JP2000246425A - 溶融金属鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修方法及びそれに用いる熱間補修用容器 - Google Patents

溶融金属鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修方法及びそれに用いる熱間補修用容器

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JP2000246425A
JP2000246425A JP11054622A JP5462299A JP2000246425A JP 2000246425 A JP2000246425 A JP 2000246425A JP 11054622 A JP11054622 A JP 11054622A JP 5462299 A JP5462299 A JP 5462299A JP 2000246425 A JP2000246425 A JP 2000246425A
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安則 鐘ケ江
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孝之 白神
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間で安全かつ容易に補修できるとともに、
得られる施工体が緻密かつ均質であるところのタンディ
ッシュ羽口周りの熱間補修方法及びそれに用いる熱間補
修用容器を提供する。 【構成】 タンディッシュの羽口周りの損耗部の熱間補
修方法は、溶融金属の溶湯温度以下で焼失又は溶融する
材質からなる補修用容器1内に焼付け材Rを充填したも
のを、炉内温度が補修用容器側壁の消滅温度以上である
間に、上ノズル10b の上部に設置し、上ノズル10b とと
もに羽口12に差し込むことを特徴とする。補修用容器1
は側壁2がその他の壁よりも先に消滅するように、その
材質及び厚みを選択し、またその構造を、側壁2が消滅
した時に、焼付け材Rが羽口周りの損耗部へ自重により
均一に流出するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融金属鋳造用タン
ディッシュの羽口周りの熱間補修方法及びそれに用いる
熱間補修用容器に関し、特に焼付け材が上ノズルを閉塞
せずに羽口周りの全ての損耗部に均質に流出することに
より、安全かつ容易に羽口周りを補修することができる
熱間補修方法及びそれに用いる熱間補修用容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
取鍋やタンディッシュ等の溶融金属鋳造用容器の敷部に
は、鋳造を行う際に溶融金属を出湯するための孔(以下
「羽口」という)が設けられており、羽口には上ノズル
が組み込まれている。鋳造時には上ノズルの下方に流量
調節装置を設置し、流量を調節しながら出湯する。
【0003】溶融金属鋳造用容器の羽口部分として図5
に示すタンディッシュを例にとり、その構造を詳細に説
明する。通常タンディッシュ106 の敷部101 は、耐火レ
ンガ又は流し込み耐火物等で内張りされている。羽口10
2 には着脱自在な上ノズル104 が組み込まれており、溶
融金属を出湯するため流量調節装置としてスライディン
グノズル105 が上ノズル104 の下方に設置されている。
上ノズル104 及び羽口102 の周辺部(以下「羽口周り」
という)は、敷部101 の中でも出湯時の溶融金属の流体
摩耗による損耗が特に著しい箇所であり、その結果出湯
回数が増えるにつれて、敷部101 全体との寿命のバラン
スが崩れ、補修を行なわなければならない。
【0004】上ノズル104 は着脱自在であり、交換によ
って敷部全体との寿命のバランスを保つことは容易であ
るが、羽口周りの損耗部は構造上そのようなことが困難
