JP2000217860A - 粘土鉱物付着シートおよびそれを備えた生理用ナプキン - Google Patents

粘土鉱物付着シートおよびそれを備えた生理用ナプキン

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JP2000217860A
JP2000217860A JP11019661A JP1966199A JP2000217860A JP 2000217860 A JP2000217860 A JP 2000217860A JP 11019661 A JP11019661 A JP 11019661A JP 1966199 A JP1966199 A JP 1966199A JP 2000217860 A JP2000217860 A JP 2000217860A
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Hideo Namiki
秀男 並木
Hiroshi Yui
浩 由井
Hiroko Ikeuchi
裕子 池内
Mariko Takemura
万里子 竹村
Reiko Fuji
礼子 藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理用ナプキン内での経血の保持性能を高め
ることができるようにする生理用ナプキン用の粘土鉱物
付着シートおよびそれを備えた生理用ナプキンを提供す
る。 【解決手段】 水または水溶液に粘土鉱物を浮遊させた
粘土鉱物含有液を、被付着シートに吸水させた後に乾燥
させた粘土鉱物付着シート22によって、上記課題を解
決した。粘土鉱物としては、特にカオリナイトが好まし
い。また、少なくとも前記の粘土鉱物付着シート22と
高吸水性ポリマー23を備えた生理用ナプキン21によ
って、上記課題を解決した。これにより、生理用ナプキ
ン21に用いられる高吸水性ポリマー23のゲルブロッ
クの発生が抑制されるので、高吸水性ポリマー23は、
接触した経血中の水分を速やかに吸収してゲル化し、生
理用ナプキン21内での経血の保持性能を高めることが
できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高吸水性ポリマー
が経血中の水分を容易に吸収できるようにする生理用ナ
プキン用の粘土鉱物付着シート、およびそれを備えた生
理用ナプキンに関する。
【0002】
【従来の技術】生理用ナプキンに用いられている現在の
高吸水性ポリマーは、水やイオン濃度の低い水溶液を容
易に吸収することができる。こうした高吸水性ポリマー
に経血が接触したとき、赤血球や白血球等の血液成分
は、高吸水性ポリマーの表面に留まり、経血中の水分の
みが高吸水性ポリマーのマトリックス中に浸透して吸収
される。そのため、高吸水性ポリマーを生理用ナプキン
に使用した場合に、高吸水性ポリマーは、経血中の水分
を速やかに吸収することによってゲル化し、生理用ナプ
キン内での経血の保持性能を高めるように作用すること
が好ましい。
【0003】従来、高吸水性ポリマーの経血に対する吸
収性能をより一層向上させるため、高吸水性ポリマーが
経血中の水分のみならず赤血球や白血球等の血液成分を
十分に吸収できるように、架橋密度を変化させた高吸水
性ポリマー、膨潤後に凍結乾燥した高吸水性ポリマー、
更には多孔質にした吸水性ポリマー等が検討された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、架橋密
度を変化させた高吸水性ポリマーや膨潤後に凍結乾燥し
た高吸水性ポリマーは、血液成分を十分に吸収すること
ができなかった。また、多孔質にした高吸水性ポリマー
は、経血中の水分のみならず血液成分も吸収できたが、
経血を吸収した後のゲル強度が低く、吸収した経血を保
持できないという問題があった。
【0005】一方、生理用ナプキンとして通常用いられ
ている高吸水性ポリマーは、吸水性に優れているので、
高湿度環境中で水分を容易に吸収して、高吸水性ポリマ
