばAu,Pt,Pd等の貴金属或はそ
の合金を主成分とする金属薄膜が用いられる。
【0027】素子電極2、3の膜厚は、数十nm程度と
すると十分な導電性を有しかつ導電性薄膜4のステップ
カバレージが良好となり好ましい。
【0028】なお、上記貴金属薄膜を基体1上に形成す
る場合、十分な密着強度が得られない場合がある。その
時は、素子電極2,3基体1の密着性を上げるためにT
iやCr等の卑金属材料を下引きとして形成してもよ
い。
【0029】導電性薄膜4には、良好な電子放出特性を
得るために、微粒子で構成された微粒子膜が好ましく用
いられる。導電性薄膜4の熱的安定性は電子放出特性の
寿命を支配する重要なパラメータであるため、導電性薄
膜4の材料としてより高融点な材料を用いるのが望まし
い。しかしながら、通常、導電性薄膜4の融点が高いほ
ど後述する通電フォーミングが困難となり、間隙部(電
子放出部)形成のためにより大きな電力が必要となる。
さらに、その結果得られる電子放出部は、電子放出し得
る印加電圧(しきい値電圧)が上昇するという問題が生
じる場合がある。従って、導電性薄膜4の材料は、適度
に高い融点を有し、比較的低いフォーミング電力で良好
な電子放出特性を有する間隙部(電子放出部)が形成可
能な材料・形態のものを選ぶのがよい。また、導電性薄
膜4の膜厚は,素子電極2、3へのステップカバレー
ジ、素子電極2、3間の抵抗値及び後述するフォーミン
グ条件等を考慮して設定されるが、良好な電子放出特性
を得るためには、数nm程度の微粒子で構成された数n
m〜数十nm程度の微粒子膜が好ましく用いられる。
【0030】上述の条件に対し、PdOは、有機パラジ
ウム化合物の大気中焼成により容易に薄膜形成できるこ
と、半導体であるため比較的電気伝導度が低くフォーミ
ングに有する電力が低いこと、間隙部(電子放出部)形
成時あるいはその後、容易に還元して金属パラジウムと
することができるので膜抵抗を低減し得ること、等から
導電性薄膜4に好適な材料として用いることができる。
【0031】間隙部(電子放出部)5は、導電性薄膜4
の一部に形成された亀裂であり、この間隙部(電子放出
部)5近傍より電子が放出される。その間隙内部に数n
mより数十nmの粒径の導電性微粒子、すなわち、Pd
OやPdOが還元して生じたPd金属の微粒子を多数個
有する場合もあり、導電性薄膜4の膜厚および後述する
通電処理条件等の製法に依存している。
【0032】また、前記導電性微粒子は、導電性薄膜4
を構成する材料の元素の一部あるいは全てと同様のもの
である。
【0033】また、間隙部(電子放出部)5の一部、更
には、間隙部(電子放出部)5の近傍の導電性薄膜4に
は、後述する活性化工程を経ることにより、炭素及び炭
素化合物を有する。この炭素及び炭素化合物の役割につ
いては、電子放出部5を構成する物質として電子放出特
性を支配するものと推察されている。
【0034】配線6、7は、図1に示すように、複数の
電子放出素子に給電するためのものである。m本のX方
向配線7は、DX1、DX2、・・・DXm、nのY方
向配線6は、DY1、DY2、・・・DYnからなり
(m,nは,共に正の整数)、それぞれ、多数の電子放
出素子にほぼ均等な電圧が供給されるように、材料、膜
厚、配線幅等が設計される。これらm本のX方向配線7
とn本のY方向配線7の間には、層間絶縁層8が設置さ
れ、電気的に分離されて、マトリックス配線を構成す
る。
【0035】層間絶縁層8の形状、材料、膜厚、製法
は、配線6配線7の交差部の電位差に耐え得るように適
宜設定できるが、配線同様、印刷法により形成できるも
のが好ましく、ガラスペーストを印刷して得られるガラ
スの厚膜層が用いられる。
【0036】図1に示した構成、すなわちマトリクス配
置の構成において、X方向配線7には、X方向に配列し
た電子放出素子5の行を選択するための走査信号を印加
する不図示の走査信号印加手段が接続され、Y方向配線
6には、Y方向に配列した電子放出素子の各列を入力信
号に応じて、変調するための不図示の変調信号発生手段
が接続される。
【0037】各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給され、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素
子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0038】一方、このほかに、並列に配置した多数の
電子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行
を多数個配し、この配線と直交する方向で、該電子放出
素子の上方に配した制御電極により、電子放出素子から
の電子を制御駆動するはしご状配置のもの等があるが、
本発明は、特にこれらの配置によって限定されるもので
はない。
【0039】本発明の電子源基板の製造方法としては様
々な方法が考えられるが、その一例を図4および図5に