である。そこで通常は、羽口102 を囲繞する一画を予め
他の部分とは別にブロック(以下「羽口ブロック」とい
う)103 として作製しておき、羽口ブロック103 を敷部
101 に埋め込んで使用する。そして羽口周りの損耗が著
しくなると、出湯してタンディッシュ106 が冷却した後
に、羽口ブロック103 を新品と交換することにより羽口
周りと敷部101 全体の寿命のバランスを保っている。
【0005】また最近では、特公平7-41404 号に開示さ
れているように、羽口ブロックを使用せず、取鍋やタン
ディッシュの敷部を全て流し込み耐火物で施工すること
も行われている。特公平7-41404 号によれば、従来に比
べて羽口ブロックの作製及び設置に係る手間の簡略化、
及び羽口ブロックの目地溶損が防止されるとされてい
る。しかし流体摩耗による羽口周りの損耗自体は防止で
きないため、損耗が著しくなると損耗部を研削した後、
流し込み補修によって寿命のバランスを保たなければな
らない。
【0006】一方タンディッシュの操業方法としては、
従来から溶融金属を出湯ごとに一旦タンディッシュを冷
却し、排滓作業、コーティング材の吹付け作業及び必要
に応じて上ノズル及び羽口周りの補修等の整備作業を行
い、その後再びタンディッシュを予熱して鋳造してい
る。しかし近年省力化及び省エネルギー化を考慮して、
出湯後のタンディッシュを冷却せずに、熱間状態を保っ
たまま連続的に鋳造を行う操業方法(以下「熱間回転操
業」という)が取り入れられるようになってきた。
【0007】熱間回転操業では、整備作業の手間及びタ
ンディッシュの予熱に伴うエネルギーロス等を大幅に低
減することができる。しかし操業中はタンディッシュ炉
内が常に高温であるため、羽口ブロックの交換及び流し
込み施工等によるタンディッシュの羽口周りの補修作業
を行うことができず、損耗が著しくなるとやむを得ず一
旦タンディッシュを冷却せざるを得なかった。そこで熱
間回転操業を継続して行うため、タンディッシュを冷却
することなく羽口周りの損耗部の補修を熱間で行う必要
性が高まってきた。
【0008】タンディッシュの羽口周りの熱間補修方法
に関する技術としては、例えば特開平4-371363号に開示
されているように、耐火物補修用装置を用いて熱間で耐
火物を吹付けることによりタンディッシュの羽口周りの
寿命を延ばす方法がある。この方法では、短時間で均質
に補修することは可能であるが、熱間で耐火物を吹付け
るには多量の水を使用するために、結果的に補修箇所は
多孔質な施工体となるばかりでなく、タンディッシュ炉
内の温度が著しく低下する。炉内温度の低下が著しい
と、再び受鋼するには予熱によってタンディッシュの炉
内温度を上げなければならず、エネルギーロスが大きく
なり、熱間回転操業の目的からは好ましくない。さらに
前記補修方法を行うためには、新たに耐火物補修用装置
を設ける必要があり、設備が大規模になるといった問題
もある。
【0009】また別の熱間補修方法として、従来から各
種窯炉損耗部の熱間補修に使用されている焼付け材を袋
詰めとし、それを作業者の手によって羽口周りの損耗部
に直接投げ込むといった投げ込み補修方法がある。すな
わち熱間のタンディッシュ炉内に焼付け材を袋詰めにし
たものを投げ込むことで、袋が炉内の熱で焼失するとと
もに、熱可塑性及び熱硬化性を併せもつ焼付け材が羽口
周りの損耗部に充填・硬化するといった補修方法であ
る。この補修方法では、前者と比べて焼付け材が充填し
た箇所は緻密な施工体となるものの、その施工は熱放散
の多いタンディッシュ上方から作業者の手によって直接
投げ込む方法であるため、損耗部を均質に補修し難いと
ともに、作業環境及び安全面等においても問題がある。
【0010】従って本発明の目的は、タンディッシュの
羽口周りの損耗部を、熱間で安全かつ容易に補修できる
とともに、得られる施工体が緻密かつ均質であり、補修
作業中のタンディッシュ炉内の温度低下が少ないといっ
