JP2000227043A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2000227043A
JP2000227043A JP11029221A JP2922199A JP2000227043A JP 2000227043 A JP2000227043 A JP 2000227043A JP 11029221 A JP11029221 A JP 11029221A JP 2922199 A JP2922199 A JP 2922199A JP 2000227043 A JP2000227043 A JP 2000227043A
Authority
JP
Japan
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combustion
control
deterioration
combustion state
improvement
Prior art date
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Application number
JP11029221A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Ichinose
宏樹 一瀬
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、内燃機関の制御装置に関し、エミ
ッションの増加を抑制しつつ良好な燃焼状態を実現する
ことを目的とする。 【解決手段】 機関始動後、時刻t1において機関回転
数NEが第1基準値NE1を下回ると、第1燃焼悪化フ
ラグF1が「1」にセットされ、点火時期進角制御が開
始される。その後、機関回転数NEが更に低下して時刻
t2において第2基準値NE2を下回った場合には、第
2燃焼悪化フラグF2が「1」にセットされ、吸気同期
噴射制御が開始される。更に、その後、時刻t3におい
て機関回転数NEが第3基準値NE3を下回ると、第3
燃焼悪化フラグが「1」にセットされ、噴射量増量制御
が開始される。別の実施例として、各燃焼改善制御を順
次終了させ、燃焼状態が悪化した場合に、良好な燃焼状
態が回復するまで終了した制御を順次再開させてもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の制御装
置に係り、特に、燃焼状態を改善する複数の燃焼改善制
御を実行する機能を有する内燃機関の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関の通常運転時には、エ
ミッション低減を図るべく、燃料噴射を吸気弁の開弁前
に行う吸気非同期噴射制御が実行される。しかし、低温
運転時には燃料が気化し難いため、吸気非同期噴射制御
が実行されると、燃料が燃焼室に十分に吸入されず、燃
焼状態が不安定化する可能性がある。そこで、従来よ
り、例えば特開平3−23342号公報及び実開昭61
−82050号公報に開示される如く、冷間始動時に
は、吸気弁の開弁期間内に燃料噴射を行う吸気同期噴射
制御により燃焼状態の安定化を図ることが行われてい
る。しかし、冷間始動時に常に吸気同期噴射制御を実行
することとすると、良好な燃焼状態が実現されている場
合には、逆にエミッションの増加を招いてしまう。かか
る不都合を回避するために、内燃機関の冷間始動後の燃
焼状態を監視し、燃焼状態が不安定化した場合にのみ吸
気同期噴射制御を実行することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃焼状態の
改善を図る制御として、吸気同期噴射制御の他に、燃料
噴射量を通常時よりも増加させる噴射量増加制御、ある
いは、点火時期を通常時よりも進角させる点火時期進角
制御がある。以下、燃焼状態の改善を図るこれらの制御
を、燃焼改善制御と総称する。かかる燃焼改善制御の複
数を組み合わせて実行することにより、燃焼状態をより
良好に改善することができる。しかしながら、過度に燃
焼改善制御を実行すると、むしろ、排気ガスに含まれる
エミッションが増大してしまうおそれがある。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、必要最小限の燃焼改善制御を実行することによ
り、良好な燃焼状態を実現しつつエミッションを低減す
ることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、燃焼状態の改善を図る複数の燃焼改善
制御を実行し得る内燃機関の制御装置であって、燃焼状
態の悪化度合いを検出する燃焼悪化度合い検出手段と、
燃焼状態の悪化度合いに基づいて、実行されるべき1又
は2以上の前記燃焼改善制御を選択する燃焼改善制御選
択手段と、を備える内燃機関の制御装置により達成され
る。
【0006】請求項1記載の発明において、燃焼改善制
御選択手段は、燃焼状態の悪化度合いに基づいて、実行
されるべき1又は2以上の燃焼改善制御を選択する。す
なわち、燃焼状態の悪化度合いに基づいて、1又は2以
上の燃焼改善制御が選択されて実行される。従って、本
発明によれば、必要最小限の燃焼改善制御を実行するこ
とによりエミッションの増加を抑制しつつ良好な燃焼状
態を得ることができる。ところで、一般に、燃焼状態が
改善されると、排気ガスに含まれるエミッションは増加
する。このため、本発明によれば、エミッションの増加
を抑制しつつ、良好な燃焼状態を得ることができる。ま
た、必要最小限の燃焼改善制御が実行されることで、制
御状態の急変が抑制され、これにより、制御状態の変化
に伴う衝撃が緩和される。
【0007】この場合、請求項2に記載する如く、請求
項1記載の内燃機関の制御装置において、前記燃焼悪化
度合い検出手段は、機関回転数に基づいて燃焼状態の悪
化度合いを検出することとしてもよい。また、上記の目
的は、請求項3に記載する如く、燃焼状態の改善を図る
複数の燃焼改善制御を実行し得る内燃機関の制御装置で
あって、1又は2以上の前記燃焼改善制御を組み合わせ
ることにより、燃焼状態の改善度合いが異なる複数の制
御モードを実現する制御モード実現手段と、燃焼状態の
悪化を検出する燃焼悪化検出手段と、前記制御モードを
燃焼状態の改善度合いが小さい側へ順次変更させると共
