JP2000225099A - 生体磁場計測装置 - Google Patents

生体磁場計測装置

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JP2000225099A
JP2000225099A JP11030159A JP3015999A JP2000225099A JP 2000225099 A JP2000225099 A JP 2000225099A JP 11030159 A JP11030159 A JP 11030159A JP 3015999 A JP3015999 A JP 3015999A JP 2000225099 A JP2000225099 A JP 2000225099A
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waveform
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健二 勅使河原
Hiroyuki Suzuki
博之 鈴木
Keiji Tsukada
啓二 塚田
Kazuhisa Machida
和久 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体磁場計測装置において、チャンネルを指定
して一画面のデータ情報量を極力多く観察でき、画面に
表れるデータ情報の視認性の機能向上及び画面表示の操
作の簡便性を図る。アベレージング処理等に貢献でき
る。 【解決手段】生体磁場計測装置において、単一チャンネ
ル時間波形表示処理606或いは複数チャンネル時間波
形表示処理607によって、指定チャンネルの計測信号
を時間波形として一画面に複数行の時間軸にわたり表示
する。時間波形の一部を指定して拡大表示処理したり、
時間波形の繰り返されるピーク間の時間間隔(例えば心
拍のR−R間隔)をヒストグラム処理(棒グラフ)処理
する手段も備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の脳の神経活
動や心臓の心筋活動等に関係する生体内電流等が原因で
発生する生体の磁場を計測する生体磁場計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気センサである超伝導量子干
渉素子(SQUID=Superconducting Quantum Interf
erence Device)を用いて、生体から発生する微弱な磁
場の分布を測定し、その測定結果から、生体内部の活動
電流の位置を推定し、その分布をイメージングする多チ
ャンネル(多数の磁気センサをマトリックス配置したも
の)の生体磁気計測装置が知られている。そのような従
来例は、たとえば特開平4−319334号公報,特開
平5−146416号公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例は、生体磁
気イメージング装置に関する動作原理に関するものであ
り、その開示内容には実施化する上での技術課題や解決
手段が開示されていない。また、前記従来例は脳の内部
に発生する生体活動電流に関するものであって、他の部
位に関する具体的な開示はなされていない。
【0004】この種の生体磁場計測装置の実用化に必要
な条件として、生体から発せられる微小磁場をノイズの
影響を極力排除して検出することが望まれている。その
ため、環境磁気雑音の影響を除去するために、生体磁場
計測装置を磁気シールドルーム内に設置するほかに、そ
の他のノイズや生体現象の突発的現象の影響を排除する
ために計測データである磁場信号をアベレージング処理
することが必要とされている。
【0005】アベレージング処理とは、収集した磁場信
号の中で繰り返し表れる生体活動に関係した時間波形
(例えば心臓の磁場計測を行なう場合にはその中に表れ
る心拍に相当する時間波形)を加算して平均処理の計算
を行い、ノイズを減らした滑らかな波形にする処理のこ
とである。例えば心磁計(心臓の磁場を計測する生体磁
場計測装置は心磁計と称されることもある)にアベレー
ジング処理を適用すれば、個人差のある心拍パターンを
正確にとらえ、種々の心臓疾患等を正確にとらえること
ができるものとして期待されている。
【0006】本発明の主たる目的は、複数チャンネルの
磁気センサを用いた生体磁場計測装置において、全チャ
ンネルの計測データを画面に表示するほかに、チャンネ
ルを指定して一画面のデータ情報量を極力多く観察で
き、しかも、画面に表れるデータ情報の視認性の機能向
上及び画面表示の操作の簡便性を図ることにある。さら
に、アベレージング処理等に貢献でき、迅速且つ高信頼
のデータ解析が行い得る生体磁場計測装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には次
のように構成される。
【0008】(1)第1の発明は、被検者の生体内から
発せられる複数位置の磁場を複数の磁気センサを用いて
計測する生体磁場計測装置において、前記複数の磁気セ
ンサに対応するチャンネルをディスプレイの画面に表示
するチャンネル表示手段と、前記チャンネル表示手段の
中から所望のチャンネルを指定するチャンネル指定手段
と、指定されたチャンネルの計測信号を時間波形として
一画面に複数行の時間軸にわたり表示する時間波形表示
手段と、を備えてなる。
【0009】このような構成によれば、複数チャンネル
の磁気センサを用いて生体の複数位置の磁場を計測する
場合、特に計測データが生体活動に関係して繰り返し表
れる時間波形であっても、それをチャンネルを指定し
て、指定されたチャンネルの時間波形(計測情報)を、
一画面に複数行にわたる長時間の時間軸によって連続的
により多く観察者に知らせることが可能になる。観察者
は、この画面を通して同一チャンネルで繰り返し表れる
多数の時間波形同士を互いに較べて観察でき、例えば、
この中で、アベレージング処理に適したデータと適しな
い不良データの選別も可能になる。
【0010】(2)第2の発明は、生体磁場計測装置に
おいて、前記同様のチャンネル表示手段と、チャンネル
指定手段とを有し、さらに、指定されたチャンネルの計
測信号を時間波形として一画面に時間軸の長さを任意に
設定可能に表示する時間波形表示手段と、前記時間波形
の一部を選択して拡大表示する波形拡大表示手段と、を
備えてなることを特徴とする。
【0011】上記構成によれば、複数チャンネルの中の
指定されたチャンネルの計測データを時間波形として一
