JP2000230124A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2000230124A
JP2000230124A JP3307599A JP3307599A JP2000230124A JP 2000230124 A JP2000230124 A JP 2000230124A JP 3307599 A JP3307599 A JP 3307599A JP 3307599 A JP3307599 A JP 3307599A JP 2000230124 A JP2000230124 A JP 2000230124A
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thermoplastic resin
fibrous
wollastonite
resin composition
ester
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Minoru Takenaka
稔 竹中
Kihachiro Nishiuchi
紀八郎 西内
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融混練や成形工程における熱可塑性樹脂の
分解を防止することができ、繊維状β−ワラストナイト
の補強効果を十分に発揮することができる熱可塑性樹脂
組成物を得る。 【解決手段】 一般式(1)〜(4)で示されるリン酸
エステル化合物の少なくとも1種で表面処理された繊維
状β−ワラストナイトを熱可塑性樹脂に混合したことを
特徴としている。 【化1】 (上記一般式(1)〜(4)において、R、R′及び
R″は同一または異なっていてもよく、炭素数6以上の
炭化水素基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジニアリング
プラスチックであるポリアルキレンテレフタレートなど
の熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、さらに詳細
には表面処理された繊維状β−ワラストナイトが配合さ
れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑
性樹脂は、軽量で成形加工が容易であることから各種の
用途に使用されている。また、近年、樹脂材料に強度や
弾性率、耐熱性などの特性を付与して有用性を高める研
究が盛んに進められている。熱可塑性樹脂にこのような
特性を付与する方法としては、無機充填剤を配合する方
法が一般によく知られている。特に、樹脂系複合材料に
おいて、繊維状充填剤の果たす割合は極めて重要なもの
となっている。
【0003】これまで開発されてきた繊維状充填剤とし
ては、ガラス繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊
維等がある。しかしながら、従来提案されてきた繊維状
充填剤は、種々の欠点を有しているものであった。例え
ば、高価であるため現実の利用分野が制限されるもので
あったり、表面平滑性に劣るものであったり、着色が困
難であったり、補強効果が不十分であったりするという
欠点を有していた。
【0004】このような繊維状充填剤として、ワラスト
ナイトを用いることも既に提案されている(例えば、特
公昭51−8412号公報、特公昭61−39345号
公報、特公昭63−22221号公報、特公平1−59
300号公報、特開平3−100062号公報等)。
【0005】しかしながら、従来公知のワラストナイト
には、微量のナトリウムイオン、カリウムイオン、カル
シウムイオンが溶出イオンとして存在し、この溶出イオ
ンにより溶融混練や成形工程において熱可塑性樹脂が分
解されることが知られている。
【0006】また、汎用エンジニアリングプラスチック
として多量に使用されている、ポリアルキレンテレフタ
レート(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなど)や芳香族ポリカーボネート樹脂など
においては、射出成形などの成形工程において加熱や同
時に加わる剪断応力などの影響で熱分解、加水分解など
を起こし、分子量が低下することが知られている(立川
利久、坂尻昭一:プラスチック材料講座17、ポリカー
ボネート、P83(1960)、日刊工業新聞社)。
【0007】このような分子量低下により、ポリアルキ
レンテレフタレートや芳香族ポリカーボネート樹脂等の
機械的特性が劣化し、これにより成形品の欠陥が増加
し、さらに射出成形時に発生するスプルーやランナーの
リサイクルを困難にすることが知られている。
【0008】芳香族ポリカーボネート樹脂の分解挙動と
安定化については多くの研究がなされている(例えばLi
n, M. Bulkin and Pearce, E : J. Polym. Sci, 19, 27
73(1981))。芳香族ポリカーボネート樹脂の分解防止に
は、ヒンダードフェノール系化合物が多く用いられてい
る。ヒンダードフェノール系化合物は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂の分解に伴い生成するラジカルをトラップ
