JP2000235027A - 検診方法および用具 - Google Patents

検診方法および用具

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明によれば、検体を乾燥状態にして搬送
するようにしたので、簡単な用具を用い、簡単な操作で
検体を採取して安全に包装することができ、これを一般
的な手段で輸送して検診センターに集めて検診を行うこ
とができる検診方法を提供することである。 【解決手段】 検体保持シートを含むサンプリングユニ
ットおよび吸湿剤を備えかつ前記サンプリングユニット
を収容可能な検体収容袋を含む検診用具を検診センター
から被検者側に配布し、被検者側において検体保持シー
トに検体を保持した状態で、サンプリングユニットを検
体収容袋に収容し乾燥させた状態で検診センターに搬送
し、検診センターにおいて搬送された検体保持シートに
保持された検体を分析して検診を行う検診方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠隔地の被検者から
試料を検診センターに集めて検診を行う検診方法および
そのための用具に関するものである。
【0002】病気の診断に先立って検診が行われている
が、現在の検診方法は被検者が直接病院または検診セン
ターに出向き、そこで検診を行うのが通例である。とこ
ろがこのように被検者が直接病院または検診センターに
出向くことを要求すると、検診の機会を逸する原因にな
る。検尿については被検者が検体を特定の容器に採取
し、これを病院または検診センターに集めて検診を行う
ことが行われている。
【0003】しかし、このような検診方法では検体を液
体の状態で搬送するため、郵便のような一般的な輸送方
法を採用することができず、限られた地域において限ら
れた輸送手段により搬送するしかなく、一般的な輸送方
法による広域の輸送による検診を行うことができなかっ
た。一方、検診の専門化、効率化の要請から、病院等で
集めた検体は特定の検診センターに集め、集中的に検診
を行うことが要請されているが、尿や血液等の液状の検
体を大量に輸送することは事故の原因になり、好ましい
ものではない。この場合、被検者から直接検診センター
に検体を輸送するためには特殊な容器を用い、郵便小包
のような特殊な輸送手段が要求されるという問題点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡単
な用具を用い、簡単な操作で検体を採取して安全に包装
することができ、これを一般的な手段で輸送して検診セ
ンターに集めて検診を行うことができる検診方法を提供
することである。
【0005】本発明の他の課題は、上記のような検診方
法に用いるため、簡単な用具を用い、簡単な操作で検体
を採取して安全に包装することができ、これを一般的な
手段で輸送して検診センターに集めることができる検診
用具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 検体保持シート
を含むサンプリングユニットおよび吸湿剤を備えかつ前
記サンプリングユニットを収容可能な検体収容袋を含む
検診用具を検診センターから被検者側に配布し、被検者
側において採取した検体を検体保持シートに保持した状
態で、サンプリングユニットを検体収容袋に収容し乾燥
させた状態で検診センターに搬送し、検診センターにお
いて搬送された検体保持シートに保持された検体を分析
して検診を行う検診方法。 (2) サンプリングユニットは検体保持シートの両面
を保護カバーが被覆した構造を有する上記(1)記載の
方法。 (3) 検体収容袋は吸湿剤とサンプリングユニット収
容空間との間に通気性の隔膜を有する上記(1)または
2記載の方法。 (4) 検診用具が検査票を含む上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の方法。 (5) 検診センターから被検者側に配布し、被検者側
において検体を採取して乾燥状態で返送し検診を行うた
めの検診用具であって、検体保持シートを含むサンプリ
ングユニットおよび吸湿剤を備えかつ前記サンプリング
ユニットを収容可能な検体収容袋を含む検診用具。 (6) サンプリングユニットは検体保持シートの両面
が保護カバーで被覆され、保護カバーの一端部に手で持
つための把持部を形成されている上記(5)記載の検診
用具。 (7) 検体収容袋は通気性の隔膜により吸湿剤が袋に
固着された上記(5)または(6)記載の検診用具。
【0007】本発明において検診の対象となる疾患には
制限はなく、検体を乾燥状態で輸送して分析した結果に
より診断可能なすべての疾患が含まれるが、特に糖尿
病、通風、フェニールケトン尿症などの先天性代謝異常
