JP2000226920A - 住宅用壁材料 - Google Patents

住宅用壁材料

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JP2000226920A
JP2000226920A JP2689199A JP2689199A JP2000226920A JP 2000226920 A JP2000226920 A JP 2000226920A JP 2689199 A JP2689199 A JP 2689199A JP 2689199 A JP2689199 A JP 2689199A JP 2000226920 A JP2000226920 A JP 2000226920A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の住宅用壁材料は、予め袋詰めされた
所定量の住宅用壁材料を袋単位で、所定量の水で混練
し、住宅の内壁または外壁に施工することで、室内の保
温、外部温度との断熱効果に優れ、また、周囲の温度を
得て人体に浸透性のある遠赤外線を発生する住宅用壁材
料を提供する。 【解決手段】 本発明の住宅用壁材料は、周囲の温度を
得て遠赤外線が発生する所定量の黒鉛硅石を含み、主成
分として少なくとも珪藻土が40%、接着剤が2%、黒
鉛硅石が2%含有され、これに、寒水タンカル、珪砂、
着色料、稲わらまたはセメントが所定の割合で混合さ
れ、珪藻土の粒径(200μmから400μm)の大き
さにより、小さいものを内壁材料、大きいものを外壁材
料とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定量が袋詰めさ
れ、所定量の水で混練して住宅用の壁面に施工すること
で、施工された壁面の周囲の温度を得て所定の遠赤外線
が発生する住宅用壁材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅には、部屋の間仕切りと
して内壁や、外装としての外壁が設けられている。この
ような内壁や外壁は、木粉、繊維、上白パルプに、染
料、セルローズ系接着剤が混合された壁材を、所定量の
水で混練し、これを壁面に塗ることで所望とする色や、
京壁等の風合いを有する壁として施工されていた。
【0003】しかしながら、このうち内壁は、例えば、
家具の移動や、住人の接触等の摩擦により、壁面が剥が
れてしまことや、主成分が木粉や繊維質材であることか
ら水に弱いといった欠点があり、最近では、石油系炭化
水素(イソパラフィン等)を含む塗料を塗布したり、ま
た、居間や子供部屋といった部屋の用途に合わせて、ク
ロスや壁紙を接着剤(ゼロホルムアルデヒド等)で貼り
付けて、落ち着いた色や明るい色といった所望の色の壁
としていた。このような、塗料を塗布した壁や、クロ
ス、壁紙を塗布した壁は、所定の間隔で配置された柱と
柱にベニア板を渡して貼り付け、このベニア板の表面に
施工されていた。
【0004】また、外壁には、住宅を風雨から守るため
に、例えばコンクリートと砂を水で混練したモルタル
や、タイル等が施工されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように、塗料を塗布したり、クロスや壁紙を貼り付け
た住宅の部屋の壁は、ベニア板の表面に施工されている
ため、暖かさが得られず、部屋に虚無的な冷たさが漂っ
ていた。また、上記したように従来の外壁に使用されて
いるモルタルは、コンクリートが混練してあるため、短
時間で固まるが、温度が変化すると劣化してひび割れが
生じやすく、住宅の外観の美観を損なってしまったり、
ひび割れ箇所から雨等の水分が壁内部に流れ込んでカビ
等が発生したり、腐食してしまうといった欠点があっ
た。
【0006】本発明は、上記従来の事情に鑑みてなさ
れ、予め袋詰めされた所定量の住宅用壁材料を袋単位
で、所定量の水で混練し、住宅の内壁または外壁に施工
することで、室内の保温や外部温度との断熱効果に優
れ、また、周囲の温度を得て人体に浸透性のある遠赤外
