JP2000226811A - プレストレス木床版を採用した木橋 - Google Patents

プレストレス木床版を採用した木橋

Info

Publication number
JP2000226811A
JP2000226811A JP2691999A JP2691999A JP2000226811A JP 2000226811 A JP2000226811 A JP 2000226811A JP 2691999 A JP2691999 A JP 2691999A JP 2691999 A JP2691999 A JP 2691999A JP 2000226811 A JP2000226811 A JP 2000226811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wooden
slab
fixing plate
floor slab
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2691999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4126514B2 (ja
Inventor
Noriaki Nishizawa
紀昭 西澤
Seiroku Miyama
清六 深山
Hiroshi Watanabe
浩志 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PC Bridge Co Ltd
Original Assignee
PC Bridge Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PC Bridge Co Ltd filed Critical PC Bridge Co Ltd
Priority to JP2691999A priority Critical patent/JP4126514B2/ja
Publication of JP2000226811A publication Critical patent/JP2000226811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4126514B2 publication Critical patent/JP4126514B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度の集成材構造物、特に高い強度と信頼性
を保有し、かつ自然環境、景観に適合したプレストレス
木床版を採用した木橋を提供する。 【解決方法】多数の長尺集成材が前後及び左右に当接及
び密接して千鳥状に並設されて形成される床版体と、そ
の集成材床版体の厚みの中央部に床版面に平行で集成材
の繊維方向に直交して穿設された多数の貫通孔と、同貫
通孔に貫挿されたPC鋼棒と、その貫挿PC鋼棒の両端
に配設された木製(特に集成材製のものが好ましい)の
定着板を用いた定着具とより構成され、前記定着具を介
して前記PC鋼棒及び集成材床版体にプレストレス力が
導入されてなるプレストレス木床版を木橋の床版に採用
する。定着板は、その周縁に高強度材料製のリングをた
が状に嵌合してなるもの、あるいは高強度材料製のキャ
ップ体で被着してなるものも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、集成材床版を並設して木
床を構成し、その木床体にプレストレス力を導入した集
成材木床版を採用した木橋に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】大型の
コンクリート構造物を構築する際に、PC鋼棒を用いて
プレストレスを導入し、構造物の機械的強度を向上さ
せ、構造物の信頼性を改善する手法は従来から行われて
きた。一方、種々の構造材料の中で、木材の利用は、森
林資源の枯渇、自然環境保護、不安定な材料特性などの
理由から大型構造物への適応は敬遠されてきた。特に、
大型の橋梁などは、鉄骨や鉄筋コンクリート構造が主流
を占めている。しかし、戦後の積極的な植林施策が次第
に実を結び、国産木材の利用も今後徐々に拡大していく
見通しがあること、森林の適正な整備のために発生する
小径木や間伐材の有効利用が急務になってきたこと、新
技術の開発が次々と行われていること等から、新しい材
料として木材を見直す動きも活発となってきた。その新
技術の一つとして、集成材の開発があげられる。一般
に、材質が均一で寸法精度も優れ、長尺の丸太状の木材
を入手することは極めて難しく、たまたま入手が可能で
も数量が限定されたり、コスト高となって材料として採
用が困難なことが多いが、これらの問題は集成材の開発
により大幅に解決されている。集成材は、一層が厚さ4
〜20mm、長さが2m前後、巾200mm前後のラミナ
(単板)を加圧接着積層してできる丸太状木材加工品で
ある。ラミナを積層する際に、継ぎ目をずらせて千鳥状
