JP2000221525A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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JP2000221525A
JP2000221525A JP11026769A JP2676999A JP2000221525A JP 2000221525 A JP2000221525 A JP 2000221525A JP 11026769 A JP11026769 A JP 11026769A JP 2676999 A JP2676999 A JP 2676999A JP 2000221525 A JP2000221525 A JP 2000221525A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細表示可能な液晶表示装置およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の液晶表示装置は、第1および第
2基板と、該第1基板と該第2基板との間に挟持された
液晶層と、該第1および第2基板にそれぞれ設けられ
た、該液晶層に電圧を印加するための第1および第2電
圧印加手段と、表示を行うための複数の絵素領域と、該
複数の絵素領域間に設けられた非絵素領域と、を有する
液晶表示装置であって、該第1電圧印加手段は、該第1
基板の表面上に形成された第1電極層と、該第1電極層
上に形成された該第2電極層とを有し、該第1電極層は
該第2電極層よりも低抵抗率を有する透明導電膜で形成
されており、該複数の絵素領域において、該第1電極層
と該第2電極層との間には有機絶縁膜が形成されてお
り、該非絵素領域において、該第1電極層と該第2電極
層とは電気的に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関す
る。より詳しくは、例えば、直視型の大型表示装置のハ
イビジョンテレビや、高精細モニターなどに応用できる
液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ駆動方式のTFT(薄膜トラ
ンジスタ)素子やPALC(プラズマアドレス液晶)素
子およびデューティー駆動方式のSTN(スーパーツイ
スティドネマチック)素子は、表示装置として多用され
ている。特にPALC素子は、プラズマ放電を用いたス
イッチング素子であり、超大型ディスプレイヘの適用が
注目されている。PALC液晶パネルは、TFTのよう
な半導体素子を含まないので、低コストであり、また、
低消費電力の大型液晶表示装置としての可能性に注目を
集めている。上述した液晶表示装置は、軽量、薄型、低
消費電力等の特徴を有しており、このような液晶表示装
置は、来たるマルチメディア社会でのキーデバイスとし
て、各種OA、AV機器分野等で応用開発がなされてい
る。このような液晶表示装置には、電極を有する1対の
基板の近傍付近で、ネマティック液晶分子が約90゜ね
じれているTN表示モード、または、液晶分子が180
゜以上ねじれているSTN表示モードが多用されてい
る。
【0003】20型を超えるPALC表示装置におい
て、信号線、走査線等や絵素電極の電気抵抗値は、光の
透過率、視野角特性、特に消費電力、表示のスイッチン
グ速度や均一性などの液晶表示装置の表示性能に大きく
関係する。高精細の例えばハイビジョン表示(走査線数
(縦×横=1920×1080))を行う場合には、信
号波形に対して10μ秒以下の遅延で表示する必要があ
る。十分な電界を10μ秒以下の表示遅延で液晶層に均
一にかけるためには、カラーフィルター基板の電極の低
電気抵抗化は必要不可欠となっている。
【0004】カラーフィルター層にITO(インジウム
錫酸化物)電極14を真空蒸着(スパッタリング)する
プロセスは、オーバーコート材を含むカラーフィルター
層16部分の耐熱性のために、220℃付近で行うこと
が当該技術で公知の方法となっている。高精細表示を行
うために、ITOの面抵抗値を3Ω/口程度まで十分に
下げるには、図1に示されるように、膜厚約1μmもの
ITO電極14を必要とするので、後工程のパターンエ
ッチング性能が低下してしまう。また、図1に示される
ように、パターンエッチング工程後の膜厚段差が、液晶
層12中の液晶分子10の配向に大きな影響を与えてし
まう。さらに、一対の基板8および18に設けられた偏
光板(不図示)がクロスニコル状態の時に、液晶分子1
0の存在する領域22において光抜けが生じてしまう。
また、ITO電極14の膜厚が大きいので、カラーフィ
ルター基板18全体の透過率が低下するという問題点が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するために、図2に示されるように、絵素電極以外の信
号線および走査線の電極24をAlやCuなどで形成す
ることが提案されている。しかしながら、これらの金属
は遮光性を有するために、絵素領域の開口部を狭くし、
絵素領域の開口率の低下を引き起こすという問題点があ
る。さらに、ファインピッチのパターニング工程のマー
ジンが狭いために生産性に欠け、また、製造工程におい
て、電極電位の異なる透明電極との間で電食反応を起こ
してしまうという問題点がある。
【0006】特開昭62−79421号公報は、図3に
示されるように、カラーフィルター層17の着色膜上の
保護膜30上に上電極32を設け、さらに、着色膜17
にスルーホール34を設けた液晶表示装置を開示してい
る。この液晶表示装置において、下電極36に印加され
た信号が、スルーホール34を介して上電極32に導か
れるので、カラーフィルター層による電圧降下を起こす
ことなく、液晶層12に十分な駆動電圧が印加される。
【0007】しかしながら、表示行うための絵素領域の
着色膜17にスルーホール34を設けることにより、局
部的に、カラーフィルター層の段差が変化するために、
十分な色特性、すなわち、フルカラー表示をすることが
できない。また、フォトリソグラフィープロセスによっ
て形成されるスルーホール34において、大面積のカラ
