JP2000241503A - Ic試験装置及びその装置を用いる試験方法 - Google Patents

Ic試験装置及びその装置を用いる試験方法

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JP2000241503A
JP2000241503A JP11360498A JP36049899A JP2000241503A JP 2000241503 A JP2000241503 A JP 2000241503A JP 11360498 A JP11360498 A JP 11360498A JP 36049899 A JP36049899 A JP 36049899A JP 2000241503 A JP2000241503 A JP 2000241503A
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Yoshihiro Hashimoto
好弘 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直流試験と機能試験の切替えを半導体スイッチ
を用いて行い、かつ、機能試験時にテストパターンの波
形に影響を与えることなく直流過負荷試験を可能とす
る。 【解決手段】電圧測定のためのセンス線SENと、電流
供給用のフォース線FORのそれぞれを第1スイッチS
1及び第2スイッチS2を通じて被試験IC10の端子
Pに接続し、機能試験装置40を第3スイッチS3を通
じて被試験ICの端子Pに接続して構成されるIC試験
装置において、第1乃至第3スイッチS1〜S3を半導
体スイッチで構成すると共に第1スイッチS1及び第2
スイッチS2の被試験ICの端子Pに接続した端子とは
反対側の端子間にオン抵抗が小さい半導体スイッチで構
成した第4スイッチS4を接続し、直流試験における過
負荷試験時にこの第4スイッチS4をオンに制御して試
験を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被試験ICの端
子に直流電流又は直流電圧を印加した時、その端子に現
れる電圧又は電流の特性を試験する直流試験と、被試験
ICの動作が正常か否かを試験する機能試験とを実行す
るIC試験装置及びその装置を用いる試験方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図1に従来のIC試験装置の概要を示
す。IC試験装置20は直流試験装置30と、機能試験
装置40と、これらを制御する制御装置50とを具備し
て構成される。直流試験には、被試験IC10の端子P
に既知の電流を印加した状態でその端子Pに発生する電
圧VXを測定し、その電圧VXが予め予定した電圧範囲
に入っているか否かを試験する電流印加電圧測定試験
と、被試験ICの端子Pに規定の電圧を印加した状態
で、予め予定した電流が流れるか否かを試験する電圧印
加電流測定試験とが行われる。
【0003】図1中の直流試験装置30は電流印加電圧
測定試験を行う状態の構成を示している。つまり電流印
加電圧測定試験では直流試験装置30には電流源31と
電圧測定手段32とが設けられる。電流源31は既知の
値を持つ電流ISをフォース(force)線FORを
通じて被試験IC10の端子Pに供給する。電圧測定手
段32はその時、被試験IC10の端子Pに発生する電
圧VXをセンス線SENを通じて測定する。
【0004】図2と図3に被試験IC10の出力手段6
0に用いられるPチャンネル型FET61と、Nチャン
ネル型FET62の各電流−電圧特性の測定結果に基づ
く各最大保証値特性線CL1とCL2、最小保証値特性
線CL3とCL4をそれぞれグラフで示す。電流印加電
圧測定試験では予め予定した電流IOH又はIOLを端
子Pへ供給してそのとき端子Pに発生する電圧VDSを
測定し、電圧−電流特性が最大保証値特性線と最小保証
値特性線との範囲に入っているか否かにより被試験IC
の良否が判定される。
【0005】センス線SENとフォース線FORにはそ
れぞれ第1スイッチS1と第2スイッチS2とが直列に
挿入される。これらの第1スイッチS1と第2スイッチ
S2は制御装置50により直流試験時はオンに制御さ
れ、機能試験時はオフに制御される。図1中で第1スイ
ッチS1内に示す抵抗R1は、第1スイッチS1をオン