に配列することにより必要な長さの角材が容易に供給さ
れるようになった。しかも、材質的な均一性、寸法的な
精度、用途に応じたラミナ材質の選定及びコスト的な優
位性など、優れた特性を具備している。
【0003】これらの技術開発の背景には、木材の持つ
特性を利用した構造物建設の需要が次第に増加している
ことがあげられる。社会の発展期においては、材料の機
能と経済性を重視する価値観が支配的であるが、社会の
成熟と共に材料の評価基準も次第に変化して、文化的な
要素の追求、精神的な快適性を重んずる風潮が醸成され
て、木材を見直す背景が育ちつつある。一例として、周
辺の景観にマッチした木橋の建設が、自然環境との調和
が要求される重要文化財の保守、整備、更新などの時
に、前向きに検討されてきた。集成材の持つ利点を生か
して、集成材木床版の木橋も国の内外で実際に採用され
ている。集成材を使用する際には、鉄筋コンクリート構
造物で実績のあるプレストレス構造を適用することが多
く、複数の床版を並設して強固な床版体を形成するため
に、この技術が有効に働いている。従来から行われてき
た集成材のプレストレス構造の技術概要は以下の通りで
ある。 (1)プレストレス木床版は、巾15〜20cmの集成
材の多数を並列に並べ、その側面に穿設した多数の貫通
孔に各々PC鋼棒を挿入して緊張力を導入して一体化す
ることによって製造される。 (2)プレストレス力による各集成材間に発生する摩擦
力により、各々のずれを防止すると共に、床版体内に圧
縮応力を発生させている。 (3)木床版の支間長が大きくなると構造体としての支
持強度を維持するために集成材の厚さも大きくなってい
る。(例えば、支間長22mの木橋の場合、集成材梁の
厚さは1m近くになる) (4)プレストレス力を集成材床版体内に均一に発生さ
せるために、集成材床版の厚さ方向の中央部に多数のP
C鋼棒を挿入する多数の貫通孔を設けることが肝要であ
る。
【0004】次に現状技術の問題点及び課題を以下に示
す。 (1)集成材床版を貫通して多数の集成材内にプレスト
レス力を発生させるために、PC鋼棒を緊張させて得た
圧縮力は、金属製の定着板を介して集成材床版の端部面
に伝達される。この際、金属製の定着板と集成材床版の
側面が、完全に平面密着して均一な応力の伝達を行わせ
ることは、非常に難しい。集成材床版の側面はラミナの
積層構造になっており精度の高い加工が行われているも
のの、微妙な凹凸は避けられず、比較的平滑で変形しに
くい金属製定着板との間に、点または線での接触が起こ
って、圧縮力の伝達が偏在した状態となっている。いわ
ば、集成材床版と金属製定着板とは“なじみ”が悪い。 (2)また、集成材床版の側面面積に比べて定着板の面
積は小さく、定着板に接していない面の後方の床版はプ
レストレス力の導入状況は決して充分ではない。この傾
向は、大型の集成材床版を採用する構造物では一層顕著
であり、長期に安定した構造が要求される建築物という
観点から見ると大きな課題となる。本発明者らは以上の
問題点を定量的に立証するために、三次元FEM解析に
より解明してみた。その結果、集成材床版体端部付近で
の集成材床版内に発生している応力差が位置によって2
5kgf/cm2〜75kgf/cm2にまで変化してお
り均一なプレストレス力が発生していないことが判明し
た。さらに、集成材床版端部付近のプレストレス力方向
に直角方向に、引っ張り応力(15kgf/cm2
度)が発生しており積層で構成されている集成材床版に
とって好ましくない応力分布になっていることが判明し
た。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明者らは上記課題を解決す
べく研究の結果、集成材床版が並設された床版体の端部
に発生している応力の不均一性は、緊張力発生機能を有
するPC鋼棒の定着構造と関係があることが解った。従
来技術において、PC鋼棒の端部のねじ部分に挿入され
たナットの締め付けにより圧縮力が発生し、金属製支圧
板、金属製定着板の順に伝達されていくが、各伝達面に
おいて接触面全体が均一に伝えられることが必要であ
る。特に、金属製定着板と集成材床版端部の接触におい
て、接触部分が点や線で行われると、床版体内部に発生
するプレストレス力が部位によって変動する結果とな
る。すなわち、この定着板に金属板が使われていたため
に、金属の変形能が少ないことと、集成材床版表面の平
滑さ不足から均一な伝達が行われなかった。本願発明者
らは、以上の問題に着目して種々の研究を重ね、有効な
緊張力の伝達法を開発し、下記構成の本発明をなすに至
った。すなわち (1)多数の長尺集成材が前後及び左右に当接及び密接
して千鳥状に並設されて形成される床版体と、その集成
材床版体の厚みの中央部に床版面に平行で集成材の繊維
方向に直交して穿設された多数の貫通孔と、同貫通孔に
貫挿されたPC鋼棒と、その貫挿PC鋼棒の両端に配設
された木製の定着板を用いた定着具とより構成され、前
記定着具を介して前記PC鋼棒及び集成材床版体にプレ