に、燃焼状態の悪化が検出された場合に、良好な燃焼状
態が回復するまで、前記制御モードを燃焼状態の改善度
合いが大きい側へ順次変更させるモード変更手段と、を
備える内燃機関の制御装置により達成される。
【0008】請求項3記載の発明において、制御モード
実現手段は、1又は2以上の燃焼改善制御を組み合わせ
ることにより、燃焼状態の改善度合いが異なる複数の制
御モードを実現する。また、モード変更手段は、制御モ
ードを燃焼状態の改善度合いが小さい側へ順次変更させ
ると共に、燃焼状態の悪化が検出された場合に、良好な
燃焼状態が回復するまで、制御モードを燃焼状態の改善
度合いが大きい側へ順次変更させる。従って、本発明に
よれば、良好な燃焼状態を得るのに必要最小限の燃焼状
態の改善度合いを有する制御モードが実現されること
で、エミッションの低減が図られる。また、燃焼状態の
改善度合いが順次変更されることで、制御状態の変化に
伴う衝撃が緩和される。
【0009】また、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、燃焼状態の改善を図る複数の燃焼改善制御を実行
し得る内燃機関の制御装置であって、燃焼状態の悪化を
検出する燃焼悪化検出手段と、前記複数の燃焼改善制御
を所定の順序で終了させる燃焼改善制御終了手段と、燃
焼状態の悪化が検出された場合に、良好な燃焼状態が回
復するまで、前記終了された燃焼改善制御を順次再開さ
せる燃焼改善制御再開手段と、を備える内燃機関の制御
装置によっても達成される。
【0010】請求項4記載の発明において、燃焼改善制
御終了手段は、複数の燃焼改善制御を所定の順序で終了
させる。一方、燃焼改善制御再開手段は、燃焼状態の悪
化が検出された場合に、良好な燃焼状態が回復するま
で、終了された燃焼改善制御を順次再開させる。従っ
て、本発明によれば、良好な燃焼状態を得るのに必要最
小限の燃焼改善制御が実行されることで、エミッション
の低減が図られる。また、燃焼改善制御が順次終了され
るので、制御状態の変化に伴う衝撃が緩和される。
【0011】この場合、請求項5に記載する如く、請求
項3又は4記載の内燃機関の制御装置において、前記燃
焼悪化検出手段は、機関回転数に基づいて燃焼状態の悪
化を検出することとしてもよい。また、請求項6に記載
する如く、請求項1乃至5のうち何れか1項記載の内燃
機関の制御装置において、前記複数の燃焼改善制御は、
点火時期に基づいて燃焼状態の改善を図る点火時期制
御、燃料噴射時期に基づいて燃焼状態の改善を図る噴射
時期制御、及び、燃料噴射量に基づいて燃焼状態の改善
を図る噴射量制御を含むこととしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る内燃機関の制御装置が適用されたシステムの構成図を
示す。本実施例のシステムはECU10により制御され
る。図1に示す如く、内燃機関は、シリンダブロック1
2を備えている。シリンダブロック12の内部には、シ
リンダ14およびウォータジャケット16が形成されて
いる。ウォータジャケット16には、水温センサ18が
配設されている。水温センサ18はウォータジャケット
16の内部を流れる冷却水の温度(以下、水温THWと
称す)に応じた信号をECU10に向けて出力する。E
CU10は水温センサ18の出力信号に基づいて水温T
HWを検出する。
【0013】シリンダ14の内部にはピストン20が配
設されている。ピストン20は、シリンダ14の内部
を、図1における上下方向に摺動することができる。シ
リンダブロック12の上部には、シリンダヘッド22が
固定されている。シリンダヘッド22には、吸気ポート
24および排気ポート26が形成されている。シリンダ
ヘッド22の底面、ピストン20の上面、およびシリン
ダ14の側壁は、燃焼室28を画成している。上述した
吸気ポート24および排気ポート26は、共に燃焼室2
8に開口している。燃焼室28には、点火プラグ30の
先端が露出している。点火プラグ30はECU10から
点火信号を供給されることにより、燃焼室28内の燃料
に点火する。
【0014】内燃機関は、また、吸気弁34及び排気弁
36を備えている。吸気ポート24及び排気ポート26
の燃焼室28への開口部には、それぞれ、吸気弁34及
び排気弁36に対する弁座が形成されている。吸気弁3
4及び排気弁36は、各弁座に離着座することにより、
それぞれ吸気ポート24及び排気ポート26を開閉させ
る。
【0015】吸気ポート24には、吸気マニホールド3
8が連通している。吸気マニホールド38には、燃料噴
射弁40が配設されている。燃料噴射弁40はECU1
0から付与される指令信号に応じて燃料を吸気マニホー
ルド38内に噴射する。吸気マニホールド38の上流側
には、サージタンク42が連通している。サージタンク
42には、吸気圧センサ43が配設されている。吸気圧
センサ43は、吸気管負圧PMに応じた信号をECU1
0に向けて出力する。ECU10は、吸気圧センサ43
の出力信号に基づいて吸気管負圧PMを検出する。
【0016】サージタンク42の上流側には、吸気管4
4が連通している。吸気管44には、スロットルバルブ
46が配設されている。スロットルバルブ46の近傍に
は、スロットル開度センサ48が配設されている。吸気
管44の上流側端部にはエアクリーナ52が配設されて
いる。吸気管44にはエアクリーナ52により濾過され
た外気が流入する。
【0017】一方、内燃機関の排気ポート26には、排
気通路54が連通している。排気通路54には、触媒コ
ンバータ56が配設されている。触媒コンバータ56は
排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(C
O)、及び酸化窒素(NOX)を吸着させることにより
排気ガスを浄化する。内燃機関は、また、回転数センサ
58を備えている。回転数センサ58は、内燃機関が所
定のクランク角だけ回転する毎にパルス信号をECU1
0に向けて出力する。ECU10は、回転数センサ58
の出力信号に基づいて、内燃機関の回転数(以下、機関
回転数NEと称す)を検出する。
【0018】ECU10にはアイドルスイッチ60が接
続されている。アイドルスイッチ60は、アイドル運転
時にオン状態となるスイッチである。ECU10は、ア
イドルスイッチ60のオン/オフ状態に基づいて、アイ
