JP2000249973A - 映像表示装置 - Google Patents

映像表示装置

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JP2000249973A
JP2000249973A JP11052324A JP5232499A JP2000249973A JP 2000249973 A JP2000249973 A JP 2000249973A JP 11052324 A JP11052324 A JP 11052324A JP 5232499 A JP5232499 A JP 5232499A JP 2000249973 A JP2000249973 A JP 2000249973A
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diopter
image
distance
optical system
observer
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JP11052324A
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English (en)
Inventor
Kenji Ishibashi
賢司 石橋
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観察者が観察する映像までの距離をその映像
が表す距離に一致させることにより、高い臨場感を提供
し得る小型の映像表示装置を提供する。 【解決手段】 映像を表示するスクリーンと、表示する
映像を生成するパーソナルコンピュータ(PC)と、視
度可変の接眼光学系を有する観察眼鏡とで映像表示装置
を構成し、接眼光学系を介して表示した映像の虚像を観
察する。PCは生成する映像の奥行き方向の距離と観察
者からスクリーンまでの距離に基づいて接眼光学系の視
度を設定し、観察する虚像までの距離を映像が表す距離
に一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は映像表示装置に関
し、特に、視野の広い臨場感豊かな映像を提供する映像
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バーチャルリアリティの分野で、
映像を広角スクリーンに表示することが行われている。
スクリーンには左眼用と右眼用の視差のある2つの映像
が表示され、観察者は2つの映像の光を選択的に左右の
眼に導くシャッターを備えた観察部材を眼前に装着し
て、スクリーン上に表示された映像を観察する。このよ
うな映像表示装置は、視差のある映像で立体感を表現す
ることに加えて、非常に視野の広い映像を表示すること
により、観察者にきわめて高い臨場感を提供することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の映像
表示装置では、観察者はスクリーン上の実像を直接観察
することになり、眼から映像までの距離と、映像が表現
している奥行き方向の距離とに不一致が生じる。このた
め、違和感が生じて臨場感が低減することがあり、また
眼が疲労するという問題がある。
【0004】この問題は、スクリーンと観察者との距離
を長くすることである程度解決することができる。例え
ば、観察者からスクリーンまでの距離を1.5m程度と
すれば、その近傍の距離範囲だけでなく、数m以遠の遠
距離を表した映像についても、違和感は大きく軽減され
る。しかしながら、数十cm程度の近距離を表す映像に
ついては、違和感が大きくなり、眼の疲労も増大する。
しかも、装置が大型化してしまい、通常の部屋に収容す
ることは難くなり、机上に設置することは不可能になっ
て、使用環境に大きな制約が生じる。
【0005】スクリーンと観察者との距離を短くして数
十cmにすれば、逆に遠距離を表した映像に違和感が生
じるのみならず、観察者がスクリーンにきわめて接近し
た状態になるから、見る方向によって観察する映像に大
きな歪みが生じる。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、観察者が観察する映像までの距離をその映像が表
す距離に一致させることにより、高い臨場感を提供し得
る小型の映像表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、3次元を表す映像を生成する生成部
と、生成部により生成された映像を表示する表示部より
成る映像表示装置に、観察者に装着され、表示部からの
光を観察者の眼に導いて表示部に表示された映像の虚像
を提供する視度可変の接眼光学系と、生成部によって生