症等の代謝異常疾患が検診の対象として適している。
【0008】本発明において扱う検体としては制限はな
く、尿、血液、その他の体液など被検者側において容易
に採取し、処理できるものはすべて対象になるが、特に
尿のように液体として採取されるものが対象として適し
ている。ここで被検者側とは、検診センターから見て被
検者と同一視できるものであり、被検者その親族、介護
者、世話人、代理人、医師、看護人、病院など、被検者
のほか、被検者のために検体を採取、包装、返送する立
場にあるすべての者を含む。
【0009】本発明においてサンプリングユニットは検
体保持シートを含むものである。検体保持シートは尿、
血液のような液体の検体を内部に保持できるように、
紙、スポンジのような内部に空隙を有し、成分溶出の少
ないシートが好ましい。特に変質および溶出成分の少な
い材料として、分析用濾紙が好ましい。この検体保持シ
ートの大きさは分析に必要な検体を保持するのに必要な
大きさとされる。形状は配布、返送に適した形状であ
り、一般的には長方形とされる。
【0010】サンプリングユニットは検体保持シートの
両面を保護カバーで被覆したものが好ましい。保護カバ
ーは検体採取、包装、運搬時の取扱性を向上させるため
のものであり、非透水性のもの、通気性のものなど、目
的に応じて使いわけることができるが、片面が非透液性
のシートまたはフィルム、他の面が透液性かつ通気性の
シートまたはフィルムが好ましい。またサンプリングユ
ニットは少なくとも一端部に手で持つための把持部を形
成するのが好ましい。非透液性のシートまたはフィルム
としては、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエス
テル、これらの接合シートなどがあげられる。また通気
性のシートまたはフィルムとしては、上記と同様の材質
からなる不織布、織物などが好ましい。
【0011】検体収容袋は上記のサンプリングユニット
を、検体を保持した状態で収容し、検体を乾燥状態に維
持するために、吸湿剤を備えた構造とされる。この場
合、吸湿剤とサンプリングユニット収容空間との間に透
水性、通気性の隔膜を有するように構成するのが好まし
い。隔膜としてはサンプリングユニットの保護カバーに
用いられる通気性のシートまたはフィルムと同様のもの
が使用できる。サンプリングユニットは透水性の保護カ
バー側を検体収容袋の隔膜側に対向するように収容され
る。検体収容袋は両面粘着テープ等の固着手段により、
蓋をするのが好ましい。吸湿剤としては検体成分と反応
せず、また検体成分を変質させず、単に水分のみを吸収
または吸着するものが好ましく、ポリアクリル酸ナトリ
ウム架橋樹脂のような吸水性ポリマーが好ましい。
【0012】このようなサンプリングユニットを収容し
た検体収容袋はそのまま検診センターに送ることもでき
るが、さらに搬送用袋に検査票とともに入れて、郵便等
により検診センターに搬送するのが好ましい。検査票と
しては、被検者の氏名、年齢、病歴や医師の所見などの
情報を記録できるものが好ましく、ラベルのように貼付
けるものでもよくまたタグのようにサンプリングユニッ
トに添付するものでもよい。
【0013】上記の検診用具を用いる本発明の検診方法
は以下の通り行われる。まずサンプリングユニット、検
体収容袋および必要により添付される検査票を搬送用袋
に収容した状態で説明書とともに被検者側に配布する。
これらの配布は被検者に個別に行ってもよく、病院、診
療所等機関を通して行ってもよい。
【0014】被検者側では被検者本人が、または病院等
が採尿等により検体を採取する。検体の採取は例えば採
尿の場合、紙コップ等に採尿後サンプリングユニットに
サンプリングする方法のほか、サンプリングユニットに
直接排泄してサンプリングすることもできる。いずれの
場合も把持部を把持することにより、手や器具の汚染を
防止して、効率よくサンプリングすることができる。
【0015】サンプリングしたサンプリングユニットは
そのまま放置すると細菌やカビが付着し繁殖して変質す
る場合もあるので、素速く検体収容袋に収容する。この
場合サンプリングユニットを通気性の保護カバーが検体
収容袋の隔膜に向くようにして、サンプリングユニット
収容空間に収容し、蓋を閉じる。
【0016】検体収容袋では検体保持シートに保持され
た検体から水分が透水性の保護カバーおよび隔膜を通し
て浸透し、吸湿剤に吸湿され、乾燥状態になる。乾燥状
態では保持された体液成分の変質は発生せず、また他の
物品を汚染することもない。このためそのまま、または
搬送用袋に入れることにより、普通郵便のような一般的
な搬送手段で搬送することが可能である。
【0017】検診センターでは被検者側から搬送された
サンプリングユニットを取り出し、カラムに装着した後
検体保持シートに蒸留水を添加して検体成分を溶出して