画面に時間軸の長さを任意に設定して表示できるので、
一画面で知りたい各チャンネルの時間波形の情報を十分
に得ることができ、しかも、その中から、より詳細な情
報を知りたい場合に、波形の一部拡大を伴って、その詳
細情報を知ることができる。
【0012】(3)第3の発明は、第1の発明の構成要
素に加えて、前記時間軸上に繰り返し表れる特徴的な時
間波形の中からアベレージング処理に適した時間波形を
選択する波形選択手段と、選択された時間波形について
アベレージング処理のための演算を実行する演算手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0013】上記の波形選択手段としては、例えば、画
面を通して操作者がアベレージング条件を設定し該アベ
レージング条件を満足する時間波形を演算により選択す
る方式と、画面を通して操作者が直接選択する方式のい
ずれか一方あるいは双方を併用するものが考えられる。
【0014】このような構成によれば、例えばアベレー
ジング処理の対象となる時間波形が繰り返し表れる心拍
等に相当する計測信号である場合において、その計測信
号のうちノイズ等の突発的な影響がほとんどない心拍デ
ータだけを迅速に選別して、良好なアベレージング処理
を実行でき、信頼性の高い生体磁場計測データを提供で
きる。
【0015】(4)第4の発明は、生体磁場計測装置に
おいて、ディスプレイの画面に表示されている計測磁場
データの時間波形上の一点を指定して、その指定された
点の磁場強度及び時間を時間波形の画面を通して表示す
る一点表示手段を備えていることを特徴とする。
【0016】このような構成によれば、計測磁場データ
の時間波形の形態のほかに、その一点を指定して、指定
された点の磁場強度及び時間を併せて一画面に知ること
ができ、より詳細な情報を簡単な表示操作によって知る
ことができる。
【0017】(5)第5の発明は、生体磁場計測装置に
おいて、計測された信号の中の繰り返し表れる特徴的な
時間波形のピークとピークとの間の時間間隔を棒グラフ
により表示する棒グラフ表示手段を備えてなることを特
徴とする。
【0018】時間軸上に繰り返し表れる特徴的な時間波
形のピークは、例えば、心臓磁場データとなる心拍のR
波のピーク値である。
【0019】上記構成によれば、時間波形のピークとピ
ークの間の時間間隔(例えば心拍のR−R間隔)の長短
から時間波形の中に不良の時間波形(例えば、ノイズや
不整脈)が含まれているか否か知ることができ、この不
良データを排除することで、アベレージング処理その他
のデータ解析処理の信頼性を高める。また、心拍のR−
R間隔等を棒グラフ及びヒストグラムでグラフ化するこ
とにより、データ解析機能を拡張させる。
【0020】(6)第6の発明は、生体磁場計測装置に
おいて、前記同様のチャンネル表示手段と、チャンネル
指定手段とを有し、さらに、指定されたチャンネルの計
測信号を時間波形として一画面に複数行の時間軸にわた
り表示する時間波形表示手段と、前記時間軸上に繰り返
し表れる特徴的な時間波形のピークとピークとの間の時
間間隔を前記時間波形の表示画面中に棒グラフにより表
示する棒グラフ表示手段と、を備えてなることを特徴と
する。時間軸上に繰り返し表れる特徴的な時間波形のピ
ークは、例えば、心臓磁場データとなる心拍のR波のピ
ーク値である。
【0021】上記構成によれば、上記(5)同様の作
用,効果を得るほかに時間波形のピーク間隔(例えば心
拍のR−R間隔)の棒グラフとそれに対応の時間波形を
併せて表示するので、棒グラフの部分が時間波形ではど
のようになっているが即時に確認できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0023】図1は本発明の適用対象となる生体磁気計
測装置の実施例を示す概略構成図である。
【0024】本実施例の生体磁気計測装置は、一例とし
て、心臓の磁場分布を計測する心臓磁気計測装置(心磁
計)を例示しており、環境磁気雑音の影響を除去するた
めに、生体磁気計測装置は磁気シールドルーム1内に設
置される。生体からなる被検体(被検者)2は、通常は
ベッド3に仰向け状態でその心磁計測が行われるが、う
つ伏せなどの状態で計測が行われる場合もある。
【0025】被検者の生体面(胸部の場合は一般に胸壁
に平行な面)はベッド3の面とほぼ平行であるとみな
し、そしてこの面は直交座標系(x,y,z)のx−y
平面と平行であるものとみなす。実際には、被検者の胸
部は曲面であると共に傾いているが、説明を簡単にする
ためにほぼ平行とする。
【0026】被検者2の胸部の上方には、冷媒である液
体Heで満たされたデュワ4が配置され、デュワ4はS
QUID(超伝導量子干渉素子)とそのSQUIDに接
続された検出コイルとを含む複数個の磁気センサを収容
している。液体Heは磁気シールドルーム1の外部にあ
る自動補給装置5から連続的に補給される。
【0027】磁気センサの出力は、被検者2から発生し
て検出コイルにより検出される生体磁場の強度(磁束密
度と考えることもできる)と特定の関係をもつ電圧を出
力し、その出力がFLL(Flux Locked loop)回路6に
入力される。このFLL回路6は、SQUIDの出力を
一定に保つように、SQUIDに入力された生体磁場
(生体磁気)の変化を帰還コイルを介してキャンセルす
る(これを磁場ロックと呼ぶ)。その帰還コイルに流し
た電流を電圧に変換することにより、生体磁場信号の変
化と特定の関係にある電圧出力を得ることができる。こ
のように帰還コイルを介して検出する方式を取っている
ので、微弱の磁場を高感度に検出できる。
【0028】上記出力電圧は増幅器・フイルタ・増幅器
(AFA)7に入力され、その出力はサンプリングされ
て、A/D変換器7−2によりA/D変換され、計算機
8に取り込まれる。
【0029】計算機8はパーソナルコンピュータからな
り、8−1はそのデイスプレイ部、8−2はキーボー
ド、そして8−3はマウスを示す。
【0030】マウス8−3は画面上でカーソルを移動さ
せて処理対象を選択するのに用いられる。この操作はキ
ーボードを操作することによっても行うことができる。
計算機にはプリンタ9が接続されており、ディスプレイ
部8−1で表示された内容を出力用紙に配置して出力す
ることができる。プリンタはカラー印刷でも白黒印刷で
もよいが、本実施例ではカラー印刷可能なプリンタが接
続されている。
【0031】AFA7の入力ゲイン及び出力ゲインは調
整可能であり、また、AFA7は第1の基準周波数以下
の周波数信号を通過させるローパスフイルタ、第1の基