ドル運転状態であるか否かを判別する。本実施例のシス
テムにおいて、内燃機関の通常運転中は、排気ガス中の
エミッションを低減させるべく、空燃比がリーン側とな
るように燃料噴射量及び点火時期が設定されると共に、
燃料噴射を吸気弁34の開弁前に行う吸気非同期噴射制
御が実行される。
【0019】ところで、内燃機関の燃料の性状は、季節
に応じて変更される場合がある。すなわち、温度の低い
冬期には蒸発し易い軽質燃料を用い、温度の高い夏期に
は蒸発し難い重質燃料を用いることが行われる場合があ
る。重質燃料が用いられた場合、内燃機関の冷間始動時
には吸気ポートに付着する燃料が多量となるため、上記
の如く空燃比がリーン側に制御されると、燃料室へ供給
される燃料が不足することで、燃焼状態が悪化してしま
う。この場合、燃焼状態の改善を図る燃焼改善制御とし
て、燃料噴射を吸気弁34の開弁中に行う吸気同期噴射
制御、燃料噴射量を通常時よりも増量する燃料噴射量増
量制御、及び、点火時期を通常時よりも進角側に変化さ
せる点火時期進角制御があることは上記した通りであ
る。
【0020】重質燃料の性状にも幾つかの種類があり、
その性状によって燃焼状態の悪化度合いが異なる。一
方、過度に燃焼改善制御が実行されると排気ガスに含ま
れるエミッションは増加する。すなわち、点火時期進角
制御によれば、排気ガスの温度低下に伴って触媒コンバ
ータ56の温度も下がり、その浄化効率が低下すること
でエミッションが増加する。また、吸気同期噴射制御及
び噴射量増量制御によれば、燃焼室28において燃焼さ
れる燃料の量が増加することで、エミッションが増加す
る。従って、エミッションの増加を抑制するうえでは、
燃焼状態の悪化度合いに応じて必要最小限の燃焼改善制
御を実行することが望ましい。
【0021】本実施例のシステムは、内燃機関の冷間始
動時に、燃焼状態の悪化の度合いに応じて、上記した3
種類の燃焼改善制御のうち1又は2以上の必要最小限の
制御を適宜選択して実行することにより、エミッション
とドライバビリティの両立を図るものである。上記の機
能を実現すべく、ECU10は、燃焼状態の悪化の度合
いを示す第1〜第3の燃焼悪化フラグF1〜F3を備え
ており、機関回転数NEが、3つの基準値NE1、NE
2、及びNE3を下回ると、それぞれ、第1燃焼悪化フ
ラグF1、第2燃焼悪化フラグF2、及び第3燃焼悪化
フラグF3を「1」にセットする。そして、燃焼悪化フ
ラグF1〜F3が「1」にセットされた場合に、それぞ
れ、点火時期進角制御、吸気同期噴射制御、及び噴射量
増量制御を開始させる。
【0022】図2は、本実施例の内燃機関の始動後にお
ける(A)機関回転数NEの時間変化、(B)第1燃焼
悪化フラグF1の時間変化、(C)点火時期進角制御の
実行/非実行状態の時間変化、(D)第2燃焼悪化フラ
グF2の時間変化、(E)吸気同期噴射制御の実行/非
実行状態の時間変化、(F)第3燃焼悪化フラグF3の
時間変化、及び(G)噴射量増量制御の実行/非実行状
態の時間変化をそれぞれ例示する。なお、図2(A)に
は、互いに異なる3つの状況における機関回転数NEの
時間変化を、それぞれ、実線、破線、及び一点鎖線で示
している。
【0023】図2(A)に示す如く、時刻t0で内燃機
関が始動され、クランキングを経て機関回転数NEが吹
き上がっている。なお、始動直後の過程では、確実な始
動を実現すべく、燃焼改善制御のうち1又は2以上の制
御を実行し、内燃機関の始動が確保された時点で実行し
ていた制御を終了することとしている。その後、機関回
転数NEは低下し、時刻t1において第1基準値NE1
を下回っている、このため、図2(B)に示す如く、時
刻t1において第1燃焼悪化フラグF1が「1」にセッ
トされ、これに同期して、図2(C)に示す如く、点火
時期進角制御が開始される。
【0024】図2(A)に実線で示す場合には、点火時
期進角制御が開始された後、機関回転数NEが上昇に転
じ、以後、第1基準値NE1を上回った状態が維持され
ている。すなわち、この場合は、点火時期進角制御のみ
で良好な燃焼状態を回復することができ、吸気同期噴射
制御及び噴射量増量制御が実行されることはない。図2
(A)に破線及び一点鎖線で示す場合には、点火時期進
角制御が開始された後も機関回転数NEは低下を続け、
時刻t2において第2基準値NE2を下回っている。こ
の場合、燃焼状態の悪化度合いは図2(A)に実線で示
す場合よりも大きいと判断される。このため、図2
(D)に示す如く、時刻t2において第2燃焼悪化フラ
グF2が「1」にセットされ、これに同期して図2
(E)に示す如く、点火時期進角制御に加えて吸気同期
噴射制御が開始される。
【0025】図2(A)に破線で示す場合には、吸気同
期噴射制御が開始された後、機関回転数NEは上昇に転
じ、第1基準値NE1を上回っている。すなわち、図2
(A)に破線で示す場合は、点火時期進角制御及び吸気
同期噴射制御により良好な燃焼状態を回復することがで
き、噴射量増量制御が実行されることはない。一方、図
2(A)に一点鎖線で示す場合には、吸気同期噴射制御
が開始された後も機関回転数NEは低下を続け、時刻t
3において第3基準値NE3を下回っている。この場
合、燃焼状態の悪化の度合いは、図2(A)に破線で示
す場合よりも大きいと判断される。このため、図2
(F)に示す如く、時刻t3において第3燃焼悪化フラ
グF3が「1」にセットされ、これに同期して図2
(G)に示す如く、点火時期進角制御及び吸気同期噴射
制御に加えて噴射量増量制御が開始される。
【0026】このように、本実施例では、良好な燃焼状
態が得られるように、燃焼状態の悪化の度合いに応じて
各燃焼改善制御が順次追加して実行される。このため、
本実施例のシステムによれば、良好な燃焼状態を実現す
るうえで必要最小限の燃焼改善制御が実行される。上述
の如く、過度に燃焼改善制御が実行されるとエミッショ
ンは増加する。従って、本実施例によれば、必要最小限
の燃焼改善制御が実行されることで、エミッションの増
加を抑制することが可能となっている。
【0027】ところで、点火時期進角制御は、点火時期
に基づいて燃焼状態の安定化を図る制御であり、燃焼室
28へ供給する燃料量を増加させるものではないため、
エミッション増加の度合いは、燃焼改善制御のなかで最
も小さい。また、吸気同期噴射制御は、吸気弁34の開
