JP2000230003A - 溶解速度が制御されたヒアルロン酸ゲル及びその製造方法 - Google Patents

溶解速度が制御されたヒアルロン酸ゲル及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒアルロン酸自体が本来持っている優れた生
体適合性の特徴を最大限生かしつつ、生体内での滞留時
間が所望に調節されたヒアルロン酸ゲルを提供するこ
と。 【解決手段】 中性の25℃の水溶液中で1日後の溶解
率が50%以下であり、3〜14日後の溶解率が50%
以上であることを特徴とするヒアルロン酸ゲルを構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶解速度が制御さ
れたヒアルロン酸ゲル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は、β−D−N−アセチル
グルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互に結合した
直鎖状の高分子多糖である。ヒアルロン酸は哺乳動物の
結合組織に分布するほか、ニワトリのとさか、連鎖球菌
の夾膜などにも存在が知られている。ニワトリのとさ
か、臍帯等が抽出材料として用いられているほか、連鎖
球菌の培養物からも精製物が調製されている。天然産の
ヒアルロン酸は、分子量について多分散性であるが、種
及び臓器特異性をもたず、生体に移植または注入した場
合であっても優れた生体適合性示すことが知られてい
る。さらに、生体に適用する場合のヒアルロン酸自体の
易水溶性に由来する短所、生体内滞留時間が比較的短い
ことから、多種多様なヒアルロン酸の化学修飾物も提案
されている。
【0003】これらの代表的なものとしては、ジビニル
スルホン、ビスエポキシド類、ホルムアルデヒド等の二
官能性試薬を架橋剤に使用して、得られた高膨潤性の架
橋ヒアルロン酸ゲルを挙げることができる(米国特許第
4,582,865号明細書、特公平6−37575号
公報、特開平7−97401号公報、特開昭60−13
0601号公報参照)。
【0004】また、ヒアルロン酸のテトラブチルアンモ
ニウム塩がジメチルスルフォキシド等の有機溶媒に溶解
する特徴を利用したヒアルロン酸の化学的修飾方法が開
示されている(特開平3−105003号)。また、ヒ
アルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩をジメチルス
ルフォキシド中で、トリエチルアミンとヨウ化2−クロ
ロ−1−メチルピリジニウムを加え反応させ、ヒアルロ
ン酸のカルボキシル基と水酸基間でエステル結合を形成
させる方法も開示されている(欧州特許0341745
A1)。
【0005】また、共有結合を形成する化学的試薬を使
用することなく、ヒアルロン酸を水に不溶化する方法と
して、ヒアルロン酸とアミノ基あるいはイミノ基を有す
る高分子化合物とを、ヒアルロン酸のカルボキシル基と
高分子化合物のアミノ基あるいはイミノ基をイオン複合
体として結合させてヒアルロン酸高分子複合体を調製す
る方法が開示されている(特開平6−73103号公報
参照)。
【0006】ヒアルロン酸水溶液を酸性、例えばpH
2.0〜2.7の範囲に調整するとパティーゲルと呼ば
れるジェリー状に固化した状態のゲルを形成することは
知られているが、pH2.0未満では、パティーゲルは
形成されない。そして、このパティーゲルは、中性水溶
液中に投入すると速やかに溶解するので、本発明でいう
ヒアルロン酸ゲルとは異なる。
【0007】また、ヒアルロン酸水溶液を、pH2.0
〜3.8、20〜80重量%水溶性有機溶剤存在下にお
くことを特徴とするヒアルロン酸ゲルの製造方法も開示
されている(特開平5−58881公報参照)。しかし
ながら、この製造方法で得られたヒアルロン酸ゲルは、
コーティング等を施さない場合には、水中に投入すると
溶解することが該公報に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ヒアルロン酸自体が本
来持っている優れた生体適合性の特徴を最大限生かし、
かつ、生体内での滞留時間が調節されたヒアルロン酸ゲ
ルは有用である。本発明者らは、ヒアルロン酸自体の物
理化学的性質を鋭意検討してきた結果、任意の溶解速度
に制御された上記ヒアルロン酸ゲルを見出した。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
中性の25℃の水溶液中で1日後の溶解率が50%以下
であり、3〜14日後の溶解率が50%以上であること
を特徴とするヒアルロン酸ゲル、(2)ヒアルロン酸の
pH2〜3.5の水溶液を凍結し、次いで解凍すること
を特徴とする(1)記載のヒアルロン酸ゲルの製造方法