試料を調製し、検診を行う。このとき検体保持シートに
保持される検体の量は異なるが、検体に常に一定量含ま
れる基準成分、例えば尿ではクレアチニンの量を基準に
して各成分の組成を求めることにより、検体の量に関係
なく、化学検診を行うことができる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、検体を乾燥状態にして
搬送するようにしたので、簡単な用具を用い、簡単な操
作で検体を採取して安全に包装することができ、これを
一般的な手段で輸送して検診センターに集め、容易に検
診を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1(a)〜(c)はそれぞれ実施形
態の検診用具のサンプリングユニット、検体収容袋およ
び搬送用袋を示す正面図、図2(a)〜(c)は図1の
A−A、B−B、C−C断面図、図3(a)は使用状態
を示す斜視図、(b)は他の実施形態の検診用具を示す
正面図、図4は検診方法のフロー図である。
【0020】図1および図2において、(a)の1はサ
ンプリングユニットであり、濾紙からなる検体保持シー
ト2の片側(表側)の面に透明、非透水性、通気性のプ
ラスチックシートからなる保護フィルム3、反対側(裏
側)の面に透水性、通気性のプラスチック不織布からな
る保護フィルム4が積層され、接合部5においてヒート
シールにより接合されている。検体保持シート2と保護
フィルム3、4は接合部5以外では剥離状態になってい
る。保護フィルム3、4は接合部5からさらに伸びて先
端部にヒートシールにより接合部6が形成され、また反
対側の端部にもヒートシールにより接合部7が形成され
ている。接合部5、6間には検体保持シート2はなく、
把持部8とされている。
【0021】(b)の検体収容袋11は透明、非透水性
の表側シート12、および裏側シート13が裏側シート
13側に吸湿剤シート14をはさむように透水性、通気
性のプラスチック不織布からなる隔膜15とともに、底
部および側部の接合部16でヒートシールにより接合さ
れ、サンプリングユニット収容空間17を有する袋状に
形成されている。裏側シート13と隔膜15とは上部に
形成された接合部16aでもヒートシールにより接合さ
れており、この部分よりさらに伸びる裏側シート13は
接合部16aの部分で折返されて、蓋18を形成してい
る。表側シート12の上端部には両面粘着テープのよう
な固着材19が取付られており、使用前の状態では剥離
シートが貼布され、蓋18の固着を防止している。
【0022】(c)の搬送用袋21は検体収用袋11を
収容できる大きさの非透水性、非通気性のプラスチック
チューブ22を接合部24でヒートシールにより接合し
て袋状に形成し、開口部にはファスナー25が設けられ
て開閉可能となっている。
【0023】上記の検診用具を用いる検診方法は図4に
示すように以下の通り行われる。まず、サンプリングユ
ニット1、検体収容袋11および必要により添付される
検査票(図示せず)を搬送用袋21に収容した状態で説
明書とともに検診センター31から被検者側32に搬送
して配布する。
【0024】被検者側32では被検者本人が、または病
院等が採尿等により検体を採取する。検体の採取は例え
ば採尿の場合、紙コップ等に採尿後サンプリングユニッ
ト1にサンプリングする方法のほか、サンプリングユニ
ットに直接排泄してサンプリングすることもできる。い
ずれの場合も図3(a)に示すようにサンプリングユニ
ット1の把持部8を一方の手9で把持し、他方の手で反
対側の接合部7を矢印a方向に移動させて検体保持シー
ト2を露出させることにより、手や器具の汚染を防止し
て効率よく検体採取33を行うことができる。
【0025】サンプリングしたサンプリングユニット1
はそのまま放置すると細菌やカビが付着し繁殖して変質
する場合もあるので、素速く検体収容袋に収容する。こ
の場合しずくを切り、サンプリングユニットを乾燥させ
ることなく、そのまま通気性の保護フィルム4が検体収
容袋11の隔膜15に向くようにして、サンプリングユ
ニット収容空間17に収容し、蓋18を折り返して閉じ
る。そして固着材19の両面粘着テープに貼付された剥
離紙(図示せず)を剥離して蓋18を固着材19に押し
つけて固着し、封をする。
【0026】このようにサンプリングユニット1を収容
した検体収容袋11では、検体保持シート2に保持され
た検体から水分が透水性の保護フィルム4および隔膜1
5を通して浸透し、吸湿剤14に吸湿され、乾燥状態に
なる。乾燥状態では検体成分の変質は発生せず、また他
の物品を汚染することもない。このためこの状態で検体
収容器11を搬送用袋21に入れてファスナー25で封
をすることにより、包装34を行い、普通郵便のような
一般的な搬送手段で搬送することが可能である。
