JP2000225570A - ブラスト処理方法 - Google Patents
ブラスト処理方法Info
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Abstract
果を有し、かつ、高い飛散防止効果が得られて作業環境
および周辺環境への悪影響を防止する。 【解決手段】加圧気体を用いてノズルからブラストメデ
ィアを噴射するブラスト処理方法であって、ブラストメ
ディアが水溶性の造粒物であり、噴射ノズル先端にブラ
ストメディア1kgに対して0.01〜10kgの水を
供給して、ブラストメディアとともに水を噴射する。
Description
に関するものである。
理物に噴射して、被処理物の表面の研削または表面層の
剥離などを行う処理である。このとき用いる固体粒子を
ブラストメディアという。ブラストメディアとして砂を
用いた方法、いわゆるサンドブラスト処理は、種々の用
途に利用されている。
は、使用後のブラストメディアを溶解して除去できる利
点がある。水溶性のブラストメディアとして、炭酸水素
ナトリウム粉末(特公平6−69668号公報、特公平
7−55451号公報)、または炭酸水素ナトリウムの
造粒物(特開平10−86064号公報)が提案されて
いる。
理物に噴射する場合(ドライブラスト工法)、ブラスト
メディアおよび被処理物の表面部の破砕により発生する
微細な粉塵が周囲に飛散し、作業環境および周辺環境の
悪化の原因となっていた。また、粉塵の発生量が多く作
業者の手元が見えない状況になった場合は、施工面の仕
上がり状態が確認できないまま作業を継続せざるを得
ず、必要以上に下地を傷めたり逆に十分な剥離が行えな
いなどの問題も発生していた。
物に噴射する場合(ウォーターブラスト工法)、ブラス
トメディアの破壊力が被処理物に十分に伝わらず、十分
な剥離効果が得られない場合があるという問題もあっ
た。
ラストメディアを用い、高い剥離効果を有し、かつ、高
い飛散防止効果が得られて作業環境および周辺環境への
悪影響が防止できるブラスト処理方法を提供することを
目的とする。
いてノズルからブラストメディアを噴射するブラスト処
理方法であって、ブラストメディアが水溶性塩を60重
量%以上含有し、重量基準の平均粒径が1〜10mmの
造粒物であり、噴射ノズル先端にブラストメディア1k
gに対して0.01〜10kgの水を供給して、ブラス
トメディアとともに水を噴射するブラスト処理方法を提
供する。
溶性塩を60重量%以上含有する。このため、使用後の
ブラストメディアを容易に除去廃棄できる。この観点で
は、水溶性塩の含有量は高いほど好ましく、水溶性塩は
90重量%以上であることが好ましい。ブラストメディ
アが実質的に水溶性塩のみからなる場合は特に好まし
い。水溶性塩以外の成分としては、特に限定されない
が、砂などの粒子、各種の薬剤などを使用できる。
基準の平均粒径が1〜10mmである。ブラストメディ
アの平均粒径が1mmに満たない場合は、ブラスト処理
能力が低いので不適当である。ブラストメディアの平均
粒径が10mmを超える場合は、ブラストメディアの供
給が困難となるので不適当である。ブラストメディアの
平均粒径が1〜6mmである場合はさらに好ましく、特
に好ましい平均粒径は1〜4mmである。
れた剥離効果と高い飛散防止効果を得るために、ブラス
トメディアを加圧気体(以下噴射媒体ともいう)を用い
て被処理物に噴射しながら、噴射ノズルの先端にブラス
トメディア1kgに対して0.01〜10kgの水を供
給する。水の供給量が0.01kgに満たない場合は、
粉塵防止効果が実質的に発現しないので不適当である。
水の供給量が10kgを超える場合には、水によるブラ
ストメディアと対象物との間のクッション作用により剥
離効果が著しく低下するので不適当である。水の供給量
がブラストメディア1kgに対して0.1〜5kgであ
る場合は、さらに好ましい。
アは、重量基準の平均硬度が0.5kg以上であること
が好ましい。ここで重量基準の平均硬度とは、ブラスト
メディア粒子の圧縮破壊強度を測定し重量基準の平均し
た値をいうものとする。粒子の圧縮破壊強度は、例えば
木屋式デジタル硬度計KHT−20型により測定でき
る。ブラストメディアの重量基準の平均硬度が0.5k
g以上である場合は、ブラストメディアとして十分な処
