JP2000221622A - 輝尽性蛍光体シートの残存放射線像の消去装置 - Google Patents

輝尽性蛍光体シートの残存放射線像の消去装置

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JP2000221622A
JP2000221622A JP11027301A JP2730199A JP2000221622A JP 2000221622 A JP2000221622 A JP 2000221622A JP 11027301 A JP11027301 A JP 11027301A JP 2730199 A JP2730199 A JP 2730199A JP 2000221622 A JP2000221622 A JP 2000221622A
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erasing
stimulable phosphor
radiation image
phosphor sheet
sheet
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JP11027301A
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Hiroshi Ogawa
博 小川
Chiyuki Umemoto
千之 梅本
Katsuhiro Koda
勝博 幸田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱エネルギーの多大な発生を伴うことなく、
輝尽性蛍光体シートに残存する放射線像を効率的に消去
することを可能にする消去装置を提供する。 【解決手段】 放射線像記録再生方法に用いた輝尽性蛍
光体シートに消去光を照射することにより、該シートに
残存している放射線像を消去するための残存放射線像消
去装置であって、消去装置が消去光の光源を内部に備え
た箱体の形状で、かつ箱体の内壁の少なくとも一部に、
400〜800nmの波長範囲に於ける光反射率が、標
準板に対する相対反射率として92%以上である拡散反
射板が設けられていることを特徴とする残存放射線像の
消去装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する放射線像記録再生方法に用いられる輝尽性蛍光体
シートの残存放射線像の消去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ある種の蛍光体にX線、α線、β線、γ
線、電子線、紫外線等の放射線を照射すると放射線のエ
ネルギーの一部が蛍光体中に蓄積され、この蛍光体に更
に可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギー
に応じて蛍光体が発光(輝尽発光)を示すことが知られ
ており、このような性質を有する蛍光体は輝尽性蛍光体
と呼ばれる。
【0003】この輝尽性蛍光体を利用して放射線像を記
録再生する方法が知られている。この方法は、人体等の
被写体を透過した、あるいは放射性物質を含む被検体か
ら発せられた放射線を輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍
光体シート(放射線像変換パネルともいう)に吸収さ
せ、その後に該シートをレーザ光等の励起光で時系列的
に走査して輝尽発光光を放出させ、この輝尽発光光を光
電的に読み取って画像信号を得て、得られた画像信号に
基づいて被写体あるいは被検体の放射線像を写真感光材
料等の記録材料またはCRT等に可視像として再生する
ものである(特開昭55−12429号、同55−11
6340号、同55−163472号、同56−113
95号、同56−104645号の各公報など参照)。
【0004】この方法に用いられる輝尽性蛍光体シート
は、基本構造として、支持体とその表面に設けられた輝
尽性蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層
が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要とし
ない。輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体と、これ
を分散状態で含有支持する結合剤とからなる。また、輝
尽性蛍光体層の表面には通常、保護膜が設けられてい
て、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から