にした時のスイッチの抵抗、いわゆるオン抵抗を示し、
同様に第2スイッチS2内に示す抵抗R2は、第2スイ
ッチS2のオン抵抗を示す。
【0006】機能試験装置40は被試験IC10に試験
パターン信号を印加するドライバDRと、被試験IC1
0が出力する応答信号の論理レベルの電圧が正規の電圧
に達しているか否かを判定する電圧比較器CPと、機能
試験中に被試験IC10の端子Pに所定の電流IH及び
ILが流れるか否かを試験するプログラマブルロードP
Lとが設けられ、これらドライバDRと電圧比較器CP
とプログラマブルロードPLとの共通接続点は第3スイ
ッチS3を通じて被試験IC10の端子Pに接続され
る。機能試験装置40は図に示していないが公知のIC
試験装置と同様に、ドライバDRに印加するテストパタ
ーンを発生するための機能、電圧比較器CPの出力から
設定したタイミングで正しい論理レベルが得られるかを
確認するための機能などが設けられている。機能試験に
おいて被試験IC10が端子Pより出力する電圧が正し
い論理レベルであるかを調べる際には、ドライバDRの
出力インピ−ダンスが十分大とされドライバDRが電圧
比較器CPから実質的に切り離された状態に制御され、
電圧比較器CP1の反転入力端子に、高(H)論理レベ
ルの基準電圧VOHが設定され、電圧比較器CP2の非
反転入力端子に低(L)論理レベルの基準電圧VOLが
設定され、被試験IC10の端子Pからの出力電圧は電
圧比較器CP1およびCP2により各基準電圧VOH及
びVOLとそれぞれ比較され、被試験IC10の出力電
圧が正しい高論理レベルであれば、電圧比較器CP1は
高レベルを出力し、被試験IC10の出力電圧が正しい
低論理レベルであれば、電圧比較器CP2は高レベルを
出力する。前記ドライバDRの出力インピ−ダンスを十
分大にしたり、前記基準電圧VOH、VOLの設定は制
御装置50で行う。また機能試験時は制御装置50によ
りこの第3スイッチS3がオンに制御され、第1スイッ
チS1、第2スイッチS2はオフに制御される。
【0007】図4に電圧印加電流測定試験を行う直流試
験装置30の構成を示す。この場合には電流源31を構
成する演算増幅器OPの非反転入力端子に電圧源33か
ら電圧EVを印加し、演算増幅器OPの出力端子をフォ
ース線FORを通じて被試験IC10の端子Pに接続
し、そのフォース線FORは電流検出用抵抗器Riと第
2スイッチS2を直列に挿入し、被試験IC10の端子
Pに電圧を印加し、端子Pの電圧をセンス線SENと第
1スイッチS1を通じて演算増幅器OPの反転入力端子
に帰還させる。この帰還によって被試験IC10の端子
Pに与えられる電圧EV′を電圧源33の電圧EVと等
しい状態に維持させる。この構成により電圧源33の電
圧EVを任意値に設定することにより被試験IC10の
端子Pに任意で既知の値を持つ電圧を印加することがで
きる。既知の電圧を印加した状態で電流検出用抵抗器R
iに発生する電圧を電圧測定手段34で測定し、フォー
ス線FORを通じて被試験ICに供給され又は被試験I
Cからフォース線FORへ排出される電流IOL又はI
OHを測定する。つまり、電流検出用抵抗器Riと電圧
測定手段34によって電流測定手段IMを構成してい
る。
【0008】この電圧印加電流測定試験の場合も第1ス
イッチS1と第2スイッチS2をオンに制御し、機能試
験時にはこれら第1スイッチS1と第2スイッチS2を
オフに制御して直流試験装置30を被試験IC10の端
子Pから引き離す。また直流試験時は第3スイッチS3
をオフに制御して機能試験装置40を被試験ICの端子
Pから引き離す構成とされることは図1に示した構成と
同じである。これらの制御は制御装置50により行われ
る。
【0009】上述したように直流試験時には機能試験装
置40を切り離すために第3スイッチS3が設けられ、
機能試験時は直流試験装置30を切り離すために第1ス
イッチS1及び第2スイッチS2を設けている。これら
第1スイッチS1乃至第3スイッチS3は従来はリード
リレーを用いて構成している。リードリレーを用いてい
る理由はこれら第1乃至第3スイッチS1,S2,S3
のオン抵抗R1,R2,R3が小さく、また電流容量が
0.3〜0.5A程度と比較的大きいため、被試験IC
10に流す程度の電流はリードリレー1本で充分流せる
ためである。
【0010】つまり、直流試験には通常の電流領域(4
