JP2000225000A - ホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィルター - Google Patents

ホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィルター

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JP2000225000A
JP2000225000A JP11026400A JP2640099A JP2000225000A JP 2000225000 A JP2000225000 A JP 2000225000A JP 11026400 A JP11026400 A JP 11026400A JP 2640099 A JP2640099 A JP 2640099A JP 2000225000 A JP2000225000 A JP 2000225000A
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enzyme
formaldehyde
filter
formaldehyde dehydrogenase
solution
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Tomohiko Hashiba
智彦 羽柴
Eiichi Tamiya
栄一 民谷
Jun Ishikawa
潤 石川
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FEATHER GLASS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィルター、
その作成方法、それを用いたホルムアルデヒド測定方法
を提供する。 【解決手段】 本発明にかかるホルムアルデヒド脱水素
酵素固定フィルターは、メンブレンフィルターに、ホル
ムアルデヒド脱水素酵素、前記酵素を安定化させるため
のタンパク質、およびニコチン酸アミドアデニンジヌク
レオチドを溶解した緩衝溶液を通して吸着させ、さらに
固定化試薬で前記酵素を架橋して固定することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホルムアルデヒド
脱水素酵素固定フィルター、その作成方法、それを用い
たホルムアルデヒド測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ホルムアルデヒド(以下FAと略
す)の有する殺菌性(もしくは有害性)が大きな問題と
なってきており、種々の環境、特に大気中、食品容器
中、または食品中のFAを選択的に、高感度で、かつ簡易
に測定できる手段が要求されている。
【0003】従来、かかる選択的にかつ高感度でFAを測
定する方法の1つとしてホルムアルデヒド脱水素酵素を
用いることが知られている。通常該方法は、まず特定の
反応条件下で該酵素とFAとを反応させ、さらに、該反応
により選られた反応生成物を高感度に検出する手段と組
み合わせることによりなる。
【0004】しかし、上記ホルムアルデヒド脱水素酵素
を用いる方法は、FAに対して高選択的、かつ高感度の測
定方法ではあるが、一般的には以下のような問題点があ
る。すなわち、酵素自体を用いることから、酵素自体の
安定性、また、該酵素反応の条件(pH、温度、基質濃
度等)による制約等である。
【0005】そこで、酵素反応に基づく高い基質選択
性、および高感度を有し、かつ簡易に、種々の反応条件
下でも安定して使用できるFAの測定方法の開発が望まれ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上説明し
た従来技術の有する問題を解決し、酵素反応の有する高
い基質選択性、高感度を有し、かつ取り扱いが簡易な、
また種々の反応条件下でも安定して使用できるFA測定方
法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、該
方法を使用するためのホルムアルデヒド脱水素酵素固定
