JP2000235322A - 定着装置 - Google Patents
定着装置Info
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- JP2000235322A JP2000235322A JP3641799A JP3641799A JP2000235322A JP 2000235322 A JP2000235322 A JP 2000235322A JP 3641799 A JP3641799 A JP 3641799A JP 3641799 A JP3641799 A JP 3641799A JP 2000235322 A JP2000235322 A JP 2000235322A
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Abstract
置において、定着性能の低下、及び記録材の裏汚れを防
止する。 【解決手段】 加圧ローラ2に当接されて従動回転する
ローラ状の良熱伝導部材4を設ける。定着動作に伴って
発生する加圧ローラ2の汚れ量をW0 、この汚れ量W0
のうち良熱伝導部材4に捕獲される汚れ量をW1 、回収
率をα=(W1 /W0 )、定着ニップ部をN1 、加圧ロ
ーラ2と良熱伝導部材4との当接部をN2、加圧ローラ
2表面の移動方向に沿って測った定着ニップ部N1 から
当接部N2までの距離をLとしたときに、該距離Lを、
回収率αが、α<0.1を満たすように設定する。さら
に、良熱伝導部材4表面に、定着装置によって定着され
るトナーよりもメルト・インデックス値の小さい樹脂に
よる表面コート層を設ける。これにより、加圧ローラ2
上のトナーは、良熱伝導部材4に付着せず、かつ、加圧
ローラ2上の紙粉は良熱伝導部材4によって回収され
る。
Description
て記録材上にトナー像を定着させる定着装置に関する。
形成装置において、画像形成部で記録材上に形成したト
ナー像を、加熱・加圧して記録材表面に定着させる定着
装置が知られている。さらに、近時、エネルギーの利用
効率を高めるために、定着装置の定着回転体の熱容量を
小さくし、定着回転体を定着動作可能温度まで上昇させ
るのに必要なエネルギー(電力)を少なくした定着装置
も知られている。
熱容量が小さいために、定着時の記録材によって熱を奪
われやすい。したがって、定着回転体及びこれに当接さ
れている加圧回転体は、長手方向についての記録材が通
過する領域(以下「通紙領域」という。)とこれ以外の
領域(以下「非通紙領域」という。)とで温度が不均一
になりやすい。そして、非通紙領域の温度が上昇し、定
着回転体表面に形成されている高離型性層(一般にPF
A、PTFE等のテフロン(登録商標)樹脂又はSiゴ
ム層)が熱劣化してしまう、という欠点があった。
対して小さな幅の記録材(以下「小サイズ紙」とい
う。)を用いる場合に、小サイズ紙と次の小サイズ紙と
の間の通紙間隔を広げ、温度がある程度均一化されてか
ら次の小サイズ紙の定着動作をさせるものが実用化され
ている。
し、その分、画像形成装置本体の動作時間が長くなって
エネルギーを余分に消費するという別の欠点がある。
す。この定着装置は、内側にヒータ(加熱部材)3を有
する定着ローラ(定着回転体)1に加圧ローラ(加圧回
転体)2を当接させて定着ニップ部N1 を構成し、さら
に、矢印R2方向に回転する加圧ローラ2の長手方向の
ほぼ全長にわたって良熱伝導部材4を当接させたもので
ある。
ガイド5にガイドされて定着装置に供給された記録材P
は、定着ニップ部N1 にて挟持搬送されつつ、ヒータ3
の加熱によって表面にトナー像が定着される。定着ロー
ラ1は、熱容量が小さく構成されているので、記録材P
の通紙によって通紙領域と非通紙領域との温度差が大き
くなり、非通紙領域の温度が高くなる。加圧ローラ2も
同様に通紙領域よりも非通紙領域の温度が高くなるが、
加圧ローラ2には、良熱伝導部材4が長手方向のほぼ全
長にわたって当接されているので、通紙領域と非通紙領
域との温度が均一化される。このため、全体として、通