線を発生し、暖かな住宅用壁材料を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明
は、住宅用壁材料に係り、周囲の温度を得て遠赤外線が
発生する所定量の黒鉛硅石を含み、主成分として少なく
とも珪藻土が40%、黒鉛硅石が2%接着剤が2%含有
され、これに、寒水タンカル、珪砂、消石灰、着色料
と、稲わらまたはセメントが所定の割合で混合されてい
ることを特徴とする。本願請求項2に係る発明は、前記
請求項1に記載の住宅用壁材料に係り、前記珪藻土は、
200μmから400μmの粒径を有し、このうち、粒
径200μm付近の珪藻土を内壁材料に、粒径400μ
m付近の珪藻土を外壁材料にしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の住宅用壁材料にお
ける一実施の形態について詳細に説明する。本発明の住
宅用壁材料は、第一の実施の形態として、20kg袋詰
めの内壁材料について説明する。本発明の内壁材料とし
ての住宅用壁材料は、主成分として珪藻土が8kg/2
0kg混合され、遠赤外線放射物質としての黒鉛硅石
が、0.4kg/20kg混合され、接着剤が、0.4
kg/20kg混合され、寒水タンカルが、5kg/2
0kg混合され、珪砂が、5kg/20kg混合され、
消石灰が、1kg/20kg混合され、繊維質で粘性を
持たせるために稲わらが、0.17kg/20kg混合
され、その他着色料等が、0.03kg/20kg混合
されている。
【0009】遠赤外線放射物質として本実施の形態で使
用した黒鉛硅石は、先第三黒色硬質泥岩類中の断層破砕
部に産出する酸化ケイ素を主体にした粉末の黒鉛硅石
(商品名:シリカブラック)であり、その組成は、炭素
(C)が5.03%、二酸化ケイ素(シリカ(Si
))が81.35%、三酸化二鉄(Fe)が
0.53%、アルミナ(Al)が6.35%、酸
化カルシウム(CaO)が0.02%、酸化マグネシウ
ム(MgO)が0.45%、酸化チタン(TiO)が
1.18%、酸化ナトリウム(NaO)が0.08
%、酸化カリウム(KO)が1.66%、水分が0.
31%の成分比率を有する。この黒鉛硅石は、高温下は
もちろん、常温下においても、周囲の外気温により、多
量の遠赤外線を発生するとされており、周囲温度が3
9.9℃のとき、次のような特性を有することが知られ
ている。
【0010】黒鉛硅石の遠赤外線の放射量は、波長6.
0ミクロン付近から波長14.0ミクロンの間で放射さ
れ、波長8.5ミクロン付近で100ワット/ステラジ
アン/cm/μmを越えるピーク値となり、その放射
量は、ピーク値が120ワット/ステラジアン/cm
/μm程度の理想黒体と近似する。さらに、黒鉛硅石の
遠赤外線の放射率は、波長6.0〜22.0ミクロンの
領域に渡って、93%程度の放射率を呈する。したがっ
て、この黒鉛硅石が混合された本発明の住宅用壁材料に
より、内壁が施工されると、周囲温度を得て遠赤外線を
放射し、人体を効率的に温めることができる。
【0011】珪藻土は、本発明の住宅用壁材料の主成分
であり、ケイ酸(SiO)からなる珪藻の遺骸が、海
底、湖沼底に堆積してできた堆積物である。この珪藻土
は、白から灰白色で、純度の高いものは、ケイ酸95
%、乾燥させたものの比重が0.34、孔隙率が60%
〜90%、吸収材、耐火断熱材、濾過材、絶縁材などに
利用。日本では、北海道、日本海側の地方などにおい
て、主として第三紀層・第四紀層中に存在するものであ
る(平凡社百科事典引用)。
【0012】この第一の実施の形態である内壁材料に使
用した珪藻土の成分は、二酸化ケイ素(SiO)が7
9.47%、アルミナ(Al)が8.63%、三
酸化第二鉄(Fe)1.80%、二酸化チタン
(TiO)が0.32%、酸化カルシウム(CaO)
が0.24%、酸化マンガン(MgO)が0.87、酸
化ナトリウム(NaO)が0.66%、酸化カリウム
(KO)が1.45%、酸化マンガン(MnO)が
0.00%、五酸化リン(P)が0.04%の成
分比率を有する。なお、該珪藻土を1000℃〜120
0℃で強熱したときの質量の減量(Ignition.
