JP2000221114A - 光ファイバの零分散波長の測定方法 - Google Patents

光ファイバの零分散波長の測定方法

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JP2000221114A
JP2000221114A JP11020808A JP2080899A JP2000221114A JP 2000221114 A JP2000221114 A JP 2000221114A JP 11020808 A JP11020808 A JP 11020808A JP 2080899 A JP2080899 A JP 2080899A JP 2000221114 A JP2000221114 A JP 2000221114A
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wavelength
pulse
optical fiber
light
zero
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Takeshi Seki
武 瀬木
Kuniharu Himeno
邦治 姫野
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバの零分散波長の測定方法におけ
る、測定時間の短縮と測定労力の軽減を課題とする。 【解決手段】 光ファイバシグナル光のパルスを入射し
た後、遅延時間を設けてポンプ光のパルスを入射し、該
シグナル光と該ポンプ光との光混合によって発生するア
イドラ光の波長スペクトルを検出して零分散波長を求め
る光ファイバの零分散波長の測定方法において、光ファ
イバの両端のそれぞれから、シグナル光のパルス(S
1,S2)とポンプ光のパルス(P1,P2)を入射し
て零分散波長を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバの零分散
波長の長手方向の分布を非破壊で測定することができる
光ファイバの零分散波長の測定方法に関し、特に測定の
効率化と測定時間の短縮化を図ることができるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光信号の伝送速度の高速化に伴
い、例えば光ソリトン伝送のように、光ファイバの長手
方向における局所的な零分散波長の把握が、製造技術の
確立に必要となる場合が発生している。光ファイバの長
手方向における零分散波長分布の測定方法は、例えばM.
Eiseltらによって、以下に示す参考文献に開示されてい
る。 参考文献:M.Eiselt et al .,“Nondestructive Positi
on-ResolvedMeasurement of the Zero-Dispersion Wave
length in an Optical Fiber“J.Lightwave Thchnol.vo
l.15,pp.135-143,1997
【0003】この参考文献に開示されている測定方法
は、光混合を利用するものである。光混合とは、複数の
光を光ファイバに入射したときに、これらの光の角周波
数の和と等しい角周波数を有する第3の光が発生する効
果のことである。図4は、この測定方法の概念を示した
図である。この図に示したように、光ファイバに波長s
のシグナル光と波長pのポンプ光を入射すると、光混合
によって、新たに波長iのアイドラ光が発生する。式
(1)は、シグナル光、ポンプ光、アイドラ光の位相の
関係を示した式である。
【0004】
【数1】
【0005】前記式(1)を、零分散波長の角周波数の
周囲で展開し、伝搬定数の第3微分係数以上の高次の微
分係数を無視すると、以下の式(2)が得られる。
【0006】
【数2】
【0007】この式(2)から、ポンプ光の角周波数と
零分散波長の角周波数とが等しい、すなわちポンプ光の
波長と零分散波長とが等しい場合に位相不整合量が零に
なり、アイドラ光が最大となることがわかる。したがっ
て、アイドラ光が最大となるポンプ光の波長を求めるこ
とによって、零分散波長の値を求めることができる。
【0008】零分散波長の光ファイバの長手方向におけ
る分布を調べるには、シグナル光のパルスとポンプ光の
パルスを用い、いわゆるパルスのウォークオフを利用す
る。パルスのウォークオフとは光ファイバ中を伝送する
