JP2000225990A - 海洋浮体構造物の構造 - Google Patents

海洋浮体構造物の構造

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JP2000225990A
JP2000225990A JP11024519A JP2451999A JP2000225990A JP 2000225990 A JP2000225990 A JP 2000225990A JP 11024519 A JP11024519 A JP 11024519A JP 2451999 A JP2451999 A JP 2451999A JP 2000225990 A JP2000225990 A JP 2000225990A
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JP
Japan
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air chamber
floating body
waves
floating
ocean
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JP11024519A
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English (en)
Inventor
Koji Shiratani
宏司 白谷
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Taisei Corp
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Taisei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海洋浮体構造物の波浪等に対する動的応答の
低減を図ることができる構造を提供すること。 【解決手段】 剛性のある矩形浮体2の底面21にゴム
等の弾性材料で製作された薄い膜体3で囲まれて成る柔
な空気室4を設け、調節装置5により空気室4が空気室
4の周囲の水圧に追随して変形することができるように
した。この変形により海洋浮体構造物の波浪に対する動
的応答を低減させることができる。空気室4の体積が大
きい場合、調節装置5を省略することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波浪等に対する動
的応答の低減を図ることができるようにした海洋浮体構
造物の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート、あるいは鋼製の浮体で構
成されている浮体式構造は海洋施設における主要な構造
タイプの一種であり、現在まで広く用いられてきてい
る。建設の分野における従来の浮体構造は、矩形のもの
が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の浮
体構造物の殆どは、コンクリート製あるいは鋼製の剛性
のある浮体で構成されており、且つ矩形の浮体構造であ
るため、波浪等による構造物周囲の水圧変動の影響をそ
のまま受けており、このため、浮体構造物の動的応答性
が高くならざるを得なかった。
【0004】このように、波浪に対する動的応答が高い
ことが従来の海洋浮体構造物の大きな問題点であり、実
プロジェクトに対してその適用を妨げる要因となる場合
が少なくない。すなわち、緩い係留の場合には波浪によ
る海洋浮体構造物の動揺が問題となり、一方、堅い係留
の場合には係留索に作用する張力が大きくなり、係留装
置の建設費の増加につながるという問題が生じている。
【0005】本発明の目的は、したがって、海洋浮体構
造物の波浪等に対する動的応答の低減を図ることができ
るようにした、海洋浮体構造物の構造を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、コンクリート製あるいは鋼製等の剛性の
ある矩形浮体の底面にゴム等の弾性材料から成る薄い膜
体で囲まれて成る柔な空気室を設け、該空気室が該空気
室の周囲の水圧に追随して変形することができるように
したものである。
【0007】請求項1の発明によれば、剛性を有する矩
形浮体を備えて成る海洋浮体構造物において、前記矩形
浮体の底面に弾性材料から成る薄膜部材で囲まれて形成
された柔な空気室と、該空気室の周囲に生じる海洋水圧
の変化に応じて該空気室の変形を可能にするよう前記空
気室と大気との間に設けられた前記空気室内の圧力に応
じて該空気室の体積を増減させるための調節装置とを備
えた海洋浮体構造物の構造が提案される。
【0008】海洋に生じる波浪が海洋浮体構造物に押し
寄せると、これによる圧力が空気室を構成する薄膜部材
に与えられ、空気室内の圧力が上昇する。この結果、調