た、従来法では不可能であったタンディッシュの羽口周
りの熱間補修方法、特に焼付け材を上ノズルを閉塞させ
ずに羽口周りの損耗部に均等に流出させることにより羽
口周りを熱間補修する方法及びそれに用いる熱間補修用
容器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は熱間でもその交換補修が容易な上
ノズルに着目し、熱で焼失又は溶融する材質からなる補
修用容器に焼付け材を充填したものを新しく交換する上
ノズルに設置した上で、補修用容器ごと上ノズルを羽口
に差し込むだけで、補修用容器がタンディッシュ炉内の
熱で容易に焼失又は溶融し、自重によって羽口周りの損
耗部に流出した焼付け材が炉内の熱で充填・ 硬化するた
め、タンディッシュの羽口周りの補修を熱間で安全かつ
容易に行えるとともに、さらに羽口周りの補修作業に要
する時間がほとんど必要ないことを発見した。また焼付
け材が羽口周りの損耗部へ均等に流出するように補修用
容器の構造及び材質の選択を工夫することにより、上ノ
ズルを閉塞することなく補修ができ、かつ組織の均質な
施工体が得られることを発見した。本発明はかかる発見
に基づき完成したものである。
【0012】すなわち溶融金属鋳造用タンディッシュの
羽口周りの損耗部を熱間で補修する本発明の方法は、溶
融金属の溶湯温度以下で焼失又は溶融する材質からなる
補修用容器内に焼付け材を充填してなるものを、前記タ
ンディッシュ炉内温度が前記補修用容器側壁の焼失又は
溶融温度以上である間に、上ノズルの上部に設置して、
前記上ノズルとともに前記羽口に差し込むことによって
羽口周りの損耗部を焼付け材で充填することを特徴とす
る。
【0013】本発明の好ましい実施例は、前記補修用容
器の側壁の外径を前記上ノズルの外径以下とし、前記補
修用容器の側壁がその他の壁よりも先に焼失又は溶融す
るように側壁及びその他の壁の材質及び厚みを選定し、
前記補修用容器内の焼付け材を自重により羽口周りの損
耗部へ均一に流出させることを特徴とする。
【0014】本発明の好ましい別の実施例は、前記補修
用容器の側壁の下方に全周にわたってほぼ一定間隔に複
数の開口部を設け、前記開口部を覆う蓋が前記側壁より
も先に焼失又は溶融するように蓋及び側壁の材質及び厚
みを選定した補修用容器を使用することを特徴とする。
【0015】一方、本発明の補修用容器は、溶融金属鋳
造用タンディッシュ羽口周りの損耗部の熱間補修する上
記のいずれかの方法に使用するものである。この補修用
容器は、底壁が円錐形状であるのが好ましい。さらにこ
の補修用容器は、内筒と外筒を有する2重管構造であ
り、内筒は中空とし、内筒と外筒の間に底壁を有するの
が好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の溶融金属鋳造用タ
ンディッシュの羽口周りに使用する熱間補修用容器及び
補修方法について、添付図面を参照して詳細に説明す
る。本発明の熱間補修方法では、(A) 補修用容器に(B)
焼付け材を充填したものを用いる。
【0017】(A) 補修用容器 補修用容器は、側壁が溶融金属の溶湯温度以下の温度で
焼失又は溶融する材質からなるとともに、内部に焼付け
材を充填できる形状のものであれば、特に限定されな
い。補修用容器の側壁の外径は上ノズルの外径以下とす
る。容器側壁の外径が上ノズルの外径よりも大きいと、
交換時に補修用容器を羽口に差し込めない。また容器側
壁の外径は上ノズルの内径よりも大きいものとする。容
器側壁の外径が上ノズルの内径よりも小さいと、補修用
容器を上ノズルの上部に設置できない。
【0018】(A-1) 構造 補修用容器は、その側壁が焼失又は溶融する際に焼付け
材が自重によって羽口周りの損耗部に大部分が流出し、
上ノズル内に流入しないような構造を有する必要があ
る。多量の焼付け材が上ノズル内に流入すると、熱硬化
した焼付け材が上ノズルを閉塞し、その後の出湯が円滑
に行えなくなるために好ましくない。