Loss)が6.52%の割合のものである。また、該
内壁材料で使用した珪藻土は、その粒径が200μm付
近の大きさに粉砕したものを使用した。
【0013】接着剤は、本実施の形態では、水を混合す
ると粘着性が良く、接着力が強いといった特長がある粉
末のアウロ(チョーク・改善タイル用接着剤NO.78
2)を使用した。この接着剤と水を混合したものは、施
工可能時間が72時間、硬化時間が、72時間であり、
乾燥時間は、温度20℃、相対湿度65%下で、早くて
72時間後である。
【0014】本実施の形態で使用される寒水タンカル
は、石灰を低温で溶かすための融剤として用いられ、常
陸稲田砕石販売合資会社(所在地:茨城県笠間市稲田2
323)の測定によると、粒径74μm以下のものが8
6.2%と大半を占めており、またその組成成分(代表
値)は、酸不溶が0.79%、二酸化ケイ素(Si
)が0.30%、アルミナ(Al)が0.1
4%、三酸化二鉄(Fe )が0.10%、酸化マ
グネシウム(MgO)が0.25%、酸化カルシウム
(CaO)が55.6%、炭酸カルシウム(CaC
)が99.3%であった。
【0015】本実施の形態で使用される珪砂は、花崗岩
の風化で生ずる石英砂であり、本発明の壁材料を壁面に
施工した際に光沢感をもたせるために使用する。この珪
砂は、粒径210μmから粒径420μmのものが10
0g中82.3gと大半を占める6号珪砂を使用した。
その成分は、株式会社エム・デー・アール(所在地:山
形県北村山郡大石田町)における測定によると、二酸化
ケイ素(SiO)が90.1%であり、アルミナ(A
)は、6.01%、三酸化二鉄(Fe
は、0.202%であり、比重は、1.45、含水率
は、0.1%である。
【0016】本実施の形態で使用する消石灰(水酸化カ
ルシウム(Ca(OH)))は、該住宅用壁材料を壁
面に塗布した際に、他の物質と反応してアルカリ性や酸
性とならないように中和剤として使用した。この消石灰
は、粒度150μm のものが97.6%であり、前記
6号珪砂に比して、若干粒が小さいものを使用した。そ
して、その組成は、北海道共同石灰株式会社(所在地:
北海道苫小牧市字勇払145番地)での測定によると、
二酸化ケイ素(SiO)が0.25%であり、アルミ
ナ(Al)は0.04%、三酸化二鉄(Fe
)は0.07%、水酸化カルシウム(Ca(O
H))は96.63%、酸化カルシウム(CaO)が
73.15%、酸化マグネシウム(MgO)が0.58
%、硫黄分0.22%、二酸化炭素(CO)が0.7
0%、水分が0.25%のものである。
【0017】着色料は、本発明の住宅用壁材料では、完
成した壁の色を所望の色とするために若干混合されてお
り、本実施の形態では、二酸化チタンを主成分とする株
式会社バイエル製の着色料(製品名:Bayertitan R-KB-
2,-3,-4,R-FD-1,R-RL-1)を使用した。このように、本
発明の上記構成による住宅用壁材料は、粒径200μm
以下の粉状のもが混合され、混練する際の水の量によ
り、粘度に変化を持たせることができる。
【0018】つぎに、上記第一の実施の形態である内壁
材料としての住宅用壁材料を壁面への施工について説明
する。まず、本発明の住宅用壁材料(内壁材料)を施工
する面積に応じた量を用意し、1袋20kgの内壁材料
に対し、7.5リットル〜8.5リットルの水で混練
し、練り上げた後、最低5〜6時間放置する。内壁材料
を水と混練した後、該内壁材料の接着力を高めるため
に、下塗りとして網目を有するメッシュ状の布を貼り付
けるか、または、水打ちや、接着剤を塗布するといった
プライマー処理を行う。そして、水と混練した後、所定
時間(最短で5〜6時間)置いた内壁材料を、金鏝を用
