JP2000247249A - 油圧式パワーステアリング装置の反力機構 - Google Patents

油圧式パワーステアリング装置の反力機構

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JP2000247249A
JP2000247249A JP11053326A JP5332699A JP2000247249A JP 2000247249 A JP2000247249 A JP 2000247249A JP 11053326 A JP11053326 A JP 11053326A JP 5332699 A JP5332699 A JP 5332699A JP 2000247249 A JP2000247249 A JP 2000247249A
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hole
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Sukehisa Kishizawa
佑壽 岸澤
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
    • B62D5/08Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by type of steering valve used
    • B62D5/083Rotary valves
    • B62D5/0835Rotary valves characterised by means for actively influencing the deflection angle of the valve, e.g. depending on driving parameters

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 車両用油圧式パワーステアリング装置の反力
機構において、中・高速走行時の直進安定感(剛性感)
を維持・向上させつつ、構造の簡単化と製作コストの低
減を図る。 【解決手段】 出力軸4と一体に回転するスリーブ8と
入力軸3との相対的な回転量差に応じて操舵補助力が出
力され、トーションバー5に中立時予圧が付与される油
圧式パワーステアリング装置の反力機構20において、出
力軸4の上端部分であって、入力軸3の下端部を受け入
れるための孔4d が形成された筒状部分の筒壁4g に
は、出力軸4の軸と直交して軸心に向かう方向に複数の
透孔21が形成され、反力機構20が、透孔21に挿入される
ボール22と、ボール受け23と、ばね部材(皿ばね)24
と、入力軸3の外周面に形成され、ボール22を着座させ
ることができる凹部27a を有するカム面27とからなり、
中立時、ばね部材24により、ボール22を透孔21を通して
カム面27の凹部27a に着座させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、車両に用いら
れる油圧式パワーステアリング装置の反力機構に関し、
特に反力機構の構造の簡単化と製作コストの低減とを図
った油圧式パワーステアリング装置の反力機構に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、車両に用いられる油圧式パワーステ
アリング装置においては、ステアリングホイールに連動
連結された入力軸が、トーションバーを介して出力軸に
連結され、出力軸と一体に回転するスリーブと入力軸と
の相対的な回転量差に応じて、圧油が、パワーシリンダ
の左右油室のいずれかに供給されて、操舵補助力が出力
されるようになっている。
【0003】ここで、トーションバーのばね定数は、車
両の駐車時や低速走行時を基準にして、これらの時に必
要な操舵補助力が得られるように設定されるので、据切
り荷重が軽くなるように、できるだけ低く設定される傾
向がある。
【0004】このため、中・高速走行時には、トーショ
ンバーが微小振動し易くなり、直進の安定感(剛性感)
が低下して、操向にフラフラ感が残ってしまい、ドライ
バーに不安感を抱かせる虞があった。
【0005】そこで、このような中・高速走行時におけ
る操向のフラフラ感を解消するために、トーションバー
に、油圧式パワーステアリング装置が中立状態にあると
き(中立時)、予圧を付与することが行なわれている。
【0006】このようにすることにより、中立状態の近
傍で、トーションバーおよび該トーションバーの一端に
一体に連結された入力軸の回転が相対的に重くなり、入
力軸に連動連結されたステアリングホイールの操舵も相
対的に重くなって、ドライバーは、操向の手応え感を得
