JP2000230863A - 偏光測定方法及び装置 - Google Patents

偏光測定方法及び装置

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JP2000230863A
JP2000230863A JP11031659A JP3165999A JP2000230863A JP 2000230863 A JP2000230863 A JP 2000230863A JP 11031659 A JP11031659 A JP 11031659A JP 3165999 A JP3165999 A JP 3165999A JP 2000230863 A JP2000230863 A JP 2000230863A
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JP
Japan
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measurement
range
measured
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light
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JP11031659A
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English (en)
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Katsuro Hikita
勝郎 疋田
Yuji Mori
祐二 森
Takeshi Yamanaka
武志 山中
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置のコストを高めることなく且つ測定時間
を長くすることなく、偏光状態を精度良く測定する。 【解決手段】 測定レンジの広い前処理器を用いること
なく、通常は粗い計測間隔で光強度を計測する一方で、
計測値が前処理器の測定レンジ外に存在する場合のみ密
な計測間隔で、この測定レンジ外に計測値が存在する計
測範囲を除外した計測適正範囲を計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光測定方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光測定装置は光の偏光状態を測定する
ものであり、当該偏光測定装置で採用される測定法の一
つとして回転検光子法が知られている。この回転検光子
法は、例えば、「光通信技術の最新資料集III“偏光状
態の表示法と測定法”166頁〜167頁、オプトロニ
クス社発行」に記載されている。
【0003】この回転検光子法とは、回転する検光素子
を透過して検出器に入射される透過光の光強度を検光素
子の所定の回転角度毎に計測し、この計測値を基に偏光
状態を表すストークスパラメータを求めるものである。
【0004】このストークスパラメータは、偏光測定装
置を構成するCPU(マイクロコンピュータ;中央演算
処理装置)で演算により求められる。このため、検出器
の出力(アナログ出力)をCPUに入力可能とすべく、
検出器とCPUとの間にはA/D変換器(前処理器)が
介在される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、A/D変換器
のダイナミックレンジ(有効計測範囲;測定レンジ)は
有限であるため、図8に示すように、計測値がダイナミ
ックレンジを越えるか或いは下回る(図示×印の範囲参
照)と、その値を演算に使用できないことになり、演算
に用いる計測値の数が減少し、偏光状態の測定精度が低
下するという問題がある。このような問題は、A/D変
換器のダイナミックレンジの圧迫を受けやすい消光比が
大きい場合に特に顕著となる。
【0006】そこで、このような問題を解消すべく、広
いダイナミックレンジのA/D変換器を用いたり、予め
計測回数を多めに設定することが考えられるが、広いダ