成された映像の奥行き方向の距離に応じて接眼光学系の
視度を設定する視度設定手段を備える。
【0008】この映像表示装置では、観察者は接眼光学
系を眼前に装着して、表示された映像の虚像を観察する
ことになる。観察する虚像までの距離は接眼光学系の視
度によって定まる。接眼光学系の視度は可変であり、表
示された映像が表す奥行き方向の距離に応じて視度設定
手段が設定するから、実際に観察する虚像までの距離と
映像が表す距離は一致する。したがって、観察者が違和
感を覚えることはなく、また、眼に負担がかかり難い。
しかも、違和感のない映像を提供しながらも観察者から
表示部までの距離を短くすることが可能になって、表示
部を小さくしても視野の広い映像を提供することができ
る。
【0009】観察者から表示部までの距離を検出する距
離検出手段を備えて、視度設定手段が、映像の奥行き方
向の距離と観察者から表示部までの距離に応じて接眼光
学系の視度を設定するようにしてもよい。観察者が移動
した場合でも、それが接眼光学系の視度に反映されるた
め、観察する虚像までの距離と映像が表す距離が常時一
致する。
【0010】生成部が視差のある左眼用と右眼用の映像
を生成し、表示部が生成された左眼用と右眼用の映像を
表示し、接眼光学系が表示された左眼用の映像と右眼用
の映像の光を観察者の左眼と右眼に個別に導くようにす
るとよい。視差のある映像を与えて左右の眼に輻輳を生
じさせることにより立体感が高まり、臨場感が大きく向
上する。
【0011】生成部が、接眼光学系の視度の変化に起因
して提供する虚像に変化が生じないように、設定される
接眼光学系の視度をあらかじめ考慮して映像を生成する
とよい。接眼光学系の視度が変化すると観察倍率が変わ
り虚像の大きさは変化するが、これを見込んで映像を生
成することで、距離と大きさに矛盾のない映像を提供す
ることが可能になる。
【0012】視度設定手段は、接眼光学系の視度の変化
速度が所定速度を超えないように、接眼光学系の視度を
設定するものとすることができる。観察している虚像ま
での距離が急激に変化すると観察者の眼には負担がかか
り易いが、接眼光学系の視度の変化速度に上限を設ける
ことにより、虚像までの距離の急激な変化が防止され
て、眼の疲労が一層軽減される。
【0013】観察者が観察している方向を検出する方向
検出手段を備えて、観察者が観察している方向が表示部
に向かう方向でないときに、視度設定手段が接眼光学系
の視度を所定視度に設定するようにするとよい。観察者
が表示部以外を向くのは映像ではなく現実の物体を見よ
うとしているときであり、このときは日常生活どおりに
物体が見えるようにすることが望ましい。日常での観察
者の眼鏡の使用の有無を考慮して所定視度を設定してお
くことで、これが達成される。
【0014】観察者から表示部までの距離を検出する距
離検出手段を有する構成では、観察者から表示部までの
距離が接眼光学系の視度の設定可能な範囲外になったと
きに警告を発する警告手段を備えることができる。虚像
を観察している観察者には表示部までの距離が判り難い
が、観察者が大きく移動した場合でも警告により復帰を
促すことができて、違和感を覚える位置での観察を未然
に防ぐことが可能になる。また、観察者が誤って表示部
に衝突するのを避けることができる。
【0015】視度設定手段は、観察者から表示部までの
距離が所定時間に所定量変化せず、かつ映像の奥行き方
向の距離が所定時間に所定量変化しないときに、接眼光
学系の視度を前回設定した視度に設定するものとすると
よい。ここで、2つの所定時間は小さく設定しておく。
この場合、観察者の位置と映像が表す距離の双方に大き
な変化がないときには視度を変化させないことになり、
観察する虚像までの距離が安定する。
【0016】視度設定手段は、上記の場合でも、映像の
奥行き方向の距離が連続して変化しているときは、接眼
光学系の視度をその時点での映像の奥行き方向の距離と
観察者から表示部までの距離に応じて設定するものとす
ることもできる。このようにすると、映像が移動する物
体を表しているときに、その移動に接眼光学系の視度が
確実に追随して変化することになり、自然な映像を提供
することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の映像表示装置の一
実施形態について図面を参照しながら説明する。図1
に、本実施形態の映像表示装置1の全体の概略構成を示
す。映像表示装置1は、スクリーン11、2つのプロジ
ェクタ12L、12R、パーソナルコンピュータ13、
および観察眼鏡14を備えている。
【0018】スクリーン11は凹面であり、映像を表す
光を後方から受けてその映像を表示する。スクリーン1
