JP2000220659A - シンクロナイザーリング用摩擦材 - Google Patents
シンクロナイザーリング用摩擦材Info
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- JP2000220659A JP2000220659A JP2590599A JP2590599A JP2000220659A JP 2000220659 A JP2000220659 A JP 2000220659A JP 2590599 A JP2590599 A JP 2590599A JP 2590599 A JP2590599 A JP 2590599A JP 2000220659 A JP2000220659 A JP 2000220659A
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 摺動時の摩擦性能に優れるとともに耐熱性や
強度特性が高く、変速機などに好適に用いることのでき
るシンクロナイザーリング用摩擦材を提供する。 【解決手段】 炭素繊維クロスに含浸した熱硬化性樹脂
を加熱、硬化して得られたシートであって、気孔直径
０．１〜３００μm における気孔率が０．５〜１０％の
気孔性状を有する炭素繊維複合硬化樹脂（ＣＦＲＰ）シ
ートを金属製環状支持体に貼着接合してなることを特徴
とするシンクロナイザーリング用摩擦材。
強度特性が高く、変速機などに好適に用いることのでき
るシンクロナイザーリング用摩擦材を提供する。 【解決手段】 炭素繊維クロスに含浸した熱硬化性樹脂
を加熱、硬化して得られたシートであって、気孔直径
０．１〜３００μm における気孔率が０．５〜１０％の
気孔性状を有する炭素繊維複合硬化樹脂（ＣＦＲＰ）シ
ートを金属製環状支持体に貼着接合してなることを特徴
とするシンクロナイザーリング用摩擦材。
Description
【０００１】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば自動車の変
速機などの歯車切替え時に２つの歯車が円滑に噛合する
ように、摺動により歯車同士を同期回転させるためのシ
ンクロナイザーリング用摩擦材に関する。
速機などの歯車切替え時に２つの歯車が円滑に噛合する
ように、摺動により歯車同士を同期回転させるためのシ
ンクロナイザーリング用摩擦材に関する。
【０００２】
【従来の技術】シンクロナイザーリング用摩擦材には、
円滑に同期回転させるために摺動時の摩擦係数が大きい
こと、摺動時の磨耗量が少ないこと、摺動時の発熱に対
する耐熱性が高く安定であること、機械的強度が高いこ
と、などの材質特性が要求される。このため、従来から
シンクロナイザーリング用の摩擦材としては金属系、特
に銅合金系のものが多く使用されている。
円滑に同期回転させるために摺動時の摩擦係数が大きい
こと、摺動時の磨耗量が少ないこと、摺動時の発熱に対
する耐熱性が高く安定であること、機械的強度が高いこ
と、などの材質特性が要求される。このため、従来から
シンクロナイザーリング用の摩擦材としては金属系、特
に銅合金系のものが多く使用されている。
【０００３】例えば、特許第２６６３９３０号公報に
は、重量％で、Ｚｎ：２０〜４０％、Ａｌ：２〜８％、
Ｓｉ：０．２〜２％、Ｍｎ：０．１〜５％、Ｔｉおよび
／またはＺｒ：０．０５〜０．５％、を含有するＣｕ系
合金で構成されたＣｕ系合金製変速機用同期リングが開
示されている。
は、重量％で、Ｚｎ：２０〜４０％、Ａｌ：２〜８％、
Ｓｉ：０．２〜２％、Ｍｎ：０．１〜５％、Ｔｉおよび
／またはＺｒ：０．０５〜０．５％、を含有するＣｕ系
合金で構成されたＣｕ系合金製変速機用同期リングが開
示されている。
【０００４】また、特開平９−２５５２７号公報には、
Ｃｕ−Ｚｎ合金粉末及びＣｕ粉末とＺｎ粉末との混合粉
末の少なくとも１種６０〜９５重量％、ＦｅＭｏ、Ｆｅ
Ｗ、窒化ＦｅＴｉ、ＺｒＯ2 などの少なくとも１種なら
びに黒鉛の合計３〜２５重量％、該金属焼結体の焼結温
度よりも低い温度の固相線又は融点をもつ金属（合金）
２〜１５重量％、からなる混合粉末を焼結して得た、気
孔率が５〜３５容量％であるシンクロナイザーリング用
摩擦材が提案されている。
Ｃｕ−Ｚｎ合金粉末及びＣｕ粉末とＺｎ粉末との混合粉
末の少なくとも１種６０〜９５重量％、ＦｅＭｏ、Ｆｅ
Ｗ、窒化ＦｅＴｉ、ＺｒＯ2 などの少なくとも１種なら
びに黒鉛の合計３〜２５重量％、該金属焼結体の焼結温
度よりも低い温度の固相線又は融点をもつ金属（合金）
２〜１５重量％、からなる混合粉末を焼結して得た、気
孔率が５〜３５容量％であるシンクロナイザーリング用
摩擦材が提案されている。
【０００５】このうち、シンクロナイザーリング用摩擦