〜50mA程度)で被試験ICの直流特性を試験するモ
ードと、短絡時に規定の電流が流れるか否かを見る過負
荷試験とがあるが、過負荷試験といってもそのとき流れ
る過負荷電流は高々、50mA〜200mA程度である
ため1本のリードリレーで充分足りるのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リードリレ
ーは機械式接点構造であるため、そこには寿命に限界を
有し、信頼性と耐久性に問題があった。この点から、図
5に示すように第1〜第3スイッチS1,S2,S3に
半導体スイッチを用いることが考えられる。この半導体
スイッチは例えば発光素子の発光によりオフからオンに
制御される形式の半導体スイッチ素子が一般的に使用可
能である。この半導体スイッチを用いた場合には信頼性
及び耐久性を向上できる反面次のような不都合が生じ
る。
【0012】つまり、半導体スイッチS1,S2,S3
には比較的大きいオン抵抗R1,R2,R3が存在する
ことと、オフ時のオフ容量(機械式接点の場合オフ時の
接点間容量)が比較的大きい欠点がある。つまり直流試
験を考慮すると、比較的大きいオン抵抗が存在すること
により、大きな電流が流せなくなる不都合が生じる。ま
た機能試験を考慮すると、機能試験時には図6に示すよ
うにドライバDRの出力側に第3スイッチS3のオン抵
抗R3が信号伝送線LINに直列挿入されると共に、直
流試験装置30を負荷として信号伝送線LINに第1ス
イッチS1、及び第2スイッチS2のオフ容量C1とC
2の並列接続を通じて共通電位点に流れる電流が生じ
る。直流試験装置30のインピーダンスが小さい場合は
このオフ容量C1とC2の容量値が大きくなると直流試
験装置30側に流れる電流が大きくなり、信号伝送線L
INを伝送される試験パターン信号の波形品位を著しく
劣化させる不都合が生じる。
【0013】また過負荷試験を行うためには第2スイッ
チS2には電流容量が大きいことが要求されるため、オ
ン抵抗R2が小さい半導体スイッチを第2スイッチS2
として用いることが望ましい。オン抵抗R2が小さい半
導体スイッチを製造すると、その半導体スイッチは電流
通過部分の断面積を大きくしなければならないため、オ
フ容量C2が大きくなってしまう不都合が生じる。また
オフ容量C2が小さい半導体スイッチを製造すると今度
はオン抵抗が大きくなってしまう不都合が生じ、互いに
相反する条件になっている。このため、オフ容量が小さ
い半導体スイッチを複数並列接続してオン抵抗が小さい
半導体スイッチを構成することが考えられるが、このよ
うに構成した場合にはオフ容量が複数並列接続されるた
めかえってオフ容量が大きくなってしまう不都合が生じ
る。また最近の傾向としては機能試験の動作速度を益々
高速化しなければならないため、スイッチS1とS2に
は極めて小さいオフ容量(例えば1PF以下)が要求さ
れている。オフ容量が1PF以下の半導体スイッチの製
造は不可能でないにしても、その半導体スイッチのオン
抵抗は大きくなり、大きな電流を流す第2スイッチS2
として利用するには電流容量が不足する欠点がある。
【0014】このような理由からスイッチS1,S2と
して半導体スイッチを用いた場合には、過負荷試験を行
うことができない大きな不都合が生じる。この発明の目
的は直流試験装置の出力側に接続され、直流試験装置を
被試験ICの端子に接続したり、その接続を断にする第
1スイッチ、第2スイッチS1,S2を半導体スイッチ
によって構成すると共に、直流試験時に過負荷試験をも
行うことができるIC試験装置を提供しようとするもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は電圧測定手段
と電流源とを具備し、これら電圧測定手段と電流源とを
第1スイッチ及び第2スイッチをそれぞれ通じて被試験
ICの端子に接続して被試験ICの直流試験を実行する
直流試験装置を具備するIC試験装置に関する。この発
明では第1スイッチ、第2スイッチを半導体スイッチで
構成すると共に、第1スイッチと第2スイッチの各直流
試験装置側間に半導体スイッチからなる第4スイッチが
接続される。更に被試験ICの端子に第3スイッチを通
じて被試験ICの機能試験を実行する機能試験装置を具
備し、その第3スイッチは必要に応じて半導体スイッチ
で構成されている。