1は移動可能な大きさであり、室内の適所に設置され
る。プロジェクタ12L、12Rは映像を表す光をスク
リーン11に投射するもので、プロジェクタ12Lが左
眼用の映像の光、プロジェクタ12Rが右眼用の映像の
光を投射する。プロジェクタ12L、12Rが投射する
光は偏光方向が互いに垂直な偏光であり、スクリーン1
1は投射された光の偏光方向を保持するように設定され
ている。
【0019】パーソナルコンピュータ13は、スクリー
ン11に表示する映像を生成するとともに、映像表示装
置1の全体を制御する。パーソナルコンピュータ13
は、表示内容である仮想物体の3次元座標を記憶してお
り、その座標に基づいて視差のある2つの映像を生成す
る。生成された2つの映像は映像信号としてプロジェク
タ12L、12Rに与えられ、プロジェクタ12L、1
2Rが映像信号に基づいて映像を表す光を生成して投射
することで、スクリーン11上に2つの映像が重なって
形成される。
【0020】観察者Uは、観察眼鏡14を眼前に装着し
て、スクリーン11の前方からその表示映像を観察す
る。スクリーン11には両側部と中央下部に3つの超音
波発生器15、16、17が備えられており、観察眼鏡
14には前面両側部と中央下部に3つの超音波検出器1
8、19、20が備えられている。超音波発生器15、
16、17はパーソナルコンピュータ13によって制御
され、超音波検出器18、19、20の出力はパーソナ
ルコンピュータ13に与えられる。パーソナルコンピュ
ータ13は超音波発生器15、16、17からの超音波
の到達時間によって超音波検出器18、19、20それ
ぞれの位置を特定し、これによりスクリーン11を基準
とした観察者Uの位置と向きを検出する。
【0021】観察眼鏡14の光学系の構成を図2に示
す。観察眼鏡14には、両眼に対応して、1対の接眼光
学系21L、21Rと1対の偏光板22L、22Rが備
えられている。接眼光学系21L、21Rを介してスク
リーン11の映像を見ることで、観察者は表示された映
像そのものではなく、その虚像を観察することになる。
【0022】左眼用の偏光板22Lはプロジェクタ12
Lが投射する光の偏光成分を透過させ、右眼用の偏光板
22Rはプロジェクタ12Rが投射する光の偏光成分を
透過させるように設定されており、左眼用の映像の光は
左眼のみに、右眼用の映像の光は右眼のみに導かれる。
これにより、視差のある映像が左右の眼に個別に導かれ
て、観察者は立体感のある映像を観察することができ
る。以下、接眼光学系21L、21Rを総称して符号2
1で表し、偏光板22L、22Rを総称して符号22で
表す。
【0023】接眼光学系21の視度は可変である。視度
可変とするために、接眼光学系21は、正のパワーを有
するレンズ21Pと負のパワーを有するレンズ21Nで
構成されている。これらのレンズ21P、21Nは光軸
方向に可動であり、両者間の距離が変化することで接眼
光学系21の視度が変わる。
【0024】接眼光学系21の視度はパーソナルコンピ
ュータ13によって設定される。パーソナルコンピュー
タ13による接眼光学系21の視度設定の原理を図3に
示す。パーソナルコンピュータ13は、3次元座標の原
点をスクリーン11上に置いて映像を生成する。そし
て、その映像が表そうとしている物体のスクリーン11
に対して垂直方向の座標、すなわち奥行き方向の距離
(以下、表示物体距離DOという)に虚像が位置するよ
うに、観察者からスクリーン11までの距離(以下、観
察距離DSという)を考慮して接眼光学系21の視度を
設定する。
【0025】図3(a)に示したように、投射された光
はスクリーン11で拡散されて、拡散光束として偏光板
22に入射する。この光は偏光板22を透過して、レン
ズ21Nに入射し、その負のパワーでさらに拡散光束と
されて、レンズ21Pに入射する。レンズ21Pに入射
した光は、その正のパワーにより拡散の度合いを減じら
れて、観察者の眼Eに入射する。眼Eに入射する光は、
位置Oから直接到来する光と等価になり、観察者にはス
クリーン11上の映像が位置Oに存在するかのように認
識される。
【0026】図3(b)は、図3(a)よりも観察者が
スクリーン11に近づいた状態を表している。このと
き、接眼光学系21もスクリーン11に近づくことにな
り、視度が図3(a)のままだと、眼Eに入射する光は
位置Oから到来する光と等価にはならない。そこで、パ
ーソナルコンピュータ13は、レンズ21Pとレンズ2
1Nの間隔を変えることにより、眼Eに入射する光を位
置Oから到来する光と等価にする。これにより、虚像は
位置Oに保たれる。
【0027】こうして、実際に観察している虚像とそれ
が表す距離とが一致した違和感のない映像が、観察者に
提供される。