材として最も一般的に用いられているＣｕ系合金は鋳造
後熱間鍛造したものであるため摩擦特性が不安定となり
やすく、耐摩耗性も低いという欠点がある。一方、Ｃｕ
−Ｚｎ系焼結合金は、Ｃｕ系合金に比べて摩擦特性は安
定し、摩耗も少ないという利点があるが、剪断強度など
の強度特性に劣る難点がある。
材として最も一般的に用いられているＣｕ系合金は鋳造
後熱間鍛造したものであるため摩擦特性が不安定となり
やすく、耐摩耗性も低いという欠点がある。一方、Ｃｕ
−Ｚｎ系焼結合金は、Ｃｕ系合金に比べて摩擦特性は安
定し、摩耗も少ないという利点があるが、剪断強度など
の強度特性に劣る難点がある。
【０００６】また、金属系以外のペーパー系の摩擦材と
して、３０乃至７０重量％の炭素材と、１０乃至４０重
量％の熱硬化性樹脂と、５乃至３０重量％の金属繊維又
は金属粒子と、５乃至４０重量％の無機繊維又は無機粒
子とを含み、気孔率が１０乃至５０％であることを特徴
とするシンクロナイザーリング用摩擦材（特開平９−22
1553号公報）が提案されている。
して、３０乃至７０重量％の炭素材と、１０乃至４０重
量％の熱硬化性樹脂と、５乃至３０重量％の金属繊維又
は金属粒子と、５乃至４０重量％の無機繊維又は無機粒
子とを含み、気孔率が１０乃至５０％であることを特徴
とするシンクロナイザーリング用摩擦材（特開平９−22
1553号公報）が提案されている。
【０００７】この特開平９−２２１５５３号公報のシン
クロナイザーリング用摩擦材によれば、耐熱性、耐摩耗
性、耐焼き付き性、多孔性などに優れており、また炭素
材には人造黒鉛粒子が用いられ、その粒径を調整するこ
とによって気孔率を調節し、動摩擦係数の大きい摩擦材
が得られるとしている。
クロナイザーリング用摩擦材によれば、耐熱性、耐摩耗
性、耐焼き付き性、多孔性などに優れており、また炭素
材には人造黒鉛粒子が用いられ、その粒径を調整するこ
とによって気孔率を調節し、動摩擦係数の大きい摩擦材
が得られるとしている。
【０００８】一方、強度特性に優れた炭素繊維を主成分
とする摩擦材としては、炭素繊維基材を樹脂結合材また
は炭素結合材で結合した複合組織の材料が数多く開発さ
れている。（例えば、特開昭50−72050 号公報、同62−
21528 号公報、特開平７−12158 号公報、特公昭60−54
270 号公報、特公平２−37492 号公報、同２−40890号
公報など。）
とする摩擦材としては、炭素繊維基材を樹脂結合材また
は炭素結合材で結合した複合組織の材料が数多く開発さ
れている。（例えば、特開昭50−72050 号公報、同62−
21528 号公報、特開平７−12158 号公報、特公昭60−54
270 号公報、特公平２−37492 号公報、同２−40890号
公報など。）
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の炭素繊維を主成分とする摩擦材をシンクロナイザーリ
ング用摩擦材として使用するために種々検討した結果、
炭素繊維クロスを熱硬化性樹脂で結合し、一体化した炭
素繊維複合硬化樹脂（ＣＦＲＰ）シートを用い、かつそ
の気孔性状を特定することにより安定した摩擦特性が得
られ、また耐摩耗性にも優れ、シンクロナイザーリング
用として好適に使用し得ることを見出した。
の炭素繊維を主成分とする摩擦材をシンクロナイザーリ
ング用摩擦材として使用するために種々検討した結果、
炭素繊維クロスを熱硬化性樹脂で結合し、一体化した炭
素繊維複合硬化樹脂（ＣＦＲＰ）シートを用い、かつそ
の気孔性状を特定することにより安定した摩擦特性が得
られ、また耐摩耗性にも優れ、シンクロナイザーリング
用として好適に使用し得ることを見出した。
【００１０】本発明は、この知見に基づいて開発された
ものであり、その目的は摺動時の摩擦性能に優れ、耐熱
性、強度特性が大きく、変速機などのシンクロナイザー
リング用摩擦材として好適に用いることのできるシンク
ロナイザーリング用摩擦材を提供することにある。
ものであり、その目的は摺動時の摩擦性能に優れ、耐熱
性、強度特性が大きく、変速機などのシンクロナイザー
リング用摩擦材として好適に用いることのできるシンク
ロナイザーリング用摩擦材を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によるシンクロナイザーリング用摩擦材は、炭
素繊維クロスに含浸した熱硬化性樹脂を加熱、硬化して
得られたシートであって、気孔直径０．１〜３００μm
における気孔率が０．５〜１０％の気孔性状を有する炭
素繊維複合硬化樹脂シートを金属製環状支持体に貼着接
合してなることを構成上の特徴とする。
の本発明によるシンクロナイザーリング用摩擦材は、炭