示す。以下、製造方法の説明を図1、2、3及び図4、
5に基づいて順をおって説明する。
【0040】(1)基体1は熱膨張係数が60×10-7
℃以下のガラス等である。基体1を洗剤、純水および有
機溶剤により十分に洗浄後、素子電極材料を、真空蒸着
法、スパッタ法等により堆積し、フォトリソグラフィ技
術により素子電極2、3を形成する(図4(a))。素
子電極2、3の形成は、オフセット印刷等の印刷技術を
用い、有機金属系ペーストを塗布後、焼成することによ
って形成することもできる。
【0041】(2)素子電極2、3を形成した基体1
に、スクリーン印刷法により導電性ペーストのパターン
を形成し、該導電性ペーストのパターンを焼成すること
で金属から成る下配線6を形成する(図4(b))。
【0042】(3)さらに、下配線6の所望の位置、す
なわち、以後の工程で形成する上配線7と交差する位置
に、層間絶縁層8を形成する(図4(c))。層間絶縁
層8についても、スクリーン印刷法によりガラスペース
トのパターンを形成し、該ガラスペーストのパターンを
焼成することで形成できる。なお、層間絶縁層8に十分
な絶縁性を付与するために膜厚を厚くしたい場合は、上
記印刷・焼成を所望の回数繰り返すこともできる。
【0043】(4)つづいて、下配線6上に形成された
層間絶縁層8上で交差するように、上配線7を形成する
(図5(d))。上配線7も、下配線6同様に、導電性
ペーストのパターンを形成し、該導電性ペーストのパタ
ーンを焼成することで形成できる。
【0044】(5)上記基体1上に設けられた素子電極
2と素子電極3との間に、有機パラジウム化合物の溶液
を塗布して乾燥することにより、有機パラジウム化合物
からなる膜を形成する。この後、有機パラジウム化合物
膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等により
パターニングし、PdO微粒子からなる導電性薄膜4を
形成する(図5(e))。なお、ここでは,有機金属溶
液の塗布法により説明したが,これに限るものでなく,
真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、分散塗布法、ディ
ッピング法、スピンナー法、インクジェット法等によっ
て形成される場合もある。
【0045】(6)つづいて、フォーミングと呼ばれる
通電処理を、素子電極2、3間、すなわち配線6、7間
に電圧を不図示の電源によりパルス状電圧あるいは、昇
電圧の印加により行うと、導電性薄膜4の部位に構造の
変化した間隙部(電子放出部)5が形成される(図5
(f))。この通電処理により導電性薄膜4を局所的に
破壊、変形もしくは変質せしめ、亀裂構造の形成された
部位近傍から電子放出が生じる。
【0046】フォーミング処理は、パルス波高値が定電
圧のパルスを印加する場合とパルス波高値を増加させな
がら、電圧パルスを印加する場合とがある。まず、パル
ス波高値が定電圧のパルスを印加の場合の電圧波形を図
6の(a)に示す。
【0047】図6の(a)中、T1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1sec〜10
msec、T2を10μsec〜100msecとし、
三角波の波高値(フォーミング時のピーク電圧)は適宜
選択する。
【0048】次に、パルス波高値を増加させながら、電
圧パルスを印加する場合の電圧波形を、図6の(b)に
示す。図6の(b)中、T1及びT2は電圧波形のパル
ス幅とパルス間隔であり、T1を1sec〜10mse
c、T2を10μsec〜100msecとし、三角波
の波高値(フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度づつ、増加させる。
【0049】なお、フォーミング処理は、フォーミング
用パルスの間に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形し
ない程度の電圧例えば0.1V程度のパルス電圧を挿入
して素子電流を測定し、その電流が所定の値以下に減少
したところで終了する。
【0050】(7)次に、フォーミングが終了した素子
に活性化処理を施す。活性化処理の工程は、有機物質を
含有する雰囲気下で、上記フォーミング処理同様、パル
ス電圧を印加することによって行うが、この雰囲気は、
電子源基板を真空容器内に配し、適当な有機物質を導入
することによって得られる。なお、後述する画像形成装
置のように、電子源基板を用いて真空外囲器を形成する
場合は、その真空外囲器内に有機物質を導入することで
活性化処理を行なうことができる。
【0051】適当な有機物質としては、アルカン、アル
ケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素
類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン
類、ニトリル類、フェノール、カルボン、スルホン酸等