【0019】図1に示す好ましい態様では、補修用容器
1は側壁2と底壁3からなり、底壁3は傾斜を有する構
造とし、例えば円錐形のような構造とする。底壁3の傾
斜角度及び形状は、焼付け材が流出する時の状態や底壁
3と焼付け材Rの摩擦係数によって異なるため、予め試
験することによって焼付け材Rが全て流出する角度及び
形状としておく。例えば円錐形底壁3の場合、傾斜角度
θ1 は一般に30〜80°の範囲にあるのが好ましい。
【0020】また図2に示す好ましい態様では、補修用
容器4は外筒5と内筒6を有する2重管構造とする。図
2(a)に示す外筒5の底壁7aは内筒6に固着しており、外
筒5、内筒6及び底壁7aにより形成された空間に焼付け
材Rを充填する。底壁7aは図2(a)に示すように平面でも
よいが、図2(b)の7bに示すように焼付け材Rが損耗部へ
流出しやすくなるように、傾斜を設けるのがより好まし
い。その傾斜角度θ2は60°以下の範囲にあるのが好ま
しい。
【0021】また図3(a)、(b) に示すように、補修用容
器1の側壁2又は補修用容器4の外筒5の下部全周にわ
たって、一定間隔に複数の開口部8を設けることによ
り、焼付け材Rを羽口周りの損耗部にさらに容易かつ均
等に流出させることができる。開口部8を設ける場合に
は、開口部8を蓋9により塞ぐ必要がある。そのような
蓋9の取り付け方は、開口部8の効果を阻害しない範囲
において特に限定するものではないが、製造上の手間か
ら例えば図3に示すように、開口部8を全て塞ぐような
状態で側壁2又は外筒5に巻き付ける。開口部8の大き
さとしては、焼付け材Rが流出しやすいように、側壁2
又は外筒5が充填した焼付け材Rを保持できる強度を有
する範囲において、できるだけ大きくするのが好まし
く、例えばその面積は、側壁2又は外筒5の全面積の70
%以下が好ましい。開口部8の縦の長さは側壁2又は外
筒5の下端から全高の20〜80%程度あれば良い。隣接す
る開口部8の間隔は焼付け材Rが羽口周りの損耗部に対
して均等に流出するように上記面積の範囲内でほぼ等間
隔になるように設ける。
【0022】(A-2)材質 補修用容器1の側壁2(又は補修用容器4の外筒5)に
使用する材質としては、出湯直後のタンディッシュの炉
内温度、具体的にいえば溶融金属の溶湯温度以下の温度
で全て焼失又は溶融する必要がある。補修用容器1の側
壁2(又は補修用容器4の外筒5)が焼失又は溶融しな
ければ、上ノズルを閉塞し、その後鋳造を行う際に出湯
し難くなるために好ましくない。材質の具体例としては
画用紙及びダンボール等のパルプ・ 紙製品、布、天然又
は合成ゴムシート、塩化ビニル等のプラスチックシー
ト、皮革シート等が挙げられるがこれらを上記の条件に
あてはまるように適宜選択して使用する。
【0023】補修用容器1の底壁3(又は補修用容器4
の底壁7a及び7b)は側壁2(又は外筒5)よりも後に焼
失又は溶融するものとし、補修用容器1(又は補修用容
器4)をタンディッシュ炉内に挿入した際に、側壁2
(又は外筒5)、底壁3(又は底壁7a及び7b)の順で焼
失又は溶融するように材質及び厚みを選定する。底壁3
(又は底壁7a及び7b)が側壁2(又は外筒5)より先に
焼失又は溶融すると、焼付け材Rが羽口周りの損耗部に
流出するより先に上ノズル内に流入し、上ノズルを閉塞
するため好ましくない。このため、底壁3(又は底壁7a
及び底壁7b)には、側壁2(又は外筒5)より焼失又は
溶融温度の高いブリキ板等の金属シート、皮革シート等
を使用するか、あるいは側壁と同一の材質を使用する場
合は側壁2(又は外筒5)よりも底壁3(又は底壁7a及
び7b)の厚みを厚くするのが好ましい。
【0024】補修用容器4の底壁7a及び7bは、内筒6よ
り先に焼失又は溶融するように、材質及び厚みを選定す
る。内筒6が底壁7a及び7bよりも先に焼失又は溶融する
と、焼付け材Rが羽口周りの損耗部に流出するより先に
上ノズル内に流入し、上ノズルを閉塞するため好ましく