素繊維クロスに含浸した熱硬化性樹脂を加熱、硬化して
得られたシートであって、気孔直径０．１〜３００μm
における気孔率が０．５〜１０％の気孔性状を有する炭
素繊維複合硬化樹脂シートを金属製環状支持体に貼着接
合してなることを構成上の特徴とする。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明のシンクロナイザーリング
用摩擦材の基材を構成する炭素繊維クロスには、ポリア
クリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系などの各種原
料から製造された炭素繊維の平織、綾織、朱子織などの
クロスが用いられる。これらの炭素繊維クロスに含浸す
る熱硬化性樹脂にはフェノール系樹脂、フラン系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂あるいはこれらの混
合樹脂などの熱硬化性樹脂が使用される。
用摩擦材の基材を構成する炭素繊維クロスには、ポリア
クリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系などの各種原
料から製造された炭素繊維の平織、綾織、朱子織などの
クロスが用いられる。これらの炭素繊維クロスに含浸す
る熱硬化性樹脂にはフェノール系樹脂、フラン系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂あるいはこれらの混
合樹脂などの熱硬化性樹脂が使用される。
【００１３】熱硬化性樹脂の含浸は、これらの熱硬化性
樹脂を溶解する有機溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、エーテル、アセトンなどの有機溶媒に適宜な濃度に
溶解した熱硬化性樹脂溶液を炭素繊維クロスに噴霧や塗
布する、あるいは溶液中に炭素繊維クロスを浸漬する、
などの方法により行われる。なお、熱硬化性樹脂を炭素
繊維クロスに均一に含浸させるために、熱硬化性樹脂溶
液の粘度は８００cp以下に調整されることが好ましい。
樹脂を溶解する有機溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、エーテル、アセトンなどの有機溶媒に適宜な濃度に
溶解した熱硬化性樹脂溶液を炭素繊維クロスに噴霧や塗
布する、あるいは溶液中に炭素繊維クロスを浸漬する、
などの方法により行われる。なお、熱硬化性樹脂を炭素
繊維クロスに均一に含浸させるために、熱硬化性樹脂溶
液の粘度は８００cp以下に調整されることが好ましい。
【００１４】熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維クロス
は適宜な温度、例えば５０〜１００℃の温度で風乾して
有機溶媒を揮散除去してプリプレグシートを得たのち、
加熱硬化する。加熱硬化はプリプレグシートを耐熱性の
金属板、セラミック等の平板に挟持して、適宜な加圧下
に保持しながら加熱炉内にセットし、１０℃／hr以下の
昇温速度で２００〜３００℃の温度に加熱し、適宜時間
保持することにより行われる。
は適宜な温度、例えば５０〜１００℃の温度で風乾して
有機溶媒を揮散除去してプリプレグシートを得たのち、
加熱硬化する。加熱硬化はプリプレグシートを耐熱性の
金属板、セラミック等の平板に挟持して、適宜な加圧下
に保持しながら加熱炉内にセットし、１０℃／hr以下の
昇温速度で２００〜３００℃の温度に加熱し、適宜時間
保持することにより行われる。
【００１５】このようにして、炭素繊維クロスに熱硬化
性樹脂を含浸し、含浸した熱硬化性樹脂を加熱、硬化し
て炭素繊維複合硬化樹脂シートが得られる。本発明のシ
ンクロナイザーリング用摩擦材は、このようにして得ら
れた炭素繊維複合硬化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）の
気孔性状として、全気孔容積に対する気孔直径０．１〜
３００μm における気孔容積の占める割合である気孔率
を０．５〜１０％の範囲に設定するものである。
性樹脂を含浸し、含浸した熱硬化性樹脂を加熱、硬化し
て炭素繊維複合硬化樹脂シートが得られる。本発明のシ
ンクロナイザーリング用摩擦材は、このようにして得ら
れた炭素繊維複合硬化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）の
気孔性状として、全気孔容積に対する気孔直径０．１〜
３００μm における気孔容積の占める割合である気孔率
を０．５〜１０％の範囲に設定するものである。
【００１６】気孔性状をこのように設定する理由は気孔
率は潤滑油などの油保持能力に関与し、気孔率が高い程