【0016】また、過負荷試験を行う場合に、第3スイ
ッチをオンの状態に制御して機能試験装置を被試験IC
の端子に接続し、被試験ICの端子に発生する電圧が、
機能試験装置に備えた電圧比較器によって所定値以上か
否か判定する手段を備える。第1スイッチ及び第2スイ
ッチはオフ容量が小さい半導体スイッチであり、第4ス
イッチは、第1スイッチ及び第2スイッチのオン抵抗よ
りもオン抵抗が小さい半導体スイッチである。
【0017】この発明のIC試験装置によれば直流試験
の特に過負荷試験時は第4スイッチをオンに制御して、
この第4スイッチを通じて電流源に電圧測定側のセンス
線を接続し、第1スイッチと第2スイッチとが並列接続
状態となり、電流源から被試験ICの端子に過電流を供
給することができる。従って第1スイッチと第2スイッ
チはオフ容量が小さく、オン抵抗が大きくてもこれら第
1スイッチと第2スイッチは並列接続されるため、第1
スイッチ及び第2スイッチの各オン抵抗がほぼ等しけれ
ばその並列接続のオン抵抗の値は単独のオン抵抗の約半
分となり、大きい電流値を持つ過負荷電流を充分に流す
ことができる。
【0018】また、第1スイッチと第2スイッチのオフ
容量が1PF程度又はそれ以下と充分小さい半導体スイ
ッチが用いられていることにより、機能試験時に、直流
試験装置を負荷として流れる電流は無視でき、被試験I
Cに供給する試験パターン信号の波形劣化を最小限に抑
えることができる。過負荷試験時は直流試験装置の電圧
測定系が使用できない状態になるが、先に述べたように
機能試験装置の電圧比較器を用いる被試験ICの端子の
電圧が所定値以上か否かの判定をするようにすれば、構
成要素の増加をもたらすことなく、過負荷試験を実行す
ることができる。
【0019】更に、第1、第2スイッチはオン抵抗をほ
ぼ等しくし、半導体スイッチを用い、これらオン抵抗に
対し第4スイッチのオン抵抗が小さい半導体スイッチを
用いる場合は、過負荷試験時に第4スイッチをオンにす
ると、第1スイッチと第2スイッチのそれぞれを流れる
電流に大きな差が発生することはない。つまり第1スイ
ッチと第2スイッチにはほぼ均等な電流を流すことがで
き、一方の半導体スイッチに片寄った電流が流れること
を阻止することができる。第4スイッチのオン抵抗は小
さい程よいが、第1スイッチ及び第2スイッチの各オン
抵抗より少なくとも1桁以上小さいことが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】図7にこの発明によるIC試験装
置の一実施例を示し、図5と対応する部分に同一符号を
付けてある。この実施例では図1と同様に電流印加電圧
測定試験を行う直流試験装置30の構成にこの発明を適
用した場合を示す。この発明では第1スイッチS1と第
2スイッチS2及び第3スイッチS3の全てを半導体ス
イッチに置き替えると共に、第1スイッチS1と第2ス
イッチS2の被試験IC10の端子Pを接続した側とは
反対側、つまり直流試験装置30側の端子間に第4スイ
ッチS4を接続した構成を特徴とするものである。
【0021】第1スイッチS1乃至第4スイッチS4は
図5で説明した半導体スイッチと同様、例えば発光素子
の発光によりオン、オフ制御される形式の半導体スイッ
チを用いるとよい。第1スイッチS1及び第2スイッチ
S2はそれぞれオン抵抗R1及びR2が多少大きくても
オフ容量が小さい、例えばオン抵抗が20Ω程度、オフ
容量が1PF以下の半導体スイッチを用いる。第4スイ
ッチS4はオフ容量が大きくてもオン抵抗R4が第1ス
イッチS1及び第2スイッチS2の各オン抵抗より小さ
い半導体スイッチを用いる。第3スイッチS3は特に制
限を付する必要はないが、伝送ラインのインピーダンス
を一定に保つために、オン抵抗R3の変化値が小さい半
導体スイッチを用いるほうがよい。
【0022】通常の電流領域(4〜50mA)程度の直
流試験を行う場合は第1スイッチS1及び第2スイッチ
S2をオン状態に、第3スイッチS3及び第4スイッチ
S4はオフの状態に、制御装置50により制御される。
従って電流源31から被試験IC10にフォース線FO
Rを通じて電流ISを供給し、その電流ISを流した状
態で端子Pに発生する電圧はセンス線SENを通じて電
圧測定手段32によって正確に測定することができる。
つまり、この試験は図1で説明した電流印加電圧測定試
験と同じである。
