JP2000226193A - 家具昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数を低減して装置を軽量化し、取り付け
施工性に優れた家具昇降装置の提供。生産性に優れ、低
コスト化することができる家具昇降装置の提供。 【解決手段】少なくとも左右一対の縦フレームを有し、
建築物の壁等に固定される固定フレームに対し、可動フ
レームを上下方向へ所定の距離で移動可能に支持する。
該可動フレームに対し、家具を前方へ突出するよう取り
付ける。可動フレームに対し、水平方向へ軸線を有し、
可動フレームに回転可能に軸支される回転軸の両端部に
回転体を、固定フレームの各縦フレームに取り付けられ
た板状歯体に噛み合わせる。固定フレーム及び可動フレ
ームに、建築物内に配管された水道管を流通する水道水
によりロッドを伸縮させるシリンダー部材を取り付け、
シリンダー部材に対する水の供給及び排水をバルブ手段
により制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば洗面台や
テーブル、収納棚等の各種家具を使用者の使用態様に応
じて昇降させる家具昇降装置に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】本出願人は、先に特願
平１０−２９０１９０号において少なくとも左右一対の
縦フレームを有した固定フレームに、被昇降体が取り付
けられた可動フレームを上下方向へ移動可能に支持する
と共に固定フレームに設けられた回転体に支持され、一
端が可動フレームに固定されたワイヤ部材の他端に被昇
降体とほぼ等しい重量のバランサを取り付け、被昇降体
をほぼ無負荷状態で昇降可能にした昇降装置において、
固定フレームの各縦フレームに設けられるラックギャ
と、可動フレームに回転可能に支持される回転軸の各端
部にそれぞれのラックギャに噛み合って固定される歯車
と、回転軸より小径状に巻回されて一方端部が可動フレ
ームに固定された状態で回転軸に挿嵌されて回転軸を回
り止めする線状弾性部材と、線状弾性部材の他方端部に
取り付けられ、線状弾性部材を拡径方向へ弾性変形せて
回転軸の回転を可能化する制動解除部材とを備えた昇降
装置を提案した。

【０００３】しかしながら上記した昇降装置は、被昇降
体を、負荷が少ない状態で昇降させる家具の重量とほぼ
一致する重さのバランサや回転軸を弾性力により締め付
けて回り止めする線状弾性部材、該線状弾性体を拡径方
向へ弾性変形させて回転軸の回転を可能にする制動解除
部材等の多数の部品を必要とするため、装置が重量化し
て取り付け施工性が悪くなると共に高コスト化してい
た。

【０００４】本発明は、上記した従来の欠点を解決する
ために発明されたものであり、その課題とする処は、部
品点数を低減して装置を軽量化し、取り付け施工性に優
れた家具昇降装置を提供することにある。

【０００５】又、本発明の他の課題は、生産性に優れ、
低コスト化することができる家具昇降装置を提供するこ
とにある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】このため本発明は、少
なくとも左右一対の縦フレームを有し、建築物の壁等に
固定される固定フレームと、該固定フレームの各縦フレ
ームに対して上下方向へ所定の距離で移動可能に支持さ
れる可動フレームと、該可動フレームに対し、前方へ突
出するように取り付けられる家具とからなる昇降装置に
おいて、水平方向へ軸線を有し、可動フレームに回転可
能に軸支される回転軸の両端部に固定される回転体と、
固定フレームの各縦フレームに取り付けられ、各回転体
が噛み合わされる板状歯体と、固定フレーム及び可動フ
レームに夫々固定され、建築物内に配管された水道管を
流通する水道水によりロッドを伸縮させるシリンダー部
材と、シリンダー部材に対して水を供給及び排水制御す
るバルブ手段とからなることを特徴としている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に従
って説明する。図１は家具昇降装置の正面概略を示す斜
視図である。図２は家具昇降装置の背面概略を示す斜視
図である。図３はシリンダー部材の接続回路を示す説明
図である。

【０００８】家具昇降装置１は、例えば洗面台やテーブ
ル又は収納棚等の各種家具３（図は家具としての洗面台
を示す）を、使用者の身長等に応じて所望の高さに昇降
させるもので、その固定フレーム５は建築物の壁内に設
けられた桟（図示せず）等に固定される。

【０００９】該固定フレーム５は少なくとも左右一対の
縦フレーム５ａ及びこれらを連結する横フレーム５ｂと
から構成され、各縦フレーム５ａ内には可動フレーム７
が上下方向へ所定の距離で移動可能に支持されている。

【００１０】可動フレーム７は、固定フレーム５の縦フ
レーム５ａ内に挿入される縦フレーム７ａ及び縦フレー
ム７ａ相互を連結する水平フレーム７ｂとからなり、各
縦フレーム７ａの中間部には取り付けフレーム７ｃが前
方へ突出するように設けられている。そして取り付けフ
レーム７ｃには上記した家具３としての洗面台が固定さ
れている。尚、図中の符号７ｄは取り付けフレーム７ｃ
の前面側に取り付けられた操作用取手である。

【００１１】取り付けフレーム７ｃ及び可動フレーム７
の縦フレーム７ａには左右一対の軸支フレーム９が取付
けられ、各軸支フレーム９には水平方向に軸線を有した
回転軸１１が回転可能に軸支されている。そして回転軸
１１の両軸端部には縦フレーム５ａの前面にて上下方向
へ延出するように取り付けられた各ラックギヤ１３に噛
み合う回転体としてのピニオンギヤ１５が夫々固定さ
れ、固定フレーム５に対する可動フレーム７の上下移動
に伴ってラックギャ１３に噛み合うピニオンギャ１５に
より回転軸１１を回転させる。これにより可動フレーム
７は固定フレーム５に対して左右に振れのない状態で上
下動される。

