JP2000241315A - 空気中不純物の捕集装置、それを用いた捕集方法及び空気中不純物の評価方法 - Google Patents

空気中不純物の捕集装置、それを用いた捕集方法及び空気中不純物の評価方法

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JP2000241315A
JP2000241315A JP11176199A JP17619999A JP2000241315A JP 2000241315 A JP2000241315 A JP 2000241315A JP 11176199 A JP11176199 A JP 11176199A JP 17619999 A JP17619999 A JP 17619999A JP 2000241315 A JP2000241315 A JP 2000241315A
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air
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impurity
container
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Masami Takasuka
正己 高須賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の方法では大型の容器を使用する
為、多量の吸収液が必要となる為放置時間が長時間必要
となり、また設置スペースも限定される。更に空気中不
純物の形態によらず、全不純物が捕集されることにな
る。 【解決手段】 容器1と、容器1開口部に粒子状不純物
が入らないように容器1開口部から所定の間隔を保ち、
少なくとも容器1開口部上を全て覆うように設けられて
いるフード部2とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内の空気中不純
物を捕集するために用いる装置及び捕集方法並びに上記
空気中不純物の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屋内の空気中不純物評価の重要性につい
て半導体工場を例に挙げると、クリーンルーム工場内で
は、種々の薬液が多量に使用されており、これら薬液か
ら発生するガスやそれらから生成される粒子は、空気中
に種々の汚染を発生させ、半導体へ悪影響を及ぼすこと
が一般的に知られている。よって、空気中の不純物の管
理は非常に重要であり、この為、特に機動性を有する捕
集方法を用い、迅速に評価することが必要不可欠であ
り、更に汚染の発生メカニズムの究明や正確な対策を施
す為には、その不純物の形態評価も非常に重要である。
【0003】従来の技術としては、まず溶液放置法につ
いては、図11に示すような開口面積が非常に大きい容
器31に吸収液である純水32を入れ、一定時間放置す
ることにより、高感度に空気中の不純物を捕集する方法
がある。
【0004】次に、空気中不純物の形態評価について
は、図12に示すようなガス捕集部34とインピンジャ
ー33を直結することにより、ガス、粒子成分の評価を
可能としたモニタリング装置がある(特開平9−613
15号公報に開示)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示す従来技術の方法では大型の容器(高さ10cm、
開口面積270cm2を使用する為、多量の吸収液が必
要となる為放置時間が長時間必要となり、また設置スペ
ースも限定される。更に空気中不純物の形態によらず、
全不純物が捕集されることになる。
【0006】また、図12に示す従来技術の装置で用い
られている方法では、透過膜チューブを用いたガス捕集
部34及びインピンジャー捕集部33と2種類の特別な
構造を有した捕集部が必要となる為、高コストであり、
また作業手順も複雑となる。ガス成分のみの捕集時に
は、透過膜チューブを用いたガス捕集部のみで良いが、
この場合も高コストであり、設置スペースもまた必要と
なり、専任の作業担当者も必要であることから、機動性
の点では問題がある。また、この方法でも捕集には10
