JP2000230968A - 光磁界センサ及びそれを用いた光電流センサ - Google Patents
光磁界センサ及びそれを用いた光電流センサInfo
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- JP2000230968A JP2000230968A JP11033449A JP3344999A JP2000230968A JP 2000230968 A JP2000230968 A JP 2000230968A JP 11033449 A JP11033449 A JP 11033449A JP 3344999 A JP3344999 A JP 3344999A JP 2000230968 A JP2000230968 A JP 2000230968A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被測定電流や被測定磁界を計測するときにお
ける、近接する外部導電体等からの磁界の影響による測
定誤差を低減して、被測定物の電流値や磁界強度を高精
度に計測することのできるファラデー効果を用いた光磁
界センサ及びそれを用いた光電流センサを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明に係る光電流センサは、被計測導
電体により貫通される鉄心コアがリング状の一部に空隙
部分を有しており、その空隙部分に光磁界センサ素子が
配置され、その光磁界センサ素子や光電流センサケース
の外面に軟磁性材料により形成された磁気シールド体を
張り付けたり、鉄心コアと光磁界センサ素子を取り囲む
ように磁気シールド体を配設しており、光磁界センサは
光磁界センサ素子を取り囲むように軟磁性材料により形
成された磁気シールド体を配設して構成されている。
ける、近接する外部導電体等からの磁界の影響による測
定誤差を低減して、被測定物の電流値や磁界強度を高精
度に計測することのできるファラデー効果を用いた光磁
界センサ及びそれを用いた光電流センサを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明に係る光電流センサは、被計測導
電体により貫通される鉄心コアがリング状の一部に空隙
部分を有しており、その空隙部分に光磁界センサ素子が
配置され、その光磁界センサ素子や光電流センサケース
の外面に軟磁性材料により形成された磁気シールド体を
張り付けたり、鉄心コアと光磁界センサ素子を取り囲む
ように磁気シールド体を配設しており、光磁界センサは
光磁界センサ素子を取り囲むように軟磁性材料により形
成された磁気シールド体を配設して構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファラデー効果を
有する磁気光学素子を用いて磁界を検出し、その磁界強
度を測定する光磁界センサ、及びその光磁界センサを用
いて被測定物に流れる電流を測定する光電流センサに関
するものである。本発明はその中でも特に周辺磁界の影
響を除去する磁気シールド構造を有する光磁界センサ及
び光電流センサに関するものである。
有する磁気光学素子を用いて磁界を検出し、その磁界強
度を測定する光磁界センサ、及びその光磁界センサを用
いて被測定物に流れる電流を測定する光電流センサに関
するものである。本発明はその中でも特に周辺磁界の影
響を除去する磁気シールド構造を有する光磁界センサ及
び光電流センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ内の光の透過能力や透
過の割合の変化等により計測する光ファイバセンサが各
種分野において用いられてきている。特に電力分野にお
いては小型軽量で、高精度な高絶縁計測が可能であるた
め、光ファイバセンサの需要が高まってきている。光フ
ァイバセンサの中でも、特に、磁気光学素子のファラデ
ー効果を応用した光方式磁界センサや、その光方式磁界
センサを用いた光電流センサが実用化されつつある。以
下、上記の光方式磁界センサ及びその光方式磁界センサ
を用いた光電流センサを単に磁界センサ及び光電流セン
サと呼ぶ。
過の割合の変化等により計測する光ファイバセンサが各
種分野において用いられてきている。特に電力分野にお
いては小型軽量で、高精度な高絶縁計測が可能であるた
め、光ファイバセンサの需要が高まってきている。光フ
ァイバセンサの中でも、特に、磁気光学素子のファラデ
ー効果を応用した光方式磁界センサや、その光方式磁界
センサを用いた光電流センサが実用化されつつある。以
下、上記の光方式磁界センサ及びその光方式磁界センサ
を用いた光電流センサを単に磁界センサ及び光電流セン
サと呼ぶ。
【0003】以下、従来の光磁界センサと光電流センサ
について説明する。ファラデー効果を利用した従来の光
磁界センサや光電流センサとしては、電気評論、199
6年7月号の第64頁から第67頁に本願発明者が開示
したものがある。図18は、従来の光電流センサ100
の構成を示す斜視図である。図18に示した従来の光電
流センサ100は、一部に空隙部分150aを有するリ
ング状の鉄心コア150と、磁界を検知することのでき
る光磁界センサ素子110と、光磁界センサ素子110
からの光信号を電気信号に変換する信号処理回路51と
を具備している。鉄心コア150の貫通孔150bに
は、被測定物である導電体16が設置されている。光磁
界センサ素子110と信号処理回路51は、入力光ファ
イバ120と出力光ファイバ130とにより光伝送でき
るよう接続されている。鉄心コア150は、導電体16
に流れる被測定電流により発生する導電体16の回りの
磁界を効率よく集束させるために軟磁性材料を用いて形
成されている。
について説明する。ファラデー効果を利用した従来の光
磁界センサや光電流センサとしては、電気評論、199
6年7月号の第64頁から第67頁に本願発明者が開示
したものがある。図18は、従来の光電流センサ100
の構成を示す斜視図である。図18に示した従来の光電
流センサ100は、一部に空隙部分150aを有するリ
ング状の鉄心コア150と、磁界を検知することのでき
る光磁界センサ素子110と、光磁界センサ素子110
からの光信号を電気信号に変換する信号処理回路51と
を具備している。鉄心コア150の貫通孔150bに
は、被測定物である導電体16が設置されている。光磁
界センサ素子110と信号処理回路51は、入力光ファ
イバ120と出力光ファイバ130とにより光伝送でき
るよう接続されている。鉄心コア150は、導電体16
に流れる被測定電流により発生する導電体16の回りの
磁界を効率よく集束させるために軟磁性材料を用いて形
成されている。
【0004】光磁界センサ素子110は鉄心コア150
の空隙部分150aに配置され、この空隙部分150a
に発生する磁界を検知する。信号処理回路51は、レー
ザーダイオード等の光源52と、フォトダイオード等の
光検出素子53と、内蔵した信号増幅回路(図示なし)
を具備している。また、信号処理回路51は、光磁界セ
ンサ素子110により検出された光信号を電気信号に変
換して、被測定電流値を表示するデジタル表示部55
と、被測定電流値に比例した電圧信号を出力する出力端
子54と、測定範囲を切り替える切り替えレンジ56と
を有している。
の空隙部分150aに配置され、この空隙部分150a
に発生する磁界を検知する。信号処理回路51は、レー
ザーダイオード等の光源52と、フォトダイオード等の
光検出素子53と、内蔵した信号増幅回路(図示なし)
を具備している。また、信号処理回路51は、光磁界セ
ンサ素子110により検出された光信号を電気信号に変
換して、被測定電流値を表示するデジタル表示部55
と、被測定電流値に比例した電圧信号を出力する出力端
子54と、測定範囲を切り替える切り替えレンジ56と
を有している。
【0005】上記のように構成された従来の光電流セン
サ100において、信号処理回路51の光源52から出
力された光は、入力光ファイバ120を通過して、光磁
界センサ素子110に入力される。光磁界センサ素子1
10に入力された光は、磁界強度に比例して光の強度変
調を受ける。強度変調された光は、出力光ファイバ13
0に導かれ、信号処理回路51の光検出素子53で受光
される。信号処理回路51は、受光した信号を増幅し
て、被測定電流値を表示、或いは被測定電流に比例する
電圧信号を出力端子54から出力する。
サ100において、信号処理回路51の光源52から出
力された光は、入力光ファイバ120を通過して、光磁
界センサ素子110に入力される。光磁界センサ素子1
10に入力された光は、磁界強度に比例して光の強度変
調を受ける。強度変調された光は、出力光ファイバ13
0に導かれ、信号処理回路51の光検出素子53で受光
される。信号処理回路51は、受光した信号を増幅し
て、被測定電流値を表示、或いは被測定電流に比例する
電圧信号を出力端子54から出力する。
【0006】次に、上記の光電流センサ100の具体的
な設置例について説明する。図19は従来の配電線モニ
タリング用の光電流センサユニット101の外観を示す
斜視図である。図19に示した光電流センサユニット1
01は、第12回光ファイバセンサ国際会議(12th Int
ernational Conference on Optical Fiber Sensors,Wil
liamsburg, Virginia, USA, October 28-31, 1997)の
テクニカルダイジェストの第92頁から第95頁に開示
されたものである。図19の光電流センサユニット10
1における光電流センサ100は、前述の図18と同様
に一部に空隙部分を有するリング状の鉄心コア150と
光磁界センサ素子110から構成されており、光磁界セ
ンサ素子110は信号処理回路部(図示なし))と接続
するために光ファイバケーブル73により光伝送可能に
接続されている。図19における光電流センサ100
は、分割された上ケース71と下ケース72の2つのケ
ースにより収納されており、上ケース71に鉄心コア1
50、下ケース72に光磁界センサ素子110が内蔵さ
れている。光電流センサ100を上下ケース71、72
に固定する場合、鉄心コア150の貫通孔に導電体16
である配電線を通した後に、光電流センサ100を上下
ケース71、72に挟み込むことにより、光磁界センサ
素子110を鉄心コア150の空隙部分の間に固定する
ことができる構成となっている。
な設置例について説明する。図19は従来の配電線モニ
タリング用の光電流センサユニット101の外観を示す
斜視図である。図19に示した光電流センサユニット1
01は、第12回光ファイバセンサ国際会議(12th Int
ernational Conference on Optical Fiber Sensors,Wil
liamsburg, Virginia, USA, October 28-31, 1997)の
テクニカルダイジェストの第92頁から第95頁に開示
されたものである。図19の光電流センサユニット10
1における光電流センサ100は、前述の図18と同様
に一部に空隙部分を有するリング状の鉄心コア150と
光磁界センサ素子110から構成されており、光磁界セ
ンサ素子110は信号処理回路部(図示なし))と接続
するために光ファイバケーブル73により光伝送可能に
接続されている。図19における光電流センサ100
は、分割された上ケース71と下ケース72の2つのケ
ースにより収納されており、上ケース71に鉄心コア1
50、下ケース72に光磁界センサ素子110が内蔵さ
れている。光電流センサ100を上下ケース71、72
に固定する場合、鉄心コア150の貫通孔に導電体16
である配電線を通した後に、光電流センサ100を上下
ケース71、72に挟み込むことにより、光磁界センサ
素子110を鉄心コア150の空隙部分の間に固定する
ことができる構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の光電流センサ1
00において、被測定物である導電体16以外に電流が
流れる他の導電体が近接している場合、その導電体を流
れる電流により発生する外部磁界の影響を大きく受け、
電流の測定精度が低下するという問題点があった。例え
ば、電力分野の配電線モニタリングシステムにおいて、
特に柱上開閉器近傍等の多くの配線が近接、或いは密集
しているところでは、一つの配電線に光電流センサユニ
ット101を設置して電流計測をする際に、近接する他
相の配電線の発生する磁界の影響を受けて測定精度が悪
化するという問題があった。特に、光電流センサユニッ
ト101に内蔵された鉄心コアの空隙部に近い位置に外
部電線が設置された場合には、外部磁界の影響を受けて
測定精度が大きく低下するという問題があった。また、
従来の光電流センサ100に対して、有効な磁気シール
ド構造を提供する具体的な従来技術はなかった。
00において、被測定物である導電体16以外に電流が
流れる他の導電体が近接している場合、その導電体を流
れる電流により発生する外部磁界の影響を大きく受け、
電流の測定精度が低下するという問題点があった。例え
ば、電力分野の配電線モニタリングシステムにおいて、
特に柱上開閉器近傍等の多くの配線が近接、或いは密集
しているところでは、一つの配電線に光電流センサユニ
ット101を設置して電流計測をする際に、近接する他
相の配電線の発生する磁界の影響を受けて測定精度が悪
化するという問題があった。特に、光電流センサユニッ
ト101に内蔵された鉄心コアの空隙部に近い位置に外
部電線が設置された場合には、外部磁界の影響を受けて
測定精度が大きく低下するという問題があった。また、
従来の光電流センサ100に対して、有効な磁気シール
ド構造を提供する具体的な従来技術はなかった。
【0008】本発明は、上記の従来技術の問題点を解決
しようとするものである。本発明では、光電流センサ及
び光磁界センサが被測定電流や被測定磁界を計測すると
き、近接する外部導電体等の発生する磁界の影響による
測定誤差を低減し、被測定物の電流値や磁界強度を精度
よく計測することのできるファラデー効果を用いた光磁
界センサ及びそれを用いた光電流センサを提供すること
を目的とするものである。
しようとするものである。本発明では、光電流センサ及
び光磁界センサが被測定電流や被測定磁界を計測すると
き、近接する外部導電体等の発生する磁界の影響による
測定誤差を低減し、被測定物の電流値や磁界強度を精度
よく計測することのできるファラデー効果を用いた光磁
界センサ及びそれを用いた光電流センサを提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る光電流センサは、リング状の一部に空
隙部分を有し、被計測導電体により貫通される鉄心コア
と、前記空隙部分に配置され、前記鉄心コアによる磁界
を検出するファラデー効果を用いた光磁界センサ素子
と、前記光磁界センサ素子の外面に張り付けられ、軟磁
性材料により形成された板状の磁気シールド体とを具備
する。上記のように構成された光電流センサは、外部磁
界の影響を除去して測定精度を高めることができる高性
能な磁気シールド構造を有する。
に、本発明に係る光電流センサは、リング状の一部に空
隙部分を有し、被計測導電体により貫通される鉄心コア
と、前記空隙部分に配置され、前記鉄心コアによる磁界
を検出するファラデー効果を用いた光磁界センサ素子
と、前記光磁界センサ素子の外面に張り付けられ、軟磁
性材料により形成された板状の磁気シールド体とを具備
する。上記のように構成された光電流センサは、外部磁
界の影響を除去して測定精度を高めることができる高性
能な磁気シールド構造を有する。
【0010】他の観点による発明の光電流センサは、リ
ング状の一部に空隙部分を有し、被計測導電体により貫
通される鉄心コアと、前記空隙部分に配置され、前記鉄
心コアによる磁界を検出するファラデー効果を用いた光
磁界センサ素子と、前記鉄心コアを収納する環状部分と
前記光磁界センサ素子を収納する突出部分とを一体的に
形成した光電流センサケースと、前記光電流センサケー
スの外面に張り付けられ、軟磁性材料により形成された
板状の磁気シールド体とを具備する。上記のように構成
された光電流センサは、外部導電体が鉄心コアの空隙部
分に近接して設置された場合、その外部導電体の外部磁
界を確実にシールドすることができ、測定精度を高める
ことができる高性能な磁気シールド構造を有する。
ング状の一部に空隙部分を有し、被計測導電体により貫
通される鉄心コアと、前記空隙部分に配置され、前記鉄
心コアによる磁界を検出するファラデー効果を用いた光
磁界センサ素子と、前記鉄心コアを収納する環状部分と
前記光磁界センサ素子を収納する突出部分とを一体的に
形成した光電流センサケースと、前記光電流センサケー
スの外面に張り付けられ、軟磁性材料により形成された
板状の磁気シールド体とを具備する。上記のように構成
された光電流センサは、外部導電体が鉄心コアの空隙部
分に近接して設置された場合、その外部導電体の外部磁
界を確実にシールドすることができ、測定精度を高める
ことができる高性能な磁気シールド構造を有する。
【0011】他の観点による発明の光電流センサは、リ
ング状の一部に空隙部分を有し、被計測導電体により貫
通される鉄心コアと、前記空隙部分に配置され、前記鉄
心コアによる磁界を検出するファラデー効果を用いた光
磁界センサ素子と、前記鉄心コアと前記光磁界センサ素
子とを内部に有し、軟磁性材料により筒状に形成された
磁気シールド体とを具備する。上記のように構成された
光電流センサは、外部磁界に対して高い磁気シールド効
果を奏し、測定精度の高いセンサを提供する。
ング状の一部に空隙部分を有し、被計測導電体により貫
通される鉄心コアと、前記空隙部分に配置され、前記鉄
心コアによる磁界を検出するファラデー効果を用いた光
磁界センサ素子と、前記鉄心コアと前記光磁界センサ素
子とを内部に有し、軟磁性材料により筒状に形成された
磁気シールド体とを具備する。上記のように構成された
光電流センサは、外部磁界に対して高い磁気シールド効
果を奏し、測定精度の高いセンサを提供する。
【0012】他の観点による発明の光磁界センサは、被
計測導電体の近傍に配置され、被計測導電体に流れる電
流による磁界を検出するファラデー効果を用いた光磁界
センサ素子と、前記光磁界センサ素子から導出する光フ
ァイバケーブルと、少なくとも前記光磁界センサ素子と
前記光ファイバケーブルの導出部分とを内部に有し、軟
磁性材料により筒状に形成された磁気シールド体とを具
備する。上記のように構成された光磁界センサは、近接
する平行な外部導電体から発生する磁界の影響を効果的
にシールドすることができ、被測定磁界を高精度に測定
することができる。
計測導電体の近傍に配置され、被計測導電体に流れる電
流による磁界を検出するファラデー効果を用いた光磁界
センサ素子と、前記光磁界センサ素子から導出する光フ
ァイバケーブルと、少なくとも前記光磁界センサ素子と
前記光ファイバケーブルの導出部分とを内部に有し、軟
磁性材料により筒状に形成された磁気シールド体とを具
備する。上記のように構成された光磁界センサは、近接
する平行な外部導電体から発生する磁界の影響を効果的
にシールドすることができ、被測定磁界を高精度に測定
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るファラデー効
果を用いた光磁界センサ及び光電流センサの好ましい実
施例について添付の図面を参照しつつ説明する。
果を用いた光磁界センサ及び光電流センサの好ましい実
施例について添付の図面を参照しつつ説明する。
【0014】《第1の実施例》以下、本発明の第1の実
施例における光磁界センサ及び光電流センサについて、
図1を用いて説明する。図1は、第1の実施例における
磁気シールド構造を有する光電流センサを示す斜視図で
ある。図1において、第1の実施例の光電流センサ20
0は、リングの一部に空隙部分15aを有する形状の鉄
心コア15と、磁界を検知することのできる光磁界セン
サ素子11と、光磁界センサ素子11からの光信号を電
気信号に変換する信号処理回路(図示なし)とを具備し
ている。第1の実施例における信号処理回路は前述の図
19に示した信号処理回路51を用いている。
施例における光磁界センサ及び光電流センサについて、
図1を用いて説明する。図1は、第1の実施例における
