JP2000238979A - エレベータのかご室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲の側板から突出することなく装飾板を取
付けることができるとともに装飾板の着脱を容易に行う
ことのできるエレベータのかご室の提供。 【解決手段】 側板１に所定の深さ寸法を有する凹部１
ａを形成するとともに、装飾板２の裏面に磁性体を備
え、凹部１ａに磁性体を介して装飾板２を取り付けるよ
うになっている。 【効果】 乗かご使用時に利用者の服や肌をひっかけた
り、混雑時に邪魔になることなく乗かご内の意匠性を向
上できるとともに、装飾板の着脱作業の作業性の向上を
図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乗かご内の壁面に
装飾板を取り付けたエレベータのかご室に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のエレベータのかご室を示す
正面図、図６は図５のかご室の要部水平断面図である。

【０００３】従来のエレベータのかご室は図５に示すよ
うに、乗かご内の壁面を形成する側板１０に装飾板２０
を配置し、この装飾板２０は、その周縁部に設けた取付
け金具４と棒状取付け部材６により装着されている。す
なわち、図６に示すように、側板１０の所定個所にナッ
ト３がかしめ固定され装飾板２０の周縁部に形成された
逃げ穴２ａ内にナット３の頭部が入るように装飾板２０
を側板１０の表面に配置するとともに、ねじ５をナット
３にねじ込むことにより、装飾板２０の周縁部を挟持し
つつ固定する。その後、取付金具４で装飾板２０を側板
１０に向けて押しつけるように棒状取付け部材６を配置
し、この棒状取付け部材６の側部から、これに対応する
位置の取付け金具４に形成したねじ孔４ａにねじ７をね
じ込み固定することで、装飾板２０を側板１０に取り付
けていた。

【０００４】かかる従来の従来のエレベータのかご室
は、装飾板２０の厚みや、棒状取付け部材６の立上り寸
法分だけ周囲の側板１０から突出する構造となる。

【０００５】なお、この種のものとして、例えば実開昭
５８−３８６７５号公報に記載されるものを挙げること
ができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のエレベータのかご室では、装飾板２０の取付け構造
が比較的複雑であるため、部材の製作や、装飾板２０の
取付けおよび取外し作業が困難なものとなっていた。ま
た、面一な側板１０から装飾板２０や棒状取付け部材６
が乗かご内に突出するため、乗かご使用時に利用者の服
や肌をひっかけたり、混雑時に邪魔になるという問題が
あった。

【０００７】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その第１の目的は、周囲の側
板から突出することなく装飾板を取付けることができる
とともに、この装飾板の着脱を容易に行うことのできる
エレベータのかご室を提供することにある。

【０００８】また、第２の目的は、いたずらにより装飾
板が容易に取り外されることを防止することのできるエ
レベータのかご室を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この第１の目的を達成す
るために本発明の請求項１記載の発明は、乗かご内の壁
面を形成する側板に、装飾板を取り付けて成るエレベー
タのかご室において、上記側板に所定の深さ寸法を有す
る凹部を形成するとともに、上記装飾板の裏面に磁性体
を備え、上記凹部に上記磁性体を介して上記装飾板を吸
着固定する構成にしてある。

【００１０】前記のように構成した本発明の請求項１記
載の発明によれば、装飾板を乗かご内に取り付ける場
合、側板の一部に形成された凹部に、装飾板の裏面に備
えられた磁性体を吸着させ、この装飾板を固定するよう
になっている。このように凹部に装飾板を固定するよう
にしたことにより、周囲の側板から突出することなく装
飾板を取付けることができるとともに、磁性体を利用し
て吸着固定することにより、装飾板の着脱を容易に行う
ことができる。

【００１１】また、第２の目的を達成するために本発明
の請求項２記載の発明は、凹部の外形寸法は、上記装飾
板の外形寸法より所定寸法大きく設定される構成にして
ある。

【００１２】前記のように構成した本発明の請求項２記
載の発明によれば、凹部の外形寸法を装飾板の外形寸法
より所定寸法大きく設定することにより、凹部に装飾板
を嵌め込み可能とし、かつ、装飾板端部に指等を差し込
むことができないようにすることができる。これによっ
て、いたずらにより装飾板が容易に取り外されることを
防止できるとともに、必要時には専用工具により装飾板
を取外し可能とすることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明のエレベータのかご
室の実施の形態を図に基づいて説明する。

【００１４】図１は本発明のエレベータのかご室の一実
施形態を示す正面図、図２は図１のかご室の要部水平拡
大図である。

【００１５】本実施形態のエレベータのかご室は図１に
示すように、複数枚の側板１を用いて形成され、鋼板か
ら成る任意の側板１に装飾板２が取り付けられる。側板
１には図２に示すように、所定の深さ寸法を有する凹部
１ａが形成されるとともに、装飾板２の裏面には磁性体
８が一体的に備えられている。また、凹部の外形寸法
は、装飾板２の外形寸法より所定寸法大きく設定されて
いる。すなわち、凹部１ａの各辺から装飾板２までの寸
法Ｌ１が１〜２ｍｍとなるように設定されている。さら
に、上述した凹部１ａの深さ寸法は、装飾板２と磁性体
８の合計の厚みよりも大きくなるように設定されてい
る。