イナミックレンジのA/D変換器を用いる場合には、装
置が高価になるという問題がある。また、予め計測回数
を多めに設定する場合には、計測の応答速度が同じまま
だと測定時間が長くなり、一方、計測の応答速度を速く
するには装置が高価になるといった問題がある。
【0007】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、装置のコストを高めることなく
且つ測定時間を長くすることなく、偏光状態を精度良く
測定できる偏光測定方法及び装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による偏光測定方
法は、回転する検光素子を透過して検出器に入射する被
測定光の光強度を計測し、この計測値を基に被測定光の
偏光状態を測定する偏光測定方法において、適当な計測
間隔で計測した計測値が、計測系の測定レンジ内に収ま
る場合には、この計測値を基に被測定光の偏光状態を求
め、この計測値の一部が計測系の測定レンジ外に存在す
る場合には、測定レンジ外に計測値が存在する計測範囲
を除外した計測適正範囲を、上記計測間隔より間隔を詰
めた計測間隔で計測し、この計測値を基に被測定光の偏
光状態を求めることを特徴としている。
【0009】また、本発明による偏光測定装置は、回転
可能な検光素子と、この検光素子を回転駆動する駆動源
と、検光素子を透過して入射する被測定光の光強度を計
測する検出器と、この検出器から出力される計測値を入
力し当該計測値が測定レンジ内に存在する場合に所定の
処理をして出力する前処理器と、適当な計測間隔で計測
した計測値が前処理器の測定レンジ内に収まる場合に
は、前処理器からの入力を基に被測定光の偏光状態を求
め、計測値の一部が前処理器の測定レンジ外に存在する
場合には、この測定レンジ外に計測値が存在する計測範
囲を除外した計測適正範囲を、上記計測間隔より間隔を
詰めた計測間隔で計測するように駆動源を駆動制御し、
この時の前処理器からの入力を基に被測定光の偏光状態
を求める処理手段と、を具備した。
【0010】このような本発明による偏光測定方法及び
装置によれば、測定レンジの広い前処理器を用いること
なく、通常は粗い計測間隔で光強度が計測される一方
で、計測値が前処理器の測定レンジ外に存在する場合の
み密な計測間隔で、この測定レンジ外に計測値が存在す
る計測範囲を除外した計測適正範囲が計測されるように
なる。このため、装置のコストを高めることなく且つ測
定時間を長くすることなく、偏光状態が精度良く測定さ
れる。
【0011】ここで、上記偏光測定方法においては、計
測値が計測系の測定レンジ外に存在する場合には、測定
レンジ外に存在する計測値が当該測定レンジ内に収まる
ように計測値をシフトさせるゲイン切り替えを行い、こ
の切り替えたゲインでの計測値が測定レンジ内に収まる
場合には、当該ゲインでの計測値を基に被測定光の偏光
状態を求め、ゲイン切り替えにより、測定レンジ外に存
在する計測値が当該測定レンジ内に収まるように最大に
シフトさせても、当該ゲインでの計測値の一部が測定レ
ンジ外に存在する場合には、この測定レンジ外に計測値
が存在する計測範囲を除外した計測適正範囲を、上記計
測間隔より間隔を詰めた計測間隔で計測し、この計測値
を基に被測定光の偏光状態を求めるのが好ましい。
【0012】また、上記偏光測定装置においては、検出
器と前処理器との間に、測定レンジ外に存在する計測値
を当該測定レンジ内に収まるように、検出器から出力さ
れる計測値をゲイン切り替えによりシフトさせるゲイン
可変増幅器を備え、処理手段は、切り替えたゲインでの
計測値が測定レンジ内に収まる場合には、当該ゲインで
の計測値を基に被測定光の偏光状態を求め、ゲイン切り
替えにより、測定レンジ外に存在する計測値が当該測定
レンジ内に収まるように最大にシフトさせても、当該ゲ
インでの計測値の一部が測定レンジ外に存在する場合に
は、この測定レンジ外に計測値が存在する計測範囲を除
外した計測適正範囲を、上記計測間隔より間隔を詰めた
計測間隔で計測するように駆動源を駆動制御し、この時
の前処理器からの入力を基に被測定光の偏光状態を求め