するトラップ剤として作用し、その水酸基が重要なトラ
ップ機能を果たしている。
【0009】ところで、溶出イオンとして微量のナトリ
ウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンを含
有している繊維状β−ワラストナイトを、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂あるいは芳香族ポリカーボネート樹脂ア
ロイに配合して複合材料を調製すると、上述の加熱や同
時に加わる剪断応力のほか、ナトリウムイオン、カリウ
ムイオン及びカルシウムイオンの影響がさらに加わり、
熱分解や加水分解等がさらに生じ易くなる。従って、実
用上、繊維状β−ワラストナイトは、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂アロイ等の
樹脂に配合することが困難であった。
【0010】本発明の目的は、溶融混練や成形工程にお
ける熱可塑性樹脂の分解を防止することができ、繊維状
β−ワラストナイトの補強効果を十分に発揮することが
できる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、繊維状β
−ワラストナイトを配合してなる熱可塑性樹脂組成物に
おいて、繊維状β−ワラストナイトの補強性能と熱可塑
性樹脂の分解防止という観点から鋭意検討した結果、特
定のリン酸エステル化合物で繊維状β−ワラストナイト
を表面処理することにより、実用性の高い熱可塑性樹脂
組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、繊維状β−ワラストナイトと熱可塑性樹脂からなる
熱可塑性樹脂組成物において、以下の一般式(1)〜
(4)で示されるリン酸エステル化合物の少なくとも1
種で表面処理された繊維状β−ワラストナイトを用いる
ことを特徴としている。
【0013】
【化2】
【0014】(上記一般式(1)〜(4)において、
R、R′及びR″は同一または異なっていてもよく、炭
素数6以上の炭化水素基を示す。)
【0015】本発明において使用される熱可塑性樹脂と
しては、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレ
ンナフタレート、コポリエーテルイミドエステル、コポ
リエーテルエステル、芳香族ポリカーボネート、ゴム改
質されたビニル芳香族モノマーのホモポリマーあるいは
コポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、こ
れらのブレンド及び他のポリマーとのブレンドからなる
群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂が挙げら
れる。
【0016】なお、上記の熱可塑性樹脂を2種以上組み
合わせる際に、例えば芳香族ポリカーボネートとアクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、芳香族ポリカ
ーボネートとポリエチレンの組み合わせのような非相溶
性の樹脂を組み合わせる場合は、双方の樹脂に相溶性の
ある相溶化剤を配合することもできる。
【0017】本発明において用いられる繊維状β−ワラ
ストナイトは、一般にCaO・SiO2 で示されるもの
であり、繊維形状を有するものである。平均繊維長とし
ては20〜50μm、平均繊維径としては0.05〜5
μm、アスペクト比の平均としては8〜100程度のも
のが好適に用いられる。
【0018】本発明においては、上記一般式(1)〜
(4)で示されるリン酸エステル化合物の少なくとも1
種で表面処理された繊維状β−ワラストナイトが熱可塑
性樹脂に混合される。上記一般式のうち(1)〜(3)
で示されるリン酸エステル化合物は、いずれも酸性リン
酸エステルであり、アルカリ金属イオンやアミン類など
と容易に塩を作り安定化する性質がある。また、(4)
で示されるリン酸エステル化合物は、酸性リン酸エステ
ルではないが、アルカリ金属イオン等と相互作用を示し
安定化する性質がある。本発明においては、このような
リン酸エステル化合物で繊維状β−ワラストナイトを表
面処理することにより、溶融混練や成形工程における熱
可塑性樹脂の分解を防止している。熱可塑性樹脂の分解
を防止することができる理由について、詳細は明らかで
はないが、繊維状β−ワラストナイトに微量含まれてい
るナトリウムイオンやカリウムイオン等の溶出イオン
を、リン酸エステル化合物の表面処理により固定化する
ことができ、熱可塑性樹脂の分解劣化を防止することが
できるものと思われる。
【0019】上記一般式(1)〜(4)で示される各リ
ン酸エステル化合物におけるR、R′及びR″は同一の
炭化水素基であってもよいし、異なる炭化水素基であっ
てもよい。炭化水素基の炭素数は6以上であり、好まし
くは8〜12である。さらに好ましくは、炭素数8〜1
2のアルキル基であり、直鎖状であってもよいし、分岐
していてもよい。
【0020】上記一般式(1)〜(4)で示される各リ
ン酸エステル化合物の製造方法は特に限定されるもので
はなく、従来公知の方法で製造することができる。例え