ー粒子が膨潤することが知られている。このように膨潤
した高吸水性ポリマーに経血が接触すると、経血中の糖
類、脂質、タンパク質などが高吸水性ポリマーの表面に
吸着して、高吸水性ポリマー粒子間の粘着力が高まり、
粒子間の隙間が塞がれる状態(いういわゆるゲルブロッ
ク)になりやすくなる。従って、膨潤した高吸水性ポリ
マーは、経血との接触によって上述したゲルブロックの
生成が起こり、経血中の水分を吸収できなくなる場合が
あった。
【0006】実際の使用態様において、生理用ナプキン
は、水分を吸収しやすいように構成され且つ人体に密着
させて使用されるので、使用直後から高湿度環境にさら
される。そのため、生理用ナプキンを構成する高吸水性
ポリマーは、経血に接触する以前に水分を吸収して膨潤
した状態となっている場合が多く、このような状態の生
理用ナプキンに経血が接触すると、上述のように、膨潤
した高吸水性ポリマーがゲルブロックを起こし、経血を
十分に吸収することができなかった。その結果、生理用
ナプキンを構成する高吸水性ポリマーが本来目的とする
効果、すなわち経血に接触した際に、経血中の水分を速
やかに吸収することによってゲル化し、生理用ナプキン
内での経血の保持性能を高めるように作用する、という
効果が達成されないという問題があった。
【0007】こうした問題を解決するため、本発明は、
生理用ナプキンに用いられる高吸水性ポリマーが、接触
した経血中の水分を速やかに吸収することによってゲル
化し、生理用ナプキン内での経血の保持性能を高めるこ
とができるようにする生理用ナプキン用の粘土鉱物付着
シート、およびそれを備えた生理用ナプキンの提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の生理用ナプキン
用の粘土鉱物付着シートは、水または水溶液に粘土鉱物
を浮遊させた粘土鉱物含有液を、被付着シートに吸収さ
せた後に乾燥させてなることに特徴を有する。
【0009】この発明によれば、粘土鉱物含有液を被付
着シートに吸収させた後、前記の含有液中の水分を乾燥
除去するので、粘土鉱物を被付着シートに均一に付着さ
せることができる。こうして得られた粘土鉱物付着シー
トを生理用ナプキンの構成材料として使用すると、生理
用ナプキンに備えられている高吸水性ポリマーは、高湿
度環境にさらされる生理用ナプキンの使用時においても
ゲルブロックの生成を起こさず、優れた吸収性能を維持
し続けることができる。本発明の粘土鉱物付着シートが
高吸水性ポリマーのゲルブロックの生成を抑制するよう
に作用する理由は明らかではないが、おそらく糖類、脂
質、タンパク質などのように、高吸水性ポリマーの表面
に吸着して高吸水性ポリマー間の粘着力を高めてゲルブ
ロックを起こす物質を、粘土鉱物に付着して除去するた
めであると推測される。
【0010】なお、前記粘土鉱物が、カオリナイトであ
ることが特に好ましい。また、前記粘土鉱物含有液は、
前記の水または水溶液100gに対して、前記粘土鉱物
0.01〜40gの割合で配合させたものであることが
好ましい。
【0011】前記被付着シートが、紙、布、不織布また
はそれらの複合シートの何れかであることが好ましい。
この発明によれば、紙、布、不織布またはそれらの複合
シートは、前記の粘土鉱物含有液を吸収しやすく且つ粘
土鉱物を付着しやすい性質を有するので、粘土鉱物を均
一に付着した粘土鉱物付着シートを容易に得ることがで
きる。
【0012】本発明の生理用ナプキンは、少なくとも上
記の生理用ナプキン用の粘土鉱物付着シートと高吸水性
ポリマーとを有することに特徴を有する。
【0013】この発明によれば、上記の作用を有する粘
土鉱物付着シートを有しているので、使用直後から高湿
度環境にさらされて膨潤した高吸水性ポリマーを有する
生理用ナプキンの使用態様においても、生理用ナプキン
を構成する高吸水性ポリマーは、ゲルブロックを生じに
くく、高い水分吸収性能を維持することができる。この
生理用ナプキンに経血が接触すると、経血中の水分は、
高吸水性ポリマーによって容易に吸収されて高吸水性ポ