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるヒアルロン酸は、動物組織から抽出
したものでも、また発酵法で製造したものでもその起源
を問うことなく使用できる。発酵法で使用する菌株は自
然界から分離されるストレプトコッカス属等のヒアルロ
ン酸生産能を有する微生物、又は特開昭63−1233
92号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM
−100(微工研菌寄第9027号)、特開平2−2346
89号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM
−300(微工研菌寄第2319号)のような高収率で安定
にヒアルロン酸を生産する変異株が望ましい。上記の変
異株を用いて培養、精製されたものが用いられる。
【0011】ゲルとは、新版高分子辞典(朝倉書店 昭
和63年)によれば、「あらゆる溶媒に不溶の三次元網
目構造をもつ高分子及びその膨潤体」と定義されてい
る。理化学辞典(岩波書店 第4版 昭和62年)によ
れば、「ゾル(コロイド溶液)がジェリー状に固化した
もの」と定義されている。本発明で言うヒアルロン酸ゲ
ルとは、中性水溶液に少なくとも1日は難溶性であるこ
とを特徴とし、このヒアルロン酸ゲルを中性水溶液中に
投入すると、ゲル化していないヒアルロン酸と比較して
1日後に有意に難溶性を示す。難溶性は、中性の25℃
の水溶液中でのゲルの溶解率で規定する。ここで、中性
水溶液とは、pH7に調整された緩衝能を有する生理的
食塩水である。
【0012】本発明で得られるヒアルロン酸ゲルの製造
方法は問わない。例えば、pH2〜3.5の酸性ヒアル
ロン酸溶液を凍結し、次いで解凍して形成させる方法が
ある。その他には、ヒアルロン酸濃度5重量%以上のヒ
アルロン酸酸性水溶液を中和処理前に熟成することによ
り形成させる方法がある。また、形成したヒアルロン酸
ゲルを、熱や放射線等で分解して、溶解速度を制御して
も良い。
【0013】本発明で得られるヒアルロン酸ゲルは、ヒ
アルロン酸単独で形成されるものも含む。ここでいうヒ
アルロン酸単独とは、ヒアルロン酸以外に化学的架橋剤
や化学的修飾剤等を使用しないこと、また、カチオン性
の高分子と複合体化しないことであり、自己架橋を意味
するものである。化学的架橋剤や化学的修飾剤を使用す
ることにより、それに起因する生体適合性への悪影響が
考えられるので、ヒアルロン酸単独からなるゲルの方が
より好ましい。
【0014】ヒアルロン酸の化学的架橋剤は、ヒアルロ
ン酸のカルボキシル基、水酸基、アセトアミド基と反応
して共有結合を形成する多価化合物であり、ポリグリシ
ジルエーテル等の多価エポキシ化合物、ジビニルスルホ
ン、ホルムアルデヒド、オキシ塩化リン、カルボジイミ
ド化合物とアミノ酸エステルの併用、カルボジイミド化
合物とジヒドラジド化合物の併用を例として挙げること
ができる。ヒアルロン酸と化学的架橋剤との反応により
三次元網目構造が形成される。
【0015】ヒアルロン酸の化学的修飾剤は、ヒアルロ
ン酸のカルボキシル基、水酸基、アセトアミド基と反応
して共有結合を形成する化合物であり、無水酢酸と濃硫
酸の併用、無水トリフルオロ酢酸と有機酸の併用、ヨウ
化アルキル化合物を例として挙げることができる。ヒア
ルロン酸の親水性基を疎水化し、ヒアルロン酸の水溶性
が減少する。
【0016】ヒアルロン酸と複合体化するカチオン性の
高分子は、ヒアルロン酸のカルボキシル基と高分子化合
物のアミノ基あるいはイミノ基の間でイオン複合体を形
成する高分子であり、キトサン、ポリリジン、ポリビニ
ルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリジメチルアミノ
エチルメタクリレートを例として挙げることができる。
ヒアルロン酸とカチオン性の高分子は複合体化すること
により、水に不溶化する。
【0017】一方、ヒアルロン酸への架橋構造の導入や
ヒアルロン酸の不溶化、難溶化に直接関係しない物質
を、本発明でいうヒアルロン酸ゲルを形成させる際に添
加することはできる。ヒアルロン酸と同様に生体適合性
に優れる材料、例えば、コンドロイチン硫酸、カルボキ
シメチルセルロース等を混合、複合化してヒアルロン酸
ゲルを形成させることができるものであり、何ら制限さ
れないものである。また、ヒアルロン酸ゲルを形成させ
る際に、薬学的又は生理学的に活性な物質を添加して、
これらを含有するヒアルロン酸ゲルを形成させることも
できるものであり、何ら制限されないものである。
【0018】本発明に用いられるヒアルロン酸の分子量
は、所望の溶解速度により適宜選択されるが、約1×1
5 〜約1×107 ダルトンの範囲内のものが好まし
い。また、上記範囲内の分子量をもつものであれば、よ