保護している。
【0005】輝尽性蛍光体シートは、放射線像を蓄積記
録するとともにその記録された放射線像(画像情報)を
励起光の走査によって読み取るまでの間一時的に保持す
るものであり、従って放射線像の読み取りを終えた輝尽
性蛍光体シートに残存する放射線像を消去することによ
り、繰返し使用することができる。よって、輝尽性蛍光
体シートを用いる放射線像記録再生方法は、資源保護、
経済効率の面からも有利である。
【0006】放射線像記録再生方法は、通常、輝尽性蛍
光体シートに、画像情報を有する放射線を照射して、そ
の輝尽性蛍光体シートに放射線像を記録する記録部と、
放射線像が記録されたシートに励起光を照射しシートか
ら輝尽発光光を放出させて放射線像を光電的に読み取る
読取部と、読み取り後のシートに消去光を照射してシー
トに残存する放射線像を消去する消去部と、これら処理
部の間を連結して各処理部に向けてシートを搬送する搬
送系とが一つの装置に組み込まれた一体型の放射線像記
録再生装置を用いて実施される。あるいは、記録部と、
読取、消去部とが分離された装置、すなわち放射線像記
録装置(撮影装置)と消去機能を有する放射線像読取装
置とを組合わせて用いる。
【0007】輝尽性蛍光体シートの消去は、読み取り後
にシートに残存している放射線像、更にはシートに微量
混入した放射性同位元素からの放射線や環境放射線によ
りシートに蓄積された放射線エネルギーが、次回の撮影
の際に新たに形成される放射線像のノイズとなって画質
を低下させることを防ぐために行われている。この読取
操作の後に輝尽性蛍光体シートに残存する放射線エネル
ギーを除去することからなる消去技術については、たと
えば特開昭56−11392号公報に記載されている。
【0008】残存放射線像等を短時間のうちに効率良く
消去するためには、輝尽性蛍光体シートの表面に紫外
線、可視光線等の光(消去光)を照射する必要がある。
このため、一般に消去装置を設け、消去光の光源を区画
された空間内に配置し、該空間に消去対象の輝尽性蛍光
体シートを導入することにより、残存放射線像の消去操
作を行なっている。特に、放射線像読取装置においては
このような消去装置を、可能な限り完全な消去を実現さ
せ、次の使用に際して支障をきたさないように設計す
る。また、消去は、可及的に短時間で行われることが望
ましい。
【0009】消去光の光源としては通常、蛍光灯、白熱
灯、ナトリウムランプ等が用いられるが、いずれも高エ
ネルギーの消去光の発生は多大な電力を供与することに
より行われる。しかしながら、多大な電力の使用は、付
随して発生する熱エネルギーの増大を引き起こし、これ
により装置全体の劣化および輝尽性蛍光体シートの劣化
など好ましくない現象が生じる。これらの好ましくない
現象は、特に小型化された読取装置においては大きな問
題となっている。すなわち、小型の装置では読取部ある
いは他の機構部と消去部との間隔が狭くなり、消去部で
発生する熱エネルギーの悪影響が増幅されやすくなるか
らである。
【0010】このような問題を解決するために、特開昭
61−219945号公報には消去装置内部に白色顔料
含有塗料により形成された拡散反射面を設けることが提
案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】消去装置内部に白色顔
料含有塗料を塗設したり、あるいは白色顔料含有パネル
を貼り付けたりして拡散反射面を設けた場合であって
も、消去光の全波長領域に渡って光反射率が不十分であ
ったり、あるいは特定の波長において光反射率が低下し
たりして、十分な光反射率を得ることは困難であった。
よって、近年の読取装置の更なる小型化および消去時間
の短縮化の要求に対しては特に、その効果が十分ではな
かった。
【0012】従って本発明の目的は、放射線像記録再生
装置(または読取装置)に使用する消去装置であって、
熱エネルギーの多大な発生を伴うことなく輝尽性蛍光体
シートに残存する放射線像を効率的に消去することを可
能にする消去装置を提供することにある。本発明の目的
はまた、放射線像記録再生装置に使用する消去装置であ
って、熱エネルギーの多大な発生を伴うことなく輝尽性
蛍光体シートに残存する放射線像を均一に効率良く消去
することを可能にする消去装置を提供することにもあ
る。本発明の目的はさらに、放射線像記録再生装置の小
型化に際して特に有用な残存放射線像消去装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、消去装置内
部の拡散反射率を高めるために鋭意研究を行なった結
果、400〜800nmの波長範囲に於ける光反射率
