JP2000251201A - ハードディスク音響検査方法およびハードディスク音響検査装置およびプログラム記憶媒体 - Google Patents

ハードディスク音響検査方法およびハードディスク音響検査装置およびプログラム記憶媒体

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JP2000251201A
JP2000251201A JP11346032A JP34603299A JP2000251201A JP 2000251201 A JP2000251201 A JP 2000251201A JP 11346032 A JP11346032 A JP 11346032A JP 34603299 A JP34603299 A JP 34603299A JP 2000251201 A JP2000251201 A JP 2000251201A
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disk
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武徳 星野
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良実 前原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードディスクを開封することなく、CSS
エリアについた打痕を発見できるようにする。 【解決手段】 ハードディスク2ヘッドとディスク上の
傷が衝突する際に生じる振動をハードディスクの筐体に
伝わる振動から検出することによって、ハードディスク
のカバーを開封することなしに、ディスクの傷(特に、
CSSエリアの傷)の有無を検査できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクに
おけるディスクの傷(特に、CSS(コンタクト・スタ
ート・ストップ)エリアの打痕等)を検査する方法およ
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクの種類として、電源OF
F時にヘッドが待機するCSSエリアがディスク上に設
けられているものがある。
【0003】CSSエリアを持つハードディスクは、そ
の運搬中の振動等によって、ヘッドがこのCSSエリア
に衝突し、打痕をつけてしまうことがある。
【0004】図7はハードディスクのCSSエリアにつ
いた打痕とヘッドの高さの関係を示す説明図で、ディス
ク100を回転させてヘッド101が浮上した時の高さ
はディスク面102から30nm〜80nm、これに対
して、打痕103の高さは15nm〜50nm程度であ
る。このような打痕は、通常の読み書き検査では発見で
きない。このような打痕のついたハードディスクは、実
際に使用を開始して1〜2か月たつと、打痕103とヘ
ッド101が衝突することによって発生する粉塵等によ
り故障を起こしやすくなる。
【0005】このような打痕は、ハードディスクを開封
すれば発見することはできる。しかしながら、開封した
ハードディスクは、塵等が混入するため、製品としての
価値がなくなってしまう。そのため、ハードディスクを
開封することなく検査できる手法が望まれていた。
【0006】他方、ハードディスクの製造工程におい
て、ディスクについた傷を検査する方法としては、特開
平4−283421号や特開平10―206340号に
開示される技術がある。
【0007】これらの技術は、ヘッドが取り付けられて
いるアームに振動を検査する機構を取り付け、アームの
振動を直接検出して、この振動からの傷の有無を判断す
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の検査方法は、アームに振動を検出する機構が必
要なため、製造するための手間とコストがかかってしま
う。また、すでに世間に普及しているハードディスクに
は適用できない。しかも、上述した従来の検査方法は、
ハードディスクのカバーを取り付けてしまうとアームに
は直接アクセスできないので、製品化した後のハードデ
ィスクの検査は不可能である。
【0009】本発明は、ハードディスクを開封すること
なく、ハードディスクの傷(特に、CSSエリアの打
痕)を発見できるようにする。しかも、本発明は、ハー
ドディスクの製造に手間やコストをかけることなく、ま
た、すでに世間に普及しているハードディスクにも適用
できるようにする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、請求項1に係る発明は、ハードディスクの筐体に
伝わる振動からハードディスクのヘッドとディスクの傷
が衝突する際に生じる振動をピックアップすることによ
って、ディスクの傷の有無を検査することを特徴とする
ハードディスク音響検査方法である。
【0011】請求項2に係る発明は、上述した請求項1
に係る発明において、前記検査は、ディスクの駆動を停
止させ、ディスクが惰性で回転しているときに行うこと
とした。
【0012】請求項3に係る発明は、ハードディスクの
筐体に伝わる振動からハードディスクのヘッドとディス
クの傷が衝突する際に生じる振動をピックアップする手
段を備えたことを特徴とするハードディスク音響検査装
置である。
【0013】請求項4に係る発明は、上述した請求項3
に係る発明において、前記ピックアップする手段は、接
触マイクであることを特徴とする。
【0014】請求項5に係る発明は、上述した請求項3
に係る発明において、前記ピックアップする手段は、光
学ヘッドであることを特徴とする。
【0015】請求項6に係る発明は、上述した請求項3
に係る発明において、前記ピックアップする手段によっ
てピックアップされた振動を音として増幅して外部に出
力する手段を備えたことを特徴とする。
【0016】請求項7に係る発明は、上述した請求項3
に係る発明において、前記ピックアップする手段によっ
てピックアップされた振動を波形として表示するディス
プレイを備えたことを特徴とする。
【0017】請求項8に係る発明は、上述した請求項3
に係る発明において、前記ピックアップする手段によっ
てピックアップされた振動をデジタル値に変換して記憶
する手段を備えたことを特徴とする。
【0018】請求項9に係る発明は、上述した請求項8
に係る発明において、前記記憶する手段によって記憶さ
れた振動を基にして、ハードディスクのヘッドとディス
クの傷が衝突する音を検出する手段を備えたことを特徴
とする。
【0019】請求項10に係る発明は、上述した請求項
9に係る発明において、前記検出する手段は、ハードデ
ィスクの電源を制御する機能と、振動の状態を監視する
機能と、外部に出力する音の増幅率を変化させる機能を
有することを特徴とする。
【0020】請求項11に係る発明は、上述した請求項
9に係る発明において、前記検出する手段は、観測者に
検査可能タイミングを通知する機能を有することを特徴
とする。
【0021】請求項12に係る発明は、上述した請求項
8に係る発明において、デジタル値に変換された振動を
Wavelet変換する手段を備えたことを特徴とす
る。
【0022】請求項13に係る発明は、上述した請求項
9に係る発明において、前記検出する手段は、前記記憶
部に記憶された振動を基にして、ディスクの回転停止直
前の領域を切出してディスクのCSSエリアの傷の解析
を行うことを特徴とする。
【0023】請求項14に係る発明は、上述した請求項
9に係る発明において、前記検出する手段は、音響デー
タの平均レベルとピークレベルの比を用いてディスクの
傷の有無を解析することを特徴とする。
【0024】請求項15に係る発明は、上述した請求項
9に係る発明において、前記検出手段は、音響データ中
のピークレベルの周期性とハードディスクのスピンドル
の減速特性を用いてディスクの傷の有無を解析すること
を特徴とする。
【0025】請求項16に係る発明は、上述した請求項
9に係る発明において、前記検出手段は、ハードディス
クの複数の型のパラメータを記憶でき、検査するハード
ディスクの型に応じたパラメータを用いてディスクの傷
の有無を解析することを特徴とする。
【0026】請求項17に係る発明は、上述した請求項
3に係る発明において検査時に原音の状態の音響データ
を記憶する手段を備えたこと、を特徴とする。
【0027】請求項18に係る発明は、ハードディスク
の筐体に伝わる振動を基にして、音響データの平均レベ
ルとピークレベルの比を用いてディスクの傷の有無を解
析する、または、音響データ中のピークレベルの周期性
とハードディスクのスピンドルの減速特性を用いてディ
スクの傷の有無を解析するプログラムを記憶したことを
特徴とするプログラム媒体である。
【0028】請求項19に係る発明は、上述した請求項
1に係る発明において、前記検査は、減圧チェンバー内
で行うことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、ハードディスクのヘッ
ドとディスク上の傷が衝突する際に生じる振動をハード
ディスクの筐体に伝わる振動から検出することによっ
て、ハードディスクのカバーを開封することなしに、デ
ィスクのCSSエリアの傷の有無を検査できるようにし
たものである。
【0030】なお、当業界において、ハードディスクの
ヘッドとディスクの傷が衝突する際に生じる振動がハー
ドディスクの筐体に伝わることはまったく予想外のこと
であった。それゆえ、例えば、特開平4−283421
号や特開平10―206340号では、振動を検出する
ための特別な機構をアームに設けなければディスクの傷
の有無が検査できなかった。他方、本発明は、そのよう