【００１２】固定フレーム５下方の横フレーム５ｂ中間
部には水圧シリンダー１７の基端部が固定され、該水圧
シリンダー１７のロッド１７ａは水平フレーム７ｂに固
定されている。そして水圧シリンダー１７の正圧室供給
側には二股分岐コネクター１９が取り付けられ、一方の
供給口部１９ａには建築物内に配管された水道管１８に
接続された供給管２１が接続されている。該供給管２１
の途中には加水バルブ２３が設けられ、該加水バルブ２
３は、常には供給管２１の流路を閉鎖すると共に操作釦
２３ａが操作された際には供給管２１の流路を開放して
水圧シリンダー１７の正圧室内に水を供給するように構
成されている。

【００１３】又、二股分岐コネクター１９における他方
の排水口部１９ｂにはその開放端部が建築物内に配管さ
れた排水管２０に接続される排出管２５が接続され、該
排出管２５の途中には排水バルブ２７が設けられてい
る。該排水バルブ２７は常には排水管２５の流路を閉鎖
すると共に操作釦２５ａが操作された際には流路を開放
して水圧シリンダー１７の正圧室内の水を排水管２０へ
排水するように構成される。

【００１４】尚、供給管２１及び排出管２５は金属製或
いは合成樹脂製の可撓管からなり、家具３の上下動に追
従して変形可能である。又、加水バルブ２３及び排水バ
ルブ２７の各操作釦２３ａ・２７ａは取り付けフレーム
７ｃの側面に取り付けられる。

【００１５】次に、家具昇降装置１の作用を説明する。
図４は家具３の上動状態を示す背面図である。

【００１６】今、説明の便宜上、家具３は図１に示す下
動限位置に移動されているとする。この状態にて家具３
を所定の高さまで上昇させるには、操作釦２３ａを押圧
操作して加水バルブ２３を開放し、水道管１８からの水
を水圧シリンダー１７の正圧室内に供給すると、該水圧
シリンダー１７は水道水の圧力によりロッド１７ａを伸
長させて固定フレーム５に対して可動フレーム７を上方
へ移動させる。

【００１７】そして家具３が所望の高さ位置まで持ち上
げられた際に、加水バルブ２３の操作釦２３ａの押圧を
中断すると、水圧シリンダー１７のロッド１７ａ伸長を
停止して家具３を所望の高さ位置に停止させる。

【００１８】一方、上記状態で家具３を下降させるに
は、排水バルブ２７の操作釦２７ａを押圧操作して排出
管２５の流路を開放させると、水圧シリンダー１７にお
ける正圧室内の水を排水管２０へ排水してロッド１７ａ
を縮小して可動フレーム７を下方へ移動させる。そして
家具３が所望の高さまで下降した際に排水バルブ２７の
操作釦２７ａの押圧操作を中断すると、水圧シリンダー
１７における正圧室内からの排水を停止して家具３を該
高さに停止保持させる。

【００１９】上記した家具３の昇降時においては、左右
の縦フレーム５ａに取り付けられたラックギヤ１３に対
して回転軸１１の両軸端部を固定されたピニオンギヤ１
５が一体になって回転するため、固定フレーム５の縦フ
レーム５ａに対して可動フレーム７を左右等しく昇降さ
せることができ、固定フレーム５に対する可動フレーム
７の振れをなくすことにより家具３を所望の高さへ円滑
に昇降させることができる。

【００２０】本実施形態は、家具３としての洗面台に不
可欠な水道管の水圧を利用して家具３を昇降させること
ができ、装置自体の部品点数を低減させて軽量化を図る
と共に低コスト化することができる。又、従来のバラン
サ等を不要にすることにより軽量化して取り付け施工性
を向上することができる。

【００２１】上記説明は、単一の水圧シリンダー１７を
使用して家具３を昇降させる構成としたが、家具３が重
量物の場合には複数の水圧シリンダー１７を使用して持
ち上げ力を増大させればよい。

【００２２】

【発明の効果】このため本発明は、部品点数を低減して
装置を軽量化し、取り付け施工性に優れている。また、
本発明は、生産性に優れ、低コスト化することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】家具昇降装置の正面概略を示す斜視図である。

【図２】家具昇降装置の背面概略を示す斜視図である。

【図３】シリンダー部材の接続回路を示す説明図であ
る。

【図４】家具の上動状態を示す背面図である。

【符号の説明】

１−家具昇降装置、３−家具、５−固定フレーム、５ａ
−縦フレーム、７−可動フレーム、１１−回転軸、１３
−板状歯体としてのラックギャ、１５−回転体としての
ピニオンギャ、１７−シリンダー部材、２３−加水バル
ブ、２５−排水バルブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも左右一対の縦フレームを有し、
   建築物の壁等に固定される固定フレームと、該固定フレ
   ームの各縦フレームに対して上下方向へ所定の距離で移
   動可能に支持される可動フレームと、該可動フレームに
   対し、前方へ突出するように取り付けられる家具とから
   なる昇降装置において、水平方向へ軸線を有し、可動フ
   レームに回転可能に軸支される回転軸の両端部に固定さ
   れる回転体と、固定フレームの各縦フレームに取り付け
   られ、各回転体が噛み合わされる板状歯体と、固定フレ
   ーム及び可動フレームに夫々固定され、建築物内に配管
   された水道管を流通する水道水によりロッドを伸縮させ
   るシリンダー部材と、シリンダー部材に対して水を供給
   及び排水制御するバルブ手段とからなる家具昇降装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、バルブ手段は家具を
   上方へ持ち上げる際には水道管からの水をシリンダ内に
   供給する一方、家具を下方へ移動させる際にはシリンダ
   ー内の水を排水させるように制御する家具昇降装置。