紙領域と非通紙領域との温度差が少なくなる。
おいては、定着ローラの熱劣化を防止し、かつ、スルー
プットの低下を防止することが可能となる。
2に示す定着装置では、良熱伝導部材4にオフセットト
ナー等が付着しやすいため、熱の均一化効果が減殺され
て定着性が低下し、記録材Pの裏汚れが発生するという
問題があった。
圧ローラ2の回転方向(矢印R2方向)についての定着
ニップ部N1 のすぐ下流側に配設されている。これは、
同図中の左方が画像形成装置本体の外部にあたり、良熱
伝導部材4を図中の位置に配置した場合には、外部から
の整備性・交換性が向上するからである。
置に配置された場合、定着動作に伴って発生する微量な
オフセットトナーが定着ローラ1から加圧ローラ2を経
て付着しやすい。そして、定着動作を繰り返していると
オフセットトナーが良熱伝導部材4上に蓄積され、良熱
伝導部材4の熱均一化の効果が弱まる。また、良熱伝導
部材4の表面にトナーが多量に堆積した場合には、例え
ば小サイズ紙の連続して定着したときに、良熱伝導部材
4上の堆積トナーが溶融し、加圧ローラ2側に逆転移
し、これにより記録材Pの裏面が汚される現象、いわゆ
る裏汚れが生じるという問題があった。さらには良伝導
部材4は表面に堆積したトナーが定着装置の壁等に接触
して負荷抵抗が増大するため、定期的に清掃又は交換す
る必要があった。
トトナーの付着は、特開昭61−67070号公報など
に記載されているように、良熱伝導部材4の表面にあら
かじめトナー又はトナーと同系統の樹脂層を有するクリ
ーニングローラでは顕著に現れる。
着の問題は、例えば、特開平10−268690号公報
に記載されているように、良熱伝導部材4にクリーニン
グ部材を設けることにより解消することが可能である
が、この場合には、クリーニング部材を設ける分、装置
構成が複雑になる。
録材Pから発生する紙粉(主に紙中に含まれる填料であ
る、タルクや炭酸カルシウム)が加圧ローラ2に付着す
る。記録材Pによっては、紙粉が多量に発生し、その紙
粉が加圧ローラに表面に付着すると、加圧ローラ2表面
の離形性が低下して加圧ローラ2表面に付着するオフセ
ットトナーが増加する。これにより、記録材Pの裏汚れ
が発生する。
加圧ローラ2を介して良熱伝導部材4に付着し、良熱伝
導部材4の熱均一化の効果が弱まって、定着性が低下
し、記録材Pの裏汚れが発生しやすかった。また、紙粉
が加圧ローラ2表面に付着し、加圧ローラ2の離型性が
低下し、このことによっても記録材Pの裏汚れが発生し
やすかった。
あり、良熱伝導部材にクリーニング部材を設けることな
く、オフセットトナーについてはこれが加圧回転体を介
して良熱伝導部材に付着することを防止し、かつ紙粉に
ついては加圧回転体に付着した紙粉を良熱伝導部材で積
極的に回収することにより、定着性の低下や記録材の裏
汚れを防止するようにした定着装置を提供することを目
的とするものである。
は必ずしも好ましいことではないが、紙粉が加圧回転体
に付着していることによる弊害の方が大きい。
めの請求項1に係る本発明は、加熱部材によって加熱さ
れる定着回転体と、該定着回転体に当接されて定着ニッ
プ部を形成する加圧回転体とを備え、未定着トナー像を
担持した記録材を前記定着ニップ部にて挟持搬送しなが
ら加熱・加圧して記録材表面に定着させる定着装置にお
いて、前記加圧回転体に当接されて従動回転するローラ
状の良熱伝導部材を備え、定着動作に伴って発生する前
記加圧回転体の汚れ量をW0 、該汚れ量W0 のうち前記
良熱伝導部材に捕獲される汚れ量をW1 、回収率をα=
(W0 /W1 )、前記定着ニップ部をN1 、前記加圧回
転体と前記良熱伝導部材との当接部をN2 、前記加圧回
転体表面の移動方向に沿って測った前記定着ニップ部N
1 から前記当接部N2 までの距離をLとしたときに、該
距離Lを、回収率αが、α<0.1を満たすように設定
し、かつ、前記良熱伝導部材表面に、前記定着装置によ
って定着されるトナーよりもメルト・インデックス値の
小さい樹脂による表面コート層を設ける、ことを特徴と
する。