【0027】検診センター31では、被検者側32から
搬送されたサンプリングユニット1を取り出し、カラム
に装着して検体保持シート2に蒸留水を添加して検体成
分を溶出し、試料を調製し、検診を行う。このとき検体
保持シート2に保持される検体の量は異なるが、検体に
常に一定量含まれる基準成分、例えば尿ではクレアチニ
ンの量を基準にして各成分の組成を求めることにより、
検体の量に関係なく、化学検診を行うことができる。
【0028】上記による検診用具の配布、回収は被検者
個人に直接行ってもよく、また病院、診療所等の機関を
通して行ってもよい。これらはいずれも被検者側32に
含まれる。いずれの場合も検体採取33に際しては、単
にサンプリングユニット1を手で持って検体を採取する
だけで、手を汚すことなく簡単に検体を採取することが
でき、この場合乾燥等のはん雑な操作は不要であり、ま
た採取後そのまま包装するだけで検体の乾燥が可能であ
る。このように乾燥した状態で検体を搬送するため、検
体の変質や他の物を汚染するおそれがない。
【0029】このため一般郵便のような簡便な搬送手段
で検体を検診センターに集め、集中的かつ精密に検診を
行うことができる。これにより効率のよい検診を行うこ
とが可能になるとともに、検診操作を容易にすることに
より、検診への参加の機会を広げ、疾病の予防に役立て
ることができる。
【0030】図3(b)は乳児のようにオムツを使用す
る被検者用のサンプリングユニットであり、検体保持シ
ート2の両側に透液性、通気性の不織布からなる保護フ
ィルム3、4を配置し、その周辺部に接合部6が形成さ
れている。このサンプリングユニット1も前記のものと
同様に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の検診用具を示し、(a)はサンプリ
ングユニットの正面図、(b)は検体収容袋の正面図、
(c)は搬送用袋の正面図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面図、(b)はB−B
断面図、(c)はC−C断面図である。
【図3】(a)は使用状態を示す斜視図、(b)は他の
実施形態の検診用具を示す正面図である。
【図4】検診方法のフロー図である。
【符号の説明】
1 サンプリングユニット 2 検体保持シート 3、4 保護フィルム 5、6、7、16、16a、24 接合部 8 把持部 9 手 11 検体収容袋 12 表側シート 13 裏側シート 14 吸湿剤シート 15 隔膜 17 サンプリングユニット収容空間 18 蓋 19 固着材 21 搬送用袋 22 プラスチックチューブ 25 ファスナー 31 検診センター 32 被検者側 33 検体採取 34 包装

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体保持シートを含むサンプリングユニ
    ットおよび吸湿剤を備えかつ前記サンプリングユニット
    を収容可能な検体収容袋を含む検診用具を検診センター
    から被検者側に配布し、 被検者側において採取した検体を検体保持シートに保持
    した状態で、サンプリングユニットを検体収容袋に収容
    し乾燥させた状態で検診センターに搬送し、 検診センターにおいて搬送された検体保持シートに保持
    された検体を分析して検診を行う検診方法。
  2. 【請求項2】 サンプリングユニットは検体保持シート
    の両面を保護カバーが被覆した構造を有する請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 検体収容袋は吸湿剤とサンプリングユニ
    ット収容空間との間に通気性の隔膜を有する請求項1ま
    たは2記載の方法。
  4. 【請求項4】 検診用具が検査票を含む請求項1ないし
    3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 検診センターから被検者側に配布し、被
    検者側において検体を採取して乾燥状態で返送し検診を
    行うための検診用具であって、 検体保持シートを含むサンプリングユニットおよび吸湿
    剤を備えかつ前記サンプリングユニットを収容可能な検
    体収容袋を含む検診用具。
  6. 【請求項6】 サンプリングユニットは検体保持シート
    の両面が保護カバーで被覆され、保護カバーの一端部に
    手で持つための把持部を形成されている請求項5記載の
    検診用具。
  7. 【請求項7】 検体収容袋は通気性の隔膜により吸湿剤
    が袋に固着された請求項5または6記載の検診用具。
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