ーフィルター基板を用いる場合、スルーホール34の製
造マージンが狭く、スルーホール34部分において完全
には着色膜が除去されないことにより、下電極36と上
電極32との間のコンタクト不良が生じてしまう。さら
に、スルーホール34のような傾斜が急峻な部位に局部
的に電極をスパッタリングすることは困難であり、断線
の原因となり、TNモードやSTNモードにおいては、
カラーフィルター層の着色膜の段差の影響により、表示
むらや色再現性不良を引き起こしてしまう。また、スル
ーホール34は、液晶分子の配向に影響を及ぼし、液晶
分子の配向不良を引き起こし、表示品位を低下させると
いう問題が生じる。
【0008】本発明は、上述のような従来技術の課題を
解決するためになされたものであり、高精細表示可能な
液晶表示装置およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明の液晶表示装置
は、第1および第2基板と、該第1基板と該第2基板と
の間に挟持された液晶層と、該第1および第2基板にそ
れぞれ設けられた、該液晶層に電圧を印加するための第
1および第2電圧印加手段と、表示を行うための複数の
絵素領域と、該複数の絵素領域間に設けられた非絵素領
域と、を有する液晶表示装置であって、該第1電圧印加
手段は、該第1基板の表面上に形成された第1電極層
と、該第1電極層上に形成された該第2電極層とを有
し、該第1電極層は該第2電極層よりも低抵抗率を有す
る透明導電膜で形成されており、該複数の絵素領域にお
いて、該第1電極層と該第2電極層との間には有機絶縁
膜が形成されており、該非絵素領域において、該第1電
極層と該第2電極層とは電気的に接続されており、この
ことにより、上記の目的が達成される。
【0010】前記有機絶縁膜はカラーフィルター層を有
してもよい。
【0011】前記有機絶縁膜が、前記カラーフィルター
層上に、さらに、可視光領域において透明なオーバーコ
ート層を有し、該オーバーコート層は感光性材料を含む
エポキシアクリレート、ポリグリシジルメタアクリレー
トおよびスチレン系からなるグループのうちの少なくと
も1つから形成されてもよい。
【0012】前記第1および第2電極層の、膜厚300
0Åにおける面抵抗値が、それぞれ、約3Ω/□および
約4Ω/□であってもよい。
【0013】前記第1および第2電極層は、互いに平行
なストライプ状の電極であり、該第1電極層は該第2電
極層と重畳してもよい。
【0014】前記第1および第2基板のうちの少なくと
も一方が、前記液晶層側表面に凸部を有し、該凸部によ
って該複数の絵素領域毎に液晶領域が規定されてもよ
い。
【0015】前記複数の絵素領域の中央部に前記第1お
よび第2電圧印加手段のいずれかが形成されていない領
域を有し、電圧印加時に液晶分子は該第1および第2電
圧印加手段のいずれかが形成されていない領域を中心に
軸対称配向してもよい。
【0016】前記有機絶縁膜は、前記複数の絵素領域毎
の中央部に、逆円錐状の凹部あるいはコンタクトホール
を有し、電圧印加時に液晶分子は該凹部あるいは該コン
タクトホールを中心に軸対称配向してもよい。
【0017】本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1
および第2基板と、該第1基板と該第2基板との間に挟
持された液晶層と、該第1および第2基板にそれぞれ設
けられた、該液晶層に電圧を印加するための第1および
第2電圧印加手段と、表示を行うための複数の絵素領域
と、該複数の絵素領域間に設けられた非絵素領域と、を
有する液晶表示装置の製造方法であって、基板を提供す
る工程と、該第1基板の表面に温度T1で第1透明導電
膜を形成し、該第1透明導電膜ををパターニングするこ
とによって第1電極層を形成する工程と、該第1電極層
上に有機絶縁膜を形成し、パターニングすることによっ
て該複数の絵素領域に対応する領域に該有機絶縁膜を形
成する工程と、該有機絶縁膜を覆う第2透明導電膜を該
温度T1よりも低い温度T2で形成し、該第2透明導電
膜をパターニングすることによって該非絵素領域で該第
1電極層に接続された第2電極層を形成する工程と、を
含み、このことにより、上記の目的が達成される。
【0018】前記第1および第2透明導電膜を形成する
工程の前に、前記第1基板をUV/O3または真空紫外
光を用いてドライ洗浄する工程をさらに包含してもよ
い。
【0019】前記液晶層は、液晶材料、光硬化性樹脂お
よび反応開始剤の混合物を含み、前記複数の絵素領域の
液晶分子を軸対称配向に配向制御しながら、光照射して
光硬化性樹脂を硬化させて軸対称配向固定層を形成する
工程を含んでもよい。
【0020】前記温度T1が約400℃であってもよ
い。
【0021】以下、作用を説明する。
【0022】本発明の液晶表示装置は、第1および第2
基板にそれぞれ設けられた、液晶層に電圧を印加するた
めの第1および第2電圧印加手段を有し、第1電圧印加
手段は、第1基板の表面上に形成された第1電極層と、
第1電極層上に形成された第2電極層とを有している。
第1電極層は、第2電極層よりも低抵抗率を有する透明
導電膜で形成されており、表示を行うための複数の絵素
領域においては、第1電極層と第2電極層との間に有機
絶縁膜が形成されて絶縁されており、絵素領域間に設け
られた非絵素領域においては、第1電極層と第2電極層
とは電気的に接続されているので、第1基板に1つの電
極層しか有さない場合に比べて、電気抵抗値を大幅に低
くすることができる。例えば、42型の超大型高精細液
晶表示装置に上記のような第1電圧印加手段を有する第
1基板を用いれば、信号入力波形に対して、電極層の抵
抗によって表示が大きく遅延することがなく、表示速度
のむらを抑制することができる。また、第1基板上に第
1電極層を形成することは、その製造工程において、マ
ージン(膜厚コントロール、高結晶性および低抵抗値
化)が非常に大きく、特別なガス雰囲気下にする必要が
ないので、所望の抵抗値を有する膜厚の電極を容易にか
つ精度良く製造することができる。
【0023】有機絶縁膜がカラーフィルター層を有すれ
ば、カラー表示を行うことができ、別途有機絶縁膜を設