磁気シールド構造を有する光電流センサを示す斜視図で
ある。図1において、第1の実施例の光電流センサ20
0は、リングの一部に空隙部分15aを有する形状の鉄
心コア15と、磁界を検知することのできる光磁界セン
サ素子11と、光磁界センサ素子11からの光信号を電
気信号に変換する信号処理回路(図示なし)とを具備し
ている。第1の実施例における信号処理回路は前述の図
19に示した信号処理回路51を用いている。
【0015】被測定物である導電体16は、鉄心コア1
5の貫通孔15bの中心を貫通するよう設置されてい
る。光磁界センサ素子11と信号処理回路(図示なし)
は、入力光ファイバ12と出力光ファイバ13とにより
光伝送できるよう接続されている。鉄心コア15は、導
電体16に流れる被測定電流により発生する導電体16
の回りの磁界を効率よく集束させるために軟磁性材料を
用いて形成されている。第1の実施例において用いた軟
磁性材料としては電磁鋼板であるケイ素鋼であるが、パ
ーマロイ、フェライト、アモルファス合金等の高透磁率
の強磁性材料でもよい。
5の貫通孔15bの中心を貫通するよう設置されてい
る。光磁界センサ素子11と信号処理回路(図示なし)
は、入力光ファイバ12と出力光ファイバ13とにより
光伝送できるよう接続されている。鉄心コア15は、導
電体16に流れる被測定電流により発生する導電体16
の回りの磁界を効率よく集束させるために軟磁性材料を
用いて形成されている。第1の実施例において用いた軟
磁性材料としては電磁鋼板であるケイ素鋼であるが、パ
ーマロイ、フェライト、アモルファス合金等の高透磁率
の強磁性材料でもよい。
【0016】図2は、図1に示した第1の実施例の光磁
界センサ素子11の内部構成を示す断面図である。光磁
界センサ素子11は、磁気光学素子61のファラデー効
果により、磁界の強度変化を光の強度変化に変換する。
光磁界センサ素子11は、入力光ファイバ12、フェル
ール65、入力側レンズ66、偏光子62、磁気光学素
子61、検光子63、全反射ミラー64、出力側レンズ
67、フェルール65、及び出力光ファイバ13の各部
により構成されている。この光磁界センサ素子11に入
力された光は、上記の各部の順に通過する。また、入力
側レンズ66と出力側レンズ67は、レンズホルダー6
8に収納されて固定されている。磁気光学素子61に
は、希土類鉄ガーネット材料がファラデー素子の材料と
して用いている。その他に、磁気光学素子61として
は、鉛ガラス、ZnSe、Bi12SiO20、Bi12Ge
O20、CdMnTe等のファラデー素子材料も用いるこ
とができる。図2に示した光磁界センサ素子11におい
ては、偏光子62に偏光ビームスプリッタ、検光子63
にガラス製偏光板を用いている。
界センサ素子11の内部構成を示す断面図である。光磁
界センサ素子11は、磁気光学素子61のファラデー効
果により、磁界の強度変化を光の強度変化に変換する。
光磁界センサ素子11は、入力光ファイバ12、フェル
ール65、入力側レンズ66、偏光子62、磁気光学素
子61、検光子63、全反射ミラー64、出力側レンズ
67、フェルール65、及び出力光ファイバ13の各部
により構成されている。この光磁界センサ素子11に入
力された光は、上記の各部の順に通過する。また、入力
側レンズ66と出力側レンズ67は、レンズホルダー6
8に収納されて固定されている。磁気光学素子61に
は、希土類鉄ガーネット材料がファラデー素子の材料と
して用いている。その他に、磁気光学素子61として
は、鉛ガラス、ZnSe、Bi12SiO20、Bi12Ge
O20、CdMnTe等のファラデー素子材料も用いるこ
とができる。図2に示した光磁界センサ素子11におい
ては、偏光子62に偏光ビームスプリッタ、検光子63
にガラス製偏光板を用いている。
【0017】次に、光電流センサ200の動作につい
て、図1と図2を用いて説明する。信号処理回路51の
光源52から出力された光は、入力光ファイバ12を通
過して、光磁界センサ素子11に入力される。光磁界セ
ンサ素子11に入力された光は、入力側レンズ66にお
いて平行光或いは収束光となって偏光子62に導かれ、
直線偏光となる。光磁界センサ素子11には、導電体1
6を流れる被測定電流に比例して発生する被測定磁界が
印加される。直線偏光は、磁気光学素子11を透過する
時に、ファラデー効果により、導電体16の磁界強度に
比例して直線偏光の偏波面が回転する。即ち、ファラデ
ー回転を生じる。偏波面が回転した直線偏光は、偏光子
62に対して、ある特定の相対角で設置された検光子6
3を通過することにより、磁界強度に比例して光の強度
変調を受ける。このような偏光子62と検光子63を用
いて光の強度変調を行う方法は、磁気光学分野では非作
動固定検光子法と呼ばれる。その方法では、一般的に偏
光子62と検光子63は相対角45度で設置されてい
る。強度変調された光は、全反射ミラー64で出力側レ
ンズ67に導かれ、出力光ファイバ13に収束される。
出力光ファイバ13を通過した光は、信号処理回路の光
検出素子で受光されて、電気信号に変換される。信号処
理回路は、受光した信号を増幅して、被測定電流値を表
示、或いは被測定電流に比例する電圧信号を出力する。
て、図1と図2を用いて説明する。信号処理回路51の
光源52から出力された光は、入力光ファイバ12を通
過して、光磁界センサ素子11に入力される。光磁界セ
ンサ素子11に入力された光は、入力側レンズ66にお
いて平行光或いは収束光となって偏光子62に導かれ、
直線偏光となる。光磁界センサ素子11には、導電体1
6を流れる被測定電流に比例して発生する被測定磁界が
印加される。直線偏光は、磁気光学素子11を透過する
時に、ファラデー効果により、導電体16の磁界強度に
比例して直線偏光の偏波面が回転する。即ち、ファラデ
ー回転を生じる。偏波面が回転した直線偏光は、偏光子
62に対して、ある特定の相対角で設置された検光子6
3を通過することにより、磁界強度に比例して光の強度
変調を受ける。このような偏光子62と検光子63を用
いて光の強度変調を行う方法は、磁気光学分野では非作
動固定検光子法と呼ばれる。その方法では、一般的に偏
光子62と検光子63は相対角45度で設置されてい
る。強度変調された光は、全反射ミラー64で出力側レ
ンズ67に導かれ、出力光ファイバ13に収束される。
出力光ファイバ13を通過した光は、信号処理回路の光
検出素子で受光されて、電気信号に変換される。信号処
理回路は、受光した信号を増幅して、被測定電流値を表
示、或いは被測定電流に比例する電圧信号を出力する。
【0018】図1に示すように、第1の実施例の光電流
センサ200における光磁界センサ素子11には、板状
の磁気シールド体14が張り付けられている。この磁気
シールド体14は軟磁性材料で形成されており、光磁界
センサ素子11の上下面(導電体16の導出方向と実質
的に直交する面)を覆うように配置されている。第1の
実施例における光磁界センサ素子11において、磁気シ
ールド体14の軟磁性材料は板厚0.23mmの方向性
ケイ素鋼である。鉄心コア15のサイズは、内径45m
m、外径65mm、高さ20mm、空隙部分15aの空
隙間隔Aが16mmである。光磁界センサ素子11の外
被11aは、横幅14mm、長さ24mm、高さ10m
mの非磁性材料の樹脂のケースに収められている。なお
ケースとしては非磁性材料の樹脂の他に、セラミックス
等の非磁性材料で形成しても良い。第1の実施例の光電
流センサ200において、磁気シールド体14の横幅a
は13mmとしており、鉄心コア15の空隙間隔A(1
6mm)よりも短くなっている。第1の実施例における
板状の磁気シールド体14は、鉄心コア15の空隙部分
15aの間に配置され、かつ磁気シールド体14が鉄心
コア15に接触しない位置に配設されている。これは、
導電性を有する磁気シールド材によって、誘導電流の発
生を避けるためである。
センサ200における光磁界センサ素子11には、板状
の磁気シールド体14が張り付けられている。この磁気
シールド体14は軟磁性材料で形成されており、光磁界
センサ素子11の上下面(導電体16の導出方向と実質
的に直交する面)を覆うように配置されている。第1の
実施例における光磁界センサ素子11において、磁気シ
ールド体14の軟磁性材料は板厚0.23mmの方向性
ケイ素鋼である。鉄心コア15のサイズは、内径45m
m、外径65mm、高さ20mm、空隙部分15aの空
隙間隔Aが16mmである。光磁界センサ素子11の外
被11aは、横幅14mm、長さ24mm、高さ10m
mの非磁性材料の樹脂のケースに収められている。なお
ケースとしては非磁性材料の樹脂の他に、セラミックス
等の非磁性材料で形成しても良い。第1の実施例の光電
流センサ200において、磁気シールド体14の横幅a
は13mmとしており、鉄心コア15の空隙間隔A(1
6mm)よりも短くなっている。第1の実施例における
板状の磁気シールド体14は、鉄心コア15の空隙部分
15aの間に配置され、かつ磁気シールド体14が鉄心
コア15に接触しない位置に配設されている。これは、
導電性を有する磁気シールド材によって、誘導電流の発
生を避けるためである。
【0019】第1の実施例においては、磁気シールド体
14を光磁界センサ素子11のケースの上下面に設置し
た構成で示したが、上下面の内の何れかの面に磁気シー
ルド体14を設けても光磁界センサ素子11に対する磁
気シールド効果がある。また、第1の実施例において
は、磁気シールド体14を光磁界センサ素子11のケー
スの上下面に張り付けて構成したが、樹脂やセラミック
などの非磁性材料で成形された光磁界センサ素子11の
ケースの上下面に磁気シールド体14を直接埋め込む構
成であっても上記実施例と同様な効果が得られた。発明
者の実験によれば、第1の実施例における磁気シールド
体14の厚み(0.23mm)よりも厚い方向性ケイ素
鋼板(0.5mm)を磁気シールド体として使用した場
合や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を介し
て2枚重ねて磁気シールド体とした場合には、第1の実
施例の磁気シールド体14よりさらにシールド効果が高
いことが確認できた。
14を光磁界センサ素子11のケースの上下面に設置し
た構成で示したが、上下面の内の何れかの面に磁気シー
ルド体14を設けても光磁界センサ素子11に対する磁
気シールド効果がある。また、第1の実施例において
は、磁気シールド体14を光磁界センサ素子11のケー
スの上下面に張り付けて構成したが、樹脂やセラミック
などの非磁性材料で成形された光磁界センサ素子11の
ケースの上下面に磁気シールド体14を直接埋め込む構
成であっても上記実施例と同様な効果が得られた。発明
者の実験によれば、第1の実施例における磁気シールド
体14の厚み(0.23mm)よりも厚い方向性ケイ素
鋼板(0.5mm)を磁気シールド体として使用した場
合や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を介し
て2枚重ねて磁気シールド体とした場合には、第1の実
施例の磁気シールド体14よりさらにシールド効果が高
いことが確認できた。
【0020】第1の実施例において、磁気シールド体1
4の方向性ケイ素鋼板としては、鉄にケイ素を3%添加
した方向性ケイ素鋼を用いた。なお、磁気シールド体1
4の材料としては、方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方
向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス
合金でもよい。これらの材料については、発明者が磁気
シールド体14の材料として使用したが、好ましい磁気
シールド効果を確認することができた。ただし、透磁率
が高い材料ほど磁気シールド性能が良好であった。発明
者の実験によれば、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼
により形成された磁気シールド体14を用いた第1の実
施例の光電流センサは、従来の光電流センサに比べて、
磁気シールド効果が高いことが証明された。その測定結
果については後述する。上記のように、本発明の光電流
センサ及び光磁界センサ素子11に磁気シールド体14
を設けた光磁界センサは、磁気シールド構造を有するた
め、外部磁界による影響を大幅に低減して、被測定物に
流れる電流を高精度に測定することが可能となる。
4の方向性ケイ素鋼板としては、鉄にケイ素を3%添加
した方向性ケイ素鋼を用いた。なお、磁気シールド体1
4の材料としては、方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方
向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス
合金でもよい。これらの材料については、発明者が磁気
シールド体14の材料として使用したが、好ましい磁気
シールド効果を確認することができた。ただし、透磁率
が高い材料ほど磁気シールド性能が良好であった。発明
者の実験によれば、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼
により形成された磁気シールド体14を用いた第1の実
施例の光電流センサは、従来の光電流センサに比べて、
磁気シールド効果が高いことが証明された。その測定結
果については後述する。上記のように、本発明の光電流
センサ及び光磁界センサ素子11に磁気シールド体14
を設けた光磁界センサは、磁気シールド構造を有するた
め、外部磁界による影響を大幅に低減して、被測定物に
流れる電流を高精度に測定することが可能となる。
【0021】《第2の実施例》次に、本発明に係る第2
の実施例の光電流センサについて図3を参照しつつ説明
する。図3は、本発明に係る第2の実施例の光電流セン
サ201を示す斜視図である。第2の実施例の光電流セ
ンサ201は、前述の第1の実施例の光電流センサ20
0をケース21により収納した構成である。従って、第
2の実施例の光電流センサ201は、第1の実施例の光
電流センサ200と同じように鉄心コア15と光磁界セ
ンサ素子11とを有しており、そのサイズは第1の実施
例において用いた物と同じである。以下の各実施例にお
いて、同じ構成、機能を有する要素には同じ符号を付
し、前述の第1の実施例における説明を援用する。
の実施例の光電流センサについて図3を参照しつつ説明
する。図3は、本発明に係る第2の実施例の光電流セン
サ201を示す斜視図である。第2の実施例の光電流セ
ンサ201は、前述の第1の実施例の光電流センサ20
0をケース21により収納した構成である。従って、第
2の実施例の光電流センサ201は、第1の実施例の光
電流センサ200と同じように鉄心コア15と光磁界セ
ンサ素子11とを有しており、そのサイズは第1の実施
例において用いた物と同じである。以下の各実施例にお
いて、同じ構成、機能を有する要素には同じ符号を付
し、前述の第1の実施例における説明を援用する。
【0022】図3に示すように、一部に空隙部分を有す
る実質的なリング状の鉄心コア15と、空隙部分に配置
された光磁界センサ素子11がケース21内に固定され
ている。また、被測定物である導電体16は、光電流セ
ンサ201の貫通孔の中心を通るよう配設されている。
光磁界センサ素子11から導出した入力光ファイバ12
と出力光ファイバ13は、ケース21の突出端部201
aから引き出されて信号処理回路(図示なし)に光伝送
可能に接続されている。第2の実施例における光電流セ
ンサ201のケース21は、非磁性材料の樹脂により形
成されている。なお、ケース21の形成材料としては、
セラミック等の非磁性材料であればよい。ケース21の
サイズは、貫通孔内径35mm、外径75mm、高さ3
0mmであり、光磁界センサ素子11をする部分を含ん
だ全長は95mmである。
る実質的なリング状の鉄心コア15と、空隙部分に配置
された光磁界センサ素子11がケース21内に固定され
ている。また、被測定物である導電体16は、光電流セ
ンサ201の貫通孔の中心を通るよう配設されている。
光磁界センサ素子11から導出した入力光ファイバ12
と出力光ファイバ13は、ケース21の突出端部201
aから引き出されて信号処理回路(図示なし)に光伝送
可能に接続されている。第2の実施例における光電流セ
ンサ201のケース21は、非磁性材料の樹脂により形
成されている。なお、ケース21の形成材料としては、
セラミック等の非磁性材料であればよい。ケース21の
サイズは、貫通孔内径35mm、外径75mm、高さ3
0mmであり、光磁界センサ素子11をする部分を含ん
だ全長は95mmである。
【0023】図3に示すように、第2の実施例の光電流
センサ201のケース21の突出部分21a(光磁界セ
ンサ素子11を収納する部分)の上下両面には軟磁性材
料で形成された板状の磁気シールド体22が張り付けら
れている。第2の実施例における光電流センサ201の
磁気シールド体22は、第1の実施例の磁気シールド1
4と同じように軟磁性材料で形成されている。第2の実
施例の磁気シールド体22は、板厚が0.23mmの方
向性ケイ素鋼板で形成されている。第2の実施例の磁気
シールド体22のサイズは、横幅が20mm、長さが3
5mmであり、このサイズは光磁界センサ素子11の外
被サイズ、横幅14mmと長さ24mmにより決定され
る。
センサ201のケース21の突出部分21a(光磁界セ
ンサ素子11を収納する部分)の上下両面には軟磁性材
料で形成された板状の磁気シールド体22が張り付けら
れている。第2の実施例における光電流センサ201の
磁気シールド体22は、第1の実施例の磁気シールド1
4と同じように軟磁性材料で形成されている。第2の実
施例の磁気シールド体22は、板厚が0.23mmの方
向性ケイ素鋼板で形成されている。第2の実施例の磁気
シールド体22のサイズは、横幅が20mm、長さが3
5mmであり、このサイズは光磁界センサ素子11の外
被サイズ、横幅14mmと長さ24mmにより決定され
る。
【0024】第2の実施例の光電流センサ201は、磁
気シールド体22が鉄心コア15に直接接触しない構成
であるため、組立時に磁気シールド体22が鉄心コア1
5に接触しないよう注意する必要がなく、組立が容易で
ある。第2の実施例においては、光電流センサ201の
ケース21の上下両面に磁気シールド体22を設置した
構成を示したが、発明者の実験によれば上下面の何れか
の面に磁気シールド体22を設置しても、高い磁気シー
ルド効果があることが確認できた。また、第2の実施例
においては、磁気シールド体22をケース21の上下面
に張り付けて構成したが、樹脂やセラミックなどの非磁
性材料で成形されたケース21の上下面に磁気シールド
体22を直接埋め込む構成であっても上記第2の実施例
と同様な効果が得られた。発明者の実験によれば、第2
の実施例における磁気シールド体22の厚み(0.23
mm)よりも厚い方向性ケイ素鋼板(0.5mm)を磁
気シールド体として使用した場合や、0.23mmの方
向性ケイ素鋼板に絶縁層を介して2枚重ねて磁気シール
ド体とした場合には、上記第2の実施例における磁気シ
ールド体22よりさらにシールド効果が高いことが確認
できた。
気シールド体22が鉄心コア15に直接接触しない構成
であるため、組立時に磁気シールド体22が鉄心コア1
5に接触しないよう注意する必要がなく、組立が容易で
ある。第2の実施例においては、光電流センサ201の
ケース21の上下両面に磁気シールド体22を設置した
構成を示したが、発明者の実験によれば上下面の何れか
の面に磁気シールド体22を設置しても、高い磁気シー
ルド効果があることが確認できた。また、第2の実施例
においては、磁気シールド体22をケース21の上下面
に張り付けて構成したが、樹脂やセラミックなどの非磁
性材料で成形されたケース21の上下面に磁気シールド
体22を直接埋め込む構成であっても上記第2の実施例
と同様な効果が得られた。発明者の実験によれば、第2
の実施例における磁気シールド体22の厚み(0.23
mm)よりも厚い方向性ケイ素鋼板(0.5mm)を磁
気シールド体として使用した場合や、0.23mmの方
向性ケイ素鋼板に絶縁層を介して2枚重ねて磁気シール
ド体とした場合には、上記第2の実施例における磁気シ