フィルター、およびその作成方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前期課題を
解決するために鋭意研究し、ホルムアルデヒド脱水素酵
素を担体に固定化することにより、該酵素が有する高基
質選択性、高感度を維持し、かつ取り扱いが簡易で、ま
た種々の反応条件下でも安定して使用できるFA測定方法
を見出すことに成功し、本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、メンブレンフィルタ
ーに、ホルムアルデヒド脱水素酵素を吸着させ、さらに
前記酵素を架橋して固定することを特徴とするホルムア
ルデヒド脱水素酵素固定フィルターの作製方法に関す
る。
【0009】より詳しくは、本発明は、メンブレンフィ
ルターに、ホルムアルデヒド脱水素酵素、該酵素を安定
化させるためのタンパク質、およびニコチン酸アミドア
デニンジヌクレオチドを溶解した緩衝溶液を通して吸着
させ、さらにかかる酵素、若しくはタンパク質を固定す
るための固定化試薬で前記酵素を架橋して固定すること
を特徴とするホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィルタ
ーの作製方法に関する。さらには、前記メンブレンフィ
ルターは溶液中では溶けず、かつ該酵素若しくは前記タ
ンパク質と十分吸着させ得るものであることを特徴とす
る前記記載の方法に関する。
【0010】また、本発明は、ホルムアルデヒド脱水素
酵素、前記タンパク質、およびニコチン酸アミドアデニ
ンジヌクレオチドを吸着し、かつ前記ホルムアルデヒド
脱水素酵素、前記酵素を安定化させるためのタンパク
質、若しくはニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド
の少なくとも一部が前記固定化試薬で架橋されているこ
とを特徴とするホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィル
ターを提供するものである。
【0011】ここで、前記酵素を安定化させるためのタ
ンパク質として、例えばアルブミンが含まれる。さらに
は、前記タンパク質を固定するための固定化試薬とし
て、具体的にはグルタルアルデヒドが含まれる。なら、
前記メンブレンフィルターは溶液中では溶けず、かつ該
酵素若しくは前記タンパク質と十分吸着させ得るもの
(酵素吸着性)であり、具体的には、セルロース混合エ
ステルタイプメンブレンフイルター、ポリカーボネー
ト、ナイロン、テフロン製等のフィルターが含まれる。
【0012】さらには、前記記載のホルムアルデヒド脱
水素酵素固定フィルターを用いることを特徴とするホル
ムアルデヒドの測定方法を提供するものである。
【0013】特に本発明にかかるホルムアルデヒドの測
定方法は、さらに成分として以下のPMS-NTBを含み、次
の発色反応を利用して吸光度(生成したDiformazan(ジ
ホルマザン)の570nm吸光度)を測定することによりホ
ルムアルデヒドを検出することを含むものである。 HCHO+NAD+H2O ――――>HCOOH+NADH+H+ NADH+PMS ――――――>NAD+PMS(還元型) 2PMS(還元型)+NTB ―――――>2PMS+Diformaszan
【0014】ここで、NADは、ニコチン酸アミドアデニ
ンジヌクレオチド、PMSは、フェナジン=メトスルファ
ート、NTBは、PMSで還元されて発色する化合物であり、
例えばテトラゾリウム化合物が挙げられる。具体的には
ニトロブルーテトラゾリウムを含む。
【0015】また、さらに本発明は、前記酵素反応を促
進するためにトリトンーXを成分として含むものであ
る。
【0016】以下、発明の実施の形態に即し、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】(ホルムアルデヒド脱水素酵素固
定フィルター)本発明は、ホルムアルデヒドを選択的に
かつ高感度で測定するために、適当なメンブレンフィル
ターに、ホルムアルデヒド脱水素酵素を吸着し、さら
に、前記酵素を適当な架橋剤にて架橋してなることを基
