JP2000243311A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP2000243311A
JP2000243311A JP11037116A JP3711699A JP2000243311A JP 2000243311 A JP2000243311 A JP 2000243311A JP 11037116 A JP11037116 A JP 11037116A JP 3711699 A JP3711699 A JP 3711699A JP 2000243311 A JP2000243311 A JP 2000243311A
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shadow mask
mask
ray tube
color cathode
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Shuji Makimoto
修二 槙本
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクフレームと弾性支持体との熱膨張差に
より、マスクフレームが菱形に変形し、シャドウマスク
の対角部近傍が塑性変形するために生ずる色純度の劣化
を防止するカラー陰極線管を構成することを目的とす
る。 【解決手段】 シャドウマスク構体23がマスクフレーム
33側壁部34に取付けられパネル20に設けられた支持ピン
40に係止する弾性支持体41により支持されてなるカラー
陰極線管において、マスクフレームのコーナー部にこの
マスクフレームの対角軸に対してほぼ垂直な平面部を有
する補強ビード部43を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マスクフレーム
の変形により生ずるシャドウマスクの変形を抑制したカ
ラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー陰極線管は、ほぼ矩形状の
パネルと漏斗状のファンネルからなる外囲器を有し、そ
のパネルの内面に3色蛍光体層からなる蛍光体スクリー
ンが設けられ、この蛍光体スクリーンに対向して、その
内側に色選別機能を有するほぼ矩形状のシャドウマスク
構体が配置されている。一方、ファンネルのネック内に
3電子ビームを放出する電子銃が配設されている。そし
て、この電子銃から放出される3電子ビームをファンネ
ルの外側に装着された偏向ヨークにより偏向し、シャド
ウマスク構体により選別して、上記蛍光体スクリーンを
水平、垂直走査することによりカラー画像を表示する構
造に形成されている。
【0003】上記シャドウマスク構体は、図6に示すよ
うに、パネル1の内面に設けられた蛍光体スクリーン2
と対向する有効部3に多数の電子ビーム通過孔が形成さ
れたほぼ矩形状のシャドウマスク4と、このシャドウマ
スク4の周辺部が取付けられたほぼ矩形状のマスクフレ
ーム5とからなる。そのマスクフレーム5は、上記シャ
ドウマスク4の取付けられる側壁部6の一端部側(蛍光
体スクリーン側)に内側張出部7が設けられた枠状に形
成されている。このシャドウマスク構体は、マスクフレ
ーム5の4側壁部6のほぼ中央部に取付けられ、パネル
1に設けられた4個の支持ピン8に係止する同一構造の
4個の帯板状弾性支持体9により支持されている。
【0004】このようなシャドウマスク構体として、動
作時、電子ビームの衝突によるシャドウマスク4の熱膨
張(ドーミング)、特に高輝度使用時の熱膨張による色
純度の劣化を緩和するために、シャドウマスク4をアン
バーなどの低熱膨張材で形成し、一方、マスクフレーム
5については、コスト面からアンバーなどにくらべて安
価な熱膨張率の高い冷間圧延鋼材で形成したものがあ
る。
【0005】なお、一般に弾性支持体9としては、バネ
特性を満たす安価なステンレス鋼材が用いられている。
【0006】ところで、通常、カラー陰極線管は、シャ
ドウマスク構体を光学マスクとして写真印刷法によりパ
ネルの内面に蛍光体スクリーンを形成し、この蛍光体ス
クリーンの形成されたパネルにシャドウマスク構体を組
込んでパネルとファンネルを接合し、その後、排気する
ことにより製造される。この製造工程でパネルに組込ま
れたシャドウマスク構体は、400〜500℃の炉で加
熱される。
【0007】このような高温度に加熱されると、低熱膨
張のシャドウマスクは、高熱膨張のマスクフレームによ
り引張られて塑性変形し、色純度の劣化がおこる。その
ため、図6に示したように、シャドウマスク4の有効部
3の周辺部には、マスクフレーム5の熱膨張による放射
