JP2000248271A - 撥水撥油剤組成物 - Google Patents

撥水撥油剤組成物

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JP2000248271A
JP2000248271A JP11054661A JP5466199A JP2000248271A JP 2000248271 A JP2000248271 A JP 2000248271A JP 11054661 A JP11054661 A JP 11054661A JP 5466199 A JP5466199 A JP 5466199A JP 2000248271 A JP2000248271 A JP 2000248271A
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water
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surfactant
compound
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JP11054661A
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English (en)
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Akane Jitsukata
あかね 実方
Kazuya Oharu
一也 大春
Takashige Maekawa
隆茂 前川
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繊維に高度な撥水撥油性能を付与し、風合いも
損なわない撥水撥油剤組成物の提供。 【解決手段】ポリフルオロアルキル基を有する重合性単
量体の重合単位を含む重合体(A)、F(CF210
H=CH2 等の式Rf11 CR1 =CH2 (Rf1はポリ
フルオロアルキル基、Q1 は2価有機基等、R1 は水素
原子等。)で表される化合物(B)、および媒体を必須
とし、(A)に対する(B)の量が0.1〜10重量%
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水撥油剤組成物
および該組成物によって処理された処理繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリフルオロアルキル基(以
下Rf 基と記す)を含む重合性単量体の重合単位を有す
る重合体を、水系溶媒中で分散させた水系分散液とし
て、有機溶剤に溶解させた有機溶液として、または有機
溶媒中に分散させた溶剤系分散液として、これを繊維に
処理し、繊維表面に撥水撥油性を付与する技術が知られ
ている。
【0003】そして近年、洗濯や摩擦に対する撥水撥油
性の耐久性向上を目的として、以下の(1)〜(3)の
方法が提案されている。 (1)Rf 基を有する重合性単量体と反応性基を有する
重合性単量体との共重体を有効成分とする処理剤を繊維
に処理する方法、(2)従来の処理剤を繊維に処理した
後に、さらにポリウレタン樹脂やアクリル樹脂を繊維に
処理する方法、(3)撥水撥油剤を処理した繊維に、さ
らに溶剤型撥水撥油剤を処理する方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)、
(2)の方法で処理された繊維は、風合いが硬くなる問
題があった。また、(2)、(3)の方法は、加工工程
が複雑で、有機溶剤による環境汚染等の問題があった。
また(1)〜(3)の方法で処理された繊維は、豪雨等
の強い雨に対して、充分な撥水性能を発揮しない問題が
あった。
【0005】本発明の目的は、繊維に処理した場合、該
繊維を洗濯したり摩擦を与えても、また、豪雨であって
も、高い撥水撥油性能を発揮し、また、繊維表面に柔ら
かな風合いを付与しうる撥水撥油剤組成物の提供を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
重合体(A)、下記化合物(B)、および媒体(C)を
必須成分とする撥水撥油剤組成物であって、重合体
(A)に対する化合物(B)の量が0.1〜10重量%
であることを特徴とする撥水撥油剤組成物を提供する。 重合体(A):Rf 基を有する重合性単量体(a1 )の
重合単位を含む重合体。 化合物(B):下式1で表される化合物。 Rf11 CR1 =CH2 ・・・式1 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 Rf1:Rf 基。 Q1 :単結合または2価有機基。 R1 :フッ素原子、水素原子またはメチル基。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書におけるRf 基とは、ア
ルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換され
た基をいう。また本明細書においては、アクリレートと
メタクリレートとを総称して、(メタ)アクリレートと
いう。
【0008】Rf 基の炭素数は1〜20が好ましく、特
に4〜20が好ましく、とりわけ6〜16が好ましく、
さらに8〜14が好ましい。またRf 基は、直鎖構造で
あっても分岐構造であってもよい。分岐構造である場合
には、分岐構造がRf 基の末端付近に存在し、かつ、分
岐部分が炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。
またRf 基の炭素−炭素結合間には、エーテル性酸素原
子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよ
い。Rf 基は、フッ素原子以外のハロゲン原子を含んで
いてもよく、フッ素原子以外のハロゲン原子としては塩
素原子が好ましい。
【0009】Rf 基中のフッ素原子の数は、[(Rf
中のフッ素原子数)/(Rf 基と同一炭素数の対応する
アルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)
で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以
上が好ましい。さらにRf 基は、アルキル基の水素原子
の全てがフッ素原子に置換された基(すなわちペルフル
オロアルキル基)、またはペルフルオロアルキル基を末
端部分に有する基が好ましい。Rf 基の末端部分の構造
としては、−CF2 CF3 、−CF(CF32 、−C
2 H、−CFH2 、−CF2 Cl等が挙げられ、−C
2 CF3 が好ましい。
【0010】ペルフルオロアルキル基の炭素数は1〜2
0が好ましく、特に4〜20が好ましく、とりわけ4〜
16が好ましい。また、ペルフルオロアルキル基は直鎖
構造または分岐構造であり、F(CF2m −[mは1
〜20の整数であり、4〜20の整数が好ましく、特に
4〜16の整数が好ましい。]で表される直鎖構造のペ
ルフルオロアルキル基が好ましい。
【0011】Rf 基の具体例としては、以下の基が挙げ
られる。C49 −[F(CF24 −、(CF32
CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2 CF
(CF3 )−等の構造異性の基のいずれであってもよ
い]、C511−[たとえばF(CF25 −]、C6
13−[たとえばF(CF26 −]、C715−[た
とえばF(CF27 −]、C817−[たとえばF
(CF28 −]、C919−[たとえばF(CF2
9 −]、C1021−[たとえばF(CF210−]、C
1225−[たとえばF(CF212−]、C1429
[たとえばF(CF214−]、C1633−[たとえば
F(CF216−]、H(CF2j −(ここで、jは
1〜16の整数)、Cl(CF2k −(ここで、kは
1〜16の整数)、(CF32 CF(CF2m
(ここで、mは1〜13の整数)等。
【0012】Rf 基が、炭素−炭素結合間にエーテル性
酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された
基、である場合の具体例としては、以下の基が挙げられ