施の形態について説明する。
着装置の一例を示す。なお、同図は、概略構成を示す縦
断面図である。
定着ローラ1と、この定着ローラ1に下方から当接され
た加圧回転体である加圧ローラ2と、定着ローラ1の内
側に配設されたヒータ3と、加圧ローラ2に当接された
良熱伝導部材である放熱ローラ4と、を主要構成部材と
して構成されている。上述の定着ローラ1と加圧ローラ
2との間には、定着ローラ1(又は加圧ローラ2)の長
手方向(同図の表裏方向)に沿って帯状の定着ニップ部
N1 が形成されている。記録材Pの搬送方向(矢印Kp
方向)に沿っての定着ニップ部N1 の上流側には定着入
口ガイド5が配設されている。
トを目的として熱容量を小さくするために、材質として
外径32mm、肉厚0.58tのアルミニウム製の素管を
使用した。この素管の外周面には、離型性に優れたテフ
ロンコートを施した。定着ローラ1は、駆動手段(不図
示)によって矢印1方向に周速V1 で回転駆動される。
aの外周面に、ASKER C硬度で50度の、外径3
0mmのスポンジ層2bを設け、さらにその外周面を厚さ
50μmのPFAチューブ2cで被覆して構成した。加
圧ローラ2全体は、付勢手段(不図示)によって所定の
当接圧をもって定着ローラ1に押圧されており、これに
より、定着ローラ1と加圧ローラ2との間には、両ロー
ラの長手方向に沿って帯状の定着ニップ部N1 が形成さ
れる。この定着ニップ部N1 の長さは、ここに通紙され
る最大幅の記録材Pの左右方向の幅よりも長く形成され
ている。加圧ローラ2は、定着ローラ1の矢印R1方向
の回転に伴って矢印R2方向に周速V2で従動回転され
る。
を使用し、定着ローラ1の回転中心に、軸に沿って配設
した。
金属又はアルミナ等の良熱伝導性の材料が用いることが
できる。本実施の形態では、直径16mmのAlの金属ロ
ーラ4aを使用した。Alの金属ローラ4aの表面に
は、定着装置によって記録材P上に定着されるトナーよ
りも、MI値(メルト・インデックス値)が小さい樹脂
による表面コート4bが施されている。この表面コート
4bについては、後に詳述する。放熱ローラ4は、付勢
手段(不図示)によって加圧ローラ2に所定の圧力で当
接されている。この当接部N2 までの距離は、定着ニッ
プ部N1 から加圧ローラ2表面の移動方向に沿って測っ
た距離でL(本実施の形態では60mm)に設定してあ
る。放熱ローラ4は、加圧ローラ2の矢印R2方向の回
転に伴って矢印R4方向に従動回転する。
(矢印Kp方向)に沿っての定着ニップ部N1 のすぐ上
流側に配設されている。定着入口ガイド5は、画像形成
部(不図示)において表面にトナー像を担持した記録材
Pが定着装置に供給される際に、その記録材Pの裏面に
接触してこれをガイドし、記録材Pの先端が円滑に定着
ニップ部N1 に進入するようにするものである。
リンタ等の画像形成装置に装着された場合の動作は、次
の通りである。
材P上にトナー像が形成される。例えば、感光ドラム表
面を均一に帯電し、露光して静電潜像を形成する。この
静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像す
る。このトナー像を記録材Pに転写することで、記録材
P上にトナー像を形成することができる。
ー像は、未定着トナー像である。この未定着トナー像を
表面に担持した記録材Pは、定着入口ガイド5に沿って
矢印Kp方向に搬送され、定着ニップ部N1 に挿通され
る。記録材Pは、定着ニップ部N1 によって挟持搬送さ
れながら、所定の加熱・加圧を受け、表面にトナー像が
定着される。トナー像定着後の記録材Pは、画像形成装
置本体(不図示)の外部に排出され、これにより画像形
成が終了する。
3に示すように中央通紙基準とし、定着ローラ1表面に
おける長手方向の中央部には温調用の第1サーミスタが
当接されている(図3の「第1サーミスタ位置」参
照。)。この第1サーミスタ位置は、通紙領域の中央と
一致する。また、定着ローラ1表面における長手方向の
一方の端部には、端部昇温監視用の第2サーミスタが当