リマーをゲル化させる。その結果、水分以外の血液成分
も、水分が高吸水性ポリマーに速やかに吸収されること
によって凝集しやすくなるので、生理用ナプキンの使用
感覚は、従来のものに比べて、格段に優れる。
【0014】前記の粘土鉱物付着シートが、経血に接触
する側の前記高吸水性ポリマー表面に設けられているこ
とが好ましい。この発明によれば、経血に接触する側の
高吸水性ポリマー上に粘土鉱物付着シートを設けること
によって、接触側のゲルブロックの生成を抑制して、経
血中の水分吸収性能を特に向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
【0016】本発明の生理用ナプキン用の粘土鉱物付着
シートは、水または水溶液に粘土鉱物を浮遊させた粘土
鉱物含有液を、被付着シートに吸収させた後に乾燥させ
てなるものである。
【0017】粘土鉱物は、カオリナイト、ベントナイ
ト、スメクタイト、モンモリロナイト、カオリナイト、
バーミキュライト、マイカ、クロライト、ハロイサイ
ト、クリソタイル、タルク、セピオライト、パリゴルス
カイト、アロフェン、イモゴライト、ギプサイト、ベー
マイト、ゲータイト、火山灰、ゼオライト、サポナイ
ト、合成珪酸アルミニウム、合成珪酸マグネシウム等の
含水珪酸塩を主成分とする天然または合成のもの、また
はこれらの混合物を使用できる。これらの粘土鉱物のう
ち、特に、カオリナイト、ベントナイトまたはその混合
物を使用することが好ましい。
【0018】これらの粘土鉱物は、通常、水または水溶
液に浮遊しやすいように、粉末状のものが好ましく用い
られる。粘土鉱物の大きさについては特に限定されない
が、被付着シート内にも容易に含浸できるように、1〜
100μmの範囲内のものが好ましく用いられる。この
とき、1μm未満では、微細な粘土鉱物を粉砕または製
造するのが困難であり、100μmを超えると、被付着
シート内に含浸しにくくなる場合がある。
【0019】水または水溶液は、粘土鉱物を浮遊または
分散させて、被付着シート内にその粘土鉱物を均一に含
浸させる媒体として作用するものであればよく、水道
水、イオン交換水、蒸留水、または、上記の粘土鉱物の
浮遊や分散を容易にさせる食塩などの添加剤を含有する
水溶液、等が用いられる。
【0020】得られた粘土鉱物含有液は、粘土鉱物が均
一に浮遊または分散した状態を比較的安定して維持する
ことができる。これは、粉末状にした粘土鉱物の特有な
現象であり、本発明のように、被付着シート内に粘土鉱
物を均一に含浸させるのに好ましい性質である。粘土鉱
物含有液は、水または水溶液100gに対して、粘土鉱
物0.01〜40gの割合で配合させたものであること
が好ましい。このとき、粘土鉱物が0.01g未満で
は、経血を十分に吸収することができなかった。これ
は、経血中の糖類、脂質、タンパク質などのゲルブロッ
クを引き起こしやすい物質を十分に吸着することができ
ていないためと考えられた。また、40gを超えると、
付着させた粘土鉱物の脱落や、粘土鉱物の密度が高くな
って、却って経血を十分に吸収することができなかっ
た。
【0021】得られた粘土鉱物付着シートを経血に接す
る側の高吸水性ポリマー表面に設ける場合、粘土鉱物含
有液は、水または水溶液100gに対して、粘土鉱物1
〜3gの割合で配合させることが特に好ましい。この割
合の粘土鉱物含有液を用いて得られた粘土鉱物付着シー
トは、ゲルブロックを引き起こす原因となる糖類等の物
質を有効に吸着できるので、高吸水性ポリマーの吸収性
能を十分に発揮させることができる。
【0022】被付着シートは、粘土鉱物含有液を吸収し
やすく且つ粘土鉱物を付着しやすい構造または性質を有
するものであれば特に限定されないが、紙、布、不織布
またはそれらの複合シートの何れかを好ましく用いるこ
とができる。従って、目が細かく、粘土鉱物含有液を吸
収しにくいものや、粘土鉱物を付着させにくいものは好
ましく用いることはできない。これらの被付着シート
は、粘土鉱物含有液を容易に吸収し、その後の乾燥によ