ば、一般式(1)で示されるリン酸エステル化合物は、
トリメチルホスフェートとハロゲン化アルキルとの反応
により製造することができる。この場合、一般にR及び
R′は同一の炭化水素基となる。また、一般式(2)及
び(3)で示されるリン酸エステル化合物は、一般に酸
性リン酸エステルと呼ばれる化合物であり、例えば、塩
化ホスホリルとアルコールとの反応により製造すること
ができる。一般には、一般式(2)で示されるジアルキ
ルエステルと、一般式(3)で示されるモノアルキルエ
ステルの混合物の状態で得られる場合が多い。一般式
(4)で示されるリン酸エステル化合物も、例えば、塩
化ホスホリルとアルコールとの反応により製造すること
ができ、上記酸性リン酸エステルを製造する場合に比べ
てアルコールの量を多くすることにより製造することが
できる。一般式(2)で示されるジアルキルエステルと
の混合物の状態で得られる場合もある。
【0021】リン酸エステル化合物による表面処理量
は、繊維状β−ワラストナイト100重量部に対し、
0.5〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜3
重量部である。リン酸エステル化合物による表面処理量
がこれらの範囲より少ないと熱可塑性樹脂の分解防止の
効果が十分に得られない場合があり、表面処理量がこれ
らの範囲より多くなると熱可塑性の分解防止の効果がそ
れ以上に比例して得られなくなり、また熱可塑性樹脂組
成物の機械的強度が低下する場合がある。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物における繊維
状β−ワラストナイトの配合割合は、熱可塑性樹脂組成
物中、5〜70重量%とすることが好ましく、さらに好
ましくは5〜60重量%であり、さらに好ましくは10
〜50重量%である。表面処理繊維状β−ワラストナイ
トの配合割合が少なくなると、得られる成形品の機械的
物性の改良効果及び耐熱変形性の改善効果等が不十分と
なる場合がある。また、表面処理繊維状β−ワラストナ
イトの配合割合が多くなると、樹脂への溶融混練が困難
になったり、溶融混練の際に粘度上昇を招き、成形が著
しく困難になる場合がある。
【0023】繊維状β−ワラストナイトをリン酸エステ
ル化合物で表面処理する方法は、特に限定されるもので
はなく、従来公知の表面処理方法を用いることができ
る。例えば、繊維状β−ワラストナイトをタンブラーや
ミキサー等で攪拌しながら、リン酸エステル化合物を添
加し繊維状β−ワラストナイトの表面にリン酸エステル
化合物を付着させる方法が挙げられる。この際、リン酸
エステル化合物を有機溶剤などで希釈して添加し、攪拌
混合後、有機溶剤を蒸発除去させてもよい。
【0024】また、熱可塑性樹脂のペレットまたは粉末
等と繊維状β−ワラストナイトを溶融混練前に混合する
際にリン酸エステル化合物を添加してもよい。さらに
は、熱可塑性樹脂と繊維状β−ワラストナイトを溶融混
練する際に、サイドホッパー等からリン酸エステル化合
物を添加し樹脂組成物中に含有させることにより表面処
理してもよい。
【0025】また、本発明においては、繊維状β−ワラ
ストナイトをリン酸エステル化合物で表面処理する際、
他の各種表面処理剤を併用してもよい。このような表面
処理剤としては、シランカップリング剤(ビニルシラ
ン、エポキシシラン、メタアクリロキシシラン、メルカ
プトキシシラン等)、あるいはチタネート系カップリン
グ剤(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
ジ(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネー
ト等)を例示することができる。
【0026】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
ては、耐衝撃性能向上のために、耐衝撃性改質剤を配合
してもよい。本発明でいう耐衝撃性改質剤は、本発明の
熱可塑性樹脂組成物の他の物理的改質に実質的に影響を
与えることなく成形品の耐衝撃性を向上させる限り、多
くの既知の耐衝撃性改質剤が本発明で使用できるが、特
に有用なのは、ゴム状シェル/コア型の耐衝撃性改質剤
である。
【0027】ゴム状シェル/コア型の耐衝撃性改質剤の
1つの型は、アクリル系の改質剤、すなわちポリブチル
アクリレートのようなポリアクリレートのコアとスチレ
ン・メチルメタクリレートのようなメチルアクリレート
のシェルあるいはアクリロニトリル・メチルアクリレー
トのシェルを持つものである。その他の種類としては、
好ましくは架橋されたポリブタジエンのコアと上記のア
クリレートのシェルを持つもの、さらにはスチレン−ブ
タジエン−スチレンのトリブロックコポリマーあるいは
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンのトリブロッ
クコポリマーあるいはスチレン−エチレン/プロピレン
−スチレンのトリブロックコポリマーなどが挙げられ
る。
【0028】本発明において任意成分として使用し得る
耐衝撃性改質剤の含有量は、特に限定されるものではな
いが、樹脂組成物中約0.5〜25重量%程度であるこ
とが好ましい。
