JP2000219216A - 無菌充填法における無菌状態監視方法 - Google Patents

無菌充填法における無菌状態監視方法

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JP2000219216A JP11019978A JP1997899A JP2000219216A JP 2000219216 A JP2000219216 A JP 2000219216A JP 11019978 A JP11019978 A JP 11019978A JP 1997899 A JP1997899 A JP 1997899A JP 2000219216 A JP2000219216 A JP 2000219216A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無菌充填法において、無菌充填エリア内に微
生物が入り込んだ場合に対して迅速に対処できるよう
に、従来からの生産稼働システムを利用して、簡単な装
置を付加するだけで、無菌充填エリア内における微生物
の有無を定期的に監視できるようにする。 【解決手段】 略無菌状態の無菌充填エリア内で、殺菌
済みの容器本体に、殺菌済みの内容物を充填して、殺菌
済みの蓋体で密封するようにした無菌充填法において、
生産稼働中に無菌充填エリアの内部に供給されてから外
部に排出された液体を(サンプリング装置1により)サ
ンプリングして、該液体内の微生物の有無を検査するこ
とにより、無菌充填エリア内の無菌状態を監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば一部の飲料
缶詰や飲料プラスチック瓶詰等の製造において実施され
ているような、略無菌状態の無菌充填エリア内で、殺菌
済みの容器本体に、殺菌済みの内容物を充填して、殺菌
済みの蓋体で密封するようにした無菌充填法に関し、特
に、そのような無菌充填法において、無菌充填エリア内
の無菌状態を監視するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料を缶容器内に充填して密封した飲料
缶詰では、充填された飲料が腐敗するのを避けるための
殺菌処理として、通常、飲料を充填して密封した後の缶
詰に対して、加圧加熱装置内で長時間の高温加熱(例え
ば125℃で25分間)を行うレトルト殺菌法が適用さ
れたり、あるいは、PH4.5以下の高酸性の果汁飲料
などについては、加熱殺菌した飲料を高温状態(80℃
以上)に保ったまま缶体内に充填し、密封後倒置して少
なくとも30秒間以上その温度を維持した後、缶詰を冷
却するという熱間充填法(ホットパック)が適用されて
いる。
【0003】しかしながら、そのような加熱殺菌方法に
よれば、空缶に飲料を充填して密封する前後における工
程管理が容易であるという利点はあるものの、何れにし
ても、缶容器内に充填された状態の飲料を加熱殺菌後に
急激に冷却することが困難であり、中身の飲料が比較的
長時間にわたって高温状態に維持されるため、それによ
って、飲料本来(例えば、果汁飲料ならば搾りたてのも
の、コーヒー,紅茶,緑茶,スープ等ならば作りたての
もの)の味や香りが落ちたり色が変わったりするという
問題を生じる。
【0004】そこで、できるだけ飲料の熱履歴を少なく
して、飲料本来の味や香りや色をできるだけ保ったまま
の飲料缶詰を製造するために、高温で短時間に殺菌して
急速に冷却した殺菌済みの飲料を、略無菌状態の雰囲気
内で、殺菌済みの空缶に充填して、殺菌済みの缶蓋で密
封するようにした、所謂無菌充填法というものが従来か
ら種々研究されており、そのような無菌充填法によれ
ば、飲料本来の味や香りや色を略保ったままの飲料缶詰
を製造することができると共に、レトルト殺菌法のよう
な長時間の加熱殺菌工程がなくなるため、製造設備を低
減することができ、製造時間を短縮することができる。
【0005】そのような無菌充填法について、例えば、
無菌雰囲気を維持するための空気清浄化システムとし
て、クリーンルーム内の空間のうち、飲料の充填領域や
缶蓋の巻締領域を、その他の空間よりも高いクラスの空
気清浄度に維持するようなことが、本出願人の出願に係
る公報(特開平4−79956号公報)などにより従来
から公知となっている。
【0006】すなわち、飲料缶詰を無菌充填法により製
造する場合、空缶供給装置により供給されてくる未処理