る構成を採用するのが好ましい。
【0013】このような偏光測定方法及び装置によれ
ば、計測値が計測系の測定レンジ外に存在する場合に
は、ゲイン切り替えにより、当該計測値が測定レンジ内
に収まるようにシフトされるため、測定レンジ内に収ま
らない計測値が極力少なくされ、偏光状態が一層精度良
く測定される。
【0014】ここで、前処理器としては、具体的には、
例えばアナログ入力をデジタル変換して出力するA/D
変換器が用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る偏光測定方法
及び偏光測定装置の好適な実施形態について添付図面を
参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要
素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】図1は、本発明の実施形態に係る偏光測定
装置を示す概略構成図である。本実施形態の偏光測定装
置は、被測定光を通過させる入射口1と、この入射口1
を通過した被測定光の光路中に配置されると共に回転可
能な検光素子2と、この検光素子2を回転させるステッ
ピングモータ(駆動源)8と、検光素子2を透過した被
測定光を受けこの被測定光の光強度に応じた電流を出力
する光電変換素子(検出器)3と、この光電変換素子3
の電流出力を電圧に変換する電流電圧変換回路4と、こ
の電流電圧変換回路4の出力電圧を増幅するゲイン可変
増幅器5と、このゲイン可変増幅器5のアナログ出力を
デジタル値に変換するA/D変換器(前処理器)6と、
このA/D変換器6からのデジタルデータを読み込み、
このデータに基づいて、ゲイン可変増幅器5のゲインを
指定すると共にステッピングモータ8の駆動を制御し、
さらに被測定光の偏光状態を演算して求めるCPU(処
理手段)7と、このCPU7で求めた偏光状態を表示・
外部に出力する出力回路9と、を備える。
【0017】入射口1は、対象とする被測定光が例えば
ファイバーからの場合には、このファイバーからの被測
定光を後段の検光素子2及び光電変換素子3に適正に導
く光学系とされ、この光学系としては、例えばファイバ
ー用コネクタにコリメータレンズを装着したものが採用
される。また、対象とする被測定光が例えば空間光であ
り且つ概略平行光の場合には、入射口1は、不必要な背
景光等を視野より除く筒状の開口とされる。本実施形態
では、何れの場合でも適用できるように、筒状開口の前
段にアダプタとして、ファイバー用コネクタにコリメー
タレンズを装着したものが取り付けられるように構成さ
れる。
【0018】検光素子2は、ステッピングモータ8の駆
動により任意の角度に回転される。この検光素子2を透
過した被測定光は、その時の検光素子2の角度に応じた
偏光成分のみ後段に到達する。この検光素子2としては
各種知られているが、本実施形態では、一般にポーラロ
イドと呼ばれる偏光板が採用される。この偏光板は、薄
型の光透過型であると共に光軸方向が変化しないため、
装置の小型化が図られる。また、当該偏光板は、検光素
子として使える波長範囲が比較的広いという利点もあ
る。
【0019】ステッピングモータ8は、CPU7により
パルス数が指定されてこのパルス数に応じた角度回転
し、これにより、検光素子2が所望の角度で回転され
る。また、本実施形態では、図示を省略しているが、C
PU7とステッピングモータ8との間には、CPU7の
負担を軽くするための専用のコントロールICと、ステ
ッピングモータ8を駆動するのに必要な電圧電流を発生
させるためのドライブICが接続される。そして、この
ステッピングモータ8の分解能とギヤ比により、検光素
子2の最小回転角分解能が定められる。
【0020】光電変換素子3は、回転する検光素子2の
角度に対応した偏光成分の光強度に応じた電流を出力す
る。この光電変換素子3としては、対象となる波長域に
感度を有するものが採用され、可視光範囲では、例えば
Siフォトダイオードが選択され、赤外光範囲では、、
例えばGeフォトダイオードが選択される。因みに、下
記に必要なゲイン設定が光電変換素子内で可能な光電子