【0023】一方、過負荷時の電流印加電圧測定試験を
実行する場合は、第4スイッチS4もオンの状態に制御
装置50により制御する。この状態では電流源31には
電圧測定側の第1スイッチS1とセンス線SENが第4
スイッチS4を通じて接続され、第1スイッチS1と第
2スイッチS2は第4スイッチS4を介して互いに並列
接続される。このため、第1スイッチS1と第2スイッ
チS2のオン抵抗がほぼ等しければ第1スイッチS1と
第2スイッチS2のオン抵抗はこの並列接続により等価
的に約1/2に半減し、電流源31より端子Pへ多くの
電流を流すことができる。このような効果が得られるた
めには、第4スイッチS4のオン抵抗は、第1スイッチ
S1のオン抵抗、第2スイッチS2のオン抵抗より1桁
以上小さいことが好ましい。機能試験の際には第1スイ
ッチS1と第2スイッチS2がオフとされ、これら第1
スイッチS1、第2スイッチS2の各オフ容量が例えば
1PF以下と小さいため、そのインピーダンスが十分大
であって、テストパターン信号が直流試験装置30側に
流れるおそれがなく、テストパターン信号の波形が劣化
するおそれはない。
【0024】このように過負荷試験時は第1スイッチS
1と第4スイッチS4に電流が流れるため、これらの第
1スイッチS1及び第4スイッチS4に発生する電圧降
下が、電圧測定手段32による端子Pの電圧測定値に誤
差として混入する恐れがある。然し乍らこの過負荷試験
時には機能試験装置40に設けた電圧比較器CPで端子
Pに発生する電圧が正規の値であるか否かを判定するこ
とができる。つまり電圧比較器CPに設定する基準電圧
VOH又はVOLを正規の電圧に設定することにより、
端子Pに発生する電圧が規定の範囲を満たしているか否
かを判定することができる。この場合は第3スイッチS
3をオンにしかつ、被試験IC10からの入力信号パタ
ーンが高レベルか、低レベルかを判定する場合に行われ
ている様に、ドライバDRの出力インピーダンスが十分
大きくなるように、つまりドライバDRが実質的に切り
離された状態になるように制御装置50により制御す
る。
【0025】例えば被試験IC10の内部インピーダン
スが5Ωである場合に200mAの過負荷電流を被試験
IC10の端子Pに供給したとすると、端子PにはVX
=5Ω×200mA=1Vが発生するはずである。従っ
て電流源31から被試験IC10の端子に200mAを
印加し、この時端子Pに1V以上の電圧が発生すれば内
部インピーダンスが5Ω以上存在することを意味し、良
品と判定する。機能試験装置40に設けた電圧比較器C
Pを用いて端子Pに1Vの電圧が発生したか否かを判定
するには例えば電圧比較器CP1に与える基準電圧VO
Hを1Vに設定すると、電圧比較器CP1の比較判定出
力電圧がH論理レベルであるかL論理レベルであるかに
よって被測定電圧VXが1V以上か以下かを判定するこ
とができる。電圧比較器CP2の基準電圧VOLに1V
を設定し、電圧比較器CP2の出力がL論理レベルなら
良品と判定してもよい。この場合のVOH,VOLの電
圧設定、比較判定結果の出力は制御装置50で行う。
【0026】尚、過負荷試験時に端子Pに発生する電圧
の値VXを測定したい場合には、図7中のスイッチS
1、S2、S4の回路部分を、図8に示すようにセンス
線SENに挿入された抵抗RSの等価抵抗器と、フォー
ス線FORに挿入された抵抗RFの等価抵抗器と、セン
ス線SENとフォース線FORの両等価抵抗器と端子P
の間に挿入された抵抗ROの等価抵抗器との等価回路で
表わすことができる。つまり第1スイッチS1、第2ス
イッチS2、第4スイッチの各オン抵抗を測定し、これ
ら測定値を用いて等価抵抗RS、RF、ROの値を予め
求めておくことにより、つまり第1スイッチS1、第2
スイッチS2、第4スイッチS4の各オン抵抗よりなる
回路をΔ−Y(デルタ−スター)変換して等価抵抗R
S、RF、ROを求め、電圧測定手段32の測定値から
端子Pに発生する電圧VXの値を以下に述べるように演
算により求めることができる。
【0027】ここで、第1スイッチS1、第2スイッチ
S2のオン抵抗R1とR2及び第4スイッチS4のオン
抵抗R4より、図8に示す等価抵抗RS、RF、ROは
次式により求めることができる。
【0028】
【数1】 例えばR1=20Ω、R2=20Ω、R4=1Ωとする
と、RS=0.49Ω、RF=0.49Ω、RO=9.
