JP2000249082A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2000249082A
JP2000249082A JP11054406A JP5440699A JP2000249082A JP 2000249082 A JP2000249082 A JP 2000249082A JP 11054406 A JP11054406 A JP 11054406A JP 5440699 A JP5440699 A JP 5440699A JP 2000249082 A JP2000249082 A JP 2000249082A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回スクロールとスラスト受けとの間に静圧
軸受部を設けて摺動抵抗を小さくし、これらの耐久性、
寿命等を高めるようにする。 【解決手段】 旋回スクロール8とスラスト受け13と
の間には、旋回スクロール8の動きに追従して作動する
給油ポンプ21を設ける。また、旋回スクロール8の摺
接面8Dには静圧軸受部35を設け、この静圧軸受部3
5は、旋回スクロール8の周方向に円弧状に延びて互い
に同心円状に配置される2個の円弧状溝35A,35B
等により構成する。そして、旋回スクロール8には給油
ポンプ21と静圧軸受部35との間を連通して径方向に
延びる給油通路34を設ける。これにより給油ポンプ2
1からの潤滑油2を加圧状態で静圧軸受部35に供給
し、この潤滑油2の圧力を旋回スクロール8に背圧とし
て作用させると共に、旋回スクロール8とスラスト受け
13との摺接面8D,13B間を潤滑状態に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧縮機、真空
ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、ケー
シングと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラッ
プ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに
回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該
駆動軸の先端側に旋回軸受を介して旋回可能に設けら
れ、鏡板に前記固定スクロールのラップ部と重なり合っ
て複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された旋回ス
クロールとを備えたものが知られている(特開平2−2
48675号公報等)。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロール
を固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回
運動させることにより、固定スクロールの外周側に設け
た吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固
定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部と
の間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心
部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出す
る。
【0004】また、この従来技術にあっては、旋回スク
ロールの背面側には該旋回スクロールに作用するスラス
ト荷重を支持する軸受部となるスラスト受けを設け、こ
のスラスト受けにより圧縮運転時の旋回スクロールの挙
動を安定させる構成となっている。さらに、駆動軸には
円板状の油掻きを一体に設け、この油掻きによって掻き
上げられた油液を例えば旋回スクロールの背面側とスラ
スト受けとの間、旋回軸受等の給油部位に供給すること
により、これらの給油部位の潤滑性を高める構成として
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械は、旋回スクロール
に作用するスラスト荷重をスラスト受けによって支持す
ると共に、油掻きによってケーシング内に収容した油液
を旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの摺接面間
に供給し、該各摺接面の潤滑性を高める構成としてい
る。
【0006】しかし、このように旋回スクロールの背面
側とスラスト受との間に油液を供給したとしても、圧縮
運転時に例えば旋回スクロールに作用するスラスト力が
増大すると、旋回スクロールとスラスト受けとの間の油
液が不足し、両者の間に発生する摺動摩耗を必ずしも十
分に抑えることができず、これらの旋回スクロール、ス
ラスト受けの耐久性、寿命等が低下するという問題があ
る。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、旋回スクロールに作用
するスラスト荷重が増大したとしても、旋回スクロール
の背面側とスラスト受けとの摺接面間の摺動抵抗を常に
小さくすることができ、これらの旋回スクロール、スラ
スト受けの耐摩耗性、寿命等を高めることができ、装置
の性能、信頼性等を向上できるようにしたスクロール式
流体機械を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明によるスクロール式流体機械は、ケーシン
グと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部
が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転
可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動
軸の先端側に旋回軸受を介して旋回可能に設けられ鏡板
に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の
圧縮室を画成するラップ部が立設された旋回スクロール
と、該旋回スクロールに作用するスラスト荷重を支持す
るため前記ケーシングに設けられ該旋回スクロールの背
面側に摺接するスラスト受けとによって構成される。