って粘土鉱物を均一に付着することができる。
【0023】被付着シートに粘土鉱物含有液を吸収させ
る方法としては、粘土鉱物含有液中に被付着シートを浸
漬させる方法、被付着シートに粘土鉱物含有液を塗布す
る方法、霧状にした粘土鉱物含有液を被付着シートに噴
霧する方法、等を挙げることができる。
【0024】乾燥は、粘土鉱物含有液を吸収した被付着
シートから水分を除去することができればよく、加熱乾
燥、自然乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の何れの方法でも
行うことができる。加熱乾燥としては、乾燥機や温風ド
ライヤーで乾燥したり、加熱板上や発熱体上で乾燥した
りすることができる。
【0025】こうして得られた粘土鉱物付着シートは、
粘土鉱物を被付着シート中に均一に付着させることがで
きる。粘土鉱物の付着状態としては、粘土鉱物の粒子一
つ一つが被付着シートに付着した状態であることが好ま
しいが、粘土鉱物の複数の粒子からなる塊が被付着シー
トに付着した状態であってもよい。
【0026】以上説明したように、本発明の粘土鉱物付
着シートを生理用ナプキンの構成材料として使用する
と、生理用ナプキンを構成する高吸水性ポリマーは、高
湿度環境にさらされる生理用ナプキンの使用時において
もゲルブロックを生じにくくなる。その結果、高吸水性
ポリマーは、優れた吸収性能を維持し続けることができ
る。この高吸水性ポリマーに経血が接触すると、高吸水
性ポリマーは、経血中の水分を容易に吸収してゲル化
し、生理用ナプキン内での経血の保持性能を高めるよう
に作用する。本発明の粘土鉱物付着シートが高吸水性ポ
リマーのゲルブロックの生成を抑制するように作用する
理由は明らかではないが、おそらく糖類、脂質、タンパ
ク質などのように、高吸水性ポリマーの表面に吸着して
高吸水性ポリマー間の粘着力を高めてゲルブロックを起
こす物質を、粘土鉱物に付着して除去するためであると
推測される。なお、上記の説明において、経血中の水分
といっているのは、主に、経血中で高吸水性ポリマーに
吸収可能な血液流体のことである。
【0027】次に、上述の粘土鉱物付着シートを備えた
生理用ナプキンについて説明する。
【0028】本発明の生理用ナプキンは、少なくとも上
記の粘土鉱物付着シートと高吸水性ポリマーとを有して
いる。
【0029】高吸水性ポリマーは、一般に生理用ナプキ
ンに用いられている高吸水性ポリマーであればよく、特
に限定されるものではない。例えば、ポリアクリル酸
系、ポリアクリルアミド系、ポリN−ビニルアセトアミ
ド系、ポリエチレングリコール系、ポリビニルアルコー
ル系、ポリビニルピロリドン系、ポリヒドロキシエチル
アクリレート系、ポリビニルホスホン酸系、ポリビニル
ピリジン系、ポリエチレンイミン系、ポリジオキシソラ
ン系、ポリビニルメチルエーテル系、ポリアクロキシプ
ロパンスルホン酸系、ポリメタクリロイロキシエチル四
級化アンモニウムクロリド系、ポリN−N−ジメチル−
N−(3−アクリルアミドプロピル)−N−(カルボキ
シメチル)アンモニウム系、ポリイソブチレン−マイレ
ン酸系等のポリマーからなる高吸水性ポリマーを挙げる
ことができる。これらの高吸水性ポリマーは、一般的
に、高湿度環境中で膨潤しやすいものである。
【0030】また、一般に市販されている生理用ナプキ
ンには、高吸水性ポリマーの他に、多量の綿状パルプが
用いられている。この綿状パルプは、主に経血の吸収体
として用いられている。しかし、この場合、通常の綿状
パルプは、粗い形態となっているので、接触した経血
は、綿状パルプを容易に通過して高吸水性ポリマー部に
到達する。従って、従来のように、高吸水性ポリマーの
吸収性能が十分でない場合には、生理用ナプキンは、十
分に経血を吸収することができなかった。
【0031】また、他の生理用ナプキンとしては、綿状
パルプを全く使用せず、高吸水性ポリマーを、吸水性と
透液性を有するシート(以下「吸収・透液性シート」と
いう。)で高吸水性ポリマーの上下から挟んで構成した