76Ωとなる。等価抵抗RSの等価抵抗器と等価抵抗R
Fの等価抵抗器との接続点64の電圧Voが電圧測定手
段32で測定されることになり、電流源31の供給電流
をIDCとすると、 Vo=VX+(RO×IDC) となる。従って求めるVXは VX=Vo−(RO×IDC) で求めることができる。例えば、測定された電圧Voが
2.952V、RO=9.76Ω、IDC=200mAと
すると、 VX=2.952V−(9.76Ω×200mA)=1
V となる。
【0029】従って、制御装置50で、電圧測定手段3
2によって測定した電圧値Voから、予め求めておいた
値RO×IDCを差し引くことにより、端子Pに発生する
電圧VXを算出することができ、この算出結果により過
負荷試験で良品か否かを判定することができる。図9は
図4で説明した電圧印加電流測定試験を行う構成の直流
試験装置30にこの発明を適用した場合を示す。この実
施例でも第1スイッチS1と第2スイッチS2の被試験
IC10を接続した側とは反対側の端子間に、オン抵抗
が小さい半導体スイッチで構成した第4スイッチS4を
接続し、過負荷試験時はこの第4スイッチS4をオンに
制御して電流容量を増強する構成とするものである。
【0030】この電圧印加電流測定モードの場合も、通
常の4〜50mA程度の電流領域での電圧印加電流測定
試験は第4スイッチS4をオフに制御して実行される。
従ってこの場合には第1スイッチS1のオン抵抗R1に
は電流が全く流れないものとして見ることができ、また
第2スイッチS2のオン抵抗R2の電圧降下はセンス線
SENを通じて演算増幅器OPに帰還されるから、被試
験IC10の端子Pに印加する電圧は電圧源33の電圧
EVにほぼ等しい電圧に維持することができ、その印加
電圧の条件で被試験IC10に流れ込む電流IOL又は
流れ出す電流IOHを測定することができる。
【0031】この電圧印加電流測定モードにおいて、過
負荷試験を行う場合には、通常の電圧印加電流測定モー
ドの装置で更に第4スイッチS4をオンに制御して実行
する。第4スイッチS4をオンに制御した場合には図8
に示した等価回路と同様に、スイッチS1,S2,S4
の回路の部分を図10に示すように等価抵抗RS,R
F,ROの3つの等価抵抗器のスター接続の等価回路で
表わし、その被試験IC10の端子P側の、等価抵抗R
Oの等価抵抗器における電圧降下分を補償して過負荷時
の電圧印加電流測定試験を実行する。
【0032】第1スイッチS1のオン抵抗R1が20
Ω、第2スイッチS2のオン抵抗R2が20Ω、第4ス
イッチS4のオン抵抗R4が1Ωとすると、先に示した
式(1)によりRS=0.49Ω、RF=0.49Ω、
RO=9.76Ωとなる。被試験IC10の規格とし
て、端子Pに印加する電圧VX(試験電圧)が1V、過
負荷電流IOLの最小値IOL(MIN) が100mA、過
負荷電流の最大値IOL(MAX) が200mAであったと
すると、最小値過負荷電流100mAと最大値過負荷電
流200mAがそれぞれ流れた状態でVX=1Vを維持
させるためには等価抵抗ROの等価抵抗器における電圧
降下を考慮すると、三つの等価抵抗器の接続点64の電
圧Voの最大値Vo(MAX) と最小値Vo(MIN) は次式で
求まる。
【0033】 Vo(MAX) =(RO×IOL(MAX) )+(VX) =(9.76Ω×200mA)+(1V)=2.952V Vo(MIN) =(RO×IOL(MIN) )+(VX) =(9.76Ω×100mA)+(1V)=1.976V つまり、制御装置50により、図10中三つの等価抵抗
器の接続点64の電圧Voが2.952Vとなるよう
に、また1.976Vとなるように電圧源33の電圧E
Vをそれぞれ設定し、それぞれの電圧を被試験IC10
の端子Pに印加した状態で電流測定手段IMに流れる電
流を測定する。Vo=2.952Vのとき電流が200
mA以下で、Vo=1.976Vの時100mA以上で
あれば良品と判定する。
【0034】このように第1スイッチS1、第2スイッ
チS2をオン抵抗が比較的大きい半導体スイッチに置き
換えても、これらのオン抵抗に対し1桁以上オン抵抗が
小さい第4スイッチを、第1スイッチS1、第2スイッ
チS2の直流試験装置側間に接続することにより、過負
荷時の電圧印加電流測定試験を行うことができる。上述
においては第3スイッチS3も半導体スイッチとした
が、半導体スイッチとして、高速テストパターン信号に
適するものが入手し難い場合は、第3スイッチS3とし
てリードリレーなど他のスイッチを用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
第1スイッチS1、第2スイッチS2を半導体スイッチ
に置き替えることにより、耐久性及び信頼性の高いIC
試験装置を提供することができる。然も、これら第1ス