いて厚さ3mmで2回壁面に塗布し、その後、金鏝で壁
面全体を平らに仕上げ、72時間以上放置して乾かす
と、本発明の住宅用壁材料による内壁面が出来上がる。
【0019】つぎに、このようにして施工された内壁の
ひび割れ、付着の強さの試験を行った。試験方法は、J
IS規格(日本工業規格JISA6915)に基づいて
行い、その結果、ひび割れの発生がなく、付着の強さが
0.82kg5/cm2、温冷繰り返し作業による抵抗
性として、はがれ、ひび割れ、膨れがなく変色光沢の低
下がなく、透水性は水頭の高さの下がりが0.1cm、
耐衝撃性としてひび割れ、著しい変化及びはがれはな
く、吸湿性は平均+287g/m(再試験中)、放湿
性は平均−271g/m(再試験中)であった。
【0020】つぎに、上記した内壁が放射する遠赤外線
の分光放射エネルギー、放射率について実験測定を行っ
た。この測定は、前述したように20kgの内壁材料を
7.5リットル〜8.5リットルの水で混練し、これ
を、厚さ2mm、一辺が5cmの正方形試験片に形成し
て、72時間放置して乾燥した後、分光放射エネルギー
測定装置(米国ミナラドシステムコーポレーション社製
製品、品番:SA−200)で測定した。
【0021】図1は、前記内壁材料による壁面(正方形
試験片)の分光放射エネルギー(単位面積における単位
波長(周波数)当たりの熱力量)として、100℃にお
ける分光放射エネルギーの特性を示したものであり、横
軸を波長(μm)とし、縦軸をエネルギー(ワット/ス
テラジアン/cm/μm) とした。図1における実
線で示した曲線は、実際の測定結果であり、破線で示し
た曲線は、分光放射エネルギーの理論上の極限データで
ある。図1によれば、この内壁の分光放射エネルギー
は、波長が2.5ミクロンでエネルギーが発生し、波長
7.0ミクロンまでの間で急激に約27.5×10−3
ワット/ステラジアン/cm/μmまで増加して、波
長7.8ミクロンで約28×10−3ワット/ステラジ
アン/cm/μmのエネルギーを放射し、ピークとな
る。エネルギーは、そのピーク点から波長14ミクロン
までで、緩やかに約15×10−3ワット/ステラジア
ン/cm/μmに向かって減少している。よって、こ
の領域の遠赤外線が放射されて、人体が暖かさを感じ
る。
【0022】図2は、前記内壁材料による壁面(正方形
試験片)の分光放射率の特性図である。この分光放射率
は、前記正方形試験片からの分光放射エネルギーと黒体
からの放射エネルギーを100%としたときの比率であ
り、図2中、横軸を波長(μm)とし、縦軸を放射率
(×100%)とした。図2において、波長2.5ミク
ロンから測定を開始し、波長4ミクロン付近までは、8
0%を中心としてばらつきが生じているが、波長5ミク
ロンでは85%、波長6ミクロンでは90%となり、そ
の後、波長8.5ミクロンまでは約92%、波長9ミク
ロン付近で約88%となるが、波長10ミクロンから9
0%を超えて約92%となった。すなわち、分光放射率
は、波長6ミクロン以上で、平均約91%〜92%であ
ることがわかる。したがって、該壁の周囲に適度な温度
があれば、波長5ミクロンから14ミクロン付近の遠赤
外線を効率よく放射することができ、これを受けた人体
や物質を構成する分子に熱エネルギー、活性エネルギー
を発生させ、例えば、部屋に暖房を行うと、壁は暖房の
熱により、遠赤外線を放射し、人体に暖かさを与える。
【0023】つぎに、第二の実施の形態として、25k
gの本発明の住宅用壁材料が袋詰めされた外壁材料につ
いて説明する。本第二の実施の形態の外壁材料は、主成
分である赤外線放射物質の珪藻土が10kg/25kg
混合され、黒鉛硅石が0.5kg/25kg混合され、