【0028】パーソナルコンピュータ13は、上記の視
度の設定に加えて、観察者の左右の眼の輻輳が虚像に対
して正しく合うようにする。このために、生成する左眼
用の映像の位置と右眼用の映像の位置を、表示物体距離
に応じて変える。輻輳設定の原理を図4に示す。
【0029】図4(a)は、スクリーン11よりも遠方
に位置する物体を表示している状態を表している。この
とき、スクリーン11上には、観察者から見て、左眼用
の映像MLは左側に、右眼用の映像MRは右側に表示さ
れる。また、接眼光学系21L、21Rはそれぞれ、全
体として正のパワーに設定されることになる。
【0030】図4(b)は、スクリーン11よりも手前
に位置する物体を表示している状態を表している。この
ときは逆に、スクリーン11上には、観察者から見て、
左眼用の映像MLが右側に、右眼用の映像MRが左側に
表示される。また、接眼光学系21L、21Rはそれぞ
れ、全体として負のパワーに設定されることになる。
【0031】いずれの場合も、観察者の左右の眼EL、
ERの輻輳は観察している虚像までの距離に一致し、き
わめて自然な映像が観察者に提供される。
【0032】接眼光学系21の視度を変化させると観察
倍率も変化する。この原理を図5に示す。図5(a)
は、比較的遠方に位置する物体を表示している映像に視
度を合わせた状態を表している。このとき、スクリーン
11の比較的広い範囲からの光が眼Eに入射し、観察倍
率は小さくなる。図5(b)は、図5(a)と同じ観察
距離で、比較的近くに位置する物体を表示している映像
に視度を合わせた状態を表している。このとき、スクリ
ーン11の比較的狭い範囲からの光が眼Eに入射し、観
察倍率は大きくなる。
【0033】観察倍率が変化することは、観察する虚像
の大きさが変化するということである。パーソナルコン
ピュータ13は、遠い物体が小さく、近い物体が大きく
見えるように映像を生成するが、生成する映像の大きさ
を表示物体距離のみに基づいて設定すると、視度の変化
により虚像の大きさが変わって、映像の大きさと表示物
体距離が一致しなくなる。そこで、パーソナルコンピュ
ータ13は、表示物体距離に加えて、設定しようとして
いる接眼光学系21の視度を考慮して、映像を生成す
る。これにより、表示物体距離を正しく表す映像が提供
される。これは、観察者が動いて観察距離が変化するこ
とによる視度の変化においても、当てはまる。
【0034】スクリーン11のどの部位に対しても正対
する状態となるように、観察者はスクリーン11の曲率
中心に位置して観察することが望ましい。しかしなが
ら、この条件を課すと観察者を束縛することになって、
装置の使い勝手が悪くなる。そこで、映像表示装置1で
は、スクリーン11の曲率中心から所定の範囲内で、観
察者が自由に位置を変えられるようにしている。したが
って、観察者の位置によっては、スクリーン11を斜め
方向から観察するという状況も生じる。
【0035】スクリーン11に対して斜め方向から観察
すると、観察者からスクリーン11までの距離が一様で
なくなり、その距離差によって観察される虚像に歪曲が
生じる。これを防止するために、パーソナルコンピュー
タ13は、検出した観察者の向きも考慮に入れて映像を
生成する。こうして生成された映像の虚像は、その距離
および大きさの点で表示物体距離を正しく表し、輻輳も
表示物体距離に合致し、しかも歪みのないきわめて自然
なものとなる。
【0036】映像の観察中に、観察者が一時的に現実の
物体を見ることもある。このとき、接眼光学系21の視
度が映像に基づいて設定されたままだと、現実の物体が
不自然に見えてしまう。この不都合を回避するために、
映像表示装置1では、観察者の視力に適した視度を観察
開始前にパーソナルコンピュータ13に記憶させてお
き、観察中に観察者の向きがスクリーン11から外れた
ときは、パーソナルコンピュータ13が接眼光学系21
の視度を記憶した視度に自動的に設定するようにしてい
る。
【0037】観察眼鏡14には接眼光学系21の視度を
手動操作によって設定する操作部が設けられており、観
察者は観察眼鏡14を装着した状態で操作部を操作し
て、現実の物体が最も自然に見える視度に設定する。こ
の視度をパーソナルコンピュータ13が記憶する。この
ようにすることで、日常生活で眼鏡を使用している観察
者でも、映像観察中に、現実の物体を自然に見ることが
できる。なお、観察開始前に上記操作をしないときに
は、パーソナルコンピュータ13は、観察者が日常生活
で眼鏡を使用していないと判断して、値0を視度として
記憶する。
【0038】図6に、観察者が一時的に現実の物体を観
察している状態を示す。接眼光学系21の視度は観察者
の眼Eに適する値になっており、日常と同じく物体は自
然に見える。