ける必要がない。
【0024】有機絶縁膜がカラーフィルター層上にさら
に感光性材料を含むエポキシアクリレート、ポリグリシ
ジルメタアクリレートおよびスチレン系からなるグルー
プのうちの少なくとも1つから形成されたオーバーコー
ト層が形成されていれば、第2電極層をより高温下でス
パッタリングすることができるので、第2電極層のさら
なる低抵抗化が可能となる。
【0025】膜厚3000Åにおいて、第1および第2
電極層の面抵抗値がそれぞれ、約3Ω/□および約4Ω
/□であれば、例えば、ハイビジョン対応の走査線数
(縦×横=1920×1080)を持つ液晶表示装置に
おいて、入力信号波形に対する遅延を約10μ秒以内に
することができる。
【0026】例えば、PALC液晶表示装置またはST
N(スーパーツイステッドネマチック)表示装置のよう
に、第1および第2電極層が互いに平行にストライプ状
にパターニングされている液晶表示装置において、第1
電極層と対応する第2電極層とが互いに重なるか、第2
電極層が第1電極層を覆うように形成されていれば、第
1電極層が、対応する第2電極層に隣接の第2電極層と
交差することがなく、容量結合現象が生じることがな
い。また、隣接する電極の信号の影響を受けることもな
い。
【0027】少なくとも一方の基板び液晶層側表面に、
凸部が設けられ、凸部によって複数の絵素領域毎に液晶
領域が規定されれば、液晶層の液晶分子を軸対称配向さ
せることができる。
【0028】絵素領域の中央部に第1および第2電圧印
加手段のいずれかが形成されていない領域を有すれば、
電圧印加時に液晶分子がこの領域を中心に軸対称(放射
状あるいは同心円状など)配向し、軸対称配向された液
晶分子の対称軸をこの領域に固定することができるの
で、広視野角でざらつきのない優れた表示品位を有する
液晶表示装置を提供することができる。
【0029】有機絶縁膜が、複数の絵素領域毎の中央部
に逆円錐状の凹部あるいはコンタクトホールを有すれ
ば、電圧印加時に液晶分子が凹部あるいはコンタクトホ
ールの最深部を中心に軸対称配向し、凹部あるいはコン
タクトホールによって配向軸を固定することができるの
で、広視野角でざらつきのない優れた表示品位を有する
液晶表示装置を提供することができる。
【0030】本願発明の液晶表示装置の製造方法による
と、第1基板の表面に温度T1で第1透明導電膜を形成
し、パターニングすることによって第1電極層を形成
し、第1電極層上において絵素領域に対応する領域に有
機絶縁膜を形成し、有機絶縁膜を覆う第2透明導電膜を
温度T1よりも低い温度T2で形成し、パターニングす
ることによって非絵素領域で第1電極層に接続された第
2電極層を形成するので、第1電極層を、第2電極層よ
りも低抵抗率を有する透明導電膜で形成することができ
る。図5(a)に示されるように、例えばITOのスパ
ッタリング温度を上昇させれば、その面積抵抗値は減少
するからである。従って、第1基板に1つの電極層しか
有さない場合に比べて、電気抵抗値を大幅に低くするこ
とができる。
【0031】第1および第2透明導電膜を形成する前
に、第1基板をUV/O3または真空紫外光を用いてド
ライ洗浄すれば、基板の濡れ性が高くなり、基板と導電
膜間の密着性を高くすることができ、導電膜の膜剥がれ
を防ぐことができる。
【0032】液晶層は、液晶材料、光硬化性樹脂および
反応開始剤の混合物を含み、絵素領域の液晶分子を軸対
称配向に配向制御しながら、光照射して光硬化性樹脂を
硬化させて軸対称配向固定層を形成すれば、より表示品
位の向上した液晶表示装置を提供することができる。
【0033】第1電極層の面抵抗値をできるだけ低下さ
せるために、第1透明導電膜を第1基板の表面に形成す
る温度T1が約400℃すなわち、ガラス(基板)の耐
熱温度付近であることが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】「絵素領域」という用語を説明す
る。本発明の液晶表示装置は、表示を行うための絵素領
域を複数有する。絵素領域は表示の最小単位である絵素
を構成する液晶表示装置の一部分(構成要素)を指す。
典型的には、対向電極と、マトリクス状に形成されアク
ティブ素子(TFTなど)のそれぞれによってスイッチ
ングされる複数の絵素電極とを有するアクティブマトリ
クス型液晶表示装置において、各絵素領域は、各絵素電
極とそれに対向する対向電極の領域とその間に位置する
液晶領域とを含む。また、それぞれの基板上に液晶層を
介して互いに交差するように形成されたストライブ状の
電極(走査電極及び信号電極)を有する単純マトリクス
型液晶表示装置においては、絵素領域は、ストライプ状
の電極が交差する領域とその交差部に位置する液晶領域
とを含む。
【0035】カラー表示装置においては、絵素領域に対
応してカラーフィルタ領域を形成し、それぞれのカラー
フィルタ領域を通過する光を絵素領域で制御することに
よって、加法混色によってカラー表示を行う。典型的に
は、赤絵素領域、緑絵素領域、青絵素領域の3つの絵素
領域が1つのカラー画素領域を形成する。カラーフィル
タ領域はカラーフィルタ層の絵素領域に対応して設けら
れた領域を指し、例えば、赤フィルタ領域、緑フィルタ
領域、青フィルタ領域のそれぞれを指す。カラーフィル
タ領域は、例えば、ストライプ状に配置された着色層の
一部である。複数の着色層を含む層をカラーフィルタ層
と呼ぶ。ストライプ配列の場合には、巡回的に配置され
た複数の赤層、緑層及び青層を含む。カラーフィルタ層
は、各着色層または各カラーフィルタ領域間に設けられ
た遮光層(ブラックマスク)を含んでも良い。カラーフ
ィルタ層は、複数の異なる色の着色層を含み、各着色層
は、複数の絵素領域に対応して設けられたカラーフィル
タ領域を有する。また、本発明において、絵素領域毎に
設けれた着色層の無い領域を非カラーフィルタ領域と呼
ぶ。本願発明においては、カラーフィルタ層は、カラー
フィルタ領域と非カラーフィルタ領域とを含む。
【0036】なお、絵素領域と液晶領域との対応関係
は、1つの絵素領域に1つの液晶領域を形成する場合に
限られない。但し、表示品位を向上するために液晶領域