本的な構成とするホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィ
ルターに関するものであり、さらにはその作製方法、お
よびそのフィルターを用いたホルムアルデヒドの測定方
法に関するものである。
【0018】本発明で測定(定性分析および定量分析を
含む)の対象となるホルムアルデヒドを含む被検体(サ
ンプル)には特に制限はなく、大気中、溶液中、または
固体中に含まれるホルムアルデヒドを広く含むものであ
る。また、かかるサンプルに含まれるホルムアルデヒド
の濃度についても特に制限はなく、適当な前処理(希
釈、濃縮等)、測定条件の最適化を行うことにより、広
い範囲の濃度で測定することが可能となる。
【0019】本発明にかかるホルムアルデヒド脱水素酵
素固定フィルターは、その基本構成として、メンブレン
フィルターのような担体に、ホルムアルデヒド脱水素酵
素を吸着させ、さらに前記酵素を架橋して固定して作製
するものである。さらに、高感度、簡便に測定可能とす
るために、発色反応系と組み合わせて作製するものであ
る。
【0020】ここで、本発明において使用し得る担体の
形状(サイズも含む)には特に制限はなく、種々の測定
の態様に応じて選択することが可能である。具体的に
は、膜状(メンブレンフィルター等)、種々の粒状(ビ
ーズ等)があげられる。例えば、溶液中のホルムアルデ
ヒドの濃度を簡便に測定するためには、メンブレンフィ
ルターの形状として用いることが好ましい。また、連続
して測定を行う場合には、ビーズ形状にしたものをカラ
ムに充填して用いることも可能である。
【0021】また本発明においては、該酵素の固定化方
法についても特に制限はされず、公知の種々の手段が応
用可能である。特に本発明においては主に物理的に吸着
されることが好ましいことから、該担体は、該酵素を十
分物理吸着する程度の穴の大きさを有するものが好まし
い。さらに架橋剤により、該酵素と担体とは結合しない
ことが好ましく、このことから本発明において使用する
担体の成分は、セルロース混合エステルタイプのものが
好ましい。
【0022】本発明において使用可能なホルムアルデヒ
ド脱水素酵素についても特に制限はない。かかる酵素の
選択については該酵素の特性(基質種類、濃度、温度、
pH、安定性、立体特異性、選択性等)を考慮して選択す
ることが可能である。また酵素は、公知若しくは市販品
(例えばTOYOBOから市販されているホルムアルデ
ヒド脱水酵素。酵素純度は5.42U/mg)として入手可能で
あり、必要ならば大量培養により、また適当な手段によ
り精製した後使用することが可能である。さらに、入手
した酵素は従来公知の方法により純度、活性等を測定す
ることが可能である。
【0023】また、本発明においては、該酵素ととも
に、適当な蛋白質を共存させることが好ましく、例え
ば、アルブミンが挙げられる。かかる共存蛋白質は該酵
素とともに吸着され、かつ以下説明する架橋剤により架
橋され、担体上でより安定な構造を維持することを可能
とするものである。
【0024】また、本発明において発色系との組み合わ
せによるホルムアルデヒドの検出のために種々の公知の
発色系成分を加えることが可能である。かかる発色波長
に従い検出波長を選択することが可能である。特に本発
明においてはPMS(フェナジン=メトスルファート)-NT
B(ニトロブルーテトラゾリウム)を含みものが好まし
い。かかる場合、生成するDiformazan(ジホルマザン)
の570nm吸光度を測定することによりホルムアルデヒド
を簡便に検出することが可能となる。
【0025】また、さらに本発明は、酵素反応を促進す
るためにトリトンーXを成分として含むものである。
【0026】また、本発明においては、ホルムアルデヒ
ド脱水素酵素、アルブミン、およびニコチン酸アミドア
デニンジヌクレオチドを吸着させて、さらに適当な架橋
剤により架橋反応を施すことを特徴とする。かかる架橋
剤により、前記ホルムアルデヒド脱水素酵素、共存する
アルブミン、若しくはニコチン酸アミドアデニンジヌク
レオチドの少なくとも一部がグルタルアルデヒドで架橋
される。架橋剤としては、公知の種々の架橋剤が使用可