光のパルスの伝送速度が波長によって異なるため、例え
ば波長の異なるふたつの光のパルスを光ファイバに入射
すると、光ファイバの長さ方向において、時間とともに
これらのパルスの間隔が大きくなる現象をいう。
【0009】図5(a)〜図5(c)は、被測定光ファ
イバの一端から入射したシグナル光とポンプ光の動作を
時間にしたがって示した概念図である。横軸は被測定光
ファイバの長さ方向の位置を表している。すなわち 図
5(a)に示したように、ポンプ光と比較して、被測定
光ファイバ中の伝搬速度が遅いシグナル光のパルス(図
中、Sと記載)を被測定光ファイバに入射した後、時間
をあけて伝般速度の速いポンプ光のパルス(図中、Pと
記載)を入射すると、図5(b)、図5(c)に示した
ように、先に入射したシグナル光のパルスは、光ファイ
バの長手方向のある地点で前記ポンプ光のパルスに追い
越される。このとき、前記シグナル光のパルスと前記ポ
ンプ光のパルスとが重なる部分が発生し、この部分の光
ファイバの長手方向における範囲がひとつの測定範囲と
なる。
【0010】シグナル光のパルスを光ファイバに入射し
てから、ポンプ光のパルスを入射するまでの時間が短い
程、入射位置に近い位置でこれらの光が重なり、測定範
囲は光ファイバの入射位置に近くなる。逆に、前記時間
が図5(a)〜図5(c)に示した場合よりも長いと、
図6(b)に示したように、入射位置から離れた位置で
これらの光が重なり、測定範囲は光ファイバの入射位置
から遠くなる。すなわち、シグナル光のパルスとポンブ
光のパルスとの入射時間の差(以下、この入射時間の差
のことを遅延時間とよぶ)を変化させることによって、
測定範囲の位置を変化させることができる。
【0011】具体的には、まず、遅延時間を固定してひ
とつの測定範囲を設定する。ついで、この測定範囲にお
いて、シグナル光のパルスの波長は一定で、その波長を
微小量ずつ変化させたポンプ光のパルスを用い、各々の
波長毎に、光ファイバの出射端でアイドラ光の波長スペ
クトルを測定する。そして、ポンプ光のパルスの波長の
うち、最も光パワーが大きいアイドラ光が得られた波長
を零分散波長とする。ついで、遅延時間を変化させて測
定範囲を変更し、同様に零分散波長を測定する操作を繰
り返して、光ファイバの長手方向の零分散波長の分布を
求める。
【0012】しかしながら、この測定方法では、被測定
光ファイバ全長において、測定範囲毎に、例えば0.1
nm程度の波長の半値幅を有するポンプ光の波長を、3
0nm程度の広い波長範囲にわたって微少量ずつに変化
させて、各々のアイドラ光の波長スペクトルを測定しな
くてはならない。このため、測定に多大な時間と労力が
かかるという問題があった。
【0013】そこで、本発明者らは、測定時間の短縮と
測定労力の軽減を目的として、特願平10−14640
4号にて、この方法を改良した測定方法を提案してい
る。図7はこの光ファイバの零分散波長の測定方法の概
念を波長スペクトルで示した図である。この方法におい
て、上述の従来の方法と大きく異なる点は、ポンプ光の
パルスの波長幅が広いことである。
【0014】すなわち、図7に示したように、波長sの
シグナル光を入射した後に、波長pl 〜pnという比較
的広い波長帯で実質的に等しい光パワーを有するポンプ
光を入射すると、波長il〜inにアイドラ光のピークが
得られる。 アイドラ光の波長スペクトルは、その中心
波長が最大の光パワーを有する釣り鐘型のピークとな
る。
【0015】上述した式(2)より、アイドラ光が効率
よく発生し、そのパワーが最大となるのは、ポンプ光の
角周波数と零分散波長の角周波数とが一致した場合であ
る。一方、シグナル光の波長と、ポンプ光の波長と、ア
イドラ光の波長との間には、式(3)で示される関係が
成り立つ。
【0016】
【数3】
【0017】したがって、シグナル光の波長と、光パワ
ーが最大となるアイドラ光の波長を前記式(3)に代入
すると、アイドラ光の光パワーが最大となるポンプ光の
波長を求めることができる。そして、このポンプ光の波
長は、上述した式(2)の関係から、零分散波長と等し
いので、結果としてこの測定範囲の零分散波長を求める
ことができる。
【0018】この方法においては、ひとつの測定範囲に
対して、ポンプ光の波長をほとんど変更する必要がな
く、従来と比較して簡単な操作で短時間に光ファイバの
長手方向における零分散波長の分布を測定することがで
きる、効果的な方法である。しかしながら、この方法に