ストレス力が導入されてなるプレストレス木床版を木橋
の床版に用いることを特徴とするプレストレス木床版を
採用した木橋。:集成材床版が並設された床版体への均
一な圧縮力を伝達するためには、定着板と集成材床版端
部との良好な密着が必要である。そこで定着板の材質を
従来の金属板から木製のものとして、集成材床版との接
触面での「なじみ」効果によって定着板と床版があたか
も固相接合されて一体となったような構造とする(以
下、木製定着板を単に定着板と称す)。その結果、集成
材床版体の両端の定着部で、ボルトの締め付けにより発
生する圧縮力は、金属製支圧板を介して密着した定着板
及び接触する床版に伝達されて、床版体内部に均一な所
定のプレストレス力を導入できる。
【0006】(2)定着板の材質が、集成材と同一のも
のであることを特徴とする前項1記載のプレストレス木
床版を採用した木橋。:集成材床版と定着板との「なじ
み」効果による十分で良好な密着度合は、集成材床版と
定着板の両者の材質が類似していた方が高まることは明
らかなことから、定着板を集成材で構成した構造とす
る。
【0007】(3)定着板が、その周縁に高強度材料製
のリングをたが状に嵌合してなるものであることを特徴
とする前項1又は2のいずれか1項に記載のプレストレ
ス木床版を採用した木橋。:床版体が大型となって、集
成材床版体内に発生させるべきプレストレス力が大きく
なると、当然ながら定着具で加える圧縮力も増大してく
る。このような場合には、定着板のプレストレス力の方
向に直角方向の力も大きくなり、前項1及び前項2の発
明における定着板の劣化が懸念される。そこで、定着板
の周縁に、金属やプラスチック等の高強度材料のリング
を、たが状に嵌合して締め付け、プレストレス力に直角
方向に働く引っ張り応力による定着板の劣化や損傷を防
止する構造とする。
【0008】(4)定着板が、集成材床版体と接触する
面を除く残部表面に、高強度材料製のキャップ体で被着
してなるものであることを特徴とする前項1又は2のい
ずれか1項に記載のプレストレス木床版を採用した木
橋。:さらに定着板にかかる圧縮力が増大して前項1及
び前項2の発明における定着板の劣化や損傷あるいは強
度不足が一層懸念されるときには、定着部で支圧板と接
触する定着板の面を高強度材料製のキャップで覆う構造
とする。すなわち、前項1及び前項2の発明に係る定着
板の、木床版と接する面以外を、高強度材料で構成され
たキャップをはめた状態で定着板を装着しかつ内面を密
着させた構造とする。この場合、キャップの厚み、特に
天井板の厚みを増したものは支圧板を兼用したものにな
り、別途に支圧板を用意する必要がなくなり、好ましい
ものとなる。
【0009】(5)定着板の繊維方向がプレストレス力
の導入方向と平行であることを特徴とする前項1〜4の
いずれか1項に記載のプレストレス木床版を採用した木
橋。:木材の一般特性として、その物理的な耐圧縮強度
は、その繊維方向と密接な関係がある。すなわち、繊維
方向と平行方向の耐圧縮強度は、繊維方向と直角方向の
耐圧縮強度に比べて圧倒的に大きい。そこで、定着板に
採用する木材及び集成材の繊維方向を考慮することで、
定着板の耐久性は大きく改善される。定着板の繊維方向
を、プレストレス力方向と平行になるような構造とす
る。
【0010】(6)定着板の形状が円盤状のものである
ことを特徴とする前項1〜5のいずれか1項に記載のプ
レストレス木床版を採用した木橋。:従来法で広く採用
されている角形定着板は、定着具からの大きな圧縮力を
受ける時、加圧方向に直角方向に引っ張り力も同時に発
生して、定着板の周辺部、特に四辺のコーナー部が損傷
することが多い。また、定着具の取り付けの際に、角形
定着板の上下の辺が、床版の上下面に平行になるように
設置する必要があり、定着板を仮止めするなど煩雑な作
業を必要としている。これらの問題の解消のために、円
盤状の定着板を採用する構造とする。
【0011】(7)定着具が、複数の定着板の支持圧が
1つに集合されて定着される構成のものであることを特
徴とする前項1〜6のいずれか1項に記載のプレストレ
ス木床版を採用した木橋。:定着具で発生する加圧力を
均一に定着板を介して床版端部面に伝えるには、理想的
には、定着板の面積を床版端部面と同一にすることが必
要であるが、PC鋼棒によるプレストレス力の導入方式
を前提としている限りでは、定着板の面積は床版端部面
に対して少なくなる。しかし定着板を分散させ、PC鋼
棒中心部の圧縮力を等分に分割させて均一化を図ること
ができる。すなわち、複数個の定着板を加圧力の中心部
から等距離に配置する構造とする。
【0012】
【発明の実施の形態】多数の長尺集成材床版を並設して
木橋の木床版を構成する際に、本発明によるプレストレ
ス構造を採用した事例を、図面に基づいて説明する。本
発明の木橋は、図9にその概説図を示すもので、左右の
橋台13,13上に並設された支承体14,14上に本
発明に係るプレストレス木床版20が架設されて構成さ