摩擦係数が増大し、摩擦性能の向上を図ることができる
が強度特性が低下し摩耗量が増加する難点がある。一方
気孔率が低い場合には摩擦係数が小さくなり摩擦性能が
低下する。また、０．１μm 未満や３００μm を越える
気孔は摩擦特性への関与は殆どないからである。これら
の観点から、本発明は気孔性状を上記の範囲、すなわち
気孔直径０．１〜３００μm における気孔率を０．５〜
１０％の範囲に設定するものである。
率は潤滑油などの油保持能力に関与し、気孔率が高い程
摩擦係数が増大し、摩擦性能の向上を図ることができる
が強度特性が低下し摩耗量が増加する難点がある。一方
気孔率が低い場合には摩擦係数が小さくなり摩擦性能が
低下する。また、０．１μm 未満や３００μm を越える
気孔は摩擦特性への関与は殆どないからである。これら
の観点から、本発明は気孔性状を上記の範囲、すなわち
気孔直径０．１〜３００μm における気孔率を０．５〜
１０％の範囲に設定するものである。
【００１７】炭素繊維複合硬化樹脂シートの気孔性状
は、炭素繊維クロスを構成する炭素繊維トウのフィラメ
ント数、含浸する熱硬化性樹脂量、加熱硬化時の加圧力
および昇温速度、などを制御することにより所定の設定
範囲に制御することができる。この炭素繊維複合硬化樹
脂シートは所定の形状に加工され、鋼、鉄合金、銅合
金、アルミニウム合金などの金属製環状支持体に貼着接
合してシンクロナイザーリング用の摩擦材が得られる。
は、炭素繊維クロスを構成する炭素繊維トウのフィラメ
ント数、含浸する熱硬化性樹脂量、加熱硬化時の加圧力
および昇温速度、などを制御することにより所定の設定
範囲に制御することができる。この炭素繊維複合硬化樹
脂シートは所定の形状に加工され、鋼、鉄合金、銅合
金、アルミニウム合金などの金属製環状支持体に貼着接
合してシンクロナイザーリング用の摩擦材が得られる。
【００１８】このように本発明によれば、強度特性に優
れた炭素繊維と硬化樹脂とが複合一体化した組成構造か
らなる炭素繊維複合硬化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）
から形成され、その気孔性状を特定したことにより、大
きな摩擦係数と優れた耐摩耗性、ならびに高い強度特性
を有し、安定した摩擦性能を備えたシンクロナイザーリ
ング用摩擦材を提供することができる。
れた炭素繊維と硬化樹脂とが複合一体化した組成構造か
らなる炭素繊維複合硬化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）
から形成され、その気孔性状を特定したことにより、大
きな摩擦係数と優れた耐摩耗性、ならびに高い強度特性
を有し、安定した摩擦性能を備えたシンクロナイザーリ
ング用摩擦材を提供することができる。
【００１９】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
体的に説明する。
【００２０】実施例１〜３、比較例１〜２ 炭素繊維クロスとしてポリアクリロニトリル系高強度高
弾性タイプの炭素繊維を編組した平織クロスを用い、フ
ェノール樹脂初期縮合物をエタノールに溶解した樹脂溶
液を平織クロスに塗布して、異なる量比で樹脂を含浸し
た。次いで、７０℃の温度で乾燥し、エタノールを完全
に揮散除去してプリプレグシートを作製し、プリプレグ
シートを黒鉛製平板に挟持して電気炉内にセットし、昇
温速度を変えて２５０℃に加熱し、２時間保持して硬化
した。このようにして気孔性状の異なる炭素繊維複合硬
化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）を作製し、水銀ポロシ
メータを用いて気孔直径０．１〜３００μm の範囲の気
孔容積を測定して、その気孔率を算出した。
弾性タイプの炭素繊維を編組した平織クロスを用い、フ
ェノール樹脂初期縮合物をエタノールに溶解した樹脂溶
液を平織クロスに塗布して、異なる量比で樹脂を含浸し
た。次いで、７０℃の温度で乾燥し、エタノールを完全
に揮散除去してプリプレグシートを作製し、プリプレグ
シートを黒鉛製平板に挟持して電気炉内にセットし、昇
温速度を変えて２５０℃に加熱し、２時間保持して硬化
した。このようにして気孔性状の異なる炭素繊維複合硬
化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）を作製し、水銀ポロシ
メータを用いて気孔直径０．１〜３００μm の範囲の気
孔容積を測定して、その気孔率を算出した。
【００２１】次いで、これらのＣＦＲＰシートをテーパ
ーリング形状に打ち抜き加工し鉄合金（ＳＣＲ鋼）製環
状支持体に貼着接合して、内径６０mm、幅７mmの試験用