るようになり、中・高速走行時にあっても、直進の安定
感(剛性感)が得られて、操向のフラフラ感は解消され
る。
【0007】トーションバーに、中立時、予圧を付与す
る機構としては、操舵反力を予圧に転換できるように構
成された反力機構が専ら使用され、各種のものが提案さ
れている(特開平4−2571号公報、特表平6−50
7362号公報等参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のものは、いずれも、構造が複雑であり、製作コストが
嵩み、生産性に優れたものとはいえなかった。
【0009】本願の発明は、従来の油圧式パワーステア
リング装置の反力機構が有する前記のような問題点を解
決して、中・高速走行時における直進の安定感(剛性
感)を維持・向上させつつ、反力機構の構造の簡単化と
製作コストの低減を可能にする油圧式パワーステアリン
グ装置の反力機構を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した油圧式パワーステアリ
ング装置の反力機構に係り、その請求項1に記載された
発明は、ステアリングホイールに連動連結された入力軸
が、トーションバーを介して出力軸に連結され、前記出
力軸と一体に回転するスリーブと前記入力軸との相対的
な回転量差に応じて、圧油が、パワーシリンダの左右油
室のいずれかに供給されて、操舵補助力が出力されるよ
うにされ、前記トーションバーには、中立時、予圧が付
与されてなる油圧式パワーステアリング装置の反力機構
において、前記出力軸の上端部分であって、前記入力軸
の下端部を受け入れるための孔が形成された筒状部分の
筒壁には、前記出力軸の軸と直交して軸心に向かう方向
に複数の透孔が形成され、前記反力機構が、前記透孔に
挿入されるボールと、前記透孔内にあって、前記ボール
より外方で前記ボールを受けるボール受けと、前記透孔
内にあって、前記ボール受けを外方から押圧するばね部
材と、前記入力軸の外周面に形成され、前記ボールを着
座させることができる凹部を有するカム面とからなり、
中立時、前記ばね部材が、前記ボール受けを外方から押
圧して、前記ボールを前記透孔を通して前記カム面の凹
部に着座させるようにされたことを特徴とする油圧式パ
ワーステアリング装置の反力機構である。
【0011】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、トーションバーに中立時予圧が
付与されてなる油圧式パワーステアリング装置の反力機
構が、出力軸の上端の筒状部分の筒壁に形成された複数
の透孔の各々に挿入されるボールと、透孔内にあって、
ボールより外方でボールを受けるボール受けと、透孔内
にあって、ボール受けを外方から押圧するばね部材と、
入力軸の外周面に形成され、ボールを着座させることが
できる凹部を有するカム面とからなるようにされる。
【0012】この結果、反力機構の構成要素のうち、カ
ム面を除く全ての構成要素が、出力軸の上端の筒状部分
の筒壁に形成された透孔内に収容されるので、反力機構
の構造が単純化され、簡単化されて、製作コストを低減
することができる。
【0013】また、カム面も入力軸の外周面に形成され
るので、反力機構は、全体として、従来の構造に対して
大規模な設計変更にならない。このため、反力機構の設
定が容易になる。
【0014】また、請求項2記載のように請求項1記載
の発明を構成することにより、ばね部材は、皿ばねとさ
れる。
【0015】この結果、ばね特性が変位に対して直線的
でなく、直線的な領域から平坦な領域にばね特性を変化
させることが容易な皿ばねを利用して、ボールがカム面
の凹部を乗り越えた後のボールとカム面との間に作用す
る摩擦力を低減することができ、車両の駐車時や低速走
行時、据切り荷重の増大を抑制することができる。
【0016】さらに、請求項3記載のように請求項1ま
たは請求項2記載の発明を構成することにより、ボール
受けのボールを受ける面は、平坦面もしくは平坦面に近
いなだらかな湾曲面に形成される。
【0017】この結果、出力軸と一体に回転するスリー
ブと入力軸との組合せにおける中立出し後に、出力軸の
上端の筒状部分の筒壁に形成された透孔の中心やボール
受けの中心がカム面の凹部の中心と合致しなかったとし
ても、ボールがカム面の凹部に正確に着座するように、
ボールがボール受けで受けられる位置が自動的に調整さ
れるので、反力機構の設定が容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図4および図6
に図示される本願の請求項1および請求項2に記載され
た発明の一実施形態(実施形態1)について説明する。
図1は、本実施形態1における反力機構が適用された油