が、標準板に対する相対反射率として92%以上である
拡散反射板を用いることにより、輝尽性蛍光体シート表
面に照射される消去光の光量が著しく増加することを見
い出し、本発明に至ったものである。
【0014】本発明は、放射線像が記録されている輝尽
性蛍光体シートに励起光を照射して放射線像を読み取っ
た後に、該輝尽性蛍光体シートに消去光を照射すること
により、該輝尽性蛍光体シートに残存している放射線像
を消去するための残存放射線像消去装置において、該消
去装置が該消去光の光源を内部に備えた箱体の形状をな
し、かつ該箱体の内壁の少なくとも一部に、400〜8
00nmの波長範囲に於ける光反射率が、標準板に対す
る相対反射率として92%以上である拡散反射板が設け
られていることを特徴とする輝尽性蛍光体シートの残存
放射線像の消去装置にある。本発明で用いる拡散反射板
としては、高分子微孔性膜シートを用いることが好まし
い。なお、本発明で用いる拡散反射板の相対反射率の基
準となる標準反射板は、メルク社製の硫酸バリウム粉末
をDIN5033に規定された方法で作成した反射板を
意味する。また、本発明で規定している相対反射率は、
400〜800nmの波長範囲に於ける相対光反射率の
平均値である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の輝尽性蛍光体シートの残
存放射線像の消去装置について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0016】図1は、本発明の残存放射線像消去装置の
一実施例を内蔵した輝尽性蛍光体シートの放射線像読取
装置の概略側面図である。
【0017】図1に示す放射線像読取装置は、輝尽性蛍
光体シート1の収納が可能なカセッテ2を着脱自在に保
持するカセッテ保持部10、輝尽性蛍光体シート1に蓄
積記録された放射線像を読み取る読取部20、読取部2
0にて読み取りが終了したシート1に残存する放射線エ
ネルギーを消去する消去装置31が備えられた消去部3
0、カセッテ保持部10にてカセッテ2から取り出され
たシート1を読取部20に搬送する第一のシート搬送部
40、読取部20においてシート1を往復搬送する第二
のシート搬送部50、および読取部20から搬出された
シート1を受け取って消去部30に搬送した後、消去が
終了したシート1をカセッテ保持部10の空のカセッテ
2内に搬入する第三のシート搬送部60を備えている。
また、カセッテ保持部10と読取部20とは図示のよう
に、第一のシート搬送部40の上端と下端にそれぞれ接
続しており、互いに対向して配設されている。さらに、
第一のシート搬送部40の長さは輝尽性蛍光体シート一
枚分の長さと略等しくなっており、装置の高さは、カセ
ッテ保持部10と読取部20の高さにシート1枚分の長
さを加えた程度となっている。また、装置の横方向の長
さは、読取部20の幅により規定され、読取部20内の
第二のシート搬送部50は輝尽性蛍光体シートを曲面に
沿って移動するようになっているので、読取部20の幅
はシート一枚分程度であり、従って装置全体の長さも極
めて小さくなっている。
【0018】消去部30に備えられた本発明の消去装置
31は、図1に示すように、輝尽性蛍光体シート面に平
行になるように複数本配置されたアパーチャ型蛍光灯等
の消去用光源32と、消去用光源32からの光を拡散反
射するための装置箱体内側の輝尽性蛍光体シートが配置
される面以外の面全体に設けられた拡散反射板33aお
よびその対向面に設けられた拡散反射板33bとからな
る。本発明において特徴的な要件である拡散反射板33
a、33bは、400〜800nmの波長範囲に於ける
光反射率が、標準板に対する相対反射率として92%以
上である拡散反射板である。
【0019】本発明において用いる拡散反射板は、高分
子微孔性膜シートであることが好ましい。特に、高分子
薄膜中に平均孔径が1μm以下の微細孔を多数有し、高
分子物質と空気との屈折率の差を利用して400〜80
0nmの波長範囲の光を拡散反射するものであることが
好ましい。高分子微孔性膜シートは上記波長範囲におい
て、標準反射板を100%としたときの相対反射率で9
2%以上の光反射率を示すことが必要であり、望ましく
は94%以上の光反射率を示すことである。
【0020】高分子微孔性膜シートの形成に用いられる
高分子物質は、無色であって蛍光灯等の露光によって変
色して反射率が変化することのないものが望ましい。そ
のような高分子物質の例としては、セルロースエステ
ル、脂肪族ポリアミド、ポリフルオロカーボン、ポリプ
ロピレンを挙げることができる。高分子微孔性膜シート