【0009】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、ケーシング内に収容した油液を吸込み加圧状態
で吐出する給油ポンプと、旋回スクロールの背面側とス
ラスト受けとの間に設けられ前記給油ポンプから吐出さ
れた加圧油を前記旋回スクロールに背圧として作用させ
る静圧軸受部とを備えたことにある。
【0010】このように構成したことにより、圧縮運転
時に給油ポンプを作動させたときには、ケーシング内の
油液が給油ポンプに吸込まれて加圧されることにより、
旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの間の静圧軸
受部には、給油ポンプからの加圧油が供給される。
【0011】この結果、旋回スクロールには静圧軸受部
に供給された加圧油が背圧として作用し、旋回スクロー
ルに作用するスラスト荷重に抗して該旋回スクロールを
スラスト受けから離間させる方向に押圧できると共に、
この静圧軸受部の加圧油により旋回スクロールの背面側
とスラスト受けとの摺接面間を潤滑状態に保持すること
ができる。
【0012】また、請求項2の発明は、静圧軸受部は、
旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの摺接面のう
ちいずれか一方の摺接面側に形成され前記旋回スクロー
ルとスラスト受けとの間を周方向に延びる環状溝により
構成している。これにより旋回スクロールとスラスト受
けとの摺接面間には、環状溝により給油ポンプからの加
圧油が旋回スクロールの周方向に沿って均等に導かれる
から、この環状溝の加圧油により旋回スクロール全体に
ほぼ均等に背圧を作用させ、スラスト受けに対する摺動
特性を高めることができる。
【0013】また、請求項3の発明は、環状溝は旋回ス
クロールの背面側とスラスト受けとの間を互いに同心円
状をなして延びる複数個の円弧状溝からなり、該各円弧
状溝間には加圧油が流通する通路を形成する構成として
いる。この場合には、給油ポンプからの加圧油を複数個
の円弧状溝にそれぞれ供給でき、円弧状溝の個数を増す
ことにより旋回スクロールに対してより安定した背圧を
作用させることができる。
【0014】さらに、請求項4の発明は、給油ポンプは
旋回スクロールとスラスト受けとの間に設け、前記旋回
スクロールの動きに追従して作動される構成とし、前記
旋回スクロールには給油ポンプからの加圧油を環状溝に
向けて供給する給油通路を形成してなる構成としてい
る。
【0015】これにより、給油ポンプは旋回スクロール
の鏡板を挟んで圧縮室とは反対側に隔離して配置するこ
とができ、給油ポンプから吐出された加圧油が圧縮室側
に漏洩するのを防止できる。そして、この給油ポンプか
らの加圧油を給油通路を通じて環状溝に円滑に供給する
ことができる。
【0016】さらに、請求項5の発明は、給油通路は旋
回スクロールの径方向に延び一端側が給油ポンプの吐出
側に開口し他端側が環状溝の途中部位に開口する油路に
より構成している。これにより給油通路は旋回スクロー
ルの径方向に沿って配置されるから、給油ポンプからの
加圧油が給油通路内を流れる間に、旋回スクロールを効
率よく冷却することができる。
【0017】一方、請求項6の発明は、前記給油ポンプ
から吐出された加圧油の一部を前記旋回軸受側に導きつ
つ、前記ケーシング内へと還流させる還流通路を備える
構成としている。これにより、給油ポンプから吐出され
た加圧油の一部は還流通路を通じてケーシング内へと順
次戻されると共に、この間に旋回軸受等を潤滑し続ける
ことができる。
【0018】また、請求項7の発明は、給油ポンプを、
旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの摺接面のう
ちいずれか一方の摺接面側に凹設され他方の摺接面との
間にポンプ室を画成する旋回子収容凹部と、前記他方の
摺接面側から該旋回子収容凹部内に向けて突設され、前
記旋回スクロールの動きにより該旋回子収容凹部の周壁
面に沿って相対的に旋回運動する旋回子と、前記旋回子
収容凹部内に相対移動可能に設けられ該旋回子と共に前
記旋回子収容凹部内で前記ポンプ室を吸込室と吐出室と
に画成する可動隔壁と、該可動隔壁を前記旋回子収容凹
部内で前記旋回子の動きに追従して相対移動させる隔壁
駆動機構とにより構成している。
【0019】このように構成したことにより、旋回スク
ロールの旋回時には、前記他方の摺接面に突設した旋回
子が一方の摺接面側に凹設した旋回子収容凹部内を、そ
の周壁面に沿って相対的に旋回運動すると共に、可動隔
壁が隔壁駆動機構により旋回子の動きに追従して旋回収
容凹部内を相対的に移動する。そして、このときに、旋
回子収容凹部内のポンプ室は旋回子と可動隔壁とによっ
て吸込室と吐出室とに画成されるから、ケーシング内の
油液を吸込室内に吸込みつつ吐出室から静圧軸受部に向
けて加圧油を吐出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を
例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0021】ここで、図1ないし図10は本発明の第1
の実施の形態を示している。図中、1はスクロール式空
気圧縮機の外枠を形成する有底筒状のケーシングを示
し、該ケーシング1は、環状の底部1Aと、該底部1A
の外周側から後述の固定スクロール3側に向けて延設さ
れた筒部1Bと、前記底部1Aの内周側に突設された軸
受部1Cとによって構成され、その内部には油液として
の潤滑油2が収容されている。
【0022】3はケーシング1の先端側に固着された固
定スクロールで、該固定スクロール3は、図1に示す如
く略円板状に形成され中心が後述する駆動軸4の軸線と
一致するように配設された鏡板3Aと、該鏡板3Aの表
面に立設された渦巻状のラップ部3Bと、前記鏡板3A
の外周側からラップ部3Bを取囲むように軸方向に突出
した筒部3Cと、該筒部3Cの外周側から径方向外側に
突出し、後述のスラスト受け13に衝合して取付けられ
たフランジ部3Dとから構成されている。
【0023】4はケーシング1内に軸受5,6によって
回転可能に支持された駆動軸で、該駆動軸4は、その基
端側が駆動源(図示せず)に連結され、先端側はクラン
ク4Aとなってケーシング1内に延びている。そして、
該駆動軸4のクランク4Aは、その軸線が駆動軸4の軸
線に対して寸法δだけ偏心している。
【0024】7はケーシング1の軸受部1Cと後述する
