JP2000246301A - P添加高強度・高靱性低炭素鋼の製造方法 - Google Patents
P添加高強度・高靱性低炭素鋼の製造方法Info
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Abstract
性のものとする。 【解決手段】 0.04〜0.2mass%のPを含む
鋼材を400℃以上Ac3以下の強度域で穴型圧延を行
うことを特徴とするP添加高強度・高靱性低炭素鋼の製
造方法を提供する。
Description
強度・高靱性低炭素鋼の製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、この出願の発明は、P(リン)添加低
炭素鋼であって、しかも高強度・高靱性でもある新しい
炭素鋼とその製造方法に関するものである。
は、P(リン)は低温靱性に悪影響を及ぼすことから精
錬プロセスでのP(リン)の除去には多大な精力が費や
されてきた。そしてこのPの存在が許容されないこと
は、従来の精錬工程を簡略化することを難しくしてお
り、鋼材の再利用においても支障となっていた。
含有されている場合には、延性/脆性遷移温度が40K
も増加することになる。このように炭素鋼においてはP
による脆化の問題があり、従来では、依然としてPは除
去すべきものとして精錬工程の大きな負担要因となって
いた。一方、この出願の発明者らは、高強度鋼の開発を
目的としてフェライト粒を微細化することを検討してき
た。この過程において、フェライト粒径が微細になると
遷移温度が大幅に低下することから、Pの存在による脆
化の問題は結晶粒の微細化により克服されるのではない
かと考えた。また、仮に鋼材中のP量の増加が許容でき
れば、P混入に対処するための精錬工程を簡略化し、P
の固溶強化能を利用したエコマテリアル開発に繋がるは
ずである。また、Pはドラッグ効果で粒成長速度を低下
させ、加工硬化γからの相変態によるフェライト粒微細
化に有効であることが予想される。以上の観点から、微
細フェライト粒組織を対象としたP添加による組織創製
プロセス条件緩和および変態組織の強度上昇の可能性が
考えられるのである。
存在とをどのように制御するかは技術的に未踏の課題で
あった。
は、以上のとおりの課題を解決するものとして、第1に
は、0.04〜0.2mass%のPを含む鋼材を40
0℃以上Ac3以下の温度域で穴型圧延を行うことを特
徴とするP添加高強度・高靱性低炭素鋼の製造方法を提
供する。また、この出願の発明は、第2には、多パス溝
ロール圧延を行う前記の製造方法を、第3には、C断面
全面が、2μm以下の粒径のフェライト粒もしくはこの
フェライト粒と炭化物との組織を有する棒材を製造する
製造方法を、第4には、化学成分としてセメンタイトを
含む炭化物の体積率20%以下のC(炭素)量を含む製
造方法を、第5には、化学成分として、主成分としての
Feと、不可避的不純物とともに、 Si:0.80mass%以下 Mn:0.05〜3.0mass%以下 Al:0.10mass%以下 を含有する前記いずれかの製造方法を提供する。そし
て、この出願の発明は、第6には、0.04〜0.2m
ass%のPを含む低炭素鋼であって、3.5mm径、
25mmゲージ長さの丸棒での歪み速度0.5mm/m
inでの室温引張試験による降伏点が500MPa以上
で、強度が550MPa以上であることを特徴とするP
添加高強度・高靱性低炭素鋼を、第7には、0.04〜
0.2mass%Pを含む低炭素鋼であって、JIS4
号V−notch 試験片による室温〜78Kまでの温度域で
のシャルピー衝撃試験によるupper-shelf energyが25
0J以上であることを特徴とするP添加高強度・高靱性
低炭素鋼を、第8には、C断面全面が、2μm以下の粒
径のフェライト粒もしくはこのフェライト粒と炭化物と
の組織を有する棒材である前記の炭素鋼を、第9には、
化学成分としてセメンタイトを含む炭化物の体積率20
%以下のC(炭素)量を含む前記いずれかの炭素鋼を、
第10には、化学成分として、主成分としてのFeと、
不可避的不純物とともに、 Si:0.80mass%以下 Mn:0.05〜3.0mass% Al:0.10mass%以下 を含有する前記いずれかの炭素鋼をも提供する。
の特徴を有するものであるが、発明者によって、P添加
と穴型圧延、特に溝ロール圧延による温間加工を用いる
ことにより、低炭素鋼の細粒化を達成し、それにともな
う強度および靱性を増大できることが見出され、この知
見に基づいて完成されている。
いては、P添加効果と超微細化効果との相乗性として、
P添加による脆化を大幅に克服し、P添加による固溶強
化能を有効に発揮(たとえば降伏点で510MPa、強
度で310MPa上昇)している。
の製造においては、Pは、0.04〜0.2mass%
含まれている鋼材を対象としている。ここで、P量は以