倍増管(Photo-Multiplier-Tube;以下単にPMTと記
す)・アバランシェフォトダイオード等を採用すると、
PMT自体が大きく且つゲイン調整用の電源が別に必要
になる等の理由により装置が大型化してしまうと共に、
設定したゲインに対する安定性に問題があるので、好ま
しくない。
【0021】ゲイン可変増幅器5は、電流電圧変換回路
4にて電流から変換されて出力される電圧を、CPU7
により指定されたゲインに従い増幅する。
【0022】A/D変換器6は、ゲイン可変増幅器5の
出力をCPU7で読み込み可能とすべくアナログ値から
デジタル値に変換する。このA/D変換器6のダイナミ
ックレンジ(測定レンジ)は、従来技術と同様なレンジ
幅である。
【0023】CPU7は、所謂マイクロコンピュータで
あり、本実施形態では、このマイクロコンピュータを機
能させるのに必要なメモリ回路、クロック回路等を含む
ものとする。このCPU7による被測定光の偏光状態の
求め方に関する機能については後述する。
【0024】出力回路9は、本実施形態では、7セグL
EDにより数値を表示する構成になされ、同時に偏光状
態をRS232Cにより外部コンピュータ等に出力する
構成になされている。
【0025】ここで、本実施形態においては、検光素子
2の消光比性能を40dB、ゲイン可変増幅器5のゲイ
ン切り替え倍率を1、10、100(以下1倍をgai
n1、10倍をgain10、100倍をgain10
0と記す)、A/D変換器6の分解能を4096dig
(12ビット)、 ステッピングモータ8による検光素
子2の最小回転角分解能を1°とする。
【0026】また、以降の説明で、計測とは、検光素子
2のある角度での偏光の光強度の値を光電変換素子3〜
A/D変換器6を用いてCPU7に取り込むことと定義
し、測定とは、計測されたデータを演算処理して消光比
・方向角を算出したり、計測条件を変える判定をする一
連の処理のことと定義する。
【0027】以下、本実施形態での測定手順を図2及び
図3に示すフロー図を用いて説明する。図2は、通常測
定の処理手順を示すフロー図、図3は、特別測定の処理
手順を示すフロー図である。
【0028】先ず、図2に示すステップ1において、A
/D変換器6の有効計測範囲について上限Imax、下
限Iminを、A/D変換器6の分解能のやや内側に設
定する。本実施形態では、Imaxを4090に、Im
inを10に各々設定している。
【0029】次いで、ステップ2において、計測間隔角
度XAを測定精度を満たすように検光素子2の最小回転
角分解能(1°)の任意の整数倍に設定する。本実施形
態では、XAを最小回転角分解能(1°)の10倍に設
定して10°としている。
【0030】次いで、ステップ3において、ゲイン可変
増幅器5のゲインをgain1に設定し、この状態で、
ステップ4において、検光素子2が1回転するまで、す
なわち計測回数N=360°/XA回の計測を行う。す
なわち、ステッピングモータ8を駆動して検光素子2を
回転させ、その時の計測値を光電変換素子3〜A/D変
換器6を介して取り込む(サンプリングする)。本実施
形態では、360°/10回=36回の計測を行い、そ
のi番目の計測角度をXi、その時の計測値をI(X
i,gain1)とする。
【0031】次いで、ステップ5において、I(Xi,
gain1)とImaxとの比較を行い、I(Xi,g
ain1)の何れかがImaxを上回ったら(図4参
照)、図3に示す特別測定のステップ15以降の処理を
行う。一方、I(Xi,gain1)≦Imaxの場合
には、ステップ6において、I(Xi,gain1)と
Iminとの比較を行い、I(Xi,gain1)≧I
minの場合には、ステップ13に進む。
【0032】一方、ステップ6において、I(Xi,g
ain1)の何れかがIminを下回ったら、ステップ
7において、ゲイン可変増幅器5のゲインをgain1
0に設定し、ステップ8において、その角度XiでのI
(Xi,gain10)を計測し、ステップ9におい
て、その時のI(Xi,gain10)とIminとの
比較を行い、I(Xi,gain10)≧Iminの場
合には、ステップ13に進む。