旋回スクロール8のボス部8Cとの間に位置して駆動軸
4の外周側に設けられたバランスウエイトで、該バラン
スウエイト7は、駆動軸4から径方向外側に向けて突出
し、旋回スクロール8に対して駆動軸4の回転バランス
をとるものである。
【0025】8は固定スクロール3と対向してケーシン
グ1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋
回スクロール8は、円板状に形成された鏡板8Aと、該
鏡板8Aの表面側から軸方向に立設された渦巻状のラッ
プ部8Bとによって大略構成されている。
【0026】また、旋回スクロール8には、鏡板8Aの
背面側中央にボス部8Cが突設され、該ボス部8Cは旋
回軸受9を用いて駆動軸4のクランク4Aに回転可能に
取付けられている。そして、鏡板8Aは、その表面側が
固定スクロール3のフランジ部3Dに摺接すると共に、
背面側(裏面側)は後述のスラスト受け13に摺接する
摺接面8Dとなっている。
【0027】そして、旋回スクロール8は、固定スクロ
ール3のラップ部3Bに対し例えば180度だけずらし
て重なり合うように配設され、両者のラップ部3B,8
B間には複数の圧縮室10,10,…が画成される。そ
して、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スク
ロール3の外周側に設けた吸込口11から外周側の圧縮
室10内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロー
ル8が旋回運動する間に各圧縮室10内で順次圧縮し、
最後に中心側の圧縮室10から固定スクロール3の中心
に設けた吐出口12を介して外部に圧縮空気を吐出す
る。
【0028】13はケーシング1の筒部1B先端側に設
けられた環状のスラスト受けで、該スラスト受け13の
内周側には、環状の切欠部13Aが形成され、該切欠部
13A内には、旋回スクロール8の鏡板8Aが摺動可能
に摺接している。そして、スラスト受け13の切欠部1
3Aには、前記鏡板8Aと摺接する環状の摺接面13B
が形成され、該摺接面13Bは、旋回スクロール8に作
用するスラスト荷重を鏡板8Aとの間で受承する構成と
なっている。
【0029】14,14はスラスト受け13の内周側か
ら径方向内側に突出して設けられた一対のガイド突起
で、該各ガイド突起14は、後述するオルダムリング1
6を図5中の左,右方向にスライド可能にガイドするも
のである。
【0030】15,15は旋回スクロール8の鏡板8A
背面側に設けられたオルダムリング用のガイド溝で、該
ガイド溝15は、オルダムリング16を図4中の上,下
方向にスライド可能にガイドするものである。
【0031】16は旋回スクロール8とスラスト受け1
3との間に摺動可能に設けられたオルダムリングを示
し、該オルダムリング16は、ガイド突起14とガイド
溝15とによって直交する2軸方向にガイドされ、これ
らのガイド突起14、ガイド溝15と共に旋回スクロー
ル8の自転を防止する自転防止機構を構成している。
【0032】21は旋回スクロール8とスラスト受け1
3との摺接面8D,13B間に位置して設けられた給油
ポンプで、該給油ポンプ21は、後述の旋回子収容凹部
22、旋回子24、スライド板25およびスライド板駆
動機構28等によって構成されている。そして、この給
油ポンプ21は、旋回スクロール8の動きに追従して作
動し、後述するポンプ室23内に吸込んだ潤滑油2を加
圧状態で吐出し、この潤滑油2を加圧油として静圧軸受
部35に供給すると共に、駆動軸4、軸受5,6、旋回
スクロール8、旋回軸受9等にも供給し、これらを潤
滑、冷却するものである。
【0033】22はスラスト受け13の摺接面13B側
に設けられた旋回子収容凹部で、該旋回子収容凹部22
は、図10に示す如く周壁面22Aを有する有底の円形
穴として形成され、旋回スクロール8の摺接面8Dとの
間でポンプ室23を画成している。そして、この旋回子
収容凹部22のポンプ室23内には旋回子24が旋回運
動可能に収容されている。
【0034】24は旋回スクロール8の鏡板8A背面側
に突設された旋回子を示し、該旋回子24は、旋回スク
ロール8の鏡板8Aから旋回子収容凹部22内に向けて
突出した円形状の突起部として形成され、その突出端側
の端面は旋回子収容凹部22の底面にほぼ摺接してい
る。また、旋回子24の外周側には、後述するガイド溝
31の長さ方向と直交する方向、即ち図10中のX軸方
向に沿った平面からなる摺接面24Aが形成され、該摺
接面24Aはスライド板25に摺接している。
【0035】そして、旋回子24は、旋回子収容凹部2
2内に偏心した状態で配置され、その外周面は周壁面2
2Aにほぼ摺接するものである。このため、旋回子24
は旋回スクロール8に追従して動き、旋回子収容凹部2
2内を周壁面22Aに沿って旋回運動する構成となって
いる。なお、図10中のX軸、Y軸方向は前記ガイド突
起14とガイド溝15とに対してほぼ45度だけ傾いた
方向となっている。
【0036】25は旋回子収容凹部22内に移動可能に
設けられた可動隔壁としてのスライド板で、該スライド
板25は、長方形状をなす平板体として形成され、後述
のガイド溝31内に図10中のY軸方向に沿ってスライ
ド可能に配設されている。また、スライド板25は、そ
の長さ方向両端側がそれぞれ旋回子24の摺接面24A
と後述する駆動突部30の摺接面30Aとに対してそれ
ぞれ摺接している。
【0037】このため、スライド板25は、旋回スクロ
ール8の旋回時に、後述のスライド板駆動機構28によ
り旋回子24の動きに追従して旋回子収容凹部22内を
移動し、該旋回子24との間で旋回子収容凹部22のポ
ンプ室23内を吸込室26と吐出室27とに画成してい
る。
【0038】28は旋回子24の動きに追従してスライ
ド板25を旋回子収容凹部22内で移動させるための隔
壁移動機構となるスライド板駆動機構を示し、該スライ
ド板駆動機構28は、後述の凹窪部29、駆動突部30
およびガイド溝31によって構成されている。
【0039】29は旋回子収容凹部22から離間してス
ラスト受け13の摺接面13Bに凹設された凹窪部で、
該凹窪部29は、内形状が略長方形状をなした凹陥部と
して形成され、その内部には駆動突部30が収容されて
いる。
【0040】30は旋回スクロール8の鏡板8A背面側
に突設された駆動突部で、該駆動突部30は、鏡板8A
から凹窪部29内に向けて突出した長方形状をなす突起