弁中に燃料噴射を行うことにより燃焼室28へ供給する
燃料量を増加させるものであるが、燃料噴射量自体を増
加させるものではないため、エミッション増加の度合い
は噴射量増量制御に比べると小さい。このように、燃焼
改善制御の実行に伴うエミッション増加の度合いは、小
さい方から、点火時期進角制御、吸気同期噴射制御、及
び噴射量増量制御の順となる。
【0028】本実施例では、上述の如く、機関回転数N
EがNE1、NE2、及びNE3を下回るのに応じて、
順次、点火時期進角制御、吸気同期噴射制御、及び、噴
射量増量制御が開始される。すなわち、エミッション増
加の度合いが小さな制御から順に開始されることで、エ
ミッション増加をより効果的に抑制しつつ良好な燃焼状
態を得ることが可能となっている。
【0029】また、複数の燃焼改善制御が同時に開始さ
れることがないので、制御状態の急変が抑制される。従
って、本実施例によれば、燃焼状態の変化に伴う衝撃を
緩和することも可能となっている。以下、図3及び図4
を参照して、本実施例においてECU10が実行する具
体的な処理の内容について説明する。図3に示すルーチ
ンは、ECU10が機関回転数NEに基づいて燃焼悪化
フラグF1〜F3を設定すべく実行するルーチンのフロ
ーチャートである。また、図4に示すルーチンは、EC
U10が燃焼悪化フラグF1〜F3の値に応じた燃焼改
善制御を実現すべく実行するルーチンのフローチャート
である。なお、図3及び図4に示すルーチンは、所定時
間間隔で起動される割り込みルーチンである。
【0030】先ず、図3に示すルーチンの内容について
説明する。図3に示すルーチンが起動されると、ステッ
プ100の処理が実行される。ステップ100では、内
燃機関の始動後の経過時間Tが所定値a以上であるか否
かが判別される。なお、ECU10は単位時間が経過す
る毎にカウントアップするタイマーを備えており、この
タイマーに基づいて経過時間Tを検知する。ステップ1
00において、T≧aが不成立であれば、始動直後のク
ランキング又は吹き上がりの過程にあり、燃焼悪化を判
定することはできないと判断され、以後何ら処理が実行
されることなく今回のルーチンは終了される。一方、ス
テップ100において、T≧aが成立する場合は、次に
ステップ102の処理が実行される。
【0031】ステップ102では、水温THWが所定値
b以下であるか否かが判別される。その結果、THW≦
bが不成立であれば、内燃機関は十分に暖機されてお
り、燃焼改善制御を実行することは不要であると判断さ
れて今回のルーチンは終了される。一方、THW≦bが
成立する場合は、次にステップ104の処理が実行され
る。
【0032】ステップ104では、アイドル運転状態で
あるか否かが判別される。その結果、アイドル運転状態
でなければ、燃焼改善制御を実行することは不要である
と判断されて今回のルーチンは終了される。一方、ステ
ップ104において、アイドル運転状態であると判別さ
れた場合は、次にステップ106の処理が実行される。
【0033】ステップ106では、機関回転数NEが第
1基準値NE1を下回っているか否かが判別される。そ
の結果、NE<NE1が不成立であれば、今回のルーチ
ンは終了される。一方、ステップ106においてNE<
NE1が成立する場合は、次にステップ108において
第1燃焼悪化フラグF1が「1」にセットされた後、ス
テップ110の処理が実行される。
【0034】ステップ110では、機関回転数NEが第
2基準値NE2を下回っているか否かが判別される。そ
の結果、NE<NE2が不成立であれば、今回のルーチ
ンは終了される。一方、ステップ110においてNE<
NE2が成立する場合は、次にステップ112において
第2燃焼悪化フラグF2が「1」にセットされた後、ス
テップ114の処理が実行される。
【0035】ステップ114では、機関回転数NEが第
3基準値NE3を下回っているか否かが判別される。そ
の結果、NE<NE3が不成立であれば、今回のルーチ
ンは終了される。一方、ステップ114においてNE<
NE3が成立する場合は、次にステップ116において
第2燃焼悪化フラグF2が「1」にセットされた後、今
回のルーチンは終了される。
【0036】次に、図4に示すルーチンの内容について
説明する。図4に示すルーチンが起動されると、先ずス
テップ150の処理が実行される。ステップ150で
は、第1燃焼悪化フラグF1が「1」にセットされてい
るか否かが判別される。その結果、F1=1が不成立で
あれば、今回のルーチンは終了される。一方、ステップ
150においてF1=1が成立する場合は、次にステッ
プ152において、点火時期進角制御を実行するための
処理、すなわち、点火時期を通常時よりも進角させる処
理が実行される。
【0037】ステップ152に続くステップ154で
は、第2燃焼悪化フラグF2が「1」にセットされてい
るか否かが判別される。その結果、F2=1が不成立で
あれば、今回のルーチンは終了される。一方、ステップ
154において、F2=1が成立する場合は、次にステ
ップ156において、吸気同期噴射制御を実行するため
の処理、すなわち、燃料噴射タイミングを吸気弁34の
開弁中に設定するための処理が実行される。
【0038】ステップ156に続くステップ158で
は、第3燃焼悪化フラグF3が「1」にセットされてい
るか否かが判別される。その結果、F3=1が不成立で
あれば、今回のルーチンは終了される。一方、ステップ
158において、F3=1が成立する場合は、次にステ
ップ160において、噴射量増量制御を実行するための
処理、すなわち、燃料噴射量を通常時よりも増加させる
処理が実行された後、今回のルーチンは終了される。
【0039】上記図3に示すルーチンによれば、機関回
転数NEと3つの基準値NE1〜NE3との比較に基づ
いて燃焼悪化の度合いが判定され、その判定結果に基づ
いて燃焼悪化フラグF1〜F3がセットされる。そし
て、上記図4に示すルーチンによれば、燃焼悪化フラグ
F1〜F3の値に基づいて、点火時期進角制御、吸気同
期噴射制御、及び噴射量増量制御のうち、実行されるべ
き燃焼改善制御が選択される。従って、本実施例によれ
ば、燃焼悪化の度合いに基づいて必要最小限の燃焼改善
制御が実行されることでエミッションの増加を抑制でき
ると共に、複数の燃焼改善制御が同時に開始されること
がないので、制御状態の変化に伴う衝撃を緩和すること