イッチS1と第2スイッチS2の各被試験IC10の接
続側とは反対側の端子間にオン抵抗が小さい第4スイッ
チS4を並列接続し、第4スイッチS4の小さいオン抵
抗により、第1スイッチS1と第2スイッチS2は実質
的に並列接続される。つまり、第1スイッチS1と第2
スイッチS2が比較的大きいオン抵抗を具備していたと
してもこれらのオン抵抗の組合せは等価的に抵抗値は減
少される。よって第1スイッチS1と第2スイッチS2
とを通じて過負荷試験のための過電流を流すことができ
る。
【0036】更に、第1スイッチS1と第2スイッチS
2はオフ容量が小さいスイッチ素子を用いるから、機能
試験時に高速の試験パターン信号が伝送線路に供給され
ても、試験パターン信号の波形の劣化を抑えることがで
きる利点が得られる。従ってこの発明によればわずかな
構成を付加するだけで耐久性及び信頼性が高く、然も過
負荷試験も実行できるIC試験装置及びその装置を用い
た試験方法を提供することができ、その効果は実用に供
して頗る大である。
【0037】この発明は上述した実施例に限らずこの発
明の精神を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電流印加電圧測定を行う従来の技術を説明する
ためのブロック図。
【図2】試験対象となるICに組み込まれている出力段
のPチャンネル型FETの電流−電圧特性を説明するた
めのグラフ。
【図3】試験対象となるICに組み込まれている出力段
のNチャンネル型FETの電流−電圧特性を説明するた
めのグラフ。
【図4】電圧印加電流測定を行う従来の技術を説明する
ためのブロック図。
【図5】従来技術より考えられる技術を説明するための
ブロック図。
【図6】図5に示したブロック図においてスイッチS1
及びS2がオフ、スイッチS3がオンの場合のこれらス
イッチを含む部分の等価回路を示す図。
【図7】この発明の一実施例を説明するためのブロック
図。
【図8】図7に示した実施例の動作を説明するための等
価回路図。
【図9】この発明の変形実施例を説明するためのブロッ
ク図。
【図10】図9に示した実施例の動作を説明するための
等価回路図。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧測定手段と電流源を備えた直流試験装
    置と、機能試験装置を具備したIC試験装置において、 上記電圧測定手段を被試験ICの端子に接続する半導体
    スイッチで構成された第1スイッチと、 上記電流源を上記被試験ICの端子に接続する半導体ス
    イッチで構成された第2スイッチと、 上記第1スイッチ及び上記第2スイッチの各上記直流試
    験装置側との間に接続され、半導体スイッチで構成され
    た第4スイッチを具備することを特徴とする。
  2. 【請求項2】請求項1記載のIC試験装置において、 上記機能試験装置を上記被試験ICの端子に接続する第
    3スイッチを備える。
  3. 【請求項3】請求項2記載のIC試験装置において、 上記電流源から上記被試験ICの端子に過負荷電流を供
    給して過負荷試験を行う際に、上記第1スイッチ、上記
    第2スイッチ、上記第3スイッチ、上記第4スイッチを
    オン状態にし、上記被試験ICの端子に発生する電圧
    が、上記機能試験装置内の電圧比較器で規定値以上か否
    かを判定する手段を備える。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載のIC試験装置におい
    て、 上記第3スイッチは半導体スイッチにより構成されてい
    る。
  5. 【請求項5】設定電圧発生器、その設定電圧発生器の発
    生電圧と、帰還電圧が入力される演算増幅器、その演算
    増幅器の出力電流を測定する電流測定手段を備えた直流
    試験装置と、機能試験装置を具備したIC試験装置にお
    いて、 上記演算増幅器の出力側を被試験ICの端子に接続する
    半導体スイッチで構成された第1スイッチと、 上記演算増幅器の帰還電圧が与えられる端子を上記被試
    験ICの端子に接続する半導体スイッチで構成された第
    2スイッチと、 上記第1スイッチ及び上記第2スイッチの各上記直流試
    験装置側の間に接続され、半導体スイッチで構成された
    第4スイッチを具備することを特徴とする。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れかに記載のIC試験
    装置において、 上記第4スイッチのオン抵抗は、上記第1スイッチ及び
    上記第2スイッチの各オン抵抗より小さい。
  7. 【請求項7】請求項6記載のIC試験装置において、 上記第1スイッチのオン抵抗と上記第2スイッチのオン