生理用ナプキンがある。しかし、これも上述と同様に、
高吸水性ポリマーの吸収性能が十分でない場合には、生
理用ナプキンは、十分に経血を吸収することができなか
った。
【0032】図1は、粘土鉱物付着シートを備えた本発
明の生理用ナプキンの一例を示す断面構成図である。生
理用ナプキン11は、高吸水性ポリマー13を包むよう
に綿状パルプ14a、14bが設けられ、さらに、本発
明の粘土鉱物付着シート12が、経血と接触する側の綿
状パルプ14a上に設けられたものである。ここで用い
られる粘土鉱物付着シート12は、図1に示した態様に
限らず、経血と接触しない面側の綿状パルプ14b上に
設けられても、その両方の綿状パルプ14a、14b上
に設けられてもよく、さらに、高吸水性ポリマー13に
接触して、少なくとも一方の面側に設けられていてもよ
い。なお、一般的な生理用ナプキンは、図1に示すよう
に、ナイロンメッシュ15、非吸水性シート16、吸水
・透液性シート17、不透液性シート18等々が適宜組
み合わされて用いられているが、本発明の生理用ナプキ
ン11は、こうした構成には特に限定されず、必要に応
じて通常使用されている他のシートを組み合わせること
もできる。
【0033】こうした構成の生理用ナプキンは、使用直
後から高湿度環境にさらされる実際の使用態様において
も、生理用ナプキンを構成する高吸水性ポリマーは、上
述したような粘土鉱物付着シートの作用によってゲルブ
ロックを生じにくく、高い水分吸収性能を維持すること
ができる。
【0034】図2は、これらの構成のうち、特に好まし
い構成の生理用ナプキン21を示したものである。粘土
鉱物付着シート22を、経血に接触する側の高吸水性ポ
リマー23上に接して設けることによって、特に吸収性
能に優れた生理用ナプキン21とすることができる。す
なわち、経血に接触する側の高吸水性ポリマー23上に
粘土鉱物付着シート22を設けることによって、経血中
のゲルブロック促進成分を吸着し、接触側のゲルブロッ
クの生成を抑制して、経血中の水分吸収性能を特に向上
させることができる。
【0035】上述のように、本発明の生理用ナプキン1
1、21は、従来用いられている生理用ナプキン内に粘
土鉱物付着シート12、22を設けることによって得ら
れるものである。粘土鉱物付着シート12、22は、生
理用ナプキン内の高吸水性ポリマー13、23が本来有
する優れた吸収性能を発揮させることができる。
【0036】ナイロンメッシュ15、25は、不透液性
のナイロン素材を用いてメッシュシートにしたもので、
経血に接触する側の最表面に設けられる。経血を容易に
通過させるものであればナイロンメッシュに限定され
ず、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリプロピレン等からなるメッシュ状のシートであ
ってもよい。
【0037】非吸水性シート16、26は、通常、ナイ
ロンメッシュ15、25の内側に設けられ、高吸水性ポ
リマーと経血接触部とを隔てて使用感覚を向上させる作
用を有するものである。例えば、不織布等からなる非吸
収性のシートを用いることができる。
【0038】吸水・透液性シート17、27は、通常、
高吸水性ポリマー13、23を囲むように設けられ、高
吸水性ポリマー13、23が吸収しきれない経血中の水
分や血液成分を補助的に吸収する作用を有したものであ
る。例えば、紙、布、不織布またはこれらの複合シート
等を用いることができる。
【0039】不透液性シート18、28は、経血に接触
する側の反対側の最表面に設けられ、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン等
からなるシートを用いることができる。
【0040】
【実施例】以下に、具体例を示し、本発明を詳細に説明
する。
【0041】(実施例1)先ず、粘土鉱物付着シートを
作製した。粘土鉱物は、平均粒径5μmのカオリナイト
(日本アイ・テー・シー株式会社製)を用いた。この粘
土鉱物2gを水98gと混ぜ合わせ、粘土鉱物が均一に