準周波数よりも低い第2の基準周波数以上の周波数信号
を通過させるハイパスフイルタ及び商用電源周波数をカ
ットするノッチフィルタを含む。
【0032】計算機8は各種の処理を行うことができ、
その処理結果はディスプレイ部8−1に表示される。
【0033】なお、図1で示す計算機8は一実施例を示
したものであり、これに限定されるものではない。例え
ば、タッチパネルを備えたディスプレイを備えたもの
や、マウスに変えて他の座標指示装置、例えばトラック
ボールやジョスティック等のポインティングデバイスを
使用したものでもよい。また場合によっては公衆電話回
線を介して接続される計算機でもよい。
【0034】SQUIDとしては、例えば一例として直
流SQUIDが用いられる。SQUIDに外部磁場が与
えられたときに、それに対応する電圧(V)が発生する
ようにSQUIDには直流バイアス電流(Ibias)が流
される。その外部磁場を磁束Φで表すと、VのΦに対す
る特性曲線すなわちΦ−V特性曲線は周期関数で与えら
れる。計測に当っては、それに先立って、FLL回路6
のオフセット電圧(VOFF)を調整してΦ−V特性曲線
の直流電圧をゼロレベルにする操作が行われる。
【0035】図2は磁気センサの配置構成を示す。磁気
センサの検出コイルには生体磁場の接線成分(生体面す
なわちx−y平面にほぼ平行な成分)を検出するコイル
と生体磁場の法線成分(生体面すなわちx−y平面に直
交する成分)を検出するコイルがある。生体磁場の接線
成分を検出するコイルとしては、コイル面がx方向及び
y方向をそれぞれ向いた2つのコイルが用いられ、ま
た、生体磁場の法線成分を検出するコイルとしてはコイ
ル面がz方向を向いたコイルが用いられる。
【0036】複数個の磁気センサ20−1〜20−8、
21−1〜21−8、22−1〜22−8、23−1〜
23−8、24−1〜24−8、25−1〜25−8、
26−1〜26−8及び27−1〜27−8は、図2に
示されるように、生体面すなわちx−y平面とほぼ平行
な面上にマトリックス状に配置される。磁気センサの数
は任意であってよいが、図2では、磁気センサのマトリ
ックスは8行8列からなっているから、磁気センサの数
は8×8=64である。
【0037】各磁気センサは、図2に示されるように、
その長手方向が生体面すなわちx−y平面に対して垂直
な方向(z方向)と一致するように配置される。なお、
この一実施例ではベッド面とセンサのX−Y面とを平行
にしているが、測定精度を高めるには体に接近させる方
が良く、傾けるようにすることができる。但し、被検者
である人体は常に動いているので、人体に密着させると
この動きが検出部を動かし、かえって高精度の検出が困
難となる。
【0038】図3は磁気センサの各々の、生体磁場の法
線成分Bzを検出するセンサの構成を示す。同図におい
て、超伝導線(Ni−Ti線)で作られたコイルはその
コイル面がz方向を向くように配置される。このコイル
は互いに逆向きの2つのコイル10及び11の組み合わ
せからなり、被検者2に近い方のコイル10は検出コイ
ルとされ、遠い方のコイル11は外部磁場雑音を検出す
る参照コイルとされる。
【0039】外部磁場雑音は被検者よりも遠い信号源か
ら生じており、したがって、その雑音信号は検出コイル
10及び参照コイル11の両方によって検出される。一
方、被検者からの磁場信号は微弱であり、したがって、
その生体磁場信号は検出コイル10によって検出される
が、参照コイル11はその生体磁場信号にほとんど感応
しない。このため、検出コイル10は生体磁場信号と外
部磁場雑音信号を検出し、参照コイル11は外部磁場雑
音信号を検出するから、両コイルで検出された信号の差
をとることによりS/N比の高い生体磁場の計測が可能
となる。これらのコイルはSQUID12を実装した実
装基板の超伝導線を介してSQUIDの入力コイルに接
続され、これによって、検出された生体磁場信号の法線
方向の成分BzがSQUIDに伝達される。
【0040】図4は磁気センサの各々の、生体磁場の接
線成分Bx及びByを検出するセンサの構成を示す。同
図において、接線方向の生体磁場成分検出用のセンサで
は平面コイルが用いられる。すなわち、検出コイル10
´及び10″並びに参照コイル11´及び11″は平面
コイルからなり、これらは互いにz方向において間隔づ
けられている第1及び第2の平面にそれぞれ配置され
る。これらのコイルは法線成分用と同様にSQUID1
2´及び12″の実装基板の入力コイルに接続される。
4角柱の互いに直交する2面に、これらのBx成分検出
用のセンサ13及びBy成分検出用のセンサ14が貼付
けられ、これによってBx成分及びBy成分を検出し得
るセンサが形成される。
【0041】接線成分Bx、Byについては、これを図
4に示される磁気センサを用いて検出する以外に、図3
の磁気センサで得られた法線成分Bzをx、yについて
偏微分して求めてもよい。この場合は一つの磁気センサ
で接線成分Bx、Byと法線成分Bzとの両方を検出
し、測定することができる。
【0042】図5は図2で示した磁気センサと被検者2
の被計測部である胸部30との位置関係を示す。示され
ている点は図2に示されるマトリックス上の行と列との
交点すなわち被検者2の計測点すなわち計測位置を表
す。これらの各計測位置をチャンネルとも呼ぶ。
【0043】図からわかるように、この実施例では、被
検者2の頭部から脚部を結ぶ体軸方向をy方向とし、被
検者2の横方向をx方向としている。各磁気センサは1
から64までの連続番号および格子上の位置によって識
別している。1から64までの連続番号は左上隅にある
磁気センサを1(チャンネル)とし、以下右に向かって
2、3、4、…となり、右上隅の磁気センサが8チャン
ネルとなる。続いて2段目左隅の磁気センサから9、1
0、…となり、2段目右隅の磁気センサが16チャンネ
ルとなる。以下同様にして番号が付与され、右下隅の磁
気センサが64チャンネルとなる。また格子上位置で磁
気センサを識別する場合にはn行m列と表現する。磁気
センサ1ならば1行1列、磁気センサが64チャンネル
ならば8行8列となる。
【0044】図19に磁気センサで検出される一心拍分
の心磁信号の波形パターンの例を示す。心磁信号の基本
的な波形パターンは心電図の波形パターンと対応してお
り、P波、QRS波、T波を確認することができる。P
波は洞結節から発射された刺激波によって心房筋が興奮
する過程を、QRS波は左右両心室の興奮過程を、T波
は心室の興奮からの回復過程を表している。U波の電気