の空缶を、搬送しながら順次殺菌してから冷却して、略
無菌雰囲気内で飲料充填機に連続的に送り込むと共に、
飲料殺菌装置により予め高温短時間に殺菌されて冷却さ
れた飲料を飲料充填機に連続的に供給して、略無菌雰囲
気内で、殺菌済みの空缶に殺菌済の飲料を充填してか
ら、略無菌雰囲気内で缶蓋巻締機に送り込む一方、缶蓋
供給装置から供給されてくる未処理の缶蓋を、缶蓋殺菌
装置により殺菌してから、略無菌雰囲気内で缶蓋巻締機
に供給して、該缶蓋巻締機により、略無菌雰囲気内で、
飲料充填済みの缶を殺菌済みの缶蓋で密封している。
【0007】そのような無菌充填法を実施するために、
例えば、工場建屋内に設けた空気清浄度が低レベル(ク
ラス100,000)のクリーンルーム内に設置された
缶詰製造ラインのうち、特に、殺菌済みの空缶の搬送
路,殺菌済み缶蓋の供給路,飲料充填機周り,飲料充填
機から缶蓋巻締機への搬送路,および缶蓋巻締機周りに
ついては、飲料の充填や缶蓋による密封を略無菌状態の
雰囲気内で行なうための無菌充填エリアとして、空気清
浄度が高レベル(クラス100)の状態に維持すると共
に、更に、そのような無菌充填エリアを囲むように、空
気清浄度が中レベル(クラス1,000)のクリーンル
ームを、空気清浄度が低レベル(クラス100,00
0)のクリーンルーム内に画成するということが行なわ
れている。
【0008】なお、空気清浄度のクラスについては、N
ASAの規格によるものであり、所定空間(ft3 )当
たりに存在する基準粒子(粒子径0.5ミクロン以上)
の数により空気の清浄度を示すものであって、クラス1
00は基準粒子の数が11〜100個/ft3 、クラス
1000は101〜1000個/ft3 、クラス10
0,000は10,001〜100,000個/ft3
である。(クラス1は基準粒子の数が0〜1個/ft
3 、クラス10は2〜10個/ft3 である。)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な飲料缶詰の無菌充填法では、缶詰製造ラインの飲料充
填領域や缶蓋巻締領域を無菌充填エリアとして高いレベ
ル(クラス100)の空気清浄度に維持しているが、高
レベルの空気清浄度で略無菌状態であるとは言っても、
そこに浮遊する微粒子はごく僅か(100個/ft3
下)であるが存在し、その中には稀に非耐熱性の水性菌
や黴等の微生物が存在することもあることから、これら
微生物が缶内に混入して内容物の腐敗を起こす可能性も
あり、そのような変敗缶の発生を完全には防止するとい
うことができない。
【0010】なお、変敗缶を発生させるような水性菌等
の微生物が全く混入しないように、クリーンルーム内で
飲料充填装置や缶蓋巻締装置等が設置されている無菌充
填エリア(各装置を収納するクリーンブースおよび各ク
リーンブースに接続される搬送路)を、クラス10未満
のきわめて高い空気清浄度に維持することも考えられる
が、そのためには莫大な設備費用や管理維持費用が必要
となるため、そのようなことは経済性から考えて実際的
には不可能である。
【0011】しかしながら、微生物の混入による変敗缶
の発生については、それがたとえ僅か100万缶に数缶
程度の割合であっても、製造した食品会社としては不都
合なものであって、そのため、変敗缶となるような商品
が市場に出ないように、通常、水性菌等の微生物が混入
した場合には必ず変敗缶になるという一定の期間は缶詰
を保管して、製造した缶詰が変敗缶とならないことを確
認してから缶詰の出荷を行っている。
【0012】ところが、そのような一定期間の保管後に
変敗缶の有無の確認だけでは、何らかの理由で無菌充填
エリア内に微生物が入り込んでいる場合、微生物が入り
込んだ時点でそれを検知することができず、保管後の缶
詰中に変敗缶が発生して初めてそれが判るため、その時
点で対処しても、既にそれまでに累積して保管されてい
る全ての缶詰について、その中に微生物の混入している
可能性があり、最悪の場合にはそれら全ての缶詰を廃棄
処分しなければならないような問題の起きる可能性があ
る。
【0013】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、無菌充填法において、
無菌充填エリア内に微生物が入り込んだ場合に対して迅
速に対処できるように、従来からの生産稼働システムを
利用して、簡単な装置を付加するだけで、無菌充填エリ
ア内における微生物の有無を定期的に監視できるように
することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、略無菌状態の無菌充填エリア内
で、殺菌済みの容器本体に、殺菌済みの内容物を充填し
て、殺菌済みの蓋体で密封するようにした無菌充填法に
おいて、生産稼働中に無菌充填エリアの内部に供給され
てから外部に排出された液体をサンプリングして、該液
体内の微生物の有無を検査することにより、無菌充填エ
リア内の無菌状態を監視することを特徴とするものであ
って、それにより、従来からの生産稼働中に使用されて
いる液体を利用して、サンプリングのための簡単な設備
を設けるだけで、無菌充填エリアの内部における微生物
の有無を定期的に監視することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の無菌充填法におけ
る無菌状態監視方法の実施形態について、図面に基づい
て詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の無菌状態監視方法の実施
対象となる無菌充填法による飲料缶詰製造ラインの概略
を示すものであり、図2は、無菌充填法による飲料缶詰
製造ラインにおいて無菌充填エリアを設けるための構造
を概略的に示すものであり、また、図3は、飲料缶詰製
造ラインの無菌充填エリアにおいて本発明の無菌状態監
視方法を実施するための各サンプリング装置の配置状態
を示すものである。
【0017】図1に示すような無菌充填法による飲料缶
詰の製造ラインでは、空缶供給コンベアーにより連続的
に供給された未処理の空缶を搬送しながら、まず、缶外
面の薬液噴霧装置において、缶胴の外周面および缶底外
面に殺菌処理用の薬液(過酸化水素5重量%の水溶液)
を噴霧してから、缶内面の薬液噴霧装置を通して、更
に、空缶の内面に殺菌処理用の薬液(過酸化水素5重量
%の水溶液)を噴霧した後、加熱殺菌処理オーブン内に
送り込む。
【0018】加熱殺菌処理オーブン内では、内面と外面
に薬液が噴霧された空缶を搬送しながら、加熱炉体によ
る高温(250℃程度)の熱風で加熱して、付着した薬
液の過酸化水素を分解除去することで、空缶の殺菌処理
を完了させる。
【0019】次いで、加熱殺菌処理オーブンから搬出し
た殺菌済みの空缶を搬送しながら、略無菌雰囲気(空気
清浄度がクラス100)の搬送トンネル内で、クリーン
エアー置換装置によりその周辺の空気を清浄化した後、
殺菌済み空缶の冷却装置により無菌水を噴霧すること
で、加熱されている空缶を内容物の充填温度付近に冷却
してから、略無菌雰囲気(空気清浄度がクラス100)
のクリーンブース内に設置された飲料充填機に供給す
る。
【0020】そして、略無菌雰囲気(空気清浄度がクラ
ス100)のクリーンブース内に設置された飲料充填機
(フィラー)において、冷却された殺菌済みの空缶に対
して、飲料殺菌装置で高温短時間に加熱殺菌されてから
充填温度まで冷却された殺菌済み飲料を所定量充填して
から、略無菌雰囲気(空気清浄度がクラス100)の搬
送トンネル内の缶体搬送路を通して、飲料充填済みの缶
を缶蓋巻締機に供給する。
【0021】略無菌雰囲気(空気清浄度がクラス10
0)のクリーンブース内に設置された缶蓋巻締機(シー
マー)では、飲料が充填された各缶に対して、缶蓋殺菌
装置から略無菌雰囲気(空気清浄度がクラス100)内
のシュートを通して供給される殺菌済みの缶蓋を載置し
てから、缶蓋巻締機によって巻き締めて密封した後、飲
料缶詰の殺菌済み製品としてクリーンルームの外の所定
場所までコンベアーにより搬出する。
【0022】なお、図示していないが、充填される飲料
により必要に応じて、缶蓋巻締機において飲料充填済み
の缶に対して缶蓋を冠着する前に、飲料充填済みの缶内
上部のヘッドスペースの空気を、別途の除菌済み窒素ガ
ス供給装置から送給される除菌済みの窒素ガスと置換し
ておく。そうすることによって、飲料缶詰の貯蔵中の酸
化による劣化が防止できる。また、胴壁の薄い缶を使用
する場合には、図示しない液体窒素充填装置により、缶
蓋冠着前の缶内に所定量の除菌済み液体窒素を添加して
から缶蓋巻締機により缶を密封するのが好ましい。
【0023】上記のような無菌充填法による飲料缶詰の
製造ラインにおいて、殺菌済み空缶の搬送路(搬送コン
ベアを覆う搬送トンネル),殺菌済み缶蓋の供給路(シ
ュートを覆う搬送トンネル),飲料充填機周り(クリー
ンブース),飲料充填機から缶蓋巻締機への搬送路(搬