接されている(図3の「第2サーミスタ位置」参
照。)。この第2サーミスタ位置は、通紙最大幅の記録
材Pにとっては通紙領域内に相当するが、小サイズ通紙
幅の記録材P(小サイズ紙)にとっては非通紙領域に相
当する。
スタの検知信号に応じてヒータ3への通電を制御し、定
着温度が一定となるようにしている。
1サーミスタ及び第2サーミスタの検知温度にほとんど
差は生じないが、小サイズ通紙幅の記録材Pを使用した
場合には、定着ローラ1表面の熱が通紙領域のみ記録材
P及びトナーによって奪われるので、第1サーミスタと
第2サーミスタとの間に大きな温度差を生じる。第2に
サーミスタの検知温度の方が高くなるのである。
製複写機NP6016に組み込み、第1サーミスタで1
60℃になるように温調したところ、最大通紙幅(29
7mm)であるA4横の記録材Pを使用した場合は、通紙
領域に入る第2サーミスタの検知温度は記録材Pの通紙
枚数に関係なく、160℃前後の値を示した。これに対
し、第1サーミスタの温調温度を同じ160℃として、
通紙幅が210mmのA4縦の記録材Pを使用した場合に
は、通紙領域から外れる(非通紙領域に入る)第2サー
ミスタは検知温度が約500枚の連続通紙で200℃前
後に上昇した。このとき第1サーミスタと第2サーミス
タとの検知温度の差は、約40℃となった。
おいては、第2サーミスタの検知温度が所定以上の値に
なった場合には、定着ローラ1近傍の多くの部品の寿命
に影響を与えるので、所定以上にならないように、記録
材Pと次の記録材Pとの紙間を広げる等で対処して、非
通紙領域の昇温を防止するようにしていた。
っても、図2に示す従来のものでは、放熱ローラ4がト
ナー(オフセットトナー)で汚れやすいため、トナー層
が厚く蓄積して放熱ローラ4による温度の均一化の効果
が薄れ、非通紙部昇温が大きくなりがちであった。この
ため、記録材Pの紙間をあける必要が生じ、コピー速度
が減少してスループットが低下し、初期の性能を維持で
きないことがあった。
ら放熱ローラ4の当接部N2 までの距離Lをある一定値
以上にすると放熱ローラ4の汚れが極端に減少すること
を見出した。この点について、以下に説明する。
着ローラ1の周長(周長)、加圧ローラ2の直径(加圧
径)、放熱ローラ4の直径(放熱径)、距離L(L)の
関係を示す。同図中の結果欄の「○」は放熱ローラ4の
「汚れなし」、「×」は「汚れあり」を示す。
ローラ1の周長、加圧ローラ2の直径、及び放熱ローラ
4の直径には依存せず、距離Lへの依存が高いことがわ
かる。
Lをパラメータとして、放熱ローラ4の汚れの実験を行
った。このとき、温調温度は160℃、定着ローラ1の
周長は141mm、放熱ローラ4の直径は16mmに固定し
ている。
ーラ2の周速V2 と距離Lに依存し、トナー表面固化時
間T=L/V2 の値が約0.47以下であれば発生し、
L/V2 が約0.5以上であれば発生しないことがわか
る。このように、L/V2 に依存するいうことは、定着
ニップ部N1 を出てからの時間Tにのみ依存していると
いうことを意味している。
2 に変化があるかの実験を行った。トナーとして、メイ
ンの樹脂の種類・磁性体量等の異なる4種類のトナーに
ついてL/V2 の値と、汚れの発生との関係を調べた。
ここで、トナーAは、本実施の形態で使用したトナーで
ある。
って、放熱ローラ4の汚れを発生しなくなる時間L/V
2 は異なるが、ある値以上になれば放熱ローラ4の汚れ
は極めて減少することがわかる。放熱ローラ4の汚れの
発生が、加圧ローラ2と放熱ローラ4との当接部N2 の
温度によらず、定着ローラ1と加圧ローラ2との間の定
着ニップ部N1 を通過してからの時間に依存するのは、
定着ニップ部N1 内で溶融したオフセットトナーが加圧
ローラ2の回転に伴って空気に触れ、急速にごく表面の
トナーの温度が低下して固化し、ある時間を過ぎると放
熱ローラ4に付着しずらくなるためと考えられる。
までの時間L/V2 が異なる。これは、トナーのごく表
面層部での現象なので、オフセットトナー自体の量、ト
ナーの熱容量、トナーの熱伝導率が微妙に影響している