理能力を有し、かつ、被処理物を必要以上に傷つけるお
それが少ない。
れる水溶性塩としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、
塩化物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混
合物が好ましい。水溶性塩中の陽イオンとしては、ナト
リウム、カリウムなどのアルカリ金属のイオン、アンモ
ニウムイオンまたはそれらの混合物が好ましい。具体的
には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
アンモニウムが好ましい。特に、炭酸水素ナトリウム
は、水溶液のpHが弱アルカリ性であり、かつ毒性がな
いので、使用後のブラストメディアの廃棄が容易であり
好ましい。
0〜99重量%の第1の水溶性塩、および、ブラストメ
ディアに対して1〜20重量%であり第1の水溶性塩よ
り水への溶解速度が高い第2の水溶性塩を含む場合は、
第1の水溶性塩のみを含む場合に比較して、ブラストメ
ディアの溶解速度を増大させることができるので好まし
い。第1の水溶性塩は炭酸水素ナトリウムが好ましく、
この場合は第2の水溶性塩としては、酢酸ナトリウム、
塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムからなる群より選
ばれる1種以上が好適に使用される。
末状態で入手される。このような水溶性塩を、重量基準
の平均粒径が1〜10mmの造粒物にする方法として
は、乾式または湿式の圧縮成形、押出し成形、撹拌造粒
または転動造粒などが挙げられる。これらのうち乾式の
圧縮成形が好ましく採用される。特に、水溶性塩または
必要に応じて他の成分を含む混合物を圧縮成形し、次い
でこれを粉砕して造粒物を製造するのが好ましい。具体
的には、好ましくは1〜20t/cmの線圧のロールプ
レスによる圧縮成形により、水溶性塩または必要に応じ
て他の成分を含む混合物を薄板状に成形し、次いでこれ
を粉砕し、好ましくはさらに整粒を行って、造粒物を得
る。また、さらに篩機などにより粒度の調整を行っても
よい。
体は、0.1〜2MPaの圧力で供給されることが好ま
しい。圧力が0.1MPa未満の場合にはブラスト能力
が不足するおそれがあるので好ましくない。圧力が2M
Paを超える場合は、加圧用コンプレッサーが大きくな
るなどのため、取り扱いが困難になるおそれがあるので
好ましくない。気体として具体的には、空気を用いるの
が好ましい。
ては、通常の一般に市販されているウエットブラスト用
の水添加ジョイントなどを用いるのが好ましい。この場
合、従来のブラスト処理装置を本質的に変更することな
く、容易に本発明を実施できる。
のブラスト処理に適用できる。例えば、船舶、航空機、
機械、車両本体、台車、橋梁または建築構造物などの外
装の塗膜の剥離や洗浄に使用できる。この場合の下地と
しては、金属、コンクリート、煉瓦、石など特に限定さ
れない。
目荒らし、塗装の下地処理(錆取り)、床面や外壁の洗
浄や油脂の剥離、汚水槽や排水ピットなどの洗浄、ゴム
または樹脂などの成形用金型の整備、打ち抜き加工品や
微細な金属加工部品の切断面などのバリ取り、ボイラー
チューブ外壁に付着する酸性ボウ硝または酸性硫安など
の酸性スケールの除去、ガス充填ボンベの外内壁の洗
浄、金属板保護フィルム接着剤の除去、食品調理器具や
食品容器などの油汚れまたは焦げ付きの洗浄などに適用
される。
酸水素ナトリウム(旭硝子社製)300kgをロールプ
レス式圧縮成形機(ターボ工業社製、商品名ローラーコ
ンパクターWP型)を使用して、薄板状に成形した。こ
の圧縮成形機のロール外径は230mm、ロール長は8
0mmで、成形圧力は3.75t/cmである。次に、
得られた薄板状の成形体を、回転歯による粗砕機である
フレークブレーカーで粗砕し、さらに目開き4.75m
mのロータリー式整粒機(日本グラニュレーター社製、
商品名ロータリーファイングラニュレーター)を通して
整粒した。
ーボ工業社製、商品名ターボスクリーナーTS型)で処
理することにより、1.0mm未満および4.0mm超
の粒子を除去し、粒径が1.0〜4.0mmの範囲の造
粒物を得た。この造粒物は、重量基準の平均粒径が1.