の有機酸類等を挙げることが出来、具体的には、メタ
ン、エタン、プロパンなどCn2n+2で表される飽和炭
化水素、エチレン、プロピレンなどCn2n等の組成式
で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタ
ノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、
エチルアミン、フェノール、ベンゾニトリル、アセトニ
トリル、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用できる。
【0052】この処理により、雰囲気中に存在する有機
物質から、炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、
素子電流If,放出電流Ieが、著しく変化するように
なる。活性化工程の終了判定は、素子電流Ifおよび/
または放出電流Ieを測定しながら、適宜行う。なおパ
ルス幅、パルス間隔、パルス波高値などは適宜設定され
る。
【0053】炭素及び炭素化合物とは、例えばグラファ
イト(いわゆるHOPG、PG、GCを包含する;HO
PGはほぼ完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶
粒が20nm程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは
結晶粒が2nm程度になり結晶構造の乱れがさらに大き
くなったものを指す。)、非晶質カーボン(アモルファ
スカーボン及び、アモルファスカーボンと前記グラファ
イトの微結晶の混合物を指す)である。
【0054】(8)こうして作製した電子源基板に、好
ましくは、安定化工程を行う。この工程は、活性化処理
時に導入した有機物質の残留物を排気する工程である。
真空容器内の圧力は、1〜3×10-7Torr以下が好
ましく、さらに1×10-8Torr以下が特に好まし
い。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生
するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイ
ルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的に
は、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装
置を挙げることが出来る。さらに真空容器内を排気する
ときには、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、
電子源基板に吸着した有機物質分子を排気しやすくする
のが好ましい。このときの加熱条件は、80〜250
℃、好ましくは150℃以上でできるだけ長時間行なう
のが望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真
空容器の大きさや形状、電子源基板の構成などの諸条件
により適宜選ばれる条件により行う。
【0055】安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、圧力自体は多少上昇しても十分安定な特
性を維持することが出来る。
【0056】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
結果として素子電流If,放出電流Ieが安定する。
【0057】以上が、本発明で用いる電子源基板の製造
工程であるが、該電子源基板を用いて画像形成装置を構
成した例を、図7と図8用いて以下に説明する。図7
は、画像形成装置の基本構成図であり、図8は蛍光膜で
ある。
【0058】図7において、61は電子放出素子を複数
配した電子源基板、62は電子源基板61を固定したリ
アプレート、67はガラス基板64の内面に蛍光膜65
とメタルバック66等が形成されたフェースプレートで
ある。63は、支持枠であり、リアプレート62、支持
枠63及びフェースプレート67をフリットガラス等を
塗布し、大気中あるいは、窒素中で加熱焼成すること
で、封着して、外囲器69を構成する。ここで、フリッ
トガラスは、基板の熱膨張率にあわせたものを用いる
と、剥がれや基板の変形、割れ等を生じにくくなるため
好ましい。
【0059】外囲器69は、上述の如く、フェースープ
レート67、支持枠63、リアプレート62で構成した
が、リアプレート62は主に基板61の強度を補強する
目的で設けられるため、基板51自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート62は不要であり、基板6
1に直接支持枠63を封着し、フェースプレート67、
支持枠63、基板61で外囲器69を構成しても良い。
【0060】一方、フェースープレート67、リアプレ
ート62間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を