ールド体22よりさらにシールド効果が高いことが確認
できた。
【0025】第2の実施例において、磁気シールド体2
2の方向性ケイ素鋼板としては、鉄にケイ素を3%添加
した方向性ケイ素鋼を用いた。なお、磁気シールド体2
2の材料としては、方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方
向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス
合金でもよい。これらの材料については、発明者が磁気
シールド体の材料として使用したが、好ましい磁気シー
ルド効果を実験により確認することができた。ただし、
透磁率が高い材料ほど磁気シールド性能が良好であっ
た。発明者の実験によれば、板厚0.23mmの方向性
ケイ素鋼により形成された磁気シールド体22を用いた
第2の実施例の光電流センサは、従来の光電流センサに
比べて、磁気シールド効果が高いことが証明された。そ
の測定結果については後述する。上記のように、本発明
に係る第2の実施例の光電流センサは、磁気シールド構
造を有するため、外部磁界による影響を大幅に低減し
て、被測定物に流れる電流を高精度に測定することが可
能となる。
2の方向性ケイ素鋼板としては、鉄にケイ素を3%添加
した方向性ケイ素鋼を用いた。なお、磁気シールド体2
2の材料としては、方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方
向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス
合金でもよい。これらの材料については、発明者が磁気
シールド体の材料として使用したが、好ましい磁気シー
ルド効果を実験により確認することができた。ただし、
透磁率が高い材料ほど磁気シールド性能が良好であっ
た。発明者の実験によれば、板厚0.23mmの方向性
ケイ素鋼により形成された磁気シールド体22を用いた
第2の実施例の光電流センサは、従来の光電流センサに
比べて、磁気シールド効果が高いことが証明された。そ
の測定結果については後述する。上記のように、本発明
に係る第2の実施例の光電流センサは、磁気シールド構
造を有するため、外部磁界による影響を大幅に低減し
て、被測定物に流れる電流を高精度に測定することが可
能となる。
【0026】《第3の実施例》次に、本発明に係る第3
の実施例の光電流センサについて図4を参照しつつ説明
する。図4は、本発明に係る第3の実施例の光電流セン
サ202を示す斜視図である。第3の実施例の光電流セ
ンサ202は、前述の第1の実施例の光電流センサ20
0をケース21により収納した第2の実施例の光電流セ
ンサ201の他の構成例である。第3の実施例の光電流
センサ202は、第1の実施例の光電流センサ200と
同じように鉄心コア15と光磁界センサ素子11とを有
しており、そのサイズは第1の実施例において用いた物
と同じである。図4に示すように、リングの一部に空隙
部分を有する形状の鉄心コア15と、空隙部分に配置さ
れた光磁界センサ素子11がケース21内に固定されて
いる。また、被測定物である導電体16は、光電流セン
サ202の貫通孔の中心を通るよう配設されている。光
磁界センサ素子11から導出した入力光ファイバ12と
出力光ファイバ13は、ケース21の突出端部202a
から引き出されて信号処理回路(図示なし)に光伝送可
能に接続されている。
の実施例の光電流センサについて図4を参照しつつ説明
する。図4は、本発明に係る第3の実施例の光電流セン
サ202を示す斜視図である。第3の実施例の光電流セ
ンサ202は、前述の第1の実施例の光電流センサ20
0をケース21により収納した第2の実施例の光電流セ
ンサ201の他の構成例である。第3の実施例の光電流
センサ202は、第1の実施例の光電流センサ200と
同じように鉄心コア15と光磁界センサ素子11とを有
しており、そのサイズは第1の実施例において用いた物
と同じである。図4に示すように、リングの一部に空隙
部分を有する形状の鉄心コア15と、空隙部分に配置さ
れた光磁界センサ素子11がケース21内に固定されて
いる。また、被測定物である導電体16は、光電流セン
サ202の貫通孔の中心を通るよう配設されている。光
磁界センサ素子11から導出した入力光ファイバ12と
出力光ファイバ13は、ケース21の突出端部202a
から引き出されて信号処理回路(図示なし)に光伝送可
能に接続されている。
【0027】第3の実施例における光電流センサ202
のケース21は、前述の第2の実施例と同様に非磁性材
料の樹脂により形成され、第2実施例のケース21と同
じサイズである。図4に示すように、第3の実施例の光
電流センサ202のケース21の突出部分部21a(光
磁界センサ素子11を収納する部分)の上下両面には軟
磁性材料で形成された磁気シールド体22が張り付けら
れている。また、ケース21の環状部分(鉄心コア15
を収納する部分)の上下両面には軟磁性材料で形成され
た板状の磁気シールド体23が張り付けられている。磁
気シールド体23は鉄心コア15に対応するようにリン
グの一部切り欠いた形状を有している。
のケース21は、前述の第2の実施例と同様に非磁性材
料の樹脂により形成され、第2実施例のケース21と同
じサイズである。図4に示すように、第3の実施例の光
電流センサ202のケース21の突出部分部21a(光
磁界センサ素子11を収納する部分)の上下両面には軟
磁性材料で形成された磁気シールド体22が張り付けら
れている。また、ケース21の環状部分(鉄心コア15
を収納する部分)の上下両面には軟磁性材料で形成され
た板状の磁気シールド体23が張り付けられている。磁
気シールド体23は鉄心コア15に対応するようにリン
グの一部切り欠いた形状を有している。
【0028】第3の実施例における光電流センサ202
の磁気シールド体22、23は、第1の実施例の磁気シ
ールド14と同じように軟磁性材料で形成されている。
第3の実施例の磁気シールド体22、23は、板厚が
0.23mmの方向性ケイ素鋼板で形成されている。第
3の実施例の磁気シールド体22のサイズは、横幅が2
0mm、長さが35mmであり、このサイズは光磁界セ
ンサ素子11の外被サイズ、横幅14mmと長さ24m
mにより決定される。磁気シールド体23のサイズは、
内径が37mm、外径が73mmであり、切り欠け部分
の空隙距離は24mmである。
の磁気シールド体22、23は、第1の実施例の磁気シ
ールド14と同じように軟磁性材料で形成されている。
第3の実施例の磁気シールド体22、23は、板厚が
0.23mmの方向性ケイ素鋼板で形成されている。第
3の実施例の磁気シールド体22のサイズは、横幅が2
0mm、長さが35mmであり、このサイズは光磁界セ
ンサ素子11の外被サイズ、横幅14mmと長さ24m
mにより決定される。磁気シールド体23のサイズは、
内径が37mm、外径が73mmであり、切り欠け部分
の空隙距離は24mmである。
【0029】第3の実施例の光電流センサ201におい
て、磁気シールド体22の導電体側部はC字状の磁気シ
ールド体23の空隙部分に挿入されるよう配置されてお
り、2つの磁気シールド体22、23が互いに直接接触
しないよう構成されている。これは、導電性を有する磁
気シールド材によって、誘導電流の発生を避けるためで
ある。従って、組立時に2つの磁気シールド体22、2
3が互いに接触しないように注意する必要がある。第3
の実施例においては、光電流センサ202のケース21
の上下両面に磁気シールド体22、23を設置した構成
を示したが、発明者の実験によれば上下面の何れかの面
に磁気シールド体22、23を設置することにより、高
い磁気シールド効果があることが確認できた。また、第
3の実施例においては、磁気シールド体22、23をケ
ース21の上下両面に張り付けて構成したが、樹脂やセ
ラミックなどの非磁性材料で成形されたケース21の上
下両面に磁気シールド体22、23を直接埋め込む構成
であっても上記実施例と同様な効果が得られた。発明者
の実験によれば、第3の実施例における磁気シールド体
22、23の厚み(0.23mm)よりも厚い方向性ケ
イ素鋼板(0.5mm)を磁気シールド体として使用し
た場合や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を
介して2枚重ねて磁気シールド体とした場合には、上記
第3の実施例の磁気シールド体22、23よりさらにシ
ールド効果が高いことが確認できた。
て、磁気シールド体22の導電体側部はC字状の磁気シ
ールド体23の空隙部分に挿入されるよう配置されてお
り、2つの磁気シールド体22、23が互いに直接接触
しないよう構成されている。これは、導電性を有する磁
気シールド材によって、誘導電流の発生を避けるためで
ある。従って、組立時に2つの磁気シールド体22、2
3が互いに接触しないように注意する必要がある。第3
の実施例においては、光電流センサ202のケース21
の上下両面に磁気シールド体22、23を設置した構成
を示したが、発明者の実験によれば上下面の何れかの面
に磁気シールド体22、23を設置することにより、高
い磁気シールド効果があることが確認できた。また、第
3の実施例においては、磁気シールド体22、23をケ
ース21の上下両面に張り付けて構成したが、樹脂やセ
ラミックなどの非磁性材料で成形されたケース21の上
下両面に磁気シールド体22、23を直接埋め込む構成
であっても上記実施例と同様な効果が得られた。発明者
の実験によれば、第3の実施例における磁気シールド体
22、23の厚み(0.23mm)よりも厚い方向性ケ
イ素鋼板(0.5mm)を磁気シールド体として使用し
た場合や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を
介して2枚重ねて磁気シールド体とした場合には、上記
第3の実施例の磁気シールド体22、23よりさらにシ
ールド効果が高いことが確認できた。
【0030】第3の実施例において、磁気シールド体2
2、23の方向性ケイ素鋼板としては、鉄にケイ素を3
%添加した方向性ケイ素鋼を用いた。なお、磁気シール
ド体22、23の材料としては、方向性ケイ素鋼板だけ
でなく、無方向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、
アモルファス合金でもよい。これらの材料については、
発明者が磁気シールド体の材料として使用して実験した
結果、好ましい磁気シールド効果を確認することができ
た。ただし、透磁率が高い材料ほど磁気シールド性能が
良好であった。発明者の実験によれば、板厚0.23m
mの方向性ケイ素鋼により形成された磁気シールド体2
2、23を用いた第3の実施例の光電流センサは、従来
の光電流センサに比べて、磁気シールド効果が高いこと
が証明された。その測定結果については後述する。上記
のように、本発明の第3の実施例係る光電流センサは、
磁気シールド構造を有するため、外部磁界による影響を
大幅に低減して、被測定物に流れる電流を高精度に測定
することが可能となる。
2、23の方向性ケイ素鋼板としては、鉄にケイ素を3
%添加した方向性ケイ素鋼を用いた。なお、磁気シール
ド体22、23の材料としては、方向性ケイ素鋼板だけ
でなく、無方向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、
アモルファス合金でもよい。これらの材料については、
発明者が磁気シールド体の材料として使用して実験した
結果、好ましい磁気シールド効果を確認することができ
た。ただし、透磁率が高い材料ほど磁気シールド性能が
良好であった。発明者の実験によれば、板厚0.23m
mの方向性ケイ素鋼により形成された磁気シールド体2
2、23を用いた第3の実施例の光電流センサは、従来
の光電流センサに比べて、磁気シールド効果が高いこと
が証明された。その測定結果については後述する。上記
のように、本発明の第3の実施例係る光電流センサは、
磁気シールド構造を有するため、外部磁界による影響を
大幅に低減して、被測定物に流れる電流を高精度に測定
することが可能となる。
【0031】《第4の実施例》次に、本発明に係る第4
の実施例の光電流センサ及び光磁界センサについて図5
から図7を参照しつつ説明する。図5は、本発明に係る
第4の実施例の光電流センサ203を示す斜視図であ
る。第4の実施例の光電流センサ203は、前述の第3
の実施例の光電流センサ202における磁気シールド体
をさらに設けた他の構成例である。第4の実施例の光電
流センサ203は、第3の実施例の光電流センサ202
の磁気シールド構造に加えて、光磁界センサ素子11を
収納するケース21の突出部分21aの左右両側面部分
に軟磁性材料で形成された板状の磁気シールド体24を
設けたものである。
の実施例の光電流センサ及び光磁界センサについて図5
から図7を参照しつつ説明する。図5は、本発明に係る
第4の実施例の光電流センサ203を示す斜視図であ
る。第4の実施例の光電流センサ203は、前述の第3
の実施例の光電流センサ202における磁気シールド体
をさらに設けた他の構成例である。第4の実施例の光電
流センサ203は、第3の実施例の光電流センサ202
の磁気シールド構造に加えて、光磁界センサ素子11を
収納するケース21の突出部分21aの左右両側面部分
に軟磁性材料で形成された板状の磁気シールド体24を
設けたものである。
【0032】第4の実施例の光電流センサ203におけ
る磁気シールド体24は、板厚0.23mmの軟磁性材
料である方向性ケイ素鋼で形成されている。この磁気シ
ールド体24は矩形状であり、そのサイズは、幅が18
mmであり、長さが20mmである。ケース21の突出
部分21aの左右両側面部分に設けられている磁気シー
ルド体24は、鉄心コア15、及び他の磁気シールド体
22、23に直接に接触しないよう離して配置されてい
る。第4の実施例において、光電流センサ202のケー
ス21の上下両面及び、突出部分21aの左右両側面に
磁気シールド体22、23、24を設置しているため、
発明者の実験によれば高い磁気シールド効果があること
が確認できた。
る磁気シールド体24は、板厚0.23mmの軟磁性材
料である方向性ケイ素鋼で形成されている。この磁気シ
ールド体24は矩形状であり、そのサイズは、幅が18
mmであり、長さが20mmである。ケース21の突出
部分21aの左右両側面部分に設けられている磁気シー
ルド体24は、鉄心コア15、及び他の磁気シールド体
22、23に直接に接触しないよう離して配置されてい
る。第4の実施例において、光電流センサ202のケー
ス21の上下両面及び、突出部分21aの左右両側面に
磁気シールド体22、23、24を設置しているため、
発明者の実験によれば高い磁気シールド効果があること
が確認できた。
【0033】図6は、第4の実施例における他の光電流
センサ204の構成を示す斜視図である。図6に示した
光電流センサ204は、前記の光電流センサ203の磁
気シールド構造に加えて、鉄心コア15を収納するケー
ス21の環状部分21bの側面部分に軟磁性材料で形成
された板状の磁気シールド体25を設けたものである。
すなわち、光電流センサ204は、ケース21の環状部
分21bの円筒外径部分を覆うように帯状の磁気シール
ド体25を張り付けている。図6に示した光電流センサ
204における軟磁性材料としては、方向性ケイ素鋼板
を使用した。ただし、この帯状の磁気シールド体25
は、鉄心コア15、及び他の磁気シールド体22、2
3、24に直接に接触しないよう配置されている。光電
流センサ204を被測定対象である電線等に取り付ける
ため、前述の図19において示したように、導電体であ
る電線を挟み込んで設置できる搬送可能な上下分割型の
光電流センサユニットとなっている場合がある。その場
合にも、軟磁性材料で形成された磁気シールド体22、
23、24、25が上記第4の実施例のようにケース2
1の各面に設けられているため、光電流センサ204は
高い磁気シールド効果を確保することが可能となる。
センサ204の構成を示す斜視図である。図6に示した
光電流センサ204は、前記の光電流センサ203の磁
気シールド構造に加えて、鉄心コア15を収納するケー
ス21の環状部分21bの側面部分に軟磁性材料で形成
された板状の磁気シールド体25を設けたものである。
すなわち、光電流センサ204は、ケース21の環状部
分21bの円筒外径部分を覆うように帯状の磁気シール
ド体25を張り付けている。図6に示した光電流センサ
204における軟磁性材料としては、方向性ケイ素鋼板
を使用した。ただし、この帯状の磁気シールド体25
は、鉄心コア15、及び他の磁気シールド体22、2
3、24に直接に接触しないよう配置されている。光電
流センサ204を被測定対象である電線等に取り付ける
ため、前述の図19において示したように、導電体であ
る電線を挟み込んで設置できる搬送可能な上下分割型の
光電流センサユニットとなっている場合がある。その場
合にも、軟磁性材料で形成された磁気シールド体22、
23、24、25が上記第4の実施例のようにケース2
1の各面に設けられているため、光電流センサ204は
高い磁気シールド効果を確保することが可能となる。
【0034】また、第4の実施例においては、磁気シー
ルド体22、23、24、25をケース21の各面に張
り付けて構成したが、樹脂やセラミックなどの非磁性材
料で成形されたケース21の各面に磁気シールド体2
2、23、24、25を直接埋め込む構成であっても上
記第4の実施例と同様な効果が得られた。発明者の実験
によれば、第4の実施例における磁気シールド体22、
23、24、25の厚み(0.23mm)よりも厚い方
向性ケイ素鋼板(0.5mm)を磁気シールド体として
使用した場合や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶
縁層を介して2枚重ねて磁気シールド体とした場合に
は、上記第4の実施例の磁気シールド体22、23、2
4、25よりさらにシールド効果が高いことが確認でき
た。
ルド体22、23、24、25をケース21の各面に張
り付けて構成したが、樹脂やセラミックなどの非磁性材
料で成形されたケース21の各面に磁気シールド体2
2、23、24、25を直接埋め込む構成であっても上
記第4の実施例と同様な効果が得られた。発明者の実験
によれば、第4の実施例における磁気シールド体22、
23、24、25の厚み(0.23mm)よりも厚い方
向性ケイ素鋼板(0.5mm)を磁気シールド体として
使用した場合や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶
縁層を介して2枚重ねて磁気シールド体とした場合に
は、上記第4の実施例の磁気シールド体22、23、2
4、25よりさらにシールド効果が高いことが確認でき
た。
【0035】第4の実施例において、磁気シールド体2
2、23、24、25の方向性ケイ素鋼板としては、鉄
にケイ素を3%添加した方向性ケイ素鋼を用いた。な
お、磁気シールド体22、23、24、25の材料とし
ては、方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方向性ケイ素
鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス合金でもよ
い。これらの材料については、発明者が磁気シールド体
の材料として使用して実験した結果、好ましい磁気シー
ルド効果を確認することができた。ただし、透磁率が高
い材料ほど磁気シールド性能が良好であった。発明者の
実験によれば、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼によ
り形成された磁気シールド体22、23、24、25を
用いた図6に示した光電流センサ204は、従来の光電
流センサに比べて、磁気シールド効果が高いことが証明
された。その測定結果については後述する。また、発明
者は、光電流センサ204のケース21のすべての側面
を覆うように、折り曲げることができる磁気シールドシ
ートを巻き付けることによっても高いシールド効果を確
認することができた。このとき用いた磁気シールドシー
トは、ナノスケールの軟磁性金属超微粒子をポリマーフ
ィルムに分散させて成形した薄帯状(シート厚みが0.