接着剤が0.5kg/25kg混合され、寒水タンカル
が6kg/25kg混合され、珪砂が6kg/25kg
混合され、消石灰が0.95kg/25kg混合され、
着色料が0.05kg/25kg混合されたものであ
り、これに外壁としての防水性を持たせるためにセメン
トを1kg/25kg混合した。なお、本第外壁材料で
使用した珪藻土は、粒径が上記内壁材料で使用したもの
より若干大きい400μm付近に粉砕したものを使用す
る。また、外壁材料に混合されている珪藻土、黒鉛硅
石、接着剤、寒水タンカル、珪砂、消石灰、着色料、上
記第一の実施の形態で説明した内壁材料と物質的には同
様のものを使用するため、これらの詳細についての説明
は省略する。
【0024】つぎに、本発明の住宅用壁材料(外壁材
料)を壁面に施工する様子について説明する。まず、本
発明の外壁材料を施工する場合には、1袋25kgの外
壁材料に対し、上記第一の実施の形態の内壁材料より少
ない5.5リットル〜6.5リットルの水で、かために
混練しする。そして、上記第一の実施の形態と同様に、
混練後5〜6時間放置し、下塗りされた壁面に金鏝を用
いて塗布する。このとき、外壁材料を壁面に塗布する際
は、厚さ4mmで2回塗布した後、金鏝で壁面全体を平
らにし、けんざん等の工具で表面をかき落として仕上
げ、72時間以上放置して乾かすと、本発明の住宅用壁
材料による外壁面が出来上がる。
【0025】この外壁面にて、上記第一の実施の形態と
同様にJIS規格(日本工業規格JISA6915)の
試験を行った。その結果、ひび割れの発生や温冷繰り返
し作業による抵抗性として、はがれ、ひび割れ、膨れが
なく変色光沢の低下がなく、耐衝撃性としてもひび割
れ、著しい変化及びはがれは見られなかった。そして、
付着の強さは、内壁面に比して2倍強も強い2.25k
g5/cmであり、透水性は水頭の高さの下がりが
1.0cm、吸湿性は平均+359g/m(再試験
中)、放湿性は平均−374g/m(再試験中)と、
共に第一の実施の形態の内壁面より高い数値であった。
【0026】つぎに、上記した外壁材料で施工した外壁
面について、上記第一の実施の形態と同様に遠赤外線の
放射エネルギー、分光放射率について、厚さ2mm、一
辺が5cmの正方形試験片を形成して、72時間放置し
て乾燥した後、分光放射エネルギー測定装置(米国ミナ
ラドシステムコーポレーション社製製品、品番:SA−
200)で測定した。図3は、該外壁材料(正方形試験
片)による分光放射エネルギーの特性(100℃)を示
したものであり、横軸を波長(μm)とし、縦軸をエネ
ルギー(ワット/ステラジアン/cm/μm) とし
た。なお、上記第一の実施の形態と同様に、実線曲線
は、実際の測定結果であり、破線曲線は、分光放射エネ
ルギーの理論上の極限データである。図3によれば、こ
の外壁面の分光放射エネルギーは、波長7.5ミクロン
〜波長8ミクロン付近で若干低下して26×10−3
ット/ステラジアン/cm/μmとなる以外は、上記
第一の実施の形態の内壁面の場合とほぼ同様の分光放射
エネルギーが発生した。
【0027】図4は、該外壁材料による外壁面(正方形
試験片)の分光放射率の特性図であり、横軸を波長(μ
m)とし、縦軸を放射率(×100%)とした。図4に
おいて、分光放射率は、波長6ミクロン以上で、平均約
90%であり、上記第一の実施の形態の内壁面の分光放
射率より若干低いが、これは珪藻土の粒径が大きいもの
を使用したことで差が生じた。すなわち、この赤外線
は、6ミクロンから15ミクロン弱までの間であり、前
記第一の実施の形態と同様に、人体や生物に有益な波長
帯の遠赤外線であり、周囲の温度を100℃とした場合
に、この周囲温度の90%程度が放射されている。