ない。このため、内筒6には底壁7a及び7bより焼失又は
溶融温度の高い鋼等を使用するか、あるいは側壁と同一
の材質を使用する場合は、底壁7a及び7bよりも内筒6の
厚みを厚くするのが好ましい。またこれらの材料はいず
れもタンディッシュの使用開始時に注入される溶湯によ
って、全てが焼失又は溶融して消滅しなければならな
い。
【0025】さらに図3に示すように、焼付け材Rが羽
口周りの損耗部にさらに容易かつ均等に流出するため
に、補修用容器1の側壁2(又は補修用容器4の外筒
5)に開口部8を設けるのが好ましい。この場合、開口
部8を塞ぐ蓋9は側壁2(又は外筒5)よりもさらに先
に焼失又は溶融するものとする。側壁2(又は外筒5)
が蓋9よりもさらに先に焼失又は溶融すれば、焼付け材
Rの均等な流出が妨げられるため、開口部8を設ける意
味がなくなる。開口部8を塞ぐ蓋9に使用できる材質
は、補修用容器1の側壁2(又は補修用容器4の外筒
5)と同じでも良いが、その場合は、蓋の厚みを側壁の
それより薄くするのが好ましい。蓋9/側壁2(又は外
筒5)の好ましい材質の組合せとしては、薄紙/厚紙、
紙/プラスチックシート、紙/ゴムシート等がある。
【0026】(B) 焼付け材 本発明の熱間補修方法に使用する焼付け材としては、従
来から各種窯炉の損耗部を熱間補修する際に用いられて
いるものであれば、いずれのものも使用することがで
き、例えば特開平8-169772号に開示の耐火性骨材に有機
結合材を添加したものを使用することができる。タンデ
ィッシュ炉内の熱によって有機結合材が溶融又は軟化
し、焼付け材が流動性を帯びることによって損耗部に流
入し、その後有機結合材が徐々に熱硬化しながら接着す
る。
【0027】一般的に焼付け材は、使用する有機結合材
の性状や、取り扱い上便宜的に添加する湿潤剤等によっ
て粉末状又は練土状のいずれもあるが、練土状の焼付け
材は容器隙間から流出したり、製造上の取り扱いの面か
らみても煩雑であるため、粉末状の焼付け材を使用する
のが好ましい。
【0028】焼付け材に使用する耐火性骨材は特に限定
されず、例えば、電融アルミナ、焼結アルミナ、ボーキ
サイト、カイアナイト、アンダリュサイト、ムライト、
シャモット、ロー石、珪石、アルミナ- マグネシアスピ
ネル、マグネシア、ドロマイト、ジルコン、ジルコニ
ア、炭化珪素、黒鉛等からなる群から選ばれた少なくと
も1種であり、必要に応じて2種以上を併用することが
できる。
【0029】また有機結合材としては、ピッチやフェノ
ール樹脂を使用するのが好ましい。有機結合材の使用量
は、耐火性骨材100 重量部に対して外掛けで5〜40重量
部とするのが好ましい。5重量部未満では十分な流動性
が得られず、また40重量部を超えて添加すると、得られ
る施工体の気孔率が大きくなり、耐用性が悪くなるため
に好ましくない。
【0030】さらに上記添加物以外にも、焼付け材の流
動性向上のための流動化剤(ジフェニルアミン等)や、
カーボンの酸化防止剤(アルミニウム、シリコン、フェ
ロシリコン等の金属粉末、ボロンカーバイド等)等を適
宜添加してもよい。
【0031】(C) 補修方法 図4(a)に示すように、出湯後のタンディッシュの損耗は
羽口周り11が最も激しい。そこで図4(b)に示すように、
損耗した上ノズル10a を羽口12から引き抜き、図4(c-1)
又は(c-2) に示すように、新しい上ノズル10b の一端に
焼付け材Rを充填した補修用容器1又は4を設置し、補
修用容器1又は4ごと新しい上ノズル10b を再び羽口12
に差し込む。炉内に差し込まれた補修用容器1又は4は
炉内の熱で焼失又は溶融し、補修用容器1又は4内に充
填された焼付け材Rは、自重によって羽口周り11の損耗
部に流出するとともにそれを満たす。その後焼付け材R
は徐々に熱硬化しながら、図4(d)に示すように羽口周り
11の損耗部へ接着し、補修が完了する。