92mmであり、重量基準の平均硬度は3.3kgであ
った。
して、建築物のコンクリート壁面に塗布したエポキシ塗
膜(旭硝子コートアンドレジン社製の商品名サラセーヌ
エポキシプライマーを1層塗装し、さらに旭硝子コート
アンドレジン社製の商品名サラセーヌエポキシ上塗を2
層に塗装したもの)の剥離試験を実施した。
を使用し、噴射ノズル先端へ水供給量は10kg/mi
nとした。また造粒物の供給速度は8kg/minとし
た。すなわち、ブラストメディア1kg当たりの水供給
量は1.25kgであった。
な時間は4.0min/m2であり、ブラストメディア
の必要量は32.0kg/m2であった。作業中におい
て、ブラストメディアの飛散はほとんど認められず作業
者への安全上の支障も全くなく、作業環境または周辺環
境への影響も認められなかった。使用済みのブラストメ
ディアから剥離した塗料片を除いた後、さらに水を加え
て溶解した。この水溶液のpHは8.12であり廃棄に
支障のない水溶液であった。
として用いて、アルミニウム板に塗布したウレタン塗膜
(大日本塗料社製の商品名エポニックス#90下塗−R
を1層塗装し、さらに大日本塗料社製の商品名エポニッ
クスVトップH上塗を2層塗装したもの)の剥離試験を
実施した。
を使用し、噴射ノズル先端への水供給量は10kg/m
inとした。また造粒物の供給速度は8kg/minと
した。すなわち、ブラストメディア1kg当たりの水供
給量は1.25kgであった。
な時間は1.7min/m2であり、ブラストメディア
の必要量は13.3kg/m2であった。作業中におい
て、ブラストメディアの飛散はほとんど認められず作業
者への安全上の支障も全くなく、作業環境または周辺環
境への影響も認められなかった。使用済みのブラストメ
ディアから剥離した塗料片を除いた後、さらに水を加え
て溶解した。この水溶液のpHは8.10であり廃棄に
支障のない水溶液であった。
トリウム(第1の水溶性塩)に、平均粒径153μmの
無水酢酸ナトリウム(第2の水溶性塩)を10重量%混
合した以外は、例1と同様に成形し造粒物を得た。得ら
れた造粒物は、重量基準の平均粒径が2.15mmであ
り、重量基準の平均硬度は3.4kgであった。
して、例1で行ったのと同様なエポキシ塗膜の剥離試験
を実施した。噴射媒体としては0.7MPaの圧縮空気
を使用し、噴射ノズル先端への水供給量は10kg/m
inとした。また造粒物の供給速度は8kg/minと
した。すなわち、ブラストメディア1kg当たりの水供
給量は1.25kgであった。
な時間は3.8min/m2であり、ブラストメディア
の必要量は30.8kg/m2であった。作業中におい
て、ブラストメディアの飛散はほとんど認められず作業
者への安全上の支障も全くなく、作業環境または周辺環
境への影響も認められなかった。使用済みのブラストメ
ディアから剥離した塗料片を除いた後、さらに水を加え
て溶解した。この水溶液のpHは8.15であり廃棄に
支障のない水溶液であった。
284μmの炭酸水素ナトリウムを、造粒せずにそのま
まブラストメディアとして使用し、例1で行ったのと同
様なエポキシ塗膜の剥離試験を実施した。
aの圧縮空気を使用してブラストメディアを8kg/m
inで供給し、噴射ノズル先端への水供給量を10kg
/minとした条件ではブラストメディアの飛散が発生
した。このため、噴射ノズル先端への水供給量を12k
g/minに増量して処理した。すなわち、ブラストメ
ディア1kg当たりの水供給量は1.50kgとして処
理した。この条件でのブラスト処理では、エポキシ塗膜
を全く剥離できなかった。
アを用いて、例1で行ったのと同様なエポキシ塗膜の剥
離試験を実施した。ただし、ブラストメディアの供給方
法としてはいわゆるドライブラスト工法で、噴射ノズル
先端への給水を行なわずに、噴射媒体としては0.7M
Paの圧縮空気を使用し、造粒物の供給速度は8kg/
minとして実施した。
な時間は5.9min/m2であり、ブラストメディア
の必要量は47.1kg/m2であった。例1に比較し
て剥離効率は大幅に低下した。またブラストメディアの
飛散が著しく、作業者への安全の面や周囲環境への影響
の面で極めて好ましくない結果であった。
アを用いて、例1で行ったのと同様なエポキシ塗膜の剥
離試験を実施した。ただし、ブラストメディアの供給方
法としてはいわゆるウォーターブラスト工法で、噴霧媒
体として圧力50MPaの加圧水を使用し、ブラストメ
ディアの供給速度は8kg/minとして実施した。
な時間は16.7min/m2であり、ブラストメディ
アの必要量は133.3kg/m2であった。例1に比
較して剥離効率は極めて低かった。
284μmの炭酸水素ナトリウムを、造粒せずにそのま
まブラストメディアとして使用し、例2で行ったのと同
様なエポキシ塗膜の剥離試験を実施した。噴射媒体とし
ては0.7MPaの圧縮空気を使用し、噴射ノズル先端
への水供給量は12kg/minとした。またブラスト