節装置が働いて空気室の体積が水圧の上昇に応じて減少
することとなり、海洋の波浪により空気室の外側にかか
る水圧が高くなると調節装置により空気室が縮小するよ
うに変形する。波浪が収まれば、調節装置により空気室
が膨張し空気室が元の状態に戻る。
【0009】このように、空気室の体積がその周囲の水
圧分布に対応して増減して変形することにより、海洋浮
体構造物の波浪に対する動揺量の低減を期待することが
できる。
【0010】請求項2の発明によれば、剛性を有する矩
形浮体を備えて成る海洋浮体構造物において、前記矩形
浮体の底面に弾性材料から成る薄膜部材で囲まれて形成
された柔な空気室を設けた海洋浮体構造物の構造が提案
される。
【0011】矩形浮体が大きい場合には、空気室の体積
を大きくとることができ、空気室の水圧変化に対する体
積の変化率が大きくなるので、調節装置を付けなくても
海洋の波浪により空気室の外側に掛かる水圧変化に追随
した空気室の体積の大きな変化が得られる。この結果、
大きな体積の空気室は気圧調整のための特別な装置なし
でも、海洋浮体構造物の波浪に対する動揺量を低減させ
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明による海洋浮体構造物の実
施の形態の一例を示す断面図である。海洋浮体構造物で
ある工事作業船1は、鋼製の剛性を有する矩形浮体2を
有し、矩形浮体2の約半分程度が海洋10の海水面11
の下になっている。矩形浮体2の底面21にはゴム製の
膜体3が覆設されており、膜体3は矩形浮体2の周縁2
1Aに沿って矩形浮体2に適宜の手段で気密に固定さ
れ、これにより、底面21と膜体3との間に柔な空気室
4が形成されている。したがって、空気室4内に図示し
ないポンプ等で空気を送り込むことにより膜体3が海洋
10の底に向けて膨出し、図1に示すように、膜体3は
曲面状の船底部として形成される。
【0014】海洋10に波浪が生じた場合、この波浪に
より矩形浮体2及び空気室4に圧力が印加されることに
なるが、この波浪による工事作業船1の動的応答を低減
させるため、矩形浮体2には、空気室4の周囲に生じる
海洋水圧の変化に応じて空気室4の変形を可能にするよ
う空気室4内の空気圧に応じて空気室4の体積を増減調
節するための調節装置5が設けられている。
【0015】調節装置5は、図示の実施形態では、矩形
浮体2内に次のようにして設けられている。すなわち、
調節装置5は、一端51Aが空気室4に連通し他端51
Bが大気に連通するよう矩形浮体2に形成されたシリン
ダ孔51内にピストン52を滑動自在に設け、他端51
B近くに他端51Bを塞ぐことがないようにして固定さ
れた支持板54とピストン52との間に弾発コイルばね
53を介装することによって構成されている。
【0016】調節装置5のシリンダ孔51はピストン5
2によって一端51Aと他端51Bとが気密に遮断され
ており、ピストン52の上面52Aに作用する大気圧と
その下面52Bに作用する空気室4の気圧との差に追随
してピストン52が昇降運動する。ここで、空気室4の
気圧は、静水時における空気室4の周囲の海洋水圧と同
程度となるように設定されている。したがって、膜体3
に波浪による圧力が加えられ、ピストン52の上面52
Aに作用する大気圧の力よりも下面52Bに作用する力
の方が大きく差圧が生じると、シリンダ孔51内で滑動
自在なピストン52は、その差圧が弾発コイルばね53
の力と平衡するまで他端51B側に移動する。この結
果、波浪による大きな力が膜体3に加えられた場合、空
気室4内の圧力が上昇してピストン52が他端51B側
に移動し、この移動量に相応した分だけ空気室4の体積
が減少することとなり、膜体3がへこんで空気室4が変
形する。なお、調節装置5の一構成例について説明した
が、調節装置5の構成はこれに限定されるものではな
く、上述の機能を達成することができればよく、その構
造形態は図1に示す構成に限定されるものではない。
【0017】このように、工事作業船1に対して波浪に
よる圧力が加えられるとその圧力の大きさに応じて空気
室4が変形するので、波浪に対する工事作業船1の動的
応答を低減させることができる。この結果、工事作業船
1が自由にされ、又は緩く係留された場合において、回
転揺れに対して固有周期の長周期化をもたらす。図1に
示した構造の採用により従来の浮体構造においては共振
が問題となる周期帯の波浪に対して動揺量の低減効果が
あることが確認された。この効果は、柔な空気室4が、
周囲の水圧分布に対応して大きく変形するという性能に
よって得られたものである。
【0018】また、工事作業船1が堅く係留された場合
において、空気室4の変形性能や空気の圧縮特性、ピス
トン52の運動特性を利用することで、波浪や潮位変動
によって係留索に発生する張力を、従来の浮体構造の場
合よりも低減できることが確認された。
【0019】このように、工事作業船1の構成は、同一