ができる。
【0040】なお、上記第1実施例においては、ECU
10が図3に示すルーチンのステップ106〜116の
処理を実行することにより上記した「燃焼悪化度合い検
出手段」が、図4に示すルーチンを実行することにより
上記した「燃焼改善制御選択手段」が、それぞれ実現さ
れている。次に、本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例では、上記図1に示すシステムにおいて、
内燃機関始動直後に、点火時期進角制御、吸気同期噴射
制御、及び噴射量増量制御を全て実行し、その後、各制
御を順次終了させる。そして、制御の終了に伴って燃焼
状態の悪化が検出された場合には、良好な燃焼状態が回
復するまで、制御を終了した順とは逆順に各制御を再開
させる。
【0041】なお、本実施例において、ECU10は、
機関回転数NEが所定の基準値NE0を下回った場合
に、燃焼状態が悪化したと判定して燃焼悪化フラグFを
「1」にセットし、また、機関回転数NEがNE0に所
定のヒステリシス量δを加えた値まで上昇した場合に、
良好な燃焼状態が回復したと判断して、燃焼悪化フラグ
Fを「0」にリセットする。
【0042】図5(A)〜(C)は、燃焼悪化フラグF
の時間変化を、それぞれ、内燃機関始動後の経過時間T
がTA 〜TB の区間(以下、第1判定区間と称す)で燃
焼状態の悪化が検出された場合(ケース(1) )、経過時
間TがTB 〜TC の区間(以下、第2判定区間と称す)
で燃焼状態の悪化が検出された場合(ケース(2) )、及
び、経過時間TがTC 〜TD の区間(以下、第3判定区
間と称す)で燃焼状態の悪化が検出された場合(ケース
(3) )について示す。なお、TA 、TB 、及びTC は、
TA <TB <TC を満足するように設定された所定値で
ある。また、図5(D)〜(F)は、それぞれ、噴射量
増量制御、吸気同期噴射制御、及び点火時期進角制御の
実行/非実行状態の時間変化を示す。図5(D)〜
(F)に示す如く、経過時間TがTA に達するまでは、
噴射量増量制御、吸気同期噴射制御、及び点火時期進角
制御は全て実行されており、これにより、内燃機関の良
好な始動性が確保されている。
【0043】図5(D)に示す如く、経過時間TがTA
に達した時点(すなわち時刻T=TA )で、先ず、噴射
量増量制御が終了される。噴射量増量制御が終了される
ことにより、図5(A)に示す如く、第1判定区間で燃
焼状態の悪化が検出され、燃焼悪化フラグFが「1」に
セットされると(ケース(1) )、図5(D)に破線で示
す如く、噴射量増量制御が再開される。この場合、図5
(A)に示す如く、噴射量増量制御が再開されてから一
定時間が経過すると良好な燃焼状態が回復し、燃焼悪化
フラグFは「0」にリセットされる。以後、噴射量増量
制御、吸気同期噴射制御、及び点火時期進角制御が全て
実行されることにより良好な燃焼状態が維持される。
【0044】一方、図5(B)及び(C)に示す如く、
噴射量増量制御が終了された後、燃焼状態の悪化が検出
されることなく第1判定区間が経過した場合(ケース
(1) 及び(2) )は、図5(E)に示す如く、時刻T=T
B において吸気同期噴射制御が終了される。吸気同期噴
射制御が終了されることにより、図5(B)に示す如
く、第2判定区間で燃焼状態の悪化が検出され、燃焼悪
化フラグFが「1」にセットされると、図5(E)に破
線で示す如く、吸気同期噴射制御が再開される。この場
合、図5(B)に実線で示す如く、吸気同期噴射制御が
再開されてから一定期間経過後に良好な燃焼状態が回復
し、燃焼悪化フラグFが「0」にリセットされた場合に
は、以後、吸気同期噴射及び点火時期進角制御が実行さ
れることにより良好な燃焼状態が維持される。これに対
して、図5(B)に破線で示す如く、吸気同期噴射制御
が再開された後も良好な燃焼状態が回復することなく第
2判定区間が経過した場合には、図5(D)に一点鎖線
で示す如く、時刻T=TC において、吸気同期噴射制御
に加えて噴射量増量制御が再開される。
【0045】図5(C)に示す如く、吸気同期噴射制御
が終了された後、燃焼状態の悪化が検出されることなく
第2判定区間が経過した場合(ケース(3))は、図5
(F)に示す如く、時刻T=TD において点火時期進角
制御が終了される。点火時期進角制御が終了された後、
図5(C)に示す如く、第3判定区間において燃焼状態
の悪化が検出され、燃焼悪化フラグFが「1」にセット
されると、図5(F)に破線で示す如く、点火時期進角
制御が再開される。この場合、図5(C)に実線で示す
如く、点火時期進角制御が再開されてから一定期間が経
過した後、良好な燃焼状態が回復し、第3制御フラグF
3が「0」にリセットされた場合には、以後、点火時期
進角制御のみが実行されることにより、その燃焼状態が
維持される。一方、図5(C)に破線で示す如く、点火
時期進角制御が開始された後にも良好な燃焼状態が回復
することなく第3判定区間が経過した場合は、図5
(E)に一点鎖線で示す如く、時刻TD において吸気同
期噴射制御が再開され、更に、吸気同期噴射制御が再開
された後も燃焼状態が回復しない場合は、噴射量増量制
御が再開される。
【0046】一方、点火時期進角制御が終了された後、
燃焼状態の悪化が検出されることなく第3判定区間が経
過した場合は、燃焼性が最も良好な軽質燃料が用いられ
ていると判断される。この場合、以後、噴射量増量制
御、吸気同期噴射制御、及び点火時期進角制御の何れも
実行されることなく、安定な燃焼状態が維持される。上
述の如く、本実施例では、内燃機関の始動後、噴射量増
量制御、吸気同期噴射制御、及び点火時期進角制御の順
で燃焼改善制御が終了されると共に、その過程で燃焼状
態の悪化が検出された場合には、良好な燃焼状態が回復
するまで、終了順とは逆順で各制御が再開される。従っ
て、本実施例によれば、良好な燃焼状態を維持するうえ
で必要最小限の燃焼改善制御を実行することができ、こ
れにより、エミッションが不必要に増大するのを防止す
ることができる。また、各燃焼改善制御の終了が時間を
ずらせて順次行われることで、制御状態の急変が防止さ
れ、これにより制御状態の変化に伴う衝撃を緩和するこ
ともできる。
【0047】また、上記第1実施例に関連して述べたよ
うに、燃焼改善制御の実行に伴うエミッション増加の度