時間程度必要となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の空気中不純物の
捕集装置は、空気中不純物を捕集する捕集装置におい
て、不純物捕集用部材と、該不純物捕集用部材表面に粒
子状不純物が付着しないように上記不純物捕集用部材上
から所定の間隔を保ち、少なくとも該不純物捕集用部材
上を全て覆うように設けられているフード部とを有する
ことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明は、設置面から反射した上記
粒子状不純物が上記不純物捕集用部材表面に付着しない
ような高さの台の上に上記不純物捕集用部材を搭載する
ことが望ましい。
【0009】また、本発明は、不純物捕集用部材の外周
部に上記粒子状不純物が上記不純物捕集用部材に入らな
いような高さの仕切り板を有することが望ましい。
【0010】また、本発明は、不純物捕集用部材の上面
と上記フード部との間が、捕集する不純物の大きさより
大きく、且つ、4cm以下であることが望ましい。
【0011】また、本発明は、吸収液が入っており、且
つ、該吸収液の表面が空気中に接するような開口部を有
する容器を上記不純物捕集用部材とすることが望まし
い。
【0012】また、本発明は、吸収液の量は、空気中の
不純物捕集中に上記容器の底が露出しない量であること
が望ましい。
【0013】また、本発明は、フード部は円錐形状を有
していることが望ましい。
【0014】また、本発明の空気中不純物の捕集方法
は、上記のいずれかの空気中不純物の捕集装置を用い
て、溶液放置法を行うことにより、空気中のガス状不純
物のみを捕集することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の空気中不純物の評価方法
は、上記空気中不純物の捕集方法を用いて空気中のガス
状不純物のみを捕集する第1工程と、空気中のガス状不
純物及び粒子状不純物のいずれをも捕集する第2工程
と、上記第1工程で得られたデータと上記第2工程で得
られたデータとを比較することにより、上記空気中の不
純物の形態評価を行うことを特徴とするである。
【0016】また、本発明の空気中不純物の捕集方法
は、上記本発明の捕集方法を用いて検出された空気中不
純物の検出量を、基準開口面積を有する容器を用いた場
合の、一定量空気を取り込む定量捕集方法との相関係数
を乗じ、且つ、基準開口面積に対する実際に用いた容器
の開口面積の比を乗じて換算することにより、上記定量
捕集法を用いた場合の検出量を得ることを特徴とするも
のである。
【0017】更に、本発明の空気中不純物の評価方法
は、上記本発明の捕集方法により得られた定量捕集法を
用いた場合の検出量を、評価基準となる定量捕集法によ
り検出された空気中不純物の検出量と比較することによ
り、空気中不純物の形態評価を行うことを特徴とするも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空気中不純物の捕
集法に用いる装置、捕集方法、及び不純物の評価方法、
実施例を図示しながら詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の短時間での高感度捕集を可
能とする溶液放置法に用いる吸収液を入れる為の容器を
真上、真横方向から見た概略図である。図2は溶液放置
法に用いる容器の空気中不純物を取り込む為の開口面積
と空気中不純物の捕集量の関係を示したグラフである。
図3は本発明の溶液放置法での捕集時に用いる装置を真
横から見た概略図であり、図4はその装置を斜め上方向
から見た図である。また図5は横方向の気流の乱れが生
じやすいことが予想される場所で捕集を行う場合に、そ
の影響を防ぐ為に用いる仕切り板を取り付けた概略図で
ある。図6は本発明の装置を用いて実際に捕集している
様子を示した概略図である。図7は本発明の高感度捕集
条件の溶液放置法を用い、装置有り無しで屋内の空気中
不純物を1時間同時に捕集した時の検出量のグラフであ
る。図8は本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶
液放置法と透過膜チューブを用いたガス捕集法とで、同