能であるが、本発明においては特にグルタルアルデヒド
が好ましい。
【0027】さらに、架橋の仕方についても、密閉容器
中でグルタルアルデヒド(原液)を気化させて担体上の
酵素を架橋させる方法(1〜3時間程度)や、グルタルア
ルデヒド溶液(約2〜5%、数分)による方法が可能であ
る。架橋の程度は架橋反応時間を制御することにより適
宜選択することが可能である。
【0028】(ホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィル
ターの作製方法)本発明にかかるホルムアルデヒド脱水
素酵素固定フィルターの作製は、まず選択された担体に
所定の濃度に調整した酵素溶液を加えて吸着させる。こ
の吸着処理方法については特に制限はないが、担体がメ
ンブレンフィルターの場合には減圧濾過器を利用して該
フィルター上に吸着させることが好ましい。また、担体
が粒状の場合には、カラムに詰め、酵素溶液を流通させ
て吸着させることが可能である。また、吸着量は、酵素
溶液の濃度、通過時間等で調整することは容易である。
さらに、酵素と同時に他の成分も吸着する場合は、該酵
素溶液に該多成分を共に溶解した溶液を同様に使用する
ことで吸着処理を行うことができる。吸着量、および吸
着量の比は、酵素-他の成分混合物溶液の濃度、通過時
間等で調整することで容易に変えることができる。
【0029】得られた酵素等が吸着担体は、そのままで
も、また乾燥させて保存し、または使用することができ
る。乾燥の方法は通常の室温での風乾、加熱下での乾燥
方法が使用できる。
【0030】さらに、本発明にかかるホルムアルデヒド
脱水素酵素固定フィルターの作製は、次ぎに得られた酵
素吸着担体、若しくは酵素-他の成分混合物吸着担体を
架橋して固定させる。この架橋処理方法についても特に
制限はないが、架橋剤の蒸気に直接暴露する方法、また
は適当な濃度に希釈してその溶液に浸す方法が可能であ
る。架橋の程度、種類等の選択は、使用する架橋剤との
反応時間、反応温度の設定で容易に変更することができ
る。
【0031】得られた架橋済み担体は、そのままでも、
また乾燥させて保存し、または使用することができる。
乾燥の方法は通常の室温での風乾、加熱下での乾燥方法
が使用できる。さらに、保存条件についても特に制限は
なく、乾燥した後に室温若しくはそれ以下で保存するこ
とが可能である。
【0032】(測定)本発明で使用可能な測定方法は、
該酵素とホルムアルデヒドとの反応により生じる変化を
物理的若しくは化学的に検出できる方法であれば特に制
限はなく、公知の種々の手段が選択可能である。たとえ
ば、前記反応に伴う化学ポテンシャル変化に基づく検出
方法、または該酵素反応により生じる生成物に基づく化
学反応による検出方法が挙げられる。具体的には、前者
には電位差測定方法が挙げられる。また、後者には、該
反応により得られるNADH自体に基づく反応、若しくはそ
れと組み合わせた化学反応による方法が挙げられる。本
発明においては、測定の簡便性の観点から、特に後者に
よる方法が好ましく、特に、発色反応系との組み合わせ
が好ましい。かかる発色系との組み合わせた例を以下に
示す。 HCHO+NAD+H2O ――――>HCOOH+NADH+H+ NADH+PMS ――――――>NAD+PMS(還元型) 2PMS(還元型)+NTB ―――――>2PMS+Diformaszan ここで、ホルムアルデヒドが反応するに際し、NADがNAD
Hに還元される。また、NADHが、PMS-NTBとの組み合わせ
によりジホルマザン(570nm)を検出する。
【0033】このジホルマザンの検出方法によるホルム
アルデヒドの検出限度は、酵素量、酵素反応時間、他成
分量等により異なるが、最適化することは容易である。
たとえば、粗酵素の状態では酵素量が0.2U/mlでは0.05p
pmまでであるが、2U/mlでは0.001ppmまで測定可能であ
る。
【0034】また、1サンプルごとの測定であるのか、
または、特定時間積算して測定するのかでも、酵素の
量、他成分の量等、適宜最適化することが可能である。
【0035】以下実施例に即して本発明を説明するが本
発明はこれらの実施例になんら制約されるものではな