における微細孔の平均孔径は、上記の光反射率の点か
ら、0.1〜1.0μmの範囲にあることが好ましく、
特に0.2〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。
また、高分子微孔性膜シートの厚みは、光の透過率およ
び取扱いの容易さの点から、約5μm〜約1mmの範囲
にあることが好ましい。このような高分子微孔性膜シー
トを製造する方法としては、特公平6−862号、特開
昭60−250049号の各公報、および米国特許第4
203848号、同第4340479号、同第4340
480号の各明細書等に記載の方法を用いることができ
るが、本発明に使用することのできる高分子微孔性膜シ
ートは、これらに記載の物質および製法に限定されるも
のではない。
【0021】高分子微孔性膜シートの具体例としては、
ポール社製のウルチポアNR(66ナイロン膜、平均孔
径:0.2μm、厚み:127μm)、富士写真フィル
ム株式会社製のFM−45(酢酸セルロース膜、平均孔
径:0.45μm、厚み:218μm)、およびミリポ
ア社製のデュラポアVVLP(PVDF膜、平均孔径:
0.1μm)、デュラポアGVWP(PVDF膜、平均
孔径:0.2μm)、デュラポアHVWP(PVDF
膜、平均孔径:0.45μm)、デュラポアDVPP
(PVDF膜、平均孔径:0.65μm)を挙げること
ができる。
【0022】拡散反射板は、これらの高分子微孔性膜シ
ートを単独で、もしくはガラス板、プラスチックシート
等の支持体に保持された形態で使用することができる。
高分子微孔性膜シートの表面は汚染防止や帯電防止の目
的から、透明な樹脂皮膜で覆われているのが望ましい。
この透明な樹脂皮膜には帯電防止剤が含有されていても
よい。透明な樹脂皮膜は、高分子微孔性薄膜の光反射特
性を損なわないことが要求され、そのような樹脂皮膜の
例としては厚みが約4〜100μm以下のポリエチレン
テレフタレート皮膜を挙げることができる。
【0023】本発明において、拡散反射板は消去用光源
を内蔵する消去装置箱体の内壁に接着剤等を用いて張り
付けることにより付設される。あるいは、箱体内壁に高
分子薄膜を接着するかまたは高分子物質の溶液を塗布乾
燥した後、高分子薄膜を微孔化してもよい。具体的に
は、フルオン、プロパンなど加熱により容易にガス化す
る成分を含む高分子薄膜を箱体内壁に付設した後、加熱
してガス化成分を発泡させるか、または化学反応により
二酸化炭素等のガス化成分を副生する反応性塗料を塗
工、反応させることにより形成することができる。
【0024】拡散反射板は、消去装置の箱体内壁の少な
くとも一部に付設される。具体的には、拡散反射板は箱
体内部の輝尽性蛍光体シートが配置される面に対向する
面全体に設けられる。好ましくは、図1に示すように、
箱体内部の輝尽性蛍光体シートが配置される面以外の面
全体に拡散反射板33aを設ける。さらに、図1に示す
ように、消去のために輝尽性蛍光体シートが配置される
面(拡散反射板33aに対向する面)にも拡散反射板3
3bが設けられているのが好ましい。シートの支持体が
透明である場合には、拡散反射板33bを設けることに
より特に消去効率が上がり望ましい。
【0025】以下に、図1の読取装置を用いて、輝尽性
蛍光体シートから放射線像情報を読み取った後、残存し
ている画像情報を消去する方法について述べる。
【0026】外部の撮影装置(図示なし)にて放射線撮
影に用いられ、放射線像を保持する輝尽性蛍光体シート
1を内部に収納するカセッテ2が、カセッテ保持部10
に装填される。このカセッテ2は、輝尽性蛍光体シート
1に被写体を透過した放射線もしくは被検体から発せら
れた放射線を照射して放射線像情報の記録(撮影)を行
う際に、シートが外光により感光する(カブリが生じ
る)のを防ぐために遮光性を有しており、シートを収納
するカセッテ本体2aと開閉可能な蓋部2bとからなっ
ている。カセッテ2は、蓋部2bを閉じた状態で装置右
端のカセッテ挿入口3から、該挿入口のシャッタ4を開
けて挿入される。カセッテ2は、斜め上方に傾いたガイ
ド面13に沿ってカセッテ保持部10の奥まで挿入され
ると、その先端がバネにより突出方向に付勢されたロッ
ク解除ピン14と係合して蓋部のロック機構(図示な
し)が外される。そして、カセッテ2は自重およびロッ
ク解除ピン14の付勢力により挿入口3方向に落下し、
ガイド面13の後方に設けられたストッパ15により所
定の位置に停止させられる。続いてカセッテ保持部10
において、吸着盤等の開蓋手段11によって図示したよ
うに蓋部2bが開かれ、カセッテ2内に進入する吸盤等