方向の引張りを緩和して、有効面3の塑性変形を防止す
るスカート部11が設けられている。
【0008】しかし、上記のようにシャドウマスク4を
構成しても、従来のシャドウマスク構体では、マスクフ
レーム5の変形による色純度の劣化がおこる。
【0009】すなわち、シャドウマスク構体を支持する
ステンレス鋼材からなる弾性支持体は、熱膨張率が17
×10-6mm/℃と、冷間圧延鋼材からなるマスクフレー
ムの熱膨張率12×10-6mm/℃にくらべて高い。その
ため、カラー陰極線管の製造工程で高温度に加熱される
と、図7に示すように、マスクフレーム5と弾性支持体
9の間に熱膨張差ΔLが生じ、この熱膨張差によりマス
クフレーム5の回転がおこる。
【0010】この場合、マスクフレームの長辺側に取付
けられた弾性支持体と短辺側に取付けられた弾性支持体
とは長さが同じであるから、マスクフレーム5の各辺の
弾性支持体9の熱膨張は同じになる。一方、図8に示す
ように、マスクフレーム5回転時の長辺中央部13a お
よび短辺中央部13b の回転量RV ,RH は、概ねマス
クフレーム5の中心Oから長辺および短辺中央部13a
,13b までの距離LV ,LH に比例する。このLV
,LH が、通常のカラー陰極線管では、 LV :LH =3:4 であるから、RV ,RH も、 RV :RH =3:4 となる。
【0011】そこで、マスクフレーム5の長辺に、図7
に示したマスクフレーム5と弾性支持体9との熱膨張差
ΔLに相当する回転量が生じたとすると、短辺側の弾性
支持体には、長辺回転量の約1.25倍の回転量が必要
となる。しかし、短辺側の弾性支持体の熱膨張量は、長
辺側の弾性支持体の熱膨張量と同じであるため、図9
(a)に示すように、短辺側の弾性支持体9にマスクフ
レーム5の回転を抑える方向の応力Ffbが生ずる。この
ような応力Ffbが生ずると、長辺側の弾性支持体9に
は、マスクフレーム5をより回転させようとする応力F
faが生ずる。そのため、マスクフレーム5は、同(b)
に示すように、応力Ffa,Ffb方向の対角部を通る対角
軸を長軸、別の対角部を通る対角軸を短軸とする菱形に
変形し、同(c)に示すように、シャドウマスク4は、
矢印方向の力Fma,Fmbを受ける。
【0012】このようにマスクフレーム5が菱形に変形
すると,菱形の長軸方向の対角部14a はパネルの内面
に近づき、短軸方向の対角部14b はパネルの内面から
遠ざかる。しかも、マスクフレーム5は、機械的強度が
大きいため、菱形変形をおこしても、常温になれば元の
状態に戻るが、機械的強度の低いシャドウマスク4は、
塑性変形し、常温になっても元の状態に戻らず、対角部
14a ,14b 近傍のパネルとシャドウマスク4との間
隔が変化し、色純度の劣化が生ずる。
【0013】このようなシャドウマスク4の塑性変形に
よる色純度の劣化を防止する手段としては、あらかじめ
シャドウマスク4の塑性変形を考慮に入れて、写真印刷
法により蛍光体スクリーンを形成する手段が考えられる
が、上記シャドウマスク4の塑性変形は、局部的なもの
であるため、このような手段では、補正が複雑となり、
十分な補正効果が得られない。また、シャドウマスク4
とマスクフレーム5との組立てのばらつきなどによりシ
ャドウマスク4の塑性変形量が変化するため、そのすべ
てに対して色純度の劣化を防止することは困難である。
【0014】上記色純度の劣化を防止する他の手段とし
て、マスクフレーム5の板厚を厚くして、その機械的強
度を高めるる手段がある。
【0015】すなわち、従来のマスクフレーム5は、非
球面であるパネルの内面に歪のない矩形画像を表示する
ために、内側張出部の幅は、電子ビームを妨げないよう
に各辺の中央部から対角部に向かって徐々に減少する形
状に形成されている。また、パネル内面の形状に合せて
側壁部の蛍光体スクリーン側端縁は、湾曲しており、各
辺の中央部から対角部に向かって徐々に落込みが大きく
なっている。そのため、マスクフレーム5は、対角部付
近の強度が最も小さく、菱形に変形しやすい構造となっ
ている。
【0016】これを改善するためには、マスクフレーム
5の板厚を厚くして対角部付近の強度を高めればよい。
しかし、板厚を厚くすると、マスクフレーム5の成形が
困難となる。また、シャドウマスク構体の重量が増加
し、カラー陰極線管の輸送時などに加わる衝撃により弾
性支持体9の変形や支持ピンとの係止状態が変化し、色
純度の劣化をまねくなどの問題が生ずる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
カラー陰極線管のシャドウマスク構体は、マスクフレー