【0039】パーソナルコンピュータ13が行う処理の
流れを図7に示す。図7の流れは1回の映像の提供にお
ける処理を示したものであり、ステップ#5から#90
までのサイクルを繰り返すことにより一連の映像が提供
される。
【0040】まず、表示内容である3次元データを再設
定し(#5)、超音波発生器15、16、17と超音波
検出器18、19、20によって視点位置すなわち観察
者の位置と観察方向を検出する(#10)。次いで、観
察者がスクリーン11方向を向いているか否かを判定す
る(#15)。
【0041】観察者がスクリーン方向を向いているとき
には、観察者からスクリーンまでの距離すなわち観察距
離DSを算出し(#20)、生成する映像の奥行き方向
の距離すなわち表示物体距離DOを求める(#25)。
スクリーン11は凹面であるが、観察距離DSは観察者
の位置と観察方向から容易に算出される。表示物体距離
DOは観察方向に沿ったスクリーンからの距離とする。
映像に含まれる物体が大きい場合は、そのうちの主要な
部位をあらかじめ定めておき、スクリーンからその部位
までの距離を表示物体距離DOとしてもよい。
【0042】次いで、所定時間前からの観察距離の変化
量ΔDSを算出して、それが所定量DSC未満であるか
否かを判定する(#30)。観察距離の変化量ΔDS
は、今回のサイクルでの観察距離DSと、直前のサイク
ルでの観察距離DS1またはn回前のサイクルでの観察
距離DSnとから、ΔDS=|1−DS1/DS|、ま
たはΔDS=|1−DSn/DS|によって求める。な
お、変化量ΔDSを全く別の評価法で求めるようにして
もよい。所定量DSCは小さな値とし、評価法に応じて
定める。
【0043】観察距離の変化量ΔDSが所定量DSC以
上のときは、表示物体距離DOと観察距離DSから、設
定すべき接眼光学系21の視度DPを算出する(#6
0)。そして、算出した視度DPが設定可能な範囲内で
あるか否かを判定する(#65)。算出した視度DPが
設定可能な範囲内にあれば、その視度DPでの観察倍率
βを算出する(#75)。もし、算出した視度DPが設
定可能な範囲から外れていれば、警告を発するととも
に、設定可能な限界値を視度DPとしておく(#7
0)。警告は、表示する映像にメッセージまたはマーク
を加えることによって行ってもよく、あるいは音で報知
するようにしてもよい。
【0044】その後、表示しようとしている物体の3次
元座標を観察倍率β、視点位置および観察方向に基づい
て処理して、左眼用と右眼用に視差のある2つの映像を
生成し(#85)、プロジェクタ12L、12Rにそれ
らの映像を表示させ、接眼光学系の視度を設定する(#
90)。そして、ステップ#5に戻って処理を繰り返
す。
【0045】ステップ#30の判定で、観察距離の変化
量ΔDSが所定量DSC未満のときは、所定時間前から
の表示物体距離の変化量ΔDOを算出して、それが所定
量DOC未満であるか否かを判定する(#35)。この
判定結果が真であることは、観察距離と表示物体距離の
双方があまり変化していないことを意味する。
【0046】表示物体距離の変化量ΔDOも、今回のサ
イクルでの表示物体距離DOと、直前のサイクルでの表
示物体距離DO1またはm回前のサイクルでの表示物体
距離DOmとから、ΔDO=|1−DO1/DO|、ま
たはΔDO=|1−DOm/DO|によって求める。な
お、ここでのサイクル数mと観察距離の変化量ΔDSを
求めるときのサイクル数nは、同じであっても異なって
いてもよい。また、変化量ΔDOを全く別の評価法で求
めるようにしてもよい。所定量DOCは小さな値とし、
評価法に応じて定める。
【0047】表示物体距離の変化量ΔDOが所定量DO
C未満のときは、表示物体距離が連続して変化している
か否かを判定する(#50)。この判定は、例えば、前
10サイクルでの表示物体距離の変化量を記憶してお
き、それらが連続して正であるか、あるいは逆に連続し
て負であるかに基づいて行う。表示物体距離の変化量が
連続して正または負であれば、映像中の物体は遠ざかり
つつあるか近づきつつあることになる。表示物体距離が
連続して変化しているときはステップ#60に進み、そ
うでないときには、前サイクルで設定した視度を設定す
べき視度DPとして(#55)、ステップ#65に進
む。後者の処理では、接眼光学系の視度は更新されない
ことになる。
【0048】表示物体距離の変化量ΔDOが所定量DO
C以上のときは、表示物体距離の変化量ΔDOが所定量
DOAを超えているか否かを判定する(#40)。この
所定量DOAは所定量DOCの十倍以上の大きな値であ
る。所定量DOAも表示物体距離の変化量ΔDOの評価
法に応じて定める。変化量ΔDOが所定量DOA以下の
ときは、ステップ#60に進み、そうでないときには、