れる。図1は本発明に係る木床版の定着部の一部断面斜
視図であり、図2はその断面図である。図1には多数の
集成材2を並列かつ千鳥状に配置した床版体に、定着部
1によりプレストレス力を導入する構造を示している。
多数の長尺集成材2の厚さ方向の中央部で、木橋の床版
体の巾方向に貫通する貫通孔40を設け、そこにPC鋼
棒4を貫挿させその両端部に設けたねじ部にナット8を
装着して、ナット8を床版方向に締め付けることにより
圧縮力が発生する。この圧縮力は、ワッシャ9を介して
金属製支圧板5に伝達され、されて定着板3を経由し
て、木床版の側面に伝達される。この圧縮力が、木床版
本体の中で、プレストレス力となって、木床版20全体
を建造物として一体化し、すなわち木橋のプレストレス
床版版となって鉄筋コンクリートの橋床面と同じ役割を
果たすことになる。ここで、定着板3と床版端部面との
接触状態が非常に重要になる。もし定着板が床版の一部
としか接触していないと、定着具で発生した圧縮力は、
その接触している一部にしか伝達されず、床版体の中で
プレストレス力は、構造体を構成するのに必要な値に達
せず不完全な構造物となる。本発明では、この定着板3
に木製定着板を採用して、集成材木床版との密着性を向
上して、均一なプレストレス力を床版体に導入させる構
造としている。木橋の木床版20の支間距離が大きくな
り、プレストレス力を増加させる必要があるときには、
補強構造の木製定着板が有効である。
【0013】図7(a)及び(b)は、それぞれ角形定
着板、円盤型定着板に金属又はプラスチックなどの高強
度材料製のリング10をたが状に嵌合させた定着板の斜
視図である。定着板の中央にはプレストレス力導入のた
めにPC鋼棒が貫挿される貫通孔11を設ける。このリ
ング10の作用は、プレストレス力を増加させるとき
に、定着板3においてプレストレス力方向に直角方向に
発生する引っ張り応力によって定着板の劣化や破損する
ことが防止できる。図7の(c)には別の補強構造の木
製定着板を示す。すなわち、補強リング10と天井板1
00aを一体化したキャップ100を装着した補強構造
の定着板である。なお、キャップ100の天井板100
aを分厚く構成したものは、支圧板を兼用することがで
きる。いずれの補強定着板も、集成材木床版端部面との
密着構造を確保しながら、定着具からの圧縮力による木
製定着板の劣化や破損を回避してプレストレス力を導入
させることができる(図8の(d)及び(e)は、(c)
と同様のものであるが、図5,6に示す複数の定着板の
支持圧を1つに集合して集成材木床版に伝達させる方式
に使用されるもので、ダボ嵌入用孔12を備え、PC鋼
棒の貫挿用の貫通孔11具備していないものであ
る。)。
【0014】図3及び図4には、円盤型の定着板を定着
部に装着した状況を示す一部断面斜視図と断面図を示
す。高強度材料のリング10’が定着板の周縁をたが状
に嵌合して定着板3と集成材木床版端部面と密着されて
いる。図5及び図6は、一本のPC鋼棒から発生する圧
縮力を複数の定着板により集成材木床版に伝達させる構
造の一部断面斜視図と断面図である。大型の集成材木床
版になると、集成材木床版の厚さが増加して、中央部の
定着板からの圧縮力は集成材木床版の上下位置まで均一
に伝達しにくくなる。そこで複数個の定着板を用いて、
集成材木床版への圧縮力を分散して、木床版本体内に均
一なプレストレス力を導入させることができる。図5及
び図6では2枚の定着板を用いた状態を示している。ボ
ルト8の締め付けで発生した圧縮力は、フランジ7によ
り集成材床版の厚さ方向に配分されて、上下の加圧位置
で、それぞれソールプレート6,金属製支圧板5及び定
着板3を介して集成材木床版2の側面を圧縮する。この
際、各定着板の中心部までの距離は、PC鋼棒中心点か
ら等距離にすることが肝要である。図8の(d)に定着
板中央部にダボ嵌入穴12を設け支圧板5中央のダボ1
1と勘合することで、容易にセンタリング固定作業を行
うことができる。なお、集成材と同一材質からなる定着
板を配置した定着法を採用したときの、集成材木床版内
に発生する応力分布を三次元FEM解析により算出した
結果では、定着部近傍の集成材木床版内の位置による応
力差は18kgf/cm2〜10kgf/cm2に、プレ
ストレス方向に直角方向の引っ張り応力は8kgf/c
2〜10kgf/cm2に大幅に低減している。
【0015】次に本発明を実際の木橋の木床版に採用し
た実施例の概要を紹介する。 木床版の支間長:22m 幅員:5m 集成材:床版(巾150mm、200mmの二種、高さ
1040〜1070mm、 長さ22.8m、材
質からまつ)34枚、 PC鋼棒:径32v、長さ6.130m、46本 定着板:縦320mm、横320mm、厚さ25mm、
92枚 上記の集成材で構成された木床版状にアスファルト舗装
(厚さ7.1cm)を施工し一般自動車道路として問題
なく使用に供されている。
【0016】
【発明の効果】上記本発明によれば、高強度が要求され