ムとこのマスクフレームに取付けられた弾性支持体との
熱膨張差により、陰極線製造工程での加熱によりマスク
フレームが菱形に変形し、この変形にともなって、シャ
ドウマスクの対角部近傍が塑性変形し、この対角部近傍
のパネルとシャドウマスクとの間隔が変化して色純度の
劣化が生ずるという問題がある。
【0018】この色純度の劣化を防止するために、あら
かじめシャドウマスクの塑性変形を考慮に入れて蛍光体
スクリーンを形成しようとしても、シャドウマスクの塑
性変形が局部的なものであるため、補正が複雑となり、
十分な補正効果が得られない。また、シャドウマスクと
マスクフレームとの組立てのばらつきなどにより、シャ
ドウマスクの塑性変形量が変化するため、そのすべてに
対して色純度の劣化を防止することが困難である。
【0019】また、マスクフレームの板厚を厚くしてそ
の機械的強度を高めると、マスクフレームの成形が困難
となる。また、シャドウマスク構体の重量が増加し、カ
ラー陰極線管の輸送時などに加わる衝撃により、弾性支
持体の変形や支持ピンとの係止状態が変化し、色純度の
劣化をまねくという問題が生ずる。
【0020】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、マスクフレームと弾性支持体との
熱膨張差によりマスクフレームが菱形に変形し、この変
形によりシャドウマスクの対角部近傍が塑性変形するた
めに生ずる色純度の劣化を防止するカラー陰極線管を構
成することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】(1) パネルの内面に
設けられた蛍光体スクリーンと対向するシャドウマスク
構体を有し、このシャドウマスク構体が蛍光体スクリー
ンと対向する面に多数の電子ビーム通過孔の形成された
ほぼ矩形状のシャドウマスクとこのシャドウマスクが取
付けられる側壁部の蛍光体スクリーンの反対側端部に内
側張出部が設けられたほぼ矩形状のマスクフレームとか
らなり,このシャドウマスク構体がマスクフレームの少
なくとも隣接する3側壁部に取付けられパネルに設けら
れた支持ピンに係止する少なくとも3個の弾性支持体に
より支持されてなるカラー陰極線管において、マスクフ
レームのコーナー部の側壁部と内側張出部との境界付近
に管軸に平行かつこのマスクフレームの対角軸に対して
ほぼ垂直な平面部を有する補強ビード部を設けた。
【0022】(2) パネルの内面に設けられた蛍光体
スクリーンと対向するシャドウマスク構体を有し、この
シャドウマスク構体が蛍光体スクリーンと対向する面に
多数の電子ビーム通過孔の形成されたほぼ矩形状のシャ
ドウマスクとこのシャドウマスクが取付けられる側壁部
の蛍光体スクリーンの反対側端部に内側張出部が設けら
れたほぼ矩形状のマスクフレームとからなり,このシャ
ドウマスク構体がマスクフレームの少なくとも隣接する
3側壁部に取付けられ上記パネルに設けられた支持ピン
に係止する少なくとも3個の弾性支持体により支持され
てなるカラー陰極線管において、マスクフレームのコー
ナー部の側壁部と内側張出部との境界付近に管軸に平行
かつ中心角度が鋭角である単一曲面の曲面部を有する補
強ビード部を設けた。
【0023】(3) パネルの内面に設けられた蛍光体
スクリーンと対向するシャドウマスク構体を有し、この
シャドウマスク構体が蛍光体スクリーンと対向する面に
多数の電子ビーム通過孔の形成されたほぼ矩形状のシャ
ドウマスクとこのシャドウマスクが取付けられる側壁部
の蛍光体スクリーンの反対側端部に内側張出部が設けら
れたほぼ矩形状のマスクフレームとからなり,このシャ
ドウマスク構体がマスクフレームの少なくとも隣接する
3側壁部に取付けられ上記パネルに設けられた支持ピン
に係止する少なくとも3個の弾性支持体により支持され
てなるカラー陰極線管において、マスクフレームのコー
ナー部の側壁部と内側張出部との境界付近に管軸に平行
かつ曲率の異なる複数の曲面からなる複合曲面部を有す
る補強ビード部を設けた。
【0024】(4) (1)乃至(3)のいずれかのカ
ラー陰極線管において、マスクフレームのコーナー部の
側壁部を管軸に平行かつマスクフレームの対角軸に対し
てほぼ垂直な平面に形成さした。
【0025】(5) (1)乃至(3)のいずれかのカ
ラー陰極線管において、マスクフレームのコーナー部の
側壁部を管軸に平行かつ少なくとも1つの曲面部と少な
くとも1つの平面部とで形成した。
【0026】(6) (1)乃至(3)のいずれかのカ
ラー陰極線管において、マスクフレームのコーナー部の
側壁部を管軸に平行かつかつ曲率の異なる複数の曲面か
