JP2000226475A - 潤滑性ゴム組成物 - Google Patents

潤滑性ゴム組成物

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JP2000226475A
JP2000226475A JP11027072A JP2707299A JP2000226475A JP 2000226475 A JP2000226475 A JP 2000226475A JP 11027072 A JP11027072 A JP 11027072A JP 2707299 A JP2707299 A JP 2707299A JP 2000226475 A JP2000226475 A JP 2000226475A
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JP
Japan
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spherical carbon
spherical
rubber
base
lubricating
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JP11027072A
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English (en)
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Hiroyuki Enomoto
博幸 榎本
Yoshiichi Hirota
芳一 廣田
Kiyoaki Ito
清明 伊藤
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状カーボン等の充填剤の脱落防止により耐
摩耗性及び摩擦特性の安定化が図れる潤滑性ゴム組成物
を提供すること。 【解決手段】 ジエン系ゴムをベース材料とするベース
ゴム材に、球状で所定の大きさを有する球形粉末状の充
填剤を添加した潤滑性ゴム組成物において、ベースゴム
材4を100重量部に対して、メチロール基,水酸基を
持つフェノール系球状カーボン1を1〜50重量部と、
硫黄を含んだシランカップリング材1〜30重量部とを
充填し、80℃〜120℃で一定時間反応させ、この過
程で生成する硫黄を介して、前記球状カーボンと周辺の
ベースゴム材とを化学的に結合し架橋構造1Aを形成し
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、硫黄架橋系の潤
滑性ゴム組成物に関し、特に低摩擦を要求される油圧機
器のシール用に適する潤滑性ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、硫黄架橋系のジエン系ゴム材料
(以下、ジエン系ゴムと略称)は、例えば油圧機器のシ
ール材として利用したとき、摺動部分の摩擦係数が高い
ために過剰な駆動力を必要とし、スティックスリップ現
象、さらには発熱や摺動部分の変形といった不具合が発
生し、そのものが本来的に持っている消音性,制振性,
シール性,変形追従性といった諸機能を減殺してしまう
不都合が生じる。このような不都合は、主としてジエン
系ゴムの摩擦特性に起因するものである。
【0003】ジエン系ゴムの摩擦特性を改善する手法と
しては、これまでフッ素樹脂フィルムをゴム表面に貼着
したり、ポリオレフィン樹脂を熱融着したり、またはゴ
ム組成物中に四フッ化エチレン樹脂や固体潤滑剤を添加
する手法が採用されていた。
【0004】一方、ジエン系ゴムに用いる充填剤として
は、耐摩耗性を高めるカーボンブラックがよく知られて
いる。このカーボンブラックは通常、霧状の油またはア
セチレンガスなどを1300℃以上で熱分解させる、い
わゆる気相炭素化によって製造されたものである。
【0005】しかし、カーボンブラックを充填剤とした
場合は、特に長時間の摺動状態で安定した耐摩耗性及び
摩擦特性が得られないという問題点がある。
【0006】そこで、ジエン系ゴムをベース材料とする
潤滑性ゴム組成物を、ジエン系ゴム本来の消音性,制振
性,シール性,変形追従性といった好ましい特性を失わ
ず、しかも安定した耐摩耗性及び摩擦特性を兼ね備えた
ものに改良することが課題となる。
【0007】この課題を解決する方法として、ジエン系
ゴムに平均粒径が1〜200μmの球形粉末状の充填
剤、例えば球状カーボンを添加した潤滑性ゴム組成物と
することが特開平6−234883号公報に開示されて
いる。
【0008】以下に、上記公報の主要部について図3に
基づいて説明する。まず、このジエン系ゴムは、ジエン
モノマーを単独重合もしくは共重合させて得られるゴム
で、天然ゴムの他、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、
クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴムである。
【0009】球形粉末状の充填剤11は、粒径が1〜2
00μm、好ましくは1〜40μmのものである。なぜ
なら、粒径1μm未満の小径では、前記したジエン系ゴ
ムに分散混合されて摺動面に露出した際に、ジエン系ゴ
ムの被圧による弾性変形によって埋没した状態となり、
摺動相手材に接して荷重を支えることができないためで