る。F(CF25 OCF(CF3 )−、F[CF(C
3 )CF2 O]y CF(CF3 )CF2 CF2 −、F
[CF(CF3 )CF2 O]z CF(CF3 )−、F
[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2 −、F(C
2 CF2 CF2 O)v CF2 CF2 −、F(CF2
2 O)w CF2 CF2 −、F(CF25 SCF(C
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 S]y CF(CF
3 )CF2 CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 S]z
CF(CF3 )−、F[CF(CF3 )CF2 S]u
2 CF2 −、F(CF2 CF2 CF2 S)v CF2
2 −、F(CF2 CF2 S)w CF2 CF2 −(ただ
し、yおよびzは1〜10の整数、uは2〜6の整数、
vは1〜11の整数、wは1〜11の整数を示す。)。
【0013】本発明における重合体(A)は、Rf 基を
有する重合性単量体(a1 )の重合単位を含む重合体で
ある。重合性単量体(a1 )は、Rf 基の1個と重合性
不飽和基の1個を有する化合物が好ましい。また、該化
合物におけるRf 基と重合性不飽和基とは、直接または
結合基を介して結合しており、結合基を介して結合して
いるのが好ましい。特に重合性単量体(a1 )は、Rf
基の1個と、重合性不飽和基の1個とが2価結合基を介
して結合した化合物が好ましい。
【0014】重合性単量体(a1 )としては、Rf 基を
有する(メタ)アクリレート類、直接または間接的にベ
ンゼン環に結合したRf 基を有するスチレン類、Rf
の末端にビニル基が結合した化合物、Rf 基を有するフ
マレート類等が好ましい。特に、重合性単量体(a1
としては、重合性単量体(a1 )以外の重合性単量体
[以下、重合性単量体(a2 )という。]との共重合
性、重合体(A)から形成される皮膜の柔軟性、被処理
物に対する接着性、組成物の汎用性、組成物の安定性、
合成のしやすさ等の観点から、Rf 基を有する(メタ)
アクリレート類が好ましい。
【0015】Rf 基を有する(メタ)アクリレート類と
しては、下記式2で表される化合物が好ましい。 Rf22 OCOCR2 =CH2 ・・・式2 ただし、式2中の記号は以下の意味を示す。 Rf2:ポリフルオロアルキル基。 Q2 :2価有機基。 R2 :水素原子またはメチル基。
【0016】式2におけるRf2は、エーテル性酸素原子
を含まず、チオエーテル性硫黄原子も含まないRf 基が
好ましく、特にペルフルオロアルキル基が好ましく、と
りわけF(CF2m −(ただし、mは1〜20の整数
であり、4〜20の整数が好ましく、特に4〜16の整
数が好ましい。)で表される直鎖構造のペルフルオロア
ルキル基が好ましい。
【0017】式2におけるQ2 は、−(CH2p+q
−、−(CH2p CONR4 (CH2q −、−(C
2p OCONR4 (CH2q −、−(CH2p
SO2NR4 (CH2q −、−(CH2p NHCO
NH(CH2q −、−(CH2p CH(OH)(C
2q −、−(CH2p CH(OCOR4 )(CH
2q −等が好ましい。ただし、R4 は水素原子または
アルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の整数を
示し、p+qは1〜22の整数である。
【0018】Q2 は、−(CH2p+q −、−(CH
2p CONR4 (CH2q −、−(CH2p SO
2 NR4 (CH2q −であり、かつ、qが2以上の整
数、p+qが2〜6であるのがより好ましく、エチレン
基〜ヘキサメチレン基であるのが特に好ましい。また、
2 と結合するRf2の炭素原子には、フッ素原子が結合
しているのが好ましい。
【0019】重合性単量体(a1 )は、1種であって
も、2種以上であってもよい。重合性単量体(a1 )が
2種以上である場合には、Rf 基部分の炭素数が異なる
重合性単量体(a1 )であるのが好ましい。重合性単量
体(a1 )の例を下記に挙げるが、これらに限定されな
い。なお、R2 は水素原子またはメチル基を示す。
【0020】
【化1】F(CF2)5CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)6CH2CH2OCOCR2=CH2 、 H(CF2)6CH2OCOCR2=CH2、 H(CF2)8CH2OCOCR2=CH2、 H(CF2)10CH2OCOCR2=CH2 、 H(CF2)8CH2CH2OCOCR2=CH2 、 F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)8CH2CH2OCOCR2=CH2 、 F(CF2)10CH2CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)12CH2CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)14CH2CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)16CH2CH2OCOCR2=CH2、 (CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR2=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR2=CH2、 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR2=CH2 、 F(CF2)8(CH2)4OCOCR2=CH2 、 F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR2=CH2、 F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR2=CH2 、 F(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR2=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR2=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)OCOCR2=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCR=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)7CH7CH(OH)CH7OCOCR2=CH2、 F(CF2)9CH2CH2OCOCR2=CH2 、 F(CF2)9CONHCH2CH2OCOCR2=CH2
【0021】重合体(A)中の重合性単量体(a1 )の
重合単位は、撥水撥油性に大きく寄与する。重合体
(A)中の重合性単量体(a1 )の重合単位の割合は、
撥水撥油性能が高くなることから50〜100重量%が
好ましく、特に55〜98重量%が好ましい。
【0022】本発明における重合体(A)は、重合性単
量体(a1 )の重合単位のみからなってもよいが、重合
性単量体(a2 )の重合単位を含んでいてもよい。重合
性単量体(a2 )とは、Rf 基を有しない重合性単量体
であって、重合性不飽和基を1個以上有する重合性単量
体であり、かつ、上記重合性単量体(a1 )と共重合可
能な重合性単量体である。また重合性単量体(a2 )は
1種であっても、2種以上であってもよい。2種以上で
ある場合の、各々の組み合わせや割合は任意である。
【0023】重合性単量体(a2 )としては、Rf 基を
有しない重合性単量体であり、(メタ)アクリレート
類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビ
ニルエステル類、フマレート類、マレエート類、ハロゲ
ン化ビニル類、スチレン、モノオレフィン、ジオレフィ
ン、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、反応性基を