らなる複合曲面に形成した。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0028】図1(a)にその一形態であるカラー陰極
線管の全体の構成を、また、図1(b)にその内側に配
置されるシャドウマスク構体の構成を示す。
【0029】このカラー陰極線管は、ほぼ矩形状のパネ
ル20と漏斗状のファンネル21からなる外囲器を有
し、そのパネル20の内面に3色蛍光体層からなる蛍光
体スクリーン22が設けられ、この蛍光体スクリーン2
2に対向して、その内側に後述する色選別機能を有する
ほぼ矩形状のシャドウマスク構体23が配置されてい
る。一方、ファンネル21のネック25内に3電子ビー
ム26B ,26G ,26Rを放出する電子銃27が配設
されている。そして、この電子銃27から放出される3
電子ビーム26B ,26G ,26R をファンネル21の
外側に装着された偏向ヨーク28により偏向し、シャド
ウマスク構体23により選別して、蛍光体スクリーン2
2を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表示
する構造に形成されている。
【0030】上記シャドウマスク構体23は、パネル2
0の内面に設けられた蛍光体スクリーン22と対向する
曲面からなる有効部30に多数の電子ビーム通過孔が形
成され、この有効面30の周辺部に無孔部31を介して
スカート部32が折曲げ形成されたアンバーなどの低熱
膨張材からなるほぼ矩形状のシャドウマスク33と、側
壁部34およびこの側壁部34の一端部側(電子銃27
側)に内側張出部35が設けられた冷間圧延鋼材からな
るほぼ矩形枠状のマスクフレーム36とから構成されて
いる。これらシャドウマスク33とマスクフレーム36
とは、シャドウマスク33のスカート部32がマスクフ
レーム36の側壁部34の蛍光体スクリーン22側端部
に、図2に示すように、各側壁部34の中央37および
コーナー部38の×印で示した複数の溶接点39で溶接
固定されている。
【0031】そして、このシャドウマスク構体23は、
上記マスクフレーム36の4側壁部34のほぼ中央部3
7に取付けられて、パネル20に設けられた4個の支持
ピン40に係止するステンレス鋼材からなる4個の帯板
状弾性支持体41により支持されている。その4個の弾
性支持体41は、同一寸法、形状に形成されている。
【0032】特にこの実施の形態においては、図3に示
すように、上記マスクフレーム36のコーナー部38の
側壁部34が管軸(Z軸)にほぼ平行かつマスクフレー
ム36の対角軸(D軸)に対してほぼ垂直な平面に形成
され、このコーナー部38の側壁部34と内側張出部3
5との境界付近にマスクフレーム36に突出した補強ビ
ード部42が設けられている。
【0033】この補強ビード部43は、マスクフレーム
36のコーナー部38を中心にして両側がマスクフレー
ム36の長辺および短辺に沿って延在するほぼL字形に
形成され、コーナー部38には、管軸にほぼ平行かつマ
スクフレーム36の対角軸に対してほぼ垂直平面部43
を有する構造に形成されている。
【0034】なお、ここで、マスクフレーム36の対角
軸とは、マスクフレーム36の長辺と短辺の対向する2
つの交点を結ぶ軸を指している。
【0035】上記のようにマスクフレーム36を構成す
ると、カラー陰極線管の製造工程での加熱によるマスク
フレームの菱形変形が抑制され、このマスクフレームの
菱形変形により生ずるシャドウマスク33の塑性変形を
防止できる。したがって、カラー陰極線管の製造工程で
加熱されても、パネル20内面とシャドウマスク33と
の間隔が変化せず、色純度の劣化を防止するカラー陰極
線管を構成することができる。
【0036】すなわち、マスクフレーム36を冷間圧延
鋼材、弾性支持体40をステンレス鋼で形成すると、マ
スクフレーム36の熱膨張率12×10-6mm/℃に対し
て弾性支持体40は、熱膨張率が17×10-6mm/℃と
マスクフレーム36のそれよりも高いため、カラー陰極
線管の製造工程で高温度に加熱されると、図7に示した
ように、マスクフレームと弾性支持体の間に熱膨張差Δ
Lが生じ、マスクフレームの回転がおこる。この場合、
マスクフレームの中心から長辺および短辺中央部までの
距離LV ,LH を、 LV :LH =3:4 とすると、マスクフレーム回転時の長辺中央部および短
辺中央部の回転量RV ,RH は、 RV :RH =3:4 となる。このような回転が生ずると、マスクフレームの
各辺の弾性支持体は、同じ長さに形成され、熱膨張量が
同じであるから、図8に示したように、短辺側の弾性支
持体にマスクフレームの回転を抑えようとする応力Ffb
が生じ、この応力Ffbに対応して長辺側の弾性支持体に