は絵素領域に対応して形成されることが好ましい。縦横
比が大きい絵素(長絵素)の場合、一つの長絵素に対し
て、複数の液晶領域を形成してもよい。絵素に対応して
形成される液晶領域の数は、軸対称配向が安定に形成さ
れうる限り、できるだけ少ないほうが好ましい。
【0037】本発明の液晶表示装置90を図4(a)か
ら図4(c)を参照しながら説明する。図4(a)は、
液晶表示装置90の概略上面図を示す。図4(b)およ
び図4(c)は、それぞれ、図4(a)のA−A部分
(絵素領域)およびB−B部分(非絵素領域)の断面図
を示す。
【0038】本発明の液晶表示装置90は、例えばガラ
スからなる第1基板52および第2基板54と、両基板
間に挟持された液晶層62とを有する。第1および第2
基板52、54には、それぞれ、液晶層62に電圧を印
加するための第1および第2電圧印加手段が設けられて
いる。第1電圧印加手段は、第1基板54の表面上に形
成された第1電極層56と、その上に形成された第2電
極層58とを有する。第1電極層56は第2電極層58
よりも低抵抗率を有する透明導電膜で形成されている。
【0039】図4(b)に示されるように、表示を行う
ための複数の絵素領域70において、第1電極層56と
第2電極層58との間には有機絶縁膜76が形成されて
いる。一方、図4(c)に示されるように、絵素領域間
に設けられた非絵素領域において、第1電極層56と第
2電極層58とは電気的に接続されている。
【0040】なお、必要に応じて、基板の液晶層側に配
向膜(不図示)あるいは、絵素領域間に遮光層(ブラッ
クマスク)78を設けても良い。
【0041】本発明の液晶表示装置90は、第1基板5
2の表面に、温度T1で第1透明導電膜を形成し、パタ
ーニングすることによって第1電極層56を形成し、さ
らに、第1電極層56上に有機絶縁膜を形成し、パター
ニングすることによって絵素領域に対応する領域に有機
絶縁膜76を形成する。また、有機絶縁膜76を覆う第
2透明導電膜を温度T1よりも低い温度T2で形成し、
第2透明導電膜をパターニングすることによって、非絵
素領域で第1電極層56に接続された第2電極層58を
形成する。
【0042】第1基板52には、UV/O3または真空
紫外光を用いてよく洗浄された素ガラス基板(接触角;
10°以下)を用いることが好ましい。タクト時間(U
V照射時間(洗浄時間))は、数分程度の短時間であ
る。基板を洗浄すれば、基板表面の濡れ性が高くなり、
基板と表面に形成される導電膜との密着性を高くするこ
とができ、導電膜の膜剥がれを防ぐことができる。な
お、素ガラス基板にあらかじめSiO2などの絶縁膜が
形成されていても良い。
【0043】図5(a)は、スパッタリング温度と透明
導電膜の面積抵抗値との関係を表す実験結果を示す。図
5(a)に示されるように、透明導電膜は、スパッタリ
ング温度が高いほど、電気抵抗値が低下する。従って、
第1基板52に耐熱温度が約400℃の高温度である素
ガラスを用い、第1基板52上に透明導電膜を約400
℃(T1)で真空スパッタリングする(このとき、透明
導電膜の面積抵抗値は約3Ω/□(体積抵抗率は約1.
3μΩ・cm))ことが好ましい。高精細表示を行うた
めには、第1電極層を形成する第1透明導電膜の面積抵
抗値は、約3Ω/□以下であることが好ましい。続い
て、エッチング液(塩鉄、HBrあるいは王水等)を用
いて、所望の形状、例えばストライプ状に、パターニン
グして第1電極層56を第1基板上に形成する。パター
ニングプロセスは当該技術で公知の方法で行う。
【0044】第1電極層56上に、赤(R)、緑(G)
および青(B)のカラーフィルター層を含む有機絶縁膜
を当該技術で公知の方法でパターニング形成してもよ
い。有機絶縁膜76がカラーフィルター層を有する場
合、第2電極層58の低抵抗化のためにスパッタリング
温度を上げるためには、カラーフィルター層上にさらに
高耐熱性を有するオーバーコート層を形成することが好
ましい。高温下で、第2透明導電膜(例えばITO)を
スパッタリングすると、電気抵抗値が下がると共に透過
率が向上する(図5(b))。なお、図5(b)は、面
積抵抗値約3Ω/□の下で、ガラスをリファレンスとし
た透明導電膜の透過率を示す。例えばITOからなる第
2透明導電膜を、当該技術で公知の方法のプロセスで、
温度(T2)約220℃でスパッタリング後、例えばス
トライプ状にパターニングすることによって、第2電極
層58は形成される。第2電極層を形成する第2透明導
電膜の面積抵抗率は、約6Ω/□以下であることが好ま
しい。
【0045】カラーフィルター層上のオーバーコート層
は、エポキシ、フェノール、ウレタン、ポリイミド、ポ
リエステル、ラバー、ジアリルフタレート、ポリプロピ
レン、EPDM、メラミン、ABS、塩化ビニル系等
の、感光性ポリマーで形成されることが好ましい。ま
た、感光剤とポリマーとの混合物でカラーフィルター層
上のオーバーコート層を形成する場合には、べースポリ
マーとして、ネガ型のものでクロルメチル化ポリスチレ
ン、クロルメチル化ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ
(クロルα−メチルスチレン)、ポリクロルメチルスチ
レン、ポリハロゲノスチレンあるいはエポキシアクリレ
ートを用いることが可能である。また、ポジ型のもので
は、ポリグリシジルメタクリレートあるいはポリメチル
メタクリレートを用いることが可能である。ポジ型感光
剤としてはナフトキノンジアジド、ネガ型感光材料とし
てはジアゾニウム塩系が用いられ得る。
【0046】カラーフィルター層を形成するための樹脂
材料の耐熱性が充分高ければ、オーバーコート層は必要
ない。このような場合、プロセスを短縮することが可能
となり、低コスト化を実現することができる。
【0047】なお、第1電極層56および第2電極層5
8のパターンがストライプ状で、第1電極層56と第2
電極層58とが交差するような構造になっている場合、
正常な表示を行うことができない。絵素領域において、
電極層間に有機絶縁膜が挟まれているため、容量結合が
生じてしまうからである。従って、第1電極層56およ
び第2電極層58の幅が共に同じ大きさで、かつ、重畳