り高分子量のものから、加水分解処理等を介して得られ
た低分子量のものも同様に使用できる。なお、本発明に
いうヒアルロン酸は、そのアルカリ金属、例えば、ナト
リウム、カリウム、リチウムの塩をも包含する概念で使
用される。
【0019】本発明で得られるヒアルロン酸ゲルは、そ
の使用目的に応じて、溶媒中に浸漬した状態、溶媒を含
ませた湿潤状態、通風乾燥、減圧乾燥あるいは凍結乾燥
等の処理を経た乾燥状態で供される。
【0020】ヒアルロン酸ゲルの成形加工等の処理は、
作製時には、ヒアルロン酸及び調製されたヒアルロン酸
酸性水溶液の容器や手法の選択によりシート状、フィル
ム状、破砕状、スポンジ状、塊状、繊維状、及びチュー
ブ状の所望の形態のヒアルロン酸ゲルの作製が可能であ
る。ヒアルロン酸ゲルの作製後の加工としては、機械的
粉砕による微細な破砕状や凍結、解凍によるスポンジ
状、圧延によるフィルム化、紡糸等が例示される。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。なお、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
【0022】実施例1 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
を蒸留水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸の水溶液を
調製した。調製されたヒアルロン酸の水溶液のpHは、
6.0であった。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH
2.0に調整した。このヒアルロン酸の酸性水溶液15
mlを30mlのガラスビンに入れ、−20℃に設定し
た冷凍庫に入れた。24時間放置した後、25℃で解凍
した。その結果、スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが得ら
れた。
【0023】実施例2 実施例1に於いて、分子量が6×105 ダルトンのヒア
ルロン酸ナトリウムを溶解してヒアルロン酸の水溶液を
調製した後、実施例1と同様の操作を行い、−20℃に
設定した冷凍庫に入れた。24時間放置した後、25℃
で解凍した。その結果、スポンジ状のヒアルロン酸ゲル
が得られた。
【0024】実施例3 実施例1に於いて、−20℃に設定した冷凍庫に12時
間放置した後、25℃で解凍した。その結果、スポンジ
状のヒアルロン酸ゲルが得られた。
【0025】実施例4 実施例3に於いて、分子量が6×105 ダルトンのヒア
ルロン酸ナトリウムを溶解してヒアルロン酸の水溶液を
調製した後、実施例3と同様の操作を行い、−20℃に
設定した冷凍庫に入れた。12時間放置した後、25℃
で解凍した。その結果、スポンジ状のヒアルロン酸ゲル
が得られた。
【0026】実施例5 実施例1に於いて、調製されたヒアルロン酸の水溶液の
pHを、1N塩酸でpH2.5に調整した。このヒアル
ロン酸の酸性水溶液15mlを30mlのガラスビンに
入れ、−20℃に設定した冷凍庫に入れた。240時間
放置した後、25℃で解凍した。その結果、スポンジ状
のヒアルロン酸ゲルが得られた。
【0027】実施例1〜5のヒアルロン酸ゲルの調製条
件を、表1にまとめる。
【0028】
【表1】
【0029】実施例6 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
の粉末100mgを300kgf/cm2 で3分間加圧
し、8mm×8mm×2mmの直方体の成型物を得た。
この成型物を、スチロール製の角型容器に入れ、1Nの
塩酸を400mg、ヒアルロン酸濃度にして20重量%
になるように含浸させ容器を密閉した後、25℃で4日
間静置保存した。その結果、直方体の透明なヒアルロン
酸ゲルが得られた。
【0030】実施例7 実施例6に於いて、ヒアルロン酸濃度が5重量%になる
ように1Nの塩酸を1900mg含浸させた後、5℃に
設定した冷蔵庫に6日間静置保存した。その結果、直方
体の透明なヒアルロン酸ゲルが得られた。
【0031】比較例1 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
の粉末を、ヒアルロン酸ゲルの溶解性試験に用いた。
【0032】比較例2 分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウム
の粉末を300kgf/cm2 で3分間加圧し、直方体
の成型物を得た。該成型物をヒアルロン酸ゲルの溶解性
試験に用いた。
【0033】比較例3 実施例4に於いて、1Nの塩酸の代わりに蒸留水を用い
て同様の操作を行った。その結果、透明なヒアルロン酸