な特別な機構を設けることなしに、ディスクの傷の有無
が検査できる。
【0031】以下、本発明の詳細を図面を用いて説明す
る。なお、各図はこの発明を理解できる程度に概略的に
示してあるにすぎない。また、各図において、共通する
要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】<第1の実施例>以下に、例えば、ディス
クのCSSエリアの傷の有無を検査する場合を例にして
発明の詳細を説明する。
【0033】図1は本発明のハードディスク音響検査装
置の実施の形態の一例を示す機能ブロック図である。
【0034】図において、1はハードディスク2の振動
をピックアップする手段としての接触マイクである。接
触マイク1は、ハードディスク2の筐体に接触させるこ
とで、該筐体に伝わる振動を検出して、アナログの電気
信号を発生する。接触マイク1は、振動子が圧電素子に
接続され、振動子の振動が直接圧電素子に伝達される機
構のもの(圧電マイク)を用いるとよい。
【0035】3は増幅器で、前記接触マイク1が拾った
ハードディスク2の筐体に伝わる振動を増幅する。この
増幅器3は、増幅率が可変となっている。
【0036】3aは前記増幅器3で増幅した接触マイク
1の出力をA−D変換するA−D変換器、3bは前記増
幅器3で増幅した接触マイク1の出力を前記A−D変換
器でデジタル化したデータを保存する記憶装置である。
【0037】4は前記増幅器3で増幅した接触マイク1
の出力を音声として出力するスピーカである。なお、ス
ピーカの代わりにヘッドフォンを用いてもよい。
【0038】5は制御装置で、検査を開始するためのス
タートSW(スイッチ)5a、検査可能な状態となった
ことを観測者に通知する表示LED5b、ハードディス
ク2の電源のON/OFFの制御を行う回路5c、該ハ
ードディスク2の状態を監視する回路5d、増幅器3の
増幅率を制御する回路5e、該増幅器3の出力からノイ
ズの有無を判断する回路5f、記憶装置3aにデータを
保存したり読み出す回路5g、ハードディスク用電源部
5hを備える。
【0039】ハードディスク2と制御装置5の間は、制
御装置5からハードディスク2に電源を供給するため、
該ハードディスク2の電源用コネクタと接続するととも
に、ハードディスク2のON/OFF制御および状態の
監視のため、信号インターフェース用のコネクタと接続
する。
【0040】前記制御装置5の動作の概略を説明する
と、制御装置5は、スタートSW5aの押下を検出する
と、ハードディスク2への電源をONにし、該ハードデ
ィスク2からの信号を監視して、ハードディスク2から
のレディー信号を受けて立ち上がったことを検出する
と、そこから所定時間経過後に、ハードディスク2への
電源をOFFにする。これにより、ハードディスク2
は、モータ(図示せず)が停止して、ディスクが惰性で
回転するようになる。
【0041】そして、制御装置5は、ハードディスク2
への電源をOFFにすると、前記増幅器3に所定の時間
をかけて増幅率を上げるように指示を出す。増幅器3
は、この指示を受けて、増幅率を所定の値まで上げなが
ら、増幅した接触マイク1からの出力を制御装置5とA
−D変換器3aに出力する。このとき、制御装置5は、
増幅器3から受けた出力に含まれるノイズを回路5fで
監視する。また、A−D変換器3aは、増幅器3から受
けた出力をデジタルなデータに変換して記憶装置3bに
出力する。
【0042】制御装置5は、増幅器3の増幅率が所定の
値まで上がると、表示LED5bを点灯して検査可能タ
イミングであることを観測者に通知するとともに、記憶
装置3bにA−D変換器3aから出力されたデータの保
存を開始させる。
【0043】この後、ディスクの惰性による回転が停止
する。すると、制御装置5は、ノイズが所定値以下にな
った時点で、前記増幅器3に増幅率を下げるように指示
を出す。増幅器3は、この指示を受けて、増幅率を所定
の値まで下げていく。また、制御装置5は、前記表示L
ED5bを消灯して検査可能タイミングが外れたことを
観測者に通知するとともに、前記記憶手段3aへの保存
を停止する。
【0044】図2はハードディスクの構成の一例を示す
斜視図で、図2(a)はカバーを外した状態、図2
(b)はカバーを付けた状態を示す。
【0045】6は一枚、もしくは複数枚のディスクで、
図示しないモータにより回転する。7はアームで、その
先端にディスク6に対してデータの読み書きを行うヘッ
ド8が取り付けられているとともに、後端側は図示しな
い駆動源によりディスク6の面に沿ってアーム7が振れ
るように支持機構に回転可能に支持されている。
【0046】9は、前記ディスク6や、ディスク6を回
転させるモータ(図示せず)、アーム7の支持機構や駆
動機構、基板等が取り付けられているベースである。
【0047】10はベース9にカバー11を支持するた
めの複数の取付部、12は取付部10に設けられたネジ
穴、13はカバー11をベース9に固定するためのネ
ジ、14はハードディスク2をコンピュータ等に取り付
ける際に使用するネジ穴である。
【0048】15は電源を接続するための電源コネク
タ、16は信号線を接続するためのインターフェースコ
ネクタである。
【0049】以下に、ハードディスク2の動作の概要を
説明する。なお、ハードディスク2には、電源OFF時
にヘッド8がディスク6に接触した状態で待機するCS
Sエリア6bが、該ディスク6の最も内周に沿って設け
られている。
【0050】ハードディスク2は、電源がONになる
と、ディスク6が回転を開始する。ディスク6が回転す
ると、気流によりヘッド8が浮上してCSSエリア6a
から離陸する。ヘッド8が離陸すると、アーム7を回転
させてヘッド8をCSSエリア6aから読み書きエリア
6bに移動させる。
【0051】電源をOFFにすると、アーム7を回転さ
せてヘッド8をCSSエリア6aに戻し、ディスク6を
惰性で回転させながらその回転を停止させる。ディスク
6の回転が落ちていくに従い、ヘッド8は降下してい
き、ディスク6の回転が停止してヘッド8がCSSエリ
ア6aに着陸して、動作は終了する。
【0052】図3は本発明のハードディスク音響検査装
置の構成の一例を示す外観斜視図である。
【0053】20はハードディスク音響検査装置、21
は検査対象のハードディスク2を装着する装着部であ
る。
【0054】5aは図1で説明したスタートSW、1は
接触マイク、4はスピーカ、5bは表示LEDである。
22はヘッドフォン端子で、スピーカ4に出力される音
を図示しないヘッドフォンで出力可能とする。
【0055】23はハードディスク2の電源コネクタ1
5に接続する電源コネクタ、24はハードディスク2の
インターフェースコネクタ16に接続するインターフェ
ースコネクタである。
【0056】図4は図3で説明した接触マイク1の取り
付け構造の一例を示す概略断面図である。接触マイク1
は、バネ25に押圧されて底面から突出するように、装
着部21の底面に取り付けられる。ハードディスク2
は、カバー11が下になるようにして装着部22に装着
される。ハードディスク2が装着部21に装着される
と、接触マイク1は、下からバネ25に押圧され、かつ
上からハードディスク2が沈み込むことにより、ハード
ディスク2と密着する。なお、接触マイク1は、振動を
検出する機構が尖った形状になっている。このような形
状のピックアップ手段は、ネジ13やネジ穴14のいず
れかに装着するとハードディスク2の振動を良好に検出
することができる。
【0057】図5は本発明のハードディスク音響検査装
置の変形例を示す外観斜視図である。
【0058】30はハードディスク音響検査装置、5a
は図1で説明したスタートSW、1は接触マイク、4は
スピーカ、5bは表示LEDである。31は接触マイク
1とハードディスク音響検査装置30とを接続するケー
ブルである。32はヘッドフォン端子で、スピーカ4に
出力される音を図示しないヘッドフォンで出力可能とす
る。
【0059】33はハードディスク2の電源コネクタ1
5に接続する電源コネクタ、34は電源コネクタ33と
ハードディスク音響検査装置30とを接続するケーブ
ル、35はハードディスク2のインターフェースコネク
タ16に接続するインターフェースコネクタ、36はイ
ンターフェースコネクタ35とハードディスク音響検査
装置30とを接続するケーブルである。
【0060】図5に示す構成のハードディスク音響検査
装置は、観測者が接触マイク1をハードディスク2に押
しつける構成になっている。なお、接触マイク1は、振
動を検出する機構が尖った形状になっているので、ネジ
13やネジ穴14のいずれかに装着するとハードディス
ク2の振動を良好に検出することができる。
【0061】図6は本発明のハードディスク音響検査方
法の詳細を示すタイムチャートであり、以下に動作の詳
細を説明する。なお、図6(a)は縦軸にノイズレベ
ル、横軸に時間をとって時間の経過とノイズの変化を表
したグラフ、図6(b)はスタートSW5aの状態を示
すスタートスイッチシーケンス、図6(c)は電源制御
の状態を示す電源シーケンス、図6(d)はハードディ
スク2の状態を示すインターフェースシーケンス、図6
(e)は増幅器3の状態を示すゲインシーケンス、図6
(f)は表示LED5bの状態を示す表示LEDシーケ
ンスである。
【0062】まず、検査対象のハードディスク2をハー
ドディスク音響検査装置にセットする。ここで、ハード
ディスク音響検査装置が図3に示すような構造の場合、
ハードディスク2をカバー11を下にして装着部21に
装着する。このとき、ハードディスク2の電源コネクタ
15がハードディスク音響検査装置20の電源コネクタ
23に接続され、ハードディスク2のインターフェース
コネクタ16がインターフェースコネクタ24に接続さ