有する重合性単量体が好ましく、(メタ)アクリレート
類、マレエート類、ハロゲン化ビニル類、または反応性
基を有する重合性単量体が特に好ましい。
【0024】メタ(アクリレート)類としては、1価脂
肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレート類、1価
芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリレート類、ま
たは多価アルコールポリ(メタ)アクリレートが好まし
い。1価脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリレー
ト類としては、アルキル(メタ)アクリレートまたはシ
クロアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0025】アルキル(メタ)アクリレートは、アルキ
ル部分の炭素数が8以上である長鎖アルキル(メタ)ア
クリレートと、アルキル部分の炭素数が1〜7である短
鎖アルキル(メタ)アクリレートとを、目的に応じて使
い分けるのが好ましい。
【0026】たとえば、長鎖アルキル(メタ)アクリレ
ートは、処理繊維の風合いを柔軟にし、摩擦耐久性を向
上させる効果があり、好ましい。一方、短鎖アルキル
(メタ)アクリレートを使用すると、処理繊維における
撥水撥油性能の摩擦耐久性を向上させるので好ましい。
長鎖アルキル(メタ)アクリレートの割合は、重合体
(A)中に0.1〜50重量%であるのが好ましい。短
鎖アルキル(メタ)アクリレートの重合単位の割合は、
重合体(A)中に0.1〜20重量%であるのが好まし
い。また、長鎖アルキル(メタ)アクリレートと短鎖ア
ルキル(メタ)アクリレートとを併用する場合には、前
者の量を後者の量に対して50重量%以上にするのが撥
水性向上の点から好ましい。
【0027】長鎖アルキル(メタ)アクリレートにおけ
るアルキル基の炭素数は8〜24が好ましく、とりわけ
14〜20が好ましい。長鎖アルキル基の構造は直鎖構
造であっても分岐構造であってもよい。長鎖アルキル
(メタ)アクリレートとしては、オクタデシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)
アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、1
6−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレートが好まし
い。
【0028】短鎖アルキル(メタ)アクリレートにおけ
るアルキル基の炭素数は1〜6が好ましい。短鎖アルキ
ル基の構造も、直鎖構造であっても分岐構造であっても
よい。短鎖アルキル(メタ)アクリレートとしては、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、1−メチルプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−メチルプロピル(メ
タ)アクリレート、1,1−ジメチルプロピル(メタ)
アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートが好
ましい。
【0029】シクロアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、シクロアルキルの炭素数が4〜9であるシクロア
ルキル(メタ)アクリレートが好ましく、特にシクロペ
ンチル(メタ)アクリレートまたはシクロヘキシル(メ
タ)アクリレートが好ましい。
【0030】1価芳香族炭化水素基を有する(メタ)ア
クリレート類としては、ベンゼン環を有する(メタ)ア
クリレート類が好ましく、特にフェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート等が好ましい。
また、該1価芳香族炭化水素基は置換されていてもよ
く、置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル
基、またはハロゲン原子等が挙げられる。
【0031】多価アルコールポリ(メタ)アクリレート
とは、n価アルコール中のn個の水酸基が(メタ)アク
リレートでエステル化された化合物をいう。ここで、n
は1〜10の整数が好ましい。
【0032】多価アルコール(メタ)アクリレートにお
ける多価アルコールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール類、ネオペンチルグリコール、1,
6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジメ
チロール化ベンゼン、ビスフェノールA、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、ジメチロールシクロヘキサン等が
挙げられる。また、エチレンオキシドおよび/またはプ
ロピレンオキシドを任意の開始剤で開環重合した多価ア
ルコールも挙げられる。多価アルコールポリ(メタ)ア
クリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等が好ましい。
【0033】重合性単量体(a2 )におけるハロゲン化
ビニル類としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、またはクロロトリフルオ
ロエチレンが好ましく、特に塩化ビニルが好ましい。モ
ノオレフィンとしては、エチレンが好ましい。ジオレフ
ィンとしては、α、ω−ジオレフィンが好ましい。
【0034】反応性基を有する重合性単量体としては、
エポキシ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、ブロ
ック化されたイソシアネート基、アルコキシシリル基、
ヒドロキシメチルアミノ基、アルコキシメチルアミノ
基、またはイミノ基を有する重合性単量体が好ましい。
反応性基を有する重合性単量体は、繊維処理時に繊維表
面との接着性を改善し、洗濯やドライクリーニング中の
撥水撥油剤の脱落を防止する効果を有する。
【0035】反応性基を有する重合性単量体の具体例と
しては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレー
トのイソシアネート基をメチルケトオキシムでブロック
した化合物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリ
レートのイソシアネート基をε−カプロラクタムでブロ
ックした化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、n−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブトキシメチ
ル)(メタ)アクリルアミド、(3−メタクリロイルオ
キシ)プロピルトリメトキシシラン、(3−メタクリロ
イルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピルア(メタ)アクリレート等が
挙げられる。
【0036】重合性単量体(a2 )の重合単位の割合
は、重合体(A)中に0.1〜50重量%が好ましく、
特に5〜40重量%が好ましい。また、ジオレフィン、
ジビニルベンゼンまたはジビニルエーテル等の重合性不
飽和基を2個以上有する重合性単量体の重合単位を含ま
せる場合の割合は、重合体(A)中に0.1〜10重量
%とするのが好ましい。
【0037】重合体(A)は、組成物中に粒子状となっ
て存在するのが好ましい。重合体(A)の平均粒子径は
10〜1000nmが好ましく、特に10〜300nm
が好ましく、とりわけ10〜200nmが好ましい。平
均粒子径が10nm未満では、組成物の安定性を向上さ
せるために多量の界面活性剤が必要となる。多量の界面
活性剤の添加は、撥水撥油性能の低下や、染色された布
帛類における色落ちが起こりうるため好ましくない。一
方、重合体(A)の平均粒子径が1000nm超となる
と、媒体(C)中で重合体(A)粒子が沈降するおそれ
がある。平均粒子径は、動的光散乱装置、電子顕微鏡等