ゲル状の溶液が得られた。該ヒアルロン酸溶液をヒアル
ロン酸ゲルの溶解性試験に用いた。
【0034】実施例6 ヒアルロン酸ゲルの溶解性試験 生理的食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、
pH7のリン酸緩衝生理的食塩水を調製した。上記の実
施例で得られたヒアルロン酸ゲルを、乾燥重量で10m
gのヒアルロン酸を含むヒアルロン酸ゲルに対して、5
0mlのリン酸緩衝生理的食塩水の割合で、リン酸緩衝
生理的食塩水中に浸漬した。また、比較例の各形態のヒ
アルロン酸も、乾燥重量で10mgを50mlのリン酸
緩衝生理的食塩水中に浸漬した。そして、25℃で撹拌
下のリン酸緩衝生理的食塩水中に溶出するヒアルロン酸
の割合を、リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸濃
度から求めた。従って、中性の25℃の水溶液中でのヒ
アルロン酸ゲルの溶解性は、上記試験により規定される
ものである。
【0035】ヒアルロン酸濃度の測定 リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸の濃度は、G
PCを使って、示差屈折率検出器のピーク面積から求め
た。
【0036】上記に従い、具体的に実施例1〜7及び比
較例1〜3のヒアルロン酸ゲルの溶解性試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】例えば、実験No.1の実施例1で得られ
たヒアルロン酸ゲルの溶解率を調べると、1日経過後で
は6%の溶解率であり、3日経過後では10%の溶解率
であり、7日経過後では20%の溶解率であり、更に1
4日経過後では56%の溶解率であった。即ち、1日経
過後は90%以上のヒアルロン酸ゲルが残存していた
が、14日後には50%以下しか残存していない。一
方、実験No.5の実施例5で得られたヒアルロン酸ゲ
ルの溶解率を調べると、1日経過後では15%の溶解率
であり、3日経過後では61%の溶解率であり、更に7
日経過後では100%の溶解率であり、ヒアルロン酸ゲ
ルは全て溶解している。そして、ヒアルロン酸ゲルの溶
解率は、時間にほぼ比例して増加している。それに対し
て、実験No.8の比較例1でのヒアルロン酸粉末の溶
解率は、1日経過後で100%の溶解率であり、完全に
溶解した。よって、比較例(実験No.8〜10)で得
られたヒアルロン酸ゲル状の溶液は水中での溶解速度が
極めて速いのに対して、本願発明のヒアルロン酸ゲル
(例えば、実験No.1〜7)は水中の溶解速度が遅
く、また、任意の溶解速度を有することが見出された。
そして、実施例1〜5に示すように、pH2〜3.5の
酸性ヒアルロン酸水溶液を凍結し、次いで解凍すること
によって、上記のような溶解速度が制御されたヒアルロ
ン酸ゲルが得られることが示唆された。
【0039】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ヒアルロン酸自
体が本来持っている優れた生体適合性の特徴を最大限生
かしつつ、生体内での滞留時間が所望に調節されたヒア
ルロン酸ゲルを提供することができる。本発明のヒアル
ロン酸ゲルにより、例えば癒着防止の用途に於いて、手
術部位によって所望の生体内滞留時間を有するものを選
択することができるようになる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性の25℃の水溶液中で1日後の溶解
    率が50%以下であり、3〜14日後の溶解率が50%
    以上であることを特徴とするヒアルロン酸ゲル。
  2. 【請求項2】 ヒアルロン酸のpH2〜3.5の水溶液
    を凍結し、次いで解凍することを特徴とする請求項1記
    載のヒアルロン酸ゲルの製造方法
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WO2007129828A1 (en) * 2006-05-04 2007-11-15 Seoul National University Industry Foundation Preparation method of porous hyaluronic acid sponge for cell delivery system
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WO2016121198A1 (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 株式会社リタファーマ 水溶性ヒアルロン酸ゲル及びその製造方法

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