の構造条件で、幅広い係留条件に対して動的応答(動揺
あるいは係留索張力)の低減を可能にするものである。
【0020】以上、本発明の実施の形態の一例を工事作
業船の場合について説明してきたが、本発明はこの実施
の形態に限定されるものではなく、波浪に対する動的応
答が問題となる浮体施設一般に同様にして適用すること
ができ、同様の効果を得ることができることは明らかで
ある。
【0021】図1に示した実施の形態では、工事作業船
1の矩形浮体2の底面21に膜体3による空気室4を設
けると共に、調節装置5を設ける構成について説明し
た。しかし、一般に、空気の気圧変化と体積変化の関係
にはスケール効果があり、元の空気の体積が大きくなる
ほど気圧変化に対する体積の変化率が大きくなるので、
空気室4の体積が大きい場合には少しの気圧変化でも大
きな体積の変化が生じることになる。
【0022】したがって、空気室4の体積が充分大きく
上述の条件を満たすことができれば、調節装置5を設け
なくとも海洋水圧の変化に追随して空気室4の体積の大
きな変化が生じる。このため、調節装置5がある場合と
同様の波浪応答低減効果が得られる。モデル解析による
と、浮体幅が20〜30m以上になれば、調節装置5な
しでも有意な波浪応答低減効果が得られることが確認さ
れた。
【0023】また、本発明による構造は、新設構造物の
みならず、既存の矩形浮体の底面に空気室、及び必要に
応じて調節装置を取り付けることによっても実現可能
で、既設構造物の応答低減に寄与する。
【0024】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上述の如く、
矩形浮体の底面に弾性材料から成る薄膜部材で囲まれて
形成された柔な空気室を設け、調節装置により空気室周
囲の水圧に追随して空気室が変形できるようにしたの
で、海洋に生じる波浪等が海洋浮体構造物に押し寄せた
場合、調節装置の働きにより空気室がその周囲の水圧分
布に対応して変形し、海洋浮体構造物の波浪に対する動
的応答を極めて効果的に低減させることができる。この
結果、海洋浮体構造物が緩く係留された場合、共振が問
題となる波浪周期に対して動揺量を低減させることがで
きる。また、海洋浮体構造物が堅く係留された場合に
は、波浪により係留索に発生する張力を低減させること
ができ、係留装置の建設費の削減を図ることができる。
【0025】請求項2の発明によれば、矩形浮体の底面
に弾性材料から成る薄膜部材で囲まれて形成された柔な
空気室を設け、空気室周囲の水圧に追随して空気室が変
形できるようにしたので、海洋に生じる波浪等が海洋浮
体構造物に押し寄せた場合、空気室がその周囲の水圧分
布に対応して変形し、海洋浮体構造物の波浪に対する動
的応答を極めて効果的に低減させることができる。この
結果、海洋浮体構造物が緩く係留された場合、共振が問
題となる波浪周期に対して動揺量を低減させることがで
きる。また、海洋浮体構造物が堅く係留された場合に
は、波浪により係留索に発生する張力を低減させること
ができ、係留装置の建設費の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による海洋浮体構造物の実施の形態の一
例を示す断面図。
【符号の説明】 1 工事作業船 2 矩形浮体 3 膜体 4 空気室 5 調節装置 10 海洋 51 シリンダ孔 52 ピストン 53 弾発コイルばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する矩形浮体を備えて成る海洋
    浮体構造物において、 前記矩形浮体の底面に弾性材料から成る薄膜部材で囲ま
    れて形成された柔な空気室と、 該空気室の周囲に生じる海洋水圧の変化に応じて該空気
    室の変形を可能にするよう前記空気室と大気との間に設
    けられた前記空気室内の圧力に応じて該空気室の体積を
    増減させるための調節装置とを備えたことを特徴とする
    海洋浮体構造物の構造。
  2. 【請求項2】 剛性を有する矩形浮体を備えて成る海洋
    浮体構造物において、 前記矩形浮体の底面に弾性材料から成る薄膜部材で囲ま
    れて形成された柔な空気室を設けたことを特徴とする海
    洋浮体構造物の構造。
JP11024519A 1999-02-02 1999-02-02 海洋浮体構造物の構造 Pending JP2000225990A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110254651A (zh) * 2019-06-17 2019-09-20 江仁燕 一种移动海洋开采平台
JP7347764B2 (ja) 2021-06-25 2023-09-20 株式会社長大 複合浮体基盤および当該複合浮体基盤を備える浮体式洋上風力発電設備

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