により測定できる。
【0038】本発明の撥水撥油剤組成物は、下式1で表
される化合物(B)を含む。 Rf11 CR1 =CH2 ・・・式1 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 Rf1:ポリフルオロアルキル基。 Q1 :単結合または2価有機基。 R1 :フッ素原子、水素原子またはメチル基。
【0039】化合物(B)におけるRf1は、重合体
(A)中のRf 基と同一であっても異なっていてもよ
い。化合物(B)におけるRf 基の炭素数は、6〜16
が好ましい。また、Q1 が単結合である式1の化合物
は、Rf1−と−CR1 =CH2 とが直接に結合した構造
を有する。
【0040】化合物(B)は、下式b11または下式b21
で表される化合物であるのが好ましい。 Rf3−Q11−CR3 =CH2 ・・・式b11f3−Q12OCOCR3 =CH2 ・・・式b21 ただし、式b11および式b21の記号は以下の意味を示
す。 Rf3:それぞれ独立にRf 基。 Q11:単結合、アルキレン基、またはエーテル性酸素原
子を含むアルキレン基。 Q12:2価有機基。 R3 :フッ素原子、水素原子またはメチル基。
【0041】化合物(式b11)としては、Q11が、単結
合、−(CH2n −(nは1〜10の整数)、−(C
2s O−(sは1〜5の整数)または−(CH2
r −O−(CH2t −(rは1〜5の整数、tは1〜
5の整数)である場合が好ましい。R3 は、水素原子ま
たはメチル基が好ましい。化合物(式b11)の例を以下
に挙げるが、これらに限定されない。
【0042】
【化2】F(CF28 CH=CH2 、 F(CF210C(CH3 )=CH2 、 F(CF210(CH22 CH=CH2 、 F(CF210(CH22 CF=CH2 、 (CF32 CF(CF26 (CH22 CH=CH
2 、 Cl(CF210(CH23 CH=CH2 、 F(CF28 CH2 CF2 (CH22 CH=CH
2 、 F(CF28 (CH24 CH=CH2
【0043】化合物(b21)におけるQ12は、Q2 と同
様の基が好ましい。また、化合物(b21)の具体例とし
ては、式2で表される化合物と同様の例が挙げられる。
組成物中に含ませる化合物(B)は、重合体(A)にお
ける重合性単量体(a1 )と同一であっても異なってい
てもよい。
【0044】本発明の組成物は、媒体(C)を必須とす
る。媒体(C)としては、溶剤からなる媒体または水系
媒体が好ましく、特に水系媒体が好ましい。水系媒体と
しては、水のみ、または、水と水溶性有機溶剤からなる
媒体が好ましい。
【0045】水溶性有機溶剤としては、エステル系、ケ
トン系またはエーテル系の水溶性有機溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例としては、アセトン、エチレン
グリコールモノエチルエーテルモノアセテート、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノ
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
モノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールジブチルエーテル、3−エト
キシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−3−メチル−
1−ブタノール、2−t−ブトキシエタノール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール等が挙げられ、特に撥水撥油性能
の点から、エチレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルが好ましい。水溶性有
機溶剤を使用する場合の量は、重合体(A)に対して0
〜40重量%が好ましい。
【0046】本発明の組成物中の重合体(A)の量は、
媒体(C)に対して1〜50重量%であるのが好まし
い。化合物(B)の量は、重合体(A)に対して0.1
〜10重量%が好ましく、特に本発明の組成物の性能を
向上させることから3〜10重量%が好ましい。重合体
(A)および化合物(B)の量は、組成物の使用目的や
組成物の調製形態によって適宜変更しうる。
【0047】本発明の撥水撥油剤組成物は、媒体(C)
が水系媒体である水系撥水撥油剤組成物であるのが好ま
しい。水系撥水撥油剤組成物の製造方法としては、水系
媒体中で重合性単量体(a1 )、および必要に応じて重
合性単量体(a2 )を、乳化重合法または分散重合法に
より重合させるのが好ましい。乳化重合法または分散重
合法により重合させる場合には、界面活性剤の存在下に
重合開始剤を作用させて重合を行うのが好ましい。
【0048】界面活性剤のイオン性は、ノニオン性、カ
チオン性、アニオン性または両性が採用でき、特にノニ
オン性を必須とするのが好ましい。該界面活性剤は、下
記界面活性剤(E)から選ぶのが好ましい。重合時に用
いうる界面活性剤の量は、重合性単量体(a1 )の重合
単位に対して、0.5〜20重量%が好ましく、撥水撥
油性および分散安定性の点から特に1〜10重量%が好
ましい。
【0049】重合開始剤は、水溶性または油溶性の重合
開始剤が好ましく、アゾ系、過酸化物系、レドックス系
等の汎用の開始剤が重合温度に応じて使用できる。重合
開始剤としては水溶性の重合開始剤が好ましく、特にア
ゾ系化合物の塩からなる水溶性の重合開始剤が好まし
い。
【0050】重合温度は特に限定されず、20〜150
℃が好ましい。また、重合反応においては、分子量を制
御する目的で、連鎖移動剤を含ませてもよい。連鎖移動
剤としては芳香族系化合物またはメルカプタン類が好ま
しく、特に生成した組成物の安定性の点からアルキルメ
ルカプタンが好ましい。連鎖移動剤の具体例としては、
n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプ
タンまたはα−メチルスチレンダイマー[CH2=CP
hCH2 C(CH32 Ph(ただし、Phはフェニル
基)]が挙げられる。
【0051】また、乳化重合においては、重合開始前
に、重合性単量体、界面活性剤、および水系媒体を、あ
らかじめ乳化(以下、前乳化という。)しておくと、重
合体(A)の収率を向上させうることから好ましい。前
乳化は、高圧条件下におくことにより、または、充分に
撹拌することにより、実施できる。前乳化は、ホモミキ
サまたは高圧乳化機等を用いて実施するのが好ましい。
【0052】本発明の組成物が、水系撥水撥油剤組成物
である場合には、通常は界面活性剤を必須とするのが好
ましい。該界面活性剤のイオン性は、ノニオン性、カチ
オン性、アニオン性または両性が採用でき、特にノニオ
ン性、カチオン性または両性であるのが好ましい。さら
に、該界面活性剤は、下記界面活性剤(E)であるのが
好ましい。
【0053】界面活性剤(E)は、下記界面活性剤(e
1 )〜(e8 )から選ばれる1種以上の界面活性剤であ
る。界面活性剤(E)のうちノニオン性界面活性剤とし
ては、下記界面活性剤(e1 )〜(e6 )であり、界面
活性剤(e1 )、(e3 )または(e5 )が特に好まし
い。カチオン性界面活性剤としては、下記界面活性剤
(e7 )であり、両性界面活性剤としては下記界面活性
剤(e8 )である。
【0054】界面活性剤(e1 )は、ポリオキシアルキ
レンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ
アルケニルエーテルまたはポリオキシアルキレンモノア
ルカポリエニルエーテルからなるノニオン性界面活性剤
である。
【0055】界面活性剤(e1 )におけるアルキル基、
アルケニル基またはアルカポリエニル基は、それぞれ炭
素数4〜26であるのが好ましい。また、アルキル基、
アルケニル基またはアルカポリエニル基は、それぞれ、
直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、分岐構造
である場合には、2級の基であってもよい。アルキル
基、アルケニル基またはアルカポリエニル基の具体例と
しては、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、ヘキサデシル基、ベヘ
ニル基(ドコシル基)、およびオレイル基(9−オクタ
デセニル基)等が挙げられる。
【0056】界面活性剤(e1 )は、ポリオキシアルキ
レンモノアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレン
モノアルケニルエーテルであるのが好ましい。界面活性
剤(e1 )のポリオキシアルキレン部分は、1種または
2種のオキシアルキレン基からなるのが好ましく、2種
からなる場合には、それらの連なり方はブロックである
のが好ましい。ポリオキシアルキレン部分は、オキシエ
チレン基および/またはオキシプロピレン基が2個以上
連なった部分からなるのが好ましい。
【0057】界面活性剤(e1 )としては、下式4で表
される化合物が好ましい。ただし下式4中のR5 は炭素
数8以上のアルキル基または炭素数8以上のアルケニル
基を示し、jは5〜50の整数を示し、gは0〜20の
整数を示す。また、gとjとが2以上である場合、式4
中のオキシエチレン基とオキシプロピレン基とはブロッ
ク状になって連結されている。
【0058】
【化3】 R5 O[CH2 CH(CH3 )O]g −(CH2 CH2 O)j H・・・式4
【0059】式4中のR5 は、直鎖構造または分岐構造
のいずれであってもよい。jは10〜30の整数が好ま
しく、gは0〜10の整数が好ましい。jが4以下、ま
たはgが21以上となると、水に難溶性となり、媒体
(C)中に均一に溶解しにくくなり、組成物の浸透性が
低下するおそれがある。また、jが51以上となると親
水性が高くなり、撥水性を低下させるおそれがある。
【0060】化合物(式4)の具体例としては下記化合
物が挙げられる。ただし、下式においてjおよびgは、
上記と同じ意味を示し、好ましい態様も同じである。ま
た、下式中のオキシエチレン基とオキシプロピレン基と
は、ブロック状に連結されている。
【0061】
【化4】C1837O[CH2 CH(CH3 )O]g
(CH2 CH2 O)j H、 C1835O[CH2 CH(CH3 )O]g −(CH2
2 O)j H、 C1633O[CH2 CH(CH3 )O]g −(CH2
2 O)j H、 C1225O[CH2 CH(CH3 )O]g −(CH2
2 O)j H、 (C817)(C613)CHO[CH2 CH(CH
3 )O]g −−(CH2 CH2 O)j H、 C1021O[CH2 CH(CH3 )O]g −(CH2
2 O)j H。
【0062】界面活性剤(e2 )は、分子中に1個以上
の炭素−炭素三重結合および1個以上の水酸基を有し、
かつ界面活性を示す化合物からなるノニオン性界面活性
剤である。
【0063】界面活性剤(e2 )は、分子中に1個の炭
素−炭素三重結合、および1個もしくは2個の水酸基を
有する化合物からなるノニオン性界面活性剤が好まし
い。また、該ノニオン性界面活性剤は、部分構造として
ポリオキシアルキレン部分を有していてもよい。ポリオ
キシアルキレン部分としては、ポリオキシエチレン部
分、ポリオキシプロピレン部分、オキシエチレン基とオ
キシプロピレン基とがランダム状に連なった部分、また
はポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとがブロ
ック状に連なった部分、が挙げられる。界面活性剤(e
2 )の具体例としては、下式5、下式6、下式7または
下式8で表される化合物が好ましい。
【0064】
【化5】 HO−CR67 −C≡C−CR89 −OH ・・・式5 HO−(A1 O)v −CR67 −C≡C−CR89 −(OA2w −OH ・・・式6 HO−CR1011−C≡C−H ・・・式7 HO−(A3 O)k −CR1011−C≡C−H ・・・式8
【0065】ただし、式5〜式8中のA1 、A2 、およ
びA3 は、それぞれ独立に、アルキレン基を示し、vお
よびwはそれぞれ0以上の整数を示し(v+w)は1以
上の整数である。kは1以上の整数を示す。v、wまた
はkがそれぞれ2以上である場合には、A1 、A2 、お
よびA3 は、それぞれ1種のアルキレン基のみからなっ
ていても、2種以上のアルキレン基からなっていてもよ
い。
【0066】R6 、R7 、R8 、R9 、R10、およびR
11は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を示
す。アルキル基は炭素数1〜12のアルキル基が好まし
く、特に炭素数6〜12のアルキル基が好ましい。これ
らの基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、およびイソブチル基などが挙げられ
る。
【0067】また、オキシアルキレン部分としては、オ
キシエチレン部分、オキシプロピレン部分、またはオキ
シエチレン部分とオキシプロピレン部分の両方からなる
のが好ましい。また界面活性剤(e2 )中のオキシアル
キレン基の個数は、1〜50が好ましい。
【0068】さらに、界面活性剤(e2 )としては、下
式9で表されるノニオン性界面活性剤が好ましい。ただ
し、式9中のxおよびyはそれぞれ0以上の整数を示
す。ノニオン性界面活性剤(式9)は1種単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
【化6】
【0070】ノニオン性界面活性剤(式9)としては、
xとyとの和の平均が10であるノニオン性界面活性
剤、xが0でありかつyが0であるノニオン性界面活性
剤、または式9のxとyとの和の平均が1.3であるノ
ニオン性界面活性剤が好ましい。
【0071】界面活性剤(e3 )は、オキシエチレンが
2個以上連続して連なったポリオキシエチレン部分と、
炭素数3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連
なった部分とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化
合物からなるノニオン性界面活性剤である。界面活性剤
(e3 )における炭素数3以上のオキシアルキレンとし
ては、オキシテトラメチレンおよび/またはオキシプロ
ピレンが好ましい。
【0072】界面活性剤(e3 )としては、下式10ま
たは下式11で表される化合物からなるノニオン性界面
活性剤が好ましい。なお式10および式11中のhは0
〜200の整数、uは2〜100の整数、zは0〜20
0の整数を示し、hが0である場合にはuは2以上の整
数、zが0である場合にはhは2以上の整数である。ま
た、式10中の−C36 −部分は、−CH(CH3
CH2 −であっても、−CH2 CH(CH3 )−であっ
ても、−CH(CH3 )CH2 −と−CH2 CH(CH
3 )−とが混在していてもよい。また、下式中のポリオ
キシアルキレン部分は、ブロック状に連結している。
【0073】
【化7】 HO−(CH2 CH2 O)h −(C36 O)u − −(CH2 CH2 O)z H・・・式10 HO−(CH2 CH2 O)h −(CH2 CH2 CH2 CH2 O)u − −(CH2 CH2 O)z H・・・式11
【0074】さらに界面活性剤(e3 )としては、下記
のいずれかの化合物からなるノニオン性界面活性剤が好
ましい。
【0075】
【化8】HO−(CH2 CH2 O)15−(C36 O)
35−(CH2 CH2 O)15H、 HO−(CH2 CH2 O)8 −(C36 O)35−(C
2 CH2 O)8 H、 HO−(CH2 CH2 O)45−(C36 O)17−(C
2 CH2 O)45H、 HO−(CH2 CH2 O)34−(CH2 CH2 CH2
2 O)28−−(CH2 CH2 O)34H。
【0076】界面活性剤(e4 )は、分子中にアミンオ
キシド部分を有する化合物からなるノニオン性界面活性
剤である。界面活性剤(e4 )としては、下式12で表
される化合物が好ましい。式12中のR12、R13、およ
びR14は、それぞれ独立に1価炭化水素基を示す。分子
中にアミンオキシド部分(N→O)を有する界面活性剤
は、カチオン性界面活性剤に分類されることもあるが、
本発明においては、ノニオン性界面活性剤として扱う。
【0077】本発明における界面活性剤(e4 )として
は、特に下式13で表されるノニオン性界面活性剤が、
重合体(A)の分散安定性を向上させうることから好ま
しい。ただし式13中のR15は、炭素数6〜22のアル
キル基、炭素数6〜22のアルケニル基、アルキル基
(炭素数6〜22)が結合したフェニル基、またはアル
ケニル基(炭素数6〜22)が結合したフェニル基を示
し、炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22
のアルケニル基が好ましい。
【0078】
【化9】 (R12)(R13)(R14)N(→O) ・・・式12 (R15)(CH32 N(→O) ・・・式13
【0079】界面活性剤(e4 )の具体例としては、つ
ぎの化合物が挙げられる。
【0080】
【化10】 [CH3 (CH211](CH32 N(→O)、 [CH3 (CH213](CH32 N(→O)、 [CH3 (CH215](CH32 N(→O)、 [CH3 (CH217](CH32 N(→O)。
【0081】界面活性剤(e5 )は、ポリオキシエチレ
ンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物、またはポリ
オキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなる
ノニオン性界面活性剤である。置換フェニル基として
は、1価炭化水素基で置換されたフェニル基が好まし
く、アルキル基、アルケニル基、またはスチリル基で置
換されたフェニル基が特に好ましい。
【0082】界面活性剤(e5 )としては、ポリオキシ
エチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルの縮合物、
ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフェニル)エーテ
ルの縮合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニ
ル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフ
ェニル)エーテル、またはポリオキシエチレンモノ
[(アルキル)(スチリル)フェニル]エーテルが好ま
しい。
【0083】界面活性剤(e5 )の具体例としては、ポ
リオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテルのホ
ルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンモノ(ノニ
ルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オク
チルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オ
レイルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ
[(ノニル)(スチリル)フェニル]エーテル、ポリオ
キシエチレンモノ[(オレイル)(スチリル)フェニ
ル]エーテル等が挙げられる。
【0084】界面活性剤(e6 )は、ポリオールの脂肪
酸エステルであり、ポリオールとしては、ポリエチレン
グリコール、デカグリセリン、ポリエチレングリコール
と(ポリエチレングリコール以外の)ポリオールとのエ
ーテル等が挙げられる。界面活性剤(e6 )の具体例と
しては、つぎの化合物が挙げられる。
【0085】オクタデカン酸とポリエチレングリコール
との1:1(モル比)エステル、ソルビットとポリエチ
レングリコールとのエーテルと、オレイン酸との1:4
(モル比)エステル、ポリオキシエチレングリコールと
ソルビタンとのエーテルと、オクタデカン酸との1:1
(モル比)エステル、ポリエチレングリコールとソルビ
タンとのエーテルと、オレイン酸との1:1(モル比)
エステル、ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル
比)エステル、オレイン酸とデカグリセリンとの(1ま
たは2):1(モル比)エステル、オクタデカン酸とデ
カグリセリンとの(1または2):1(モル比)エステ
ル。
【0086】界面活性剤(e7 )は、置換アンモニウム
塩からなるカチオン性界面活性剤であり、アンモニウム
塩の窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキ
ル基、アルケニル基、またはポリオキシアルキレン基に
置換された化合物からなるカチオン性界面活性剤が好ま
しく、特に下式14で表される化合物からなるカチオン
性界面活性剤が好ましい。 [(R164+ ]・X- ・・・式14 ただし、式14中の記号は以下の意味を示す。 R16:4つのR16は、それぞれ独立に、水素原子、炭素
数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル
基、または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン基
である。ただし、4つのR16は同時に水素原子にはなら
ない。 X- :対イオン。
【0087】R16がアルキル基である場合には、炭素数
6〜22の長鎖アルキル基が好ましい。R16が長鎖アル
キル基以外のアルキル基である場合には、メチル基また
はエチル基が好ましい。R16がアルケニル基である場合
には、炭素数6〜22の長鎖アルケニル基が好ましい。
また、R16が末端が水酸基であるポリオキシアルキレン
基である場合には、末端が水酸基であるポリオキシエチ
レン基が好ましい。X- としては、塩素イオン、エチル
硫酸イオンまたは酢酸イオンが好ましい。
【0088】化合物(式14)としては、モノ(長鎖ア
ルキル)アミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチル
アミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン酢
酸塩、モノ(長鎖アルケニル)ジメチルアミン塩酸塩、
モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン・エチル硫酸塩、
モノ(長鎖アルキル)トリメチルアンモニウムクロリ
ド、ジ(長鎖アルキル)モノメチルアミン塩酸塩、ジ
(長鎖アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、モノ
(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリオキシエチレン)
アンモニウムクロリド、ジ(長鎖アルキル)モノメチル
モノ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロリド等が
挙げられる。
【0089】さらに、化合物(式14)としてはモノオ
クタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、モノオク
タデシルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸
塩、モノ(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリエチレン
グリコール)アンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキ
ル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココ
ナッツアミン酢酸塩等が好ましい。
【0090】界面活性剤(e8 )は、アラニン類、イミ
ダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類または酢酸
ベタインからなる両性界面活性剤である。界面活性剤
(e8)の具体例としては、ドデシルベタイン、オクタ
デシルベタイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシルジメチルア
ミノ酢酸ベタイン、および脂肪酸アミドプロピルジメチ
ルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0091】さらに、界面活性剤(E)としては、界面
活性剤(e1 )、界面活性剤(e3)、界面活性剤(e5
)、および界面活性剤(e7 )(以下、特定界面活性
剤ともいう。)から選ばれる界面活性剤を必須とするの
が好ましい。特定界面活性剤を用いた場合には、組成物
の機械的安定性、被処理物への浸透性や吸着性が向上
し、処理ムラが防止されうる。また特定界面活性剤とと
もに、特定界面活性剤以外の界面活性剤を必要に応じて
用いてもよいが、組成物の安定性が低下するおそれがあ
る点でフッ素系界面活性剤の使用は好ましくない。界面
活性剤(E)の量は、化合物(B)に対して、0.3〜
10重量%が好ましく、特に0.5〜7重量%が好まし
い。
【0092】本発明の組成物を水系撥水撥油剤組成物と
する場合には、つぎの手順で製造するのが好ましい。 (方法1)化合物(B)と界面活性剤(E)と水系媒体
とを合わせて撹拌し、ここに、重合体(A)を添加する
方法。 (方法2)重合体(A)、水系媒体、界面活性剤を含む
組成物に、化合物(B)を添加する方法。 (方法3)化合物(B)が化合物(b1 )である場合に
適用できる方法であり、重合体(A)を水系媒体および
界面活性剤の存在下に重合させる際に化合物(b1 )を
存在させる方法。
【0093】また、方法1〜3により製造した撥水撥油
剤組成物に、さらに目的に応じて界面活性剤(E)や媒
体(C)を添加してもよい。また本発明の撥水撥油剤組
成物には、他の添加成分を加えてもよい。他の添加成分
としては、他の撥水剤、他の撥油剤、架橋剤、防虫剤、
難燃剤、帯電防止剤または防シワ剤等が挙げられる。こ
のうち、架橋剤は化合物(B)と相互に作用して本発明
の組成物の性能を向上させることから、添加するのが好
ましい。
【0094】本発明の撥水撥油剤組成物は、繊維または
繊維製品に処理するのが好ましい。該組成物の処理方法
としては、被処理物の種類や組成物の調製形態などに応
じて、任意の方法が採用できる。たとえば、浸漬塗布を
した後に乾燥する方法が採用できる。繊維としては、天
然繊維、合成繊維、またはこれらの混紡繊維が挙げら
れ、繊維製品としては、該繊維からなる繊維製品が挙げ
られる。また、繊維または繊維製品以外の被処理物とし
ては、金属、ガラス、樹脂等が挙げられる。
【0095】
【作用】本発明の撥水撥油剤組成物で処理した処理繊維
が、洗濯したり摩擦を受けても優れた耐久性を有し、豪
雨に対して優れた撥水性を示す理由は、組成物の処理時
に、化合物(B)中の不飽和基と織物繊維表面とが吸着
または反応を起こすことにより強固な結合が形成され、
かつ、化合物(B)の作用により重合体(A)の均一な
皮膜が形成されるためと推測される。
【0096】
【実施例】各例中の平均分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィにより測定し、ポリスチレンの分子
量への換算値を示した。平均粒子径は動的光散乱装置に
より測定した。反応率はガスクロマトグラフィにより測
定した。水は、イオン交換水を用いた。
【0097】以下で用いた略号はそれぞれ次のものを示
す。 FA:ペルフルオロアルキルエチルアクリレート[F
(CF2n CH2 CH2 OCOCH=CH2 であり、
nが6〜16の混合物でnの平均値は9。 StA:オクタデシルアクリレート。 NMAA:N−メチロールアクリルアミド。 StSH:オクタデシルメルカプタン。 POOPE:ポリオキシエチレンモノ(オクチルフェニ
ル)エーテル。 StTMA:オクタデシルトリメチルアンモニウムクロ
リド。 V−50:2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)2塩酸塩。 VCL:塩化ビニル。 PFDE:F(CF210CH=CH2 。 PFOE:F(CF28 CH=CH2
【0098】[例1(実施例)]FA(131g)、S
tA(80.8g)、NMAA(6.5g)、StSH
(0. 77g)、POOPE(11g)、StTMA
(4.4g)、および水(410g)を50℃で30分
間撹拌した。つぎに40〜50℃に保ちながら高圧乳化
機(マントンゴーリン)を用いて200kg/cm2
乳化した。乳化後のエマルションの平均粒子径は0.2
0μmであった。
【0099】つぎに、これを1Lのガラス製オートクレ
ーブに移し、V−50(0. 5g)を加えた後、オート
クレーブを窒素置換した。撹拌しながら60℃に昇温し
て6時間重合を行い、平均分子量が120,000であ
る重合体を含む乳白色のエマルション得た。反応率は9
9%以上、エマルション中の固形分濃度は36.1重量
%、重合体の平均粒子径は0. 12μmであった。この
エマルションを固形分濃度が20重量%となるように水
で希釈した希釈液100gに対してPFDEの1.1g
を加え、50℃に加温し撹拌し、原液とした。
【0100】原液に水を加え固形分濃度を5重量%と
し、さらにメラミン樹脂(住友化学工業社製商品名「ス
ミテックスレジンM3」)が3重量%、触媒(住友化学
工業社製商品名「スミテックスアクセラレーターAC
X」3重量%となるように加えて処理液T1 を得た。
【0101】[例2(実施例)]FA(167g)、S
tA(46.2g)、NMAA(5.1g)、StSH
(1g)、POOPE(12.8g)、StTMA
(5.1g)、水(410g)を50℃で30分間撹拌
した。つぎに40〜50℃に保ちながらマントンゴーリ
ンを用いて300kg/cm2 で乳化した。乳化後のエ
マルションの平均粒子径は0.14μmであった。
【0102】つぎに、これを1Lのガラス製オートクレ
ーブに移し、V−50(0. 5g)を加えた後、オート
クレーブを窒素置換した。その後VCL(38.5g)
を加え、撹拌しながら60℃に昇温して15時間重合を
行い、平均分子量が134,000である重合体を含む
乳白色エマルション得た。反応率は99%以上、エマル
ション中の固形分濃度は39.1重量%、重合体の平均
粒子径は0. 08μmであった。
【0103】エマルションを固形分濃度が20重量%と
なるように水で希釈した希釈液100gに、PFOEの
1.5gと、F(CF210CH2 CH2 OCOCH=
CH2 の0.6gとを加え、50℃に加温し撹拌し原液
とした。該原液を例1と同様に調製し処理液T2 を得
た。
【0104】[例3(実施例)]FA(131g)、S
tA(80.5g)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート(6.5g)、PFOE(2.0
g)、StSH(0.77g)、POOPE(13.1
g)、水(410g)を50℃で30分間撹拌した。つ
ぎに40〜50℃に保ちながらマントンゴーリンを用い
て300kg/cm2 で乳化した。乳化後のエマルショ
ンの平均粒子径は0.18μmであった。
【0105】つぎに、これを1Lのガラス製オートクレ
ーブに移し、V−50(0. 5g)を加えた後、オート
クレーブを窒素置換した。撹拌しながら60℃に昇温し
て6時間重合を行い、平均分子量が135,000であ
る重合体を含む乳白色エマルション得た。反応率は97
%以上、エマルション中の固形分濃度は35.4重量
%、重合体の平均粒子径は0. 11μmであった。
【0106】エマルションを固形分濃度が20重量%と
なるように水で希釈した希釈液100gに、F(CF
212CH2 CH2 OCOCH=CH2 を1.2g加
え、50℃に加温し撹拌し、常温に戻し、V−50
(0. 1g)を加えた。例1と同様に重合を行い、つぎ
に処理液を調製し処理液をT3 を得た。
【0107】[例4(実施例)]FA(154g)、ジ
オクチルマレエート(16.7g)、ヒドロキシエチル
アクリレート(6.4g)、n−ドデシルメルカプタン
(0.6g)、POOPE(18.5g)、水(410
g)を50℃で30分充分に撹拌した。つぎに40〜5
0℃に保ちながらマントンゴーリンを用いて300kg
/cm2 で乳化した。乳化後のエマルションの平均粒子
径は0.19μmであった。
【0108】つぎに、これを1Lのガラス製オートクレ
ーブに移し、V−50(0. 5g)を加えた後、オート