のシンクロナイザーリング用摩擦材を作製し、この試験
用摩擦材について下記の方法および条件で試験を行い、
摩擦係数の変化や摩耗量などを測定した。得られた結果
を、試験用摩擦材の気孔性状とともに表１に示した。 相手部材：材質；ＳＣＭ４２０ テーパーコーン回転数；１０００ rpm 押付け荷重；８０ kgf 潤滑油 ：ＳＡＥ７５Ｗ−９０（油温７５℃） 同期時間：０．３秒 同期回数：２００００回
ーリング形状に打ち抜き加工し鉄合金（ＳＣＲ鋼）製環
状支持体に貼着接合して、内径６０mm、幅７mmの試験用
のシンクロナイザーリング用摩擦材を作製し、この試験
用摩擦材について下記の方法および条件で試験を行い、
摩擦係数の変化や摩耗量などを測定した。得られた結果
を、試験用摩擦材の気孔性状とともに表１に示した。 相手部材：材質；ＳＣＭ４２０ テーパーコーン回転数；１０００ rpm 押付け荷重；８０ kgf 潤滑油 ：ＳＡＥ７５Ｗ−９０（油温７５℃） 同期時間：０．３秒 同期回数：２００００回
【００２２】比較例３ ＣＦＲＰシートに代えて、高力黄銅で作製した試験用の
シンクロナイザーリング用摩擦材について、実施例と同
一の方法により摩擦試験を行い、その結果を表１に併載
した。
シンクロナイザーリング用摩擦材について、実施例と同
一の方法により摩擦試験を行い、その結果を表１に併載
した。
【００２３】比較例４ ＣＦＲＰシートに代えて、焼結銅合金で作製した試験用
のシンクロナイザーリング用摩擦材について、実施例と
同一の方法により摩擦試験を行い、その結果を表１に併
載した。
のシンクロナイザーリング用摩擦材について、実施例と
同一の方法により摩擦試験を行い、その結果を表１に併
載した。
【００２４】
【表１】 （注）*1；全気孔容積に対する気孔直径０．１〜３００μm における気孔容積の 占める割合
【００２５】表１の結果から、本発明で特定した全気孔
容積に対する気孔直径０．１〜３００μm における気孔
容積の割合である気孔率が０．５〜１０％の範囲にある
実施例１〜３の摩擦材は、気孔性状が範囲外にある比較
例１〜２の摩擦材に比べて摩耗量および摩擦係数のバラ
ンスのとれた摩擦材であることが判る。また、銅系合金
である比較例３〜４に比べて、摩耗量および摩擦係数並
びに摩擦係数の安定性に優れた摩擦材であることが判
る。
容積に対する気孔直径０．１〜３００μm における気孔
容積の割合である気孔率が０．５〜１０％の範囲にある
実施例１〜３の摩擦材は、気孔性状が範囲外にある比較
例１〜２の摩擦材に比べて摩耗量および摩擦係数のバラ
ンスのとれた摩擦材であることが判る。また、銅系合金
である比較例３〜４に比べて、摩耗量および摩擦係数並
びに摩擦係数の安定性に優れた摩擦材であることが判
る。
【００２６】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、強度特
性に優れた炭素繊維と硬化樹脂とが複合一体化した炭素
繊維複合硬化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）から形成さ
れ、かつその気孔性状を特定したことにより大きな摩擦
係数と優れた耐摩耗性を備え、摺動時の摩擦性能に優
れ、耐熱性、強度特性が大きく、変速機などに好適に用
いることのできるシンクロナイザーリング用摩擦材が提
供される。
性に優れた炭素繊維と硬化樹脂とが複合一体化した炭素
繊維複合硬化樹脂シート（ＣＦＲＰシート）から形成さ
れ、かつその気孔性状を特定したことにより大きな摩擦
係数と優れた耐摩耗性を備え、摺動時の摩擦性能に優
れ、耐熱性、強度特性が大きく、変速機などに好適に用
いることのできるシンクロナイザーリング用摩擦材が提
供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０８Ｋ 3/04 Ｃ０８Ｋ 3/04 7/06 7/06 Ｃ０８Ｌ 101/16 Ｃ０９Ｋ 3/14 ５２０Ｅ Ｃ０９Ｋ 3/14 ５２０ ５２０Ｍ ５３０Ｇ ５３０ Ｃ０８Ｌ 101/00 Ｆターム(参考） 3J056 AA12 BA01 BC02 BC03 CA03 CA18 EA02 EA30 FA07 GA05 GA12 4F071 AA03 AA41 AA42 AA60 AA69 AB03 AF12 AF17 AH17 BA02 BB12 BC01 BC10 DA03 DA08 DA11 DA12 DA13 DA15 4F072 AA04 AA07 AB10 AB28 AD13 AD22 AD23 AD45 AG03 AG14 AH04 AH24 AH25 AK05 AK06 AL09 AL16 4F074 AA59M AA64M AA74M AC02 AE04 AG01 CB91 CC03X CC04X CC10X CC24X CC32X CC34X CE02 DA02 DA03 DA15 DA20 DA54 DA59 4J002 CC031 CD001 CH121 CM041 DA016 FA046 GF00 GN00