視度の変化速度が許容し得る制限速度になるように視度
の変化に制限を加えて(#45)、ステップ#60に進
む。後者の処理により、表示物体距離が大きく変化した
ときでも、観察中の虚像位置が急激に変化することが防
止され、眼への負担が軽減される。
【0049】ステップ#15の判定で、観察者がスクリ
ーン11方向を向いていないときには、前述のように、
観察開始前の操作で記憶した視度を設定すべき視度DP
とする(#80)。これで、観察者の眼には現実の室内
がごく自然に映ることになる。次いで、ステップ#85
に進む。
【0050】なお、ここでは、プロジェクタ12L、1
2Rとスクリーン11との距離、プロジェクタ12L、
12Rの投射画角については説明しなかったが、これら
には適当な所定値が設けられており、その値を用いて、
映像表示装置1は、観察者にとって視度と輻輳の一致し
た、きわめて自然な臨場感の高い映像を提供することが
できる。
【0051】観察者の位置と向きを検出するために、本
実施形態では超音波を利用したが、ジャイロや地磁気を
利用することも可能であり、光学的に検出することもで
きる。観察方向も頭部の向きだけでなく、視線を検出す
る装置を備えて、視線の方向を併用するようにしてもよ
い。
【0052】また、接眼光学系を2つのレンズで構成す
る例を示したが、さらに多くのレンズを使用してもよ
く、あるいは、電気光学的にパワーを変えることができ
る素子を用いることも可能である。スクリーンについて
も、観察者を取り囲むように複数枚配置して、より広い
3次元空間を表現するようにしてもよい。さらに、本実
施形態では偏光方向の違いによって左眼用の映像と右眼
用の映像を分離するようにしたが、時間的に分離する方
法を採用することもできる。
【0053】
【発明の効果】本発明の映像表示装置によるときは、実
際に観察する虚像までの距離と映像が表す距離が一致す
るため、観察者が違和感を覚えることはなく、臨場感が
高まるとともに、眼の疲労が軽減される。しかも、違和
感のない映像を提供しながらも比較的小さな表示部によ
り視野の広い映像を提供することが可能になり、装置の
全体構成を小型化することができる。
【0054】特に、観察者から表示部までの距離を検出
し、映像の奥行き方向の距離と観察者から表示部までの
距離に応じて接眼光学系の視度を設定するようにした構
成では、観察者が移動した場合でも虚像までの距離と映
像が表す距離が一致するため、観察者は自由な位置で、
また自由な姿勢で映像を観察することができる。
【0055】また、視差のある左右の映像を生成して表
示し、両映像の光を左右の眼に個別に導くようにするこ
とで、左右の眼の輻輳によって立体感が高まり、臨場感
を大きく向上させることができる。
【0056】また、設定される接眼光学系の視度をあら
かじめ考慮して映像を生成することで、接眼光学系の視
度の変化によって虚像の大きさが変化することが防止さ
れて、距離と大きさに矛盾のない自然な映像を提供する
ことができる。
【0057】さらに、接眼光学系の視度の設定に際し、
その変化速度が所定速度を超えないようにすることで、
虚像までの距離の急激な変化が防止されて、眼の疲労が
さらに軽減される。
【0058】観察者が観察している方向を検出して、観
察者が表示部以外を向いているときに、接眼光学系の視
度を所定視度に設定するようにした構成では、観察の途
中でも現実の物体を日常どおりに見ることができるた
め、使い勝手のよい装置となる。
【0059】しかも、観察者から表示部までの距離が接
眼光学系の視度の設定可能な範囲外になったときに警告
を発するようにすることで、違和感を覚える位置での観
察を未然に防ぐことが可能になり、また、観察者が誤っ
て表示部に衝突する事故を回避することができる。
【0060】また、観察者から表示部までの距離の変化
と映像の奥行き方向の距離の変化が共に小さいときに、
接眼光学系の視度を前回設定した視度に設定して、視度
を変化させないようにすることで、頻繁に視度が変化す
ることが防止されて、安定した映像を提供することがで
きる。
【0061】観察者から表示部までの距離の変化と映像
の奥行き方向の距離の変化が共に小さい場合でも、映像
の奥行き方向の距離が連続して変化しているときには、
接眼光学系の視度をその時点での映像の奥行き方向の距
離と観察者から表示部までの距離に応じて設定すること
で、移動する物体を表す映像に不自然さが生じることが
避けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の映像表示装置の全体構
成を示す図。
【図2】 上記映像表示装置の観察眼鏡の光学系の構成
を示す図。
【図3】 上記映像表示装置における接眼光学系の視度
設定の原理を示す図。