しているか、第2電極層が第1電極層を覆うように形成
されていれば、第1電極層が、対応する第2電極層に隣
接の第2電極層と重畳することがなく、容量結合現象が
生じない。また、隣接する電極の信号の影響を受けるこ
ともない。このような場合、液晶層に入力された信号波
形を正確に各絵素に送信することができ、正常表示され
る。
【0048】例えば、PALC液晶表示装置において、
ハイビジョン等の高精細表示を行う場合、例えば膜厚約
3000ÅのITOからなる透明導電膜は、面積抵抗値
が約3Ω/□(体積抵抗率約1.3μΩ・cm)であるこ
とが好ましい。面抵抗値が約3Ω/□であるITOから
なる電極ライン間の容量と電極ラインの抵抗値をもと
に、シミュレーションにより、入力信号波形に対する表
示の遅延(なまり具合)を調べた結果を図6(a)に示
す。
【0049】シミュレーション条件は下記の表1に示す
通りである。
【0050】
【表1】
【0051】ハイビジョン(走査線数(縦×横=192
0×1080))対応で、ITOからなる電極ラインの
上下120ライン分の容量を測定して、ライン間の容量
を計算している。電極ラインの抵抗値はラインの長さお
よび幅から計算している。これをもとに単色表示の場合
におけるライン終端での波形なまりをシミュレーション
している。駆動波形は、立ち上がりおよび立ち下がりを
2.5μ秒の矩形波と仮定している。
【0052】面抵抗値が約3Ω/□である場合、図6
(a)に示されるように、入力信号波形に対する表示の
遅延は、2μ秒程度であり、表示に問題のないレベルで
あることがわかった。図6(b)に、様々な面積抵抗値
における、入力信号波形に対する末端部波形のずれ幅
(表示の遅延)を示す。
【0053】なお、上述の、ガラス/第1電極層(IT
O)/有機絶縁膜(カラーフィルター層)/第2電極層
(ITO)の2層電極層構造は、TFT基板にも形成さ
せることが可能であり、低抵抗化を図ることができる。
【0054】(ASMモードへの適用)図7(a)〜
(d)を参照しながら、本発明の液晶表示装置90をA
SMモード(Axially Symmetric Aligned Microcell Mo
de)に適用した場合について説明する。図7(a)及び
(b)は、電圧無印加時の、(c)及び(d)は、電圧
印加時の状態を示し、(a)及び(c)は液晶表示装置
90の断面図、(b)及び(d)は上面をクロスニコル
状態の偏光顕微鏡で観察した結果を示す。
【0055】液晶表示装置90は、一対の基板52と5
4との間に、例えば誘電異方性(Δε)が負(n型)の
液晶分子61からなる液晶層62が挟持されている。
【0056】液晶表示装置90において、一対の基板5
2および54の液晶層62に接する表面に、垂直配向層
68を形成し、一対の基板52および54の少なくとも
一方の液晶層62側の面に、凸部74が形成される。こ
の凸部74によって、液晶層62は、液晶層の絵素領域
内の厚さ(din)と非絵素領域の液晶層の厚さ(dou
t)の2種類の異なる厚さを有する。dinはdoutよりも
大きいことが好ましい。
【0057】その結果、後述するように、電圧印加時に
軸対称配向を呈する液晶領域が、凸部74によって包囲
される領域に規定される。なお、図7(a)および
(c)において、液晶層62に電圧を印加するための第
1および第2電圧印加手段は省略してある。
【0058】電圧無印加時には、(a)に示すように、
液晶分子61は、垂直配向層68の配向規制力によっ
て、基板に垂直な方向に配向している。電圧無印加状態
の絵素領域をクロスニコル状態の偏光顕微鏡で観察する
と、(b)に示したように、暗視野を呈する(ノーマリ
ーブラックモード)。電圧を印加すると、負の誘電異方
性を有する液晶分子62に、液晶分子の長軸を電界の方
向に対して垂直に配向させる力が働くので、(c)に示
すように、基板に垂直な方向から傾く(中間調表示状
態)。この状態の絵素領域をクロスニコル状態の偏光顕
微鏡で観察すると、(d)に示すように、偏光軸に対し
て約45°に沿った方向に消光模様が観察される。
【0059】上述のようなASMモードの液晶表示装置
は、垂直配向と軸対称配向との間を電圧によって変化す
る液晶領域を有するので、優れた視角特性を有する。ま
た、誘電異方性が負の液晶材料を用い、電圧無印加時に
垂直配向状態をとるノーマリーブラックモードの表示を
行えば、高コントラストの表示を提供することができ
る。
【0060】なお、後で説明するように、各絵素領域の
中心位置に、第1および第2電圧印加手段のいずれかが
形成されていない領域や、逆円錐状のテーパーまたはコ
ンタクトホールを設けることによって、軸対称配向して
いる液晶分子の軸位置を固定し、液晶分子の配向を安定
化すれば、表示品位のざらつき感が著しく低減される。
上記円錐状のテーパーまたはコンタクトホールは、逆円
錐形状で約10°以下の傾斜がついていることが望まし
い。このように傾斜がついていると、電圧印加時に軸対
称配向の中心軸付近の液晶分子の配向が、基板に対して
垂直のままであるので、光ぬけが生じることがない。従
来のコンタクトホールを有するTN配向の液晶表示装置
では、光抜けが生じていた。
【0061】絶縁性のブラックマトリックスが、ストラ
イプ状にパターニングされ、隣の信号線と完全に絶縁さ
れていれば、導電性のカラーフィルター用樹脂材料をス
トライプ状にパターニングして使用できる。このとき、
導電性が十分高ければ、第2絵素電極は必要なくなる。
第2絵素電極を設けなければ、製造プロセスを短縮で
き、コスト削減に役立つ。しかしながら、実際的には、
導電性のカラーフィルター材料のカラー樹脂材料には、
金属粒子や導電性高分子などを混合させるので、色純度
や透明度等の光学性能が低下してしまう。また、このよ
うな不純物質が液晶層に溶出するために電圧保持率が低
下してしまい、通常の液晶駆動ができなくなってしま
う。従って、本願の液晶表示装置のように、第2電極層
を有することが好ましい。
【0062】以下に具体的な実施例と、比較例とを説明
する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるもの
ではない。
【0063】(実施例1)本実施例1では、上述の本発
明の液晶表示装置を、ハイビジョン対応のドットピッチ
および走査線数(縦×横=1920×1080)を有す
る高精細PALC液晶表示装置に適用した例について述
べる。
【0064】図8(a)に示されるPALC100は、
第1基板110を含む液晶セル120と、プラズマセル
基板130(第2基板)とを積層した構成をしている。
第1基板110とプラズマセル基板130との間には液
晶層136が挟持されており、第1基板110の液晶層
136側には第1電極層112および第2電極層116
と、有機絶縁膜114(カラーフィルタ層)が形成され
ている。
【0065】プラズマセル基板130は、基板140と
誘電体セパレータ138との間隙が複数のリブ隔壁14
2で分割された複数のプラズマ放電チャネル144を含
む第2電圧印加手段を有する。プラズマ放電チャネル1
44には、イオン化可能なガスが封入されており、カソ
ード146とアノード146との間に放電パルス電圧を
印加することによって、プラズマが発生する。複数のプ
ラズマ放電チャネル144は、信号電極(列電極)11
2および116と直交する方向に延びており、カソード
146とアノード146とが走査電極(行電極)として
機能し、線順次走査される。信号電極(列電極)112
および116と、誘電体セパレータ138との間の電位
差によって、液晶層136が駆動される。
【0066】PALC100は、プラズマ放電チャネル
144と信号電極(列電極)112および116とが交
差する領域によって形成される表示を行うための複数の
絵素領域、および絵素領域間の非絵素領域を有する。本
実施例において、各絵素領域の大きさは、約144μm
×119μmとした。
【0067】絵素領域において、第1電極層112と第
2電極層116とは、その間に絶縁性を有するカラーフ
ィルター層114を挟み、絶縁されている。非絵素領域
においては、第1電極層と第2電極層とは電気的に接続
されている。
【0068】次に本実施例1のPALC100の製造方
法を説明する。
【0069】UV/O3または真空紫外光であらかじめ
ドライ洗浄された42型のガラス基板110(接触角は
10°以下)に、約400℃(T1)でITOからなる
厚み約300nmの第1透明導電膜をスパッタリングす
る。この第1透明導電膜の面積抵抗値は約3Ω/□(体
積抵抗率は約1.3μΩ・cm)であった。続いて、第1
透明導電膜をストライプ状にパターニングして、第1電
極層112を形成する。続いて、再び基板110を上記
と同様の方法でドライ洗浄する。
【0070】感光性ブラック樹脂(樹脂は上述した、カ
ラーフィルタ層上のオーバーコート層の材料と同様の材
料を用いて形成される)を用いて、フォトマスク位置合
わせマーカーと遮光部のブラックマトリクス(BM)を
形成する。続いて、再び基板110を上記と同様の方法
でドライ洗浄する。さらに、第1電極層、フォトマスク
位置合わせマーカーおよび遮光部のブラックマトリクス
(BM)の上に、カラーフィルター層114を形成し、
カラーフィルター層114上にポリイミド樹脂材料から
なるオーバーコート層を形成する。カラーフィルター層
114およびオーバーコート層を含む有機絶縁膜を覆う
ITOからなる第2透明導電膜を、上記T1よりも低い
約220℃(T2)で、厚み約300nmスパッタリン
グする。この第2透明導電膜の面積抵抗値は約4Ω/□
(体積抵抗率は約1.55μΩ・cm)であった。さら
に、第2透明導電膜をストライプ状にパターニングし
て、非絵素領域で第1電極層に接続された第2電極層1
16を形成する。
【0071】両基板110及び130の液晶層136側
表面には、水平配向膜118(AL4552、日本合成
ゴム製)が形成されている。配向膜の塗布後、ラビング
等により希望のツイスト角度になるよう配向処理を施し
てある。さらに、水平配向層118上にプラスチックビ
ーズを用いて、高さ約6μmのスペーサーを形成する。
以上のようにして作製された液晶セル120を、所定
の方法で作製されたプラズマセル基板130とを貼り合
わせ、液晶セル120中に、誘電異方性が正の液晶材料
(△ε=1.9、△n=0.067、セルギャップ6μ
mで90°ツイストとなるように液晶材料固有のツイス
ト角を設定)を注入し、加熱急冷した。
【0072】全面点灯を確認するために電圧を印加して
いくと偏光板クロスニコル下で表示領域が均一に白から
黒に変化したのが観察された。この時の信号入力波形に
対する表示の遅延は、許容範囲の約10μ秒以下であ
り、ハイビジョン表示のような高精細表示において、良
好な表示品位を得ることができた。
【0073】(実施例2)図8(b)に示される実施例
2の42型PALC200は、凸部205を基板110
上に有し、複数の絵素領域毎に液晶領域が規定され、液
晶分子は軸対称配向している。
【0074】PALC200は、第1基板110を含む
液晶セル220と、プラズマセル基板130(第2基
板)とを積層した構成をしている。図8(a)のPAL
C100とは、PALC200が凸部205および垂直
配向膜218を有することにおいて異なる。
【0075】PALC200の有する凸部205は、光
感光性樹脂材料をパターニングすることによって形成さ
れた高さ約3μmの格子状の壁である。第2透明導電膜
が格子状の凸部205を形成した後に基板110上にス
パッタリングされ、第1電圧印加手段の有する第2電極
層116が形成され得る。高さ約3μmのスペーサ(セ
ル厚保持材となる柱、不図示)を凸部205上の所望の
位置に形成した。さらに、JALS−204(日本合成
ゴム製)をスピンコートし、両基板110及び130の
液晶層136側表面に、垂直配向層218(JALS−
204、日本合成ゴム製)を形成した。
【0076】作製した液晶セル220中に、誘電異方性
が負の液晶材料(△ε=−4、△n=0.08、セルギ
ャップ6μmで90°ツイストとなるように液晶材料固
有のツイスト角を設定)と光重合開始材と光重合モノマ
ーの混合物である前駆体を注入した。
【0077】凸部205およびスペーサーには感光性の
アクリル、メタクリレート、ポリイミド、ゴム系の材料