と考えられるが、詳細は、未解決である。
時間T=L/V2 は、容易に求めることができる。実験
的には、加圧ローラ2に対する放熱ローラ4の当接部N
2 の位置を変えて、5万枚程度の耐久を行い、放熱ロー
ラ4の汚れを見ればよいが、非常に手間のかかる作業と
なる。
(したがって、距離L)を決定する方法を見出した。
Eは、当接部N2 の位置を変化させた(定着ニップ部N
1 からの距離Lを変化させた)ときの放熱ローラ4を示
す。図5の実験装置で、51は、加圧ローラ2に当接さ
れたSUS又はリン青銅等の薄板で形成された弾性体の
スクレーパである。A3サイズの記録材P上に反射濃度
0.4〜0.5の濃度のベタトナー画像を形成し、20
0枚分定着動作を行い、スクレーパ51で加圧ローラ2
表面上の汚れ物質を全量回収し、その重量(汚れ量)W
0 を測定する。次に、放熱ローラ4を加圧ローラ2に当
接させ、上述と同様に200枚の定着動作を行い、放熱
ローラ4の重量変化(汚れ量)W1 (実験終了後と開始
前の放熱ローラ4の重量差)を測定する。ここでW1 /
W0 を回収率αと呼ぶことにする。
と、回収率αとの関係を示した図である。これと、前述
の図6との結果を合わせると、回収率αが0.1未満と
なるように放熱ローラ4の位置を、したがって、このよ
うな位置となるように距離Lを設定すると実際の定着動
作を長くつづけても、放熱ローラ4へのトナーの付着が
防止され、良好な性能を維持できることがわかった。
量の多い紙を通紙した場合、紙粉(紙中の填料であるタ
ルク、炭酸カルシウム等)が、加圧ローラ2表面に付着
し、その付着部分の離型性が低下し、オフセットトナー
が紙粉を核として加圧ローラ2表面に付着し、加圧ロー
ラ汚れを引き起こし、記録材Pの裏汚れ等の問題が発生
することがある。
4は、金属ローラ4aの表面に、MI値(メルト・イン
デックス値)が、画像形成で使用するトナーより小さい
樹脂による表面コート4bを設けている。定着装置の動
作に伴って加圧ローラ2及び放熱ローラ4の表面温度が
上昇し、表面コート4bを構成する樹脂が熱により軟化
し、粘性が低くなるので、加圧ローラ2の表面に付着し
ている紙粉を放熱ローラ4表面の樹脂で回収することが
できる。
に高い場合には、加圧ローラ2上の紙粉だけでなく、ト
ナーをも回収してしまい、そのトナーにより次々とトナ
ーを回収することになり、放熱ローラ4が太り、長期に
わたって使用した場合には、蓄積したトナーにより端部
の温度上昇が大きくなり、画像形成効率が下がり、さら
にトナー層が厚くなると、加圧ローラ2と放熱ローラ4
との回転時に異音が発生し、ついには回転がスムースで
なくなり通紙が困難となった。
粉のみを回収させるには、次の2点を抑える必要があ
る。
特に放熱ローラ4と接触する面に付着しているトナーの
粘度が低下していて、放熱ローラ4への転移が抑制され
る点であり、第2は、加圧ローラ2と放熱ローラ4との
当接部N2 において加圧ローラ2からの紙粉を除去し、
かつトナーは加圧ローラ2に残すことが可能な粘度を放
熱ローラ4の表面コート4bに与える点である。
ローラ4との当接部N2 を、加圧ローラ2上のトナー表
面が固化した後に配置することにより達成される。これ
は、前述した通りである。
ナーとの接着力が加圧ローラ2よりも弱く、かつ紙粉と
の接着力が加圧ローラ2よりも大きくなるようにすれば
よい。すなわち、 (放熱ローラとトナーとの接着力)<(加圧ローラとト
ナーとの接着力) かつ、 (放熱ローラと紙粉との接着力)<(加圧ローラと紙粉
との接着力) の条件を同時に満足すればよい。
て説明する。
って一度、定着ニップ部N1 内で溶融状態になり、加圧
ローラ2の回転駆動に伴って空気に触れることにより、
表面から徐々に冷却されていく。このとき定着ニップ部
N1 から十分に離れた位置では、トナーの温度は、空気
との表面近くでは固化が進みほぼ粘性を示さなくなる
が、加圧ローラ2表面近くは温度が下がり、溶融状態よ
りも粘性が強く加圧ローラ2表面に強く接着する状態に
なっており、放熱ローラ4の表面コート4bの樹脂が熱