【0032】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0033】実施例1 外径160mm 、内径140mm の上ノズル10a を組み込んだ図
4に示す構造のタンディッシュに対して、15ch(チャー
ジ)受鋼した後、羽口周り11の損耗部を本発明の方法で
熱間補修した。タンディッシュ炉内の温度が約1000℃以
上のうちに、図4(b)に示すように、上ノズル10a を引き
抜き、直ちに図4(c-1)に示すように、焼付け材Rを充填
した補修用容器1を載置した新品の上ノズル10b を羽口
12に挿入した。
【0034】補修用容器1の構造は直径150mm 、高さ12
0mm で、図3(a)に示す構造を有し、円錐形の底壁3の傾
斜角θ1 は60°であった。また側壁2には等間隔に6個
の開口部8が設けられており、各開口部8の横幅は40m
m、高さは70mmであった。全ての開口部8を覆うよう
に、補修用容器1の側壁2に蓋9用のシートを巻いた。
補修用容器1の各部位の材質及び厚みは下記表1に示す
通りである。
【0035】表1 各部位の材質及び厚み部位 材質 厚み(mm) 底部 ブリキ板 1 側壁 塩化ビニル 4 蓋 画用紙 0.5
【0036】補修用容器1内に深さ110mm まで表2に示
す配合の焼付け材Rを充填した。その結果、焼付け材R
が上ノズル10b 内に流入することなく、羽口周りに均質
な補修部が得られた。熱間補修したタンディッシュでは
さらに5chの延命を図ることができた。
【0037】表2 焼付け材の配合成分 配合(重量%) アルミナ骨材 100 ピッチ* 20 熱可塑性フェノール樹脂* 2.5 ジフェニルアミン 6 注:* アルミナ骨材100 重量%に対する外掛け重量%。
【0038】実施例2 実施例1と同じ構造のタンディッシュにおいて、熱間で
15ch受鋼した。タンディッシュ炉内の温度が約1000℃以
上のうちに図4(b)に示すように、上ノズル10aを引き抜
き、直ちに図4(c-2)に示すように、補修用容器4を載置
した新品の上ノズル10b を羽口12に挿入した。
【0039】補修用容器4の構造は、外筒が直径150mm
及び高さ80mm、内筒が直径114mm 及び高さ140mm で図3
(b)に示す構造を有する。また外筒5には等間隔に8個
の開口部8が設けられており、各開口部8の横幅は20m
m、高さ60mmであった。全ての開口部8を覆うように、
補修用容器4の外筒5に蓋9用のシートを巻いた。補修
用容器の各部位の材質及び厚みは表3に示した通りであ
る。
【0040】表3 各部位の材質及び厚み部位 材質 厚み(mm) 内筒 鋼 3 底壁 ブリキ板 1 外筒 厚紙 3 蓋 画用紙 0.5
【0041】補修用容器4の外筒5、内筒6及び底壁7a
で仕切られた空間に深さ75mmまで表2に示す配合の焼付
け材Rを入れた。その結果、焼付け材Rが上ノズル10b
内に流入することなく、羽口周りに均質な補修部が得ら
れた。熱間補修したタンディッシュではさらに4chの延
命を図ることができた。
【0042】
【発明の効果】本発明のタンディッシュの羽口周りの熱
間補修方法は、焼付け材を充填した補修用容器を上ノズ
ルの上端に設置し、前記補修用容器ごと上ノズルを羽口
に差し込むだけなので、熱間で安全かつ容易に行なえる
とともに、得られる施工体は緻密かつ均質である。また
熱間で行うので、補修作業のためにタンディッシュを冷
却する必要がなく、エネルギーロスを防ぐことができ
る。本発明の熱間補修方法では、補修用容器の構造及び
材質の選択を工夫し、焼付け材を全て羽口周りの損耗部
へ流出させることにより、上ノズルを閉塞することなく
補修を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱間補修方法に使用する補修用容器
の一実施例の概略構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の熱間補修方法に使用する補修用容器
の他の一実施例の概略構造を示す側面図である。