浮遊した2%粘土鉱物含有液を調製した。被付着シート
としてはリード紙(リード・クッキングペーパー、ライ
オン株式会社製)を用い、得られた2%粘土鉱物含有液
中に浸漬させることによって、粘土鉱物を被付着シート
中に均一に含浸させた。粘土鉱物を含浸したシートを、
室温で自然乾燥し、水分を除去して粘土鉱物付着シート
を作製した。
【0042】次に、得られた粘土鉱物付着シートを用い
て生理用ナプキンを作製した。ここで作製した生理用ナ
プキンは、市販されている生理用ナプキン(ウィスパ
ー、P&G株式会社製)を用い、その生理用ナプキンを
構成する吸収・透液性シート27を、得られた粘土鉱物
付着シートに置き換えて実施例1の生理用ナプキンとし
たものである(図2を参照。)。なお、市販の生理用ナ
プキンは、使用に際して肌に接する面から、ナイロンメ
ッシュ(材質:ナイロン、厚さ:約1mm)、非吸水性
シート(材質:ナイロン、厚さ:約1mm)、吸水・透
液性シート(材質:パルプ、厚さ:約0.3mm)、高
吸水性ポリマー入り吸収シート(材質:複合パルプ、厚
さ:約0.3〜1mm)、吸収・透液性シート(材質:
パルプ、厚さ:約0.3mm)、不透液性シート(材
質:ポリエチレンフィルム、厚さ:約0.2mm)の順
で構成されたものである。
【0043】(実施例2)実施例1において、粘土鉱物
1gを水99gと混ぜ合わせ、粘土鉱物が均一に浮遊し
た1%粘土鉱物含有液を用いたこと以外は、実施例1と
同様の方法で作製し、実施例2の生理用ナプキンとし
た。
【0044】(実施例3)高吸水性ポリマーの血液吸収
性に及ぼす粘土鉱物付着シートの効果を試験するための
被試験体を作製した。先ず、市販の3種類の高吸水性ポ
リマー(ポリマーA〜C)を用意し、それぞれの高吸水
性ポリマー表面に実施例1で作製した粘土鉱物付着シー
トを載置して、被試験体とした。
【0045】用いた高吸水性ポリマーは、何れも表面架
橋処理された無色透明のポリアクリル酸系樹脂であり、
粒径約300〜約400μmのもの(ポリマーA)を用
いた被試験体を実施例3(A)とし、粒径約300〜約
700μmのもの(ポリマーB)を用いた被試験体を実
施例3(B)とし、粒径約500〜約850μmで多孔
質のもの(ポリマーC)を用いた被試験体を実施例3
(C)とした。
【0046】(実施例4)実施例3で用いた3種類の高
吸水性ポリマー(ポリマーA〜C)を、湿度99%、温
度35℃の条件で、24時間加湿した後、それぞれの高
吸水性ポリマー表面に実施例1で作製した粘土鉱物付着
シートを載置して、実施例4(A)〜実施例4(C)の
被試験体を作製した。
【0047】(比較例1)実施例1で説明した市販の生
理用ナプキンをそのまま使用し、比較例1の生理用ナプ
キンとした。
【0048】(比較例2)実施例1で使用した粘土鉱物
付着シートの代わりに、粘土鉱物を付着させない被付着
シートをそのまま使用した。その他は実施例1と同様の
方法で作製し、比較例2の生理用ナプキンとした。
【0049】(比較例3)高吸水性ポリマーの血液吸収
性試験のための比較用の被試験体を作製した。実施例3
と同様の3種類の高吸水性ポリマー(ポリマーA〜C)
を用意し、それぞれの高吸水性ポリマーをそのまま用い
て比較用の被試験体とした。
【0050】ポリマーAをそのまま用いた被試験体を比
較例3(A)とし、ポリマーBをそのまま用いた被試験
体を比較例3(B)とし、ポリマーCをそのまま用いた
被試験体を比較例3(C)とした。
【0051】(比較例4)比較例3で用いた3種類の高
吸水性ポリマー(ポリマーA〜C)を、湿度99%、温
度35℃の条件で、24時間加湿した後、それぞれの高
吸水性ポリマーをそのまま用いて、比較例4(A)〜比
較例4(C)の被試験体を作製した。
【0052】(比較例5)高吸水性ポリマーの血液吸収
性試験のための比較用の他の被試験体を作製した。実施
例3と同様の3種類の高吸水性ポリマー(ポリマーA〜
C)を用意し、それぞれの高吸水性ポリマー表面に粘土
鉱物を付着させない被付着シート(実施例1を参照。)