れる。
【0063】そして、接触マイク1がハードディスク2
のネジ13に接触する。
【0064】また、ハードディスク音響検査装置が図5
に示すような構造の場合、ハードディスク2の電源コネ
クタ15にハードディスク音響検査装置30の電源コネ
クタ33を接続し、ハードディスク2のインターフェー
スコネクタ16にインターフェースコネクタ35を接続
し、接触マイク1をハードディスク2の筐体9の表面に
接触させる。なお、このとき、接触マイク1を筐体9の
側面のネジ13やネジ穴14に接触させると、ハードデ
ィスク2の振動を良好にピックアップすることができ
る。
【0065】以上の操作により、接触マイク1がハード
ディスク2の振動を検出可能となり、制御装置5はハー
ドディスク2の駆動および信号の監視を行えるようにな
る。
【0066】次に、スタートSW5aを押す。
【0067】制御装置5は、スタートSW5aのONを
検出すると、ハードディスク2への電源をONにし、回
転開始の指示を出す。これにより、ハードディスク2の
ディスク6が回転を開始する。ディスク6が回転を開始
すると、気流によりCSSエリア6aにおいてヘッド8
が離陸を開始し、ヘッド8が浮上すると、アーム7を回
転させてヘッド8を読み書きエリアに移動させる。ハー
ドディスク2は、上述したようにヘッド8を所定の位置
に移動させると、レディー状態であることを出力する。
制御装置5は、ハードディスク2からの信号を監視し
て、該ハードディスク2からレディー状態の通知を受け
て立ち上がったことを検出すると、そこからタイマによ
り所定時間t1をカウントした後に、ハードディスク2
への電源をOFFにする。ここで、上記所定時間t1
は、ハードディスク2が立ち上がってから、ヘッドの動
作がなくなるまでの時間であり、おおよそ、1秒程度で
ある。
【0068】ハードディスク2は、電源がOFFになる
と、アーム7が回転してヘッド8がCSSエリア6aに
戻り、ディスク6は惰性で回転しているので回転は徐々
に遅くなってヘッド8が着陸を開始する。
【0069】制御装置5は、ハードディスク2への電源
をOFFにした後、そこからタイマにより所定時間t2
をカウントし、この所定時間t2の間に増幅器3の増幅
率を所定の値まで、例えば、0から100%まで徐々に
上げるように指示を出す。ここで、上記時間t2は、ヘ
ッド8がCSSエリア6aに戻る時に発生するノイズが
減衰するまでの時間であり、おおよそ2秒程度である。
【0070】この指示を受けて、増幅器3は増幅率を所
定の値まで上げていき、ハードディスク2の振動をスピ
ーカ4から音として出力する。また、制御装置5は、上
記時間t2が経過して増幅器3の増幅率が所定の値まで
上がると、表示LED5bを点灯させ、検査が可能とな
ったことを観測者に通知する。さらに、制御装置5は、
上記時間t2が経過して増幅器3の増幅率が所定の値ま
で上がると、A−D変換器3aから出力されるハードデ
ィスク2の振動をデジタルデータに変換したものを記憶
装置3bに保存していく。
【0071】上述したように、ハードディスク2への電
源をONにした後、ハードディスク2への電源をOFF
にして時間t2が経過するまでは、増幅器3の増幅率が
“0%”であり、スピーカ4からは出力をしない。これ
により、立ち上げ時のノイズ、モータの回転音、ヘッド
8がCSSエリア6aに戻った時のノイズ等が観測者に
は聞こえず、このような雑音に観測者が惑わされること
がない。そして、ハードディスク2への電源をOFFに
して時間t2が経過した時点で、増幅器3の増幅率を
“100%”とすることで、スピーカ4から出力がなさ
れるようにする。そして、ハードディスク2への電源を
OFFにして時間t2が経過した時点では、ヘッド8が
CSSエリア6aにある状態でディスク6は惰性で回転
しており、もし、CSSエリア6aに打痕があると、降
下を開始しているヘッド8がこの打痕に衝突し、振動と
なってベース9やカバー11に伝わる。そして、この振
動が音としてスピーカ4から出力されることで、打痕の
有無が判断できるものである。例えば、一箇所に打痕が
ついていると、周期的な音が聞こえるものである。
【0072】このとき、上述したように、ディスク6は
惰性で回転しているので、他のノイズは少なく、ヘッド
8との打痕との衝突音がノイズに埋もれてしまうことは
ない。
【0073】よって、観測者は、スピーカ4から出力さ
れる音から、容易に打痕の有無を判断できる。
【0074】制御装置5は、増幅器3で増幅された接触
マイク1からの出力を受け、ノイズが所定値以下になっ
たと判断すると、前記増幅器3に増幅率を下げるように
指示を出すとともに、表示LED5bを消灯させて、検
査終了を通知する。この指示を受けることで増幅器3は
増幅率を下げ、スピーカ4からの出力を無くすことで、
不要なノイズが観測者に聞こえないようにする。
【0075】さらに、制御装置5は、ノイズが所定値以
下になったと判断すると、記憶装置3bへのデータの保
存を停止する。
【0076】このように、ハードディスク2への電源を
OFFにして時間t2が経過した時点からノイズが所定
値以下になるまでのハードディスク2の振動をデジタル
化して保存しておくことで、解析に必要なデータのみを
保存しておくことができる。
【0077】<第2の実施例>上記の第1の実施例は、
観測者がヘッド101とCSSエリアの打痕103の衝
突による振動を耳で聞いて打痕103の有無を判断す
る。そのため、第1の実施例では、観測者の個人差や観
測時の周囲の騒音により、誤った判断がなされる場合が
ある。そこで、第2の実施例では、ヘッド101とCS
Sエリアの打痕103の衝突による振動を波形としてデ
ィスプレイに表示することによって、観測者が視覚的に
判断できるようにした。
【0078】図8は第2の実施例の構成を示す図であ
る。201は第2の実施例に係る検査装置である。20
2は、接触マイク1から出力を受け取り、その出力から
PCM形式のデジタルデータを生成してバッファ203
に送るサウンドデバイスである。203は、サウンドデ
バイス202からPCMデータを受け取り、それを蓄積
するバッファである。204は、バッファ203からP
CMデータを読み出して所定のアルゴリズムに基づいて
波形データを生成する波形データ変換部である。205
は、波形データ変換部204によって生成された波形デ
ータをバッファ203を介して受け取り、それを表示す
るディスプレイである。206は装置全体を制御する制
御部である。207は、観察者の入力を受けて、観察の
開始や終了を指示する信号や、波形データの表示位置や
表示倍率の変更を指示する信号を制御部206に送る操
作部である。
【0079】図9は、ハードディスク2が起動されてか
ら停止するまでの筐体9に伝わる振動の変化を表わすタ
イムチャートである。図示するように、打痕103によ
るノイズは、通常の動作状態(すなわち、立上時やアイ
ドル時)ではモータ(図示せず)の回転音やヘッド8の
シーク音等のノイズレベルが高いため、観測することが
できない。しかし、電源をOFFにして、モータの回転
を停止すると、しばらくの間、ディスクが惰性で回転し
ており、このとき、打痕103以外のノイズレベルが低
いため、打痕103によるノイズを観測できるようにな
る。
【0080】以下に、図10および図11を用いて第2
の実施例の動作を説明する。なお、図10は第2の実施
例の動作を示すフローチャートである。また、図11は
ディスプレイに表示された打痕によるノイズ波形を示す
図であり、周期的な強いピークがある場合は、打痕があ
ることを示している。
【0081】観測者は、ハードディスク2を検査装置2
01にセットし、操作部207を操作して電源をONに
する(ステップ(以下、Sと称する)1)。
【0082】観測者は、ハードディスク2が完全に立ち
上がるのを待ち、ハードディスク2が完全に立ち上がっ
てから操作部207を操作して入力開始の指示を行う
(S2)。サウンドデバイス202は、この指示を受け
て、接触マイク1から出力を受け取り、その出力からP
CM形式のデジタルデータを生成し、バッファ203に
送信する(S3)。バッファ203は、サウンドデバイ
ス202からPCMデータを受け取り、それを蓄積する
(S4)。
【0083】観測者は、操作部207を操作してハード
ディスク2の電源をOFFにし、図示しないモータの回
転を停止させる(S5)。
【0084】モータの回転を停止させてから一定時間が
経過した後に、観測者は操作部207を操作して入力終
了の指示を行う(S6)。これにより、検査装置201
はデータの取り込みを終了する。
【0085】波形データ変換部204は、バッファ20
3からPCMデータを読み出し、そのデータを基にして
波形データを生成する(S7)。ディスプレイ205
は、波形データ変換部204によって生成された波形デ
ータをバッファ203を介して受け取り、それを表示す
る(S8)。
【0086】観測者は、操作部207を操作して波形の
表示位置や表示倍率を調整する(S9)。そして、観測
者は、表示される波形から、図11に示すような、周期
的な強いピークの有無を確認することで、打痕の有無を
判断する。
【0087】以下、フローは、他のハードディスクを検
査する場合はS1に戻り、検査しない場合は終了する
(S10)。
【0088】以上の通り、第2の実施例は、打痕103
の有無を視覚的に判断できる。そのため、第2の実施例
は、観測者の個人差や観測時の環境の影響を受け難くな
り、打痕103の有無を聴覚的に判断する場合よりも安
定して打痕の有無を判断することが可能になる。
【0089】<第3の実施例>上記第2の実施例は、打
痕103が大きい場合、すなわち打痕103によるノイ
ズが強い場合に、図11のような波形が表われる。しか