時に屋内の空気を1時間毎で捕集した時のグラフであ
る。図9は本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶
液放置法と装置を用いない溶液放置法もしくはインピン
ジャーのような不純物の形態によらずその全量が捕集で
きる捕集法とで同時に短時間で捕集しモニターした場合
の得られた結果から行う形態評価例である。図10は本
発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液放置法とイ
ンピンジャー捕集法を用いた空気中不純物の形態評価が
可能なモニタリング装置の概略図である。
【0020】次に本発明の高感度捕集条件を用いた溶液
放置法及びその装置について述べる。図1は本発明の短
時間での高感度捕集時に用いる為の容器1であり、この
容器の材質は特に含まれる不純物を考慮し、テフロン製
を使用する必要はなく、純水を入れた際に不純物の溶出
がない材質であれば、例えばポリエチレンやポリプロピ
レン製の比較的安価な材質のものであっても良い。
【0021】空気中不純物を吸収液中へ捕集する為の容
器1の開口部の面積は、図2に示すように、捕集される
空気中の不純物量に比例する。しかし必要以上に開口部
を大きくすると多量の吸収液が必要となり、捕集後の測
定を行う際に吸収液中の不純物濃度が減少する為、長時
間での捕集が必要不可欠となる。本発明の高感度捕集条
件では、この容器1の開口面積と吸収液量についての最
適化を行い、容器1の開口面積を33.2cm2、吸収液
量を10mlとすることで1時間程度の従来より非常に
短時間での捕集を可能としている。尚、吸収液の量は、
捕集中に蒸発により容器1の底面が露出しない量が必要
となる。
【0022】図3及び図4は本発明の高感度捕集条件を
用いた溶液放置法での捕集時に用いる装置であり、フー
ド部2、開口部3、テーブルスタンド部4、フード支持
棒5から構成されており、実際に捕集を行う場合は、こ
の装置の中へ吸収液が入った容器1を入れて使用する仕
組みとなっている。フード部2は上方向からの空気中粒
子成分を開口部から巻き込み吸収液との接触が発生しな
いように、効率よく除去する為、円錐形となっている。
開口部3は空気中粒子成分の巻き込みをここでも防ぐ為
に、縦方向の大きさを容器1の上端から4cm以下とし
ている。尚、容器1の上端とフード部2の下端との間
は、ガス状不純物の大きさよりは間隔があいていること
が必要である。
【0023】テーブルスタンド部4は空気中粒子が本装
置周辺を通過した後、設置面との衝突により生じるであ
ろうと予想される跳ね返りによる開口部3への巻き込み
を防ぐ為、吸収液を入れた容器1を設置面から縦方向に
離す目的で高さを設けている。尚、このテーブルスタン
ド部4の高さは必要に応じて、例えば、ねじ込み式等で
簡単にその高さを調整できる仕組みを有するものであっ
ても良い。
【0024】図5はこの装置で捕集の際に、横方向の気
流の乱れの影響を防ぐ為に、仕切り板10を取り付けた
場合の概略図である。例えば人の出入りが激しい場所で
捕集を行う際、横方向の気流の乱れが生じることが予想
される。この気流の乱れが生じると、開口部3から空気
中粒子が内部へ取り込まれることが予想される為、装置
側面部周辺に仕切り板10を取り付けることにより、開
口部3周辺での横方向の気流の乱れによる装置内部への
空気中粒子の巻き込みは無くなる。
【0025】図6は本発明の装置を用いて実際に捕集を
行っている様子を示した概略図である。空気中の粒子成
分は通常上から下方向に移動するが、拡散速度が非常に
早いガス成分は周辺に拡散している。この粒子とガスの
大きな拡散速度の違いを利用し、ガスのみを捕集してい
る様子である。空気中に存在するガス状の不純物7は、
その拡散速度の早さにより開口部3から容器1内の吸収
液6中に取り込まれ、空気中の粒子状の不純物8は、フ
ード部2を通過した後、ガスとは異なり、拡散すること
なく開口部3を通過することになる。
【0026】更に通過した粒子状不純物8は設置面9と
接触して跳ね返ったとしても、テーブルスタンド部4で
開口部3までの高さを確保していることにより、吸収液
6中には全く取り込まれない。このようにして空気中の
ガス状不純物のみを非常に簡単に選択的に捕集するもの