を載置して、被試験体とした。ポリマーAを用いた被試
験体を比較例5(A)とし、ポリマーBを用いた被試験
体を比較例5(B)とし、ポリマーCを用いた被試験体
を比較例5(C)とした。
【0053】(比較例6)比較例5で用いた3種類の高
吸水性ポリマー(ポリマーA〜C)を、湿度99%、温
度35℃の条件で、24時間加湿した後、それぞれの高
吸水性ポリマー表面に粘土鉱物を付着させない被付着シ
ート(実施例1を参照。)を載置して、被試験体とし
た。実施例1で作製した粘土鉱物付着シートを載置し
て、比較例6(A)〜比較例6(C)の被試験体を作製
した。
【0054】(生理用ナプキンとしての血液吸収性試
験)実施例1、2と比較例1、2の各生理用ナプキンを
用いて、血液の吸収性についての試験を行った。試験血
液は、豚の血液を使用した。試験は、マイクロシリンジ
で試験血液を1000マイクロリットル採取し、各生理
用ナプキンのナイロンメッシュ側から滴下した。血液吸
収性の評価は、滴下した試験血液が、表面のナイロンメ
ッシュから下層部へ全量が移動した状態をもって一回目
吸収時間とした。次いで、同量の試験血液を再度滴下
し、二回目吸収時間を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】実施例1、2は、優れた吸収性能を示して
いた。特に、二回目吸収時間においては、市販の生理用
ナプキンに比べて格段の差が観られた。
【0057】(高吸水性ポリマーの血液吸収性試験)実
施例3、比較例3〜比較例6の各被試験体を用いて、血
液の吸収性についての試験を行った。試験血液は、豚の
血液を使用した。試験は、スライドグラス上にポリマー
を置き、マイクロシリンジで試験血液を1000マイク
ロリットル採取し、各被試験体の上から滴下した。血液
吸収性の評価は、顕微鏡観察(約200倍)によって行
い、滴下後の状態を経時的に観察した。また、血液を吸
収する前のポリマーA〜ポリマーCの状態も観察した。
結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】粘土鉱物付着シートを高吸水性ポリマー表
面に載置した被試験体(実施例3)は、それを載置しな
い被試験体(比較例3)および粘土鉱物を付着していな
い被付着シートを載置した被試験体(比較例4)に比べ
て、高吸水性ポリマーの吸収性能が優れていた。また、
高吸水性ポリマーの表面も赤くなっており、膨潤してい
る様子が観られた。特に、加湿した高吸水性ポリマーを
用いた場合にあっては、比較例5および比較例6の被試
験体は、何れもゲルブロックを生じて著しく吸収性能が
劣り、また、吸湿したポリマーは僅かに膨潤したが、ゲ
ル強度は低くフニャフニャになった。これに対して、粘
土鉱物付着シートを載置した実施例4の被試験体は、加
湿による影響は全く観られず優れた吸収性能を維持して
いた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の粘土鉱物
付着シートによれば、粘土鉱物含有液を被付着シートに
吸収させた後、前記の含有液中の水分を乾燥除去するの
で、粘土鉱物を被付着シートに均一に付着させることが
できる。こうして得られた粘土鉱物付着シートを生理用
ナプキンの構成材料として使用すると、生理用ナプキン
に備えられている高吸水性ポリマーは、高湿度環境にさ
らされる生理用ナプキンの使用時においてもゲルブロッ
クの生成を起こさず、優れた吸収性能を維持し続けるこ
とができる。この高吸水性ポリマーに経血が接触する
と、高吸水性ポリマーは、経血中の水分を容易に吸収し
てゲル化し、生理用ナプキン内での経血の保持性能を高
めるように作用する。
【0061】本発明の生理用ナプキンによれば、上記の
作用を有する粘土鉱物付着シートを有しているので、使
用直後から高湿度環境にさらされて膨潤した高吸水性ポ
リマーを有する生理用ナプキンの使用態様においても、
生理用ナプキンを構成する高吸水性ポリマーは、ゲルブ
ロックを生じにくく、高い水分吸収性能を維持すること