的に軟化して粘性を示しても、加圧ローラ2から放熱ロ
ーラ4に転移することはない。
着する力としては、メカ的な付着力と静電吸着力だけで
あり、加圧ローラ2の表面電位が数kVになって強力な
静電吸着力を示さない限り、軽い粘着性で簡単に加圧ロ
ーラ2から放熱ローラ4へ転移することができる。加圧
ローラ2表面を高電位にしないためには、加圧ローラ2
を導電化して接地する。又はバイアスを印加する。又は
表面を除電部材で除電する等の既知の方法を用いればよ
い。このとき樹脂材料として、トナーと同等又はトナー
よりも融けやすいもの、すなわちMI値が元のトナーと
同等かそれ以上のものを用いると放熱ローラ4と加圧ロ
ーラ2との当接部N2 での接着力が上昇し、トナーをも
回収してしまうので好ましくない。また、小サイズ紙を
連続通紙して非通紙領域が昇温した場合には、放熱ロー
ラ4上の樹脂が溶融し、加圧ローラ2側に逆転移し、加
圧ローラ汚れ、定着ローラ汚れなどを引き起こすため
に、好ましくない。
融しにくい樹脂を用いることにより、過大な接着力を示
すことが無く、加圧ローラ2上のトナーを回収せずに紙
粉のみを回収することができる。
等のフィラーを混入させることにより、非通紙領域に昇
温が発生しても、溶融しにくく、逆転移のない樹脂層と
することができる。このような樹脂中に含まれるフィラ
ー等を入れてのトナーの溶融性を表す指標としてMI値
を採用する。
P6016用(MI値=15)のトナーを用い、放熱ロ
ーラ4に形成する表面コート(樹脂層)4bとしては、
定着温度の高いNP1215用(MI値=2)のトナー
をメチルエチルケトンに溶いて、10μmの厚みにコー
ティングしたものを用いた。
る距離Lの位置に設置し、記録材Pa(紙粉発生量の少
ない紙)、記録材Pb(紙粉発生の多い紙)に対してそ
れぞれ画像形成動作を10万回行ったところ、記録材P
bを用いた場合には、放熱ローラ4には紙粉が蓄積され
ていたが、加圧ローラ2のトナー汚れは発生せず、いず
れの場合にもこの状態でA5縦を500枚通紙しても、
第2サーミスタの検知温度は205℃程度であり、コピ
ー速度を落とす必要がなく初期の性能を得ることができ
た。
4に樹脂の表層コート4bを設けない場合、記録材Pa
を用いたときには、10万枚を超えても、加圧ローラ2
の汚れは発生せず、また小サイズ紙を通紙時の第2サー
ミスタの検知温度も202℃程度であり、初期と同等の
性能を示したが、記録材Pbを用いた場合には、5万枚
程度の通紙で加圧ローラ2の汚れが発生し、記録材Pb
の裏汚れが発生し、加圧ローラ2の清掃が必要になっ
た。
4の表面コート4bの樹脂のコーティング材として、N
P6016用のトナー自身を用いた場合には、10万枚
通紙後では記録材Pa、Pbに関係なく、放熱ローラ4
上の表面コート層4bによりトナーが次々と回収され、
小サイズ紙を連続通紙した場合に、第2サーミスタの検
知温度は220℃を超えるので、コピースピード(スル
ープット)を落とす必要があった。また、このとき非通
紙領域の放熱ローラ4によって回収されたトナーが加圧
ローラ2側に戻り、次に大サイズ紙を通紙した場合、記
録材Pの裏汚れを発生するという問題を生じた。
2と加圧ローラ2の形成する定着ニップ部N1 の上流近
傍に設けると、定着入口ガイド5を暖めやすくなり、記
録材Pの裏面からの加熱効果が加わり定着性能が増加す
るとともに定着ニップ部N1で生じやすい急激な紙内の
水分の気化・蒸発による画像乱れが、軽減される効果も
あり、より好ましい。
定着ニップ部N1 から、加圧回転体と良熱伝導部材との
当接部N2 までの距離Lを、回収率α(=W1 /W0 )
<0.1を満たすように設定し、かつ良熱伝導部材表面
に、トナーよりもMI値の小さい樹脂による表面コート
を設けることにより、良熱伝導部材にクリーニング部材
を設けることなく、オフセットトナーについてはこれが
加圧回転体を介して良熱伝導部材に付着することを防止
し、かつ紙粉については加圧回転体に付着した紙粉を良
熱伝導部材で積極的に回収することができるので、定着