おいても、被測定光ファイバの全長にわたって測定範囲
を変化させながら測定しなければならない操作は従来と
同様であった。例えば被測定光ファイバは数km〜数十
kmであり、長い。そして、この長さが長い程、測定時
間と測定労力は増大する。このため、特に被測定光ファ
イバの長さが長い場合に、さらなる測定時間の短縮と測
定労力の軽減が望まれる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたもので、光ファイバの零分散波長の測定方
法における、測定時間の短縮と測定労力の軽減を課題と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の発明は、光ファイバに、シグナル光
のパルスを入射した後、遅延時間を設けてポンプ光のパ
ルスを入射し、該シグナル光と該ポンプ光との光混合に
よって発生するアイドラ光の波長スペクトルを検出して
零分散波長を求める光ファイバの零分散波長の測定方法
において、光ファイバの両端のそれぞれから、シグナル
光のパルスとポンプ光のパルスを入射することを特徴と
する光ファイバの零分散波長の測定方法である。この第
1の発明においては、光ファイバの長手方向において、
前記シグナル光のパルスと前記ポンプ光のパルスとが重
なる範囲を測定範囲とし、この測定範囲の零分散波長を
求めることができる。また、光ファイバの両端のそれぞ
れからシグナル光のパルスとポンプ光のパルスを入射す
ることによって、一度に2箇所の測定範囲における零分
散波長を求めることができる。第2の発明は、この第1
の発明の光ファイバの零分散波長の測定方法において、
シグナル光のパルスとポンプ光のパルスの入射のタイミ
ングが、光ファイバの両端において、それぞれ同時であ
ることを特徴とする光ファイバの零分散波長の測定方法
である。第3の発明は、これら第1または第2の発明に
おいて、の光ファイバの零分散波長の測定方法におい
て、狭波長幅のシグナル光のパルスと広波長幅のポンプ
光のパルスとを用い、アイドラ光の波長スペクトルにお
いて、最大の光パワーを示す波長に対応する前記ポンプ
光の波長を求めることにより、零分散波長を得ることを
特徴とする光ファイバの零分散波長の測定方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1(a)、図1(b)は本発明
の光ファイバの零分散波長の測定方法の測定原理の概念
図である。横軸は、一例として、長さ10kmの被測定
光ファイバの長さ方向の位置を示しており、便宜上、一
方の端部を0km、他方の端部を10kmと示してい
る。被測定光ファイバの長さについて特に限定はなく、
要求に応じて対応可能である。以下、測定操作に沿って
説明する。まず、図1(a)に示したように、この光フ
ァイバの0km側の入射端からシグナル光のパルス(S
1)を入射し、その後、所定の遅延時間を設けてポンプ
光のパルス(P1)を入射する。S1とP1とは波長が
異なり、S1はP1よりも伝搬速度が遅いものである。
このとき、前記遅延時間は、S1とP1とが重なる位置
が、その入射端から光ファイバの全長の1/2の長さま
での範囲(この例においては5kmまで)になるように
設定する。
【0022】一方、光ファイバの10km側の入射端か
らは、図1(b)に示したように、前記S1と同様のシ
グナル光のパルス(S2)と、前記P2と同様のポンプ
光のパルス(P2)とを、それぞれS1の入射のタイミ
ングとP1の入射のタイミングにあわせて入射する。す
なわち、S1とS2とを、光ファイバの両端のそれぞれ
から同時に入射し、所定の遅延時間を設けた後に、P1
とP2とを同時に入射する。
【0023】すると、光ファイバを2分割した0km〜
5kmの範囲と5〜10kmの範囲とに、それぞれS1
とP1、またはS2とP2とが重なる第1または第2の
測定範囲が同時に生じる。そして、このときそれぞれの
測定範囲に対応して得られるアイドラ光の波長スペクト
ルを測定、解析することによって、これら第1または第
2の測定範囲の零分散波長の測定値が得られる。そし
て、S1とP1の遅延時間を変化させ、第1の測定範囲
の位置を0〜5kmの間で徐々に変化させながら零分散
波長を測定することにより、0〜5kmの範囲の零分散
波長の分布を測定することができる。このときS2とP
2の入射のタイミングをS1とP1とにそれぞれあわせ