は、マスクフレームをより回転させようとする応力Ffa
が生ずる。これら応力Ffa,Ffbは、マスクフレーム3
6を菱形に変形させる力であるが、この実施の形態のマ
スクフレーム36は、上記応力Ffa,Ffbが集中するコ
ーナー部38に、管軸にほぼ平行かつマスクフレーム3
6の対角軸に対してほぼ垂直かつ平面部を有する補強ビ
ード部43を形成して、コーナー部38の剛性を高くし
たので、上記応力Ffa,Ffbによる菱形変形を抑制し
て、シャドウマスク33の変形を防止する。したがっ
て、カラー陰極線管の製造工程で加熱されても、パネル
20内面とシャドウマスク33との間隔が変化せず、色
純度の劣化を防止することができる。
【0037】つぎに、形状の異なるマスクフレームにつ
いて説明する。
【0038】上記実施の形態では、マスクフレームのコ
ーナー部に管軸にほぼ平行かつマスクフレームの対角軸
に対してほぼ垂直かつ平面部を有する補強ビード部を設
けたが、図4(a)に示すように、この補強ビード部4
3は、コーナー部38に管軸に平行かつ中心角度θ1 が
鋭角である単一なRの円弧面を有する形状としてもよ
い。また、同(b)に示すように、管軸にほぼ平行かつ
曲率の異なる3個の円弧面からなる複合曲面部を有する
形状としてもよい。このような補強ビード部43を設け
ても、コーナー部に平面部を有する補強ビード部を設け
たマスクフレームと同様の補強効果が得られる。
【0039】また、上記実施の形態では、マスクフレー
ムのコーナー部の側壁をマスクフレームの対角軸に対し
てほぼ垂直な平面としたが、このコーナー部の側壁は、
対角軸に対して垂直でない平面の場合にも適用できる。
この場合得られる効果は、対角軸に対してほぼ垂直な場
合にくらべて劣るが、なお、十分な効果が得られる。
【0040】また、上記実施の形態では、マスクフレー
ムのコーナー部の側壁を管軸にほぼ平行かつマスクフレ
ームの対角軸に対してほぼ垂直な平面に形成したが、図
5(a)に示すように、マスクフレーム36のコーナー
部38の側壁を、マスクフレーム36のコーナー部38
を中心角度θ2 が鋭角な単一な円弧面47と、この円弧
面47の両側に長辺および短辺側壁部34と同一面を構
成する平面部48とで構成してもよい。また、同(b)
に示すように、マスクフレーム36のコーナー部38の
側壁を曲率の異なる3つ以上の円弧面49a ,49b ,
49c からなる複合円弧面50で構成してもよい。
【0041】このようなコーナー部38に対して、図3
に示したマスクフレームの対角軸に対してほぼ垂直平面
部を有する補強ビード、あるいは図4に示した中心角度
が鋭角である単一な円弧面を有する補強ビードなど、い
ずれの補強ビードも任意に形成することができる。
【0042】なお、上記実施の形態では、マスクフレー
ムの各辺の側壁部に弾性支持体を取付けてシャドウマス
ク構体を支持する場合について説明したが、この発明
は、マスクフレームの隣接する3辺の側壁部に弾性支持
体を取付けてシャドウマスク構体を支持する場合に適用
しても、同様の効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】上述のようにマスクフレームを構成する
と、カラー陰極線管の製造工程で加熱によりマスクフレ
ームと弾性支持体とに熱膨張差が生じ、マスクフレーム
が菱形に変形し、シャドウマスクの対角部近傍が塑性変
形するために生ずる色純度の劣化を防止するカラー陰極
線管を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の実施の一形態であるカ
ラー陰極線管の構成を示す図、図1(b)はそのシャド
ウマスク構体の構成を示す図である。
【図2】図2(a)および(b)はそれぞれ上記シャド
ウマスク構体のシャドウマスクとマスクフレームとの溶
接位置を示す図である。
【図3】図3(a)は上記マスクフレームの構成を示す
斜視図、図3(b)はその平面図である。
【図4】図4(a)および(b)はそれぞれ異なるマス
クフレームのコーナー部の構成を示す図である。
【図5】図5(a)および(b)はそれぞれ異なるマス
クフレームのコーナー部の形状を示す図である。
【図6】図6(a)は従来のパネルとシャドウマスク構
体との組合わせを示す背面図、図6(b)はその断面図
である。
【図7】マスクフレームと弾性支持体との熱膨張差を説
明するための図である。
【図8】加熱によるマスクフレームの回転を説明するた
めの図である。
【図9】図9(a)乃至(c)はそれぞれ加熱によるシ
ャドウマスクの変形を説明するための図である。
【符号の説明】