部として形成されている。また、駆動突部30には、旋
回子24の摺接面24AとY軸方向で対向しX軸方向に
平行に延びた平面からなる摺接面30Aが形成され、該
摺接面30Aはスライド板25に摺接している。
【0041】このため、駆動突部30は、旋回スクロー
ル8の旋回時に旋回子24と一緒に旋回運動し、該旋回
子24との間でスライド板25を両側から挟み込んだ状
態で、このスライド板25をガイド溝31に沿ってY軸
方向にスライドさせる構成となっている。また、駆動突
部30は、後述する理由によって旋回子24およびスラ
イド板25と共に旋回スクロール8の自転を防止する他
の自転防止機構を構成している。
【0042】31は旋回子収容凹部22と凹窪部29と
の間に位置してスラスト受け13の摺接面13Bに設け
られたスライド板用のガイド溝で、該ガイド溝31は、
図10中のY軸方向に沿って細長く延びる凹溝として形
成され、その両端側は旋回子収容凹部22と凹窪部29
とに連なっている。そして、このガイド溝31は、スラ
イド板25をY軸方向に沿ってスライド可能にガイドす
る構成となっている。
【0043】32は旋回子収容凹部22と凹窪部29と
の間に位置してスラスト受け13の摺接面13B側に設
けられた油溜めで、該油溜め32は、スラスト受け13
の摺接面13Bに開口して旋回子収容凹部22に連なる
円形穴として形成され、旋回スクロール8の旋回時に
は、旋回子収容凹部22と後述の給油通路34とに常に
連通する位置に配置されている。このため、油溜め32
は、吐出室27からの潤滑油2を給油通路34側に常に
吐出可能とする構成となっている。
【0044】33はスラスト受け13に形成された吸込
通路で、該吸込通路33は、一端側がスラスト受け13
の下部側に位置してケーシング1内に開口し、他端側は
吸込室26の位置で旋回子収容凹部22の底面に開口し
ている。そして、吸込通路33は、給油ポンプ21の作
動によりケーシング1内に収容された潤滑油2を吸込室
26内に向けて導く構成となっている。
【0045】34は旋回スクロール8の鏡板8Aに設け
られた給油通路で、該給油通路34は、旋回スクロール
8の鏡板8A内部を径方向に沿って細長く延びる油路か
らなり、その一端側は旋回子24と駆動突部30との間
に位置して鏡板8Aの背面側に開口する開口部34Aと
なり、油溜め32を通じて吐出室27と常時連通してい
る。
【0046】また、給油通路34の他端側は、開口部3
4Bとなって後述する静圧軸受部35の円弧状溝35A
に開口している。このため、給油通路34は、吐出室2
7からの潤滑油2を静圧軸受部35に向けて供給すると
共に、潤滑油2が該給油通路34内を流れる間に旋回ス
クロール8全体を冷却する構成となっている。
【0047】さらに、給油通路34は、その長さ方向中
間部が旋回スクロール8のボス部8C内に開口する開口
部34Cとなっている。そして、この給油通路34の開
口部34Cは、給油通路34内の潤滑油2の一部を駆動
軸4側、旋回軸受9側等に供給しつつ、後述の還流通路
36を通じてケーシング1内に還流させる旋回スクロー
ル8側の還流通路を構成するものである。
【0048】35は旋回スクロール8の摺接面8Dとス
ラスト受け13の摺接面13Bとの間に位置して設けら
れた静圧軸受部で、該静圧軸受部35は、旋回スクロー
ル8の摺接面8D側に図7に示す如く環状溝として形成
されている。そして、この静圧軸受部35は、旋回スク
ロール8とスラスト受け13との間を周方向に環状(円
弧状)に延びる内側の円弧状溝35Aと、該円弧状溝3
5Aの周囲に同心円状に配設された外側の円弧状溝35
Bと、該円弧状溝35A,35B間を径方向に連通する
通路としての連通溝35Cとによって構成されている。
【0049】そして、静圧軸受部35の円弧状溝35A
には、その長さ方向中間部に給油通路34の開口部34
Bが開口し、給油通路34からの潤滑油2を円弧状溝3
5Aに供給すると共に、連通溝35Cを通じて円弧状溝
35Bにも供給し、潤滑油2の圧力を旋回スクロール8
に背圧として作用させる構成となっている。
【0050】36は駆動軸4に設けられた駆動軸4側の
還流通路で、該還流通路36は、駆動軸4の内部を軸方
向に延び、その一端側は旋回スクロール8のボス部8C
内に開口している。そして、還流通路36の他端側は径
方向にL字状に屈曲して延びケーシング1の軸受部1C
内に開口している。これにより、給油通路34を流れる
潤滑油2の一部は還流通路36を通じて軸受5,6側に
供給されると共に、軸受5側からケーシング1内へと徐
々に戻され、この間に還流通路36を流れる潤滑油2は
駆動軸4全体を冷却する構成となっている。
【0051】また、還流通路36は、その途中位置から
径方向にL字状に屈曲して、ケーシング1の軸受部1C
と旋回スクロール8のボス部8Cとの間に開口し、給油
通路34からの潤滑油2の一部をケーシング1内に戻す
構成となっている。
【0052】なお、37は固定スクロール3と旋回スク
ロール8との摺接面間に装着されたシール部材で、該シ
ール部材37は、前記摺接面間への潤滑油2の浸入を遮
断するものである。
【0053】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につ
いて説明する。
【0054】まず、電動モータにより駆動軸4を回転さ
せると、旋回スクロール8は駆動軸4を中心として寸法
δの旋回半径をもった円運動(旋回運動)を行い、固定
スクロール3のラップ部3Bと旋回スクロール8のラッ
プ部8Bとの間に画成された圧縮室10,10,…が連
続的に縮小する。これにより、固定スクロール3の吸込
口11から吸込んだ外気を該各圧縮室10で順次圧縮し
つつ、この圧縮空気を固定スクロール3の吐出口12か
ら外部の空気タンク(図示せず)等に貯留させる。
【0055】また、このような旋回スクロール8の旋回
時には、オルダムリング16がスラスト受け13側のガ
イド突起14に沿ってスライドすると共に、このオルダ
ムリング16と旋回スクロール8とが旋回スクロール8
側のガイド溝15に沿って相対変位することにより、駆
動軸4を介した旋回スクロール8の自転トルクがオルダ
ムリング16とガイド突起14、ガイド溝15との間で
受承され、これによって旋回スクロール8は自転せずに
寸法δの旋回半径をもって旋回運動を行う。
【0056】次に、給油ポンプ21の作動について図1
0を参照して説明するに、まず旋回スクロール8を旋回
させると、該旋回スクロール8と一体となった旋回子2