【0029】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
ては、繊維状β−ワラストナイト以外の繊維状物をさら
に配合してもよい。このような繊維状物としては、例え
ばガラス繊維、カーボン繊維、ポリアミド繊維、アルミ
ナ繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、酸化チタン繊維等
の繊維状物、炭化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム、
ほう酸アルミニウム、チタン酸アルカリ金属等のウィス
カー、さらにはゾノトライト、プロセスドミネラルファ
イバー(PMF)、石膏繊維、ドーソナイト、繊維状マ
グネシウムオキシサルフェート(MOS)、フォスフェ
ードファイバー、セピオライト等を例示することができ
るが、本発明の目的を損なわない範囲で広く公知の繊維
状物から選択することができる。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、タルク、ピ
ロリン酸カルシウム等の微粒子状充填剤、酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、流動性改善剤、染料、顔料等
の着色剤、フッ素樹脂等の潤滑性付与剤、離型改良剤、
帯電防止剤等の通常の添加剤を適宜配合することができ
る。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を広
く用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂と表面処
理繊維状β−ワラストナイトと、必要に応じてその他の
添加剤を、タンブラーまたはリボンミキサー等を用いて
混合した後、二軸押出機等を用いて溶融混練し製造する
ことができる。また、熱可塑性樹脂を二軸押出機等で溶
融混練する際に、表面処理繊維状β−ワラストナイトを
途中添加(サイドフィード)する方式で添加し溶融混練
してもよい。溶融混練して得られた熱可塑性樹脂組成物
は、必要に応じてペレット化して用いる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、溶融混練や成形工程に
おける熱可塑性樹脂の分解を防止することができ、繊維
状β−ワラストナイトの補強効果を十分に発揮させた熱
可塑性樹脂組成物を得ることができる。従って、高強
度、高弾性率を備え、さらに表面平滑性、寸法精度等に
優れた熱可塑性樹脂組成物とすることができる。従っ
て、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、生活用品をはじ
め、電気製品、自動車部品、建材部品等の幅広い用途に
優れた成形用材料として好適に利用することができる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0034】実施例1〜2及び比較例1〜2 ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)としては、
「ジュラネックス2000」(ポリプラスチックス株式
会社製)を用いた。また、繊維状β−ワラストナイトと
しては、平均繊維径2.0μm、平均繊維長25μmの
ものを用いた。
【0035】実施例1〜2に使用した表面処理繊維状β
−ワラストナイトは、以下のようにして製造した。表面
処理剤としての2−エチルヘキシルリン酸−モノ−2−
エチルヘキシルエステルをn−ヘプタンに溶解して、上
記繊維状β−ワラストナイト100重量部に対して固形
分として2重量部となる量を、上記繊維状β−ワラスト
ナイトの攪拌下に添加混合した後、溶剤であるn−ヘプ
タンを蒸発させ、表面処理繊維状β−ワラストナイトを
得た。表面処理剤として用いた2−エチルヘキシルリン
酸−モノ−2−エチルヘキシルエステルの構造式及び物
性を以下に示す。
【0036】
【化3】
【0037】分子量:306.4 外観:黄色または褐色透明液体 比重:0.948±0.015 粘度:約35cps(25℃) 酸価:170〜190(KOHmg/g) なお、比較例1〜2においては、未処理の繊維状β−ワ
ラストナイトを使用した。
【0038】上記PBT樹脂に、上述の表面処理繊維状
β−ワラストナイトまたは未処理繊維状β−ワラストナ
イトを、30重量%または50重量%となるように配合
し、二軸押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−45)
を用いて、シリンダー温度250℃にて溶融混練し、ス
トランドカットを行いペレットを作製した。得られたペ
レットを射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、FS−
150)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度
80℃及び成形圧力700kg/cm2 にて射出成形を
行い、得られた成形品について、以下の方法で物性測定
を行った。測定結果を表1に示す。
【0039】引張強度及び破断伸び:JIS K−71
13 曲げ強度及び曲げ弾性率:JIS K−7203 アイゾット衝撃強さ(ノッチ付き):JIS K−71