る建造物の橋梁等に大型の集成材床版を適用する際、必
要なプレストレスを均一かつ正確に加えることができ、
安全で信頼性の高い集成材床版による木橋の構築が可能
となった。また、定着板に金属材料を使用しないため、
木橋の軽量化、低コスト化も図られる。よって、従来か
らの資源の有効活用の要求の高い低木材、間伐材の用途
に、更に有効な道を開くことになるばかりでなく、景
観、環境改善からの木造建造物への社会の要求に応えら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる木橋木床版の定着部の一部断面
斜視図
【図2】本発明に係わる木橋木床版の定着部の断面図
【図3】本発明に係わる高強度材料のリングを嵌合した
定着板を装着した定着部の一部断面斜視図
【図4】本発明に係わる高強度材料のリングを嵌合した
定着板を装着した定着部の断面図
【図5】本発明に係わる複数の定着板により木橋木床版
にプレストレス力を発生させる定着部の一部断面斜視図
【図6】本発明に係わる複数の定着板により木橋木床版
にプレストレス力を発生させる定着部の断面図
【図7】本発明に係わる高強度材料によりリング状、キ
ャップ状に補強策を施した角形及び円盤形木製定着板の
一部断面斜視図及び断面図
【図8】本発明に係わる高強度材料によりリング状、キ
ャップ状に補強策を施した角形及び円盤形木製定着板の
一部断面斜視図及び断面図
【図9】集成材木床版を採用した木橋の概説図
【符号の説明】
1:定着部, 2:集成材,3:定着板,
4:PC鋼棒,5:支圧板,
6:ソールプレート,7:フランジ,
8:ナット,9:ワッシャ, 10:リング,
11:ダボ, 12:ダボ嵌入穴,20:木
床版, 40:貫通孔,100:キャップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の長尺集成材が前後及び左右に当接及
    び密接して千鳥状に並設されて形成される床版体と、そ
    の集成材床版体の厚みの中央部に床版面に平行で集成材
    の繊維方向に直交して穿設された多数の貫通孔と、同貫
    通孔に貫挿されたPC鋼棒と、その貫挿PC鋼棒の両端
    に配設された木製の定着板を用いた定着具とより構成さ
    れ、前記定着具を介して前記PC鋼棒及び集成材床版体
    にプレストレス力が導入されてなるプレストレス木床版
    を木橋の床版に用いたことを特徴とするプレストレス木
    床版を採用した木橋。
  2. 【請求項2】定着板の材質が、集成材と同一のものであ
    ることを特徴とする請求項1記載のプレストレス木床版
    を採用した木橋。
  3. 【請求項3】定着板が、その周縁に高強度材料製のリン
    グをたが状に嵌合してなるものであることを特徴とする
    請求項1又は2のいずれか1項に記載のプレストレス木
    床版を採用した木橋。
  4. 【請求項4】定着板が、集成材床版体と接触する面を除
    く残部表面に、高強度材料製のキャップ体で被着してな
    るものであることを特徴とする請求項1又は2のいずれ
    か1項に記載のプレストレス木床版を採用した木橋。
  5. 【請求項5】定着板の繊維方向がプレストレス力の導入
    方向と平行であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のプレストレス木床版を採用した木橋。
  6. 【請求項6】定着板の形状が円盤状のものであることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレス
    トレス木床版を採用した木橋。
  7. 【請求項7】定着具が、複数の定着板の支持圧が1つに
    集合されて定着される構成のものであることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレストレス木
    床版を採用した木橋。
JP2691999A 1999-02-04 1999-02-04 プレストレス木床版を採用した木橋 Expired - Fee Related JP4126514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2691999A JP4126514B2 (ja) 1999-02-04 1999-02-04 プレストレス木床版を採用した木橋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2691999A JP4126514B2 (ja) 1999-02-04 1999-02-04 プレストレス木床版を採用した木橋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000226811A true JP2000226811A (ja) 2000-08-15
JP4126514B2 JP4126514B2 (ja) 2008-07-30