ることによって、第2の測定範囲の位置を5〜10km
の範囲で徐々に変化させ、この範囲の零分散波長の分布
を測定することができる。被測定光ファイバの両端から
入射するS1とS2、およびP1とP2の入射のタイミ
ングは、測定時間短縮の観点から、それぞれ同時である
ことが最も好ましい。
【0024】このように、この光ファイバの零分散波長
の測定方法においては、一度に2箇所の測定範囲が生じ
る。そして、これらに対応するアイドラ光の波長スペク
トルがそれぞれ得られ、その結果、2箇所の零分散波長
を同時に測定できる。よって、従来の半分の測定時間と
測定労力で、被測定光ファイバ全長にわたって零分散波
長の分布を求めることができる。
【0025】本発明の測定方法は、狭波長幅のシグナル
光のパルスと、広波長幅のポンプ光のパルスを用い、ア
イドラ光のピークの最大の光パワーを与える波長から零
分散波長を求める特願平10−146404号に提案し
た方法に適用すると、測定時間の短縮、測定労力の軽減
の観点から、最も好ましい。
【0026】図2は、本発明における測定装置の構成例
を示した概略構成図である。符号1は光源であり、この
光源1から出射したシグナル光は、光の損失を所定の周
波数で変調してパルスを発生させる変調器5を経てパル
スとなる。一方、光源3から出射したポンプ光は、変調
器5と同様の変調器4を経てパルスとなり、さらに光増
幅器6を経て増幅される。光増幅器6としては一般にエ
ルビウム添加光ファイバ増幅器が用いられる。なお、こ
れらシグナル光のパルスとポンプ光のパルスは、変調器
4、5に接続された2チャンネルパルスジェネレータ2
よって遅延時間差が設けられるようになっている。
【0027】ついで、所定の遅延時間差が設けられたシ
グナル光のパルスとポンプ光のパルスは、光合波器7の
ふたつの入力端子7a,7bにそれぞれ入射する。そし
て、この光合波器7のひとつの出力端子7cから出射
し、光アイソレータ8を経て3dB光分波器9の入力端
子9aに送られ、出力端子9b,9cから出射する。す
なわち、これら出力端子9b,9cのそれぞれからは、
同時にシグナル光のパルスが出射する。また、ポンプ光
のパルスも、出力端子9b,9cのそれぞれから同時に
出射する。このため、後述する被測定光ファイバ15の
入射端15a,15bには、タイミングをあわせてシグ
ナル光のパルスとポンプ光のパルスを入射することがで
きる。
【0028】この3dB光分波器9のふたつの出力端子
9b,9cには、光サーキュレータ10の第1の端子1
0aと、光サーキュレータ11の第1の端子11aがそ
れぞれ接続されている。光サーキュレータ10,11は
それぞれ3つの端子を有し、残りの第2の端子10b,
11bには、それぞれ被測定光ファイバ15の第1の入
射端15aと第2の入射端15bとが接続されている。
また、第3の端子10c,11cにはスペクトラムアナ
ライザ14,16がそれぞれ接続されている。そして、
光サーキュレータ10とスペクトラムアナライザ14と
の間、および光サーキュレータ11とスペクトラムアナ
ライザ16との間には、それぞれバンドパスフィルタ1
2,13が挿入されている。バンドパスフィルタ12,
13はスペクトラムアナライザ14,16内での散乱光
の原因となるポンプ光の侵入を防ぐために設けられてい
る。
【0029】光サーキュレータ10においては、第1の
端子10aから入射した光は、第2の端子10bから出
射し、第2の端子10bから入射した光は第3の端子1
0cから出射するようになっている。一方、光サーキュ
レータ11においても同様であって、第1の端子11a
から入射した光は、第2の端子11bから出射し、第2
の端子11bから入射した光は第3の端子11cから出
射するようになっている。
【0030】すなわち、3dB光分波器9の一方の出力
端子9bから出射したパルスは、光サーキュレータ10
を経て被測定光ファイバ15の第1の入射端15aに入
射し、被測定光ファイバ15を伝搬する。そして、光サ
ーキュレータ11の作用により、バンドパスフィルタ1
3を経てアイドラ光の波長スペクトルがスペクトラムア
ナライザ16にて受光される。そして、この波長スペク
トルを解析して、零分散波長を求めることができる。こ
こで、シグナル光は既知であり、アイドラ光の波長スペ
クトルにおいて最大の光パワーを与えるポンプ光の波長
は、前記式(3)より求めることができるので、スペク
トラムアナライザ16にて受光するのはアイドラ光のみ