である。
【0027】図7に本装置有り無しで溶液放置法で同時
に1時間捕集し、吸収液中の不純物イオンをICA(イ
オンクロマトアナライザー)で測定した結果のグラフを
示すように、本装置無しからは硫酸イオンが検出されて
いるが、本装置有りでは検出されていない。
【0028】この違いについて、通常の空気中の硫酸を
含む不純物はそのほとんどが粒子状として比較的安定し
た状態で存在していることから、本装置で粒子が除去さ
れたものと考えられる。更に他の不純物イオンについて
見てみると、本装置有り無しでの検出量の違いは認めら
れていないことから、本装置を用いることで捕集量の低
下は生じていないことが分かり、本装置の開口部3から
装置を用いない場合と全く同量の空気中不純物が捕集さ
れていると言える。
【0029】図8は本発明の装置を用いた溶液放置法と
透過膜チューブを用いたガス捕集法とで同時に屋内の空
気中不純物を1時間毎に捕集し、その吸収液をICAで
測定した結果を示すグラフである。まず捕集開始初期は
ガス捕集法ではアンモニアイオン11a、亜硝酸イオン
11b、硫酸イオン11cの順に検出量が多く、この傾
向は本装置を用いた溶液放置法のアンモニアイオン12
a、亜硝酸イオン12b、硫酸イオン12cの傾向と全
く同じである。次に4時間捕集からガス捕集法で急激な
硫酸イオン11cの増加が生じるタイミングと同時に、
本発明の溶液放置法でも硫酸イオン12cの増加が確認
されている。
【0030】以上、これらの結果より、本発明はまず空
気中の粒子とガスの拡散速度の違いという一般的な理論
に基ずいたものであり、ガス捕集法と全く同じ傾向を示
すことから、空気中のガス状不純物のみを選択的に捕集
できることが証明された。
【0031】この溶液放置法は、一般的に広く用いられ
ているインピンジャー法のように、吸引ポンプを用いて
一定量の空気を取り込み捕集する方法がないことから、
定量的に空気量当たりの不純物量(例えばng/L等)
として求めることができない。よって、溶液放置法の場
合、同条件にて捕集を行ったポイント間について相対的
に汚染傾向を把握するための評価に用いるのが一般的で
ある。
【0032】ここで、一定量の空気を吸引し、定量的な
評価が可能な捕集法(以下「定量捕集法」と略す)と同
時に複数の実験室内で評価した時の両者の検出量をプロ
ットした結果を図13に示す。この結果から分かるよう
に、定量捕集法による検出量と本発明である溶液放置法
で得られた検出量において、非常に良い相関関係が認め
られており、溶液放置法で得られた値を1/100にし
た値が定量捕集法での検出量となっている。このことか
ら、空気中不純物量(ng/L)=本発明の溶液放置法
検出量(ng/hour)/100という換算式を用い
ることで、溶液放置法で得られた値を定量的に評価する
ことが可能となる。尚、この換算式は使用する容器の開
口面積が33.2cm2の場合である。例えば、溶液放
置法による検出量が3000(ng/hour)である
場合、定量捕集法による検出量が30(ng/L)に対
応する。
【0033】この換算式を用い、定量的な値が得られる
ことで、従来の一般的な定量捕集法であるインピンジャ
ー法のように吸引ポンプが高額で、捕集時の設置スペー
スが広く必要であり、更に捕集作業者のある程度の熟練
を要し、簡便さについて問題がある捕集法を用いる必要
がなくなる。また、本発明である溶液放置法以外の定量
捕集法で得られた他の検出量であっても同様に比較する
することができる。
【0034】図14に、図13の溶液放置法で得られた
アンモニアの値について上述の換算式で得られた定量的
な値(評価ポイントA〜F)をプロットした結果を、他
の定量捕集法で得られた標準的な実験室での検出量(評
価基準:評価ポイントRef)と併せて示す。評価ポイ
ントDは評価ポイントRefと同じレベルであることか
ら汚染については全く問題なく、評価ポイントAについ
ては評価ポイントRefに比べて20倍程度多いことか
ら多量の汚染が発生していると判断できる。
【0035】このように本発明の溶液放置法以外の定量
捕集法で得られた検出量との比較が可能であることか
ら、特に、定量捕集法を用いらなくとも、溶液放置法に
て、容易に且つ迅速に定量的な汚染レベルの良否判断が