圧式パワーステアリング装置のギヤボックスの縦断面図
であって、反力機構部分のみ、図3のI−I線で切断し
た縦断面図、図2は、図1の要部の拡大図、図3は、図
1のIII−III線で切断した反力機構部分の横断面
図、図4は、図3の要部の拡大図、図6は、図1の油圧
式パワーステアリング装置の特性図である。
【0019】図1において、本実施形態における反力機
構20が適用された油圧式パワーステアリング装置1は、
ラックアンドピニオン式パワーステアリング装置であっ
て、図示されない車両のステアリングホイールに連動連
結された入力軸3が、ギヤボックス2のロータリーバル
ブ収容側部分2a 内において、出力軸(ピニオン軸)4
とトーションバー5を介して連結されており、該出力軸
4に形成されたピニオン4a と噛み合うラックを有する
ラックシャフト6が、ギヤボックス2のラックシャフト
・パワーシリンダ収容側部分2b 内に、図1において紙
面と直交する方向に摺動自在に収容されている。
【0020】ギヤボックス2のロータリーバルブ収容側
部分2a とラックシャフト・パワーシリンダ収容側部分
2b とは、図1の割面Aの位置において合わせられて、
ボルトにより連結されて一体化されている。
【0021】ロータリーバルブは、周知の構造のもので
あり、スリーブ8を回転弁体として、該スリーブ8と、
作動油の還流口と切換油路とを有する入力軸3と、給排
油ポート9、10とパワーシリンダの左右油室に連なる左
右シリンダポート11、12とを有するバルブハウジング
(ギヤボックス2のロータリーバルブ収容側部分2a の
ハウジング)との組立体として構成されている。
【0022】出力軸4の上端部には、ピン7を介してス
リーブ8の下端の拡径部が連結され、これにより、スリ
ーブ8が出力軸4と一体に回転するようにされている。
【0023】出力軸4は、図1および図2に図示される
ように、径を4段階に拡大されていて、上端の最大径部
4b と該最大径部4b に続く大径部4c とには、入力軸
3の下端部を受け入れるための孔4d が段付き状に穿設
されている。この段付き孔4d の大径部は、最大径部4
b に略対応させて形成されていて、そこに、略厚肉環状
の筒壁4g からなる筒状部分を生成している。
【0024】また、この段付き孔4d の底部には、トー
ションバー5の下端部を嵌着させるためのセレーション
孔4e がさらに穿設されている。出力軸4の略中央から
下端に至る部分の中径部には、前記したピニオン4a が
形成されている。出力軸4の下端の小径部は、ギヤボッ
クス2のラックシャフト・パワーシリンダ収容側部分2
b 内に形成された軸受孔に嵌入されて、軸受けされてい
る。
【0025】出力軸4の上端部は、最大径部4b から大
径部4c に移行する段部において、ギヤボックス2のロ
ータリーバルブ収容側部分2a とラックシャフト・パワ
ーシリンダ収容側部分2b とにまたがって配設されたボ
ールベアリング13により、軸受けされて支持されてい
る。
【0026】ボールベアリング13の内輪は、出力軸4の
最大径部4b から大径部4c に移行する段部とストッパ
ーリング14とにより挟持されているので、出力軸4は、
ボールベアリング13により、ラジアル方向およびスラス
ト方向に軸受けされて支持されている。ストッパーリン
グ14は、出力軸4の大径部4c の周面に形成された環状
凹溝に嵌装されている。
【0027】出力軸4がギヤボックス2のラックシャフ
ト・パワーシリンダ収容側部分2bを抜け出る部分に
は、ボールベアリング13の直ぐ下方にオイルシール15が
配設されていて、これにより、ロータリーバルブ側から
の作動油がギヤボックス2のラックシャフト・パワーシ
リンダ収容側部分2b 内に漏出するのを防止している。
なお、入力軸3がバルブハウジングを貫通する部分に
も、同様のボールベアリング16、オイルシール17が介設
されている。
【0028】スリーブ8の下端は拡径されて、出力軸4
の上端の最大径部4b に嵌合されている。そして、最大
径部4b の筒壁4g に形成されたピン孔4f とスリーブ
8の下端拡径部に形成されたピン孔8a とに、前記した
ピン7が貫挿されて、これらスリーブ8と出力軸4とが
一体に回転するようにされている(図1、図3参照)。
【0029】したがって、いま、車両の駐車時や低速走
行時に、入力軸3がステアリングホイールの転舵により
左右いずれかの方向に回転されると、車輪側からの路面
反力により、出力軸4の回転は遅れて、トーションバー
5は捩じれる。
【0030】これにより、出力軸4と一体のスリーブ8
と入力軸3との間に相対的な回転量差が生じて、図示さ
れないオイルポンプにより圧送されて給油ポート9から
スリーブ8内に流入してきた作動油は、スリーブ8内に