【0033】一方、ステップ9において、I(Xi,g
ain10)の何れかがIminを下回ったら、ステッ
プ10において、ゲイン可変増幅器5のゲインをgai
n100に設定し、ステップ11において、その角度X
iでのI(Xi,gain100)を計測し、ステップ
12において、その時のI(Xi,gain100)と
Iminとの比較を行い、I(Xi,gain100)
の何れかがIminを下回ったら、図3に示す特別測定
のステップ15以降の処理を行う。一方、ステップ12
において、I(Xi,gain100)≧Iminの場
合には、ステップ13に進む。
【0034】ステップ13では、全ての各計測角度Xi
で有効な計測データI(Xi,gainXX)が得られ
た、すなわち全ての計測データがA/D変換器6のダイ
ナミックレンジ内に収まったとして、有効であったゲイ
ンにより以降の演算に使用するデータI(Xi)を、以
下のように算出する。 gain1の場合 ;I(Xi)=I(Xi,gai
nXX)×100 gain10の場合 ;I(Xi)=I(Xi,gai
nXX)×10 gain100の場合;I(Xi)=I(Xi,gai
nXX)×1
【0035】これを下記の式(1)〜式(3)に代入し
てストークスパラメータS0、S1、S2を各々算出す
る。ここで、ストークスパラメータS0は光の強度を表
し、ストークスパラメータS1、S2は水平優越分、+4
5°優越分という光の偏りを各々表す。
【数1】
【数2】
【数3】 さらに、上記式(1)〜式(3)で算出したストークス
パラメータS0、S1、S2を下記の式(4)に代入して
消光比を、式(5)に代入して方向角θを各々算出す
る。
【数4】
【数5】 そして、この値を出力回路9を介して出力して表示し
(ステップ14)、当該処理を終了する。
【0036】一方、ステップ5でI(Xi,gain
1)の何れかがImaxを上回った場合、或いはステッ
プ12でI(Xi,gain100)の何れかがImi
nを下回った場合、すなわち有効な計測のダイナミック
レンジ外の計測があった場合には、図3に示す特別測定
のステップ15以降の処理を行う。
【0037】ここで、通常測定での計測データにより、
gain1でImaxを上回る或いはgain100で
Iminを下回る計測値となる角度は判別可能である。
この時、検光素子2の消光比性能40dBは、有効な計
測のダイナミックレンジ46dB(gain1での上限
4090〜gain100での下限10)を下回る。こ
こで、ダイナミックレンジDRは下記の式(6)により
算出される。
【数6】 そして、上述のように、検光素子2の消光比性能40d
Bが有効な計測のダイナミックレンジ46dBを下回る
ことにより、図4に示すように、計測値がダイナミック
レンジの上限及び下限を両方同時に越えることはない。
また、対象となる測定は180°を周期とする計測値と
なるため、通常、ある角度で有効でない計測値が得られ
た場合、それより180°移動した角度でも有効でない
計測値となる。また、この180°移動した角度の場
合、前の周期の360°〜後の周期の0°に連続してい
る場合以外の計測値で不連続に有効でない計測値が得ら
れた場合は、測定系のノイズのよるものと判定する。な
お、図4及び後述の図7中の縦方向の多数の線は測定を
行う角度を示している。
【0038】以下、図3のステップ15の計測不適角度
範囲Xout1〜Xout2、X’out1〜X’out2を決定する手
順を説明する。先ず、gain1でImaxを上回る、
或いはgain100でIminを下回る計測値となる
角度をXoutiとする。Xoutiが連続して出現する範囲を
第1の仮の計測不適角度範囲Xout1〜Xout2、X’out1
〜X’out2とする。但し、0°と360°は連続した角
度として扱う。
【0039】第1の仮の計測不適角度範囲Xout1〜Xou
t2、X’out1〜X’out2の前後に不連続にXoutiが出現
する場合には、第1の仮の計測不適角度範囲Xout1〜X
out2、X’out1〜X’out2を、この不連続に連続するX
outiの最も離れた角度まで広げて第2の仮の計測不適角
度範囲Xout1〜Xout2、X’out1〜X’out2とする(図