しながら、打痕103が小さい場合、すなわち打痕10
3によるノイズが小さい場合は図14のような波形とな
る。この場合、打痕103によるノイズは、他のノイズ
(例えば、モータ(図示せず)やディスク6の盤面等の
ノイズ)に埋もれてしまうので、周期的に強いピークを
表わさない。そのため、打痕103が小さい場合、観測
者は、波形を見ただけでは判定ができない。そこで、第
3の実施例では、以下のように構成することにより、打
痕103が小さい場合でも、打痕103によるノイズが
波形として明確に表われるようにした。なお、図14は
第2の実施例における打痕が小さい場合の波形図であ
る。
【0090】すなわち、第3の実施例は、第2の実施例
にWavelet変換部208を追加したものである。
図12は第3の実施例の構成を示す図である。
【0091】第3の実施例は、打痕103によるノイズ
が周期的に強いピークを表わすことを利用して、データ
をWavelet変換することにより、時間的な特性を
表わすようにした。なお、Wavelet変換は、例え
ば「デジタル信号処理ハンドブック(社団法人 電子情
報通信学会編)」(株式会社オーム社平成5年1月31
日発行)の4・6項(ウエーブレット変換)に記載され
ているように、公知の技術であるのでここでは詳述しな
いものとする。
【0092】以下に、図13を用いて第3の実施例の動
作を説明する。なお、図13は第3の実施例の動作を示
すフローチャートである。
【0093】観測者は、ハードディスク2を検査装置2
01にセットし、操作部207を操作して電源をONに
する(S21)。
【0094】観測者は、ハードディスク2が完全に立ち
上がるのを待ち、ハードディスク2が完全に立ち上がっ
てから操作部207を操作して入力開始の指示を行う
(S22)。サウンドデバイス202は、この指示を受
けて、接触マイク1から出力を受け取り、その出力から
PCM形式のデジタルデータを生成し、バッファ203
に送信する(S23)。バッファ203は、サウンドデ
バイス202からPCMデータを受け取り、それを蓄積
する(S24)。
【0095】観測者は、操作部207を操作してハード
ディスク2の電源をOFFにし、図示しないモータの回
転を停止させる(S25)。
【0096】モータの回転を停止させてから一定時間が
経過した後に、観測者は操作部207を操作して入力終
了の指示を行う(S26)。これにより、検査装置20
1はデータの取り込みを終了する。
【0097】Wavelet変換部208は、バッファ
203からPCMデータを読み出して、Wavelet
変換を施したPCMデータを生成してバッファ203に
送信し、それをバッファ203に蓄積させる(S2
7)。波形データ変換部204は、バッファ203から
Wavelet変換が施されたPCMデータを読み出
し、そのデータに基づいて波形データを生成する(S2
8)。ディスプレイ205は、波形データ変換部204
によって生成された波形データをバッファ203を介し
て受け取り、それを表示する(S29)。
【0098】観測者は、操作部207を操作して波形の
表示位置や表示倍率を調整する(S30)。そして、観
測者は、表示される波形から、図11に示すような、周
期的な強いピークの有無を確認することで、打痕の有無
を判断する。
【0099】以下、フローは、他のハードディスクを検
査する場合はS21に戻り、検査しない場合は終了する
(S31)。
【0100】ところで、Wavelet変換は、例えば
フーリエ変換が周波数のみを分解するのと異なり、周波
数と時間を同時に分解することができる。他方、打痕1
03によるノイズは、実験の結果、打痕103が小さい
場合、4KHz〜8KHz付近で鋭い周期的なピークが
見られ、かつこの周波数帯域は他のノイズが比較的小さ
いことが判明した。そこで、第3の実施例では、バッフ
ァ203からPCMデータを読み出して、Wavele
t変換により複数の周波数毎のデータに分解する。これ
により、第3の実施例は、図15に示すように、4KH
z〜8KHz付近で周期的に強いピークを表わす波形を
表わせるようになる。そのため、観測者は、打痕103
の有無を判断できるようになる。なお、図15は第3の
実施例による打痕波形図であり、打痕が小さい場合を示
している。
【0101】以上の通り、第3の実施例は、データをW
avelet変換することにより、時間的な特性を表わ
せるようにした。これにより、第3の実施例は、特に、
打痕103が小さい場合、すなわち打痕103によるノ
イズが小さい場合でも周期的に強いピークを表わす波形
を表わすことができる。そのため、第3の実施例は、第
2の実施例よりも精度の高い判断が可能になる。
【0102】<第4の実施例>上記の第3の実施例で
は、取り込んだ全てのデータをWavelet変換して
いる。しかしながら、Wavelet変換は、データ長
に比例した量の浮動小数点演算を必要とするため、専用
の浮動小数点演算用のコプロセッサを実装しない場合、
データを処理するために膨大なメモリ容量(整数演算の
約40〜50倍)と処理時間が必要となる。そこで、第
4の実施例では、打痕103の特徴が強く表われる期間
を切出して、この期間のみをWavelet変換するよ
うにした。
【0103】以下に、図16を用いて第4の実施例の動
作を説明する。なお、図16は第4の実施例の動作を示
すフローチャートである。
【0104】観測者は、操作部207を操作して入力開
始の指示を行う(S41)。サウンドデバイス202
は、この指示を受けて、接触マイク1から出力を受け取
り、その出力からPCM形式のデジタルデータを生成
し、バッファ203に送信する(S42)。このとき、
サウンドデバイス202は、ハードディスク2が起動す
るまで無音のデータをバッファ203に送信することに
なる。バッファ203は、サウンドデバイス202から
PCMデータを受け取り、それを蓄積する(S43)。
【0105】次に、観測者は、ハードディスク2を検査
装置201にセットし、操作部207を操作してハード
ディスク2の電源をONにする(S44)。これによ
り、ハードディスク2が起動する。観測者は、ハードデ
ィスク2が完全に立ち上がるのを待ち、ハードディスク
2が完全に立ち上がってから操作部207を操作してハ
ードディスク2の電源をOFFにし、図示しないモータ
の回転を停止させる(S45)。この後、ハードディス
ク2のディスク6は、惰性でしばらくの間回転し続け
る。その間、検査装置201はデータを取り込み続け、
取り込んだデータをバッファ203に蓄積する。その
後、ディスク6は回転を停止する。これにより、データ
は無音状態になる。検査装置201は、この状態になっ
た時点で、データの取り込みを終了する。
【0106】その後、検査装置201の波形データ変換
部204は、バッファ203からPCMデータを読み出
して、ハードディスク2の回転停止直前の領域を切出し
(S46)、切出された領域のPCMデータをバッファ
203に格納する。なお、切出しの詳細については後述
する。
【0107】その後、Wavelet変換部208は、
バッファ203から波形データ変換部204によって切
出された領域のPCMデータを読み出して、Wavel
et変換を施してPCMデータを生成する(S47)。
Wavelet変換部208は、Wavelet変換を
施したPCMデータをバッファ203に送信し、それを
バッファ203に蓄積させる。波形データ変換部204
は、バッファ203からWavelet変換が施された
PCMデータを読み出し、そのデータに基づいて波形デ
ータを生成する(S48)。
【0108】ディスプレイ205は、波形データ変換部
204によって生成された波形データをバッファ203
を介して受け取り、それを表示する(S49)。
【0109】観測者は、操作部207を操作して波形の
表示位置や表示倍率を調整する(S50)。そして、観
測者は、表示される波形から、図11に示すような、周
期的な強いピークの有無を確認することで、打痕の有無
を判断する。
【0110】以下、フローは、他のハードディスクを検
査する場合はS44に戻り、検査しない場合は終了する
(S51)。
【0111】次に、図17を用いて、切出しの詳細につ
いて説明する。なお、図17は切出しの工程を示す図で
ある。
【0112】検査装置201は、観測者による入力開始
の指示によってデータの取り込みを開始する。検査装置
201は、取り込んだデータからPCM形式のデジタル
データを生成してバッファ203に蓄積する。それとと
もに、検査装置201は、波形データ変換部204によ
って、バッファ203に蓄積されたPCMデータを先頭
から一定時間(例えば約0.1秒)刻みでノイズのパワ
ーの平均値を計算し、その値に応じてデータの状態を判
断する。
【0113】データの状態は、AからB、BからC、C
からDへと推移する。Aはノイズが無音の状態で、Bは
ノイズが所定のレベルL1以上の状態、Cはノイズが減
衰中の状態、Dはノイズが減衰を完了した状態である。
検査装置201は、データの取り込みを開始してからデ
ータが音圧L1を一定時間越えるまでの期間を、状態が
Aであると判断する。その後、取り込んだデータが音圧
L1を一定時間越えると、検査装置201は、その時点
からデータが音圧L1以下に降下するまでの期間を、状
態がBであると判断する。その後、取り込んだデータが
音圧L1以下に降下すると、検査装置201は、その時
点からデータが無音になるまでの期間を、状態がCであ
ると判断する。その後、取り込んだデータが無音になる
と、検査装置201は、状態がDであると判断する。そ
して、検査装置201は、その状態になった時点(時刻
T1)から所定時間経過後にデータの取り込みを終了す
る。
【0114】その後、検査装置201は、波形データ変