おいて油路を切り換えられて、左シリンダポート11もし
くは右シリンダポート12から、図示されないパワーシリ
ンダの左右いずれか一方のシリンダ室(油室)に送られ
て、操舵補助力が出力され、パワーアシストがなされ
る。
【0031】左右いずれか他方のシリンダ室(油室)か
ら押し出されて右シリンダポート12もしくは左シリンダ
ポート11からスリーブ8内に流入してきた作動油は、入
力軸3に形成された作動油の還流口を経て排油ポート10
から図示されないリザーバタンクに還流される。
【0032】ここで、トーションバー5には、図6に図
示されるように、油圧式パワーステアリング装置1が中
立状態(トーションバー5の捩れ角零)にあるとき、予
圧および該予圧に基づく初期トルクT0 が負荷されてお
り、この予圧が操舵反力として作用するので、油圧式パ
ワーステアリング装置1の中立状態からの乖離変動は抑
制される。
【0033】これにより、中・高速走行時においても、
直進性が阻害されることはなく、直進の安定感(剛性
感)が得られて、操向のフラフラ感は解消され、ドライ
バーに不安感を抱かせる虞は生じない。
【0034】なお、トーションバー5のばね定数は、ト
ーションバー5に予圧が負荷されることにより、予圧が
負荷されない場合より低く設定されてよい。このように
することにより、ステアリングホイールに感じる操舵の
手応え感は不変にされる。
【0035】次に、トーションバー5に予圧を作用させ
る反力機構20の構造について、詳細に説明する。図1な
いし図4に図示されるように、出力軸4の上端の最大径
部4b であって、入力軸3の下端部を受け入れるための
段付き孔4d が形成された筒状部分の筒壁4g には、出
力軸4の軸と直交して軸心に向かう方向に複数(2個)
の透孔21が形成されている。
【0036】この透孔21は、大径部と小径部とからなる
段付き孔に形成され、その小径部には、鋼製のボール22
が挿入されるとともに、該ボール22より外方で該ボール
22を受けるボール受け23が挿入されている。
【0037】ボール受け23は、ボール22を受ける面が円
錐形状に陥没されて凹部23a が形成されており、そのボ
ール22と反対側の外方端面には、小径の突出子23b が一
体に突出形成されている。この小径の突出子23b は、透
孔21の大径部内に突出していて、皿ばね24の中央円孔を
貫通している。
【0038】皿ばね24は、座金25により支持され、ボー
ル受け23をボール22の方向に常時押圧している。皿ばね
24は、ばね特性が変位に対して直線的でなく、直線的な
領域から平坦な領域にばね特性を変化させることが容易
であり、本実施形態1においても、後述するようにボー
ル22がカム面27の凹部27a を乗り越えるまでは、略直線
的なばね特性にし、それ以後は略平坦なばね特性になる
ようにされている。
【0039】座金25には、その中央部に突出子23b の進
退を許容する円孔が形成されている。座金25は、透孔21
の大径部の内周面に形成された環状溝に嵌着されたサー
クリップ26により位置決めされて支持されている。
【0040】入力軸3のボール22に対面する部分の外周
面は、ボール22がその面に倣って転動するカム面27とさ
れている。そして、このカム面27の中央部には、ボール
22を着座させることができる大きさの凹部27a が形成さ
れている。
【0041】出力軸4の上端の筒状部分の筒壁4g に形
成された透孔21の中心とカム面27の凹部27a の中心と
は、出力軸4と一体に回転するスリーブ8と入力軸3と
の組合せにおける中立出し後においても、一致するよう
にされている。ボール受け23の凹部23a の中心とカム面
27の凹部27a の中心とについても、同様である。
【0042】反力機構20は、前記した、透孔21の小径部
に挿入されるボール22と、透孔21内にあって、ボール22
より外方で該ボール22を受けるボール受け23と、透孔21
内にあって、ボール受け23を外方から押圧する皿ばね24
と、入力軸3の外周面に形成され、ボール22を着座させ
ることができる凹部27a を有するカム面27とにより構成
されている。
【0043】そして、油圧式パワーステアリング装置1
が中立状態にあるとき(中立時)には、皿ばね24がボー
ル受け23を外方から押圧して、ボール22を透孔21の小径
部を通してカム面27の凹部27a に着座させる。
【0044】ここで、いま、車両の中・高速走行時、入
力軸3が左右いずれかの方向に微小回動しようとする
と、入力軸3のカム面27の凹部27a は、ボール22を外方
に押し退けて同方向に回転しようとするが、ボール22
は、ボール受け23を介して皿ばね24により外方から強く
押し込められるので、カム面27の凹部27a に着座したま
まであり、これを乗り越えることができず、入力軸3