できる。
【0036】次に、本発明の溶液放置法に用いる開口面
積(33.2cm2)以外の容器を用いた場合について
は、図2に示すように、容器の開口面積と捕集される不
純物量については相関関係があることから、まず、開口
面積の違いを補正することで、上述の換算式から同様に
定量的な値を得ることが可能である。
【0037】捕集感度を考慮した場合、本発明の溶液放
置法に用いる開口面積33.2cm 2(基準開口面積)
付近の容器が最も適しているが、例えば、図2中の開口
面積が14.5cm2の容器を使用した場合のアンモニ
アを定量的に換算するには、以下の算出式に示すよう
に、まず、本発明の容器の開口面積との比を求め、この
比を用いて本発明の容器開口面積での検出量へ換算し、
最終的に定量的な値を求めれば良い。 本発明の容器開口面積との比=本発明の容器開口面積:
33.2cm2/使用容器開口面積:14.5cm2
2.3 本発明の容器使用時に補正した時の検出量=使用容器検
出量670ng/h×2.3=1541ng/h 定量値への換算値=本発明の容器使用時に補正したとき
の検出量:1541ng/h/100=15.4ng/
L 以上のように、本発明の開口面積を有した容器以外の容
器を使用し、捕集して得られた値であっても上述のよう
な換算を行うことで、定量的な値を求めることが可能で
ある。
【0038】次に、図9は本発明の装置を用いた溶液放
置法とその装置を用いない溶液放置法もしくはインピン
ジャー法のような空気中不純物の形態によらず全量が捕
集できる捕集法で同時に評価した場合の形態評価例を示
したものである。13は本発明の装置を用いた溶液放置
法での検出量、14は装置を用いない溶液放置法もしく
はインピンジャー法での検出量である。評価開始からA
ポイントでは双方共増加しているが、Bポイントではイ
ンピンジャー法14のみ減少している挙動が認められた
場合、Aポイントで生じた空気中不純物の形態変化の挙
動は、本発明の装置を用いた溶液放置法13でも増加し
ていることから、ガス状不純物の増加によるものと考え
られ、Bポイントで生じた形態変化の挙動は本発明を用
いた溶液放置法13では全く変化していないことから、
粒子状不純物の減少であると考えられる。このように例
えば従来最もクリーンルーム内の空気中不純物評価に用
いられているインピンジャー法と同時に、非常に簡単な
本発明の装置を用いた溶液放置を行うことで、その不純
物の形態の変化まで評価することが可能となる。
【0039】このクリーンルーム内空気中不純物汚染に
ついての一般的な対策は、粒子状不純物はULPAフィ
ルターで、ガス状不純物はケミカルフィルターを用いる
為、その形態により異なる。上記のように不純物の形態
評価が迅速に可能になれば、発生した汚染に対して非常
に迅速正確な対策を施すことができる。更に何らかの処
理に伴う突発的な汚染の影響で、通常、粒子状として存
在していた不純物がガス化したり、逆にガスが粒子化し
たりという複雑な汚染発生時にも、本発明は短時間での
捕集が可能である為、大いに役立つものと考えられる。
【0040】次に、図10は本発明の装置を用いた溶液
放置法とインピンジャー法を用いた空気中不純物の形態
モニタリング装置である。この装置は19のガス捕集、
18のインピンジャー捕集部を有する15の捕集部及び
16のICA測定部と17のデータ処理部から構成され
る。まず、24の吸収液供給ポンプが作動し、26の吸
収液供給三方バルブの切り替えにより、インピンジャー
捕集部18及びガス捕集部19内に各々吸収液20、2
1が供給され、直ちに23の空気吸引用ポンプが作動
し、インピンジャー捕集部18でバブリングが一定時間
行われる。この状態でインピンジャー捕集部18では空
気中不純物の形態によらず全量が、またガス捕集部19
では空気中のガスのみが捕集される。
【0041】次に一定時間後、空気吸引用ポンプ23は
停止し、25の吸収液送液ポンプが動作し、27の吸収
液送液三方バルブの切り替えにより、各捕集部の吸収液
が回収され、ICA測定部16へ送液される。その後各
捕集部では吸収液の供給が行われ捕集が再開される。I
CA測定部16では吸収液中の不純物濃度を測定し、そ
の結果がデータ処理部17ヘ送られ、空気中の全不純物