Claims (1)
- 【請求項１】 炭素繊維クロスに含浸した熱硬化性樹脂
を加熱、硬化して得られたシートであって、気孔直径
０．１〜３００μm における気孔率が０．５〜１０％の
気孔性状を有する炭素繊維複合硬化樹脂シートを金属製
環状支持体に貼着接合してなることを特徴とするシンク
ロナイザーリング用摩擦材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2590599A JP2000220659A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | シンクロナイザーリング用摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2590599A JP2000220659A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | シンクロナイザーリング用摩擦材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000220659A true JP2000220659A (ja) | 2000-08-08 |
Family
ID=12178810
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2590599A Pending JP2000220659A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | シンクロナイザーリング用摩擦材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000220659A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10334895B3 (de) * | 2003-07-29 | 2005-05-19 | Diehl Metall Stiftung & Co.Kg | Synchronring |
| AT412766B (de) * | 2003-01-22 | 2005-07-25 | Miba Frictec Gmbh | Reibkörper, bei dem sich zwischen einem stahlträger und einem reibbelag aus kohlenstofffasern, eine poröse zwischenschicht befindet |
| JP2015512455A (ja) * | 2012-03-26 | 2015-04-27 | ザ ルブリゾル コーポレイションＴｈｅ Ｌｕｂｒｉｚｏｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ | 改善されたシンクロメッシュ性能を有するマニュアルトランスミッション用潤滑油 |
-
1999
- 1999-02-03 JP JP2590599A patent/JP2000220659A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT412766B (de) * | 2003-01-22 | 2005-07-25 | Miba Frictec Gmbh | Reibkörper, bei dem sich zwischen einem stahlträger und einem reibbelag aus kohlenstofffasern, eine poröse zwischenschicht befindet |
| DE10334895B3 (de) * | 2003-07-29 | 2005-05-19 | Diehl Metall Stiftung & Co.Kg | Synchronring |
| JP2015512455A (ja) * | 2012-03-26 | 2015-04-27 | ザ ルブリゾル コーポレイションＴｈｅ Ｌｕｂｒｉｚｏｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ | 改善されたシンクロメッシュ性能を有するマニュアルトランスミッション用潤滑油 |
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