下の理由で規定している。通常、0.1mass%あた
りのP添加により延性/脆性遷移温度が40K増加する
がこの発明によりフェライト粒径が微細になると遷移温
度は大幅に低下するため、Pによる脆化の問題が結晶粒
微細化により克服される。ただ、vTrs<−20℃の
一般的な構造材の要件を考慮した場合、P量の上限を
0.2mass%とするのが適当である。また、強度は
P量の増加とともに増加するため、有効な強度の上昇効
果を考慮することにより0.04mass%を適当な下
限としている。
うことにより、特にこの穴型圧延として多パス溝ロール
圧延を行うことにより高強度・高靱性低炭素鋼を実現し
ている。図1は、穴型圧延としての溝ロール圧延を多パ
スで行う場合を模式的に例示したものである。鋼材を順
次、細径ロールへ挿入し、減面する。この場合の穴型圧
延は、多方向から鋼材に加圧が加わることに大きな特徴
がある。
フェライト領域で温間溝ロール圧延することにより、た
とえば、C断面が2μm以下の微細等軸フェライト粒組
織となる鋼材が提供されることになる。たとえば、温間
加工により2μm以下のフェライト粒を得るために、2
μm以下の間隔で局所的に結晶格子を回転させてそれぞ
れの領域を別々の結晶方位を有するフェライト粒とす
る。
は、溝ロールが径の異なる多段谷状(たとえば面角度9
0°)ロールから成っており、1回のパスにおいて多軸
加工が付加されることに加え、連続パスにおいて材料を
たとえば90°回転させ挿入することにより多軸効果を
更に高め、局所的格子回転が起こりやすくなり組織微細
化の工程が容易かつ簡略化されることである。
は5〜15%とするのが適当である。その理由としては
これ以上の強圧下では発熱が大であり、またこれ以下で
は導入した転位が回復し、再結晶による組織の細粒化が
図れないからである。溝ロール圧延の温度を400℃以
上Ac3以下とする理由は、400℃未満では加工中ま
たはパス間での転位再配列が困難であるために単に加工
フェライト組織となり、等軸化しないためである。ま
た、Ac3以上では結晶粒の成長速度が速いために粗大
化が進行するためである。
ることはない。もちろんこの発明の穴型圧延では、図1
のような上ロールと下ロールとによって四角形の溝穴が
形成されるものに限られることはない。上ロールと下ロ
ールとによって円形あるいは楕円形等の湾曲状の溝穴が
形成されるようにしてもよいし、下ロールを平板状と
し、下ロールと上ロールによって三角形の溝穴が形成さ
れるようにしたもの等であってよい。
いては、Fe(鉄)を主成分とし、不可避的不純物を含
有してもよく、また、C量についてセメンタイトを含む
炭化物の体積率で規定する。炭化物量0vol%から2
0vol%の範囲を適当とする。この理由は炭化物が2
0vol%を越えると靱性が著しく劣化するためであ
る。
の間に、一般的にはC=0.07(ここでCは、炭素の
重量%を:Vは、炭化物の体積%を示す)の関係がある
ことが考慮される。その他成分としてはたとえば、S
i:0.80mass%以下、Mn:0.05〜3.0
mass%、Al:0.10mass%以下とするのが
適当である。
素であるが、Ceqを増大させることから、Siについ
ては0.8mass%以下に、Mnは0.05〜3.0
mass%とするのが好ましい。Alは脱酸材としての
混入があるが、量が多いと非金属介在物としてのアルミ
ナの体積が増え、脆性の原因となるため0.10mas
s%以下とするのが好ましい。
0.1mass%あたりのP添加により延性/脆性遷移
温度が40K増加するが前記方法によってフェライト粒
径が微細になると遷移温度は大幅に低下するため、Pに
よる脆化の問題が結晶粒微細化により克服される。さら
に、Pは安価であり、固溶強化能に優れ、Ceqを高め
ない。加えて鉄鋼材中の含有が許容されれば精錬工程を
簡略化し、エコマテリアルとしての開発に繋がる。ま
た、Pは積層欠陥エネルギーを下げ、焼鈍双晶密度を増
加させることおよび相界面に偏析してドラッグ効果で成
長速度を低下させることにより、加工硬化γからの相変
態によるフェライト粒微細化に有効である。
加高強度・高靱性低炭素鋼として、以下のとおりの顕著
な特性を持つものが提供される。 (I)0.04〜0.2mass%のPを含む低炭素鋼
であって、3.5mm径、25mmゲージ長さの丸棒で
の歪み速度0.5mm/minでの室温引張試験による
降伏点が500MPa以上で、強度が550MPa以上
であることを特徴とするP添加高強度・高靱性低炭素
鋼。 (II)0.04〜0.2mass%Pを含む低炭素鋼で
あって、JIS4号V−notch 試験片による室温〜78
Kまでの温度域でのシャルピー衝撃試験によるupper-sh
elf energyが250J以上であることを特徴とするP添
加高強度・高靱性低炭素鋼。 (III) vTrs<−50℃である前記のP添加高強度・