【００１６】この実施形態にあっては、装飾板２を乗か
ご内に取り付ける場合、側板１の一部に形成された凹部
１ａに、装飾板２の裏面に備えられた磁性体８を吸着さ
せ、この装飾板２を固定するようになっている。

【００１７】このように構成した実施形態では、装飾板
２と磁性体８の合計の厚みよりも大きく設定された深さ
寸法を有する凹部１ａに装飾板２を固定するようにした
ことにより、周囲の側板１から突出することなく装飾板
２を取付けることができ、これによって、従来のように
乗かご使用時に利用者の服や肌をひっかけたり、混雑時
に邪魔になることがない。また、磁性体８を利用して吸
着固定することにより、装飾板２の着脱を容易に行うこ
とができる。さらに、凹部１ａの各辺から装飾板２まで
の寸法Ｌ１が１〜２ｍｍとなるように設定されることに
より、装飾板２端部に指等を差し込むことができないよ
うにすることができ、これによって、いたずらにより装
飾板２が容易に取り外されることを防止できるととも
に、必要時にはこの寸法Ｌ１を利用して専用工具により
装飾板２を取外し可能とすることができる。

【００１８】図３は本発明のエレベータのかご室の他の
実施形態を示す正面図、図４は図３のかご室の要部水平
拡大図である。

【００１９】他の実施形態のエレベータのかご室は図３
ないし図４に示すように、複数の側板１を用いて形成さ
れ、任意の側板１の一部分を更に装飾板取付け部分側板
１ｂとして分割して製作されるとともに、装飾板２の裏
面には磁性体８が一体的に備えられている。また、装飾
板取付け部分側板１ｂの外形寸法は、装飾板２の外形寸
法より所定寸法大きく設定されている。すなわち、装飾
板取付け部分側板１ｂ周囲の立上り辺から装飾板２まで
の寸法Ｌ１が１〜２ｍｍとなるように設定されている。
さらに、装飾板取付け部分側板１ｂは、側板１の表面か
ら、装飾板２と磁性体８の合計の厚みよりも大きくかご
室の外側に向かって後退しており、この装飾板取付け部
分側板１ｂにより凹部１ａが形成されている。

【００２０】この他の実施形態にあっては、装飾板２を
乗かご内に取り付ける場合、側板１の一部に形成された
凹部１ａ、すなわち装飾板取付け部分側板１ｂに、装飾
板２の裏面に備えられた磁性体８を吸着させ、この装飾
板２を固定するようになっている。

【００２１】このように構成した他の実施形態では、装
飾板取付け部分側板１ｂは装飾板２と磁性体８の合計の
厚みよりも大きく後退して凹部１ａを形成し、この凹部
１ａに装飾板２を固定するようにしたことにより、周囲
の側板１から突出することなく装飾板２を取付けること
ができ、これによって、従来のように乗かご使用時に利
用者の服や肌をひっかけたり、混雑時に邪魔になること
がない。また、磁性体８を利用して吸着固定することに
より、装飾板２の着脱を容易に行うことができる。さら
に、装飾板取付け部分側板１ｂ周囲の立上り辺から装飾
板２までの寸法Ｌ１が１〜２ｍｍとなるように設定され
ることにより、装飾板２端部に指等を差し込むことがで
きないようにすることができ、これによって、いたずら
により装飾板２が容易に取り外されることを防止できる
とともに、必要時にはこの寸法Ｌ１を利用して専用工具
により装飾板２を取外し可能とすることができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の請求項１記載の発明は以上のよ
うに構成したので、周囲の側板から突出することなく装
飾板を取付けることができ、これによって、従来のよう
に乗かご使用時に利用者の服や肌をひっかけたり、混雑
時に邪魔になることなく、乗かご内の意匠性を向上でき
る。また、磁性体を利用して吸着固定することにより、
装飾板の着脱を容易に行うことができ、したがって、作
業性の向上を図ることができる。

【００２３】また、本発明の請求項２記載の発明は以上
のように構成したので、凹部に取り付けられた装飾板端
部に指等を差し込むことを防止し、いたずらにより装飾
板が容易に取り外されることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータのかご室の一実施形態を示
す正面図である。

【図２】図１のかご室の要部水平拡大図である。

【図３】本発明のエレベータのかご室の他の実施形態を
示す正面図である。

【図４】図３のかご室の要部水平拡大図である。

【図５】従来のエレベータのかご室を示す正面図であ
る。

【図６】図５のかご室の要部水平断面図である。

【符号の説明】

１ 側板 １ａ 凹部 １ｂ 装飾板取付け部分側板 ２ 装飾板 ８ 磁性体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗かご内の壁面を形成する側板に、装飾
   板を取り付けて成るエレベータのかご室において、 上記側板に所定の深さ寸法を有する凹部を形成するとと
   もに、上記装飾板の裏面に磁性体を備え、上記凹部に上
   記磁性体を介して上記装飾板を吸着固定することを特徴
   とするエレベータのかご室。
2. 【請求項２】 上記凹部の外形寸法は、上記装飾板の外
   形寸法より所定寸法大きく設定されることを特徴とする
   請求項１記載のエレベータのかご室。