い。
【0036】
【実施例】(実施例1) 酵素固定フィルターを以下の
手順で作製した。ホルムアルデヒド脱水素酵素1mg(東
洋紡(株)製、Formaldehyde Dehydrogenase)と、アル
ブミン2mg(和光純薬工業(株)社製)と、ニコチン酸ア
ミドアデニンジヌクレオチド2.4mg(和光純薬工業
(株)社製)とを2mlのリン酸緩衝液(pH7.5、50mM)に
十分溶解させた。
【0037】得られた溶液を減圧吸引濾過器を用いてセ
ルロース混合エステルフィルター(孔径0.2μm、アドバ
ンテック社製)に通してホルムアルデヒド脱水素酵素、
アルブミン、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド
を吸着させた。得られたフィルターを遮光状態で風乾
し、さらに冷風(ドライヤーを用いた)で完全に乾燥さ
せた。
【0038】得られた乾燥フィルターを飽和グルタルア
ルデヒド(25%グルタルアルデヒド溶液)に3時間浸した
後取り出して、風乾した後、約4℃で保存した。 (実施例2) 酵素固定フィルターの評価 実施例で使用した各試料を以下のように調製した。 試料1: 実施例1で作製した酵素固定フィルターを、
直径1cmの円状に切り取った。 試料2: 基質であるホルムアルデヒド溶液は、37%ホル
ムアルデヒド液(和光純薬工業(株)社製)を、0.5%ト
リトンX-100を含む50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で希釈し
て300ppmに調製した。 試料3: β-NAD+(和光純薬工業(株)社製)を蒸留水
に溶解して、0.4%水溶液を調製した。 試料4: 1.0mgのフェナジンメトスルファート(和光純
薬工業(株)社製)と、10mgのニトロブルーテトラゾリ
ウム(和光純薬工業(株)社製)とを、蒸留水10mlに溶解
してPMS-NTB水溶液を調製した。
【0039】酵素活性の測定は、以下の反応に基づいて
行った。 HCHO + NAD+ + H2O ---> HCOOH + NADH +
+ NADH + PMS ---> NAD+ + PMS(還
元) 2PMS(還元) + NTB ---> 2PMS + Diformazan
【0040】すなわち、基質との反応により生成したNA
DHにより、PMSを介してNTBを還元し、生成したDiformaz
anの570nmにおける吸光度を分光光度計にて測定した。
【0041】使用酵素の活性は、下記条件下で1分間あ
たり1/2マイクロモルのDiformazanを生成する酵素量を
1単位(U)とした(実施例1で使用した酵素の使用マニ
ュアルに従った)。
【0042】試薬:(A)10mM HCHO溶液(0.08mlの37%(W
/V)HCHO溶液を0.5%トリトンX-100を含む50mMリン酸緩
衝液、pH7.5で100mlとする)、(B)0.4%NAD+水溶液(40m
gのNAD3H2Oを10mlの蒸留水に溶解する)、(C)PMS-NTB水
溶液(1.0mgPMSおよび10mgNTBを10mlの蒸留水に溶解す
る)(褐色瓶中で4℃保存)、(D)0.3N HCl溶液、酵素
溶液:酵素標品を予め氷冷した0.2%BSAを含む50mMリン
酸緩衝液、pH7.5で溶解し、分析直前に同緩衝液で0.01
〜0.02U/mlに希釈。
【0043】手順:試験管に下記反応混液(0.5ml基質
溶液(A)、0.1mlNAD+溶液(B)、0.1mlPMS-NTB水溶液(C)
を)調整し、37℃で約5分間予備加温する。酵素溶液0.5
mlを加えて反応を開始する。37℃で正確に15分間反応さ
せた後、HCl溶液(D)3.0mlを加えて反応を停止させる。
この液につき570nmにおける吸光度を測定する(ODtes
t)。盲検は、反応混液(I)を37℃で15分間放置後、H
Cl溶液(D)3.0mlを加えて混和し、次いで酵素溶液0.5m
lを加えて調製する。以下同様に吸光度を測定する(ODB
lank)。
【0044】(実施例3) 活性の経時変化 15mlの試験管に、実施例2で調製した試料1と、試料2
を0.5ml、試料3とをそれぞれ0.1ml、そして試料4を0.