設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ
外囲器69を構成することもできる。
【0061】図8は、蛍光膜である。蛍光膜65は、モ
ノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍
光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプ
あるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材
71と蛍光体72とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の場合必要となる3原色蛍光体の、各蛍光体72間の
塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくするこ
とと、蛍光膜65における外光反射によるコントラスト
の低下を抑制することにある。ブラックストライプの材
料としては、通常良く用いられている黒鉛を主成分とす
る材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が
少ない材料であればこれに限るものではない。
【0062】ガラス基板64に蛍光体を塗布する方法
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等
が用いられる。
【0063】また、蛍光膜65の内面側には通常メタル
バック66が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート67側
へ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電
子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させ
ること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメ
ージからの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍
光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フ
ィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着
等を用いて堆積させることで作製できる。
【0064】フェースプレート67には、更に蛍光膜6
5の導電性を高めるため、蛍光膜65の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。前述の封着を行う際、カ
ラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させな
くてはいけないため、十分な位置合わせを行なう必要が
ある。
【0065】外囲器69は、不図示の排気管を通じ、1
×10-7Torr程度の真空度にした後、封止がおこな
われる。また、外囲器69の封止後の真空度を維持する
ために、ゲッター処理を行なう場合もある。これは、外
囲器69の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱
あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器69内の
所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、
蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が
主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえば1
×10-5ないしは1×10-7Torrの真空度を維持す
るものである。
【0066】以上により完成した本発明の画像表示装置
において、各電子放出素子には、容器外端子Dox1な
いしDoxm、Doy1ないしDoynを通じ、電圧を
印加することにより、電子放出させ、高圧端子68を通
じ、メタルバック66あるいは透明電極(不図示)に数
kV以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜
65に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示す
るものである。
【0067】なお、以上述べた構成は、表示等に用いら
れる好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成
であり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容
に限られるものではなく、画像装置の用途に適するよう
適宜選択する。