5参照)。
【0040】次いで、第2の仮の計測不適角度範囲Xou
t1〜Xout2、X’out1〜X’out2の角度範囲を比較し、
大きい方を採用してこれを計測不適角度範囲Xout1〜X
out2とし、これに180°を加えたものを計測不適角度
範囲X’out1〜X’out2とする(図6参照)。但し、値
が360°を越える場合は360°を減ずるものとす
る。この得られた角度範囲Xout1〜Xout2、X’out1〜
X’out2を最終的な計測不適角度範囲とする。
【0041】次いで、ステップ16において、角度XB
を以下の式(7)より算出する。
【数7】 この角度XBは検光素子2の最小回転角分解能の整数倍
となるものとする。
【0042】次いで、ステップ17において、角度XB
が検光素子2の最小回転角分解能(本実施形態では1
°)を下回るか否かを判定し、下回る場合には測定不能
のため、その旨を出力回路9を介して出力し(ステップ
29)、処理を終了する。なお、このように測定不能と
なるのは、殆どの角度範囲が計測不適な場合である。
【0043】一方、ステップ17で、角度XB≧(検光
素子2の最小回転角分解能)の場合には、ステップ18
において、上記角度XBを、計測不適角度範囲Xout1〜
Xout2、X’out1〜X’out2以外の角度に割り振り(図
7参照)、その各々を新たなる計測角度Xiとする。
【0044】ステップ19では、この新たなる計測角度
Xiで、ゲイン可変増幅器5のゲインをgain1に設
定し、ステップ20において、計測を行い、その計測値
をI(Xi,gain1)とする。
【0045】ステップ21では、I(Xi,gain
1)とIminとの比較を行い、I(Xi,gain
1)≧Iminの場合には、当該ゲインが適切だとして
ステップ27に進む。
【0046】一方、ステップ21において、I(Xi,
gain1)の何れかがIminを下回ったら、ステッ
プ22において、ゲイン可変増幅器5のゲインをgai
n10に設定し、ステップ23において、その角度Xi
でのI(Xi,gain10)を計測し、ステップ24
において、その時のI(Xi,gain10)とImi
nとの比較を行い、I(Xi,gain10)≧Imi
nの場合には、当該ゲインが適切だとしてステップ27
に進む。
【0047】一方、ステップ24において、I(Xi,
gain10)の何れかがIminを下回ったら、ステ
ップ25において、ゲイン可変増幅器5のゲインをga
in100に設定し、ステップ26において、その角度
XiでのI(Xi,gain100)を計測し、ステッ
プ27に進む。
【0048】ステップ27では、ステップ13の時と同
様にして演算に使用するデータI(Xi)を算出する。
ここで、計測データI(Xi)は、以下の式(8)で表
される。
【数8】 ここで、zi=2I(Xi)、xi=cos2Xi、y
i=sin2Xiとして、式(8)を書き換えると以下
の式(9)となる。
【数9】 ストークスパラメータS0、S1、S2は、複数点の計測
値(等間隔でなくても良い)より最小2乗法により以下
の式(10)〜式(12)のように各々推定できる。
【数10】
【数11】
【数12】 但し、のようにアンダーバーで示したものはxiの平
均値、すなわち以下の式(13)のことであり、また、
x 2、cxyは、以下の式(14)、式(15)で各々表
される。なお、これらの関係はx、y、zについて全て
適用される。
【数13】
【数14】
【数15】 このようにして算出したストークスパラメータS0
1、S2を前述した式(4)に代入して消光比を、式
(5)に代入して方向角θを各々算出する。
【0049】そして、この値を出力回路9を介して出力
して表示し(ステップ28)、当該処理を終了する。
【0050】このように、本実施形態においては、従来
技術と同様なダイナミックレンジのA/D変換器6を用
い、通常測定での計測、すなわち計測間隔角度XAによ
る計測(図4参照)は粗く、計測値がダイナミックレン
ジ外に存在する場合のみ、特別測定での計測、すなわち
計測適正範囲(ダイナミックレンジ内に計測値が収まる
範囲)での計測間隔角度XBによる計測(図7参照)を