は、容易に回転することができない。
【0045】したがって、トーションバー5も、容易に
捩じれることができず、トーションバー5は、予圧およ
び該予圧に基づく初期トルクT0 が付加されたと同様の
状態になる(図6参照)。この予圧の大きさは、凹部27
a の大きさ(ボール22の着座径)を変えることにより、
容易に調節することができる。
【0046】このようにして、車両の中・高速走行時、
入力軸3およびトーションバー5の微小回動(振動)は
抑制され、ステアリングホイールには操舵の抵抗感が感
じられて、直進性が阻害されることはなくなり、直進の
安定感(剛性感)が得られて、操向のフラフラ感は解消
される。
【0047】入力軸3が左右いずれかの方向にステアリ
ングホイールにより強い力で回転させられると、入力軸
3のカム面27の凹部27a は、皿ばね24の付勢力に抗して
ボール22を外方に押し退けて、該凹部27a から離座させ
る。
【0048】以後、入力軸3は、ボール22をカム面27上
で転がしながら回転して、入力軸3と出力軸4(スリー
ブ8)との間に相対的な回転量差が生じ、トーションバ
ー5は捩じれる。入力軸3がボール22をカム面27上で転
がしながら回転するときには、ボール22とカム面27との
間に摩擦力はほとんど生じない。このようにして、通常
のパワーアシストが得られるようになる。
【0049】本実施形態1は、前記のように構成されて
いるので、次のような効果を奏することができる。トー
ションバー5に中立時予圧が付与されてなる油圧式パワ
ーステアリング装置1の反力機構20が、出力軸4の上端
の筒状部分の筒壁4g に形成された複数の透孔21の小径
部の各々に挿入されるボール22と、透孔21内にあって、
ボール22より外方でボール22を受けるボール受け23と、
透孔21内にあって、ボール受け23を外方から押圧する皿
ばね24と、入力軸3の外周面に形成され、ボール22を着
座させることができる凹部27a を有するカム面27とから
なるようにされている。
【0050】この結果、反力機構20の構成要素のうち、
カム面27を除く全ての構成要素が、出力軸4の上端の筒
状部分の筒壁4g に形成された透孔21内に収容されるの
で、反力機構20の構造が単純化され、簡単化されて、製
作コストを低減することができる。
【0051】また、カム面27も入力軸3の外周面に形成
されているので、反力機構20は、全体として、従来の構
造に対して大規模な設計変更にならない。このため、反
力機構20の設定が容易になる。
【0052】また、皿ばね24が使用されているので、ば
ね特性が変位に対して直線的でなく、直線的な領域から
平坦な領域にばね特性を変化させることが容易な皿ばね
を利用して、ボール22がカム面27の凹部27a を乗り越え
た後のボール22とカム面27との間に作用する摩擦力を低
減することができ、車両の駐車時や低速走行時、据切り
荷重の増大を抑制することができる。
【0053】本実施形態において、出力軸4の上端の筒
状部分の筒壁4g に形成された複数の透孔21の数および
ボール22の数は2個とされたが、これに限定されず、こ
れより多数個にされてもよい。
【0054】また、カム面27としては、入力軸3の外周
面がそのまま使用されたが、これに限定されず、入力軸
3の外周面に切り欠き形成したものをカム面として使用
することができ、このようにすれば、各種の反力特性を
得るようにすることができる。
【0055】次に、図5に図示される本願の請求項3に
記載された発明の一実施形態(実施形態2)について説
明する。図5は、本実施形態2における反力機構部分の
横断面図であって、実施形態1における反力機構部分の
横断面図である図3に対応する図である。なお、実施形
態1における反力機構部分の各部と対応する部分には同
一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0056】図5において、本実施形態2における反力
機構20は、ボール受け23のボール22を受ける面が、平坦
面23c に形成されている。その他の点は、実施形態1に
おける反力機構20と同様であるので、詳細な説明を省略
する。
【0057】本実施形態2は、前記のように構成されて
いるので、次のような効果を奏することができる。出力
軸4と一体に回転するスリーブ8と入力軸3との組合せ
における中立出し後に、出力軸4の上端の筒状部分の筒
壁4g に形成された透孔21の中心やボール受け23の中心
がカム面27の凹部27a の中心と合致しなかったとして
も、ボール22がカム面27の凹部27a に正確に着座するよ
うに、ボール22がボール受け23の平坦面23c 上を自由に
移動して、ボール受け23で受けられる位置が自動的に調
整されるので、反力機構20の設定が容易になる。