【0068】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0069】[実施例1]本実施例の画像形成装置を構
成する基本的な電子源基板の構成は、図1、図2、図3
と同様である。本実施例の画像形成装置を構成する電子
源基板の製造法は、図4および図5に示している。以
下、図1、図2、図4および図5を用いて、本発明に関
わる画像形成装置の基本的な構成及び製造法を説明す
る。図4および図5は簡便のため、一個の電子放出素子
近傍の製造工程を拡大して示しているが、本実施例で
は、多数の電子放出素子を単純マトリクス配置した電子
源基板を用いている。
【0070】(工程−a)清浄化したパイレックスガラ
ス(熱膨張係数33×10-7)基体1上に、スパッタ法
により厚さ5nmのTi、厚さ50nmのPtを順次堆
積する。その後、素子電極23のパターンをフォトレジ
ストで形成し、ドライエッチング処理によって素子電極
2、3のパターン以外のPt/Ti堆積層を除去し、最
後にフォトレジストパターンを除去して、素子電極2、
3を形成する。
【0071】(工程−b)素子電極2、3を形成した基
体1に、スクリーン印刷により、配線6のパターンをA
gペーストを用いて形成し、乾燥後、500℃で焼成
し、Agからなる所望の形状の配線6を形成する。
【0072】(工程−c)次に層間絶縁層8のパターン
を、スクリーン印刷により、ガラスペーストを用いて形
成し、乾燥後、500℃で焼成する。十分な絶縁性を得
るために、再度、ガラスペーストを印刷、乾燥、焼成を
繰り返して、ガラスからなる所望の形状の層間絶縁層8
を形成する。
【0073】(工程−d)層間絶縁層8を形成した部位
において下配線6交差するように、上配線7のパターン
を、スクリーン印刷により、Agペーストを用いて形成
し、乾燥後、500℃で焼成し、Agからなる所望の形
状の上配線7を形成する。以上の工程により、素子電極
2、3が配線67によってマトリックス状に結線され
た、基板が形成できる。
【0074】(工程−e)次に、導電性薄膜4を素子電
極2、3のギャップ間にまたがるように形成する。導電
性薄膜4の形成は、有機パラジウム溶液をインクジェッ
ト法により所望の位置に塗布し、350℃で30分間の
加熱焼成処理をする。こうして得られた導電性薄膜4は
PdOを主成分とする微粒子からなり、膜厚は約10n
mであった。以上の工程により基体1上に下配線6、層
間絶縁層8上配線7、素子電極23、導電性薄膜4を形
成し、電子源基板を作製した。以下に、本実施例の画像
形成装置を、図7と図1を用いて説明する。以上のよう
にして作製した電子源基板61をリアプレート62上に
固定した後、電子源基板61の5mm上方に、フェース
プレート67(ガラス基板64の内面に蛍光膜65とメ
タルバック66が形成されて構成される)を支持枠63
を介し配置し、フェースプレート67、支持枠63、リ
アプレート62の接合部にフリットガラスを塗布し、大
気中で380℃で30分焼成することで封着した。また
リアプレート62への電子源基板61の固定もフリット
ガラスで行った。
【0075】蛍光膜65は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部(電子放出部)に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜65
を作製した。ブラックストライプの材料として通常良く
用いられている黒鉛を主成分とする材料を用いた。ガラ
ス基板64に蛍光体を塗布する方法はスラリー法を用い
た。
【0076】また、蛍光膜65の内面側には通常メタル
バック66が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
【0077】フェースプレート67には、更に蛍光膜6
5の導伝性を高めるため、蛍光膜65の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導伝性が得られたので省
略した。
【0078】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
【0079】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ない
しDoxmとDoy1ないしDoynを通じ素子電極
2、3に電圧を印加し、導電性薄膜4をフォーミング処
理した。フォーミング処理の電圧波形は、図6の(b)
と同様である。本実施例ではT1を1msec、T2を
10msecとし、約1×10-5Torrの真空雰囲気
下で行った。
【0080】その後、一旦、真空ポンプにて排気しなが
ら、ガラス容器全体を200℃で2時間加熱した。この
とき、PdOを主成分とする導電性薄膜4は熱還元さ
れ、Pdを主成分とする膜となった。
【0081】次に、パネル内の圧力が10-8Torr台
に達するまで排気を続けた後、パネルの排気管より、全
圧が1×10-6Torrとなるように有機物質をパネル