生理学的な意味はまだ十分には解明されておらず、また
振幅が小さくて確認できないことが多い。
【0045】生体からの磁場の計測位置(センサ位置)
における信号を演算処理した結果の物理量として、ある
時刻の磁束密度、時間区間内の磁束密度を時間で積分し
た時間積分値、および心臓磁気計測の場合には基準時刻
からQRS波のピーク位置時点までの時間である伝播時
間などがある。
【0046】心磁波形値つまり磁束密度が等しい点を結
んで作られたマップを等磁線図と呼ぶ。各チャンネルは
粗く設定されているので、予め等磁線の間隔つまり磁場
強度差を設定して各チャンネル間を直線補間して等磁線
を描くことにより、より診断に適した図を作ることがで
きる。
【0047】心磁波形データは予め定められた時間範囲
にわたって積分されてもよい。その時間積分値が等しい
点(チャンネル)を結んで作られたマップを時間積分図
と呼ぶ。
【0048】各センサで検出された信号データの時間特
性において、時点t1からQRS波のピーク位置時点ま
での時間を伝播時間と呼び、その伝播時間が等しい点を
結んで作られたマップを伝播時間図と呼ぶ。t1時点は
更に、QRS波のピーク位置時点を検出し、この時点を
基準として決定されてもよい。
【0049】等磁線図、時間積分図および伝播時間図は
センサの配置されている平面に対応させて再構成される
が、各演算処理による特性量を該平面に垂直な方向に採
って3次元マッピングとして再構成することもできる。
【0050】ここで、本発明の要旨の具体例についての
説明を行う。
【0051】生体磁気信号の計測およびデータ表示解析
はすべて計算機8によって実行され、ディスプレイ部8
−1、キーボード部8−2、マウス8−3によって操作
される。
【0052】図6は本発明を具体化する装置のブロック
構成図である。本例は一例として心磁計を例示している
が、これに限定されず、脳の磁場を計測する脳磁計に適
用してもよい。
【0053】図6に示すように、心臓磁場データ計測手
段(SQUID;磁気センサ)601で計測された計測
データは、心臓磁気生データファイルに取り込まれた
後、種々の画面表示処理部(計測モニタ画面処理部61
0,時間波形拡大表示処理部605,単一チャンネル時
間波形表示処理部606,複数チャンネル時間波形表示
処理部607,R−Rヒストグラム表示処理部608,
等磁場線図表示処理部609)を表示モード選択手段6
11で選択することによって所定のデータ表示処理を施
された後、表示画面部610に表示される。また、アベ
レージング処理手段を駆動させることで、計測データ
(時間波形)についてアベレージング処理がなされる。
ここで、アベレージング処理とは、収集した心臓磁場信
号(計測データ)中の各心拍(時間波形)に対して加算
平均処理する計算を行い、ノイズを減らした滑らかな波
形にする処理のことである。アベレージング処理された
計測データは、データファイル604に格納(記憶)さ
れ、上記心臓磁気生データファイルに代わって上記した
種々の画面表示処理部610,605,606,60
7,608,609を介して表示可能にしてある。この
画面表示処理部610,605〜609,心臓磁気生デ
ータファイル602,アベレージング処理部603,心
臓磁気アベレージングデータファイル604,表示モー
ド選択手段611は、計算機8で構成される。以下、上
記した各画面表示処理部が行なう画面表示処理態様を図
7〜図17を参照して説明する。
【0054】図7は、計測モニタ画面処理部610が実
行するデータ表示処理内容の画面であり、心臓磁気の磁
場を計測している時に表示される画面(以下、計測画面
とする)であり、計測画面の左方ある情報表示領域(表
示部)701には、磁場計測対象となる被検者の情報が
示される。
【0055】画面中央は計測モニタ表示領域であり、計
測した心磁波形がモニタ表示されている。
【0056】画面右側には、マウスやキーボード等のカ
ーソル操作で心磁計測に関する種々の条件設定が可能な
操作表示領域が形成され、その中の上部には、選択チャ
ンネル領域(チャンネル表示手段)706が形成され、
マウス操作等でチャンネルボタン(チャンネル指定手
段)705を介して所望のチャンネル例えば1、9、1
7、25、33、41、49、57のチャンネル番号を
指定すると、これらのチャンネルに相当する磁気センサ
で収集されている磁場信号の時間波形がモニタ表示され
る。
【0057】また、一例として、磁場信号の計測時間を
サンプリング時間入力ボックス709に60〔sec〕、
磁場信号の計測する間隔をサンプリング間隔入力ボック
ス710に0.5〔msec〕と入力している。また表示スケ
ールの時間をスケール時間入力ボックス711に100
0〔msec〕、時間波形の縦軸スケール幅ボックス712
に波形の最大値(最大磁束密度)の縦幅10〔pT〕を
入力している。
【0058】これらの条件設定後に、計測開始ボタン7
07を押すと、計測が開始し計測時間60〔sec〕、サ
ンプリング間隔0.5〔msec〕で収集した磁場信号が図
6に示す心臓磁気生データファイル602に格納され
る。
【0059】計測が終了した後に、画面上部にあらわれ
るメニューバー部の全チャンネルボタン713−1を押
すと、図8の全チャンネル時間波形表示画面に切り替わ
る。
【0060】図8の全チャンネル時間波形表示画面にお
いて、全チャンネル時間波形表示領域802には、それ
ぞれチャンネル番号(符号819で示す)に対応する収
集した磁場信号の時間波形801が表示されており、全
チャンネルの波形が確認できる。
【0061】時間スケール入力ボックス805の値を変
更することにより、各時間波形表示領域802に表示さ
せる時間波形の横軸時間を変更できる。同様に信号スケ
ール入力ボックス806の値を変更することにより、グ
リッドマップ時間波形表示領域802に表示させたい時
間波形の縦軸振幅を変更することができる。
【0062】一方、図7の計測画面において、計測終了
後に、単一チャンネル時間波形表示ボタン713−2を
押すと、表示モード選択手段611によって単一チャン
ネル時間波形表示処理部606が選択され、図9の単一
チャンネル時間波形表示画面に切り替わる。時間波形表
示処理部(時間波形表示手段)606は、指定された単
一チャンネルの計測信号を時間波形として一画面に複数
行の時間軸にわたり表示する。
【0063】図9の単一チャンネル時間波形表示画面に
て、右上方には選択チャンネル領域(チャンネル表示手
段)906があり、一例としてチャンネルボタン905
によりチャンネル番号1を選択した時の時間波形が波形