送コンベアを覆う搬送トンネル),および缶蓋巻締機周
り(クリーンブース)は、無菌充填エリアとして空気清
浄度が高レベル(クラス100)の状態に維持されてい
る。
【0024】すなわち、図2に示すように、工場建屋内
に空気清浄度が低レベル(クラス100,000)のク
リーンルームが設けられており、飲料缶詰製造ラインの
大部分を収容する空気清浄度が低レベルのクリーンルー
ム内には、空気清浄度が中レベル(クラス1,000)
のクリーンルームが設けられていて、更に、この空気清
浄度が中レベルのクリーンルーム内に、無菌充填エリア
として、ULPAクリーンユニットにより空気清浄度が
高レベル(クラス100)に維持されているクリーンブ
ース(及びそれに連通する搬送トンネル)が設けられて
いる。
【0025】そして、空気清浄度が高レベルの無菌充填
エリア(各クリーンブース及びそれに連通する搬送トン
ネル)内の気圧は、空気清浄度が中レベルのクリーンル
ーム内の気圧よりも僅かに高い気圧に維持されており、
空気清浄度が中レベルのクリーンルーム内の気圧は、空
気清浄度が低レベルのクリーンルーム内の気圧よりも僅
かに高い気圧に維持されていて、空気清浄度が低レベル
のクリーンルーム内の気圧は、工場建屋内の気圧よりも
僅かに高いか或いは同等の気圧に維持されている。
【0026】ところで、上記のように空気清浄度が高レ
ベル(クラス100)に維持されている無菌充填エリア
において、その内部に設置されている飲料充填機(フィ
ラー)や缶蓋巻締機(シーマー)等の各設備は、スーパ
ースチーム装置により350℃に過熱された蒸気をスー
パースチーム配管を通してクリーンブース内に噴霧して
150℃達温後10分間程度その状態を保持することで
初期殺菌されており、そのようなスーパースチームによ
る殺菌は、その後も、通常は数週間〜月に1回程度の実
施サイクルで行なわれている。
【0027】また、そのようなスーパースチームによる
殺菌とは別に、缶蓋巻締機の表面の洗浄殺菌やクリーン
ブース内壁の洗浄殺菌が、クリーンブース内に配管され
た噴霧ノズルにより缶蓋巻締機の表面やクリーンブース
内壁に対して薬液,温水及び熱水を順次噴霧することに
よって、毎日の製造開始前と製造終了後にそれぞれ実施
されている。
【0028】具体的には、例えば、毎日の製造開始前に
は、オキソニア(製品名 エコラボ株式会社製)4〜5
%×70℃×5分の薬液殺菌と、無菌温水70℃×5分
の水洗と、無菌熱水90℃×5分の熱水洗浄を順次行な
うと共に、毎日の製造終了後には、無菌温水70℃×2
分の水洗と、トパックス(製品名 エコラボ株式会社
製)2〜5%×70℃×5分の薬液洗浄と、無菌温水7
0℃×5分の水洗を順次行なっている。
【0029】そのように内部の各設備が殺菌され且つ空
気清浄度が高レベル(クラス100)に維持されている
無菌充填エリアに対して、更に、無菌充填エリア内に微
生物が侵入したか否かを定期的に監視するために、生産
稼働中に無菌充填エリア内で散布されてから無菌充填エ
リア外に排出されている液体を定期的に採取するための
サンプリング装置が、無菌充填エリアを囲む中レベルの
クリーンルーム(クラス1,000)内に設けられてい
る。
【0030】すなわち、本実施形態では、無菌充填エリ
ア内で缶体の搬送面に対して噴霧されているコンベア潤
滑剤(スライダー液)と、加熱殺菌済みの空缶を冷却し
た際に缶に付着した無菌水と、こぼれた飲料等につい
て、図3に示すように、中レベルのクリーンルーム(ク
ラス1,000)内の3箇所に設置された各サンプリン
グ装置1によって、フィラー入口コンベアの下方に配置
されたドレンパンから排出される液体と、フィラー出口
側でフィラー内部サンプリング樋から排出される液体
と、シーマー付近で缶フィードテーブルの下方に配置さ
れたドレンパンから排出される液体とを、それぞれ定期
的にサンプリングするようにしている。
【0031】コンベア潤滑剤(スライダー液)自体につ
いては、飲料が充填された缶体と搬送面(フィードテー
ブル)との摩擦抵抗を小さくして缶体の動揺による飲料
の液こぼれを防止するために、従来から一般的に使用さ
れているものであり、生産稼働中に搬送面上にノズルか
ら噴霧されているものであって、本実施形態では、無菌
状態を維持するために、コンベア潤滑剤を供給するため
の配管内は薬液(オキソニア)により殺菌され、コンベ
ア潤滑剤は除菌フィルターで除菌後に噴霧されている。