でよい。
【0031】一方、3dB光分波器9の他方の出力端子
9cから光サーキュレータ11を経て第2の入射端15
bから入射したパルスは、前記第1の入射端15aから
入射したパルスと逆方向に被測定光ファイバ15を伝搬
し、光サーキュレータ10からバンドパスフィルタ12
を経てアイドラ光の波長スペクトルがスペクトラムアナ
ライザ14にて受光される。そしてこの波長スペクトル
から、零分散波長を求めることができる。そして、シグ
ナル光のパルスとポンプ光のパルスの遅延時間を変化さ
せて、この操作を繰り返すことによって、被測定光ファ
イバ15の零分散波長の分布を求めることができる。
【0032】ところで、特願平10−146404号に
て提案した方法を適用する場合、例えば以下のような条
件を設定すると好ましい。すなわち、この方法において
はシグナル光のパルスの波長範囲が狭い程、測定精度が
高くなる。目的にもよるが、シグナル光のパルスの波長
スペクトルにおいて、最大光パワーの半値を与える波長
範囲(半値幅)は1nm以下、好ましくは0.1nm以
下とされる。
【0033】一方、ポンプ光のパルスは、その測定波長
範囲において、光パワーがほぼ一定でなくてはならな
い。このポンプ光のパルスの全測定波長範囲、すなわち
実質的に、波長スペクトルにおける最大の光パワーと等
しい光パワーを有する波長幅をXとすると、Xは、被測
定光ファイバにおいて予想される零分散波長の変動幅Y
に対して、X≧Y、好ましくはX>Yとされる。
【0034】前記予想される零分散波長の変動幅Yと
は、光ファイバを設計、あるいは製造する際に得られた
データから予測される、光ファイバの長手方向における
零分散波長の値の分布の範囲(最大値と最小値との差)
を示したものである。例えば1555nmの零分散波長
を有する光ファイバを設計、製造した場合に、得られる
光ファイバの長手方向における零分散波長が、1554
nm〜1556nmの2nmの波長幅間に分布すると予
測されるとする。この2nmの値が変動幅Yである。こ
のときポンプ光における前記波長幅Xは、X≧Yであっ
て、少なくとも2nm以上の値に設定する必要がある。
【0035】前記変動幅Yは光ファイバの設計、製造条
件によって変化するが、通常波長幅Xは2nm程度に設
定される。しかしながら、波長幅Xは、前記零分散波長
の変動幅Yよりも大きければよく、例えば、広い波長範
囲での測定が必要とされる場合には、好ましくは30n
m以上の大きい値を設定して測定することもできる。
【0036】また、シグナル光のパルスの光パワーは、
その最大パワーが1mW以上、実質的には2mW程度に
設定される。ポンプ光のパルスの光パワーは、その最大
パワーが100mW/nm以上、実質的には200mW
/nm程度に設定される。また、光ファイバの長手方向
における、ひとつの測定範囲の長さが短かい程、測定精
度が高くなり、細かい零分散波長分布を求めることがで
きる。
【0037】このパルスの時間幅は、横軸を時間、縦軸
をパルスの光パワーとしてパルスを表したときの、パル
スの光パワーの最大値の半値を与える時間幅である。シ
グナル光のパルスとポンプ光のパルスは、これらのパル
スの時間の半値幅のうち、少なくとも一方が、好ましく
は150ps以下、さらに好ましくは100ps以下に
設定される。パルスの時間の半値幅は、要求される測定
精度によって適宜変更可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。図2に示した装置を用い、特願平10−14640
4号にて提案した方法を適用して、10kmの被測定光
ファイバの零分散波長分布を測定した。シグナル光は、
波長が1468.4nm、そのパルスの最大パワーは3
mW/nm、時間の半値幅が120psであった。一
方、ポンプ光は、波長が1551〜1553nm、その
パルスは、光増幅器による増幅後の最大パワーが300
mW/nm、時間の半値幅が150psであった。そし
て、上述の方法にしたがって一回のシグナル光とポンプ
光のパルスの入射するにおいて、2箇所の測定範囲の零
分散波長を測定したところ、いずれにおいても最大パワ
ーが約−65dBのアイドラ光の波長スペクトルが得ら
れた。なお、この実施例においては、被測定被光ファイ
バの入射方向によって測定値が変化しないことを確認す
るため、0km側の入射端と10km側の入射端から入
力する場合において、それぞれ光ファイバ全長にわたっ