メディアの供給速度は8kg/minとした。すなわ
ち、ブラストメディア1kg当たりの水供給量は1.5
0kgであった。
要な時間は3.1min/m2であり、ブラストメディ
アの必要量は25.0kg/m2であった。例2に比較
して剥離効率は大幅に低下した。
アを用いて、例2で行ったのと同様なウレタン塗膜の剥
離試験を実施した。ただし、ブラストメディアの供給方
法は、いわゆるウォーターブラスト工法で、噴射媒体と
して圧力50MPaの加圧水を使用し、ブラストメディ
アの供給速度は8kg/minとして実施した。
のうちの狭い部分だけが剥離されて、まだらな仕上がり
となり、均一な剥離が困難であった。
造粒物について、水への溶解性を比較して、例3の造粒
物における第2の水溶性塩の効果を確認した。ただし、
平均粒径が異なるので、まず次のようにして粒度分布の
ほぼ同じ造粒物として比較した。すなわち、目開き2.
0mmの篩を用いて、造粒物から2.0mm以上の粒子
を除去した。
475gを入れた内径が105mmであるガラス製の1
000cm3ビーカーに投入し、長さ49mm、太さ8
mmの撹拌子を用いたスターラーにより500rpmで
撹拌し、造粒物が完全に溶解するのに要する時間を目視
で確認したところ10分51秒であった。
リウム25g含有)採取し、同様に溶解時間を測定した
ところ2分41秒であった。炭酸水素ナトリウムのみの
造粒物に比較して、無水酢酸ナトリウムを10重量%含
む造粒物のほうが溶解速度が速いことが確認された。
ライブラスト工法で問題となっていた粉塵による作業環
境の悪化が防止でき、かつ、処理能力は、従来のドライ
ブラスト工法やウォーターブラスト工法よりも良好であ
る。しかも、ブラストメディアである造粒物の硬度や粒
度を調節することにより、必要以上に被処理物の表面を
傷めることがない。
素ナトリウムを使用した場合は、適度な硬度を有するた
め、下地を傷めることがなく、かつ作業上安全であり、
廃棄に当たっても環境に影響を及ぼさない利点がある。
Claims (4)
- 【請求項1】加圧気体を用いてノズルからブラストメデ
ィアを噴射するブラスト処理方法であって、ブラストメ
ディアが水溶性塩を60重量%以上含有し、重量基準の
平均粒径が1〜10mmの造粒物であり、噴射ノズル先
端にブラストメディア1kgに対して0.01〜10k
gの水を供給して、ブラストメディアとともに水を噴射
するブラスト処理方法。 - 【請求項2】ブラストメディアが、水溶性塩を圧縮成形
し、次いでこれを粉砕して得られる造粒物である請求項
1記載のブラスト処理方法。 - 【請求項3】水溶性塩が、ブラストメディアに対して6
0〜99重量%の第1の水溶性塩、および、ブラストメ
ディアに対して1〜20重量%であり第1の水溶性塩よ
り水への溶解速度が高い第2の水溶性塩を含む請求項1
または2記載のブラスト処理方法。 - 【請求項4】第1の水溶性塩が炭酸水素ナトリウムであ
り、第2の水溶性塩が酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム
および硫酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種以上
である請求項3記載のブラスト処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11027788A JP2000225570A (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | ブラスト処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11027788A JP2000225570A (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | ブラスト処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000225570A true JP2000225570A (ja) | 2000-08-15 |
Family
ID=12230724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11027788A Withdrawn JP2000225570A (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | ブラスト処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000225570A (ja) |
-
1999
- 1999-02-04 JP JP11027788A patent/JP2000225570A/ja not_active Withdrawn
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