を使用してもよい。感光性を有し、筆圧(400g/m
2)程度の押圧に対して、凸部およびスペーサーが破
壊されない強度を有することができれば、どのような材
料を用いて形成してもよい。
【0078】液晶層136に含まれる液晶分子がASM
配向するように、軸対称状配向中心軸出し電圧として、
40Vを液晶セル220に印加した。軸対称状配向中心
軸出し電圧を印加し続けると、絵素領域毎に1つの軸対
称領域(モノドメイン)が形成された。
【0079】液晶セル220の両側に、面内リタデーシ
ョンが約43nmかつ法線方向のリタデーションが約1
91nmの2軸性位相差板(不図示)を設け、さらにそ
の両側に偏向板をクロスニコル状態になるように配置
し、液晶表示装置を作製した。
【0080】全面点灯を確認するために電圧を印加して
いくと偏光板がクロスニコル状態で、表示領域が白から
黒に均一に変化するのが観察され、入力波形に対するス
イッチング表示遅延は約10μ秒以下であり、ハイビジ
ョン走査線数(縦×横=1920×1080)表示にお
いて、全く問題が無かった。
【0081】PALC200による電気光学特性(電圧
−透過率特性)を図9(a)に示す。図9(a)から明
らかなように、PALC200によると、OFF状態に
おける透過率が低く、良好な電圧−透過率比が得られ
た。
【0082】また、図9(b)は、PALC200によ
るコントラストの視野角特性を示す。図9(b)におい
て、ψは方位角(表示面内の角度)、θは視角(表示面
法線からの傾き角)であり、ハッチングは、コントラス
ト比が10:1以上の領域を示す。図9(b)から明ら
かなように、PALC200によると、広い視野角範囲
において高いコントラスト比が得られており、ほぼ円形
の視野角特性を得ることができた。
【0083】(実施例3)実施例3の42型PALCの
有する液晶セルの上面図を図10(a)に示し、図10
(a)におけるA−A断面図(絵素領域)を図10
(b)に示す。
【0084】実施例3のPALCは、第1電極層と第2
電極層とを接続するコンタクトホール326を各絵素領
域70のカラーフィルタ層322中央部に有することに
おいて、実施例2のPALC200と異なる。
【0085】コンタクトホール326の傾斜角αは、約
10°以下であるように形成されている。
【0086】実施例3のPALCに電圧を印加しなが
ら、絵素領域を偏光顕微鏡(クロスニコル状態)の透過
モードで観察した。電圧をかけ始めてまもなくでは、軸
対称状に配向した液晶分子の配向中心軸が、絵素領域の
ほぼ中心部に位置している液晶分子の割合が、全液晶分
子の10%程度であった。電圧を加え続けることによっ
て、図7(c)に示すように、各絵素領域において液晶
分子が軸対称状に配向し、かつ、軸対称状配向中心軸
が、絵素領域のほぼ中央部に対応する位置に形成される
のが観察された。すなわち、コンタクトホール326の
位置に液晶分子の配向軸が集中することが確認された。
【0087】(比較例1)比較例1では高精細PALC
液晶表示装置のハイビジョン走査線数(縦×横=192
0×1080)対応のもので、従来のVGA用の電気抵
抗値を有する図1に示されるようなITO電極構造を有
する装置ででハイビジョン表示を行った例について説明
する。
【0088】比較例1の液晶表示装置に含まれるカラー
フィルター基板は、ITOからなる膜厚300nm、面
積抵抗値6Ω/□のストライプ状に形成された透明電極
を有する。比較例1において、上述のカラーフィルター
基板を、実施例1と同様の42型プラズマセル基板と貼
り合わせ、TN液晶セルを作製した。表示スイッチング
を確認したところ、不均一な表示となり、液晶層に十分
な電圧がかからず、電圧−透過率(V−T)特性でサチ
ュレーションが得られなかった。また、信号入力波形に
対して表示の遅延が10μ秒以上であった。
【0089】(比較例2)比較例2の装置において、図
11に示されるように、第1電極層56’と第2電極層
58’が非絵素領域Bで交差している。なお、図11
は、本比較例2の液晶表示装置の非絵素領域Bを特に拡
大した一部上面図を示す。
【0090】液晶駆動用ドライバーを第2電極層配線に
TAB付けすると、対応しない異なる第1電極層を接続
してしまい、容量結合により表示が正常ではなかった。
【0091】(比較例3)比較例3では、高精細PAL
C液晶表示装置の製造工程において、第1および第2電
極層(ITO電極)とカラーフィルター層を形成する前
に、カラーフィルター基板を従来の方法(20%NaO
Haq+US(超音波)で20分、純水リンス、IPA
洗浄乾燥(10分))で洗浄を行った。各層の接触角は
10°以上であり、第2電極層をパターニングする工程
で、構造の欠損や膜剥れが生じてしまった。
【0092】
【発明の効果】上述したように、本発明によると、電気
抵抗値の低い、高透過率を有する高精細表示可能な液晶
表示装置およびその製造方法を提供することができる。
本発明は、HDTVやXGA等の高精細ディスプレイ表
示対応の液晶表示装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液晶表示装置を示す断面図である。
【図2】従来の液晶表示装置を示す断面図である。
【図3】従来の液晶表示装置を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の液晶表示装置を示
す図である。
【図5】(a)は、スパッタリング温度と透明導電膜の
面積抵抗率との関係を表すグラフ、(b)は、スパッタ
リング温度と透明導電膜の透過率との関係を表すグラフ
である。
【図6】(a)は、入力信号波形に対する表示の遅延の
シミュレーション結果を表すグラフ、(b)は、面積抵
抗値と表示の遅延との関係を示すグラフである。
【図7】(a)及び(c)は本発明のある液晶表示装置
の断面図、(b)及び(d)は上面をクロスニコル状態
の偏光顕微鏡で観察した結果を示す図である。
【図8】(a)および(b)は、本発明のある実施例の
液晶表示装置の断面図である。
【図9】(a)は、本発明の液晶表示装置の電気光学特
性(電圧−透過率特性)、(b)は、コントラストの視