内に導入し、維持した。容器外端子Dox1ないしDo
xmとDoy1ないしDoynを通じ素子電極23間
に、15Vの波高値のパルス電圧を印加し、活性化処理
を行った。
【0082】このように、フォーミング、活性化処理を
行ない、間隙部(電子放出部)5を形成した。
【0083】次に10-6Torr程度の圧力まで排気
し、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着
し外囲器の封止を行った。
【0084】最後に封止後の圧力を維持するために、高
周波加熱法でゲッター処理を行った。
【0085】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dox1
ないしDoxm,Doy1ないしDoynを通じ、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞ
れ、印加することにより、電子放出させ、高圧端子68
を通じ、メタルバック66、あるいは透明電極(不図
示)に5kV以上の高圧を印加し、電子ビームを加速
し、蛍光膜65に衝突させ、励起・発光させることで画
像を表示した。
【0086】本実施例における画像表示装置は、テレビ
ジョンとして十分満足できる輝度(約150fL)で、
均一性の高い表示画像が長時間に渡って得られた。 [実施例2]本実施例にかかわる画像形成装置の電子源
基板の基本的な構成も、実施例1と同様である。 (工程−a)清浄化したホウケイ酸ガラス(熱膨張係数
51.5×10-7/℃)基体1上に、スパッタ法により
厚さ5nmのTi、厚さ50nmのPtを順次堆積す
る。その後、素子電極23のパターンをフォトレジスト
で形成し、ドライエッチング処理によって素子電極2、
3のパターン以外のPt/Ti堆積層を除去し、最後に
フォトレジストパターンを除去して、素子電極2、3を
形成する。
【0087】(工程−b)素子電極2、3を形成した基
体1に、スクリーン印刷により、配線6のパターンをA
gペーストを用いて形成し、乾燥後、500℃で焼成
し、Agからなる所望の形状の配線6を形成する。
【0088】工程−c 次に層間絶縁層8のパターンを、スクリーン印刷によ
り、ガラスペーストを用いて形成し、乾燥後、500℃
で焼成する。十分な絶縁性を得るために、再度、ガラス
ペーストを印刷、乾燥、焼成を繰り返して、ガラスから
なる所望の形状の層間絶縁層8を形成する。
【0089】(工程−d)層間絶縁層8を形成した部位
において下配線6交差するように、上配線7のパターン
を、スクリーン印刷により、Agペーストを用いて形成
し、乾燥後、500℃で焼成し、Agからなる所望の形
状の上配線7を形成する。以上の工程により、素子電極
2、3が配線67によってマトリックス状に結線され
た、基板が形成できる。
【0090】(工程−e)次に、導電性薄膜4を素子電
極2、3のギャップ間にまたがるように形成する。導電
性薄膜4の形成は、有機パラジウム溶液をインクジェッ
ト法により所望の位置に塗布し、350℃で30分間の
加熱焼成処理をする。こうして得られた導電性薄膜4は
PdOを主成分とする微粒子からなり、膜厚は約10n
mであった。以上の工程により基体1上に下配線6、層
間絶縁層8上配線7、素子電極23、導電性薄膜4を形
成し、電子源基板を作製した。
【0091】以後、実施例1と同様に、本実施例の電子
源基板を用いて画像形成装置を構成したところ、本実施
例における画像表示装置においても、テレビジョンとし
て十分満足できる輝度で良好な画像を長時間にわたって
安定に表示することができた。
【0092】[比較例]本比較例では、熱膨張係数の大
きい無アルカリガラス基体を用いる以外は、実施例1〜
2と同様の工程を行なったものである。 (工程−a〜e)清浄化した無アルカリガラス(熱膨張
係数83×10-7)基体1をもちいて、実施例4と同様
の工程を行ない、基体1上に配線6、層間絶縁層8、上
配線7、素子電極2、3、導電性薄膜4を形成し、電子
源基板を作製した。
【0093】実施例1と同様に、封着を行った後、完成
したガラス容器内の雰囲気を排気管(図示せず)を通じ
真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器
外端子Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoy
nを通じ素子電極2、3に電圧を印加し、導電性薄膜4
をフォーミング処理した。このとき、フォーミングの起
こる電圧値にかなりのバラツキがあり、一部フォーミン
グのできない素子も存在した。
【0094】その後、一旦、真空ポンプにて排気しなが
ら、ガラス容器全体を200℃で10時間加熱したが、
PdOを主成分とする導電性薄膜4は十分に熱還元され
なかった。
【0095】次に、パネル内の圧力が10-8Torr台
の達するまで排気を続けた後、パネルの排気管より、全
圧が110-6Torrとなるように有機物質をパネル内