高靱性低炭素鋼。
Transition Temperature)はこれ以上の温度で靱性が高
く、これ以下の温度で脆性破壊を起こすことを示すもの
で、材料の使用としてこの温度以上で可能であることを
示している。通常−20℃以下のvTrsが得られれば
構造材料として使用可能であると考えられていることか
ら、この発明の炭素鋼はその要件を満たしている。
この出願の発明について説明する。
i−1.5Mnの組成に0.1mass%、0.02m
ass%、0mass%(比較材)のPを添加した3種
類とした。C(炭素)は、上記のように0.15重量%
であるとしているが、この割合は、炭化物2.1体積%
に相当し、ほぼ実測値と同じである。これら3種類につ
いて、各々を高周波溶解、熱延(1523K 加熱後、
23%圧下)したものを3組用意した。このうちの2組
については、さらに923Kで溝ロール加工によりステ
ップ毎に加工し、1組のものは85%に、もう1組は9
0%までの減面加工を施した後、直ちに水焼き入れを行
った。
を行ったものが発明材である。0.1mass%Pで熱
延を行ったもの、0.02mass%Pおよび0mas
s%P添加材で熱延または溝ロール加工を行ったものは
比較材とする。溝ロール加工は、図1の装置による多パ
ス加工とした。 (2)得られた発明材と比較材についてその組織を観察
し、また、特性を試験評価した。
ージ長さの丸棒での伸び計を用いた歪み速度0.5mm
/minでの室温引張試験およびJIS4号V−notch
試験片を用いた室温〜78Kまでの温度域でのシャルピ
ー衝撃試験を行った。図2は、減面率85%で溝ロール
加工(Warm. Rolled)により超微細化した資料(一辺12
mm角柱)のC断面を例示したSEM写真である。
C断面に、平均粒径1μm以下の均一なフェライト等軸
微細粒の組織が得られていることがわかる。また、図3
は、減面率85%で溝ロール加工(Warm. Rolled)により
超微細化した上記試料と、圧延材(Hot-Rolled)との対比
として引張試験の結果を示したものである。
して明らかな超微細化の効果により、0.1%P添加の
発明材は、降伏点で300Pa、強度で200MPaの
上昇が認められる。また、Pの添加効果として、同じく
溝ロール加工した0%Pのものに比べて降伏点について
はさらに90MPaの上昇が、強度ではさらに95MP
aの上昇が認められる。しかも均一伸びが維持されてい
る。超微細流域においてもP添加による強化が粗大粒域
とほぼ同等のレベルで確認されたことにより、P添加が
1μm以下の超微細領域においても固溶強化能を有効に
発揮することを検証することができた。
ロール加工)の場合には、降伏点として610MPa、
強度として695MPaの特性のP添加の低炭素鋼が得
られていることがわかる。図4は、減面率90%で溝ロ
ール加工した試料について圧延材との対比として引張試
験の結果を示したものである。
果により降伏点で430MPa、強度で230MPa上
昇し、Pの添加効果として、降伏点についてさらに13
0MPaが、強度についてさらに110MPa上昇して
いることがわかる。しかも均一伸びが維持されている。
0.1%P添加溝ロール加工した減面率90%の低炭素
鋼として、降伏点750MPa、強度780MPaの特
性のものが得られていることがわかる。 (3)P添加による問題点である脆性の克服については
図5の減面率85%の場合のものに示されるように、粗
大粒で見られるP添加による著しい脆性が超微細化によ
り、延性−脆性遷移温度を低温側に大幅に(50K以
上)シフトさせることで克服できることが確認された。
特に超微細粒になると0.1%Pを添加してもupper-sh
elf energyが270Jに保持され、実用材としても十分
な靱性が確保されることが注目される。
発明によって、フェライト結晶粒径の超微細化により、
Pの短所である脆性化が大幅に克服され、長所である固
溶強可能が有効に発揮される。P添加鋼のリサイクル性
を有効利用したエコマテリアルとしての開発の可能性が
示される。
要部を例示した正面概要図である。
て引張試験の結果を示した図である。
験の結果を示した図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 0.04〜0.2mass%のPを含む
鋼材を400℃以上Ac3以下の温度域で穴型圧延を行
うことを特徴とするP添加高強度・高靱性低炭素鋼の製
造方法。 - 【請求項2】 多パス溝ロール圧延を行う請求項1の製
造方法。 - 【請求項3】 C断面全面が、2μm以下の粒径のフェ
ライト粒もしくはこのフェライト粒と炭化物との組織を
有する棒材を製造する請求項1または2の製造方法。 - 【請求項4】 化学成分としてセメンタイトを含む炭化
物の体積率20%以下のC(炭素)量を含む請求項1な