1mlの順で入れ、室温で15分間反応させた後、0.3MHClを
3ml加えて反応を止めた。得られた溶液の570nmにおける
吸光度を測定した。なお、酵素固定フィルターの条件は
作製後4℃および25℃で保存したものを用いた。
【0045】図1に得られた結果を示した。4℃で保存
した場合の方が、25℃で保存した場合よりも活性は高い
ことがわかる。また作製後5日目までは、活性の減少は
ほとんどないことがわかる。
【0046】(実施例4)限界基質濃度 4℃で保存した酵素固定フィルターを用いて検出可能な
ホルムアルデヒドの濃度を評価した。また、使用した試
料は以下のように調製した。試料5: ホルムアルデヒ
ド溶液は実施例2の試料2と同様に調製し、ホルムアル
デヒド濃度をそれぞれ100ppm、10ppm、1ppm、0,1ppmと
した。
【0047】反応は試料2の代わりに試料5を実施例3
と同様の順で15mlチューブに加え、室温で30分間反応さ
せた後、0.3NHClを3ml加えて反応を止め570nmにおける
吸光度を測定した。
【0048】図2に示したように、ホルムアルデヒド濃
度が0.1ppmまで測定できることがわかる。
【0049】(実施例5)架橋の効果 グルタルアルデヒドによる架橋の効果を評価した。な
お、グルタルアルデヒドの架橋は、グルタルアルデヒド
のアルデヒド基と蛋白質中のアミノ基の結合による。固
定化は、酵素、NAD、BSAを緩衝溶液に溶解させ、これを
セルロース混合エステルフィルター(孔径0.02μmアド
バンテック社製)に通してフィルターに酵素等を吸着さ
せることにより行った。組成(フィルター20枚分)は、
酵素20mg、BSA80mg、NAD48mg/40ml緩衝液(pH7.5)であっ
た。酵素を吸着させた後、フィルターを十分に乾燥(自
然乾燥)した後、以下の条件でグルタルアルデヒド架橋
した。架橋パターン1)〜3)を次のようにした。 架橋パターン1)密閉状態でグルタルアルデヒ原液を揮
発させた。片面90分架橋した。 架橋パターン2)パターン1を両面で行った。トータル
180分。 架橋パターン3) 10%希釈グルタルアルデヒド溶液(緩
衝液希釈)に1分浸透させた。
【0050】また、以下の実験には前記フィルターを半
径0.5cmの円に切り取り使用した(1枚のフィルターか
ら4枚)。
【0051】使用した試薬は以下のように調製した。10
mMHCHO溶液(0.5%tritonX-100入り緩衝液で希釈)0.5m
l、PMS-NTB溶液(1.0mgPMSおよび10mgNTBを10mlの蒸留
水に溶解した)0.1ml、0.4%NAD+溶液(加えない場合は
緩衝液0.1ml)0.1ml。また、反応は室温で15分、吸光度
計を使用するときは0.3NHClを3ml加えて反応を止めた。 (評価1) NADを酵素と共に架橋した場合の効果の評
価。 以下の条件で、0.4%NAD溶液を加えて反応させた。 1)NAD揮発両面、2)NAD揮発片面、3)NAD浸透、4)揮発両
面、5)揮発片面、6)浸透、7)コントロール、15)NAD架橋
なし、16)架橋なし。
【0052】また、反応させるとき0.4%NAD溶液の代わ
りに緩衝液を加えた。 8)NAD揮発両面、9)NAD揮発片面、10)NAD浸透、11)揮発
両面、12)揮発片面、13)浸透、14)コントロール、17)NA
D架橋なし、18)架橋なし。ここで、NADと記載したのは
酵素と共にNADを固定した場合を意味し、NADと記載され
ていないのはNADは固定されていない場合を意味する。
また、コントロールはサンプルに酵素を加えずに放置し
たものを意味する。
【0053】以上の結果(図示せず)、サンプル1),
2)、15),17)がよく反応したことから、NADを酵素と共
に架橋し、かつ反応時にさらにNADを加えることが好ま
しいことを示す。
【0054】(評価2)保存温度の効果の評価 保存温度は4℃および25℃のものを用いた。また、酵素
固定フィルターすべてNADを共に固定したものを用い
た。
【0055】その結果(図示せず)、4℃で保存した片
面架橋のフィルターが最も良く反応することが示され
る。また、一週間程度では全体に安定していることが示
される。
【0056】(評価3)片面架橋と両面架橋での反応速