    抵抗がほぼ等しく、上記第4スイッチのオン抵抗は上記
    第1スイッチ及び第2スイッチの各オン抵抗より1桁以
    上小さい。
  8. 【請求項8】電流源及び電圧測定手段を備えた直流試験
    装置と、ドライバ及び電圧比較器を備える機能試験装置
    を具備する装置により被試験ICを試験する方法であっ
    て、下記のステップよりなる、 半導体スイッチよりなる第1スイッチをオンにして上記
    電流源を上記被試験ICの端子に接続するステップと、 半導体スイッチよりなる第2スイッチをオンにして上記
    電圧測定手段を上記被試験ICの端子に接続するステッ
    プと、 第3スイッチをオンにして上記電圧比較器を上記被試験
    ICの端子に接続するステップと、 半導体スイッチよりなる第4スイッチをオンにして上記
    第1スイッチ及び上記第2スイッチの各上記直流試験装
    置側を互いに接続するステップと、 上記電流源より過負荷電流を上記被試験ICの端子へ供
    給するステップと、 上記被試験ICの端子に生じる電圧を上記電圧比較器で
    正規電圧と比較して、上記被試験ICの良否を判定する
    ステップと。
  9. 【請求項9】電流源及び電圧測定手段を備えた直流試験
    装置と、機能試験装置を具備する装置により被試験IC
    を試験する方法であって、下記のステップよりなる、 半導体スイッチよりなる第1スイッチをオンにして上記
    電流源を上記被試験ICの端子に接続するステップと、 半導体スイッチよりなる第2スイッチをオンにして上記
    電圧測定手段を上記被試験ICの端子に接続するステッ
    プと、 半導体スイッチよりなる第4スイッチをオンにして上記
    第1スイッチ及び上記第2スイッチの各上記直流試験装
    置側を互いに接続するステップと、 上記電流源より過負荷電流IDCを上記被試験ICの端子
    へ供給するステップと、 上記被試験ICの端子に生じる電圧VXにより上記電圧
    測定手段に印加される電圧Voを測定するステップと、 上記第1スイッチ、上記第2スイッチ、及び上記第4ス
    イッチで構成される回路を3つの等価抵抗器のスター接
    続で表わした場合の上記被試験ICの端子側に接続され
    る等価抵抗器の等価抵抗値ROと、上記測定電圧Voと
    上記過負荷電流IDCとから、VX=Vo−(RO×
    DC)を演算して上記被試験ICの端子に生じる電圧V
    Xを求めるステップと。
  10. 【請求項10】電圧発生手段及び電流測定手段を有する
    直流試験装置と、機能試験装置とを具備する装置により
    被試験ICを試験する方法であって、下記のステップよ
    りなる、 半導体スイッチよりなる第1スイッチをオンにして上記
    電圧発生手段を上記電流測定手段を介して上記被試験I
    Cの端子に接続するステップと、 半導体スイッチよりなる第2スイッチをオンにして上記
    被試験ICの端子を上記電圧発生手段の帰還端子に接続
    するステップと、 半導体スイッチよりなる第4スイッチをオンにして上記
    第1スイッチ及び上記第2スイッチの上記直流試験装置
    側を互に接続するステップと、 上記第1スイッチ、上記第2スイッチ、上記第4スイッ
    チからなる回路を3つの等価抵抗器のスター接続で表し
    た場合の上記被試験ICの端子に接続される等価抵抗器
    の等価抵抗ROと、上記被試験ICの端子に印加すべき
    規定電圧VXと、その電圧VXが上記被試験ICの端子
    に印加された時、その端子に流れる許容最大過負荷電流
    IOLMAX 及び許容最低過負荷電流IOLMIN とにより
    Vo(MAX ) =RO×IOLMAX +VXとVo(MIN) =R
    O×IOLMIN +VXをそれぞれ演算するステップと、 上記演算したVo(MAX) を上記電圧発生手段に設定し、
    電圧を上記被試験ICの端子に印加するステップと、 そのVo(MAX) を設定している状態で上記電流測定手段
    により上記被試験ICの端子に流れる電流を測定するス
    テップと、 その測定した電流が上記IOLMAX 以下か否かを調べる
    ステップと、 上記演算したVo(MIN) を上記電圧発生手段に設定し
    て、電圧を上記被試験ICの端子に印加するステップ
    と、 そのVo(MIN) を設定している状態で、上記電流測定手
    段により上記被試験ICの端子に流れる電流を測定する
    ステップと、 その測定した電流が上記IOLMIN 以上か否かを調べる
    ステップと。
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