て零分散波長の分布を測定した。
【0039】図3に測定結果を示した。このグラフに
は、光ファイバの長手方向における測定範囲毎に、0k
m側から入射した場合の測定結果と10km側から入射
した場合の結果を、それぞれ◆、■で示した。このグラ
フより、光ファイバのそれぞれの入射端に対応した結果
はほぼ一致し、誤差の少ない良好な結果が得られた。す
なわち、測定値はパルスの入射方向には影響されないこ
とが明らかとなった。したがって、光ファイバの両入射
端から同時にパルスを入射して、入射端ごとに被測定光
ファイバの長さの1/2の範囲の零分散波長の分布を求
めることによって、従来の一方の入射端のみからパルス
を入射する方法と同様の測定結果が得られるとともに、
測定時間の短縮と測定労力の軽減を図ることができるこ
とがわかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
の零分散波長の測定方法においては、一度に2箇所の零
分散波長を同時に測定できる。よって、従来の半分の測
定時間と測定労力で、被測定光ファイバ全長にわたって
零分散波長の分布を求めることができる。また、シグナ
ル光のパルスと、ポンプ光のパルスの入射のタイミング
は、測定時間短縮の観点から、それぞれ光ファイバの両
端において同時であると最も好ましい。また、本発明の
測定方法は、狭波長幅のシグナル光のパルスと、広波長
幅のポンプ光のパルスを用い、アイドラ光のピークの最
大の光パワーを与える波長から零分散波長を求める方法
に適用すると、測定時間の短縮、測定労力の軽減の観点
から、最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)、図1(b)は本発明の光ファイ
バの零分散波長の測
【図2】 本発明における測定装置の構成例を示した概
略構成図である。
【図3】 実施例の測定結果を示したグラフである。
【図4】 従来の測定方法の概念を示した図である。
【図5】 図5(a)〜図5(c)は、被測定光ファイ
バに入射したシグナル光とポンプ光の動作を時間にした
がって示した概念図である。
【図6】 図6(a)〜図6(c)は、図5(a)〜図
5(c)よりも、遅延時間差が場合の、被測定光ファイ
バに入射したシグナル光とポンプ光の動作を時間にした
がって示した概念図である。
【図7】 本発明者らが特願平10−146404号に
て提案した方法の概念を示した図である。
【符号の説明】
1,3…光源、2…2チャンネルパルスジェネレータ、
4,5…変調器、6…光増幅器、7…光合波器、8…光
アイソレータ、9…3dB光分波器、10,11…光サ
ーキュレータ、12,13…バンドパスフィルタ、15
…被測定光ファイバ、15a…第1の入射端、15b…
第2の入射端、14,16…スペクトラムアナライザ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバに、シグナル光のパルスを入
    射した後、遅延時間を設けてポンプ光のパルスを入射
    し、該シグナル光と該ポンプ光との光混合によって発生
    するアイドラ光の波長スペクトルを検出して零分散波長
    を求める光ファイバの零分散波長の測定方法において、 光ファイバの両端のそれぞれから、シグナル光のパルス
    とポンプ光のパルスを入射することを特徴とする光ファ
    イバの零分散波長の測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ファイバの零分散波長
    の測定方法において、シグナル光のパルスとポンプ光の
    パルスの入射のタイミングが、光ファイバの両端におい
    て、それぞれ同時であることを特徴とする光ファイバの
    零分散波長の測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の光ファイバの
    零分散波長の測定方法において、狭波長幅のシグナル光
    のパルスと広波長幅のポンプ光のパルスとを用い、アイ
    ドラ光の波長スペクトルにおいて、最大の光パワーを示
    す波長に対応する前記ポンプ光の波長を求めることによ
    り、零分散波長を得ることを特徴とする光ファイバの零
    分散波長の測定方法。
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