表示領域に複数行にわたって表示され、また、選択ボタ
ン905では該当チャンネルを選択したことが視認でき
るようにデフォルトで表示されている。波形表示領域に
も符号920に示す選択チャンネル表示部が設定され
て、1Ch.が表示されている。
【0064】図9の画面右側の操作表示領域にて、単一
チャンネル時間波形表示の横軸スケール時間ボックス9
08に40〔sec〕が指定されており、複数行(ここで
は8行)にわたる単一チャンネル時間波形表示領域92
6−1〜8には、0〜40〔sec〕の時間波形(計測デ
ータ)が表示されている。横軸スケール時間ボックス9
08は、時間波形を表示する時間軸の長さを任意に設定
可能にする手段となる。
【0065】単一チャンネル時間波形表示領域の1列目
926−1には1チャンネルで収集された0〔sec〕〜
5.0〔sec〕の時間波形901−1が表示され、2列目9
26−2には5.0〔sec〕〜10.0〔sec〕の時間波形90
1−2が表示され、以下同様に5.0〔sec〕単位で8列目
926−8まで時間波形が表示される。
【0066】時間波形横軸の時間スケール入力ボックス
908に、単一チャンネル波形表示の横軸(時間軸)の
最大表示時刻を入力することにより、任意の表示時間幅
に変更することができる。本実施例では60〔sec〕で
計測したが、時間スケール908が40〔sec〕と入力
されており、40〔sec〕分の時間波形が表示されてい
る。表示されていない時間波形を表示させたい場合は、
画面下部に設けた横軸スクロールバー925をマウスや
キーボードによるカーソル操作で動かすことにより表示
させることができる。また、横軸スケール時間ボックス
908に60〔sec〕と入力すれば収集した全時間分の
時間波形が表示される。
【0067】縦軸スケールも同様に、時間波形の縦軸ス
ケール幅入力ボックス909に最大波形幅(最大磁束密
度)を入力することにより、任意の縦軸磁束密度に変更
することができる。
【0068】図9の単一チャンネル時間波形表示画面に
おいて、メニューバー部の複数チャンネル時間波形表示
ボタン929を押すと(図7,図8の複数チャンネル時
間波形表示ボタンを押してもよい)、表示モード選択手
段611が複数チャンネル時間波形表示処理部(時間波
形表示手段)607を選択することにより、図10の複
数チャンネル時間波形表示画面が開く。
【0069】図10では、選択チャンネル領域1006
のチャンネル選択ボタンのうちチャンネル番号1(10
07)とチャンネル番号4(1007−2)の2つのチ
ャンネルが選択されているので、時間波形表示領域10
02−1〜4、1003−1〜4は8列であるから、上
4列1002−1〜4にチャンネル番号1の時間波形1
001が表示され、下4列1003−1〜4にチャンネ
ル番号4の時間波形1001−2が表示される。本実施
例ではチャンネル番号1と4の時間波形を選択したが、
チャンネル番号はチャンネル選択ボタン1006により
任意に選択可能であり、選択されたチャンネル番号の時
間波形が表示される。
【0070】図11は複数チャンネル時間波形表示画面
で4つのチャンネルの時間波形を表示したものである。
本例では、選択チャンネル領域(チャンネル表示手段)
1101の選択ボタンによって、チャンネル番号1、
4、40、56の4つのチャンネルが選択されているの
で、時間波形表示領域1104−1〜2、1105−1
〜2、1106−1〜2、1107−1〜2に2列毎に
分けられて表示される。時間波形表示領域1104−1
〜2にはチャンネル番号1の時間波形1101−1が表
示され、1105−1〜2にはチャンネル番号4の時間
波形1101−2が表示され、1106−1〜2にはチ
ャンネル番号40の時間波形1101−3が表示され、
1107−1〜2にはチャンネル番号56の時間波形1
101−4が表示される。複数チャンネル時間波形表示
画面の時間波形表示領域は8列あるので一度に8チャン
ネルまで指定可能である。
【0071】図9の単一チャンネル時間波形表示画面に
おいて、時間波形上901−1〜8にマウス操作などに
よってポインティングデバイス(一点表示手段)を91
8のように指し示すことによって、時間波形の点の時間
と対応する磁束密度が919のように表示される。これ
により時間波形901−1〜8上の任意の点の正確な磁
束密度と時間を確認することができる。
【0072】図9の単一チャンネル時間波形表示画面の
下部には、収集した心臓磁場波形の各心拍の最大(R波
と呼ばれる中のピーク値)から次の心拍の最大までの時
間間隔(R−R間隔と呼ばれる)のR−R間隔(ピーク
間隔)棒グラフ表示領域927を設けている。このR−
R間隔棒グラフ表示領域927は、単一チャンネル時間
波形表示モード時に表示モード選択手段611がR−R
間隔ヒストグラム表示処理部(棒グラフ表示手段)60
8を選択することで、図9の画面中に表れる。表示領域
611の横軸はR−R間隔を収集順に示しており、縦軸
923にR−R間隔時間を示すことで、各R−R間隔を
棒グラフ921であらわしている。
【0073】R−R間隔棒グラフ921から分かること
は、普通人間の心臓の心拍の時間間隔はほぼ一定である
が、被検者の感情の起伏により、このR−R間隔が通常
より小さくなったり大きくなったりした場合や、なにか
外乱により心臓の磁場ではないノイズが入った場合の信
号を見つける目安になる。
【0074】本実施例では、約13秒付近に外乱と思わ
れる信号波形904が入っており、R−R間隔棒グラフ
921の中で符号922がこれを表わしている。この場
合、この外乱と思われる信号波形904はアベレージン
グ処理を実行しないようにする(この点については後述
する)。
【0075】R−R間隔棒グラフ表示部927における
各棒グラフが時間波形上でどの波形の間隔を表示してい
るのかを知りたい場合は、知りたいR−R間隔棒グラフ
上をカーソル等で指定すると、その指定棒グラフ及びこ
れに時間波形で対応するR−R間隔(ピーク間隔)の領
域に他の時間波形と識別する色(識別色;識別表示手段
であり、色に代わり網かけのようなものでもよい)が塗
られて表示される。本実施例では922の棒グラフを押
して、対応する926の波形領域に識別色が塗られて表
示されている状態を示している。
【0076】図9の単一チャンネル時間波形表示領域9
26−1〜8内で、902で示すようにマウスなどのポ
インティングデバイスによって領域を選択し、操作表示
領域における波形拡大ボタン928を押すと、表示モー
ド選択手段611が時間波形拡大表示処理部(波形拡大