3mm)の磁気シールドシートであった。なお、このと
きの磁気シールドシートの両端部は完全に閉じないよう
にエアギャップを設け、うず電流が発生しないよう構成
されている。
2、23、24、25の方向性ケイ素鋼板としては、鉄
にケイ素を3%添加した方向性ケイ素鋼を用いた。な
お、磁気シールド体22、23、24、25の材料とし
ては、方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方向性ケイ素
鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス合金でもよ
い。これらの材料については、発明者が磁気シールド体
の材料として使用して実験した結果、好ましい磁気シー
ルド効果を確認することができた。ただし、透磁率が高
い材料ほど磁気シールド性能が良好であった。発明者の
実験によれば、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼によ
り形成された磁気シールド体22、23、24、25を
用いた図6に示した光電流センサ204は、従来の光電
流センサに比べて、磁気シールド効果が高いことが証明
された。その測定結果については後述する。また、発明
者は、光電流センサ204のケース21のすべての側面
を覆うように、折り曲げることができる磁気シールドシ
ートを巻き付けることによっても高いシールド効果を確
認することができた。このとき用いた磁気シールドシー
トは、ナノスケールの軟磁性金属超微粒子をポリマーフ
ィルムに分散させて成形した薄帯状(シート厚みが0.
3mm)の磁気シールドシートであった。なお、このと
きの磁気シールドシートの両端部は完全に閉じないよう
にエアギャップを設け、うず電流が発生しないよう構成
されている。
【0036】図7は図6に示した光電流センサ204の
磁気シールド構造に加えて、さらに入力光ファイバ12
と出力光ファイバ13を磁気シールドチューブ26で覆
った光電流センサ205を示す斜視図である。図7に示
す光電流センサ205は、軟磁性材料で形成された中空
円筒状の磁気シールドチューブ26により入力光ファイ
バ12と出力光ファイバ13を完全に覆うよう構成され
ている。従って、磁気シールドチューブ26の長さは、
ケース21の突出端部205aから信号処理回路までの
長さである。磁気シールドチューブ26の軟磁性材料と
しては、方向性ケイ素鋼薄膜をチューブ状に成形したも
のや、もしくは軟磁性材料を樹脂材の中に分散して成形
された樹脂チューブが用いられる。
磁気シールド構造に加えて、さらに入力光ファイバ12
と出力光ファイバ13を磁気シールドチューブ26で覆
った光電流センサ205を示す斜視図である。図7に示
す光電流センサ205は、軟磁性材料で形成された中空
円筒状の磁気シールドチューブ26により入力光ファイ
バ12と出力光ファイバ13を完全に覆うよう構成され
ている。従って、磁気シールドチューブ26の長さは、
ケース21の突出端部205aから信号処理回路までの
長さである。磁気シールドチューブ26の軟磁性材料と
しては、方向性ケイ素鋼薄膜をチューブ状に成形したも
のや、もしくは軟磁性材料を樹脂材の中に分散して成形
された樹脂チューブが用いられる。
【0037】図7に示したように、磁気シールドチュー
ブ26を設置することによって、入力光ファイバ12と
出力光ファイバ13に対する外部磁界の印加が磁気シー
ルドされる。この結果、光ファイバ材料自体のファラデ
ー効果が光電流センサ205の出力へ与える影響を除去
することができ、光電流センサ205の測定精度を高め
ることができる。このように磁気シールドチューブ26
を設けることは、特に、極めて高感度な光磁界センサ素
子を有する光電流センサに対して有効であり、ノイズレ
ベルを大幅に低減することができ、測定データのSN比
向上に有効である。 図7に示した磁気シールドチュー
ブ26は、光電流センサに限らず、光磁界センサ素子で
構成された光磁界センサや、磁界を検出することができ
る光ファイバコイル等の光ファイバセンサの信号伝送路
用入出力ファイバ部分に非常に有効である。このような
センサに磁気シールドチューブ26を用いた場合の効果
は、後から述べるアイソレーション比として数dB程度
であり、磁界センサの感度が極めて高く、微弱磁界を精
度よく測定したい場合に有効な磁気シールド対策とな
る。上記のように、本発明に係る第4の実施例の光電流
センサは、磁気シールド構造を有するため、外部磁界に
よる影響を大幅に低減して、被測定物に流れる電流を高
精度に測定することが可能となる。
ブ26を設置することによって、入力光ファイバ12と
出力光ファイバ13に対する外部磁界の印加が磁気シー
ルドされる。この結果、光ファイバ材料自体のファラデ
ー効果が光電流センサ205の出力へ与える影響を除去
することができ、光電流センサ205の測定精度を高め
ることができる。このように磁気シールドチューブ26
を設けることは、特に、極めて高感度な光磁界センサ素
子を有する光電流センサに対して有効であり、ノイズレ
ベルを大幅に低減することができ、測定データのSN比
向上に有効である。 図7に示した磁気シールドチュー
ブ26は、光電流センサに限らず、光磁界センサ素子で
構成された光磁界センサや、磁界を検出することができ
る光ファイバコイル等の光ファイバセンサの信号伝送路
用入出力ファイバ部分に非常に有効である。このような
センサに磁気シールドチューブ26を用いた場合の効果
は、後から述べるアイソレーション比として数dB程度
であり、磁界センサの感度が極めて高く、微弱磁界を精
度よく測定したい場合に有効な磁気シールド対策とな
る。上記のように、本発明に係る第4の実施例の光電流
センサは、磁気シールド構造を有するため、外部磁界に
よる影響を大幅に低減して、被測定物に流れる電流を高
精度に測定することが可能となる。
【0038】《第5の実施例》次に、本発明に係る第5
の実施例の光電流センサについて図8から図11を参照
しつつ説明する。図8は本発明に係る第5の実施例の光
電流センサ206を示す斜視図である。図8に示すよう
に、第5の実施例の光電流センサ206は、鉄心コア1
5と光磁界センサ素子11が中空の円筒形状の磁気シー
ルド体31内に収納される磁気シールド構造を有してい
る。即ち、光電流センサ206を構成する空隙部分を有
する一部を切り欠いたリング状の鉄心コア15とその空
隙部分に配置された光磁界センサ素子11は、円筒形状
の磁気シールド体31により完全に包み込まれている。
光磁界センサ素子11から導出している入力光ファイバ
12と出力光ファイバ13は、被測定物である導電体1
6の配設方向と同じ方向に導出されている。
の実施例の光電流センサについて図8から図11を参照
しつつ説明する。図8は本発明に係る第5の実施例の光
電流センサ206を示す斜視図である。図8に示すよう
に、第5の実施例の光電流センサ206は、鉄心コア1
5と光磁界センサ素子11が中空の円筒形状の磁気シー
ルド体31内に収納される磁気シールド構造を有してい
る。即ち、光電流センサ206を構成する空隙部分を有
する一部を切り欠いたリング状の鉄心コア15とその空
隙部分に配置された光磁界センサ素子11は、円筒形状
の磁気シールド体31により完全に包み込まれている。
光磁界センサ素子11から導出している入力光ファイバ
12と出力光ファイバ13は、被測定物である導電体1
6の配設方向と同じ方向に導出されている。
【0039】円筒形状の磁気シールド体31における上
部及び下部の開口縁部を含むそれぞれの面は、導電体1
6の導出方向に直交するよう形成されている。磁気シー
ルド体31は鉄心コア15と所定距離(例えば、約25
mm)を有して配置されており、磁気シールド体31の
開口縁部を含むそれぞれの面は鉄心コア15の外縁と実
質的に平行に配置されている。第5の実施例の光電流セ
ンサ206における磁気シールド体31は、軟磁性材料
で形成されており、具体的には、板厚0.23mmの方
向性ケイ素鋼板を用いて形成した。第5の実施例におい
ては、光電流センサ206の全周を覆うように、直径が
約120mmで、高さが100mmであった。発明者の
実験によれば、第5の実施例における磁気シールド体3
1における方向性ケイ素鋼の容易磁化方向は、円筒を巻
き込む方向、すなわち円周方向とすることが磁気シール
ドには効果的であった。
部及び下部の開口縁部を含むそれぞれの面は、導電体1
6の導出方向に直交するよう形成されている。磁気シー
ルド体31は鉄心コア15と所定距離(例えば、約25
mm)を有して配置されており、磁気シールド体31の
開口縁部を含むそれぞれの面は鉄心コア15の外縁と実
質的に平行に配置されている。第5の実施例の光電流セ
ンサ206における磁気シールド体31は、軟磁性材料
で形成されており、具体的には、板厚0.23mmの方
向性ケイ素鋼板を用いて形成した。第5の実施例におい
ては、光電流センサ206の全周を覆うように、直径が
約120mmで、高さが100mmであった。発明者の
実験によれば、第5の実施例における磁気シールド体3
1における方向性ケイ素鋼の容易磁化方向は、円筒を巻
き込む方向、すなわち円周方向とすることが磁気シール
ドには効果的であった。
【0040】第5の実施例における円筒形状の磁気シー
ルド体31は、鉄心コア15や光磁界センサ素子11と
ともに樹脂などの非磁性材料で成形されたケース内に収
納して固定される。また、第5の実施例の光電流センサ
206は、鉄心コア15や光磁界センサ素子11と磁気
シールド体31との間も樹脂などの非磁性材料で所定距
離を保持するよう固定されている。
ルド体31は、鉄心コア15や光磁界センサ素子11と
ともに樹脂などの非磁性材料で成形されたケース内に収
納して固定される。また、第5の実施例の光電流センサ
206は、鉄心コア15や光磁界センサ素子11と磁気
シールド体31との間も樹脂などの非磁性材料で所定距
離を保持するよう固定されている。
【0041】なお、図8に示した光電流センサ206に
おいて、円筒形状の磁気シールド体31は、樹脂等の非
磁性材料により成形された固定手段により鉄心コア15
と光磁界センサ素子11とともに被測定物である導電体
16に固定されている。また、発明者は、光電流センサ
206の磁気シールド体31の代わりに、折り曲げるこ
とができる磁気シールドシートを巻き付けることによっ
ても高いシールド効果を確認することができた。このと
き用いた磁気シールドシートは、ナノスケールの微細結
晶組織を含有する軟磁性合金薄帯やCo系アモルファス
合金薄帯をポリマーフィルムで挟んだサンドイッチ構造
を有している。本実施例の薄帯状の磁気シールドシート
の厚みは合計0.3mmであり、そのうち金属薄膜の厚
みが0.15mm、ポリマーフィルムの厚みが0.15m
mであった。磁気シールドチューブ26った。なお、こ
のときの磁気シールドシートの両端部はエアギャップが
設けられ完全に閉じないようにして、うず電流が発生し
ないよう構成されている。このような薄帯状で柔らかい
磁気シールドシートは、加工が容易であり、取り外し可
能な光電流センサの磁気シールド構造において極めて有
効である。また、電磁干渉が高い環境においては、高周
波特性に優れた鉄酸化物材料であるフェライトの超微細
紛体を樹脂材料にバインドさせた磁気シールドシートが
有効であることが発明者により確認された。
おいて、円筒形状の磁気シールド体31は、樹脂等の非
磁性材料により成形された固定手段により鉄心コア15
と光磁界センサ素子11とともに被測定物である導電体
16に固定されている。また、発明者は、光電流センサ
206の磁気シールド体31の代わりに、折り曲げるこ
とができる磁気シールドシートを巻き付けることによっ
ても高いシールド効果を確認することができた。このと
き用いた磁気シールドシートは、ナノスケールの微細結
晶組織を含有する軟磁性合金薄帯やCo系アモルファス
合金薄帯をポリマーフィルムで挟んだサンドイッチ構造
を有している。本実施例の薄帯状の磁気シールドシート
の厚みは合計0.3mmであり、そのうち金属薄膜の厚
みが0.15mm、ポリマーフィルムの厚みが0.15m
mであった。磁気シールドチューブ26った。なお、こ
のときの磁気シールドシートの両端部はエアギャップが
設けられ完全に閉じないようにして、うず電流が発生し
ないよう構成されている。このような薄帯状で柔らかい
磁気シールドシートは、加工が容易であり、取り外し可
能な光電流センサの磁気シールド構造において極めて有
効である。また、電磁干渉が高い環境においては、高周
波特性に優れた鉄酸化物材料であるフェライトの超微細
紛体を樹脂材料にバインドさせた磁気シールドシートが
有効であることが発明者により確認された。
【0042】図9は、図8に示した第5の実施例の光電
流センサ206における磁気シールド体31の断面図で
ある。図9に示すように、第5の実施例において、鉄心
コア15の空隙部分15aには、光磁界センサ素子11
が所定空間を介して配置されている。また、鉄心コア1
5の貫通孔15bの中心には被測定電流が流れる導電体
16が配置されている。図9に示すように、第5の実施
例の光電流センサ206における鉄心コア15と光磁界
センサ素子11は所定距離を有して完全に取り囲まれて
いる。第5の実施例においては、磁気シールド体31は
完全な円筒形を有しているが、光電流センサ206を取
り囲むよう形状であれば、必ずしも円筒形である必要は
なく、鉄心コア15や光磁界センサ素子11の外形に沿
うように多角形状で形成しても磁気シールド効果があ
る。
流センサ206における磁気シールド体31の断面図で
ある。図9に示すように、第5の実施例において、鉄心
コア15の空隙部分15aには、光磁界センサ素子11
が所定空間を介して配置されている。また、鉄心コア1
5の貫通孔15bの中心には被測定電流が流れる導電体
16が配置されている。図9に示すように、第5の実施
例の光電流センサ206における鉄心コア15と光磁界
センサ素子11は所定距離を有して完全に取り囲まれて
いる。第5の実施例においては、磁気シールド体31は
完全な円筒形を有しているが、光電流センサ206を取
り囲むよう形状であれば、必ずしも円筒形である必要は
なく、鉄心コア15や光磁界センサ素子11の外形に沿
うように多角形状で形成しても磁気シールド効果があ
る。
【0043】図9に示すように、光電流センサ206に
磁気シールド構造を形成することにより、被測定物であ
る導電体16以外の導電体である電線が磁気シールド体
31の外側に存在する場合、その電線が発生する外部磁
界の影響を著しく低減できる。従って、第5の実施例の
光電流センサ206は、従来の磁気シールド構造のない
光電流センサと比較して、外部磁界の影響を受けること
がなく、精度の高いセンサを実現することができる。図
10は、外部磁界からの磁力線がどのように磁気シール
ド体31で遮蔽されるかを示す説明図である。図10に
示すように、外部の導電体が発生する磁界の磁力線34
は、円筒状に形成された軟磁性材料の磁気シールド体3
1で遮蔽されて、磁界を検出する光磁界センサ素子11
にその影響を及ばさない。この結果、光磁界センサ素子
11は、被測定電流の発生する磁界のみを精度よく検出
することが可能となる。なお、図8から図10に示した
円筒形状の磁気シールド体31は、鉄心コア15と光磁
界センサ素子11を用いた光電流センサ206だけでな
く、光ファイバをコイル状に巻いてセンシングコイルと
して構成した光ファイバ電流センサについても有効な磁
気シールド構造となる。
磁気シールド構造を形成することにより、被測定物であ
る導電体16以外の導電体である電線が磁気シールド体
31の外側に存在する場合、その電線が発生する外部磁
界の影響を著しく低減できる。従って、第5の実施例の
光電流センサ206は、従来の磁気シールド構造のない
光電流センサと比較して、外部磁界の影響を受けること
がなく、精度の高いセンサを実現することができる。図
10は、外部磁界からの磁力線がどのように磁気シール
ド体31で遮蔽されるかを示す説明図である。図10に
示すように、外部の導電体が発生する磁界の磁力線34
は、円筒状に形成された軟磁性材料の磁気シールド体3
1で遮蔽されて、磁界を検出する光磁界センサ素子11
にその影響を及ばさない。この結果、光磁界センサ素子
11は、被測定電流の発生する磁界のみを精度よく検出
することが可能となる。なお、図8から図10に示した
円筒形状の磁気シールド体31は、鉄心コア15と光磁
界センサ素子11を用いた光電流センサ206だけでな
く、光ファイバをコイル状に巻いてセンシングコイルと
して構成した光ファイバ電流センサについても有効な磁
気シールド構造となる。
【0044】次に、前述の図8に示した光電流センサ2
06における円筒形状の磁気シールド体31の取付け性
を改良した実施例について図11を用いて説明する。図
11は、光電流センサ207における磁気シールド構造
を磁気シールドバンド35により構成した例である。図
11に示した磁気シールド構造は、光電流センサ207
の被測定物である導電体16への後づけを考慮したもの
であり、バンド状の磁気シールドバンド35の両端部の
近傍に着脱自在の樹脂製のテープ(以下、ファスナテー
プと略称する)36等の取り外し可能な加工が施されて
いる。従って、図11に示した光電流センサ207は、
導電体16に装着した後、磁気シールドバンド35のフ
ァスナーテープ36を接着させることにより磁気シール
ド構造を構成している。この装着のとき、鉄心コア15
や光磁界センサ素子11は樹脂等の非磁性材料により成
形された固定手段(図示なし)により導電体16に固定
されており、磁気シールドバンド35はこの固定手段に
巻き付けてファスナーテープ36を接着することにより
装着される。従って、図11に示した光電流センサ20
7は、取り付け容易性の非常に高い磁気シールド構造を
有している。
06における円筒形状の磁気シールド体31の取付け性
を改良した実施例について図11を用いて説明する。図
11は、光電流センサ207における磁気シールド構造
を磁気シールドバンド35により構成した例である。図