ある。また、200μmを越える大径では、表面の平滑
性が悪くなってしまうために好ましくない。
【0010】ここで、球形粉末状の充填剤は、その材質
を特に限定するものではないが、たとえば、球状カーボ
ン,グラファイト等の無機質粉末,四フッ化エチレン等
の有機質粉末,二硫化モリブデン等の金属粉末又は脂肪
酸等の油脂類である。
【0011】これらを一種類を単独で用いるか、または
二種以上を併用してベース材料とするジエン系ゴムに充
填することによって、安定した耐摩耗性及び摩擦特性を
兼ね備えたゴム材料に改良する。
【0012】このような球形粉末状の充填剤の添加量
は、ジエン系ゴム100重量部に対して、5〜420重
量部が好ましく、より好ましくは10〜400重量部で
ある。5重量部未満の少量では、耐摩耗性及び摩擦特性
を向上させることができず、420重量部を越える多量
では、弾性がなくなり脆くなってしまうからである。
【0013】この潤滑性ゴム組成物は、添加された球形
粉末状の充填剤が所定の形状と大きさを有するので、こ
れが摺動面に現れた際に摺動相手材に接触して荷重を支
え、真の接触面積を小さくして摩擦低減効果をもたら
し、且つゴムの摺動面の耐摩耗性を向上させる。
【0014】以上説明したように、ジエン系ゴムをベー
ス材料とするベースゴム材(以下、ベースゴム材と略
称)14に、球状で所定の大きさを有する球形粉末状の
充填剤11を添加することによって、摺動面に介在する
球形粉末が、摺動相手材に接触し荷重を支えて摩擦低減
効果を発揮するようになり、ジエン系ゴム本来の特性で
ある消音性,制振性,シール性,変形追従性を発揮でき
る機械的特性を備え、耐摩耗性と摩擦特性を兼ね備えた
潤滑性ゴム組成物となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した潤滑性ゴム組
成物においては、ベースゴム材に球形粉末状の充填剤を
一定割合で混合するのであるが、単純な混合であるため
特に球状カーボン等では、ベースゴム材から脱落しやす
く、耐摩耗性及び摩擦特性が劣化してしまうと言う問題
があった。
【0016】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、球状カーボン
等の充填剤の脱落防止により耐摩耗性及び摩擦特性の安
定化が図れる潤滑性ゴム組成物を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、ジエン系ゴムをベース材料
とするベースゴム材に、球状で所定の大きさを有する球
形粉末状の充填剤を添加した潤滑性ゴム組成物におい
て、ベースゴム材100重量部に対して、メチロール
基,水酸基を持つフェノール系球状カーボン1〜50重
量部と、硫黄を含んだシランカップリング材1〜30重
量部とを充填し、80℃〜120℃で一定時間反応さ
せ、この過程で生成する硫黄を介して、前記球状カーボ
ンと周辺のベースゴム材とを化学的に結合し架橋構造を
形成したことである。
【0018】ここで、上記球状カーボンを800℃未満
の低温で炭化させた低温炭化球状カーボンとすれば、水
酸基が残留しているため前記反応過程で球状カーボンの
炭化が進み、球状カーボン自体の表面硬度が増大するの
で、耐摩耗性と摩擦特性を更に改善することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の潤滑性ゴム組成物は、図
1に示すようにベースゴム材4を100重量部に対し
て、メチロール基(HOCH2),水酸基(OH)を持
つ図2(A)に示すような化学構造の粒径5〜50μm
のフェノール系球状カーボン(以下、球状カーボンと略
称)1を1〜50重量部と、硫黄(S)を含んだ図2
(B)に示すような化学構造のシランカップリング材1
〜30重量部とを充填し、80℃〜120℃で一定時間
反応させる。この過程で生成する図2(C)の化学構造
に示す硫黄が、前記球状カーボンと周辺のベースゴム材
とを化学的に結合させ架橋構造1Aを形成する。
【0020】上記球状カーボン1は、フェノールホルム
アルデビド樹脂を800℃以上で焼成炭化し、所定の強
度が保証されたもので、耐摩耗性と摩擦特性を向上させ
る。
【0021】球状カーボン1の大きさについては、粒径
が5μm未満では、充填成形後の表面の摺動相手部材に
接する球状カーボンの接触面積が十分ではないために、
充填した効果が認められない。
【0022】一方粒径が50μmを越えると、ベースゴ
ム材4に対する球状カーボンの均一な分散が難しく、耐
クリープ性が低下する。また、球状カーボン1が5重量
部未満では、球状カーボンを充填した効果が認められ
ず、同様に50重量部を越えると、ベースゴム材4に対
する球状カーボンの均一な分散が難しくなって偏在する
ようになる結果、耐クリープ性が低下する。
【0023】図1に示すように、充填剤が球状カーボン
1であるため、これらがベースゴム材4から突出しても
摺動相手部材に対しては球面の点接触となる。球状カー
ボン1は耐摩耗性が優れることもあって、横荷重分担機
能の経時低下を小さくすることができる。
【0024】シランカップリング材は、図2の化学反応
モデルで示すように、硫黄(S)が架橋剤となり上記球
状カーボン1をベースゴム材4に化学的に結合させるも
のである。球状カーボンの表面全体が化学的な結合部1
Aによってベースゴム材に固定されることもあって、球