【図4】 上記映像表示装置における輻輳設定の原理を
示す図。
【図5】 上記映像表示装置における接眼光学系の視度
の変化による観察倍率の変化の原理を示す図。
【図6】 上記映像表示装置における現実の物体を観察
しているときの接眼光学系の視度設定を示す図。
【図7】 上記映像表示装置における映像の提供に関す
る制御処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 映像表示装置 11 スクリーン(表示部) 12L プロジェクタ(左眼用) 12R プロジェクタ(右眼用) 13 パーソナルコンピュータ(生成部、視度設定手
段、警告手段) 14 観察眼鏡 15、16、17 超音波発生器(距離検出手段、方向
検出手段) 18、19、20 超音波検出器(距離検出手段、方向
検出手段) 21 接眼光学系 21L 接眼光学系(左眼用) 21R 接眼光学系(右眼用) 21P 凸レンズ 21N 凹レンズ 22 偏光板 22L 偏光板(左眼用) 22R 偏光板(右眼用)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元を表す映像を生成する生成部と、
    生成部により生成された映像を表示する表示部より成る
    映像表示装置において、 観察者に装着され、表示部からの光を観察者の眼に導い
    て表示部に表示された映像の虚像を提供する視度可変の
    接眼光学系と、 生成部によって生成された映像の奥行き方向の距離に応
    じて接眼光学系の視度を設定する視度設定手段を備える
    ことを特徴とする映像表示装置。
  2. 【請求項2】 観察者から表示部までの距離を検出する
    距離検出手段を備え、 視度設定手段は、映像の奥行き方向の距離と観察者から
    表示部までの距離に応じて接眼光学系の視度を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 【請求項3】 生成部は視差のある左眼用と右眼用の映
    像を生成し、表示部は生成された左眼用と右眼用の映像
    を表示し、接眼光学系は表示された左眼用の映像と右眼
    用の映像の光を観察者の左眼と右眼に個別に導くことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像表示装
    置。
  4. 【請求項4】 生成部は、接眼光学系の視度の変化に起
    因して提供する虚像に変化が生じないように、設定され
    る接眼光学系の視度をあらかじめ考慮して映像を生成す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映
    像表示装置。
  5. 【請求項5】 視度設定手段は、接眼光学系の視度の変
    化速度が所定速度を超えないように、接眼光学系の視度
    を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の映像表示装置。
  6. 【請求項6】 観察者が観察している方向を検出する方
    向検出手段を備え、 視度設定手段は、観察者が観察している方向が表示部に
    向かう方向でないときに、接眼光学系の視度を所定視度
    に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の映像表示装置。
  7. 【請求項7】 観察者から表示部までの距離が接眼光学
    系の視度の設定可能な範囲外になったときに警告を発す
    る警告手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の
    映像表示装置。
  8. 【請求項8】 視度設定手段は、観察者から表示部まで
    の距離が所定時間に所定量変化せず、かつ映像の奥行き
    方向の距離が所定時間に所定量変化しないときに、接眼
    光学系の視度を前回設定した視度に設定することを特徴
    とする請求項2に記載の映像表示装置。
  9. 【請求項9】 視度設定手段は、観察者から表示部まで
    の距離が所定時間に所定量変化せず、かつ映像の奥行き
    方向の距離が所定時間に所定量変化しないときでも、映
    像の奥行き方向の距離が連続して変化しているときは、
    接眼光学系の視度をその時点での映像の奥行き方向の距
    離と観察者から表示部までの距離に応じて設定すること
    を特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
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