20…バネル 22…蛍光体スクリーン 23…シャドウマスク構体 30…有効部 33…シャドウマスク 34…側壁部 36…マスクフレーム 38…コーナー部 40…支持ピン 41…弾性支持体 42…内側張出部 43…補強ビード部 45…円弧面 47…円弧面 49a ,49b ,49c …曲面 50…複合円弧面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルの内面に設けられた蛍光体スクリ
    ーンと対向するシャドウマスク構体を有し、このシャド
    ウマスク構体が上記蛍光体スクリーンと対向する面に多
    数の電子ビーム通過孔の形成されたほぼ矩形状のシャド
    ウマスクとこのシャドウマスクが取付けられる側壁部の
    上記蛍光体スクリーンの反対側端部に内側張出部が設け
    られたほぼ矩形状のマスクフレームとからなり,このシ
    ャドウマスク構体が上記マスクフレームの少なくとも隣
    接する3側壁部に取付けられ上記パネルに設けられた支
    持ピンに係止する少なくとも3個の弾性支持体により支
    持されてなるカラー陰極線管において、 上記マスクフレームのコーナー部の側壁部と内側張出部
    との境界付近に管軸に平行かつこのマスクフレームの対
    角軸に対してほぼ垂直な平面部を有する補強ビード部が
    設けられていることを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 パネルの内面に設けられた蛍光体スクリ
    ーンと対向するシャドウマスク構体を有し、このシャド
    ウマスク構体が上記蛍光体スクリーンと対向する面に多
    数の電子ビーム通過孔の形成されたほぼ矩形状のシャド
    ウマスクとこのシャドウマスクが取付けられる側壁部の
    上記蛍光体スクリーンの反対側端部に内側張出部が設け
    られたほぼ矩形状のマスクフレームとからなり,このシ
    ャドウマスク構体が上記マスクフレームの少なくとも隣
    接する3側壁部に取付けられ上記パネルに設けられた支
    持ピンに係止する少なくとも3個の弾性支持体により支
    持されてなるカラー陰極線管において、 上記マスクフレームのコーナー部の側壁部と内側張出部
    との境界付近に管軸に平行かつ中心角度が鋭角である単
    一曲面の曲面部を有する補強ビード部が設けられている
    ことを特徴とするカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 パネルの内面に設けられた蛍光体スクリ
    ーンと対向するシャドウマスク構体を有し、このシャド
    ウマスク構体が上記蛍光体スクリーンと対向する面に多
    数の電子ビーム通過孔の形成されたほぼ矩形状のシャド
    ウマスクとこのシャドウマスクが取付けられる側壁部の
    上記蛍光体スクリーンの反対側端部に内側張出部が設け
    られたほぼ矩形状のマスクフレームとからなり,このシ
    ャドウマスク構体が上記マスクフレームの少なくとも隣
    接する3側壁部に取付けられ上記パネルに設けられた支
    持ピンに係止する少なくとも3個の弾性支持体により支
    持されてなるカラー陰極線管において、 上記マスクフレームのコーナー部の側壁部と内側張出部
    との境界付近に管軸に平行かつ曲率の異なる複数の曲面
    からなる複合曲面部を有する補強ビード部が設けられて
    いることを特徴とするカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】 マスクフレームのコーナー部の側壁部が
    管軸に平行かつマスクフレームの対角軸に対してほぼ垂
    直な平面に形成されていることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のカラー陰極線管。
  5. 【請求項5】 マスクフレームのコーナー部の側壁部が
    管軸に平行かつ少なくとも1つの曲面部と少なくとも1
    つの平面部とで形成されていることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のカラー陰極線管。
  6. 【請求項6】 マスクフレームのコーナー部の側壁部が
    管軸に平行かつかつ曲率の異なる複数の曲面からなる複
    合曲面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載のカラー陰極線管。
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