度の違いの評価 保存は4℃のものおよび25℃のものを用いた。以上の結
果(図示せず)、4℃保存では吸光度が約2.5で安定し
た。一方25℃保存でも吸光度が約2.5で安定したが、時
間にして3倍近くかかることが示される。
【0057】
【発明の効果】本発明によるホルムアルデヒド脱水素酵
素固定フィルターは、メンブレンフィルターに、ホルム
アルデヒド脱水素酵素を吸着させ、さらに前記酵素を架
橋して固定する構造を有するものであり、これにより緩
衝液に溶解した状態の酵素より酵素活性が長時間維持で
き、また酵素が取り扱い易くできる。
【0058】すなわち、本発明によるホルムアルデヒド
脱水素酵素固定フィルターは簡単に調製でき、前記構成
により、該酵素を保存する際には、溶液状態とする必要
はなく適当な温度で安定に保存できる。また、使用する
際には、広い範囲のpHや温度条件下でも十分反応が早
く、安定に長い期間活性を維持し、きわめて取り扱い易
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例3における酵素の活性を示す。
ここで、縦軸は570nmにおける吸光度を、横軸は作製し
てからの日数を示す。
【図2】図2は、実施例4における酵素の活性を示す。
ここで縦軸は570nmにおける吸光度を、横軸はホルムア
ルデヒド濃度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 潤 石川県石川郡野々市町堀内5−46 Fターム(参考) 4B029 AA07 BB16 CC03 FA12 4B033 NA23 NB70 NC05 ND05 ND08 NE02 4B063 QA01 QQ61 QR04 QR41 QR42 QR48 QR82 QS07 QS39 QX01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メンブレンフィルターに、ホルムアルデ
    ヒド脱水素酵素を吸着させ、さらに前記酵素を架橋して
    固定する、ホルムアルデヒド脱水素酵素固定フィルター
    の作製方法。
  2. 【請求項2】 メンブレンフィルターに、ホルムアルデ
    ヒド脱水素酵素、前記酵素を安定化させるためのタンパ
    ク質、およびニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド
    を溶解した緩衝溶液を通して吸着させ、さらに固定化試
    薬で前記酵素を架橋して固定する、ホルムアルデヒド脱
    水素酵素固定フィルターの作製方法。
  3. 【請求項3】前記メンブレンフィルターが、酵素吸着性
    であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】ホルムアルデヒド脱水素酵素、前記酵素を
    安定化させるためのタンパク質、およびニコチン酸アミ
    ドアデニンジヌクレオチドを吸着し、かつ前記ホルムア
    ルデヒド脱水素酵素、前記酵素を安定化させるためのタ
    ンパク質、若しくはニコチン酸アミドアデニンジヌクレ
    オチドの少なくとも一部が固定化試薬で架橋されている
    ことを特徴とする、ホルムアルデヒド脱水素酵素固定フ
    ィルター。
  5. 【請求項5】 ホルムアルデヒド脱水素酵素、前記酵素
    を安定化させるためのタンパク質、およびニコチン酸ア
    ミドアデニンジヌクレオチドを吸着し、かつ前記ホルム
    アルデヒド脱水素酵素、前記酵素を安定化させるための
    タンパク質、若しくはニコチン酸アミドアデニンジヌク
    レオチドの少なくとも一部が固定化試薬で架橋されてい
    ることを特徴とするホルムアルデヒド脱水素酵素固定フ
    ィルターと、ホルムアルデヒドとを反応し、さらにフェ
    ナジン=メトスルファートおよびニトロブルーテトラゾ
    リウムと反応して得られるジフォルマザンに基づく吸光
    度を測定することを特徴とするホルムアルデヒドの測定
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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