合いは、噴射量増量制御、吸気同期噴射制御、点火時期
進角制御の順で大きい。従って、本実施例によれば、エ
ミッション増加の度合いが大きい制御から順に終了され
ることにより、エミッションの増加をより効果的に抑制
することが可能となっている。
【0048】以下、図6乃至図8を参照して、本実施例
においてECU10が実行する具体的な処理の内容につ
いて説明する。図6に示すルーチンは、ECU10が機
関回転数NEに基づいて燃焼悪化フラグFを設定すべく
実行するルーチンのフローチャートである。また、図7
及び図8に示すルーチンは、ECU10が燃焼悪化フラ
グFの値に基づいて燃焼改善制御を実現すべく実行する
ルーチンのフローチャートである。なお、図6に示すル
ーチン、及び、図7及び図8に示すルーチンは、所定時
間間隔で起動される割り込みルーチンである。
【0049】先ず、図6に示すルーチンの内容について
説明する。なお、図6に示すルーチンにおいて、上記図
3に示すルーチンと同様の処理を行うステップには同一
の符号を付してその説明を省略する。図6に示すルーチ
ンでは、ステップ104においてアイドル運転状態であ
ると判別された場合、次にステップ200の処理が実行
される。
【0050】ステップ200では、燃焼悪化フラグFが
「0」であるか否かが判別される。その結果、F=0が
成立する場合は、次にステップ202の処理が実行され
る。一方、ステップ200においてF=0が不成立であ
れば、次にステップ204の処理が実行される。ステッ
プ202では、機関回転数NEが所定値NE0を下回っ
ているか否かが判別される。その結果、NE<NE0が
成立する場合は、燃焼状態が悪化していると判断され、
次にステップ206において燃焼悪化フラグFが「1」
にセットされた後、今回のルーチンは終了される。一
方、ステップ202においてNE<NE0が不成立であ
れば、ステップ206の処理が実行されることなく今回
のルーチンは終了される。
【0051】ステップ204では、機関回転数NEが
(NE0+δ)以上であるか否かが判別される。その結
果、NE≧NE0+δが成立する場合は、良好な燃焼状
態が回復したと判断され、次にステップ208において
燃焼悪化フラグFが「0」にリセットされた後、今回の
ルーチンは終了される。一方、ステップ204におい
て、NE<NE2が成立する場合は、ステップ208の
処理が実行されることなく今回のルーチンは終了され
る。
【0052】次に、図7及び図8に示すルーチンの内容
について説明する。図7及び図8に示すルーチンが起動
されると先ず図7に示すステップ250の処理が実行さ
れる。ステップ250では、変数excondが「1」
に等しいか否かが判別される。変数excondは、
「0」に初期化され、噴射量増量制御、吸気同期噴射制
御、及び点火時期進角制御が終了された後、燃焼状態の
悪化に伴って再開された場合に、それぞれ、「1」、
「2」、及び「3」に設定される変数である。従って、
ステップ250において、excond=1が成立する
場合は、噴射量増量制御が終了された後に燃焼状態が悪
化し、噴射量増量制御が再開されていることになる。こ
の場合、良好な燃焼状態を維持するには、噴射量増量制
御、吸気同期噴射制御、及び点火時期進角制御を全て実
行することが必要であると判断され、以後、何ら処理が
進められることなく今回のルーチンは終了される。一
方、ステップ250においてexcond=1が不成立
であれば、次にステップ252の処理が実行される。
【0053】ステップ252では、経過時間Tが所定値
TD 以上であるか否かが判別される。その結果、T≧T
D が成立する場合は、第3判定区間が経過していると判
断され、次に図8に示すステップ256の処理が実行さ
れる。一方、ステップ252において、T≧TD が不成
立であれば、次にステップ258の処理が実行される。
【0054】ステップ258では、経過時間Tが所定値
TC 以上であるか否かが判別される。その結果、T≧T
C が成立する場合は、現在、第3判定区間中であると判
断され、次に図8に示すステップ260の処理が実行さ
れる。一方、ステップ258において、T≧TC が不成
立であれば、次にステップ262の処理が実行される。
【0055】ステップ262では、経過時間Tが所定値
TB 以上であるか否かが判別される。その結果、T≧T
B が成立する場合は、現在、第2判定区間中であると判
断され、次にステップ264の処理が実行される。一
方、ステップ262において、T≧TB が不成立であれ
ば、次にステップ266の処理が実行される。ステップ
266では、経過時間Tが所定値TA 以上であるか否か
が判別される。その結果、T≧TA が成立する場合は、
現在、第1判定区間中であると判断され、次にステップ
268の処理が実行される。一方、ステップ266にお
いて、T≧TA が不成立であれば、第1判定区間に至っ
ていないと判断され、以後何ら処理が進められることな
く今回のルーチンは終了される。
【0056】上述の如く、第1判定区間中、第2判定区
間中、第3判定区間中、及び、第3判定区間の経過後に
は、それぞれ、ステップ268、ステップ264、ステ
ップ260、及びステップ256の処理が実行される。
以下、各場合の処理について説明する。第1判定区間に
対応するステップ268では、噴射量増量制御を終了さ
せるための処理、すなわち、燃料噴射量を通常時の噴射
量まで減量させる処理が実行される。ステップ268の
処理が終了すると、次にステップ270へ進む。
【0057】ステップ270では、燃焼悪化フラグFが
「1」にセットされているか否かが判別される。その結
果、F=1が不成立であれば、燃焼状態は悪化していな
いと判断され、今回のルーチンは終了される。一方、ス
テップ270においてF=1が成立する場合は、次にス
テップ272の処理が実行される。ステップ272で
は、噴射量増量制御を再開させるための処理、すなわ
ち、燃料噴射量を通常時よりも増量させる処理が実行さ
れる。ステップ272の処理が終了すると、続くステッ
プ274において、変数excondが「1」に設定さ
れた後、今回のルーチンは終了される。
【0058】第2判定区間に対応するステップ264で
は、吸気同期噴射制御を終了させるための処理、すなわ
ち、燃料噴射タイミングを吸気弁34の開弁中から開弁
前に復帰させる処理が実行される。ステップ264の処