量及びガス量の結果がリアルタイムで表示される。従来
は、空気中の全不純物と粒子状不純物を測定することに
よって空気中の不純物の形態評価を行っていたため、粒
子状不純物を測定する場合、一旦捕集した不純物を純水
に溶かす必要あるため、リアルタイムでの評価ができな
かったが、本発明を用いることにより、リアルタイムで
簡単に不純物形態モニタリングが可能となり、今まで以
上に汚染管理に大いに役立つものと考えられる。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明を
用いることにより、屋内の空気中不純物の捕集に用いる
溶液放置法において、開口部、フード部、テーブルスタ
ンド部から構成される装置を用いることで簡単にガス成
分のみを評価することが可能となり、またこの装置を用
いない溶液放置法もしくは、他の捕集法、例えば、イン
ピージャー法を用いて同時に捕集することで不純物の形
態評価が可能となり、更にこれらの捕集装置を有したモ
ニタリング装置を用いることでリアルタイムに空気中不
純物の形態別挙動のモニタリングを可能とする。これら
溶液放置法で得られた値は、容器開口面積が多少異なる
場合であっても、換算することで定量的な値を求めるこ
とが可能であることから、特に他の定量捕集法を用いる
必要が無く、また他の定量捕集で得られた結果との比較
も可能となり、従来より容易にかつ迅速に汚染レベルの
良否判定を行うことができる。
【0043】例えば半導体のクリーンルーム工場で使用
される多量の各種の薬液から発生するガスやそれらから
生成される粒子成分は、半導体へ悪影響を及ぼす為、空
気中不純物の管理は非常に重要である。よって、非常に
簡単で機動力のある溶液放置法に、本発明の装置を用い
ることにより、空気中のガス成分のみの評価が低コスト
で可能となり、また他の捕集法と同時に捕集を行うこと
により、不純物の形態評価も可能となる。更にこれらの
捕集法を有したモニタリング装置を用いることでリアル
タイムで空気中不純物の形態評価が可能となる為、汚染
が発生した場合に迅速に対策を施すことが可能となり、
更に今後の汚染発生のメカニズムの究明にも大いに役立
つものと考えられる。
【0044】また、設置面から反射した上記粒子状不純
物が上記不純物捕集用部材表面に付着しないような高さ
の台の上に上記不純物捕集用部材を搭載したことによ
り、空気中の粒子状不純物の設置面からの跳ね返りによ
る開口部への巻込みを防ぐことができる。
【0045】また、不純物捕集用部材の外周部に上記粒
子状不純物が上記不純物捕集用部材に入らないような高
さの仕切り板を有することにより、横方向の気流の乱れ
による空気中の粒子状不純物の巻込みを防ぐことができ
る。
【0046】また、不純物捕集用部材の上面とフード部
との間が、捕集する不純物の大きさより大きく、且つ、
4cm以下であることにより、更に空気中の粒子状不純
物の巻込みを防ぐことができる。
【0047】また、吸収液が入っており、且つ、該吸収
液の表面が空気中に接するような開口部を有する容器を
上記不純物捕集用部材とすることにより、溶液放置法
で、ガス状不純物のみを捕集することができる。
【0048】また、吸収液の量は、空気中の不純物捕集
中に上記容器の底が露出しない量であることにより、よ
り正確に溶液放置法による不純物評価が可能となる。
【0049】また、フード部は円錐形状を有しているこ
とにより、より粒子状不純物の巻き込みを防ぐことがで
きる。
【0050】更に、上記本発明の空気中不純物の捕集装
置を用いて、溶液放置法を行うことにより、空気中のガ
ス状不純物のみを捕集する方法を用いて空気中のガス状
不純物のみを捕集する第1工程と、空気中のガス状不純
物及び粒子状不純物のいずれをも捕集する第2工程と、
上記第1工程で得られたデータと上記第2工程で得られ
たデータとを比較することにより、上記空気中の不純物
の形態評価を行うことでリアルタイムに不純物形態評価
を行うことができる。
【0051】また、上記本発明の空気中不純物の捕集装
置を用いて、溶液放置法を行うことにより、空気中のガ
ス状不純物のみを捕集する方法を用いて検出された空気
中不純物の検出量を、基準開口面積を有する容器を用い
た場合の、一定量空気を取り込む定量捕集方法との相関