Family

ID=12206612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2691999A Expired - Fee Related JP4126514B2 (ja) 1999-02-04 1999-02-04 プレストレス木床版を採用した木橋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4126514B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003306905A (ja) * 2002-04-15 2003-10-31 Pc Bridge Co Ltd プレストレスト集成材製長梁を主桁に用いた木橋
JP2011179286A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Akita Univ プレストレス木床版を用いた木橋
CN102367649A (zh) * 2011-11-21 2012-03-07 长安大学 设开孔钢板连接件的钢木组合桥梁结构
CN103572698A (zh) * 2013-11-16 2014-02-12 长安大学 一种加劲肋上置的钢木组合桥面结构
KR101784554B1 (ko) * 2015-04-22 2017-10-12 경민산업주식회사 구조용 직교집성판상재의 제조방법 및 이를 통해 얻어진 구조용 직교집성판상재

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106113203B (zh) * 2016-07-27 2018-08-24 国家林业局北京林业机械研究所 用于竹材原态多方重组材的锚固系统

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003306905A (ja) * 2002-04-15 2003-10-31 Pc Bridge Co Ltd プレストレスト集成材製長梁を主桁に用いた木橋
JP2011179286A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Akita Univ プレストレス木床版を用いた木橋
CN102367649A (zh) * 2011-11-21 2012-03-07 长安大学 设开孔钢板连接件的钢木组合桥梁结构
CN103572698A (zh) * 2013-11-16 2014-02-12 长安大学 一种加劲肋上置的钢木组合桥面结构
KR101784554B1 (ko) * 2015-04-22 2017-10-12 경민산업주식회사 구조용 직교집성판상재의 제조방법 및 이를 통해 얻어진 구조용 직교집성판상재

Also Published As

Publication number Publication date
JP4126514B2 (ja) 2008-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mackerle Finite element analyses in wood research: a bibliography
US6173550B1 (en) Wood I-beam conditioned reinforcement panel
CA2199903C (en) Built-up i-beam with laminated flange
US6497080B1 (en) Z-stud structural member
Gattesco et al. Experimental study on multiple-bolt steel-to-timber tension joints
US5809713A (en) Structural elements
JP5464350B2 (ja) プレストレス木床版を用いた木橋
Deam et al. Experimental behavior of prestressed LVL-concrete composite beams
US5175968A (en) Post-trimable pre/tensioned stressed architectural member
US5079894A (en) Wooden X-beam
JP2000226811A (ja) プレストレス木床版を採用した木橋
GB2106561A (en) Wooden girder
Wu et al. Mechanical performance of mortise and tenon joints pre-reinforced with slot-in bamboo scrimber plates
Yang et al. Flexural behavior of OSB reinforced wood truss
KR100928683B1 (ko) 집성원목 및 그 제조 방법
US5891550A (en) Structural member with increased shear resistance
JP7043358B2 (ja) プレストレスト木造梁
JPH10176385A (ja) 木質梁部材の補強構造
JP3027931B2 (ja) プレストレスト集成材製長梁及びその製造方法
Täljsten FRP strengthening of concrete structures: new inventions and applications
Widmann Screw-laminated timber deck plates
JP3295477B2 (ja) 合成枕木の接続構造
JPH0734417A (ja) プラットホ−ムの延伸構造
JP3272083B2 (ja) 合成枕木の接続構造
JPH1034613A (ja) 積層木材の構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080416

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080429

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees