JP2000217567A - バチルス属細菌の芽胞化方法 - Google Patents

バチルス属細菌の芽胞化方法

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JP2000217567A
JP2000217567A JP11022898A JP2289899A JP2000217567A JP 2000217567 A JP2000217567 A JP 2000217567A JP 11022898 A JP11022898 A JP 11022898A JP 2289899 A JP2289899 A JP 2289899A JP 2000217567 A JP2000217567 A JP 2000217567A
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bacteria
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Kisaku Shimura
喜作 志村
Kenichi Akagawa
健一 赤川
Hiroshi Misawa
宏 三沢
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Yakult Honsha Co Ltd
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 芽胞化されたバチルス属細菌を高濃度で得ら
れる方法を提供し、この方法により得られた芽胞を用い
た、より有用性の高い飼料や添加剤を提供する。 【解決手段】 1〜5重量%のコーンスティープリカー
及び炭素源を含有する培地において、バチルス属細菌を
炭素源が消費し尽くされるまで培養し、その後24〜7
2時間通気することを特徴とするバチルス属細菌の芽胞
化方法及びこの方法により得られた芽胞を含有する飼
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バチルス属細菌の
芽胞化方法、並びにこの方法により得られるバチルス属
細菌を含有する動物又は魚介類用の飼料及び魚介類の養
殖場への添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】バチルス属細菌は動物への整腸作用、成
長促進作用等を有することが報告されている。このた
め、バチルス属細菌を家畜や家禽の飼料に配合する試み
がなされている。本出願人も、バチルス属細菌の感染症
予防治療効果を既に確認しており、これを魚介類用の飼
料として配合することを試みている。このとき、飼料中
の菌数が多いほど、高いバチルス属細菌の効果が得られ
るが、飼料製造時の加熱工程や製造後の流通時におい
て、生菌数が減ってしまうという問題があった。
【0003】また、本出願人らは水溶性タンパク質を資
化する能力を有するバチルス属細菌が、魚介類の養殖場
等における硫化物の発生を抑制することを見出し、これ
を特許出願している(WO98/45402)。しか
し、この硫化物発生抑制剤も上記と同様に生菌数維持が
困難なものである。
【0004】バチルス属細菌の生菌数維持のためには、
芽胞を形成させ安定化を図ることが望ましい。
【0005】バチルス属細菌を芽胞化させる方法や、芽
胞を含有する飼料に関しては、数種の報告がある。例え
ば、特開昭48−75720号公報には、バチルス・セ
レウスの芽胞を有効成分とする動物用下痢治療剤が開示
されている。また、特開昭48−75720号公報に
は、46ppm以上のMgイオン及び0.6ppm以上の銅イ
オンを含有する培地でバチルス・セレウスを培養し、培
養物から芽胞を採取する細菌芽胞の採取方法が開示され
ている。
【0006】しかしながら、細菌の増殖は、栄養分を多
く与えることが必要である一方、芽胞化は栄養分を不足
させることが必要であり、上記の公報記載の方法でも高
濃度のバチルス属細菌芽胞を調製することは困難であっ
た。すなわち、バチルス属細菌濃度として、多くとも1
×108cfu/ml、芽胞化率として70%程度を達成する
のが限界であった。
【0007】また、バチルス属細菌の株によっては、上
記のような技術を用いても芽胞化が不充分なものもあ
る。このため、より広範囲の株に適用し得る芽胞化方法
の開発が要求されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、芽胞化されたバチルス属細菌を高濃度で得られる方
法を提供し、この方法により得られた芽胞を用いた、よ
り有用性の高い飼料や添加剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明
者は鋭意研究を行った結果、一定濃度のコーンスティー
プリカー及び炭素源を含有する培地でバチルス属細菌を
培養し、炭素源が消費し尽くされた後一定時間通気すれ
ば、芽胞化したバチルス属細菌が高濃度で得られること
を見出し本発明を完成した。
【0010】すなわち本発明は、1〜5重量%のコーン
スティープリカー及び炭素源を含有する培地において、
バチルス属細菌を炭素源が消費し尽くされるまで培養
し、その後24〜72時間通気することを特徴とするバ
チルス属細菌の芽胞化方法を提供するものである。
【0011】また本発明は、該芽胞化方法により得られ
たバチルス属細菌を含有する動物又は魚介類の飼料を提
供するものである。
【0012】更に本発明は、該芽胞化方法により得られ
たバチルス属細菌を含有する魚介類の養殖場への添加剤
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明が適用し得るバチルス属細
菌は特に限定されないが、バチルス・パミルス(Bacill
us pumils)、バチルス・レンタス(Bacillus lentu
s)、バチルス・ラテロスポルス(Bacillus laterospor