11に示した磁気シールド構造は、光電流センサ207
の被測定物である導電体16への後づけを考慮したもの
であり、バンド状の磁気シールドバンド35の両端部の
近傍に着脱自在の樹脂製のテープ(以下、ファスナテー
プと略称する)36等の取り外し可能な加工が施されて
いる。従って、図11に示した光電流センサ207は、
導電体16に装着した後、磁気シールドバンド35のフ
ァスナーテープ36を接着させることにより磁気シール
ド構造を構成している。この装着のとき、鉄心コア15
や光磁界センサ素子11は樹脂等の非磁性材料により成
形された固定手段(図示なし)により導電体16に固定
されており、磁気シールドバンド35はこの固定手段に
巻き付けてファスナーテープ36を接着することにより
装着される。従って、図11に示した光電流センサ20
7は、取り付け容易性の非常に高い磁気シールド構造を
有している。
【0045】図11に示した磁気シールドバンド35
は、携帯に便利なバンド構造にする為に幅(図11にお
ける高さ)を短くし、60mmとした。このように高さ
の低い磁気シールド構造であっても、図8に示した円筒
状の磁気シールド体31と同様に明らかに外部磁界の影
響を低減できるシールド効果を有しており、このシール
ド効果について発明者は実験により確認した。図11に
示した磁気シールドバンド35の軟磁性材料として、方
向性ケイ素鋼板を用いたが、ナノスケールの微細結晶組
織を含有する軟磁性合金薄帯、Co系アモルファス合金
薄帯をポリマーフィルムで挟んだサンドイッチ構造の薄
帯、鉄酸化物材料であるフェライトの超微細紛体を樹脂
材料にバインドさせた磁気シールドシートであってもよ
い。
は、携帯に便利なバンド構造にする為に幅(図11にお
ける高さ)を短くし、60mmとした。このように高さ
の低い磁気シールド構造であっても、図8に示した円筒
状の磁気シールド体31と同様に明らかに外部磁界の影
響を低減できるシールド効果を有しており、このシール
ド効果について発明者は実験により確認した。図11に
示した磁気シールドバンド35の軟磁性材料として、方
向性ケイ素鋼板を用いたが、ナノスケールの微細結晶組
織を含有する軟磁性合金薄帯、Co系アモルファス合金
薄帯をポリマーフィルムで挟んだサンドイッチ構造の薄
帯、鉄酸化物材料であるフェライトの超微細紛体を樹脂
材料にバインドさせた磁気シールドシートであってもよ
い。
【0046】図11に示した磁気シールドバンド35は
ファスナーテープ36により固定する方法について説明
したが、取り外しが可能な手段であればフック金具やパ
ッチン錠のような構造でも磁気シールドバンド35の固
定方法として用いることが可能である。なお、光電流セ
ンサを組み込む光電流センサユニットは、前述の図19
に示したように、上下に分割された2つのケース(7
1、72)が導電体を挟み込むように設置される場合が
多い。このような場合には、図11で示した磁気シール
ドバンド35が広がった状態において、この磁気シール
ドバンド35をあらかじめ上ケース(71)に固定して
おき、光電流センサの上下ケースを導電体16を挟み込
んで設置した後、磁気シールドバンド35を外側から光
電流センサを取り囲むよう装着することができる。
ファスナーテープ36により固定する方法について説明
したが、取り外しが可能な手段であればフック金具やパ
ッチン錠のような構造でも磁気シールドバンド35の固
定方法として用いることが可能である。なお、光電流セ
ンサを組み込む光電流センサユニットは、前述の図19
に示したように、上下に分割された2つのケース(7
1、72)が導電体を挟み込むように設置される場合が
多い。このような場合には、図11で示した磁気シール
ドバンド35が広がった状態において、この磁気シール
ドバンド35をあらかじめ上ケース(71)に固定して
おき、光電流センサの上下ケースを導電体16を挟み込
んで設置した後、磁気シールドバンド35を外側から光
電流センサを取り囲むよう装着することができる。
【0047】発明者の実験によれば、第5の実施例にお
ける磁気シールド体31や磁気シールドバンド35の軟
磁性材料としては、厚みが0.23mmの方向性ケイ素
鋼板により形成したが、(0.23mm)よりも厚い方
向性ケイ素鋼板(0.5mm)を磁気シールド体31や
磁気シールドバンド35として使用した場合や、0.2
3mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を介して2枚重ねて
磁気シールド構造とした場合には、上記第5の実施例の
磁気シールド構造よりさらにシールド効果が高いことが
確認できた。また、発明者は、磁気シールド構造におけ
る軟磁性材料として方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方
向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス
合金等についても実施したが、優れた磁気シールド効果
を確認することができた。特に、後述の第6の実施例に
おいて述べるが、図11に示した磁気シールドバンド3
5を2重構造にすることによっても著しくシールド効果
を高めることができた。上記のように、本発明に係る第
5の実施例の光電流センサは、磁気シールド構造を有す
るため、外部磁界による影響を大幅に低減して、被測定
物に流れる電流を高精度に測定することが可能となる。
ける磁気シールド体31や磁気シールドバンド35の軟
磁性材料としては、厚みが0.23mmの方向性ケイ素
鋼板により形成したが、(0.23mm)よりも厚い方
向性ケイ素鋼板(0.5mm)を磁気シールド体31や
磁気シールドバンド35として使用した場合や、0.2
3mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を介して2枚重ねて
磁気シールド構造とした場合には、上記第5の実施例の
磁気シールド構造よりさらにシールド効果が高いことが
確認できた。また、発明者は、磁気シールド構造におけ
る軟磁性材料として方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方
向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス
合金等についても実施したが、優れた磁気シールド効果
を確認することができた。特に、後述の第6の実施例に
おいて述べるが、図11に示した磁気シールドバンド3
5を2重構造にすることによっても著しくシールド効果
を高めることができた。上記のように、本発明に係る第
5の実施例の光電流センサは、磁気シールド構造を有す
るため、外部磁界による影響を大幅に低減して、被測定
物に流れる電流を高精度に測定することが可能となる。
【0048】《第6の実施例》次に、本発明に係る第6
の実施例の光電流センサについて図12と図13を参照
しつつ説明する。図12は本発明の第6の実施例の光電
流センサ208におけるシールド構造を示す斜視図であ
る。図12に示すように、第6の実施例における磁気シ
ールド構造は、前述の図8に示した中空円筒形状の磁気
シールド体31に、さらにその外側に中空円筒形状の磁
気シールド体32を設置した2重構造である。従って、
2重の磁気シールド体31、32が、光電流センサを構
成する鉄心コア15と光磁界センサ素子11を完全に包
み込むよう設けられている。第6の実施例における磁気
シールド体31、32の軟磁性材料は、板厚0.23m
mの方向性ケイ素鋼板である。また、第6の実施例にお
いて、円筒形状の磁気シールド体31、32の円筒の高
さは100mmであり、直径は鉄心コア15と光磁界セ
ンサ素子11を覆うことのできる約120mmであっ
た。このように構成された光電流センサ208は、前述
の第5の実施例の光電流センサ206に比べてさらに磁
気シールド効果を高めることができる。
の実施例の光電流センサについて図12と図13を参照
しつつ説明する。図12は本発明の第6の実施例の光電
流センサ208におけるシールド構造を示す斜視図であ
る。図12に示すように、第6の実施例における磁気シ
ールド構造は、前述の図8に示した中空円筒形状の磁気
シールド体31に、さらにその外側に中空円筒形状の磁
気シールド体32を設置した2重構造である。従って、
2重の磁気シールド体31、32が、光電流センサを構
成する鉄心コア15と光磁界センサ素子11を完全に包
み込むよう設けられている。第6の実施例における磁気
シールド体31、32の軟磁性材料は、板厚0.23m
mの方向性ケイ素鋼板である。また、第6の実施例にお
いて、円筒形状の磁気シールド体31、32の円筒の高
さは100mmであり、直径は鉄心コア15と光磁界セ
ンサ素子11を覆うことのできる約120mmであっ
た。このように構成された光電流センサ208は、前述
の第5の実施例の光電流センサ206に比べてさらに磁
気シールド効果を高めることができる。
【0049】図13は第6の実施例における他の光電流
センサ209におけるシールド構造を示す斜視図であ
る。図13に示す光電流センサ209におけるシールド
構造は、軟磁性材料の磁気シールドシートの多層構造で
あり、磁気シールドシートの間を絶縁体で絶縁した磁気
シールド積層体33が鉄心コア15と光磁界センサ素子
11を取り囲むよう構成されている。図13に示した光
電流センサ209は、シート状の磁気シールド積層体3
3をファスナーテープ等の接着手段(図示なし)円筒形
状に形成した例であるが、円筒形状の磁気シールド体を
積層体により形成することも可能である。なお、図13
に示した光電流センサにおいて、円筒形状の磁気シール
ド積層体33は、樹脂等の非磁性材料により成形された
固定手段により鉄心コア15と光磁界センサ素子11と
ともに被測定物である導電体16に固定されている。
センサ209におけるシールド構造を示す斜視図であ
る。図13に示す光電流センサ209におけるシールド
構造は、軟磁性材料の磁気シールドシートの多層構造で
あり、磁気シールドシートの間を絶縁体で絶縁した磁気
シールド積層体33が鉄心コア15と光磁界センサ素子
11を取り囲むよう構成されている。図13に示した光
電流センサ209は、シート状の磁気シールド積層体3
3をファスナーテープ等の接着手段(図示なし)円筒形
状に形成した例であるが、円筒形状の磁気シールド体を
積層体により形成することも可能である。なお、図13
に示した光電流センサにおいて、円筒形状の磁気シール
ド積層体33は、樹脂等の非磁性材料により成形された
固定手段により鉄心コア15と光磁界センサ素子11と
ともに被測定物である導電体16に固定されている。
【0050】図13に示した光電流センサ209におけ
る磁気シールドシート積層体33は、例えば、方向性ケ
イ素鋼の磁気シールドシートを絶縁体を介して4重構造
としたり、パーマロイ→方向性ケイ素鋼→方向性ケイ素
鋼→パーマロイの順に積層された他層構造としてもよ
い。また、上記のように構成された磁気シールドシート
積層体33に、パーマロイ→アルミニウム→アルミニウ
ム→パーマロイの順で積層された電磁波シールド材料を
組み合わせ、外部磁界の強度や周波数を考慮して磁気シ
ールド多層構造を形成することにより、磁気と電磁波に
有効な磁気シールド構造を形成することができる。
る磁気シールドシート積層体33は、例えば、方向性ケ
イ素鋼の磁気シールドシートを絶縁体を介して4重構造
としたり、パーマロイ→方向性ケイ素鋼→方向性ケイ素
鋼→パーマロイの順に積層された他層構造としてもよ
い。また、上記のように構成された磁気シールドシート
積層体33に、パーマロイ→アルミニウム→アルミニウ
ム→パーマロイの順で積層された電磁波シールド材料を
組み合わせ、外部磁界の強度や周波数を考慮して磁気シ
ールド多層構造を形成することにより、磁気と電磁波に
有効な磁気シールド構造を形成することができる。
【0051】なお、図13に示した磁気シールド構造
は、完全な環状で、同じ厚みを有して形成される必要は
なく、多層磁気シールドシートを巻き込むことによって
形成された磁気シールド体であっても有効なシールド効
果を発揮する。さらに、上記実施例においては円筒形状
の磁気シールド体31、32が直径120mmであった
が、鉄心コア15と光磁界センサ素子11を完全に覆う
ことができれば、円筒直径は120mmでなくともよ
く、例えば円筒の直径が約80mmでも同様な磁気シー
ルド効果を得ることが可能である。発明者の実験によれ
ば、図13に示した光電流センサ209における軟磁性
材料としては、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼の4
重構造の磁気シールド積層体とした場合を示している
が、板厚が0.23mmよりも厚い方向性ケイ素鋼板
(0.5mm)を使用した場合や、0.23mmの方向性
ケイ素鋼板に絶縁層を介して2枚重ねてそれを4重の磁
気シールド構造とした場合には、さらにシールド効果が
高いことが確認できた。また、発明者は、磁気シールド
構造における軟磁性材料として方向性ケイ素鋼板だけで
なく、無方向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、ア
モルファス合金等についても実施したが、優れた磁気シ
ールド効果を確認することができた。
は、完全な環状で、同じ厚みを有して形成される必要は
なく、多層磁気シールドシートを巻き込むことによって
形成された磁気シールド体であっても有効なシールド効
果を発揮する。さらに、上記実施例においては円筒形状
の磁気シールド体31、32が直径120mmであった
が、鉄心コア15と光磁界センサ素子11を完全に覆う
ことができれば、円筒直径は120mmでなくともよ
く、例えば円筒の直径が約80mmでも同様な磁気シー
ルド効果を得ることが可能である。発明者の実験によれ
ば、図13に示した光電流センサ209における軟磁性
材料としては、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼の4
重構造の磁気シールド積層体とした場合を示している
が、板厚が0.23mmよりも厚い方向性ケイ素鋼板
(0.5mm)を使用した場合や、0.23mmの方向性
ケイ素鋼板に絶縁層を介して2枚重ねてそれを4重の磁
気シールド構造とした場合には、さらにシールド効果が
高いことが確認できた。また、発明者は、磁気シールド
構造における軟磁性材料として方向性ケイ素鋼板だけで
なく、無方向性ケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、ア
モルファス合金等についても実施したが、優れた磁気シ
ールド効果を確認することができた。
【0052】図14は第6の実施例における磁気シール
ド構造を変形した他の光電流センサ210を示す斜視図
である。図14に示すように、この光電流センサ210
は図13に示した円筒形状の磁気シールド積層体33の
上下の開口部分を軟磁性材料で形成された円盤形状の磁
気シールド体37で覆うよう構成されている。但し、円
盤形状の磁気シールド体37は円筒形状の磁気シールド
体33の開口端部と直接に接触しないよう絶縁体40を
介して配置されている。図14に示した光電流センサ2
10においては、円筒形状の磁気シールド構造体により
実質的に全方向において鉄心コア15と光磁界センサ素
子11を覆う構成である。
ド構造を変形した他の光電流センサ210を示す斜視図
である。図14に示すように、この光電流センサ210
は図13に示した円筒形状の磁気シールド積層体33の
上下の開口部分を軟磁性材料で形成された円盤形状の磁
気シールド体37で覆うよう構成されている。但し、円
盤形状の磁気シールド体37は円筒形状の磁気シールド
体33の開口端部と直接に接触しないよう絶縁体40を
介して配置されている。図14に示した光電流センサ2
10においては、円筒形状の磁気シールド構造体により
実質的に全方向において鉄心コア15と光磁界センサ素
子11を覆う構成である。
【0053】円盤形状の上下の磁気シールド体37には
被測定物である導電体16を貫通させるための開口孔3
7aがその中央に形成されている。また、円盤形状の一
方の磁気シールド体37には入力光ファイバ12と出力
光ファイバ13を導出するための孔が形成されている。
磁気シールド体37の軟磁性材料として、板厚0.23
mmの方向性ケイ素鋼を用いた。上記のように鉄心コア
15と光磁界センサ素子11を円筒形状の磁気シールド
構造体により完全に覆い囲むことにより、あらゆる方向
からの外部磁界の影響を大幅に低減することができ。な
お、前述の各実施例において、光電流センサの磁気シー
ルド体としてはウレタンフォーム磁気シールドシート又
はゴムフォーム磁気シールドシートにより構成すること
ができる。上記のように、本発明に係る第6の実施例の
光電流センサは、磁気シールド構造を有するため、外部
磁界による影響を大幅に低減して、被測定物に流れる電
流を高精度に測定することが可能となる。
被測定物である導電体16を貫通させるための開口孔3
7aがその中央に形成されている。また、円盤形状の一
方の磁気シールド体37には入力光ファイバ12と出力
光ファイバ13を導出するための孔が形成されている。
磁気シールド体37の軟磁性材料として、板厚0.23
mmの方向性ケイ素鋼を用いた。上記のように鉄心コア
15と光磁界センサ素子11を円筒形状の磁気シールド
構造体により完全に覆い囲むことにより、あらゆる方向
からの外部磁界の影響を大幅に低減することができ。な
お、前述の各実施例において、光電流センサの磁気シー
ルド体としてはウレタンフォーム磁気シールドシート又
はゴムフォーム磁気シールドシートにより構成すること
ができる。上記のように、本発明に係る第6の実施例の
光電流センサは、磁気シールド構造を有するため、外部
磁界による影響を大幅に低減して、被測定物に流れる電
流を高精度に測定することが可能となる。
【0054】《第7の実施例》次に、本発明に係る第7
の実施例の光磁界センサについて図15と図16を参照
しつつ説明する。図15及び図16は本発明の第7の実