4と駆動突部30とは、例えば図10中に二点鎖線で示
す如く旋回子収容凹部22の内部、凹窪部29の内部を
それぞれ時計廻りに旋回運動する。そして、このときに
スライド板25は、両端側が旋回子24と駆動突部30
とにそれぞれ摺接した状態で両者の動きに追従すること
により、ガイド溝31に沿ってスライドする。
【0057】この結果、旋回子収容凹部22内に旋回ス
クロール8との間で画成されたポンプ室23は、吸込室
26の容積がスライド板25の動きに追従して連続的に
拡大し、ケーシング1内の潤滑油2を吸込通路33を通
じて吸込室26内に吸込む。これに対し、吐出室27の
容積は、スライド板25の動きに追従して連続的に縮小
し、この吐出室27内の潤滑油2を油溜め32から給油
通路34に向けて吐出する。
【0058】かくして、本実施の形態では、スラスト受
け13と摺接する旋回スクロール8の摺接面8D側に静
圧軸受部35を設け、給油ポンプ21と静圧軸受部35
との間を給油通路34によって連通する構成としたか
ら、圧縮運転時に給油ポンプ21から吐出された潤滑油
2を加圧油として静圧軸受部35の円弧状溝35A,3
5B、連通溝35Cに供給することができる。
【0059】これにより静圧軸受部35に供給された潤
滑油2の圧力を、旋回スクロール8に背圧として作用さ
せることができ、旋回スクロール8に作用するスラスト
荷重に抗して、該旋回スクロール8を固定スクロール3
側へとスラスト受け13から離間させる方向の開離力を
発生できると共に、この静圧軸受部35の潤滑油2によ
り前記摺接面8D,13B間を潤滑状態に維持すること
ができる。
【0060】また、静圧軸受部35の円弧状溝35A,
35Bを旋回スクロール8の周方向に同心円状に配置す
る構成したから、旋回スクロール8の摺接面8Dとスラ
スト受け13の摺接面13Bとの間には、前記円弧状溝
35A,35Bにより給油ポンプ21からの潤滑油2を
旋回スクロール8の周方向に沿って均等に導くことがで
き、この円弧状溝35A,35Bの潤滑油2により旋回
スクロール8全体を固定スクロール3側へと軸方向に安
定して押圧できると共に、前記摺接面8D,13B全体
を円弧状溝35A,35Bの潤滑油2により良好に潤滑
することができる。
【0061】さらに、静圧軸受部35は2個の円弧状溝
35A,35Bによって構成したから、潤滑油2を円弧
状溝35Aと円弧状溝35Bの両方に供給でき、旋回ス
クロール8に安定した背圧を作用させることができる。
【0062】従って、本実施の形態によれば、従来技術
でも述べたように圧縮運転時に、例え旋回スクロール8
に作用するスラスト荷重が増大したとしても、静圧軸受
部35内に導かれる潤滑油2により旋回スクロール8の
摺接面8Dとスラスト受け13の摺接面13Bとの間の
摺動抵抗を低減でき、これらの摺接面8D,13Bに生
じる摩耗等を減らして、旋回スクロール8、スラスト受
け13の耐久性、寿命等を高め、当該スクロール式空気
圧縮機の信頼性等を向上することができる。
【0063】また、給油通路34を旋回スクロール8の
内部に径方向に沿って細長く延びるように配置し、給油
通路34の途中部位を開口部34Cを介して旋回スクロ
ール8のボス部8C内に開口させる構成としたから、給
油ポンプ21からの潤滑油2を前記ボス部8C内に吐出
して旋回軸受9を潤滑、冷却できると共に、この潤滑油
2を還流通路36を通じて軸受5,6に安定して供給で
き、これらの軸受5,6を潤滑、冷却することができ
る。
【0064】また、この潤滑油2は給油通路34、還流
通路36を流れる間に、それぞれ旋回スクロール8、駆
動軸4の冷却も行うことができ、装置全体を効率的に冷
却することができる。そして、給油通路34の開口部3
4C、還流通路36を流通した潤滑油2は旋回軸受9、
駆動軸4および軸受5,6を冷却した後にケーシング1
内へと順次還流されるため、給油ポンプ21から吐出さ
れる加圧油の圧力を還流油の油量によって調整すること
ができる。
【0065】一方、本実施の形態では、給油ポンプ21
は、吸込室26と吐出室27とからなるポンプ室23を
旋回スクロール8とスラスト受け13との摺接面8D,
13B間に位置して設ける構成としたから、このポンプ
室23を旋回スクロール8の鏡板8Aを挟んで圧縮室1
0とは反対側に隔離して配置することができる。
【0066】これにより、ポンプ室23内で加圧された
高圧の潤滑油2の圧力が、固定スクロール3と旋回スク
ロール8との外周側摺接面に作用しないので、潤滑油2
がこの間からシール部材37を介して圧縮室10内に漏
洩する事態を防止することができ、吐出口12からは常
に清浄な圧縮空気を外部に吐出でき、装置の性能、信頼
性等を高めることができる。
【0067】また、油溜め32と給油通路34とは常に
連通した状態が保たれるので、この油溜め32内および
吐出室27内の潤滑油2の圧力変動を抑えることがで
き、よってこの圧力変動による旋回スクロール8のスラ
スト方向への変位を抑えることができる。そして、吐出
室27からの潤滑油2を、常に給油通路34に向けて円
滑に吐出でき、給油ポンプ21による潤滑油2の吐出効
率を高めてポンプ性能を向上することができる。
【0068】また、旋回スクロール8にそれぞれ一体に
設けた旋回子24と駆動突部30とは、スライド板25
に摺接するそれぞれの摺接面24A,30Aを、X軸方
向に平行となるように配置したから、これらの旋回子2
4と駆動突部30とをスライド板25に対してX軸方向
に相対的にスライドさせることができる。
【0069】この場合、スライド板25は上述の如くス
ラスト受け13側のガイド溝31に沿ってY軸方向にス
ライドするから、これらの旋回子24、スライド板2
5、駆動突部30およびガイド溝31によって、旋回ス
クロール8の自転を防止する他の自転防止機構を構成す
ることができる。これにより、オルダムリング16等か
らなる自転防止機構に付加される旋回スクロール8から
の自転トルクを、前記他の自転防止機構により軽減で
き、オルダムリング16の耐久性、寿命等を高めること
ができる。
【0070】さらに、スライド板25は、旋回子24と
駆動突部30との間に挟み込んだ状態で取付ける構成と
したから、スライド板25を、旋回子24と駆動突部3
0との動きに追従させながらガイド溝31に沿ってスラ
イドさせることができ、例えばスライド板25が旋回子
24の動きに遅れて旋回子収容凹部22内を移動するよ
うな不具合をなくすことができ、旋回子24に対するス