表示手段)605を選択し、この時間波形拡大表示処理
部605によって、図12の拡大波形表示画面に切り替
わり、選択された領域902内の波形が拡大されて拡大
時間波形表示領域1203に時間波形(心拍波形)12
02が表示される。縦軸1201は心臓磁場の磁束密度
のスケールを示し、横軸1204は時間スケールを示
す。
【0077】横軸1204の時間スケールは、デフォル
ト902(図9参照)で指定された横軸選択範囲の80
0〔msec〕となっているが、画面右側の操作表示領域に
おけるスケール時間入力ボックス1207に任意の時間
を入力することにより、任意のスケール幅に変更するこ
とができる。縦軸スケールも同様に、時間波形の縦軸ス
ケール幅入力ボックス1208に最大磁束密度を入力す
ることにより、任意の縦軸磁束密度(波形の最大縦幅)
に変更することができる。
【0078】また、横軸時間波形スクロールバー121
0を左右に移動させることにより、拡大時間波形表示領
域以外の時間での時間波形をみることができる。
【0079】拡大表示終了ボタン1209を押すと、図
12の拡大波形表示画面を終了して、前に表示していた
画面に戻るよう設定されている。本実施例では図9の単
一チャンネル時間波形表示画面に戻る。
【0080】図9の単一チャンネル時間波形表示画面に
おいて、単一チャンネル時間波形表示領域926−1〜
8内で、902で示すようにマウスなどのポインティン
グデバイスによって領域を選択し、等磁場線図表示ボタ
ン917を押すと、表示モード選択手段611によって
等磁場線図表示処理部609が選択され、図16の等磁
場線図表示画面に切り替わる。
【0081】等磁場線図表示処理部609によって、ポ
インティングデバイス902で選択された範囲の時間波
形926が参照チャンネル表示領域1605に表示さ
れ、デフォルトで、時間波形926の最初の時刻の等磁
場線図1601が表示される。等磁場線図表示時刻設定
カーソル1603または、等磁場線図表示時刻入力ボッ
クス1609に表示させたい時刻を入力することによ
り、任意の時間の等磁場線図が表示される。時間波形ス
クロールバー1606を左右に動かすことにより、参照
チャンネル表示領域1605の中の表示されていない時
間波形が表示されるようにしてある。
【0082】ここで、計測データ(心磁波形)のアベレ
ージング処理について説明する。
【0083】アベレージング処理は、図8の全チャンネ
ル時間波形表示画面、図9の単一チャンネル時間波形表
示画面、図10の複数チャンネル時間波形表示画面にお
いて、各操作表示領域のアベレージング条件設定入力ボ
ックスに条件設定を行なうことでアベレージング処理手
段(演算手段)603により実行されるが、ここでは、
まず、単一チャンネル時間波形表示画面でのアベレージ
ング処理について説明する。
【0084】図9に示す単一チャンネル時間波形表示画
面において、右方に配置してあるアベレージング条件設
定入力ボックスに示されている各パラメータは、アベレ
ージング処理を実行する際のパラメータである。
【0085】パラメータのうち、しきい値912は1心
拍の磁束密度の大きさの値を入力し、上限913と下限
914は1心拍の最大R波を見つける磁束密度範囲を指
定し、1心拍内の下限値914から上限913内に1心
拍の最大R波が入っている波形のなかで、しきい値91
3の値に対応する時間からどのくらい前からアベレージ
ング処理行うを指定するのがオフセット時間1301
(図13参照)とよばれ、オフセット入力ボックス91
1に入力する。
【0086】アベレージング時間は、アベレージング処
理を行う全体の時間のことであり、アベレージング時間
入力ボックス910に入力する。本実施例では、アベレ
ージング時間入力ボックス910に800〔msec〕、オ
フセット時間入力ボックス911に400〔msec〕、し
きい値入力ボックス912に6〔pT〕、上限913に9
〔pT〕、下限914に7〔pT〕を入力してアベレージン
グ処理を行う。
【0087】上記のアベレージングの条件(パラメー
タ)設定後に、メニューバー部のアベレージング波形選
択ボタン916を押すと、画面は図13の画面に切り替
わって、1303−1〜39で示すようにアベレージン
グパラメータに一致する波形(アベレージング条件を満
足する波形)にそれを示す識別色が塗られて表示され、
この識別色の塗られた波形がアベレージング対象の波形
となる。
【0088】符号1304で示す波形の振幅の最大は、
約10〔pT〕の波形で、上限入力ボックス1310に入
力されている9〔pT〕と下限入力ボックス1311に入
力されている7〔pT〕の範囲外なので、アベレージング
対象外となる。
【0089】アベレージング回数はアベレージング対象
の波形の数でありアベレージング回数入力ボックス13
12に表示される。
【0090】アベレージング波形の選択は、上記のよう
にアベレージング条件を設定して演算により選択する方
式のほかに、操作者が画面を通して任意に直接選択する
ことも可能であり、1303−1〜39で選択されてい
る波形でアベレージング対象外としたい心拍の選択され
ている領域を押すことによって色が消えアベレージング
対象外となる。また、反対に選択されていない波形の波
形(心拍)上をカーソル指定で押すと、押された場所を
基準にその前後にかかる範囲を選択された状態の識別表
示にする。本実施例では、1303−8のアベレージン
グ対象の心拍波形を押し、これが図14で示すようにア
ベレージング対象外となる。アベレージング対象心拍波
形が1つ減るのであるからアベレージング回数1401
は38回と表示される。なお、アベレージング波形選択
手段は、上記したようなアベレージング条件を満足する
時間波形を演算により選択する方式及び操作者が画面を
通して直接選択する方式のいずれか一方だけで構成して
もよい。
【0091】アベレージング実行ボタン1402を押す
と、選択されている心拍波形についてアベレージング処
理が行われる。その際、他のチャンネルについても図1
4で選択されている波形と同じ時刻でアベレージング処
理される。すなわち、他のチャンネルでも、アベレージ
ング対象外となる波形は同様であるため、画面に表れて
いる波形と同じ時刻でアベレージング処理される。
【0092】アベレージング処理された結果は、図6に
示す心臓磁気アベレージングデータファイル604に格
納される。アベレージング波形表示ボタン1403を押
すことによって、図15のアベレージング波形表示画面
に切り替わる。
【0093】図15のアベレージング波形表示画面にお