理が終了すると、ステップ276へ進む。ステップ27
6では、燃焼悪化フラグFが「1」にセットされている
か否かが判別される。その結果、F=1が不成立であれ
ば、燃焼状態は悪化していないと判断され、今回のルー
チンは終了される。一方、ステップ276においてF=
1が成立する場合は、次にステップ278の処理が実行
される。
【0059】ステップ278では、吸気同期噴射制御を
再開させるための処理、すなわち、燃料噴射タイミング
を吸気弁34の開弁前から開弁中に変化させる処理が実
行される。ステップ278の処理が終了すると、続くス
テップ280において変数excondが「2」に設定
された後、今回のルーチンは終了される。第3判定区間
に対応するステップ260(図8)では、変数exco
ndが「2」に設定されているか否かが判別される。そ
の結果、excond=2が成立する場合は、吸気同期
噴射制御が終了された後に燃焼状態の悪化により再開さ
れていることになる。この場合、次に、上記ステップ2
70(図7)の処理が実行される。従って、吸気同期噴
射制御が再開されても燃焼状態が改善されない場合は、
上記ステップ272において更に噴射量増量制御が再開
されることにより燃焼状態の回復が図られることにな
る。一方、ステップ260において、excond=2
が不成立であれば、次にステップ282の処理が実行さ
れる。
【0060】ステップ282では、点火時期進角制御を
終了させるための処理、すなわち、点火時期を通常時の
点火時期に向けて遅角側に変化させる処理が実行され
る。ステップ282の処理が終了すると、ステップ28
4に進む。ステップ284では、燃焼悪化フラグFが
「1」にセットされているか否かが判別される。その結
果、F=1が不成立であれば、燃焼状態は悪化していな
いと判断され、今回のルーチンは終了される。一方、ス
テップ284においてF=1が成立する場合は、次にス
テップ286の処理が実行される。
【0061】ステップ286では、点火時期進角制御を
開始するための処理、すなわち、点火時期を通常時より
も進角側に変化させる処理が実行される。ステップ28
6の処理が終了すると、続くステップ288において、
変数excondが「3」に設定された後、今回のルー
チンは終了される。第3区間終了後に対応するステップ
256(図8)では、変数excondが「3」に設定
されているか否かが判別される。その結果、excon
d=3が成立する場合は、点火時期進角制御が終了され
た後に燃焼状態の悪化により再開されていることにな
る。この場合、次に、上記ステップ276(図7)の処
理が実行される。従って、点火時期進角制御が再開され
ても燃焼状態が改善されない場合は、上記ステップ27
8において更に吸気同期噴射制御が再開されることによ
り燃焼状態の回復が図られることになる。一方、ステッ
プ256において、excond=3が不成立であれ
ば、次にステップ290の処理が実行される。
【0062】ステップ290では、変数excondが
「2」に設定されているか否かが判別される。その結
果、excond=2が不成立であれば、今回のルーチ
ンは終了される。一方、ステップ290において、ex
cond=2が成立する場合は、吸気同期噴射制御が終
了された後に燃焼状態の悪化により再開されていること
になる。この場合、次に、上記ステップ270(図7)
の処理が実行される。従って、点火時期進角制御が再開
されても燃焼状態が改善されず、その後、更に吸気同期
噴射制御が再開されても燃焼状態が改善されない場合
は、上記ステップ272において噴射量増量制御が再開
されることにより燃焼状態の回復が図られることにな
る。
【0063】上記図7及び図8に示すルーチンによれ
ば、経過時間TがTA 、TB 、及びTC に達した時点
で、それぞれ、噴射量増量制御、吸気同期噴射制御、及
び点火時期進角制御が順次終了されると共に、その過程
で燃焼状態の悪化が検出された場合には、良好な燃焼状
態が回復するまで、終了順とは逆順で各制御が再開され
る。従って、本実施例によれば、良好な燃焼状態を維持
するうえで必要最小限の燃焼改善制御を実行することが
でき、これにより、エミッションの増加を抑制すること
ができると共に、各燃焼改善制御の終了が時間をずらせ
て順次行われることで、制御状態の変化に伴う衝撃を緩
和することもできる。
【0064】なお、上記第2実施例においては、ECU
10が図6に示すルーチンのステップ200〜208の
処理を実行することにより上記した「燃焼悪化検出手
段」が実現され、また、ECU10が図7及び図8に示
すルーチンを実行することにより上記した「制御モード
実現手段」及び「制御モード変更手段」、並びに、上記
した「燃焼改善制御終了手段」及び「燃焼改善制御再開
手段」が実現されている。
【0065】ところで、上記第1及び第2実施例におい
ては、機関回転数NEに基づいて燃焼状態の悪化を判定
するものとしたが、これに限らず、吸気管負圧PMに基
づいて燃焼状態の悪化を判定することとしてもよい。す
なわち、燃焼状態が悪いほど、吸気管負圧PMは低下
(絶対圧としては上昇)する。従って、吸気管負圧PM
が所定値を下回った場合に、燃焼状態が悪化したと判断
することができる。また、機関回転数NE又は吸気管負
圧PMの値ではなく、それらの時間減少率(−dNE/
dt又は−dPM/dt)が所定値を上回った場合に燃
焼状態が悪化したと判断することとしてもよい。
【0066】また、上記第1実施例においては、エミッ
ション増加の度合いの小さい制御から順に開始させ、上
記第2実施例においては、エミッション増加の度合いの
大きい制御から終了させることで、それぞれ、効果的な
エミッション低減を図ることとしたが、これに限らず、
任意の順序で各制御を開始又は終了させることとしても
よい。例えば、各燃焼改善制御よる燃焼性改善の性能に
差異がある場合は、その性能に基づいて各制御を開始又
は終了させる順序を定めてもよい。
【0067】
【発明の効果】請求項1、3及び4記載の発明によれ
ば、エミッションの増加を抑制しつつ良好な燃焼状態を
実現することができると共に、制御状態の変化に伴う衝
撃を緩和することができる。また、請求項2及び5記載
の発明によれば、機関回転数に基づいて、燃焼状態の悪
化度合いを判定し、又は燃焼状態の悪化を検出すること
ができる。