【0028】このような住宅用壁材料を住宅の外壁の壁
材料として使用し、上記第一の実施の形態で説明した内
壁と合わせて施工することにより、周囲温度により遠赤
外線を放射する二重構造の壁となり、室内の保温効果が
高まり、住宅に居住する居住者に遠赤外線の熱エネルギ
ー、活性エネルギーにより暖かさを与える。
【0029】なお、上記実施の形態では、住宅用壁材料
を住宅の壁面に施工するものとして説明したが、壁面以
外に床や天井に使用してもよく、その施工場所は、特に
限定しない。
【0030】
【発明の効果】本発明の住宅用壁材料によると、遠赤外
線放射物質である黒鉛硅石と、珪藻土、接着剤等が予め
混入されて袋詰めされているため、袋単位の住宅用壁材
料を所定量の水で混練するのみで容易に住宅用壁材料と
することができる。また、本発明の住宅用壁材料を住宅
の壁面に施工することで、住宅内の暖房による熱を得て
人体に遠赤外線を効率よく放射し、これを受けた人体や
物質を構成する分子に熱エネルギー、活性エネルギーを
発生させ、人体が暖かさを得る。このように周囲の熱を
得て遠赤外線を放射するので、暖房効率が高まるといっ
た利点があり、さらに、吸放湿に優れ剥がれにくいとい
った利点がある。さらに、上記したように人体に熱エネ
ルギー、活性エネルギーを発生させる遠赤外線効果に加
えて、天然素材の珪藻土、寒水タンカル、6号珪砂、消
石灰、着色料、接着剤、稲わらが混合されているため、
着色料、接着剤による化学物質過敏症といった人体への
悪影響がなく、さらに、化学合成物質が含まれていない
ため、住宅を取り壊した際に、廃材として焼却しても、
灰や砂となるため、環境汚染物質が生じることなく、地
球環境保全が確保できる。そして、本発明の住宅用壁材
料は、酸に侵されにくい珪藻土を主成分としているた
め、外壁に用いることで昨今の酸性雨よる腐食を防止で
き、外壁として施工した際に、ひび割れや温度変化によ
る膨らみ、はがれ、ひび割れが発生しないため、住宅の
外観の美観を損なうことがなく、また、ひび割れ箇所か
ら雨等の水分が壁内部に流れ込むことがないため、カビ
等の発生や、住宅の腐食を防止するという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る内壁材料(正
方形試験片)の分光放射エネルギーの特性図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る内壁材料(正
方形試験片)の分光放射率の特性図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る外壁材料(正
方形試験片)の分光放射エネルギーの特性図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る外壁材料(正
方形試験片)の分光放射率の特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲の温度を得て遠赤外線が発生する所
    定量の黒鉛硅石を含み、主成分として少なくとも珪藻土
    が40%、黒鉛硅石が2%、接着剤が2%含有され、こ
    れに、寒水タンカル、珪砂、消石灰、着色料と、稲わら
    またはセメントが所定の割合で混合されていることを特
    徴とする住宅用壁材料。
  2. 【請求項2】 前記珪藻土は、200μmから400μ
    mの粒径を有し、このうち、粒径200μm付近の珪藻
    土を内壁材料に、粒径400μm付近の珪藻土を外壁材
    料にしたことを特徴とする前記請求項1に記載の住宅用
    壁材料。
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