換部204によってバッファ203に蓄積されたデータ
を読み出して、データの状態がDになった時刻T1から
所定時間(約1秒)さかのぼった期間を、打痕103の
有無を判断すべき期間として切出す。そして、検査装置
201は、Wavelet変換部208によって切出し
た期間のデータをWavelet変換する。
【0115】以上の通り、第4の実施例は、打痕103
の特徴が強く表われる期間を切出すので、データを処理
するために必要なメモリの容量を小さくすることができ
るとともに、処理時間を短縮することができる。例え
ば、上記の第4の実施例は、第3の実施例では処理する
データが約15秒あるのに対し、処理するデータが約1
秒となる。そのため、第4の実施例は、第3の実施例に
対し、メモリの容量を約1/15に小さくすることがで
きるとともに、処理時間を約1/15に短縮することが
できる。
【0116】<第5の実施例>上記の第1から第4の実
施例は、観測者が打痕103の有無を判断するように構
成している。しかしながら、このような構成は、観測者
の個体差により判断を誤る場合がある。そこで、第5の
実施例では、検査装置201自身が自動的に打痕103
の有無を解析するようにした。
【0117】以下に、図18を用いて第5の実施例の動
作を説明する。なお、図18は第5の実施例の動作を示
すフローチャートである。
【0118】観測者は、操作部207を操作して入力開
始の指示を行う(S61)。サウンドデバイス202
は、この指示を受けて、接触マイク1から出力を受け取
り、その出力からPCM形式のデジタルデータを生成
し、バッファ203に送信する(S62)。このとき、
サウンドデバイス202は、ハードディスク2が起動す
るまで無音のデータをバッファ203に送信することに
なる。バッファ203は、サウンドデバイス202から
PCMデータを受け取り、それを蓄積する(S63)。
【0119】次に、観測者は、ハードディスク2を検査
装置201にセットし、操作部207を操作してハード
ディスク2の電源をONにする(S64)。これによ
り、ハードディスク2が起動する。観測者は、ハードデ
ィスク2が完全に立ち上がるのを待ち、ハードディスク
2が完全に立ち上がってから操作部207を操作してハ
ードディスク2の電源をOFFにし、図示しないモータ
の回転を停止させる(S65)。この後、ハードディス
ク2のディスク6は、惰性でしばらくの間回転し続け
る。その間、検査装置201はデータを取り込み続け、
取り込んだデータをバッファ203に蓄積する。その
後、ディスク6は回転を停止する。これにより、データ
は無音状態になる。検査装置201は、この状態になっ
た時点で、データの取り込みを終了する。
【0120】その後、検査装置201の波形データ変換
部204は、バッファ203からPCMデータを読み出
して、ハードディスク2の回転停止直前の領域を切出し
(S66)、切出された領域のPCMデータをバッファ
203に格納する。
【0121】その後、Wavelet変換部208は、
バッファ203から波形データ変換部204によって切
出された領域のPCMデータを読み出して、Wavel
et変換を施してPCMデータを生成する(S67)。
Wavelet変換部208は、Wavelet変換を
施したPCMデータをバッファ203に送信し、それを
バッファ203に蓄積させる。制御部206は、バッフ
ァ203からWavelet変換を施したPCMデータ
を読み出して、そのデータを基にして打痕103の有無
を解析する(S68)。なお、解析の詳細については後
述する。
【0122】その後、波形データ変換部204は、バッ
ファ203からWavelet変換が施されたPCMデ
ータを読み出し、そのデータに基づいて波形データを生
成する(S69)。
【0123】ディスプレイ205は、制御部206によ
って解析された打痕103の有無と、波形データ変換部
204によって生成された波形データをバッファ203
を介して受け取り、それらを表示する(S70)。これ
により、観測者は、打痕の有無を確認する。
【0124】以下、フローは、他のハードディスクを検
査する場合はS64に戻り、検査しない場合は終了する
(S71)。
【0125】次に、図19と図20と図21を用いて、
解析の詳細について説明する。なお、図19は第4の実
施例により切出された領域を示す図で、図20は解析の
工程を示す図、図21は処理Aの工程を示す図である。
【0126】制御部206は、例えば4KHzと8KH
zのように2つの周波数を選択し、バッファ203から
その周波数のWavelet変換が施されたPCMデー
タを読み出す(S81)。次に、制御部206は、図2
1に示すような処理Aを行う(S82)。
【0127】すなわち、制御部206は、2つの周波数
のPCMデータに対し、それぞれ約0.1秒毎の複数の
ブロックに分割する(S91)。その後、制御部206
は、各ブロック毎に任意の演算を行う。この任意の演算
は、例えば、((ピークレベル/平均レベル)−3)を
用いるのが好適である。これは、ブロック内のピークレ
ベルがブロックの平均レベルの3倍を越えるほどの強い
ノイズは打痕103によるものである可能性が高いから
である。なお、第5の実施例では、各ブロックにおける
ピークレベルが顕著になるように、各ブロック毎に
((ピークレベル/平均レベル)−3)の2乗の値を計
算するものとする(S92)。次に、制御部206は、
各ブロックの合計を計算する(S93)。以上により、
処理Aが終了する。なお、以下、S93で算出された合
計値をスコアと称する。
【0128】その後、制御部206は、2つの周波数に
対するスコアを合計し、その合計値に基づいて打痕10
3の有無を判断する(S83)。すなわち、制御部20
6は、合計値が所定よりも大きい場合は打痕103があ
るものとし、合計値が所定よりも小さい場合は打痕10
3が無いものと判断する。なお、第5の実施例は、合計
値による判断に加え、合計値と波形の相関に基づいて判
断するようにしてもよい。
【0129】以上の通り、第5の実施例は、検査装置2
01自身が自動的に打痕103の有無を解析するように
したので、観測者の個体差による誤った判断を無くすこ
とができる。また、波形を表示する必要がなくなるの
で、ディスプレイ205を排除することも可能になる。
この場合、低コストで小型かつ軽量な検査装置201を
提供することが可能になる。
【0130】<第6の実施例>上記の第5の実施例で
は、例えば、切出し領域内で接触マイクが動いてしまう
と、それにより発生するノイズの影響で打痕103の有
無が判断できなくなる可能性がある。そこで、第6の実
施例では、第5の実施例とは異なる手法による解析を行
うことにより、このようなときでも正しく判断できるよ
うにした。
【0131】以下に、図22と図23と図24を用い
て、第6の実施例を説明する。なお、図22は第4の実
施例により切出された領域を示す図で、図23は解析の
工程を示す図、図24は処理Bの工程を示す図である。
【0132】制御部206は、例えば4KHzと8KH
zのように2つの周波数を選択し、バッファ203から
その周波数のWavelet変換が施されたPCMデー
タを読み出す(S101)。次に、制御部206は、図
24に示すような処理Bを行う(S102)。
【0133】すなわち、制御部206は、2つの周波数
のPCMデータに対し、図22に示すような平均レベル
の3倍のラインを算出し、このラインを超えるピークを
抽出する(S111)。その後、制御部206は、例え
ば、以下に定義するδTxとCとDとEによる関数δT
x=C(D−E)の関係にあるピークの数(以下、スコ
アと称する)を計算する(S112)。なお、上記δT
xは任意のピーク間の時間であり、Cは所定の定数、D
はXのマイナス2乗、Eは(X−1)のマイナス2乗で
ある。
【0134】これは、打痕103によるノイズのピーク
はディスク6の回転に伴って周期的に現れ、且つベアリ
ングや空気抵抗により減速するため、各ピーク間の時間
は上記の関数δTx=C(D−E)の関係となる。そこ
で、この関数に従ったピークが幾つ連続するかを定量化
することにより、打痕103の有無を判断できることに
なるからである。
【0135】以上により、処理Bが終了する。
【0136】その後、制御部206は、2つの周波数の
に対するスコアを合計し、その合計値に基づいて打痕1
03の有無を判断する(S93)。すなわち、制御部2
06は、合計値が所定よりも大きい場合は打痕103が
あるものとし、合計値が所定よりも小さい場合は打痕1
03が無いものと判断する。なお、第6の実施例は、合
計値による判断に加え、合計値と波形の相関に基づいて
判断するようにしてもよい。
【0137】以上の通り、第6の実施例は、打痕103
によるピークレベルの周期性およびハードディスク2の
スピンドルの減速性を用いて演算することにより、第5
の実施例の手法よりも正確に打痕103の有無を判断す
ることができるようになる。
【0138】<第7の実施例>ハードディスク2は、型
の違いにより、各部分の素材や構造が異なる。そのた
め、型の違いによりハードディスク2は、スピンドルノ
イズの強さや、回転の減衰の仕方、打痕103によるノ
イズの音色等が異なる。そこで、第7の実施例では、検
査装置201がハードディスクの型に応じて、スピンド
ルノイズの強さや、回転の減衰の仕方、打痕103によ
るノイズの音色等のパラメータを保持しており、ハード
ディスクの型に応じたパラメータを用いてデータを解析
するようにした。これにより、第7の実施例は、複数の
型のハードディスクに対し、打痕103の有無を判断す
ることが可能になる。
【0139】以下に、図25を用いて、第7の実施例を
説明する。なお、図25は第7の実施例の制御部の構成