【0032】なお、コンベア潤滑剤の除菌フィルターに
ついては、フィルターの目詰まりによる圧力変動を監視
することによってフィルター交換の時期を特定するか、
或いは、使用期間を定めて一定時間毎に交換する等によ
り、フィルターのトラブルを回避して無菌状態を維持す
るようにしている。
【0033】図4および図5は、無菌充填エリアから排
出されたコンベア潤滑剤をサンプリングするために中レ
ベルのクリーンルーム(クラス1,000)内の3箇所
にそれぞれ設置されているサンプリング装置1の一つ
(他のものも同様)を示すものである。
【0034】サンプリング装置1は、無菌充填エリアか
ら排出されたコンベア潤滑剤を排水管まで流すための廃
液用本管10の途中に、容量が約2.4リットル程度の
サンプリングジャー11を一時的な貯留槽として設け、
サンプリングジャー11の底部と廃液用本管10の下流
側とを連通させるバイパス管12から液採取用管部13
を分岐させて、液採取用管部13の末端に対して、サン
プリングビン14を着脱可能に取り付け、且つ、サンプ
リングビン14と対向してアセプオートバルブ15を設
置すると共に、液採取用管部13との分岐点よりも下流
側でバイパス管12に自動排水弁16を設置したもので
ある。
【0035】そのようなサンプリング装置1によるコン
ベア潤滑剤を主体とした液体のサンプリングについて
は、アセプオートバルブ15と自動排水弁16を閉じ
て、無菌充填エリア外に排出された液体(コンベア潤滑
剤を主体とした液体)をサンプリングジャー11内に貯
留した状態で、液採取用管部13の末端に殺菌済みで空
のサンプリングビン14を取り付けた後、アセプオート
バルブ15を開いて、サンプリングジャー11内のコン
ベア潤滑剤を液採取用管部13を通してサンプリングビ
ン14内に捕集してから、アセプオートバルブ15を閉
じて、コンベア潤滑剤が入ったサンプリングビン14を
取り外して回収し、自動排水弁16を開いて、サンプリ
ングジャー11内に残った液体をバイパス管12から廃
液用本管10を通して排水管に流すことで、一回のサン
プリングが終了する。
【0036】上記のようなサンプリング装置1による液
体のサンプリングは、生産稼働中に2〜4時間毎の実施
サイクルで行なわれるものであって、サンプリングされ
た液体(コンベア潤滑剤を主体とした液体)をメンブレ
ンフィルターで濾過し、濾過したフィルターを培養して
菌数を測定している。
【0037】なお、サンプリング装置1の内部の殺菌に
ついては、排水経路を通して無菌充填エリア内の殺菌
(オキソニアによる殺菌)と同時に行なわれるものであ
って、その際には、アセプオートバルブ15と自動排水
弁16が設置されていることで、それらを自動的に開閉
制御することにより、人の介在により菌を持ち込むよう
なことなく、サンプリング装置1の内部を各配管の隅々
まで確実に殺菌することができる。
【0038】上記のようにサンプリング装置1を用いて
実施される本実施形態の無菌状態監視方法によれば、従
来から生産稼働時に無菌充填エリア内を通って外に排出
されている液体(コンベア潤滑剤を主体とした液体)を
利用して、簡単な構造のサンプリング装置1を付加する
だけで、無菌充填エリア内における微生物の有無を、一
定期間の保管後に変敗缶の有無を検査するような場合と
比べて、短時間の内に(サンプリング液を濾過したフィ
ルターによる微生物の培養後に)知ることができる。そ
の結果、不良品の生産数量を大幅に抑制することがで
き、また、無菌充填エリア内を早く無菌状態に戻し、早
期に飲料缶詰の生産を再開させることができる。
【0039】なお、本実施形態では、各サンプリング装
置1が、何れも、無菌充填エリアを囲むように設けられ
た空気清浄度が中レベルのクリーンルーム(クラス1,
000)内に設置されており、そのような空気清浄度が
中レベルのクリーンルーム内でサンプリング液(缶から
こぼれた飲料や冷却水を含む、コンベア潤滑剤を主体と
する液体)の捕集が行なわれていることから、培養後の
菌測定データーの信頼性が高いものとなっている。
【0040】以上、本発明の無菌充填法における無菌状
態監視方法の一実施形態について説明したが、本発明の
方法は、上記のような実施形態にのみ限定されるもので
はなく、例えば、サンプリング液を採取するために使用
するサンプリング装置については、上記の実施形態に示
した具体的な構造に限られるものではなく、また、上記
の実施形態ではコンベア潤滑剤(スライダー液)を主体