係数を乗じ、且つ、基準開口面積に対する実際に用いた
容器の開口面積の比を乗じて換算することにより、上記
定量捕集法を用いた場合の検出量を得ること容器開口面
積が多少ことなる場合であっても換算することにより、
定量的な値を求めることが可能であることから、特に、
他の定量捕集方法を用いる必要がなく、また、他の定量
捕集で得られた結果との比較も可能となり、従来より容
易に且つ迅速に汚染レベルの良否判断を行うことができ
うる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の短時間での高感度捕集時に用いる吸収
液を入れる為の容器を真上、真横方向から見た概略図で
ある。
【図2】溶液放置法に用いる容器の空気中不純物を取り
込む為の開口部の面積と空気中不純物の捕集量の関係を
示した図である。
【図3】本発明の溶液放置法での捕集時に用いる装置を
真横から見た概略図である。
【図4】その装置を斜め上方向から見た概略図である。
【図5】捕集時に横方向の気流の乱れの影響を防ぐ為の
仕切り板を取り付けた概略図である。
【図6】本発明の装置を用いて実際に捕集している様子
を示した概略図である。
【図7】本発明の高感度捕集条件の溶液放置法を用い、
装置有り無しで屋内の空気中不純物を1時間同時に捕集
した時の検出量を示す図である。
【図8】本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液
放置法と透過膜チューブを用いたガス捕集法とで、同時
に屋内の空気中不純物を1時間毎で捕集した時の捕集量
を示す図である。
【図9】本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液
放置法と装置を用いない溶液放置法もしくはインピンジ
ャー法のような不純物の形態によらずその全量が捕集で
できる捕集法とで、同時に短時間で捕集しモニターした
場合に得られた結果から行う空気中不純物の形態評価例
を示す図である。
【図10】本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶
液放置法とインピンジャー捕集法を用いた空気中不純物
の形態評価が可能なモニタリング装置の概略図である。
【図11】従来の溶液放置法に用いる容器の概略図であ
る。
【図12】従来の空気中不純物の形態評価に用いるモニ
タリング装置の概略図である。
【図13】実験室内において本発明の捕集法と定量捕集
法で同時に捕集評価をした時の両者の検出量を示す図で
ある。
【図14】図13中の本発明の捕集法で得られたアンモ
ニア量の換算後の定量値(A〜F)と、定量捕集法で得
られた他の通常の実験室でのアンモニア検出量(Re
f)を示した図である。
【符号の説明】
1 容器 2 フード部 3 開口部 4 テーブルスタンド部 5 フード部支持棒 6 吸収液 7 空気中ガス状不純物 8 空気中粒子状不純物 9 設置面 10 仕切り板 11a 従来の透過膜チューブを用いたガス捕集法で捕
集されたガス状アンモニア検出量 11b 従来の透過膜チューブを用いたガス捕集法で捕
集されたガス状亜硝酸検出量 11c 従来の透過膜チューブを用いたガス捕集法で捕
集されたガス状硫酸検出量 12a 本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液
放置法で捕集されたガス状アンモニア検出量 12b 本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液
放置法で捕集されたガス状亜硝酸検出量 12c 本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液
放置法で捕集されたガス状硫酸検出量 13 本発明の装置及び高感度捕集条件を用いた溶液放
置で得られるガス状不純物検出量 14 装置を用いない溶液放置法もしくはインピンジャ
ーで得られる全不純物の検出量 15 捕集部 16 測定部 17 データ処理部 18 インピンジャー捕集部 19 ガス捕集部 20 インピンジャー捕集部吸収液 21 ガス捕集部吸収液溶液放置法で捕集されたガス状