【図3】 側壁下部に開口部を設けてそれに蓋をした補
修用容器の概略構造を示す側面図である。
【図4】 本発明の熱間補修方法の各工程を概略的に示
す図である。
【図5】 一般的な溶融金属鋳造用タンディッシュの要
部断面図である。
【符号の説明】
1・・・補修用容器 2・・・側壁 3・・・底壁 4・・・補修用容器 5・・・外筒 6・・・内筒 7a、7b・・・底壁 8・・・開口部 9・・・蓋 10a 、10b ・・・上ノズル 11・・・羽口周り 12・・・羽口 R・・・焼付け材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鐘ケ江 安則 大分県大分市大字西ノ州1番地 新日本製 鐡株式会社大分製鉄所内 (72)発明者 白神 孝之 大分県大分市大字西ノ州1番地 新日本製 鐡株式会社大分製鉄所内 (72)発明者 志賀 寛司 福岡県北九州市戸畑区牧山新町1番1号 大光炉材株式会社内 Fターム(参考) 4E014 BB02 BC01 EA01 4K051 AA00 AB05 LJ01 LJ03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属鋳造用タンディッシュの羽口周
    りの損耗部を熱間で補修する方法において、溶融金属の
    溶湯温度以下で焼失又は溶融する材質からなる補修用容
    器内に焼付け材を充填してなるものを、前記タンディッ
    シュ炉内温度が前記補修用容器側壁の焼失又は溶融温度
    以上である間に、上ノズルの上部に設置して、前記上ノ
    ズルとともに前記羽口に差し込むことによって羽口周り
    の損耗部を焼付け材で充填することを特徴とする溶融金
    属鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の溶融金属鋳造用タンデ
    ィッシュの羽口周りの熱間補修方法において、前記補修
    用容器の側壁の外径を前記上ノズルの外径以下とし、前
    記補修用容器の側壁がその他の壁よりも先に焼失又は溶
    融するように側壁及びその他の壁の材質及び厚みを選定
    し、前記補修用容器内の焼付け材を自重により羽口周り
    の損耗部へ均一に流出させることを特徴とする溶融金属
    鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の溶融金属鋳造用
    タンディッシュの羽口周りの熱間補修方法において、前
    記補修用容器の側壁の下方に全周にわたってほぼ一定間
    隔に複数の開口部を設け、前記開口部を覆う蓋が前記側
    壁よりも先に焼失又は溶融するように蓋及び側壁の材質
    及び厚みを選定することを特徴とする溶融金属鋳造用タ
    ンディッシュの羽口周りの熱間補修方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の溶融金
    属鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修用容器。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の熱間補修用容器におい
    て、底壁は傾斜を有する構造であることを特徴とする溶
    融金属鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修用容
    器。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の熱間補修用容器におい
    て、内筒及び外筒を有する2重管構造であり、前記内筒
    及び外筒の間に底壁を設けたことを特徴とする溶融金属
    鋳造用タンディッシュの羽口周りの熱間補修用容器。
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