とする液体をサンプリング液として用いているが、その
ようなコンベア潤滑剤を主体とする液体に限らず、例え
ば、一定時間毎にクリーンブース内に無菌水を散布し、
この無菌水をサンプリング液としても良く、また、毎日
の製造開始前や製造終了後に缶蓋巻締機の表面やクリー
ンブース内壁を洗浄殺菌した後でクリーンブースの外に
排出されている洗浄水や温水をサンプリング液として実
施することも可能である。
【0041】更には、上記の実施形態で示したような飲
料缶詰の無菌充填法に限らず、その他の内容物(スープ
のような液体食品、固形物食品、固形物と液体との混合
食品及び医薬品等)や、その他の容器(ガラス瓶、プラ
スチック容器、紙容器及び複合材料製容器等)による無
菌充填法に対しても適用可能である等、適宜変更可能な
ものであることはいうまでもない。
【0042】なお、無菌充填法で使用する容器として、
吊り下げコンベアにより肉厚の首部を挟持されて容器が
吊り下げられた状態で搬送されるペットボトルのような
軽量プラスチック瓶を使用する場合には、少なくとも吊
り下げコンベアを設置してある領域では無菌水又はクリ
ーンブース内を無菌状態に維持するための殺菌液を一定
時間毎に噴霧し、この液を回収してサンプリング液とす
るのが好ましい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したような本発明の無菌充填法
における無菌状態監視方法によれば、従来からの生産稼
働システムを利用して、簡単な構造のサンプリング装置
を付加するだけで、無菌充填エリア内における微生物の
有無を定期的に監視することができ、それによって、無
菌充填エリア内に微生物が入り込んだ場合に対して迅速
に対処することができる。そのため、無菌充填法により
製造された製品を一定期間の保管後に品質検査するよう
な場合と比べて、無菌充填エリア内に微生物が入り込ん
だことによって大量の製品を廃棄処分しなければならな
いような不利益が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無菌状態監視方法の実施対象の一つで
ある無菌充填法による飲料缶詰製造ラインの概略を示す
フローチャート説明図。
【図2】無菌充填法による飲料缶詰製造ラインにおいて
無菌充填エリアを設けるための構造を示す概略説明図。
【図3】飲料缶詰製造ラインの無菌充填エリアにおいて
本発明の無菌状態監視方法を実施するためのサンプリン
グ装置の配置状態を示す側面説明図。
【図4】本発明の無菌状態監視方法を実施するために使
用されるサンプリング装置の一例を示す斜視図。
【図5】図4に示したサンプリング装置の配管説明図。
【符号の説明】
1 サンプリング装置 10 廃液用本管 11 サンプリングジャー 12 バイパス管 13 液採取用管部 14 サンプリングビン14 15 アセプオートバルブ 16 自動排水弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月24日(2000.1.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略無菌状態の無菌充填エリア内で、殺菌
    済みの容器本体に、殺菌済みの内容物を充填して、殺菌
    済みの蓋体で密封するようにした無菌充填法において、
    生産稼働中に無菌充填エリア内に供給されてから無菌充
    填エリア外に排出された液体をサンプリングして、該液
    体内の微生物の有無を検査することにより、無菌充填エ
    リア内の無菌状態を監視することを特徴とする無菌充填
    法における無菌状態監視方法。
  2. 【請求項2】 容器本体が缶体であり、サンプリングす
    る液体が、缶体の搬送面に噴霧されているコンベア潤滑
    剤を主体とする液体であることを特徴とする請求項1に
    記載の無菌充填システムの無菌状態監視方法。
  3. 【請求項3】 液体をサンプリングする場所が、無菌充
    填エリア内に供給されるクリーンエアーよりも空気清浄
    度の低いクリーンエアーが供給されているクリーンルー
    ム内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無
    菌充填法における無菌状態監視方法。
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