施例の光磁界センサ300における磁気シールド構造を
示す斜視図である。図15に示すように、第7の実施例
の光磁界センサ300は、前述の実施例において用いた
鉄心コア15がなく、光磁界センサ素子11を直接に被
測定物である導電体16に設置して構成した光磁界セン
サである。このように、第7の実施例における光磁界セ
ンサ素子11は、直接に導電体16に取り付けられるこ
とにより、導電体16を流れる電流の周りに発生する磁
界を検知して、その磁界を計測する。しかしながら、導
電体16の近傍に電流が流れる外部導電体17が配置さ
れている場合、外部導電体17を流れる電流により発生
する外部磁界の影響を光磁界センサ素子11が大きく受
ける。そこで、外部磁界の影響を取り除くため、図15
に示すように、第7の実施例の光磁界センサ300は、
軟磁性材料により形成された円筒形状の磁気シールド体
41を光磁界センサ素子11を取り囲むよう設置した。
の実施例の光磁界センサについて図15と図16を参照
しつつ説明する。図15及び図16は本発明の第7の実
施例の光磁界センサ300における磁気シールド構造を
示す斜視図である。図15に示すように、第7の実施例
の光磁界センサ300は、前述の実施例において用いた
鉄心コア15がなく、光磁界センサ素子11を直接に被
測定物である導電体16に設置して構成した光磁界セン
サである。このように、第7の実施例における光磁界セ
ンサ素子11は、直接に導電体16に取り付けられるこ
とにより、導電体16を流れる電流の周りに発生する磁
界を検知して、その磁界を計測する。しかしながら、導
電体16の近傍に電流が流れる外部導電体17が配置さ
れている場合、外部導電体17を流れる電流により発生
する外部磁界の影響を光磁界センサ素子11が大きく受
ける。そこで、外部磁界の影響を取り除くため、図15
に示すように、第7の実施例の光磁界センサ300は、
軟磁性材料により形成された円筒形状の磁気シールド体
41を光磁界センサ素子11を取り囲むよう設置した。
【0055】第7の実施例の光磁界センサ300におけ
る磁気シールド体41は、軟磁性材料により形成されて
おり、具体的には、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼
板を用いて形成した。磁気シールド体41のサイズは円
筒の長さが100mmで直径が約40mmのものを使用
した。発明者の実験によれば、磁気シールド体41にお
ける方向性ケイ素鋼の容易磁化方向は、導電体16の導
出方向と直交する方向、すなわち円周方向とすることに
より、磁気シールドは効果的であった。第7の実施例の
光磁界センサ300は、上記のような磁気シールド構造
を有しているため、被測定物以外の電線等が磁気シール
ド体41の外側に存在する場合においても、その電線が
発生する磁界の影響を著しく低減することができる。従
来のシールド構造のない光磁界センサと比較して外部磁
界の影響を受けることのない測定精度の高い光磁界セン
サを実現することが可能である。
る磁気シールド体41は、軟磁性材料により形成されて
おり、具体的には、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼
板を用いて形成した。磁気シールド体41のサイズは円
筒の長さが100mmで直径が約40mmのものを使用
した。発明者の実験によれば、磁気シールド体41にお
ける方向性ケイ素鋼の容易磁化方向は、導電体16の導
出方向と直交する方向、すなわち円周方向とすることに
より、磁気シールドは効果的であった。第7の実施例の
光磁界センサ300は、上記のような磁気シールド構造
を有しているため、被測定物以外の電線等が磁気シール
ド体41の外側に存在する場合においても、その電線が
発生する磁界の影響を著しく低減することができる。従
来のシールド構造のない光磁界センサと比較して外部磁
界の影響を受けることのない測定精度の高い光磁界セン
サを実現することが可能である。
【0056】図16は第7の実施例における磁気シール
ド構造を変形した他の光電流センサ301の構成を示す
斜視図である。図16に示した光電流センサ301は、
図15に示した光電流センサ300の磁気シールド体4
1に加えてその回りを所定距離(図16の場合、5mm
であった)の空間を有して覆う磁気シールド体42を設
けて、2重構造の磁気シールド構造体を設けたものであ
る。図16に示すように、2つの磁気シールド体41、
42は中空の円筒形状であり、その内部に光磁界センサ
素子11を完全に収納する構造である。磁気シールド体
41、42の軟磁性材料は、板厚0.23mmの方向性
ケイ素鋼板である。内側の磁気シールド体42の円筒の
サイズは、高さ(母線の長さ)が100mmであり、直
径が光磁界センサ素子11を覆うことのできる約40m
mと約50mmであった。
ド構造を変形した他の光電流センサ301の構成を示す
斜視図である。図16に示した光電流センサ301は、
図15に示した光電流センサ300の磁気シールド体4
1に加えてその回りを所定距離(図16の場合、5mm
であった)の空間を有して覆う磁気シールド体42を設
けて、2重構造の磁気シールド構造体を設けたものであ
る。図16に示すように、2つの磁気シールド体41、
42は中空の円筒形状であり、その内部に光磁界センサ
素子11を完全に収納する構造である。磁気シールド体
41、42の軟磁性材料は、板厚0.23mmの方向性
ケイ素鋼板である。内側の磁気シールド体42の円筒の
サイズは、高さ(母線の長さ)が100mmであり、直
径が光磁界センサ素子11を覆うことのできる約40m
mと約50mmであった。
【0057】発明者の実験によれば、図16に示した光
磁界センサ301は、図15の光磁界センサ300に比
べてさらに高い磁気シールド効果を有することを確認で
きた。また、発明者は、図16に示した磁気シールド体
41、42を切断して帯状に形成し、その磁気シールド
バンドを光磁界センサ素子11に巻き付ける構成でも図
16の光磁界センサと同様の磁気シールド効果を確認し
た。発明者の実験によれば、図16に示した光磁界セン
サ301における軟磁性材料としては、板厚0.23m
mの方向性ケイ素鋼の2重構造の磁気シールド構造体と
した場合について説明したが、板厚が0.23mmより
も厚い方向性ケイ素鋼板(0.5mm)を使用した場合
や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を介して
2枚重ねてそれを2重の磁気シールド構造とした場合に
は、さらにシールド効果が高いことが確認できた。ま
た、発明者は、磁気シールド構造体における軟磁性材料
として方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方向性ケイ素
鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス合金等につ
いても実施したが、優れた磁気シールド効果を確認する
ことができた。上記のように、本発明に係る第7の実施
例の光電流センサは、磁気シールド構造を有するため、
外部磁界による影響を大幅に低減して、被測定物に流れ
る電流を高精度に測定することが可能となる。
磁界センサ301は、図15の光磁界センサ300に比
べてさらに高い磁気シールド効果を有することを確認で
きた。また、発明者は、図16に示した磁気シールド体
41、42を切断して帯状に形成し、その磁気シールド
バンドを光磁界センサ素子11に巻き付ける構成でも図
16の光磁界センサと同様の磁気シールド効果を確認し
た。発明者の実験によれば、図16に示した光磁界セン
サ301における軟磁性材料としては、板厚0.23m
mの方向性ケイ素鋼の2重構造の磁気シールド構造体と
した場合について説明したが、板厚が0.23mmより
も厚い方向性ケイ素鋼板(0.5mm)を使用した場合
や、0.23mmの方向性ケイ素鋼板に絶縁層を介して
2枚重ねてそれを2重の磁気シールド構造とした場合に
は、さらにシールド効果が高いことが確認できた。ま
た、発明者は、磁気シールド構造体における軟磁性材料
として方向性ケイ素鋼板だけでなく、無方向性ケイ素
鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス合金等につ
いても実施したが、優れた磁気シールド効果を確認する
ことができた。上記のように、本発明に係る第7の実施
例の光電流センサは、磁気シールド構造を有するため、
外部磁界による影響を大幅に低減して、被測定物に流れ
る電流を高精度に測定することが可能となる。
【0058】また、前述の第6の実施例の光電流センサ
209(図13)における磁気シールド構造体と同様に
光磁界センサ素子11に円筒状の多重磁気シールド積層
体を設けた光磁界センサにおいては、さらに外部磁界の
影響を大幅に低減することができる。さらに、図14に
示したように、多重磁気シールド積層体の開口部に蓋を
設けた磁気シールド体を光磁界センサ素子11に設けた
場合には、あらゆる方向からの外部磁界に対して非常に
効果的な磁気シールド構造を提供することができる。
209(図13)における磁気シールド構造体と同様に
光磁界センサ素子11に円筒状の多重磁気シールド積層
体を設けた光磁界センサにおいては、さらに外部磁界の
影響を大幅に低減することができる。さらに、図14に
示したように、多重磁気シールド積層体の開口部に蓋を
設けた磁気シールド体を光磁界センサ素子11に設けた
場合には、あらゆる方向からの外部磁界に対して非常に
効果的な磁気シールド構造を提供することができる。
【0059】なお、図15や図16に示した光磁界セン
サ300、301において、円筒形状の磁気シールド体
41、42は、樹脂等の非磁性材料により成形された固
定手段により光磁界センサ素子11とともに被測定物で
ある導電体16に固定されている。なお、磁気シールド
体41、42は必ずしも完全な円筒形状に形成する必要
はなく、磁気シールド体41、42の両側の開口端部が
楕円形状や四角形状であっても磁気シールド効果を発揮
することができる。なお、前述の各実施例において、光
磁界センサ素子のための磁気シールド体としてはウレタ
ンフォーム磁気シールドシート又はゴムフォーム磁気シ
ールドシートにより構成することができる。
サ300、301において、円筒形状の磁気シールド体
41、42は、樹脂等の非磁性材料により成形された固
定手段により光磁界センサ素子11とともに被測定物で
ある導電体16に固定されている。なお、磁気シールド
体41、42は必ずしも完全な円筒形状に形成する必要
はなく、磁気シールド体41、42の両側の開口端部が
楕円形状や四角形状であっても磁気シールド効果を発揮
することができる。なお、前述の各実施例において、光
磁界センサ素子のための磁気シールド体としてはウレタ
ンフォーム磁気シールドシート又はゴムフォーム磁気シ
ールドシートにより構成することができる。
【0060】[本発明の磁気シールド構造の原理]次
に、本発明の光電流センサにおける磁気シールド構造の
基本的な考えについて説明する。磁気シールドは、電磁
シールドの一種である。電磁シールドは、主に静電シー
ルド、電磁波シールド、磁気シールドの3つに分類する
ことができる。静電シールドは、静電誘導による電界の
影響を他に及ぼさないように、静電界をシールドする機
能を持たせるものである。このようなシールド材料に
は、主に金属導体を用いて、その導体の電位が0となる
ように接地する必要がある。また、静電気の放電が問題
となる場合には、接地抵抗を大きくして、時定数を大き
くし、急峻な過渡電流が流れないようにすることもあ
る。電磁波シールドは、数MHz以上の高周波の電磁波
に対するシールドである。電磁波シールドを透過する電
磁波を小さくするために、電磁波シールドは電磁波を反
射させるか、或いは電磁波を吸収して熱に変換すること
によってシールドする。電磁波シールドの材料として
は、銅、アルミ等の金属板や、金網、導電性の粉体
(銅、アルミ、スチール、炭素等)を混入した導電性プ
ラスチックなどが考えられる。
に、本発明の光電流センサにおける磁気シールド構造の
基本的な考えについて説明する。磁気シールドは、電磁
シールドの一種である。電磁シールドは、主に静電シー
ルド、電磁波シールド、磁気シールドの3つに分類する
ことができる。静電シールドは、静電誘導による電界の
影響を他に及ぼさないように、静電界をシールドする機
能を持たせるものである。このようなシールド材料に
は、主に金属導体を用いて、その導体の電位が0となる
ように接地する必要がある。また、静電気の放電が問題
となる場合には、接地抵抗を大きくして、時定数を大き
くし、急峻な過渡電流が流れないようにすることもあ
る。電磁波シールドは、数MHz以上の高周波の電磁波
に対するシールドである。電磁波シールドを透過する電
磁波を小さくするために、電磁波シールドは電磁波を反
射させるか、或いは電磁波を吸収して熱に変換すること
によってシールドする。電磁波シールドの材料として
は、銅、アルミ等の金属板や、金網、導電性の粉体
(銅、アルミ、スチール、炭素等)を混入した導電性プ
ラスチックなどが考えられる。
【0061】本発明で述べている磁気シールドは、静磁
界すなわち直流磁界から数MHz以下の低周波数の磁界
の影響を排除するために行なう磁気シールドである。磁
気シールドは電磁波源が電流源とみなされる場合の波源
近傍における電磁界に対して設けられ、導電体を流れる
被測定電流を検出する光電流センサの近傍に配置され
る。磁気シールドは、電流が流れる他の導電体から発生
する磁界を除去するためのシールドである。従って、磁
力線をシールド材料内に閉じ込めるように高い透磁率を
有する材料を用いることが重要である。
界すなわち直流磁界から数MHz以下の低周波数の磁界
の影響を排除するために行なう磁気シールドである。磁
気シールドは電磁波源が電流源とみなされる場合の波源
近傍における電磁界に対して設けられ、導電体を流れる
被測定電流を検出する光電流センサの近傍に配置され
る。磁気シールドは、電流が流れる他の導電体から発生
する磁界を除去するためのシールドである。従って、磁
力線をシールド材料内に閉じ込めるように高い透磁率を
有する材料を用いることが重要である。
【0062】磁気シールドする方法、すなわち磁界の影
響を低減する方法としては、次の3種類に大別される。
すなわち、磁界の発生源から物理的に距離を離す方
法、逆向きの磁界を発生させて磁界を相殺する方法、
磁気シールド材料を用いる方法である。の発生源か
らの距離を離す方法は直接的ではあるが、設置する条件
の制約を受けるため、本発明のような光電流センサでは
有効な方法ではない。また、光電流センサが非常に高感
度のものが必要なときには、地磁気等のように発生源が
巨大な場合に有効な方法ではない。の逆向きの磁界を
発生させて相殺する方法は、磁気シールドしたい空間に
コイルを設置して、対象とする磁界の強さと向きを検知
して、それに応じた逆向きの磁界を発生させて打ち消す
方法である。この方法についても、検討を行ったが、コ
イルを駆動するシステムとメンテナンスの必要性があ
り、コスト的にも高価になるとい問題点があった。ま
た、時間的に不規則に変化する磁界に対しては、うまく
追随しない等の問題点があった。そこで、本願発明で述
べているの磁気シールド材料を用いる方法が、最も簡
便であり、低コストな方法であると考えた。磁気シール
ド材料としては、具体的には、純鉄系電磁軟鉄、方向性
ケイ素鋼板、アモルファス、45%Ni系パーマロイ
(PBパーマロイ)、78%Ni系パーマロイ(PCパ
ーマロイ)等の高透磁率の軟磁性材料がある。したがっ
て、これらの材料を組み合わせて、磁気シールド構造を
形成した。発明者は、超電導材料のマイスナー効果を利
用した磁気シールドも考えた。
響を低減する方法としては、次の3種類に大別される。
すなわち、磁界の発生源から物理的に距離を離す方
法、逆向きの磁界を発生させて磁界を相殺する方法、
磁気シールド材料を用いる方法である。の発生源か
らの距離を離す方法は直接的ではあるが、設置する条件
の制約を受けるため、本発明のような光電流センサでは
有効な方法ではない。また、光電流センサが非常に高感
度のものが必要なときには、地磁気等のように発生源が
巨大な場合に有効な方法ではない。の逆向きの磁界を
発生させて相殺する方法は、磁気シールドしたい空間に
コイルを設置して、対象とする磁界の強さと向きを検知
して、それに応じた逆向きの磁界を発生させて打ち消す
方法である。この方法についても、検討を行ったが、コ
イルを駆動するシステムとメンテナンスの必要性があ
り、コスト的にも高価になるとい問題点があった。ま
た、時間的に不規則に変化する磁界に対しては、うまく
追随しない等の問題点があった。そこで、本願発明で述
べているの磁気シールド材料を用いる方法が、最も簡
便であり、低コストな方法であると考えた。磁気シール
ド材料としては、具体的には、純鉄系電磁軟鉄、方向性
ケイ素鋼板、アモルファス、45%Ni系パーマロイ
(PBパーマロイ)、78%Ni系パーマロイ(PCパ
ーマロイ)等の高透磁率の軟磁性材料がある。したがっ
て、これらの材料を組み合わせて、磁気シールド構造を
形成した。発明者は、超電導材料のマイスナー効果を利
用した磁気シールドも考えた。
【0063】軟磁性材料による磁気シールドの考え方
は、外部からくる磁力線のバイパス効果を利用するもの
である。すなわち、遮蔽したい空間を強磁性体で囲んだ
場合、磁力線は磁気抵抗の小さい強磁性体に沿って流れ
るため、空間の内部あるいは外部への磁気の影響が低減
される。磁気抵抗Rmは、下記式(1)により表され
る。
は、外部からくる磁力線のバイパス効果を利用するもの
である。すなわち、遮蔽したい空間を強磁性体で囲んだ
場合、磁力線は磁気抵抗の小さい強磁性体に沿って流れ
るため、空間の内部あるいは外部への磁気の影響が低減
される。磁気抵抗Rmは、下記式(1)により表され
る。
【0064】
【数1】
【0065】式(1)において、μは磁気シールド材料
の透磁率、lは磁気シールド体の長さ、Sは磁気シール
ド体の断面積である。従って、磁気シールド効果を高め