いて、アベレージング波形表示領域1503−1〜8に
は、アベレージング処理をした時間波形が表示される。
表示する時間波形のチャンネル番号は選択チャンネル
(チャンネル表示手段)1505のボタン操作によって
任意に選択可能である。本実施例では1504で示す、
チャンネル番号1,9,17,25,33,41,4
9,57が選択されており、1503−1のアベレージ
ング波形表示領域にはチャンネル番号1の波形1502
−1が表示され、1503−2のアベレージング波形表
示領域にはチャンネル番号9の波形1502−2が表示
され、以下同様にチャンネル番号57までの波形が表示
される。
【0094】横軸時間スケール1506、縦軸磁束密度
スケール1507は任意の値を入力することによって変
更できる。横軸スクロールバー1512を左右に動かす
ことによって表示されていない時間が表示される。
【0095】等磁場線図表示ボタン1508を押すと図
16に示す等磁場線図画面に切り替わる。
【0096】図16の等磁場線図表示画面において、時
間波形表示領域1605には、本画面を開く前に表示し
ていたアベレージング波形1510が表示される。時間
波形表示領域1605に表示する波形のチャンネルは参
照チャンネル入力ボックスで入力することにより任意の
チャンネルの時間波形を表示することが出来る。等磁場
線図表示領域1601には表示時刻入力ボックス160
9で指定されている時間の等磁場線図を表示する。表示
時刻指定カーソル1603は表示時刻入力ボックス16
09に対応する時間の位置上に表示される。
【0097】R−R間隔ヒストグラム表示ボタンを押す
と、R−R間隔ヒストグラム表示処理部608によって
図17に示すR−R間隔ヒストグラム表示画面が表示さ
れる。本実施例では選択チャンネル(チャンネル表示手
段)1703−1のボタンで指定されているチャンネル
番号37(1703−2)の時間波形についてのヒスト
グラムが表示される。600〔msec〕から50〔msec〕
間隔でR−R間隔時間の度数を計算し、横軸を50〔ms
ec〕間隔のR−R間隔時間、縦軸を度数として1702
のR−R間隔ヒストグラム表示領域に表示される。本実
施例では1つのチャンネルのヒストグラムを表示してい
るが、ヒストグラムの対象チャンネルは選択チャンネル
1703−1で指定された複数のチャンネルについても
表示可能である。
【0098】
【発明の効果】第1の発明によれば、複数チャンネルの
磁気センサを用いた生体磁場計測装置において、チャン
ネルを指定して収集した生体磁場信号の時間波形(デー
タ情報量)を長時間表示できるため、多くの情報(例え
ば心拍波形)を一度に表示でき、操作者のデータ解析作
業(例えばアベレージング処理のデータの選択作業)の
簡便化,操作の簡略化,視認性の向上を図り得る。
【0099】第2の発明によれば、さらに、時間軸上の
指定した領域の時間波形を拡大表示できるため、その詳
細情報を得て異常な信号が入っている場合に迅速に確認
できる。
【0100】第3の発明によれば、アベレージング対象
波形を一画面の中で任意に選択し、その選択作業の能率
向上を図って信頼性の高いアベレージング処理を保証
し、高信頼のデータ解析を行うことができる。
【0101】第4の発明においても、より詳細な生体磁
気計測情報を簡単な表示操作によってしることができ
る。
【0102】第5の発明によれば、例えば時間波形のピ
ーク間隔(R−R間隔)を棒グラフおよびヒストグラム
でグラフ化することにより、R−R間隔を視覚的に確認
でき、データ解析機能を拡張して高信頼の解析を行うこ
とができる。
【0103】第6の発明によれば、第5の発明同様の効
果に加えて、R−R間隔の棒グラフとそれに対応の時間
波形を併せて表示するので、棒グラフの部分が時間波形
ではどのようになっているが即時に確認でき、データ確
認作業の能率向上を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となる生体磁場計測装置の一
例を示す概略構成図。
【図2】図1の生体磁場計測装置に用いられる磁気セン
サの配置構成を示す斜視図。
【図3】図1の生体磁場計測装置において用いられる、
磁場の法線成分を検出する磁気センサ単体の斜視図。
【図4】図1の生体磁場計測装置において用いられる、
磁場の接線成分を検出する磁気センサ単体の斜視図。
【図5】図1の生体磁場計測装置における磁気センサと
被検者の胸部との位置関係を示す図。
【図6】本発明の実施例を示すブロック構成図。
【図7】上記実施例における計測モニタ画面処理で表示
される心臓磁場のモニタ画面。
【図8】上記実施例における計測モニタ画面処理で表示
される心臓磁場の全チャンネル時間波形表示画面。
【図9】上記実施例における単一チャンネル時間波形表
示処理によって表示される、指定された1つのチャンネ
ルの時間波形を表示する画面。
【図10】上記実施例における複数チャンネル時間波形
表示処理によって表示される、指定された2つのチャン
ネルの時間波形を表示する画面。
【図11】上記実施例における複数チャンネル時間波形
表示処理によって表示される、指定された4つのチャン
ネルの時間波形を表示する画面。
【図12】上記実施例における時間波形拡大表示処理に
よって表示される画面。
【図13】上記実施例におけるアベレージング処理時の
アベレージング条件にあった時間波形を選択している表
示画面。
【図14】上記実施例におけるアベレージング処理時の
アベレージング条件にあった時間波形を選択している表
示画面。
【図15】上記実施例におけるアベレージング処理後の
時間波形を表示する画面。
【図16】上記実施例における等磁場線図表示処理によ
って心臓磁場信号の等磁場線図を表示した画面。
【図17】上記実施例におけるR−R間隔ヒストグラム
表示処理を行なった後の表示画面。
【図18】心拍波形の説明図。
【符号の説明】
1…磁気シールドルーム、2…被検者、3…ベッド、4
…デュワ、5…自動補給装置、6…FLL回路、7…増
幅器・フイルター・増幅器、8…計算機、8−1…デイ
スプレイ部、8−2…キーボード、8−3…マウス、6
01…心臓磁場計測部(磁気センサ部)、602…心臓
磁場生データファイル、603、アベレージング処理部
(演算手段)、604…心臓磁場アベレージングデータ
ファイル、605…時間波形拡大表示処理部(波形拡大
表示手段)、606…単一チャンネル時間波形表示処理
部(時間波形表示手段)、607…複数チャンネル時間
波形表示処理部(時間波形表示手段)、R−R間隔ヒス
トグラム表示処理部(棒グラフ表示手段)、609…等