計測回数を減らすことなく密に行うため、装置のコスト
を高めることなく且つ測定時間を長くすることなく、偏
光状態を精度良く測定できるようになっている。このた
め、特に消光比の高い偏光状態の測定に有効である。因
みに、通常時の計測回数を予め多めに設定した場合に
は、計測値が全部ダイナミックレンジ内に収まる場合で
も、常に測定時間が長くなるため問題である。
【0051】また、本実施形態においては、計測値がダ
イナミックレンジ外に存在する場合には、ゲイン切り替
えにより、当該計測値がダイナミックレンジ内に収まる
ように当該計測値をシフトするようにしているため、ダ
イナミックレンジ内に収まらない計測値が極力少なくな
っており、偏光状態を一層精度良く測定できるようにな
っている。
【0052】ここで、本発明者は、消光比30dB、方
向角θ=30°の偏光を測定するものとし、計測データ
がダイナミックレンジ内に収まる場合、一部ダイナミッ
クレンジを下回る場合、一部ダイナミックレンジを越え
る場合のデータに分けて用意し、本実施形態の処理手
順、公知の楕円の長軸・短軸及び方向角を測定してスト
ークスパラメータを算出する処理手順、公知のディジタ
ルフーリエ解析(「光通信技術の最新資料集III“偏光
状態の表示法と測定法”166頁〜168頁、オプトロ
ニクス社発行」に記載の回転検光子法のディジタルフー
リエ解析)による処理手順で各々シュミレーションを行
った。勿論、本実施形態の処理手順以外の処理手順で
は、計測データがダイナミックレンジ外にある場合に特
別な処理はしていない。
【0053】計測データがダイナミックレンジ内に収ま
る場合には、上記3者全ての処理手順で消光比、方向角
を算出できる。一方、一部ダイナミックレンジを下回っ
たり、一部ダイナミックレンジを越える場合には、公知
の楕円の長軸・短軸及び方向角を測定してストークスパ
ラメータを算出する処理手順、公知のディジタルフーリ
エ解析による処理手順では消光比、方向角を算出でき
ず、本実施形態の処理手順のみ概ね正しい値を算出でき
るのを、本発明者は確認した。
【0054】以上、本発明をその実施形態に基づき具体
的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、上記実施形態においては、計測値
がダイナミックレンジの上限Imaxを上回るか、若し
くは下限Iminを下回る場合の特別測定について説明
しているが、勿論上限Imaxを上回ると共に下限Im
inを下回る場合についても同様に適用できる。
【0055】また、上記実施形態においては、偏光状態
の外部出力を消光比、方向角θとしているが、別の表現
方法であるストークスパラメータS0、S1、S2として
も良く、またストークスパラメータを基に算出できる他
の表現として例えば振幅比、位相差等としても良い。
【0056】
【発明の効果】本発明による偏光測定方法及び装置は、
測定レンジの広い前処理器を用いることなく、通常は粗
い計測間隔で光強度を計測する一方で、計測値が前処理
器の測定レンジ外に存在する場合のみ密な計測間隔で、
この測定レンジ外に計測値が存在する計測範囲を除外し
た計測適正範囲を計測するものであるから、装置のコス
トを高めることなく且つ測定時間を長くすることなく、
偏光状態を精度良く測定するのが可能となる。その結
果、ユーザーのニーズに対応した優れた偏光測定方法及
び装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る偏光測定装置を示す概
略構成図である。
【図2】通常測定の処理手順を示すフロー図である。
【図3】特別測定の処理手順を示すフロー図である。
【図4】通常測定で一部の透過光強度がダイナミックレ
ンジの上限を上回る場合の偏光状態図である。
【図5】特別測定の処理手順を示す説明図である。
【図6】図5に続く特別測定の処理手順を示す説明図で
ある。
【図7】図6に続く特別測定の処理手順を示す説明図で
ある。
【図8】従来技術に係る問題点を説明するためのもので
あり、一部の透過光強度がダイナミックレンジの範囲外
にある場合の偏光状態図である。
【符号の説明】
1…入射口、2…検光素子、3…光電変換素子(検出