るためには、透磁率μの高い磁気シールド材料を用いる
か、磁気シールド材料の断面積Sを大きくする。すなわ
ち磁気シールド材料の厚さを厚くすれば、磁気シールド
効果を高めることができる。しかしながら、磁気シール
ド体を厚くすると重量が重くなるので、できるだけ高透
磁率の薄い磁気材料を用いて、前述の実施例で説明した
ように、2重、3重の磁気シールド積層体にすることが
軽量化を可能とする。また、シールドするべき外部磁界
の大きさを考慮する必要がある。シールドしたい磁界の
強度によっても、有効な磁気シールド材料が異なってく
る。比較的に弱い磁界をシールドする場合には、電磁鋼
板やパーマロイ鋼板がよく、強い磁界に対しては、磁気
シールド体が磁気飽和を起こさないような、高透磁率で
飽和密度が大きい材料が好ましい。シールド材料の比透
磁率は、磁界の強さに対して、ある最大値を有する山な
りの曲線を描く。その比透磁率が最大となる磁界の強さ
をHμmすると、シールドしたい外部磁界の強さに近い
Hμmを有するシールド材料が有効である。
の透磁率、lは磁気シールド体の長さ、Sは磁気シール
ド体の断面積である。従って、磁気シールド効果を高め
るためには、透磁率μの高い磁気シールド材料を用いる
か、磁気シールド材料の断面積Sを大きくする。すなわ
ち磁気シールド材料の厚さを厚くすれば、磁気シールド
効果を高めることができる。しかしながら、磁気シール
ド体を厚くすると重量が重くなるので、できるだけ高透
磁率の薄い磁気材料を用いて、前述の実施例で説明した
ように、2重、3重の磁気シールド積層体にすることが
軽量化を可能とする。また、シールドするべき外部磁界
の大きさを考慮する必要がある。シールドしたい磁界の
強度によっても、有効な磁気シールド材料が異なってく
る。比較的に弱い磁界をシールドする場合には、電磁鋼
板やパーマロイ鋼板がよく、強い磁界に対しては、磁気
シールド体が磁気飽和を起こさないような、高透磁率で
飽和密度が大きい材料が好ましい。シールド材料の比透
磁率は、磁界の強さに対して、ある最大値を有する山な
りの曲線を描く。その比透磁率が最大となる磁界の強さ
をHμmすると、シールドしたい外部磁界の強さに近い
Hμmを有するシールド材料が有効である。
【0066】発明者の実験によれば、具体的には、磁界
の強さ0.1A/mから5A/mに対してはPCパーマ
ロイ、磁界の強さ1A/mから100A/mに対しては
PBパーマロイ、磁界の強さ10A/m以上に対しては
電磁鋼板が有効なシールド材料であった。ただし、やは
りシールド体の磁気飽和によるシールド効果の低下を考
慮に入れる必要があり、シールド体が飽和し始める外部
磁界の強さをHOS(A/m)とすると、その磁界の強さ
HOSは下記式(2)により表される。
の強さ0.1A/mから5A/mに対してはPCパーマ
ロイ、磁界の強さ1A/mから100A/mに対しては
PBパーマロイ、磁界の強さ10A/m以上に対しては
電磁鋼板が有効なシールド材料であった。ただし、やは
りシールド体の磁気飽和によるシールド効果の低下を考
慮に入れる必要があり、シールド体が飽和し始める外部
磁界の強さをHOS(A/m)とすると、その磁界の強さ
HOSは下記式(2)により表される。
【0067】
【数2】
【0068】式(2)において、HSはN=0の環状試
験片で測定した時に材料が磁気飽和をし始める磁界の強
さ(A/m)、Nはシールド体の外部磁界方法の反磁界
係数、BSはシールド材料の飽和磁束密度(T)、μ0は
真空の透磁率(4π×10-7H/m)である。従って、
強い磁界をシールドする必要がある場合には、磁気シー
ルド材料の磁気飽和を避けるために、飽和磁束密度の高
い材料を選択して、その板厚をある程度厚くして反磁界
係数をい大きくすればよい。一般に、磁気シールド効果
Sは、外部磁界の強さをHext、シールド内の残留磁界
の強さをHintとすると、下記式(3)により定義され
る。
験片で測定した時に材料が磁気飽和をし始める磁界の強
さ(A/m)、Nはシールド体の外部磁界方法の反磁界
係数、BSはシールド材料の飽和磁束密度(T)、μ0は
真空の透磁率(4π×10-7H/m)である。従って、
強い磁界をシールドする必要がある場合には、磁気シー
ルド材料の磁気飽和を避けるために、飽和磁束密度の高
い材料を選択して、その板厚をある程度厚くして反磁界
係数をい大きくすればよい。一般に、磁気シールド効果
Sは、外部磁界の強さをHext、シールド内の残留磁界
の強さをHintとすると、下記式(3)により定義され
る。
【0069】
【数3】
【0070】また、下記式(4)により定義される遮蔽
減衰aも適切な磁気シールドを選択するとき用いられ
る。
減衰aも適切な磁気シールドを選択するとき用いられ
る。
【0071】
【数4】
【0072】本発明の光電流センサや光磁界センサの磁
気シールド効果についての評価は、電流または磁界に対
するセンサ出力のアイソレーション比で表すことができ
る。即ち、図8に示した鉄心コア15と光磁界センサ素
子11が磁気シールド体31内に収納された光電流セン
サ206に対して、ある電流値IINの電流を流した被測
定物である導電体16から得られるセンサ出力I
OUTと、同じ電流値IINの電流を流した他の導電体をケ
ース21の外側近傍に配置した場合に誘起されるセンサ
出力IEXT、とを用いて、磁気シールド効果を下記式
(5)に示す外部磁界に対するアイソレーション比bで
表すことができる。
気シールド効果についての評価は、電流または磁界に対
するセンサ出力のアイソレーション比で表すことができ
る。即ち、図8に示した鉄心コア15と光磁界センサ素
子11が磁気シールド体31内に収納された光電流セン
サ206に対して、ある電流値IINの電流を流した被測
定物である導電体16から得られるセンサ出力I
OUTと、同じ電流値IINの電流を流した他の導電体をケ
ース21の外側近傍に配置した場合に誘起されるセンサ
出力IEXT、とを用いて、磁気シールド効果を下記式
(5)に示す外部磁界に対するアイソレーション比bで
表すことができる。
【0073】
【数5】
【0074】従って、アイソレーション比の値が高いほ
ど、シールド効果が高いと理解することができる。すな
わち、ある電流を被測定導電体に流したときに光電流セ
ンサの出力が100を示したとすると、その電流と同じ
電流値の電流を外部導電体に流した場合、例えば外部導
電体を鉄心コアに近接した位置に配置したときの光電流
センサが1の出力を誘起すると、その場合の誤差要因は
1%である。故に、その時のアイソレーション比は下記
式(6)で表され、−40dBが計測誤差1%に相当す
ることになる。
ど、シールド効果が高いと理解することができる。すな
わち、ある電流を被測定導電体に流したときに光電流セ
ンサの出力が100を示したとすると、その電流と同じ
電流値の電流を外部導電体に流した場合、例えば外部導
電体を鉄心コアに近接した位置に配置したときの光電流
センサが1の出力を誘起すると、その場合の誤差要因は
1%である。故に、その時のアイソレーション比は下記
式(6)で表され、−40dBが計測誤差1%に相当す
ることになる。
【0075】
【数6】
【0076】図17はそれぞれの実施例の光電流センサ
おけるアイソレーション比を測定したときの外部導電体
の位置(点A〜点F)を示す説明図である。図17に示
すように、位置Aは鉄心コア15の空隙部分15aと反
対の位置、位置Bは鉄心コア15を図17のように配置
したときの左側の位置、位置Cは位置Bと鉄心コア15
を挟んで反対側の位置、位置Dは鉄心コア15の空隙部
分15aの近傍での図17の左側の位置、位置Eは位置
Dと光磁界センサ素子11を挟んで反対側の位置、位置
Fは光磁界センサ素子11のセンシング中心18と位置
Aを結ぶ線の距離だけセンシング中心18から離れた位
置Aと反対側の位置をそれぞれ示している。
おけるアイソレーション比を測定したときの外部導電体
の位置(点A〜点F)を示す説明図である。図17に示
すように、位置Aは鉄心コア15の空隙部分15aと反
対の位置、位置Bは鉄心コア15を図17のように配置
したときの左側の位置、位置Cは位置Bと鉄心コア15
を挟んで反対側の位置、位置Dは鉄心コア15の空隙部
分15aの近傍での図17の左側の位置、位置Eは位置
Dと光磁界センサ素子11を挟んで反対側の位置、位置
Fは光磁界センサ素子11のセンシング中心18と位置
Aを結ぶ線の距離だけセンシング中心18から離れた位
置Aと反対側の位置をそれぞれ示している。
【0077】図17において、各位置に表示した数値
(dB)は従来の光電流センサにおけるアイソレーショ
ン比の測定値を示している。ここで用いた従来の光電流
センサは磁気シールドのない光磁界センサと鉄心コアに
より構成されたものである。図17に示すように、外部
導電体が鉄心コアの空隙部分15aに近接して配置され
るほど、外部導電体からの磁界の影響を強く受け、アイ
ソレーション比が低くなる。すなわち、外部導電体が光
磁界センサ素子11に近接して配置されるほど、鉄心コ
ア15のシールド効果が低下する。それぞれの実施例に
おける光電流センサのアイソレーション比の測定結果
を、(表1)に示す。表1において、磁気シールド材料
として、板厚0.23mmの電磁鋼板である方向性ケイ
素鋼板を用いた。表1において、単位はdBである。表
1において、測定を行った各実施例の光電流センサは図
番にて示す。なお、第5の実施例から第7の実施例に示
した円筒形の磁気シールド構造を使用する場合には位置
Dと位置Eは当然測定していない。
(dB)は従来の光電流センサにおけるアイソレーショ
ン比の測定値を示している。ここで用いた従来の光電流
センサは磁気シールドのない光磁界センサと鉄心コアに
より構成されたものである。図17に示すように、外部
導電体が鉄心コアの空隙部分15aに近接して配置され
るほど、外部導電体からの磁界の影響を強く受け、アイ
ソレーション比が低くなる。すなわち、外部導電体が光
磁界センサ素子11に近接して配置されるほど、鉄心コ
ア15のシールド効果が低下する。それぞれの実施例に
おける光電流センサのアイソレーション比の測定結果
を、(表1)に示す。表1において、磁気シールド材料
として、板厚0.23mmの電磁鋼板である方向性ケイ
素鋼板を用いた。表1において、単位はdBである。表
1において、測定を行った各実施例の光電流センサは図
番にて示す。なお、第5の実施例から第7の実施例に示
した円筒形の磁気シールド構造を使用する場合には位置
Dと位置Eは当然測定していない。
【0078】
【表1】
【0079】表1に示すように、第1の実施例(図1)
の光電流センサ200においては、磁気シールド板14
を光磁界センサ11に設けることにより、位置Aにおい
て従来例と比べて5dB高い磁気シールド効果を有して
いた。第2の実施例(図3)の光電流センサ201にお
いては、磁気シールド板22をケース21に設置するこ
とにより、位置Aにおいて従来例よりもさらに6dB高
い磁気シールド効果を有していた。第3の実施例(図
4)の光電流センサ202においては、磁気シールド板
22、23をケース21に設置することにより、位置A
において従来例と比べて10dB高い磁気シールド効果
を有していた。図6に示した光電流センサ204におい
ては、磁気シールド体22、23、24、25を設置す
ることにより、位置Aにおいて従来例と比べて13dB
高い磁気シールド効果を有していた。
の光電流センサ200においては、磁気シールド板14
を光磁界センサ11に設けることにより、位置Aにおい
て従来例と比べて5dB高い磁気シールド効果を有して
いた。第2の実施例(図3)の光電流センサ201にお
いては、磁気シールド板22をケース21に設置するこ
とにより、位置Aにおいて従来例よりもさらに6dB高
い磁気シールド効果を有していた。第3の実施例(図
4)の光電流センサ202においては、磁気シールド板
22、23をケース21に設置することにより、位置A
において従来例と比べて10dB高い磁気シールド効果
を有していた。図6に示した光電流センサ204におい
ては、磁気シールド体22、23、24、25を設置す
ることにより、位置Aにおいて従来例と比べて13dB
高い磁気シールド効果を有していた。
【0080】図8に示した光電流センサ206において
は、円筒状の磁気シールド体31を設置することによ
り、位置Aにおいて従来例と比べて15dB高い磁気シ
ールド効果を有していた。また、3つの位置A、B、C
におけるアイソレーション比を比べると、導電体16の
導出方向と直交する面において導電体16を中心として
同じ磁気シールド効果を奏していた。図13に示した光
電流センサ209においては、板厚0.23mmの方向
性ケイ素鋼を4重の磁気シールド積層体33を形成し、
設置することにより、位置Aにおいて従来例と比べて2
0dB高い磁気シールド効果を有していた。また、3つ
の位置A、B、Cにおけるアイソレーション比を比べる
と、導電体16の導出方向と直交する面において導電体
16を中心として同じ磁気シールド効果を奏していた。
は、円筒状の磁気シールド体31を設置することによ
り、位置Aにおいて従来例と比べて15dB高い磁気シ
ールド効果を有していた。また、3つの位置A、B、C
におけるアイソレーション比を比べると、導電体16の
導出方向と直交する面において導電体16を中心として
同じ磁気シールド効果を奏していた。図13に示した光
電流センサ209においては、板厚0.23mmの方向
性ケイ素鋼を4重の磁気シールド積層体33を形成し、
設置することにより、位置Aにおいて従来例と比べて2
0dB高い磁気シールド効果を有していた。また、3つ
の位置A、B、Cにおけるアイソレーション比を比べる
と、導電体16の導出方向と直交する面において導電体
16を中心として同じ磁気シールド効果を奏していた。
【0081】図16に示した光磁界センサ301におい
ては、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼を2重の磁気
シールド積層体41、42を形成し、光磁界センサ素子
11を取り囲むように設置したものである。この光磁界
センサ301と、鉄心コアを使用している従来例とは単
純には比較できないが、2重の磁気シールド積層体4
1、42を設置することにより、位置Aにおいて従来例
と比べて20dB高い磁気シールド効果を有していた。
また、3つの位置A、B、Cにおけるアイソレーション
比を比べると、導電体16の導出方向と直交する面にお
いて導電体16を中心として同じ磁気シールド効果を奏
していた。
ては、板厚0.23mmの方向性ケイ素鋼を2重の磁気
シールド積層体41、42を形成し、光磁界センサ素子
11を取り囲むように設置したものである。この光磁界
センサ301と、鉄心コアを使用している従来例とは単
純には比較できないが、2重の磁気シールド積層体4
1、42を設置することにより、位置Aにおいて従来例
と比べて20dB高い磁気シールド効果を有していた。
また、3つの位置A、B、Cにおけるアイソレーション
比を比べると、導電体16の導出方向と直交する面にお
いて導電体16を中心として同じ磁気シールド効果を奏
していた。
【0082】表1の測定結果から分かるように、第1の
実施例から第7の実施例の順にシールド効果が高まって
いることが確認される。表1の測定結果は磁気シールド
の材料として方向性ケイ素鋼板を用いた場合であるが、
発明者はパーマロイを用いた場合についても実験を行っ
た。その結果、初透磁率の高いパーマロイについては、
さらに磁気シールド効果が高く、アイソレーション比を
少なくとも5dB以上さらに高めることができた。
実施例から第7の実施例の順にシールド効果が高まって
いることが確認される。表1の測定結果は磁気シールド
の材料として方向性ケイ素鋼板を用いた場合であるが、
発明者はパーマロイを用いた場合についても実験を行っ
た。その結果、初透磁率の高いパーマロイについては、
さらに磁気シールド効果が高く、アイソレーション比を
少なくとも5dB以上さらに高めることができた。
【0083】なお、前述の各実施例において、磁気シー
ルドの材料として主にケイ素鋼板、パーマロイについて
述べたが、前述の磁気シールド方法の考え方の項で説明
したように、ある程度透磁率が高い他の磁性材料、例え
ば磁気シールド繊維やウレタンフォーム磁気シールド
材、ゴムフォーム磁気シールド材等を用いて、本発明に
係る磁気シールド構造を形成することも可能である。特
に、磁気シールド繊維や容易に変形可能な素材に軟磁性
材料を混合、バインドした磁気シールドシートを用い
て、光電流センサや光磁界センサに磁気シールド体を設
けることは、小型軽量な磁気シールド構造を提供するも
のである。特に、ナノスケールの微細結晶組織を含有す
る軟磁性合金薄帯、Co系アモルファス合金薄帯をポリ
マーフィルムで挟んだサンドイッチ構造の薄帯、鉄酸化
物材料であるフェライトの超微細紛体を樹脂材料にバイ
ンドさせた磁気シールドシートについては、光電流セン
サのケースの外形に沿わせて磁気シールド構造体を形成
することができる。このため、これらの材料は磁気シー
ルド材料として極めて有効であり、本発明の目的である
外部磁界の影響を除去して、測定精度の向上に格別な効
果を発揮する。
ルドの材料として主にケイ素鋼板、パーマロイについて
述べたが、前述の磁気シールド方法の考え方の項で説明
したように、ある程度透磁率が高い他の磁性材料、例え
ば磁気シールド繊維やウレタンフォーム磁気シールド
材、ゴムフォーム磁気シールド材等を用いて、本発明に
係る磁気シールド構造を形成することも可能である。特
に、磁気シールド繊維や容易に変形可能な素材に軟磁性
材料を混合、バインドした磁気シールドシートを用い
て、光電流センサや光磁界センサに磁気シールド体を設
けることは、小型軽量な磁気シールド構造を提供するも
のである。特に、ナノスケールの微細結晶組織を含有す
る軟磁性合金薄帯、Co系アモルファス合金薄帯をポリ
マーフィルムで挟んだサンドイッチ構造の薄帯、鉄酸化
物材料であるフェライトの超微細紛体を樹脂材料にバイ
ンドさせた磁気シールドシートについては、光電流セン