いし3のいずれかの製造方法。 - 【請求項5】 化学成分として、主成分としてのFe
と、不可避的不純物とともに、 Si:0.80mass%以下 Mn:0.05〜3.0mass%以下 Al:0.10mass%以下 を含有する請求項1ないし4のいずれかの製造方法。 - 【請求項6】 0.04〜0.2mass%のPを含む
低炭素鋼であって、3.5mm径、25mmゲージ長さ
の丸棒での歪み速度0.5mm/minでの室温引張試
験による降伏点が500MPa以上で、強度が550M
Pa以上であることを特徴とするP添加高強度・高靱性
低炭素鋼。 - 【請求項7】 0.04〜0.2mass%Pを含む低
炭素鋼であって、JIS4号V−notch 試験片による室
温〜78Kまでの温度域でのシャルピー衝撃試験による
upper-shelf energyが250J以上であることを特徴と
するP添加高強度・高靱性低炭素鋼。 - 【請求項8】 C断面全面が、2μm以下の粒径のフェ
ライト粒もしくはこのフェライト粒と炭化物との組織を
有する棒材である請求項6または7の炭素鋼。 - 【請求項9】 化学成分としてセメンタイトを含む炭化
物の体積率20%以下のC(炭素)量を含む請求項6な
いし8のいずれかの炭素鋼。 - 【請求項10】 化学成分として、主成分としてのFe
と、不可避的不純物とともに、 Si:0.80mass%以下 Mn:0.05〜3.0mass% Al:0.10mass%以下 を含有する請求項6ないし9のいずれかの炭素鋼。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP5200799A JP4243667B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 高強度・高靱性低炭素鋼棒材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5200799A JP4243667B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 高強度・高靱性低炭素鋼棒材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000246301A true JP2000246301A (ja) | 2000-09-12 |
| JP4243667B2 JP4243667B2 (ja) | 2009-03-25 |
Family
ID=12902777
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5200799A Expired - Fee Related JP4243667B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 高強度・高靱性低炭素鋼棒材 |
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|---|---|
| JP (1) | JP4243667B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004035850A1 (ja) * | 2002-10-17 | 2004-04-29 | National Institute For Materials Science | 窒化層を有する超微細粒鋼 |
| CN103286130A (zh) * | 2012-03-01 | 2013-09-11 | 朝阳力宝重工集团有限公司 | 超纯合金线或棒材的半连轧用翅型孔及使用其的半连轧工艺 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP5200799A patent/JP4243667B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
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| WO2004035850A1 (ja) * | 2002-10-17 | 2004-04-29 | National Institute For Materials Science | 窒化層を有する超微細粒鋼 |
| CN100359033C (zh) * | 2002-10-17 | 2008-01-02 | 独立行政法人物质·材料研究机构 | 具有氮化层的超微细晶粒钢 |
| CN103286130A (zh) * | 2012-03-01 | 2013-09-11 | 朝阳力宝重工集团有限公司 | 超纯合金线或棒材的半连轧用翅型孔及使用其的半连轧工艺 |
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