ができる。この生理用ナプキンに経血が接触すると、経
血中の水分は、高吸水性ポリマーによって容易に吸収さ
れて高吸水性ポリマーをゲル化させる。その結果、水分
以外の血液成分も、水分が高吸水性ポリマーに速やかに
吸収されることによって凝集しやすくなるので、生理用
ナプキンの使用感覚は、従来のものに比べて、格段に優
れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生理用ナプキンの一例を示す断面構成
図である。
【図2】本発明の生理用ナプキンの他の一例を示す断面
構成図である。
【符号の説明】
11、21 生理用ナプキン 12、22 粘土鉱物付着シート 13、23 高吸水性ポリマー 14a、14b 綿状パルプ 15、25 ナイロンメッシュ 16、26 非吸水性シート 17、27 吸水・透液性シート 18、28 不透液性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 礼子 東京都渋谷区西原2丁目25番1号3202 Fターム(参考) 4C003 AA24 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水または水溶液に粘土鉱物を浮遊させた
    粘土鉱物含有液を、被付着シートに吸収させた後に乾燥
    させてなることを特徴とする生理用ナプキン用の粘土鉱
    物付着シート。
  2. 【請求項2】 前記粘土鉱物が、カオリナイトであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の生理用ナプキン用の粘
    土鉱物付着シート。
  3. 【請求項3】 前記粘土鉱物含有液は、前記の水または
    水溶液100gに対して、前記粘土鉱物0.01〜40
    gの割合で配合したものであることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の生理用ナプキン用の粘土鉱物
    付着シート。
  4. 【請求項4】 前記被付着シートが、紙、布、不織布ま
    たはそれらの複合シートの何れかであることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3の何れかに記載の生理用ナプキ
    ン用の粘土鉱物付着シート。
  5. 【請求項5】 少なくとも請求項1乃至請求項4の何れ
    かに記載の生理用ナプキン用の粘土鉱物付着シートと高
    吸水性ポリマーとを有することを特徴とする生理用ナプ
    キン。
  6. 【請求項6】 前記粘土鉱物付着シートが、経血に接触
    する側の前記高吸水性ポリマー表面に設けられているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の生理用ナプキン。
JP11019661A 1999-01-28 1999-01-28 粘土鉱物付着シートおよびそれを備えた生理用ナプキン Pending JP2000217860A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9687396B2 (en) 2014-03-27 2017-06-27 Homeway Technology Co., Ltd. Absorbent article
KR102301719B1 (ko) * 2021-03-09 2021-09-13 김성훈 성인용 기저귀

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US9687396B2 (en) 2014-03-27 2017-06-27 Homeway Technology Co., Ltd. Absorbent article
KR102301719B1 (ko) * 2021-03-09 2021-09-13 김성훈 성인용 기저귀

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