に導入し、維持した。容器外端子Dox1ないしDox
mとDoy1ないしDoynを通じ素子電極23間に、
15Vの波高値のパルス電圧を印加し、活性化処理を行
った。
【0096】起こる電圧値にかなりのバラツキがあり、
フォーミングのできない素子も多数存在した。
【0097】その後、一旦、真空ポンプにて排気しなが
ら、ガラス容器全体を200℃で10時間加熱したが、
PdOを主成分とする導電性薄膜4は十分に熱還元され
なかった。
【0098】次に、パネル内の圧力が10-8Torr台
の達するまで排気を続けた後、パネルの排気管より、全
圧が110-6Torrとなるように有機物質をパネル内
に導入し、維持した。容器外端子Dox1ないしDox
mとDoy1ないしDoynを通じ素子電極23間に、
15Vの波高値のパルス電圧を印加し、活性化処理を行
った。このとき、最終的に得られる電流値の大きなバラ
ツキが観測された。このように、フォーミング、活性化
処理を行ない、間隙部5を形成した。
【0099】以後、実施例1〜2と同様に、本実施例の
電子源基板を用いて画像形成装置を横成したところ、本
比較例における画像表示装置においては、多少暗い印象
で、次第に輝度バラツキが目立つようになった。
【0100】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の画像形成装
置によれば、熱膨張係数の小さい基板を用いた電子源基
板を用いることにより、輝度ばらつきの小さい良好な画
像を長時間にわたり保持し得る大画面の面型の画像形成
装置、例えば、カラーフラットテレビが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子源基板の1例を示す平面図であ
る。
【図2】 本発明の電子源基板の電子放出素子近傍の鳥
瞰図である。
【図3】 本発明の電子源基板の電子放出素子近傍の断
面図である。
【図4】 本発明に係る電子源基板の基本的な製造方法
を説明するための図である。
【図5】 本発明に係る電子源基板の基本的な製造方法
を説明するための図である。
【図6】 本発明に係るフォーミング処理における電圧
波形の一例を示す図である。
【図7】 本発明に係る画像形成装置の基本構成を示す
図である。
【図8】 図7の画像形成装置に用いられる蛍光膜を示
す図である。
【図9】 従来の電子源基板の構成を示す平面図であ
る。
【図10】 従来の電子源基板の構成を示す鳥瞰図であ
る。
【図11】基体の熱膨張係数による素子電流の波形の変
化を示す図である。
【符号の説明】
1:基体、2,3:素子電極、4:導電性薄膜、5:間
隔部(電子放出部)、6,7:配線、8:層間絶縁層、
61:電子源基板、62:リアプレート、63:外枠、
64:リアプレート基板、65:蛍光膜、66:メタル
バック、67:フェースプレート、68:高圧端子、6
9:真空外囲器、71:黒色導電体、72:蛍光体、8
1:電子放出素子、91:基板、95電子放出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 朋子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 柴田 雅章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5C031 DD09 DD17 5C036 EE02 EF01 EF06 EF09 EG12 EG50 EH21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、間隙を置いて対向配置された導
    電性膜を有する電子放出素子を複数、前記基体上に配置
    した電子源と、画像形成部材とを有する画像形成装置で
    あって、前記基体の熱膨張係数が60×10-7/℃以下
    であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記基体がガラスからなることを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性膜が、炭素または炭素化合物
    からなる被膜を有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の電子放出素子の各々が、互い
    に電気的に絶縁され、前記基体上に配された、複数のX
    方向配線と、複数のY方向配線とに電気的に接続された
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像
    形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100459013C (zh) * 2004-01-05 2009-02-04 佳能株式会社 电子发射元件、电子源及图像显示装置的制造方法

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