のシート取出し手段12によって輝尽性蛍光体シート1
は吸着され、近傍の第一のシート搬送部40に移動され
る。なお、輝尽性蛍光体シート1はカセッテ2内におい
て輝尽性蛍光体層(又は保護膜)が下側になるように収
納されている。
【0027】第一、第二、第三のシート搬送部40、5
0、60はいずれも、エンドレスベルト、ガイド板およ
びローラからなる。輝尽性蛍光体シート1は、第一のシ
ート搬送部40において矢印A1方向に搬送され、図中
P1で示す位置にて一旦停止して幅寄せ等をなされた
後、さらに矢印A2方向に搬送されて読取部20に送ら
れる。
【0028】読取部20において、輝尽性蛍光体シート
1は第二のシート搬送部50によって一旦、矢印A3方
向(往方向)に移動されて、図中P2で示す位置に配さ
れた後、スイッチバックされて、矢印A4方向(復方
向)に移動される。同時に、輝尽性蛍光体シート1の表
面には、He−Neレーザ等の励起光源21から発せら
れたレーザビーム等の励起光21aが、ガルバノメータ
ミラー等の光偏向器23により、この移動方向と略直交
する方向に走査される。すなわち、輝尽性蛍光体シート
1の全面に励起光21aが二次元的に時系列で照射され
る。励起光21aが照射されたシート1の箇所からは輝
尽発光光が放出され、この輝尽発光光は、励起光の走査
方向に沿って配された長尺のフォトマルチプライヤ22
aとこのフォトマルチプライヤ22aの受光面上に設け
られた小型の光ガイド22bとの組合せからなる光電検
出手段22によって検出される。なお、このような光電
検出手段については特開昭62−16666号公報に詳
細に記載されている。輝尽発光光の一部は、反射ミラー
24によって反射されて光ガイド22bに向かう。フォ
トマルチプライヤ22aにおいて輝尽発光光は電気信号
に変換され、得られた電気信号は画像処理回路(図示な
し)に送られて好適な信号処理が施され、可視画像出力
用の画像信号が得られる。
【0029】放射線像の読み取りについては、画像信号
を得るための読み取り(本読み)に先立って、予め輝尽
性蛍光体シートに記録されている放射線像の概略を読み
取る先読みを行い、この先読みによって得られた情報に
基づいて本読みの際の読取条件等を決定し、この読取条
件に従って本読みを行う方法が知られている。先読みの
方法としては、例えば本読みの際のエネルギーよりも低
いエネルギーの励起光を用いてシートを走査し、シート
から放出される輝尽発光光を同じく光電検出手段によっ
て検出する方法がある(特開昭58−67240号公報
参照)。本装置においても、輝尽性蛍光体シート1を矢
印A3方向に移動してP2で示す位置に配するまでの間
に先読みを行ってもよい。あるいは、本読みと先読みと
でシートの読取開始位置を一致させたい場合には、先読
み終了後シート1を矢印A4方向に一旦空送りして、図
中P3で示す位置に配し、矢印A3方向に移動しながら
本読みを行い、本読みの後、矢印A4方向に再度空送り
してシート1をP3の位置に移動してもよい。
【0030】読み取りの終了した輝尽性蛍光体シート1
は、第三のシート搬送部60に移動され、矢印A5方向
に搬送されて消去部30に搬入される。なお、第三のシ
ート搬送部60は第一のシート搬送部40と略平行にな
っており、消去部30も第一のシート搬送部40と略平
行に配されている。
【0031】消去部30において、輝尽性蛍光体シート
1には消去用光源32から放射される可視光線等の光が
直接に、または拡散反射板33aおよび33bにより反
射されて照射される。これにより、読み取り終了後なお
シート1に残存している放射線エネルギーが放出されて
放射線像が消去されるので、次回の放射線撮影の際に前
回の放射線像がカブリとなって支障を来すことがない。
【0032】消去装置31は、その長さが輝尽性蛍光体
シート一枚分より短く、また輝尽性蛍光体シートは消去
部30内に停止して消去操作を施されるようになってい
る。輝尽性蛍光体シートを消去部内に停止させて消去操
作を行うことにより、読み取り終了後、最初の消去位置
(図中P4で示す位置)まではシートを迅速に搬送する
ことができるので、次の輝尽性蛍光体シートを、続けて
読取部20内に搬入することができる。消去部30は、
装置を小型化するために輝尽性蛍光体シートの長さより
短いが、シート1はまず第三のシート搬送部60によっ
て図中P4で示す位置まで搬送された後、一旦停止させ
られて、搬送方向前半部分の消去が行われる。次いで、
図中P5で示す位置に移動されて、搬送方向後半部分の
消去が行われる。
【0033】消去の終了した輝尽性蛍光体シート1は、
カセッテ保持部10内に空のカセッテ2が配されている