サのケースの外形に沿わせて磁気シールド構造体を形成
することができる。このため、これらの材料は磁気シー
ルド材料として極めて有効であり、本発明の目的である
外部磁界の影響を除去して、測定精度の向上に格別な効
果を発揮する。
【0084】以上、本発明の光電流センサの磁気シール
ド構造において、磁気シールド効果は、使用する磁気シ
ールド材料により大きく影響を受ける。従って、外部磁
界が小さく磁気シールド材料の磁気飽和が問題とならな
いような外部磁界強度の場合には、遮蔽したい外部磁界
強度に対して高い透磁率を有する軟磁性材料を用いて、
前述の実施例に示した磁気シールド構造を構成すること
が好ましい。また、磁気シールド効果は、使用する磁気
シールド材料の板厚にも大きく影響を受ける。このた
め、磁気シールド構造としては、複数の磁気シールドシ
ートが軽い絶縁物を挟む多層サンドイッチ構造に構成す
ることにより、板厚を大きくしても重量が重くならず、
高いシールド効果が得られる。さらに、シールド効果を
高めるためには、できるだけ大面積のシールド材を採用
することが望ましい。従って、例えば図8に示した円筒
状の磁気シールド体31においては、円筒の高さが高い
方が良好なシールド効果を奏する。
ド構造において、磁気シールド効果は、使用する磁気シ
ールド材料により大きく影響を受ける。従って、外部磁
界が小さく磁気シールド材料の磁気飽和が問題とならな
いような外部磁界強度の場合には、遮蔽したい外部磁界
強度に対して高い透磁率を有する軟磁性材料を用いて、
前述の実施例に示した磁気シールド構造を構成すること
が好ましい。また、磁気シールド効果は、使用する磁気
シールド材料の板厚にも大きく影響を受ける。このた
め、磁気シールド構造としては、複数の磁気シールドシ
ートが軽い絶縁物を挟む多層サンドイッチ構造に構成す
ることにより、板厚を大きくしても重量が重くならず、
高いシールド効果が得られる。さらに、シールド効果を
高めるためには、できるだけ大面積のシールド材を採用
することが望ましい。従って、例えば図8に示した円筒
状の磁気シールド体31においては、円筒の高さが高い
方が良好なシールド効果を奏する。
【0085】
【発明の効果】以上、実施例について詳細に説明したと
ころから明らかなように、本発明は次の効果を有する。
すなわち、本発明によれば、軟磁性材料により構成され
たシールド構造を有しているため、外部磁界を高性能で
磁気シールドすることが可能となり、計測誤差が低減さ
れ、広い測定範囲にわたって高精度に電流及び磁界を計
測することできる光電流センサ及び光磁界センサを得る
効果を奏する。また、本発明によれば、磁気シールド構
造が簡単な構成で構築できるため、汎用性の高い光電流
センサ及び光磁界センサを提供することができる。
ころから明らかなように、本発明は次の効果を有する。
すなわち、本発明によれば、軟磁性材料により構成され
たシールド構造を有しているため、外部磁界を高性能で
磁気シールドすることが可能となり、計測誤差が低減さ
れ、広い測定範囲にわたって高精度に電流及び磁界を計
測することできる光電流センサ及び光磁界センサを得る
効果を奏する。また、本発明によれば、磁気シールド構
造が簡単な構成で構築できるため、汎用性の高い光電流
センサ及び光磁界センサを提供することができる。
【図1】本発明に係る第1の実施例の光電流センサにお
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例の光電流センサにおける光磁界セ
ンサの構成を示す断面図である。
ンサの構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施例の光電流センサにお
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る第3の実施例の光電流センサにお
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る第4の実施例の光電流センサにお
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
ける磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る第4の実施例における他の光電流
センサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
センサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る第4の実施例における他の光電流
センサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
センサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る第5の実施例における他の光電流
センサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
センサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図9】第5の実施例における磁気シールド構造の断面
図である。
図である。
【図10】第5の実施例における磁気シールド構造の磁
力線に関する説明図である。
力線に関する説明図である。
【図11】第5の実施例における他の光電流センサの磁
気シールド構造を示す斜視図である。
気シールド構造を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る第6の実施例における光電流セ
ンサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
ンサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図13】第6の実施例における他の光電流センサの多
層磁気シールド積層体の構造を示す斜視図である。
層磁気シールド積層体の構造を示す斜視図である。
【図14】第6の実施例における他の光電流センサの磁
気シールド構造を示す斜視図である。
気シールド構造を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る第7の実施例における光磁気セ
ンサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
ンサの磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図16】第7の実施例における他の光磁気センサの2
重磁気シールド構造を示す斜視図である。
重磁気シールド構造を示す斜視図である。
【図17】光電流センサにおけるアイソレーション比の
測定時の外部磁界位置を示す説明図である。
測定時の外部磁界位置を示す説明図である。
【図18】従来の光電流センサの構成を示す斜視図であ
る。
る。
【図19】従来の光電流センサユニットの外観を示す斜
視図である。
視図である。
11 光磁界センサ 12 入力光ファイバ 13 出力光ファイバ 14 磁気シールド体 15 鉄心コア 16 導電体 17 外部導電体 21 ケース 22 磁気シールド体 23 磁気シールド体 24 磁気シールド体 25 磁気シールド体 26 磁気シールドチューブ 31 磁気シールド体 32 磁気シールド体 33 磁気シールド積層体 35 磁気シールドバンド 36 ファスナーテープ 37 磁気シールド体 41 磁気シールド体 42 磁気シールド体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石河 大典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA02 AB01 AC01 AD12 2G025 AA05 AA07 AA17 AB10 AC06 2G035 AB07 AC03 AC13 AD35
Claims (24)
- 【請求項1】 リング状の一部に空隙部分を有し、被計
測導電体により貫通される鉄心コア、 前記空隙部分に配置され、前記鉄心コアによる磁界を検
出するファラデー効果を用いた光磁界センサ素子、及び
前記光磁界センサ素子の外面に張り付けられ、軟磁性材
料により形成された板状の磁気シールド体、を具備する
ことを特徴とする光電流センサ。 - 【請求項2】 前記磁気シールド体が、前記光磁界セン
サ素子における被計測導電体の導出方向と直交する面に
設けられたことを特徴とする請求項1記載の光電流セン
サ。 - 【請求項3】 リング状の一部に空隙部分を有し、被計
測導電体により貫通される鉄心コア、 前記空隙部分に配置され、前記鉄心コアによる磁界を検
出するファラデー効果を用いた光磁界センサ素子、 前記鉄心コアを収納する環状部分と前記光磁界センサ素
子を収納する突出部分とを一体的に形成した光電流セン
サケース、及び前記光電流センサケースの外面に張り付
けられ、軟磁性材料により形成された板状の磁気シール
ド体、を具備することを特徴とする光電流センサ。 - 【請求項4】 前記磁気シールド体が、前記光磁界セン
サ素子における被計測導電体の導出方向と直交する面に
設けられたことを特徴とする請求項3記載の光電流セン
サ。 - 【請求項5】 前記磁気シールド体が、前記突出部分に
おける被計測導電体の導出方向と平行な面に設けられた
ことを特徴とする請求項3又は4記載の光電流センサ。 - 【請求項6】 前記磁気シールド体が、前記環状部分に
おける外周面に設けられたことを特徴とする請求項3、
4、又は5記載の光電流センサ。 - 【請求項7】 円筒状の磁気シールドチューブが、前記
光電流センサケースから導出する光ファイバケーブルを
収納するよう構成されたことを特徴とする請求項3、
4、5、又は6記載の光電流センサ。 - 【請求項8】 リング状の一部に空隙部分を有し、被計
測導電体により貫通される鉄心コア、 前記空隙部分に配置され、前記鉄心コアによる磁界を検
出するファラデー効果を用いた光磁界センサ素子、及び
前記鉄心コアと前記光磁界センサ素子とを内部に有し、
軟磁性材料により筒状に形成された磁気シールド体、を
具備することを特徴とする光電流センサ。 - 【請求項9】 前記磁気シールド体が、帯状の磁気シー
ルドバンドの両端を接着して前記被計測導電体の導出方
向と平行な面を母線とする筒状に形成したことを特徴と
する請求項8記載の光電流センサ。 - 【請求項10】 前記磁気シールド体が、前記鉄心コア
と前記光磁界センサ素子とを収納する少なくとも2重構
造を有することを特徴とする請求項8記載の光電流セン
サ。 - 【請求項11】 前記磁気シールド体が、前記鉄心コア
と前記光磁界センサ素子とを収納して、磁気シールドシ
ートの他層構造を有することを特徴とする請求項8記載
の光電流センサ。 - 【請求項12】 前記磁気シールド体が、前記鉄心コア
と前記光磁界センサ素子とを実質的に密閉するよう蓋を
有することを特徴とする請求項10、11記載の光電流
センサ。 - 【請求項13】 前記軟磁性材料が高透磁率の強磁性材
料により構成されたことを特徴とする請求項1、3、又
は8記載の光電流センサ。 - 【請求項14】 前記軟磁性材料がケイ素鋼、パーマロ
イ、フェライト、アモルファス合金により選ばれた少な
くとも1つの材料により構成されたことを特徴とする請
求項1、3、又は8記載の光電流センサ。 - 【請求項15】 前記磁気シールド体がウレタンフォー
ム磁気シールドシートで構成されたことを特徴とする請
求項1、3、又は8記載の光電流センサ。 - 【請求項16】 前記磁気シールド体がゴムフォーム磁
気シールドシートで構成されたことを特徴とする請求項
1、3、又は8記載の光電流センサ。 - 【請求項17】 前記磁気シールド体が、軟磁性金属超
微粒子を分散した樹脂フィルムで構成されたことを特徴
とする請求項1、3、又は8記載の光電流センサ。 - 【請求項18】 被計測導電体の近傍に配置され、被計
測導電体に流れる電流による磁界を検出するファラデー
効果を用いた光磁界センサ素子、 前記光磁界センサ素子から導出する光ファイバケーブ
ル、及び少なくとも前記光磁界センサ素子と前記光ファ
イバケーブルの導出部分とを内部に有し、軟磁性材料に
より筒状に形成された磁気シールド体、を具備すること
を特徴とする光磁界センサ。 - 【請求項19】 前記磁気シールド体が、前記鉄心コア
と前記光ファイバケーブルの導出部分とを収納する少な
くとも2重構造を有することを特徴とする請求項18記
載の光磁界センサ。 - 【請求項20】 前記軟磁性材料が高透磁率の強磁性材
料により構成されたことを特徴とする請求項18記載の
光磁界センサ。 - 【請求項21】 前記軟磁性材料がケイ素鋼、パーマロ
イ、フェライト、アモルファス合金により選ばれた少な
くとも1つの材料により構成されたことを特徴とする請
求項18記載の光磁界センサ。 - 【請求項22】 前記磁気シールド体が、ウレタンフォ
ーム磁気シールドシートで構成されたことを特徴とする
請求項18記載の光磁界センサ。 - 【請求項23】 前記磁気シールド体が、ゴムフォーム
磁気シールドシートで構成されたことを特徴とする請求
項18記載の光磁界センサ。 - 【請求項24】 前記磁気シールド体が、軟磁性金属超
微粒子を分散した樹脂フィルムで構成されたことを特徴
とする請求項18記載の光磁界センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11033449A JP2000230968A (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | 光磁界センサ及びそれを用いた光電流センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11033449A JP2000230968A (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | 光磁界センサ及びそれを用いた光電流センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000230968A true JP2000230968A (ja) | 2000-08-22 |
Family
ID=12386856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11033449A Pending JP2000230968A (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | 光磁界センサ及びそれを用いた光電流センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000230968A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103048631A (zh) * | 2012-12-20 | 2013-04-17 | 暨南大学 | 基于光纤光栅激光器的磁场传感器及测量方法 |
CN103149412A (zh) * | 2013-02-05 | 2013-06-12 | 王鹏 | 可在线安装的电流传感器及其制作方法 |
JP2013250257A (ja) * | 2012-05-01 | 2013-12-12 | Mitsumi Electric Co Ltd | 電流センサ |
JP2017053810A (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 日置電機株式会社 | 電流センサおよび測定装置 |
JP2019007935A (ja) * | 2017-06-28 | 2019-01-17 | 日立金属株式会社 | 電流センサ |
CN110726869A (zh) * | 2019-11-11 | 2020-01-24 | 四川纽沃思自动化科技有限公司 | 一种磁传感单元无线组网式电流非接触测量装置及方法 |
CN113625037A (zh) * | 2021-08-02 | 2021-11-09 | 华北电力大学 | 一种集群式和链式光学电流传感器及测量电流的方法 |
-
1999
- 1999-02-10 JP JP11033449A patent/JP2000230968A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013250257A (ja) * | 2012-05-01 | 2013-12-12 | Mitsumi Electric Co Ltd | 電流センサ |
CN103048631A (zh) * | 2012-12-20 | 2013-04-17 | 暨南大学 | 基于光纤光栅激光器的磁场传感器及测量方法 |
CN103149412A (zh) * | 2013-02-05 | 2013-06-12 | 王鹏 | 可在线安装的电流传感器及其制作方法 |
JP2017053810A (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 日置電機株式会社 | 電流センサおよび測定装置 |
JP2019007935A (ja) * | 2017-06-28 | 2019-01-17 | 日立金属株式会社 | 電流センサ |
CN110726869A (zh) * | 2019-11-11 | 2020-01-24 | 四川纽沃思自动化科技有限公司 | 一种磁传感单元无线组网式电流非接触测量装置及方法 |
CN113625037A (zh) * | 2021-08-02 | 2021-11-09 | 华北电力大学 | 一种集群式和链式光学电流传感器及测量电流的方法 |
CN113625037B (zh) * | 2021-08-02 | 2023-12-29 | 华北电力大学 | 一种集群式和链式光学电流传感器及测量电流的方法 |
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