ライド板25の追従性を高めて、給油ポンプ21のポン
プ性能をさらに向上することができる。
【0071】次に、図11ないし図13は本発明の第2
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、旋回スク
ロールには静圧軸受部となる環状溝とボス部との間に位
置して還流通路を設ける構成としたことにある。なお、
本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成
要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0072】図中、41は第1の実施の形態による旋回
スクロール8に替えて、本実施の形態に用いる旋回スク
ロールで、該旋回スクロール41は、第1の実施の形態
による旋回スクロール8とほぼ同様に、円板状の鏡板4
1Aと、該鏡板41Aの表面側に立設されたラップ部4
1Bと、鏡板41Aの背面側に突設されたボス部41C
とによって構成され、前記鏡板41Aはスラスト受け1
3に摺接する摺接面41Dを有している。また、この旋
回スクロール41の鏡板41A背面側には給油ポンプを
構成する旋回子24、駆動突部30がそれぞれ突設され
ている。
【0073】42は第1の実施の形態で述べた給油通路
34に替えて旋回スクロール8に設けられた本実施の形
態に用いる給油通路で、該給油通路42は、旋回スクロ
ール41の鏡板41A内部を略L字状に屈曲して延び、
その一端側は旋回子24と駆動突部30との間に位置し
て鏡板41Aの背面側に開口する開口部42Aとなって
いる。また、給油通路42の他端側は、後述の円弧状溝
43に開口する開口部42Bとなり、給油ポンプ21か
らの潤滑油2が給油通路42を通じて円弧状溝43に吐
出される。
【0074】43は第1の実施の形態による静圧軸受部
35に替えて、旋回スクロール8に設けられた静圧軸受
部を構成する環状溝としての円弧状溝で、該円弧状溝4
3は、第1の実施の形態による静圧軸受部35の円弧状
溝35A,35Bとほぼ同様に、旋回スクロール41の
摺接面41Dを周方向に環状(円弧状)に延びるC字状
溝として形成されている。
【0075】そして、円弧状溝43の長さ方向一端側に
は給油通路42の開口部42Bが開口し、該給油通路4
2からの潤滑油2が円弧状溝43に導かれる構成となっ
ている。また、この円弧状溝43の長さ方向他端側には
後述の還流通路44が開口している。
【0076】44は旋回スクロール41に設けられ、ボ
ス部41Cと円弧状溝43との間を連通する旋回スクロ
ール41側の還流通路で、該還流通路44は、旋回スク
ロール41の鏡板41A内部を径方向に細長く延び、そ
の一端側は開口部44Aとなって円弧状溝43に開口し
ている。また、還流通路44の他端側は、旋回スクロー
ル41のボス部41C内に開口する開口部44Bとな
り、この開口部44B側から潤滑油2がケーシング1へ
と還流されるものである。
【0077】このため、円弧状溝43に供給された潤滑
油2は、還流通路44を通じて旋回スクロール41のボ
ス部41C内へと導かれ、旋回軸受9等を潤滑した後
に、ケーシング1内へと戻される。
【0078】かくして、このように構成される本実施の
形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得る
ことができる。
【0079】次に、図14、図15は本発明の第3の実
施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、外部の駆動源
によって作動する給油ポンプをケーシング内に設けると
共に、スラスト受けには、旋回スクロールと摺接する摺
接面側に位置して静圧軸受部を構成する環状溝を設け、
給油ポンプから吐出された潤滑油をこの環状溝に供給す
る構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前
記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0080】図中、51は本実施の形態に用いる旋回ス
クロールで、該旋回スクロール51は、第1の実施の形
態による旋回スクロール8とほぼ同様に、鏡板51A、
ラップ部51B、ボス部51Cおよび摺接面51D等を
有している。
【0081】しかし、この旋回スクロール51の鏡板5
1Aには、第1の実施の形態で述べた旋回子24、駆動
突部30および静圧軸受部35が廃止されている点で、
第1の実施の形態のものとは異なっている。
【0082】52は本実施の形態に用いるスラスト受け
で、該スラスト受け52は、第1の実施の形態によるス
ラスト受け13とほぼ同様に構成され、切欠部52Aお
よび摺接面52Bを有している。しかし、このスラスト
受け52の摺接面52Bには、後述の環状溝63が形成
されている点で、第1の実施の形態のものとは異なって
いる。
【0083】61はスラスト受け52側に位置してケー
シング1内に設けられた給油ポンプで、該給油ポンプ6
1は、例えばベーンポンプ等の回転型油圧ポンプからな
り、電動モータ(図示せず)等の駆動源によって駆動さ
れる構成となっている。そして、この給油ポンプ61
は、ケーシング1内の潤滑油2を吸込み、この潤滑油2
を加圧状態で後述の給油通路62に向けて吐出するもの
である。
【0084】62はスラスト受け52の内部に形成され
た給油通路で、該給油通路62は、一端側が給油ポンプ
61の吐出側に開口し、他端側は後述の環状溝63に開
口する開口部62Aとなっている。
【0085】63はスラスト受け52の摺接面52Bに
設けられた静圧軸受部となる環状溝で、該環状溝63
は、スラスト受け52の摺接面52Bに沿って周方向に
形成された円環状のリング溝として構成され、その内部
には給油ポンプ61からの潤滑油2が供給される。
【0086】64は本実施の形態による旋回スクロール
51側の還流通路で、該還流通路64は、旋回スクロー
ル51の鏡板51A内部を径方向に細長く延び、その一
端側は環状溝63と常に連通する位置に開口している。
また、この還流通路64の他端側は、旋回スクロール5
1のボス部51C内に開口している。
【0087】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、給油ポンプ61から吐出された潤滑油2を、
旋回スクロール51とスラスト受け52との間の環状溝
63に供給することができると共に、環状溝63に供給
された潤滑油2は旋回スクロール51の摺接面51Dと
スラスト受け52の摺接面52Bとの間を通じてケーシ
ング1内に戻され、これにより前記摺接面51D,52
B間を潤滑油2により常に潤滑し続けることができ、第
1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ
る。
【0088】なお、第1の実施の形態では、静圧軸受部
35を旋回スクロール8の摺接面8D側に設ける構成と
して述べたが、これに替えて、例えば第3の実施の形態
と同様にスラスト受け13の摺接面13B側に静圧軸受
部を設け、給油通路34の開口部34Bをこの静圧軸受
部と常に連通させる構成としてもよい。また、このこと
は第2の実施の形態についても同様である。
【0089】また、第3の実施の形態では、環状溝63
をスラスト受け52の摺接面52B側に設ける構成とし
て述べたが、これに替えて、旋回スクロール51の摺接
面51D側に環状溝を設け、給油通路62の開口部62
Aをこの環状溝と常に連通させる構成としてもよい。
【0090】さらに、第1の実施の形態では、静圧軸受
部35を2個の円弧状溝35A,35Bによって構成す
るものとして述べたが、これに替えて円弧状溝は3個以
上設けてもよいし、1個でもよい。また、第2,第3の
実施の形態でも、円弧状溝(環状溝)を2個以上設けて
もよい。
【0091】さらに、各実施の形態では、スクロール式
流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、
冷媒圧縮機等にも広く適用できるものである。
【0092】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明は、給油ポンプによりケーシング内の油液を加圧状態
で旋回スクロールとスラスト受けとの間の静圧軸受部に
供給する構成としたから、圧縮運転時に給油ポンプを作
動させることにより、旋回スクロールの背面側には給油
ポンプからの加圧油を背圧として作用させ、旋回スクロ
ールをスラスト受けから離間させる方向の開離力を発生
できると共に、静圧軸受部の加圧油により旋回スクロー
ルの背面側とスラスト受けとの摺接面間を潤滑状態に保
持することができる。
【0093】これにより、旋回スクロールに作用するス
ラスト荷重が増大したとしても、静圧軸受部の加圧油に
より旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの摺接面
間の摺動抵抗を小さくでき、これらの摺接面に生じる摩
耗等を減らして、旋回スクロール、スラスト受けの耐久
性、寿命等を高め、当該スクロール式流体機械の信頼性
を向上することができる。
【0094】また、請求項2の発明は、静圧軸受部を、
旋回スクロールとスラスト受けとの間を周方向に延びる
環状溝として形成したから、この環状溝に供給される加
圧油により旋回スクロール全体にほぼ均等に背圧による
開離力を発生できると共に、旋回スクロールとスラスト
受けとの摺接面全体を良好に潤滑でき、旋回スクロー
ル、スラスト受けの耐久性、寿命等を一層高めることが
できる。
【0095】また、請求項3の発明のように、環状溝を
旋回スクロールの背面側とスラスト受けとの摺接面間に
同心円状に複数個配設した円弧状溝により構成した場合
には、円弧状溝の個数を増やした分だけ旋回スクロール
により均等に開離力を発生でき、旋回スクロール、スラ
スト受けの耐久性等をより一層高めることができる。
【0096】さらに、請求項4の発明は、給油ポンプを
旋回スクロールとスラスト受けとの間に設け、旋回スク
ロールの動きに追従して作動させる構成としたから、給
油ポンプを、旋回スクロールの鏡板を挟んで圧縮室とは
反対側に隔離して配置することができ、給油ポンプから
吐出された加圧油が圧縮室側に漏洩する事態を防止で
き、常に清浄な圧縮流体を外部に向けて吐出することが
できる。また、給油ポンプを作動させるための駆動源を
特別に設ける必要がなくなり、給油ポンプの構成を簡略
化できる。
【0097】さらに、請求項5の発明は、給油通路を旋
回スクロールの径方向に沿って配置する構成としたか
ら、給油ポンプからの加圧油が給油通路内を流れる間
に、旋回スクロールを効率よく冷却でき、これによって
も旋回スクロールの耐久性等を高めることができる。
【0098】一方、請求項6の発明は、還流通路により
給油ポンプから吐出された加圧油の一部を旋回軸受側に
導きつつケーシング内へと還流させる構成としたから、
給油ポンプから吐出される加圧油の一部をケーシング内
へと常に還流させ、加圧油の圧力を調整できると共に、
このときの還流油により旋回軸受等を潤滑、冷却するこ
とができる。
【0099】また、請求項7の発明は、旋回スクロール
の背面側とスラスト受けとの摺接面のうちいずれか一方
の摺接面側に旋回子収容凹部を凹設し、他方の摺接面側
には旋回子収容凹部の周壁面に沿って相対的に旋回運動
する旋回子を突設し、旋回収容凹部内のポンプ室を可動
隔壁により吸込室と吐出室とに画成すると共に、この可
動隔壁を隔壁駆動機構により旋回子収容凹部内で旋回子
の動きに追従して相対移動させる構成としたから、旋回
スクロールの旋回時には、旋回子の旋回運動によって油
液を吸込室内に吸込つつ吐出室から給油通路に向けて円
滑に吐出することができ、これらの旋回子収容凹部、旋
回子、可動隔壁および隔壁駆動機構により給油ポンプを
簡単に構成でき、その性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機を示す図3中の矢示I−I線に沿った縦断面
図である。
【図2】図1中の給油通路、静圧軸受部等を拡大して示
す要部断面図である。
【図3】固定スクロールを取外した状態で旋回スクロー
ル、スラスト受け等を示す図1中の矢示 III−III 方向
からみた正面図である。
【図4】スラスト受け、オルダムリングおよび給油ポン
プ等を示す図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図であ
る。
【図5】スラスト受け、オルダムリングおよび給油ポン
プ等を示す図2中の矢示V−V方向からみた断面図であ
る。
【図6】スラスト受けのみを図1中の矢示VI−VI方向か
らみた正面図である。
【図7】旋回スクロールのみを図1中の矢示 VII−VII
方向からみた背面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向からみた断面図で
ある。
【図9】図7中の矢示IX−IX方向からみた断面図であ
る。
【図10】図5中の給油ポンプを拡大して示す要部拡大
断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態による旋回スクロ
ールを図7と同様位置からみた背面図である。
【図12】図11中の矢示 XII−XII 方向からみた断面
図である。
【図13】図11中の矢示XIII−XIII方向からみた断面
図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態によるスクロール
式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図15】スラスト受けのみを図14中の矢示XV−XV方
向からみた正面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 潤滑油(油液) 3 固定スクロール 3A,8A,41A,51A 鏡板 3B,8B,41B,51B ラップ部 4 駆動軸 8,41,51 旋回スクロール 8C,41C,51C ボス部 8D,13B,41D,51D,52B 摺接面 9 旋回軸受 10 圧縮室 13,52 スラスト受け 21,61 給油ポンプ 22 旋回子収容凹部 22A 周壁面 23 ポンプ室 24 旋回子 25 スライド板(可動隔壁) 26 吸込室 27 吐出室 28 スライド板駆動機構(隔壁駆動機構) 33 吸込通路 34,42,62 給油通路 35 静圧軸受部 35A,35B,43 円弧状溝 36,44,64 還流通路 63 環状溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 義雄 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 坂本 晋 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 鈴木 俊次 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3H039 AA02 AA09 AA12 BB04 BB05 BB11 CC02 CC22 CC27 CC44

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに設けられ
    鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロール
    と、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、
    前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回軸受を介し
    て旋回可能に設けられ鏡板に前記固定スクロールのラッ
    プ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が
    立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールに作用
    するスラスト荷重を支持するため前記ケーシングに設け
    られ該旋回スクロールの背面側に摺接するスラスト受け
    とからなるスクロール式流体機械において、 前記ケーシング内に収容した油液を吸込み加圧状態で吐
    出する給油ポンプと、前記旋回スクロールの背面側とス
    ラスト受けとの間に設けられ該給油ポンプから吐出され
    た加圧油を前記旋回スクロールに背圧として作用させる
    静圧軸受部とを備えたことを特徴とするスクロール式流
    体機械。
  2. 【請求項2】 前記静圧軸受部は、前記旋回スクロール
    の背面側とスラスト受けとの摺接面のうちいずれか一方
    の摺接面側に形成され前記旋回スクロールとスラスト受
    けとの間を周方向に延びる環状溝により構成してなる請
    求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記環状溝は前記旋回スクロールの背面
    側とスラスト受けとの間を互いに同心円状をなして延び
    る複数個の円弧状溝からなり、該各円弧状溝間には前記
    加圧油が流通する通路を形成してなる請求項2に記載の
    スクロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 前記給油ポンプは前記旋回スクロールと
    スラスト受けとの間に設け、前記旋回スクロールの動き
    に追従して作動される構成とし、前記旋回スクロールに
    は給油ポンプからの加圧油を前記環状溝に向けて供給す
    る給油通路を形成してなる請求項2または3に記載のス
    クロール式流体機械。
  5. 【請求項5】 前記給油通路は前記旋回スクロールの径
    方向に延び一端側が前記給油ポンプの吐出側に開口し他
    端側が前記環状溝の途中部位に開口する油路により構成
    してなる請求項4に記載のスクロール式流体機械。
  6. 【請求項6】 前記給油ポンプから吐出された加圧油の
    一部を前記旋回軸受側に導きつつ、前記ケーシング内へ
    と還流させる還流通路を備えてなる請求項1,2,3,
    4または5に記載のスクロール式流体機械。
  7. 【請求項7】 前記給油ポンプは、前記旋回スクロール
    の背面側とスラスト受けとの摺接面のうちいずれか一方
    の摺接面側に凹設され他方の摺接面との間にポンプ室を
    画成する旋回子収容凹部と、前記他方の摺接面側から該
    旋回子収容凹部内に向けて突設され、前記旋回スクロー
    ルの動きにより該旋回子収容凹部の周壁面に沿って相対
    的に旋回運動する旋回子と、前記旋回子収容凹部内に相
    対移動可能に設けられ該旋回子と共に前記旋回子収容凹
    部内で前記ポンプ室を吸込室と吐出室とに画成する可動
    隔壁と、該可動隔壁を前記旋回子収容凹部内で前記旋回
    子の動きに追従して相対移動させる隔壁駆動機構とによ
    り構成してなる請求項1,2,3,4,5または6に記
    載のスクロール式流体機械。
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