を示す図である。
【0140】図に示すように、第7の実施例では、制御
部206に、ハードディスクの型に応じて解析に用いる
パラメータを保持するパラメータ保持部209を設け
た。なお、パラメータ保持部209に保持されるパラメ
ータは、例えば、ハードディスクの型毎のスピンドルノ
イズの強さや、回転の減衰の仕方、打痕103によるノ
イズの音色、切出す領域の範囲、位置、演算に用いる計
数、演算結果に対する重み付け、判断に用いる基準値等
がある。
【0141】第7の実施例の動作は、図18に示す実施
例の動作とほぼ同じであるが、S61において、観測者
はハードディスク2の型を指定することになる。これに
より、制御部206は、パラメータ保持部209に保持
されているパラメータを用いて、各部を動作させること
になる。
【0142】以上の通り、第7の実施例は、ハードディ
スク2の型に応じた判断が行えるので、解析の精度を向
上させることができる。
【0143】<第8の実施例>上記の第1から第7の実
施例は、観測者が検査装置201の傍にいて検査を行う
ように構成している。このような構成は、例えば工場で
大量のハードディスク2を検査するような場合に、観測
者がハードディスク2を検査する都度、その時の記録を
ノート等に付ける必要がある。しかしながら、このよう
な手法は、観測者に多大な労力を強いることになる。そ
こで、第8の実施例では、検査装置201が検査したハ
ードディスク2のデータを記憶し、観測者が任意にデー
タを出力できるように構成する。これにより、第8の実
施例は、観測者に多大な労力を強いることなく、大量の
ハードディスク2を検査することが可能になる。
【0144】以下に、図26と図27、図28を用い
て、第8の実施例を説明する。なお、図26は第8の実
施例の制御部の構成を示す図で、図27は記憶部に記憶
されるデータの一例を示す図、図28は第8の実施例の
動作を示すフローチャートである。
【0145】図26に示すように、第8の実施例では、
制御部206に、上記のパラメータ保持部209に加
え、記憶部210を設けた。
【0146】以下に、第8の実施例の動作を説明する。
【0147】観測者は、操作部207を操作して入力開
始の指示を行う(S121)。サウンドデバイス202
は、この指示を受けて、接触マイク1から出力を受け取
り、その出力からPCM形式のデジタルデータを生成
し、バッファ203に送信する(S122)。このと
き、サウンドデバイス202は、ハードディスク2が起
動するまで無音のデータをバッファ203に送信するこ
とになる。バッファ203は、サウンドデバイス202
からPCMデータを受け取り、それを蓄積する(S12
3)。
【0148】次に、観測者は、ハードディスク2を検査
装置201にセットし、操作部207を操作してハード
ディスク2の電源をONにする(S124)。これによ
り、ハードディスク2が起動する。観測者は、ハードデ
ィスク2が完全に立ち上がるのを待ち、ハードディスク
2が完全に立ち上がってから操作部207を操作してハ
ードディスク2の電源をOFFにし、図示しないモータ
の回転を停止させる(S125)。この後、ハードディ
スク2のディスク6は、惰性でしばらくの間回転し続け
る。その間、検査装置201はデータを取り込み続け、
取り込んだデータをバッファ203に蓄積する。その
後、ディスク6は回転を停止する。これにより、データ
は無音状態になる。検査装置201は、この状態になっ
た時点で、データの取り込みを終了する。
【0149】その後、検査装置201の波形データ変換
部204は、バッファ203からPCMデータを読み出
して、ハードディスク2の回転停止直前の領域を切出し
(S126)、切出された領域のPCMデータをバッフ
ァ203に格納する。
【0150】その後、Wavelet変換部208は、
バッファ203から波形データ変換部204によって切
出された領域のPCMデータを読み出して、Wavel
et変換を施してPCMデータを生成する(S12
7)。Wavelet変換部208は、Wavelet
変換を施したPCMデータをバッファ203に送信し、
それをバッファ203に蓄積させる。制御部206は、
バッファ203からWavelet変換を施したPCM
データを読み出して、そのデータを基にして打痕103
の有無を解析する(S128)。
【0151】その後、波形データ変換部204は、バッ
ファ203からWavelet変換が施されたPCMデ
ータを読み出し、そのデータに基づいて波形データを生
成する(S129)。
【0152】ディスプレイ205は、制御部206によ
って解析された打痕103の有無と、波形データ変換部
204によって生成された波形データをバッファ203
を介して受け取り、それらを表示する(S130)。観
測者は、この時点で、打痕103の有無を確認してもよ
いし、これを無視して後述のS133で打痕103の有
無を確認するようにしてもよい。
【0153】制御部206は検査したハードディスク2
のデータを記憶部210に記憶させる(S131)。記
憶部210が記憶するデータは、例えば図27に示すよ
うに、検査した順番(検査No.)に対応して、ハード
ディスク2の型番や解析結果、スコア等を組み合わせた
ものが好適である。
【0154】以下、フローは、他のハードディスクを検
査する場合はS124に戻る(S132)。検査しない
場合は、観測者は、操作部207を操作して、記憶部2
10に記憶されたデータをディスプレイ205に表示さ
せたり、図示しない印刷装置や図示しない他の端末に出
力させる(S133)。これにより、観測者は、打痕1
03の有無を確認する。なお、検査装置201の制御部
206は、データを加工する機能を付加することが可能
である。これにより、観測者は、データを任意の形式に
加工することが可能になる。なお、形式としては、検査
した順番に沿ったリストにするのが好適である。
【0155】以上により、動作を終了する。
【0156】以上の通り、第8の実施例は、検査装置2
01が検査したハードディスク2のデータを記憶し、観
測者が任意にデータを出力できるように構成したので、
観測者に多大な労力を強いることなく、大量のハードデ
ィスク2を検査することが可能になる。
【0157】<第9の実施例>第9の実施例は、検査時
の原音の状態の音響データ(すなわち、Wavelet
変換前のPCMデータ)を記憶部210に記憶させ、観
測者が後から検査時の原音の状態の音響データを確認で
きるようにした。
【0158】以下に、図29と図30、図31を用い
て、第9の実施例を説明する。なお、図29は第9の実
施例の構成を示す図で、図30は記憶部に記憶されるデ
ータの一例を示す図、図31は第9の実施例の動作を示
すフローチャートである。
【0159】図29に示すように、第9の実施例では、
再生部211を設けた。
【0160】以下に、第9の実施例の動作を説明する。
【0161】観測者は、操作部207を操作して入力開
始の指示を行う(S141)。サウンドデバイス202
は、この指示を受けて、接触マイク1から出力を受け取
り、その出力からPCM形式のデジタルデータを生成
し、バッファ203に送信する(S142)。このと
き、サウンドデバイス202は、ハードディスク2が起
動するまで無音のデータをバッファ203に送信するこ
とになる。バッファ203は、サウンドデバイス202
からPCMデータを受け取り、それを蓄積する(S14
3)。
【0162】次に、観測者は、ハードディスク2を検査
装置201にセットし、操作部207を操作してハード
ディスク2の電源をONにする(S144)。これによ
り、ハードディスク2が起動する。観測者は、ハードデ
ィスク2が完全に立ち上がるのを待ち、ハードディスク
2が完全に立ち上がってから操作部207を操作してハ
ードディスク2の電源をOFFにし、図示しないモータ
の回転を停止させる(S145)。この後、ハードディ
スク2のディスク6は、惰性でしばらくの間回転し続け
る。その間、検査装置201はデータを取り込み続け、
取り込んだデータをバッファ203に蓄積する。その
後、ディスク6は回転を停止する。これにより、データ
は無音状態になる。検査装置201は、この状態になっ
た時点で、データの取り込みを終了する。
【0163】その後、検査装置201の波形データ変換
部204は、バッファ203からPCMデータを読み出
して、ハードディスク2の回転停止直前の領域を切出し
(S146)、切出された領域のPCMデータをバッフ
ァ203に格納する。
【0164】その後、Wavelet変換部208は、
バッファ203から波形データ変換部204によって切
出された領域のPCMデータを読み出して、Wavel
et変換を施してPCMデータを生成する(S14
7)。Wavelet変換部208は、Wavelet
変換を施したPCMデータをバッファ203に送信し、
それをバッファ203に蓄積させる。制御部206は、
バッファ203からWavelet変換を施したPCM
データを読み出して、そのデータを基にして打痕103
の有無を解析する(S148)。
【0165】その後、波形データ変換部204は、バッ
ファ203からWavelet変換が施されたPCMデ
ータを読み出し、そのデータに基づいて波形データを生
成する(S149)。
【0166】ディスプレイ205は、制御部206によ
って解析された打痕103の有無と、波形データ変換部
204によって生成された波形データをバッファ203
を介して受け取り、それらを表示する(S150)。観
測者は、この時点で、打痕103の有無を確認してもよ
いし、これを無視して後述のS133で打痕103の有
無を確認するようにしてもよい。
【0167】制御部206は検査したハードディスク2
のデータ(例えば、図30に示すように、検査No.