状カーボン1のベースゴム材4からの脱落が防止できる
ため、耐摩耗性及び低摩擦特性を長期間安定させること
ができる。
【0025】ここで、上記球状カーボン1を800℃未
満の低温で炭化させた低温炭化球状カーボンとすれば、
水酸基(OH)が残留しているため前記反応過程で球状
カーボンの炭化が進み、球状カーボン自体の表面硬度が
増大するので、耐摩耗性と摩擦特性を更に改善すること
ができる。
【0026】充填剤である球状カーボン1の製造法につ
いては、特に限定されるものではないが、所定の粒径を
得るためには、いわゆる液相炭化法または固相炭化法に
よることが適当である。
【0027】球状カーボン粉末の市販品としては、例え
ば、鐘紡社製:ベルパールC800(同等品としては、
日本カーボン社製:カーボンマイクロビーズ=ICB,
MC、大阪ガス社製:メソカーボンマイクロビーズ)が
ある。球状カーボンは、炭素質または黒鉛質のいずれで
もよい。
【0028】本発明の潤滑性ゴム組成物は、図1に示す
ように、ベースゴム材4に上記球状カーボン1の他に粒
状又は繊維状の四フッ化エチレン2又は3等の充填剤を
必要に応じて混合し、適当な形状に成形して使用する。
混合する際には、オープンロール,バンバリーミキサ
ー,ニーダなどの周知の混合機を用い、成形する際に
は、プレス,圧延,押出し用の各種汎用成形機またはゴ
ム用の射出成形機を用いればよい。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、シラ
ンカップリング材は、硫黄が架橋剤となり球状カーボン
をベースゴム材に化学的に結合させるので、球状カーボ
ンのベースゴム材からの脱落が防止できるため、耐摩耗
性と低摩擦特性を長期間安定させることができる。
【0030】また、上記球状カーボンを800℃未満の
低温で炭化させた低温炭化球状カーボンとすれば、水酸
基が残留しているため前記反応過程で球状カーボンの炭
化が進み球状カーボン自体の表面硬度が増大するので、
耐摩耗性と低摩擦特性を更に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる潤滑性ゴム組成物である。
【図2】(A) 本発明に係わるフェノール系球状カー
ボンの化学構造である。 (B) 硫黄を含んだシランカップリング材の化学構造
である。 (C) 架橋構造を形成する硫黄が生成した状態の化学
構造である。
【図3】従来技術に係る潤滑性ゴム材料の組成モデルで
ある。
【符号の説明】
HOCH2 メチロール基 OH 水酸基 1 フェノール系球状カーボン 4 ベースゴム材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 清明 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA12 AB03 AC16 AF28 AH18 EA06 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 DA016 EX087 FA086 GM05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系ゴムをベース材料とするベース
    ゴム材に、球状で所定の大きさを有する球形粉末状の充
    填剤を添加した潤滑性ゴム組成物において、ベースゴム
    材100重量部に対して、メチロール基,水酸基を持つ
    フェノール系球状カーボン1〜50重量部と、硫黄を含
    んだシランカップリング材1〜30重量部とを充填し、
    80℃〜120℃で一定時間反応させ、この過程で生成
    する硫黄を介して、前記球状カーボンと周辺のベースゴ
    ム材とを化学的に結合し架橋構造を形成したことを特徴
    とする潤滑性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記球状カーボンを800℃未満の低温
    で炭化させ、水酸基が残留したまま前記反応工程で球状
    カーボンの炭化を進め、球状カーボン自体の表面硬度を
    増大させたことを特徴とする請求項1に記載の潤滑性ゴ
    ム組成物。
JP11027072A 1999-02-04 1999-02-04 潤滑性ゴム組成物 Pending JP2000226475A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144883A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Fuji Koki Corp 弁体及びそれを用いた切換弁
CN103012872A (zh) * 2012-12-28 2013-04-03 中橡集团沈阳橡胶研究设计院 一种耐磨橡胶复合材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144883A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Fuji Koki Corp 弁体及びそれを用いた切換弁
CN103012872A (zh) * 2012-12-28 2013-04-03 中橡集团沈阳橡胶研究设计院 一种耐磨橡胶复合材料

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