クレーブを窒素置換した。つぎにVCL(53.9g)
を加え、撹拌しながら60℃に昇温して15時間重合を
行い、平均分子量が151,000である重合体を含む
乳白色エマルション得た。反応率は99%以上、エマル
ション中の固形分濃度は35.8重量%、重合体の平均
粒子径は0. 1μmであった。
【0109】さらに、PFOE(0.8g)、PFDE
(1.0g)、F(CF212CH=CH2 (0.5
g)、POOPE(0.005g)、水(10g)を5
0℃で撹拌し、つぎに、固形分濃度が20重量%となる
ように水で希釈したエマルション100gを加えて原液
を得た。原液を例1と同様に調製して処理液T4 を得
た。
【0110】[例5(実施例)]FA(165g)、S
tA(76g)、グリシジルメタクリレート(12.7
g)、PFDE(1.2g)、StSH(0. 76
g)、POOPE(12.7g)、水(410g)を0
℃で30分充分に撹拌した。つぎに40〜50℃に保ち
ながらマントンゴーリンを用いて200kg/cm2
乳化した。乳化後のエマルションの平均粒子径は0.2
0μmであった。
【0111】つぎに、これを1Lのガラス製オートクレ
ーブに移し、V−50(0. 5g)を加えた後、オート
クレーブを窒素置換した。撹拌しながら60℃に昇温し
て6時間重合を行い、平均分子量が115,000であ
る重合体を含む乳白色エマルション得た。反応率は99
%以上、エマルション中の固形分濃度は38.5重量
%、重合体の平均粒子径は0. 12μmであった。
【0112】エマルションを固形分濃度が20重量%と
なるように水で希釈した希釈液100gに、PFDE
(2.0g)、F(CF210CH2 CH2 OCOCH
=CH2 (0.8g)、POOPE(0.002g)お
よび水(10g)を50℃で撹拌し得た分散液と、V−
50(0. 1g)を加え原液とした。原液を例1と同様
に調製して処理液T5 を得た。
【0113】[例6(比較例)]例1の希釈液に水を加
えて固形分濃度を5重量%とし、さらにスミテックスレ
ジンM3が3重量%、スミテックスアクセラレーターA
CXが3重量%となるように加えて処理液T6 を得た。
【0114】[例7(比較例)]例4の希釈液に水を加
えて固形分濃度を5重量%とし、さらにスミテックスレ
ジンM3が3重量%、スミテックスアクセラレーターA
CXが3重量%となるように加えて処理液T7 を得た。
【0115】[例8(比較例)]例5の希釈液に水を加
えて固形分濃度を5重量%とし、さらにスミテックスレ
ジンM3が3重量%、スミテックスアクセラレーターA
CXが3重量%となるように加えて処理液T8 を得た。
【0116】[布への処理方法]処理液T1 〜T8 に、
それぞれ極細繊維高密度ポリエステルタフタ布を浸漬
し、2本のゴムローラの間で布を絞ってウェットピック
アップを60重量%にした。ついで110℃で90秒間
乾燥し、さらに170℃で60秒間熱処理した。処理後
の極細繊維高密度ポリエステルタフタ布について撥水性
・撥油性の初期性能と耐久性能、および布の風合いを評
価した。結果を表3に示す。
【0117】[撥水性の評価]JIS−L1092のス
プレー法、および豪雨耐久性能の評価方法であるJIS
−L1092−1986−C法(DIN)法のブンデス
マン法に準じて撥水性の評価を行い、表1に示す撥水性
等級で結果を示した。また、ブンデスマン法においては
漏水量(単位:g)も測定した。結果を表3に示す。た
だし、撥水性等級に+(−)を記したものは、それぞれ
の性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
【0118】
【表1】
【0119】[撥油性の評価]AATCC−TM118
−1966により行い、表2に示す撥油性等級で表し
た。結果を表3に示す。
【0120】
【表2】
【0121】[耐久性の評価]試験布の耐久試験(HL
20と記す)は、JIS−L0217 別表103の水
洗い法にしたがって洗濯を20回繰り返し、風乾後、撥
水性および撥油性を評価した。結果を表3に示す。
【0122】[布の風合いの評価]布の風合いは、AA
TCC Evaluation Procedure
5(1992)に準じて行った。未処理布を標準とした
場合の風合いを、手触りにより比較した。結果を表3に
示す。
【0123】
【表3】
【0124】
【発明の効果】本発明の撥水撥油剤組成物は、優れた撥
水撥油性を示す。また、洗濯等により強い物理的な作用
を受けた場合にも、優れた撥水撥油性能を示し、また、
豪雨に対しても優れた撥水性能を発揮する。さらに、本
発明の撥水撥油剤組成物で処理された繊維は、風合いに
も優れる。すなわち、本発明の撥水撥油剤組成物は、実
用的な性能に秀でた、汎用性のある組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H020 BA13 4L033 AB01 AC03 AC04 BA14 BA86 CA17 CA22 CA48

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記重合体(A)、下記化合物(B)、お
    よび媒体(C)を必須成分とする撥水撥油剤組成物であ
    って、重合体(A)に対する化合物(B)の量が0.1
    〜10重量%であることを特徴とする撥水撥油剤組成
    物。 重合体(A):ポリフルオロアルキル基を有する重合性
    単量体(a1 )の重合単位を含む重合体。 化合物(B):下式1で表される化合物。 Rf11 CR1 =CH2 ・・・式1 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 Rf1:ポリフルオロアルキル基。 Q1 :単結合または2価有機基。 R1 :フッ素原子、水素原子またはメチル基。
  2. 【請求項2】重合性単量体(a1 )が、下式2で表され
    る化合物である請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。 Rf22 OCOCR2 =CH2 ・・・式2 ただし、式2中の記号は以下の意味を示す。 Rf2:ポリフルオロアルキル基。 Q2 :2価有機基。 R2 :水素原子またはメチル基。
  3. 【請求項3】式1におけるQ1 が、−(CH2n
    (nは0〜10の整数)、−(CH2s O−(sは1
    〜5の整数)または−(CH2r −O−(CH2t
    −(rは1〜5の整数、tは1〜5の整数。)である請
    求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物。
  4. 【請求項4】化合物(B)が、下式3で表される化合物
    である請求項1、2または3に記載の撥水撥油剤組成
    物。 Rf33 OCOCR3 =CH2 ・・式3 ただし、式3中の記号は以下の意味を示す。 Rf3:ポリフルオロアルキル基。 Q3 :2価有機基。 R3 :水素原子またはメチル基。
  5. 【請求項5】さらにノニオン性界面活性剤を含む請求項
    1〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  6. 【請求項6】媒体(C)が水のみ、または水と水溶性有
    機溶剤からなる請求項1〜5のいずれかに記載の撥水撥
    油剤組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油
    剤組成物によって処理された処理繊維。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005118737A1 (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Unimatec Co., Ltd. 撥水撥油剤の製造法
JP2013177726A (ja) * 2013-05-13 2013-09-09 Mitsui Chemicals Inc 合成繊維構造物
JP2016075022A (ja) * 2015-12-08 2016-05-12 三井化学株式会社 合成繊維構造物

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