や、ハードディスク2の型番、解析結果、スコア等を組
み合わせたもの)と音響(Wavelet変換前のPC
Mデータ)を記憶部210に記憶させる(S151)。
【0168】以下、フローは、他のハードディスクを検
査する場合はS144に戻る(S152)。検査しない
場合は、観測者は、操作部207を操作して、記憶部2
10に記憶されたデータをディスプレイ205に表示さ
せたり、図示しない印刷装置や図示しない他の端末に出
力させるとともに、記憶部210に記憶された音響(W
avelet変換前のPCMデータ)を再生部211に
再生させる(S153)。これにより、観測者は、打痕
103の有無を確認する。
【0169】以上により、動作を終了する。
【0170】以上の通り、第9の実施例は、観測者が後
から検査時の原音の状態の音響データを確認することが
できるので、判断の精度を高めることが可能になる。
【0171】<第10の実施例>上記の第1から第9の
実施例では打痕103による振動の検出に接触マイク1
を用いている。しかしながら、接触マイク1は高価であ
る。しかも、接触マイク1は、ハードディスク2の振動
に追随する場合がある。この場合、正確な音響データを
取得できなくなるので、丁寧な取扱が必要となる。そこ
で、ここでは、低価格でかつ丁寧な取扱が不要な第10
の実施例を提示する。
【0172】第10の実施例は、ピックアップ手段とし
て、接触マイク1の代わりに、一般に広く普及してお
り、かつ低価格な光学ヘッドを用いた。しかも、第10
の実施例は、光学ヘッドを、ハードディスク2の音響周
波数帯域の振動(約10Hz以下の振動)を吸収する硬
質ゴムを介してハードディスク2に取り付けた。これに
より、第10の実施例は、硬質ゴムによりハードディス
ク2の振動を吸収しつつ、光学ヘッドがハードディスク
2の振動を捕らえるので、ハードディスク2の振動に追
随することなくハードディスク2の音響データを取得で
きる。そのため、第10の実施例は、正確な音響データ
を取得することが可能になる。
【0173】以下に、図32と図33、図34を用い
て、第10の実施例を説明する。なお、図32は第10
の実施例の構成を示す図で、図33は光学ヘッドの構造
を示す図、図34は第10の光学ヘッドの利得特性を示
すグラフである。
【0174】図32に示すように、第10の実施例で
は、接触マイク1の代わりに、光学ヘッド1aをハード
ディスク2に取り付けて打痕103による振動を検出す
る。なお、このような光学ヘッド1aは、一般にCD−
ROM読取装置やMini−DISK読取装置等に用い
られている。
【0175】以下に、図33に光学ヘッド1aの構造を
示す。なお、図33(a)は光学ヘッド1aの下面図で
あり、図33(b)は図33(a)を矢印の方向から見
たときの側面図である。図中、1bは光を照射してその
反射光を検出する光学レーザピックアップ部であり、1
cは光学レーザピックアップ部1bを上下方向に移動さ
せる上下方向サーボ部、1dはレンズ、1eは検査する
ハードディスク2の音響周波数帯域の振動(約10Hz
以下の振動)を吸収する硬質ゴム、1f音響信号を検査
装置201のサウンドデバイス部202に出力するため
のケーブルである。なお、光学レーザピックアップ部1
bは、レンズ1dと筐体9の表面との距離に応じた利得
特性を持つ。すなわち、光学レーザピックアップ部1b
は、図34に示すように、合焦点時に利得が最大にな
り、焦点から外れるに従って利得が減少する。なお、光
学ヘッド1aは、機構全体を面で支えるのが望ましいの
で、ハードディスク2のカバー11の中央部に取り付け
るのが望ましい。
【0176】観測者は、検査時において、光学ヘッド1
aを硬質ゴム1eを介してハードディスク2に取り付け
る。そして、光学レーザピックアップ部1bの利得が最
大になるように上下方向サーボ1cを駆動させてレンズ
1dの上下方向の位置を調整する。これにより、光学ヘ
ッド1aは、ハードディスク2の表面の振動を、利得の
変化として捕らえることが可能になる。このような第1
0の実施例は、硬質ゴム1eが圧縮することにより光学
レーザピックアップ部1bとハードディスク2との距離
の誤差を補正するので、ハードディスク2の音響周波数
帯域の振動(約10Hz以下の振動)に追従しなくな
る。そのため、第10の実施例は、正確な音響データを
取得することが可能になる。
【0177】なお、第10の実施例の動作は第9の実施
例と同様である。
【0178】以上の通り、第10の実施例は、正確な音
響データを取得することが可能になるとともに、低価格
でかつ丁寧な取扱を不要にすることができる。
【0179】<第11の実施例>上記の第5から第10
の実施例に用いられている、打痕103の有無を解析す
るプログラムは、媒体を介して、一般的なコンピュータ
にインストールすることが可能である。第11の実施例
では、打痕103の有無を解析するプログラムをインス
トールしたコンピュータを提示する。
【0180】以下に、図35を用いて、第11の実施例
を説明する。なお、図35は第11の実施例の構成を示
す図である。図中、212は打痕103の有無を解析す
るプログラムが記憶された媒体(例えばフロッピーディ
スクやCD−ROMや、DVD等)であり、213は一
般的なコンピュータである。
【0181】観測者は、媒体212を介して、打痕10
3の有無を解析するプログラムをコンピュータ213に
インストールする。その後、観測者は、コンピュータ2
13を記憶装置3bまたは記憶部210から検査時のハ
ードディスク2の音響データを読み出す。そして、観測
者は、コンピュータ213にインストールされたプログ
ラムを起動させて、検査時のハードディスク2の音響デ
ータから打痕103の有無を自動的に解析させる。
【0182】以上の通り、第11の実施例は、一般的な
コンピュータで打痕103の有無を自動的に解析するこ
とが可能になる。
【0183】<利用形態>上記第1から第11の実施例
では、特にCSSエリアの打痕103の有無を検査する
場合を例にして説明した。しかしながら、これらの実施
例は、図36に示すように、公知の減圧チェンバーの中
で検査を行うことにより、CSSエリア以外についても
傷の有無を検査することができる。これは、減圧チェン
バーによってチェンバー内の空気が薄くなるので、気流
に乗って浮上していたハードディスク2のヘッド101
が下降し、CSSエリア以外のディスク上の傷と衝突す
るようになるからである。
【0184】なお、このとき、観測者はハードディスク
2に特別な加工をする必要はない。それは、ハードディ
スク2の筐体9には、作動時の熱により膨張した内部の
空気を外部に排出するための穴(図示せず)が設けられ
ているからである。なお、この穴は一般に呼吸孔(br
eath−hole)と称されるものであり、筐体内部
に塵が侵入しないようにフィルターが取り付けられてい
る。
【0185】以下に、図36を用いて動作を説明する。
なお、図36は、利用形態の一例を示す図であり、第1
0の実施例を適用した例を示している。また、図中、2
14は減圧チェンバーであり、215は真空ポンプ、2
16は減圧チェンバー214と真空ポンプ215を繋ぐ
パイプである。
【0186】まず、観測者は、検査するハードディスク
2を検査装置201に搭載し、操作部207により検査
するためのパラメータを設定する。次に、観測者は、検
査装置201を減圧チェンバー214の中に入れ、真空
ポンプ215を作動させる。これにより、真空ポンプ2
15は、パイプ216によって、減圧チェンバー214
の中から空気を抜き出し、気圧が所定の値に下がると作
動を止める。次に、観測者は、図示しない遠隔操作部に
より検査装置201を作動させる。これにより、検査装
置201はハードディスク2のディスク上の傷の有無を
検査する。検査が終了すると、観測者は、真空ポンプ2
15の図示しない弁を開き、減圧チェンバー214に空
気を送り込む。その後、観測者は、減圧チェンバー21
4から検査装置201を取り出し、検査装置201を図
示しないコンピュータにセットする。そして、観測者
は、検査装置201の記憶部210に記憶されたデータ
をコンピュータに出力し、コンピュータにディスク上の
傷の有無を解析させる。このとき、コンピュータは、C
SSエリアを含む全てのエリア、すなわちCSSエリア
以外についても傷の有無を検査することができる。
【0187】以上の通り、上記第1から第11の実施例
は、公知の減圧チェンバーの中で検査を行うことによ
り、CSSエリア以外についても傷の有無を検査するこ
とができる。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ハード
ディスクの筐体に伝わる振動から、ディスクのCSSエ
リアについた傷(打痕)を検出することとしたので、製
品化された後のハードディスクを開封することなく、C
SSエリアについた打痕を発見することができる。
【0189】このような検査を実施する検査装置は、ハ
ードディスクの筐体に伝わる振動を音として増幅して外
部に増幅する。これにより、観測者は音からCSSエリ
アについた打痕を容易に発見することができる。このよ
うな前記検査装置は、ハードディスクの筐体に接触して
該筐体に伝わる振動を検出する接触マイクと、前記接触
マイクからの信号を処理する制御手段を備えればよいの
で、簡単な構成で実現することができる。特に、前記検
査装置は、接触マイクをハードディスクのベースに設け
られたネジ穴もしくはそのネジ穴に締め付けたネジに接
触させた場合に、振動を確実に検出できるようになる。
【0190】また、前記検査装置は、前記接触マイクか
らの信号をデジタル値に変換する手段と、前記デジタル
化した接触マイクからの信号を保存する記憶手段とを備
える構成することができる。これにより、観測者は接触
マイクからの信号を後から解析することができる。
【0191】さらに、前記検査装置は、前記接触マイク
からの信号を基にして、ハードディスクのヘッドとディ
スクのCSSエリアについた打痕が衝突する音を抽出す
る抽出手段を備える構成にすることができる。これによ
り、観測者は打痕によるノイズのみを聞くことができる
ので、打痕によらないノイズに惑わされることがなくな
り、もってCSSエリアについた打痕をより容易に発見
することができる。
【0192】さらに、前記検査装置は、ハードディスク
の状態を監視する手段と、前記監視したハードディスク
の状態から該ハードディスクの電源のONあるいはOF
Fを制御する手段と、ハードディスクの筐体に伝わる振
動からノイズの有無を検出する手段と、ハードディスク
の電源の状態とノイズの状態に基づいて外部に出力する
音の増幅率を変化させる手段とを備える構成にすること
ができる。これにより、検査装置は、簡単で、かつ低価
格な構成で打痕の有無の検査を実現することができる。
また、前記検査装置は、観測者に検査可能タイミングを
通知する表示手段を備える構成にすることができる。こ
れにより、観測者は、検査可能タイミングを知ることが
できる。特に、前記検査装置は、増幅率を上げている間
を検査可能タイミングであると通知する構成にすること
ができる。これにより、前記検査装置は、観測者が検査
すべきタイミングに集中できるので、観測者が検査タイ
ミングを逃すのを防止することができる。
【0193】このような前記検査装置は、ハードディス
クの電源をONにし、ハードディスクの状態がレディー
状態となると、所定時間経過後にハードディスクの電源
をOFFにし、ハードディスクの電源をOFFにした
後、所定時間かけて外部に出力する音の増幅率を上げ、
ノイズがなくなると、増幅率を下げるように動作するこ
とができる。そのため、前記検査装置は、観測者に煩わ
しい操作をさせることなく、検査を自動的に行うことが
できるようになる。また、前記検査装置は、ハードディ
スクの状態を監視しながら動作することができるので、
確実にハードディスクを検査可能な状態にすることがで
き、検査にかかる時間を最低限に抑えることもできるよ
うになる。
【0194】さらに、前記検査装置は、ハードディスク
の筐体に伝わる振動を波形として表示するディスプレイ
を備える構成にすることができる。これにより、観測者
は、打痕の有無を視覚的に判断できるようになる。その
ため、観測者は、観測者の個人差や観測時の環境の影響
を受け難くなるので、より安定して打痕の有無を判断す
ることが可能になる。
【0195】さらに、前記検査装置は、デジタル値に変
換されたハードディスクの筐体に伝わる振動をWave
let変換する手段を備える構成にすることができる。
これにより、前記検査装置は、時間的な特性を表わせる
Wavelet変換を施したPCMデータに基づいて解
析するので、打痕によるノイズが小さい場合でも周期的
な強いピークを有する波形を表わすことができる。その
ため、観測者は、より精度の高い判断が可能になる。
【0196】さらに、前記検査装置は、ディスクのスピ
ンドルの停止直前の領域を切出してディスクのCSSエ
リアの傷の解析を行う構成にすることができる。これに
より、前記検査装置は、打痕の特徴が強く表われる期間
を切出して解析するので、データを処理するために必要
なメモリの容量を小さくすることができるとともに、処
理時間を短縮することができる。
【0197】さらに、前記検査装置は、音響データの平
均レベルとピークレベルの比を用いてディスクのCSS
エリアの傷の有無を解析する構成にすることができる。
これにより、前記検査装置は、自身が自動的に打痕の有
無を解析するので、観測者の個体差による誤った判断を
無くすことができる。また、前記検査装置は、波形を表
示する必要がなくなるので、ディスプレイを排除するこ
とも可能になる。この場合は、低コストで小型かつ軽量
な検査装置を提供することが可能になる。また、前記検
査装置は、音響データ中のピークレベルの周期性とハー
ドディスクのスピンドルの減速特性を用いてディスクの
CSSエリアの傷の有無を解析する構成にすることがで
きる。これにより、前記検査装置は、より正確に打痕の
有無を判断できるようになる。
【0198】さらに、前記検査装置は、ハードディスク
の複数の型のパラメータを記憶でき、検査するハードデ
ィスクの型に応じたパラメータを用いてディスクのCS
Sエリアの傷の有無を解析する構成にすることができ
る。これにより、前記検査装置は、ハードディスクの型
に応じた判断が行えるので、判断精度を向上させること
ができる。
【0199】さらに、前記検査装置は、複数のハードデ
ィスクのデータを記憶し、かつ任意に出力できる構成に
することができる。これにより、前記観測者は、多大な
労力を要せずに、大量のハードディスクを検査すること
が可能になる。
【0200】さらに、前記検査装置は、検査時の原音の
状態の音響データを再生する手段を備える構成にするこ
とができる。これにより、観測者は、後から検査時の原
音の状態の音響データを確認することができるので、判
断の精度を高めることが可能になる。
【0201】さらに、前記検査装置は、ハードディスク
の筐体に伝わる振動を光学的に検出する振動ピックアッ
プ手段を備える構成にすることができる。これにより、
前記検査装置は、より正確な音響データを取得すること
が可能になるとともに、低価格でかつ丁寧な取扱を不要
にすることができる。
【0202】また、解析に供するプログラムは、媒体を
介して、一般的なコンピュータにインストールすること
ができる。これにより、観測者は、一般的なコンピュー
タで打痕の有無を自動的に解析することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハードディスク音響検査装置の実施の
形態の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】ハードディスクの構成の一例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明のハードディスク音響検査装置の構成の
一例を示す外観斜視図である。
【図4】接触マイクの取り付け構造の一例を示す概略断
面図である。
【図5】本発明のハードディスク音響検査装置の変形例
を示す外観斜視図である。
【図6】本発明のハードディスク音響検査方法の詳細を
示すタイムチャートである。
【図7】打痕とヘッドの高さの関係を示す説明図であ
る。
【図8】第2の実施例の構成を示す図である。
【図9】振動の変化を表わすタイムチャートである。
【図10】第2の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図11】打痕によるノイズ波形を示す図である。
【図12】第3の実施例の構成を示す図である。
【図13】第3の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図14】打痕が小さい場合の波形を示す図である。
【図15】第3の実施例による波形図である。
【図16】第4の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図17】領域切出しの工程を示す図である。
【図18】第5の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図19】切出された領域を示す図である。
【図20】解析の工程を示す図である。
【図21】処理Aの工程を示す図である。
【図22】切出された領域を示す図である。
【図23】解析の工程を示す図である。
【図24】処理Bの工程を示す図である。
【図25】第7の実施例の制御部の構成を示す図であ
る。
【図26】第8の実施例の制御部の構成を示す図であ
る。
【図27】記憶部に記憶されたデータの一例を示す図で
ある。
【図28】第8の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図29】第9の実施例の構成を示す図である。
【図30】記憶部に記憶されたデータの一例を示す図で
ある。
【図31】第9の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図32】第10の実施例の構成を示す図である。
【図33】光学ヘッドの構造を示す図である。
【図34】光学ヘッドの利得特性を示すグラフである。
【図35】第11の実施例の構成を示す図である。
【図36】利用形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 接触マイク 2 ハードディスク 3 増幅器 3a A−D変換器 3b 記憶装置 4 スピーカ 5 制御装置
フロントページの続き (72)発明者 前原 良実 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 Fターム(参考) 5D091 AA10 FF02 HH20 5D112 AA24 JJ06 JJ09

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハードディスクの筐体に伝わる振動から
    ハードディスクのヘッドとディスクの傷が衝突する際に
    生じる振動をピックアップすることによって、ディスク
    の傷の有無を検査することを特徴とするハードディスク
    音響検査方法。
  2. 【請求項2】 前記検査は、ディスクの駆動を停止さ
    せ、ディスクが惰性で回転しているときに行うことを特
    徴とする請求項1に記載のハードディスク音響検査方
    法。
  3. 【請求項3】 ハードディスクの筐体に伝わる振動から
    ハードディスクのヘッドとディスクの傷が衝突する際に
    生じる振動をピックアップする手段を備えたことを特徴
    とするハードディスク音響検査装置。
  4. 【請求項4】 前記ピックアップする手段は、接触マイ
    クであることを特徴とする請求項3に記載のハードディ
    スク音響検査装置。
  5. 【請求項5】 前記ピックアップする手段は、光学ヘッ
    ドであることを特徴とする請求項3に記載のハードディ
    スク音響検査装置。
  6. 【請求項6】 前記ピックアップする手段によってピッ
    クアップされた振動を音として増幅して外部に出力する
    手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のハード
    ディスク音響検査装置。
  7. 【請求項7】 前記ピックアップする手段によってピッ
    クアップされた振動を波形として表示するディスプレイ
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載のハードディ
    スク音響検査装置。
  8. 【請求項8】 前記ピックアップする手段によってピッ
    クアップされた振動をデジタル値に変換して記憶する手
    段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のハードデ
    ィスク音響検査装置。
  9. 【請求項9】 前記記憶する手段によって記憶された振
    動を基にして、ハードディスクのヘッドとディスクの傷
    が衝突する音を検出する手段を備えたことを特徴とする
    請求項8に記載のハードディスク音響検査装置。
  10. 【請求項10】 前記検出する手段は、ハードディスク
    の電源を制御する機能と、振動の状態を監視する機能
    と、外部に出力する音の増幅率を変化させる機能を有す
    ることを特徴とする請求項9に記載のハードディスク音
    響検査装置。
  11. 【請求項11】 前記検出する手段は、観測者に検査可
    能タイミングを通知する機能を有することを特徴とする
    請求項9に記載のハードディスク音響検査装置。
  12. 【請求項12】 デジタル値に変換された振動をWav
    elet変換する手段を備えたことを特徴とする請求項
    8に記載のハードディスク音響検査装置。
  13. 【請求項13】 前記検出する手段は、前記記憶部に記
    憶された振動を基にして、ディスクの回転停止直前の領
    域を切出してディスクのCSSエリアの傷の解析を行う
    ことを特徴とする請求項9に記載のハードディスク音響
    検査装置。
  14. 【請求項14】 前記検出する手段は、音響データの平
    均レベルとピークレベルの比を用いてディスクの傷の有
    無を解析することを特徴とする請求項9に記載のハード
    ディスク音響検査装置。
  15. 【請求項15】 前記検出手段は、音響データ中のピー
    クレベルの周期性とハードディスクのスピンドルの減速
    特性を用いてディスクの傷の有無を解析することを特徴
    とする請求項9に記載のハードディスク音響検査装置。
  16. 【請求項16】 前記検出手段は、ハードディスクの複
    数の型のパラメータを記憶でき、検査するハードディス
    クの型に応じたパラメータを用いてディスクの傷の有無
    を解析することを特徴とする請求項9に記載のハードデ
    ィスク音響検査装置。
  17. 【請求項17】 検査時に原音の状態の音響データを記
    憶する手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の
    ハードディスク音響検査装置。
  18. 【請求項18】 ハードディスクの筐体に伝わる振動を
    基にして、音響データの平均レベルとピークレベルの比
    を用いてディスクの傷の有無を解析する、または、音響
    データ中のピークレベルの周期性とハードディスクのス
    ピンドルの減速特性を用いてディスクの傷の有無を解析
    するプログラムを記憶したことを特徴とするプログラム
    媒体。
  19. 【請求項19】 前記検査は、減圧チェンバー内で行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のハードディスク音響
    検査方法。
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