器)、4…電流電圧変換回路、5…ゲイン可変増幅器、
6…A/D変換器(前処理器)、7…CPU(処理手
段)、8…ステッピングモータ(駆動源)、9…出力回
路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する検光素子を透過して検出器に入
    射する被測定光の光強度を計測し、この計測値を基に前
    記被測定光の偏光状態を測定する偏光測定方法におい
    て、 適当な計測間隔で計測した計測値が、計測系の測定レン
    ジ内に収まる場合には、この計測値を基に被測定光の偏
    光状態を求め、 この計測値の一部が計測系の測定レンジ外に存在する場
    合には、測定レンジ外に計測値が存在する計測範囲を除
    外した計測適正範囲を、前記計測間隔より間隔を詰めた
    計測間隔で計測し、この計測値を基に被測定光の偏光状
    態を求めることを特徴とする偏光測定方法。
  2. 【請求項2】 回転可能な検光素子と、 この検光素子を回転駆動する駆動源と、 前記検光素子を透過して入射する被測定光の光強度を計
    測する検出器と、 この検出器から出力される計測値を入力し当該計測値が
    測定レンジ内に存在する場合に所定の処理をして出力す
    る前処理器と、 適当な計測間隔で計測した計測値が前記前処理器の測定
    レンジ内に収まる場合には、前記前処理器からの入力を
    基に被測定光の偏光状態を求め、前記計測値の一部が前
    記前処理器の測定レンジ外に存在する場合には、この測
    定レンジ外に計測値が存在する計測範囲を除外した計測
    適正範囲を、前記計測間隔より間隔を詰めた計測間隔で
    計測するように前記駆動源を駆動制御し、この時の前記
    前処理器からの入力を基に被測定光の偏光状態を求める
    処理手段と、 を具備した偏光測定装置。
  3. 【請求項3】 前記計測値が前記計測系の測定レンジ外
    に存在する場合には、測定レンジ外に存在する計測値が
    当該測定レンジ内に収まるように計測値をシフトさせる
    ゲイン切り替えを行い、 この切り替えたゲインでの計測値が前記測定レンジ内に
    収まる場合には、当該ゲインでの計測値を基に被測定光
    の偏光状態を求め、 ゲイン切り替えにより、測定レンジ外に存在する計測値
    が当該測定レンジ内に収まるように最大にシフトさせて
    も、当該ゲインでの計測値の一部が測定レンジ外に存在
    する場合には、この測定レンジ外に計測値が存在する計
    測範囲を除外した計測適正範囲を、前記計測間隔より間
    隔を詰めた計測間隔で計測し、この計測値を基に被測定
    光の偏光状態を求めることを特徴とする請求項1記載の
    偏光測定方法。
  4. 【請求項4】 前記検出器と前記前処理器との間に、前
    記測定レンジ外に存在する計測値を当該測定レンジ内に
    収まるように、前記検出器から出力される計測値をゲイ
    ン切り替えによりシフトさせるゲイン可変増幅器を備
    え、 前記処理手段は、前記切り替えたゲインでの計測値が前
    記測定レンジ内に収まる場合には、当該ゲインでの計測
    値を基に被測定光の偏光状態を求め、 ゲイン切り替えにより、測定レンジ外に存在する計測値
    が当該測定レンジ内に収まるように最大にシフトさせて
    も、当該ゲインでの計測値の一部が測定レンジ外に存在
    する場合には、この測定レンジ外に計測値が存在する計
    測範囲を除外した計測適正範囲を、前記計測間隔より間
    隔を詰めた計測間隔で計測するように前記駆動源を駆動
    制御し、この時の前記前処理器からの入力を基に被測定
    光の偏光状態を求めることを特徴とする請求項2記載の
    偏光測定装置。
  5. 【請求項5】 前記前処理器は、アナログ入力をデジタ
    ル変換して出力するA/D変換器であることを特徴とす
    る請求項2または4記載の偏光測定装置。
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