磁場線図表示処理部、610…表示画面部、701…被
検者情報表示領域、702,819,920,1102
−1〜4,1211,1501…選択チャンネル領域
(チャンネル表示手段)、703…計測モニタ時間波
形、704…計測モニタ時間波形表示領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 啓二 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 町田 和久 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所デザイン研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AC01 AD32 BA15 BA18 4C027 AA10 EE05 FF01 FF02 GG02 GG05 GG07 GG13 HH11 HH13 KK00 KK03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検者の生体内から発せられる複数位置
    の磁場を複数の磁気センサを用いて計測する生体磁場計
    測装置において、 前記複数の磁気センサに対応するチャンネルをディスプ
    レイの画面に表示するチャンネル表示手段と、 前記チャンネル表示手段の中から所望のチャンネルを指
    定するチャンネル指定手段と、 指定されたチャンネルの計測信号を時間波形として一画
    面に複数行の時間軸にわたり表示する時間波形表示手段
    と、を備えてなることを特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 【請求項2】 前記時間波形を表示する時間軸の長さを
    任意に設定する時間軸設定手段を備えている請求項1記
    載の生体磁場計測装置。
  3. 【請求項3】 被検者の生体内から発せられる複数位置
    の磁場を複数の磁気センサを用いて計測する生体磁場計
    測装置において、 前記複数の磁気センサに対応するチャンネルをディスプ
    レイの画面に表示するチャンネル表示手段と、 前記チャンネル表示手段の中から所望のチャンネルを指
    定するチャンネル指定手段と、 指定されたチャンネルの計測信号を時間波形として一画
    面に時間軸の長さを任意に設定可能に表示する時間波形
    表示手段と、 前記時間波形の一部を選択して拡大表示する波形拡大表
    示手段と、を備えてなることを特徴とする生体磁場計測
    装置。
  4. 【請求項4】 被検者の生体内から発せられる複数位置
    の磁場を複数の磁気センサを用いて計測する生体磁場計
    測装置において、 前記複数の磁気センサに対応するチャンネルをディスプ
    レイの画面に表示するチャンネル表示手段と、 前記チャンネル表示手段の中から所望のチャンネルを指
    定するチャンネル指定手段と、 指定されたチャンネルの計測信号を時間波形として一画
    面に複数行の時間軸にわたり表示する時間波形表示手段
    と、 前記時間軸上に繰り返し表れる特徴的な時間波形の中か
    らアベレージング処理に適した時間波形を選択する波形
    選択手段と、 選択された時間波形についてアベレージング処理のため
    の演算を実行する演算手段と、を備えて成ることを特徴
    とする生体磁場計測装置。
  5. 【請求項5】 前記波形選択手段は、画面を通して操作
    者がアベレージング条件を設定し該アベレージング条件
    を満足する時間波形を演算により選択する方式と、画面
    を通して操作者が直接選択する方式のいずれか一方ある
    いは双方により構成される請求項4記載の生体磁場計測
    装置。
  6. 【請求項6】 前記選択した時間波形について選択され
    たことを識別表示させる識別表示手段を備えている請求
    項4又は5記載の生体磁場計測装置。
  7. 【請求項7】 前記アベレージング処理の対象となる時
    間波形が心拍に相当する計測信号である請求項4ないし
    6のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
  8. 【請求項8】 被検者の生体内から発せられる磁場を磁
    気センサを用いて計測する生体磁場計測装置において、 ディスプレイの画面に表示されている計測磁場データの
    時間波形上の一点を指定して、その指定された点の磁場
    強度及び時間を時間波形の画面を通して表示する一点表
    示手段を備えていることを特徴とする生体磁場計測装
    置。
  9. 【請求項9】 被検者の生体内から発せられる磁場を磁
    気センサを用いて計測する生体磁場計測装置において、 計測された信号の中の繰り返し表れる特徴的な時間波形
    のピークとピークとの間の時間間隔を棒グラフにより表
    示する棒グラフ表示手段を備えてなることを特徴とする
    生体磁場計測装置。
  10. 【請求項10】 被検者の生体内から発せられる複数位
    置の磁場を複数の磁気センサを用いて計測する生体磁場
    計測装置において、 前記複数の磁気センサに対応するチャンネルをディスプ
    レイの画面に表示するチャンネル表示手段と、 前記チャンネル表示手段の中から所望のチャンネルを指
    定するチャンネル指定手段と、 指定されたチャンネルの計測信号を時間波形として一画
    面に複数行の時間軸にわたり表示する時間波形表示手段
    と、 前記時間軸上に繰り返し表れる特徴的な時間波形のピー
    クとピークとの間の時間間隔を前記時間波形の表示画面
    中に棒グラフにより表示する棒グラフ表示手段と、を備
    えてなることを特徴とする生体磁場計測装置。
  11. 【請求項11】 前記棒グラフの表示領域中から所望の
    棒グラフを指定すると、指定された棒グラフ及び該指定
    の棒グラフに対応する時間波形のピーク間隔の箇所を識
    別できるよう表示する識別表示手段を備える請求項9又
    は10記載の生体磁場計測装置。
  12. 【請求項12】 前記時間軸上に生体活動によって繰り
    返し表れる特徴的な時間波形のピークが心臓磁場データ
    となる心拍のR波のピーク値である請求項9ないし11
    のいずれか1項記載の生体磁場計測装置。
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