場合には、引き続き矢印A6、A7方向に搬送されてカ
セッテ2内に搬入される。カセッテ保持部10内のカセ
ッテ2は、斜めに傾いて保持されているので、輝尽性蛍
光体シート1は第三のシート搬送部60を離れた後、自
重落下によりカセッテ本体2a内に確実に収納される。
装置が作動を中断された場合など、カセッテ保持部10
内にカセッテがない場合、あるいは読取部20が使用中
であってカセッテから輝尽性蛍光体シートが取り出され
ていない場合には、消去済みの輝尽性蛍光体シートは図
中P5の位置で待機させられる。輝尽性蛍光体シートは
一旦消去が行われても一定時間以上経過すると、シート
中に微量混入している226Raや40K等の放射性同
位元素から放射される放射線や、宇宙線、他のX線源か
らのX線など環境放射線によってそのエネルギーが蓄積
されて、次回の撮影の際のノイズとなることがある。よ
って、待機時間が長い場合にはこのようなノイズ成分を
除去するために、再度消去(いわゆる二次消去)を行う
ことが望ましい。その場合には、輝尽性蛍光体シートを
一旦P4の位置まで戻してシート前半部分に二次消去を
行った後、P5の位置に移動させて後半部分に二次消去
を行えばよい。
【0034】なお、本消去装置において、カセッテ保持
部10が空いている場合には、撮影済みの輝尽性蛍光体
シート1を収納したカセッテ2をカセッテ保持部10に
装填することができ、さらに読取部20が空いている場
合には、シート1は直ちにカセッテ2から取り出され
て、読取部20に搬送される。また、読取部20におい
て先行する輝尽性蛍光体シートの処理が行われている場
合には、蓋部2bのロック解除がが行われた状態で、シ
ート1はカセッテ2内で待機させられ、その間では、カ
セッテ保持部10内でのカセッテの交換やシートに対す
る読取条件の変更が可能である。一方、P5で示す位置
に消去済みの輝尽性蛍光体シートがある場合には、上述
した二次消去を行って(該シートが一次消去後間もない
場合にはそのまま)、シート1が取り出されたカセッテ
2には直ちに消去済みのシートが搬入される。また、P
5で示す位置に消去済みの輝尽性蛍光体シートがない場
合には、空のカセッテ2は読み取り、消去の終了したシ
ートが搬入されるまで待機することになるが、その場合
には、搬入されるシートには待機時間が生じないので二
次消去を行う必要がない。
【0035】
【実施例1】輝尽性蛍光体シートとして、プラスチック
製支持体上に、輝尽性蛍光体粒子(BaFBr0.85
0.15:0.005Eu2+)がポリマーバインダ中に分散
された輝尽性蛍光体層が設けられた未使用の輝尽性蛍光
体シートを用いた。この輝尽性蛍光体シートに放射線像
を記録したのち、励起光の走査により輝尽発光を放出さ
せ、放射線像の読み取りを行なった。次いで、この放射
線像読み取り済みの輝尽性蛍光体シートを、図1に概略
示した消去装置に導入して、輝尽性蛍光体シートに消去
処理を行った。ただし、消去用光源としてアパーチャ型
蛍光灯を用い、拡散反射板としては、ポール社製の高分
子微孔性膜シート[商品名:ウルチポアNR、66ナイ
ロン膜、平均孔径:0.2μm、厚み:127μm、4
00〜800nmの波長範囲に於ける光反射率:97%
(標準板に対する相対反射率)]を用いた。
【0036】
【実施例2】実施例1において、消去装置の拡散反射板
の高分子微孔性薄膜として、富士写真フィルム製のFM
−45[商品名、酢酸セルロース膜、平均孔径:0.4
5μm、厚み:218μm、400〜800nmの波長
範囲に於ける光反射率:95%(標準板に対する相対反
射率)]を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を
行うことにより、輝尽性蛍光体シートに消去処理を行っ
た。
【0037】
【比較例1】実施例1において、消去装置の拡散反射板
として高分子微孔性薄膜の代りに従来公知の二酸化チタ
ン含有白色塗料からなる塗膜(厚み:5μm)を用いた
こと以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、同
様にして、輝尽性蛍光体シートに消去処理を行った。
【0038】得られた結果をまとめて表1に示す。ま
た、図2には、これらの高分子微孔性薄膜および二酸化
チタン含有白色塗膜の波長と相対反射率との関係をそれ
ぞれグラフにして示す。