10 表面粗さ:サーフコム300B(株式会社東京精密製)
を用いて、中心線平均粗さRaで表示した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例3〜5及び比較例3〜5 芳香族ポリカーボネート樹脂として、「パンライトL1
250ペレット」(帝人化成株式会社製、酸化防止剤入
り、未分別試料、分子量Mn=24300、Mw=58
000、Mw/Mn=2.39)を、シリンダー温度2
90℃にて溶融した後、上記実施例1〜2と同様にして
得られた表面処理繊維状β−ワラストナイトまたは未処
理繊維状β−ワラストナイトを途中添加(サイドフィー
ド)する方式で添加し、混練後ストランドカットを行い
ペレットを作製した。なお繊維状β−ワラストナイトの
配合割合は表2に示す通りである。
【0042】得られたペレットを、上記実施例と同様の
射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温
度90℃、成形圧力1000kg/cm2 にて射出成形
を行い、得られた成形品について上記実施例と同様に物
性測定を行った。なお、平均分子量の測定は、日立製作
所株式会社製GPC(L−7000型)を用いて測定し
た。測定結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表1及び表2の測定結果から明らかなよう
に、本発明に従い表面処理繊維状β−ワラストナイトを
配合した樹脂組成物は、いずれも優れた機械的物性を示
している。また、表2の結果から明らかなように、本発
明に従い表面処理繊維状β−ワラストナイトを配合した
実施例3〜5の樹脂組成物の平均分子量は、比較例3〜
5に比べいずれも高い値となっており、溶融混練や成形
工程における樹脂の分解が防止されていることがわか
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 C08L 67/02 69/00 69/00 71/12 71/12 77/00 77/00 79/08 79/08 D Fターム(参考) 4J002 AC03X BB03W BC04X BG04X BG05X BG10X BN15W BP01X BP03X CF05W CF08W CF10W CG00W CH07W CL00W CM04W DJ006 EW046 FA046 FB086 FB096 FB166 FD010 FD20X GC00 GL00 GN00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレート、ポリア
    ルキレンナフタレート、コポリエーテルイミドエステ
    ル、コポリエーテルエステル、芳香族ポリカーボネー
    ト、ゴム改質されたビニル芳香族モノマーのホモポリマ
    ーあるいはコポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリ
    アミド、これらのブレンド及び他のポリマーとのブレン
    ドからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹
    脂と、 一般式(1)〜(4)で示されるリン酸エステル化合物
    の少なくとも1種で表面処理された繊維状β−ワラスト
    ナイトとを混合してなる熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (上記一般式(1)〜(4)において、R、R′及び
    R″は同一または異なっていてもよく、炭素数6以上の
    炭化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】 繊維状β−ワラストナイトの平均繊維長
    が20〜50μm、平均繊維径が0.05〜5μm、ア
    スペクト比の平均が8〜100である請求項1に記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 リン酸エステル化合物が、2−エチルヘ
    キシルリン酸−モノ−2−エチルヘキシルエステルであ
    る請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 表面処理された繊維状β−ワラストナイ
    トを約5〜70重量%含有する請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 さらに耐衝撃性改質剤を含有することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1177819A2 (en) 2000-07-31 2002-02-06 Konami Corporation Game machine, method of controlling operation of the game machine, and computer readable medium for controlling the game machine
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