【0068】更に、請求項6記載の発明によれば、点火
時期、燃料噴射時期、及び燃料噴射量に基づいて燃焼改
善制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の制御装置が適用されたシス
テムの構成図である。
【図2】図2(A)は、内燃機関始動後の機関回転数N
Eの時間変化を例示する図である。図2(B)は、内燃
機関始動後の第1燃焼悪化フラグF1の時間変化を例示
する図である。図2(C)は、内燃機関始動後の点火時
期進角制御の実行/非実行状態の時間変化を例示する図
である。図2(D)は、内燃機関始動後の第2燃焼悪化
フラグF2の時間変化を例示する図である。図2(E)
は、内燃機関始動後の吸気同期噴射制御の実行/非実行
状態の時間変化を例示する図である。図2(F)は、内
燃機関始動後の第3燃焼悪化フラグF3の時間変化を例
示する図である。図2(G)は、内燃機関始動後の噴射
量増量制御の実行/非実行状態の時間変化を例示する図
である。
【図3】本実施例においてECU10が燃焼状態の悪化
度合いを判定すべく実行するルーチンのフローチャート
である。
【図4】本実施例においてECU10が燃焼状態の悪化
度合いに応じて燃焼改善制御を開始させるべく実行する
ルーチンのフローチャートである。
【図5】図5(A)〜(C)は、本発明の第2実施例に
おいて、内燃機関始動後の燃焼悪化フラグFの時間変化
を3つの場合について例示する図である。図5(D)
は、内燃機関始動後の噴射量増量制御の実行/非実行状
態の時間変化を例示する図である。図5(E)は、内燃
機関始動後の吸気同期噴射制御の実行/非実行状態の時
間変化を例示する図である。図5(F)は、内燃機関始
動後の点火時期進角制御の実行/非実行状態の時間変化
を例示する図である。
【図6】本発明の第2実施例においてECU10が燃焼
状態の悪化を検出すべく実行するルーチンのフローチャ
ートである。
【図7】本発明の第2実施例においてECU10が燃焼
改善制御を順次終了させると共に、燃焼状態が悪化した
場合に燃焼改善制御を再開させるべく実行するルーチン
のフローチャート(その1)である。
【図8】本発明の第2実施例においてECU10が燃焼
改善制御を順次終了させると共に、燃焼状態が悪化した
場合に燃焼改善制御を再開させるべく実行するルーチン
のフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
10 ECU 58 回転数センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 362 F02D 45/00 362P 368 368Z F02P 5/15 F02P 5/15 B Fターム(参考) 3G022 BA01 CA01 CA03 DA01 EA01 GA00 GA05 GA08 GA09 3G084 BA09 BA13 BA15 BA17 CA01 CA03 DA10 EA07 EA11 EC02 EC03 FA10 FA11 FA14 FA20 FA33 3G301 JA21 KA01 KA07 LA00 MA01 MA11 MA19 MA21 NA08 NE01 NE06 NE11 NE15 NE23 PA07Z PA11Z PA14Z PB02Z PC00Z PE01Z PE08Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼状態の改善を図る複数の燃焼改善制
    御を実行し得る内燃機関の制御装置であって、 燃焼状態の悪化度合いを検出する燃焼悪化度合い検出手
    段と、 燃焼状態の悪化度合いに基づいて、実行されるべき1又
    は2以上の前記燃焼改善制御を選択する燃焼改善制御選
    択手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の制御装置にお
    いて、 前記燃焼悪化度合い検出手段は、機関回転数に基づいて
    燃焼状態の悪化度合いを検出することを特徴とする内燃
    機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 燃焼状態の改善を図る複数の燃焼改善制
    御を実行し得る内燃機関の制御装置であって、 1又は2以上の前記燃焼改善制御を組み合わせることに
    より、燃焼状態の改善度合いが異なる複数の制御モード
    を実現する制御モード実現手段と、 燃焼状態の悪化を検出する燃焼悪化検出手段と、 前記制御モードを燃焼状態の改善度合いが小さい側へ順
    次変更させると共に、燃焼状態の悪化が検出された場合
    に、良好な燃焼状態が回復するまで、前記制御モードを
    燃焼状態の改善度合いが大きい側へ順次変更させるモー
    ド変更手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制
    御装置。
  4. 【請求項4】 燃焼状態の改善を図る複数の燃焼改善制
    御を実行し得る内燃機関の制御装置であって、 燃焼状態の悪化を検出する燃焼悪化検出手段と、 前記複数の燃焼改善制御を所定の順序で終了させる燃焼
    改善制御終了手段と、 燃焼状態の悪化が検出された場合に、良好な燃焼状態が
    回復するまで、前記終了された燃焼改善制御を順次再開
    させる燃焼改善制御再開手段と、を備えることを特徴と
    する内燃機関の制御装置
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の内燃機関の制御装
    置において、 前記燃焼悪化検出手段は、機関回転数に基づいて燃焼状
    態の悪化を検出することを特徴とする内燃機関の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうち何れか1項記載の
    内燃機関の制御装置において、 前記複数の燃焼改善制御は、 点火時期に基づいて燃焼状態の改善を図る点火時期制
    御、燃料噴射時期に基づいて燃焼状態の改善を図る噴射
    時期制御、及び、燃料噴射量に基づいて燃焼状態の改善
    を図る噴射量制御を含むことを特徴とする内燃機関の制
    御装置。
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