野角特性を示す。
【図10】(a)および(b)は、本発明のある実施例
の液晶表示装置を示す図である。
【図11】比較例の液晶表示装置の一部上面図である。
【符号の説明】
54 第2基板 56 第1電極層 58 第2電極層 62 液晶層 70 絵素領域 78 遮光層 90 液晶表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA17 GA34 HA27 JA24 JA46 JB52 KB06 KB15 MA05 MA09 MA13 NA22 NA27 NA28 PA01 PA03 PA06 PA08 QA07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2基板と、 該第1基板と該第2基板との間に挟持された液晶層と、 該第1および第2基板にそれぞれ設けられた、該液晶層
    に電圧を印加するための第1および第2電圧印加手段
    と、 表示を行うための複数の絵素領域と、 該複数の絵素領域間に設けられた非絵素領域と、を有す
    る液晶表示装置であって、 該第1電圧印加手段は、該第1基板の表面上に形成され
    た第1電極層と、該第1電極層上に形成された該第2電
    極層とを有し、該第1電極層は該第2電極層よりも低抵
    抗率を有する透明導電膜で形成されており、 該複数の絵素領域において、該第1電極層と該第2電極
    層との間には有機絶縁膜が形成されており、 該非絵素領域において、該第1電極層と該第2電極層と
    は電気的に接続されている、液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記有機絶縁膜はカラーフィルター層を
    有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記有機絶縁膜が、前記カラーフィルタ
    ー層上に、さらに、可視光領域において透明なオーバー
    コート層を有し、該オーバーコート層は感光性材料を含
    むエポキシアクリレート、ポリグリシジルメタアクリレ
    ートおよびスチレン系からなるグループのうちの少なく
    とも1つから形成された、請求項2に記載の液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2電極層の、膜厚30
    00Åにおける面抵抗値が、それぞれ、約3Ω/□およ
    び約4Ω/□である、請求項1から3のいずれかに記載
    の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2電極層は、互いに平
    行なストライプ状の電極であり、該第1電極層は該第2
    電極層と重畳している、請求項1から4のいずれかに記
    載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2基板のうちの少なく
    とも一方が、前記液晶層側表面に凸部を有し、該凸部に
    よって該複数の絵素領域毎に液晶領域が規定される、請
    求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の絵素領域の中央部に前記第1
    および第2電圧印加手段のいずれかが形成されていない
    領域を有し、電圧印加時に液晶分子は該第1および第2
    電圧印加手段のいずれかが形成されていない領域を中心
    に軸対称配向する、請求項1から6のいずれかに記載の
    液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記有機絶縁膜は、前記複数の絵素領域
    毎の中央部に、逆円錐状の凹部あるいはコンタクトホー
    ルを有し、電圧印加時に液晶分子は該凹部あるいは該コ
    ンタクトホールを中心に軸対称配向する、請求項1から
    6のいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 第1および第2基板と、 該第1基板と該第2基板との間に挟持された液晶層と、 該第1および第2基板にそれぞれ設けられた、該液晶層
    に電圧を印加するための第1および第2電圧印加手段
    と、 表示を行うための複数の絵素領域と、 該複数の絵素領域間に設けられた非絵素領域と、を有す
    る液晶表示装置の製造方法であって、 基板を提供する工程と、 該第1基板の表面に温度T1で第1透明導電膜を形成
    し、該第1透明導電膜ををパターニングすることによっ
    て第1電極層を形成する工程と、 該第1電極層上に有機絶縁膜を形成し、パターニングす
    ることによって該複数の絵素領域に対応する領域に該有
    機絶縁膜を形成する工程と、該有機絶縁膜を覆う第2透
    明導電膜を該温度T1よりも低い温度T2で形成し、該
    第2透明導電膜をパターニングすることによって該非絵
    素領域で該第1電極層に接続された第2電極層を形成す
    る工程と、を含む液晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2透明導電膜を形成
    する工程の前に、前記第1基板をUV/O3または真空
    紫外光を用いてドライ洗浄する工程をさらに包含する、
    請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記液晶層は、液晶材料、光硬化性樹
    脂および反応開始剤の混合物を含み、 前記複数の絵素領域の液晶分子を軸対称配向に配向制御
    しながら、光照射して光硬化性樹脂を硬化させて軸対称
    配向固定層を形成する工程を含む、 請求項9および10のいずれかに記載の液晶表示装置の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記温度T1が約400℃である、請
    求項9に記載の液晶表示装置の製造方法。
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