【0039】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 拡散反射板 照射光量(万Lx・s) 消去レベル ──────────────────────────────────── 実施例1 ウルチポアNR 60 5.6×10-5 実施例2 FM−45 58 6.4×10-5 ──────────────────────────────────── 比較例1 二酸化チタン白色塗膜 50 1.0×10-4 ────────────────────────────────────
【0040】図2のグラフから明らかなように、本発明
に従う反射特性を有する高分子微孔性膜シート(実施例
1及び2)はいずれも、従来公知の二酸化チタン含有白
色塗膜(比較例1)より、400〜800nmの波長範
囲において相対反射率が高く、また、表1から明らかな
ように、輝尽性蛍光体シートに照射された光量も本発明
に係る拡散反射板の方が多く、結果として消去レベルも
低くなった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、輝尽性蛍光体シートに
残存する放射線像の消去装置における拡散反射板とし
て、400〜800nmの波長範囲に於ける光反射率
が、標準板に対する相対反射率として92%以上である
拡散反射板を用いることにより、残存放射線像の消去に
必要な電気的エネルギーを低減することができる。ま
た、熱エネルギーの多大な発生を抑えることができるの
で、放射線像記録再生装置もしくは読取装置全体の耐用
年数および輝尽性蛍光体シートの使用回数を増加させる
ことが可能となる。さらに、消去効率を高めることがで
きるので、従来にも増して一体型放射線像記録再生装置
の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残存放射線像消去装置の一実施例を内
蔵した放射線像読取装置の概略側面図である。
【図2】本発明に係る高分子微孔性薄膜(実施例1、
2)および二酸化チタン含有白色塗膜(比較例1)の波
長と相対反射率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 輝尽性蛍光体シート 2 カセッテ 10 カセッテ保持部 12 シート取出し手段 20 読取部 21a 励起光 22 光電検出手段 30 消去部 32 消去用光源 33a 拡散反射板 33b 対向面の拡散反射板 40 第一のシート搬送部 50 第二のシート搬送部 60 第三のシート搬送部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幸田 勝博 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H013 AC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線像が記録されている輝尽性蛍光体
    シートに励起光を照射して放射線像を読み取った後に、
    該輝尽性蛍光体シートに消去光を照射することにより、
    該輝尽性蛍光体シートに残存している放射線像を消去す
    るための残存放射線像消去装置において、該消去装置が
    該消去光の光源を内部に備えた箱体の形状をなし、かつ
    該箱体の内壁の少なくとも一部に、400〜800nm
    の波長範囲に於ける光反射率が、標準板に対する相対反
    射率として92%以上である拡散反射板が設けられてい
    ることを特徴とする輝尽性蛍光体シートの残存放射線像
    の消去装置。
  2. 【請求項2】 拡散反射板が、高分子微孔性膜シートか
    らなる拡散反射板が設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載の輝尽性蛍光体シートの残存放射線像の消
    去装置。
  3. 【請求項3】 高分子微孔性膜シートの微細孔の平均孔
    径が0.1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする
    請求項2に記載の輝尽性蛍光体シートの残存放射線像の
    消去装置。
  4. 【請求項4】 高分子微孔性膜シートの厚みが5μm〜
    1mmの範囲にあることを特徴とする請求項2乃至3の
    うちのいずれかの項に記載の輝尽性蛍光体シートの残存
    放射線像の消去装置。
  5. 【請求項5】 拡散反射板が、輝尽性蛍光体シートが配
    置される面に対向する面の実質的に全面に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれかの
    項に記載の輝尽性蛍光体シートの残存放射線像の消去装
    置。
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