アンモニア検出量 22 吸収液タンク 23 空気吸引用ポンプ 24 吸収液供給ポンプ 25 収液送液ポンプ 26 吸収液供給側三方バルブ 27 吸収液送液側三方バルブ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中不純物を捕集する捕集装置におい
    て、 不純物捕集用部材と、該不純物捕集用部材表面に粒子状
    不純物が付着しないように上記不純物捕集用部材上から
    所定の間隔を保ち、少なくとも該不純物捕集用部材上を
    全て覆うように設けられているフード部とを有すること
    を特徴とする、空気中不純物の捕集装置。
  2. 【請求項2】 設置面から反射した上記粒子状不純物が
    上記不純物捕集用部材表面に付着しないような高さの台
    の上に上記不純物捕集用部材を搭載したことを特徴とす
    る、請求項1に記載の空気中不純物の捕集装置。
  3. 【請求項3】 上記不純物捕集用部材の外周部に上記粒
    子状不純物が上記不純物捕集用部材に入らないような高
    さの仕切り板を有することを特徴とする、請求項1又は
    請求項2に記載の空気中不純物の捕集装置。
  4. 【請求項4】 上記不純物捕集用部材の上面と上記フー
    ド部との間が、捕集する不純物の大きさより大きく、且
    つ、4cm以下であることを特徴とする、請求項1乃至
    請求項3のいずれかに記載の空気中不純物の捕集装置。
  5. 【請求項5】 吸収液が入っており、且つ、該吸収液の
    表面が空気中に接するような開口部を有する容器を上記
    不純物捕集用部材とすることを特徴とする、請求項1乃
    至請求項4のいずれかに記載の空気中不純物の捕集装
    置。
  6. 【請求項6】 上記吸収液の量は、空気中の不純物捕集
    中に上記容器の底が露出しない量であることを特徴とす
    る、請求項5に記載の空気中不純物の捕集装置。
  7. 【請求項7】 上記フード部は円錐形状を有しているこ
    とを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記
    載の空気中不純物の捕集装置。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載
    の空気中不純物の捕集装置を用いて、溶液放置法を行う
    ことにより、空気中のガス状不純物のみを捕集すること
    を特徴とする、空気中不純物の捕集方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の空気中不純物の捕集方
    法を用いて空気中のガス状不純物のみを捕集する第1工
    程と、空気中のガス状不純物及び粒子状不純物のいずれ
    をも捕集する第2工程と、上記第1工程で得られたデー
    タと上記第2工程で得られたデータとを比較することに
    より、上記空気中の不純物の形態評価を行うことを特徴
    とする、空気中不純物の評価方法。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の捕集方法を用いて検
    出された空気中不純物の検出量を、基準開口面積を有す
    る容器を用いた場合の定量捕集方法との相関係数を乗
    じ、且つ、基準開口面積に対する実際に用いた容器の開
    口面積の比を乗じて換算することにより、上記定量捕集
    法を用いた場合の検出量を得ることを特徴とする空気中
    不純物の捕集方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法により得られ
    た定量捕集法を用いた場合の検出量を、評価基準となる
    定量捕集法により検出された空気中不純物の検出量と比
    較することにより、空気中不純物の形態評価を行うこと
    を特徴とする、空気中不純物の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012107958A (ja) * 2010-11-16 2012-06-07 Jfe Steel Corp 降下煤塵採取装置

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