【0058】本実施形態2において、ボール受け23のボ
ール22を受ける面は、平坦面23c に形成されたが、必ず
しもこれに限定されず、アールが大きくて平坦面に近
い、なだらかな湾曲面に形成されてもよく、このように
しても、略同様の効果を奏することができる。また、こ
のようにすることにより、ステアリングホイールの操舵
の遊びが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1および請求項2に記載された発
明の一実施形態(実施形態1)における反力機構が適用
された油圧式パワーステアリング装置のギヤボックスの
縦断面図であって、反力機構部分のみ、図3のI−I線
で切断した縦断面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】図1のIII−III線で切断した反力機構部
分の横断面図である。
【図4】図3の要部の拡大図である。
【図5】本願の請求項3に記載された発明の一実施形態
(実施形態2)における反力機構部分の横断面図であっ
て、図3に対応する図である。
【図6】図1の油圧式パワーステアリング装置の特性図
である。
【符号の説明】
1…油圧式パワーステアリング装置、2…ギヤボック
ス、2a …ロータリーバルブ収容側部分、2b …ラック
シャフト・パワーシリンダ収容側部分、3…入力軸、4
…出力軸(ピニオン軸)、4a …ピニオン、4b …最大
径部、4c …大径部、4d …段付き孔、4e …セレーシ
ョン孔、4f …ピン孔、4g …筒壁、5…トーションバ
ー、6…ラックシャフト、7…ピン、8…スリーブ(回
転弁体)、8a …ピン孔、9…給油ポート、10…排油ポ
ート、11…左シリンダポート、12…右シリンダポート、
13…ボールベアリング、14…ストッパーリング、15…オ
イルシール、16…ボールベアリング、17…オイルシー
ル、20…反力機構、21…透孔、22…ボール、23…ボール
受け、23a …凹部、23b …突出子、23c …平坦面、24…
皿ばね、25…座金、26…サークリップ、27…カム面、27
a …凹部、A…割面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールに連動連結された
    入力軸が、トーションバーを介して出力軸に連結され、 前記出力軸と一体に回転するスリーブと前記入力軸との
    相対的な回転量差に応じて、圧油が、パワーシリンダの
    左右油室のいずれかに供給されて、操舵補助力が出力さ
    れるようにされ、 前記トーションバーには、中立時、予圧が付与されてな
    る油圧式パワーステアリング装置の反力機構において、 前記出力軸の上端部分であって、前記入力軸の下端部を
    受け入れるための孔が形成された筒状部分の筒壁には、
    前記出力軸の軸と直交して軸心に向かう方向に複数の透
    孔が形成され、 前記反力機構が、 前記透孔に挿入されるボールと、 前記透孔内にあって、前記ボールより外方で前記ボール
    を受けるボール受けと、 前記透孔内にあって、前記ボール受けを外方から押圧す
    るばね部材と、 前記入力軸の外周面に形成され、前記ボールを着座させ
    ることができる凹部を有するカム面とからなり、 中立時、前記ばね部材が、前記ボール受けを外方から押
    圧して、前記ボールを前記透孔を通して前記カム面の凹
    部に着座させるようにされたことを特徴とする油圧式パ
    ワーステアリング装置の反力機構。
  2. 【請求項2】 前記ばね部材は、皿ばねとされたことを
    特徴とする請求項1記載の油圧式パワーステアリング装
    置の反力機構。
  3. 【請求項3】 前記ボール受けの前記ボールを受ける面
    は、平坦面もしくは平坦面に近いなだらかな湾曲面に形
    成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の油圧式パワーステアリング装置の反力機構。
JP11053326A 1999-03-01 1999-03-01 油圧式パワーステアリング装置の反力機構 Abandoned JP2000247249A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100448807B1 (ko) * 2002-05-21 2004-09-16 현대자동차주식회사 조타력 가변 기능을 갖춘 자동차의 동력 조향 장치
CN100404344C (zh) * 2006-06-13 2008-07-23 孙晓妮 一种汽车转向离心阀

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