性の低下や記録材の裏汚れを防止することができる。
図。
録材の幅と、サーミスタ位置との関係を示す図。
ローラの直径、放熱ローラの直径、距離Lとの関係を示
す図。
図。
係を示す図。
(距離L)を決めるための装置を示す図。
率αとの関係を示す図。
れ量 W1 汚れ量W0 のうち良熱伝導部材に捕獲され
る汚れ量 α 回収率(=W1 /W0 )
Claims (1)
- 【請求項1】 加熱部材によって加熱される定着回転体
と、該定着回転体に当接されて定着ニップ部を形成する
加圧回転体とを備え、未定着トナー像を担持した記録材
を前記定着ニップ部にて挟持搬送しながら加熱・加圧し
て記録材表面に定着させる定着装置において、 前記加圧回転体に当接されて従動回転するローラ状の良
熱伝導部材を備え、 定着動作に伴って発生する前記加圧回転体の汚れ量をW
0 、該汚れ量W0 のうち前記良熱伝導部材に捕獲される
汚れ量をW1 、回収率をα=(W1 /W0 )、前記定着
ニップ部をN1 、前記加圧回転体と前記良熱伝導部材と
の当接部をN2、前記加圧回転体表面の移動方向に沿っ
て測った前記定着ニップ部N1 から前記当接部N2 まで
の距離をLとしたときに、該距離Lを、回収率αが、 α<0.1 を満たすように設定し、 かつ、前記良熱伝導部材表面に、前記定着装置によって
定着されるトナーよりもメルト・インデックス値の小さ
い樹脂による表面コート層を設ける、 ことを特徴とする定着装置。
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JP03641799A JP3584175B2 (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 定着装置 |
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JP2000235322A true JP2000235322A (ja) | 2000-08-29 |
JP3584175B2 JP3584175B2 (ja) | 2004-11-04 |
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JP03641799A Expired - Fee Related JP3584175B2 (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 定着装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007011296A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-18 | Toshiba Corp | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2009042689A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Ricoh Co Ltd | 中間転写装置、及びその中間転写装置を備える画像形成装置 |
-
1999
- 1999-02-15 JP JP03641799A patent/JP3584175B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007011296A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-18 | Toshiba Corp | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2009042689A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Ricoh Co Ltd | 中間転写装置、及びその中間転写装置を備える画像形成装置 |
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