us)、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)が優れた
作用を有するため好ましく、特にバチルス・パミルス及
びバチルス・レンタスが最も好ましい。また、飼料や各
種の製剤等にこれを応用する場合にも、上記のような各
種の作用を有する菌株を用いることが好ましく、特に、
WO98/45402に開示されているバチルス・パミ
ルスA−1株及びA−4株、バチルス・レンタスA−2
株及びA−3株を用いれば、魚介類の養殖場等における
硫化物の発生を抑制でき好ましい。
【0014】本発明方法において、バチルス属細菌の培
養に用いる培地成分としては、窒素源としてのコーンス
ティープリカー(以下「CSL」という)及び糖類等の
炭素源が必須である。すなわち、CSLの添加はバチル
ス属細菌の増殖と芽胞化を促進し、炭素源の添加はバチ
ルス属細菌の増殖を促進するため必要である。
【0015】CSLは、市販のものもしくはCSL原液
を処理して得たものを用いることができる。CSLは、
培地に多量に添加しすぎると集菌時等にCSLの沈殿が
生じることがあり、後に飼料調製等を行う場合、雑菌汚
染や作業性の悪化という問題が生じることがある。他
方、CSLの添加量が少なすぎるとバチルス属細菌の増
殖および芽胞化が促進されない。従ってCSLの添加量
は、培地中1〜5重量%とすることが好ましく、特に1
〜3重量%とすることが好ましい。
【0016】また、CSLとしては、不溶物を除去した
ものを用いれば、バチルス属細菌の芽胞化を更に促進で
きるので好ましい。
【0017】不溶物の除去方法としては、CSLをアル
カリで処理し、遠心後上清を回収する方法や、CSLに
クエン酸を添加して、その後、CSLを微アルカリに戻
し、遠心後上清を回収する方法が挙げられる。このと
き、不溶物の除去量および処理CSLの添加量は、菌の
増殖や芽胞化、集菌時の作業性等に影響することもある
ため、除去量としては、CSL由来の不溶物を乾物重量
でCSL全量の3重量%乃至10重量%、特に4重量%
乃至7重量%除去することが好ましく、添加量として
は、不溶物を除去したCSLの上清を1重量%乃至5重
量%添加することが好ましい。すなわち、除去量が少な
く添加量が多いと飼料等製造時の作業性(遠心回収、濃
縮液の生残性)が悪くなり、除去量が多く添加量が少な
いと培養時の菌体増殖や芽胞化が促進されがたいのであ
る。また、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア水等をいずれを用いてもよ
く、CSL溶液のpHをおおよそ6.5〜8.0程度まで
上昇させることにより、不溶物の除去を効率よく行うこ
とが可能となる。このとき、pHが高すぎると、その後の
培養時における菌体の増殖・芽胞化が抑制され、低すぎ
ると上清に不溶物が多く含まれてしまうため、遠心分離
時などに菌体に混入し、雑菌汚染等の原因となってしま
う。
【0018】不溶物の除去されたCSL(以下処理CS
Lと略す)を調製する手段は、より詳細にはまず、CS
Lの原液に蒸留水を添加し希釈を行った後、アルカリを
添加してpH6.5程度に調整する。次いで、この溶液か
ら遠心分離により上清を回収すれば処理CSLが調製で
きる。また、CSLの原液をクエン酸処理、アルカリ処
理、加熱処理した後、遠心分離して上清を回収すること
でも調製できる。
【0019】一方、培地中に添加する炭素源としては、
バチルス属細菌が資化しうるものであれば、いずれも使
用可能であるが、増殖の促進や芽胞化促進等の理由から
グルコース、ラクトース、ガラクトース、マルトース等
の糖類が好ましく、特にグルコース、ラクトースが好ま
しい。ここで、炭素源の添加量は、バチルス属細菌培養
時の菌濃度が最大となる時点において消費し尽くされる
程度がよい。すなわち、菌の芽胞化を行うためには、培
地中の炭素源が全て消費し尽くされた後に一定時間通気
する必要があり、その際バチルス属細菌が死滅期にいる
と、菌体の活性、保存性等の点から好ましくないからで
ある。このような炭素源の添加量の目安として具体例を
挙げると、グルコースの場合1.5乃至2.0重量%と
することが好ましい。
【0020】本発明の培地には、更に、増殖をより促進
させるためイースト(酵母)エキスを添加することが好
ましい。イーストエキスを使用することにより、バチル
ス属細菌培養時の増殖がより活発となるためである。し
かしながら、イーストエキスを過剰に添加すると、バチ
ルス属細菌の芽胞化能が低下してしまうため、添加濃度
は、0.05重量%〜2.5重量%程度とすることが好
ましく、特に0.1重量%〜0.3重量%程度とするこ
とが好ましい。
【0021】上記の成分を含有する培地にて、バチルス
属細菌を高濃度に芽胞化させる際には、培養時のpHを調
節することが望ましい。すなわち、初発pHを8.0程度
とし、培養時はバチルス属細菌の酸生成により低下する
pHをNaOH等のアルカリで7.5〜8.0程度に中和
することが望ましい。
【0022】また、芽胞化を促進するため、バチルス属
細菌が炭素源を消費し尽くした後に、24〜72時間、
好ましくは24〜48時間の通気を行う必要がある。2
4時間未満では十分な芽胞形成が達成されない場合があ
り、72時間を超えると芽胞が細胞から遊離してしまい
菌体の回収が困難になる場合があるためである。また、
このとき、通気の時間が上記の範囲外でも芽胞化可能な
菌株を用いる場合には、適宜通気時間を設定してもよ
い。ここで通気は攪拌しながら行うことが好ましい。
【0023】このようにして調製されたバチルス属細菌
芽胞を用いれば、集菌等の工程における生残率が高く、
雑菌汚染の可能性の低い、高濃度に菌体を含有する飼料
や製剤等を製造することができる。
【0024】本発明により得られるバチルス属細菌を飼
料として用いる場合には、バチルス属細菌そのままでも
よいが、通常養殖に用いられる飼料原料、例えば、魚
粉、小麦粉、無機塩等を混合又は配合することが好まし
い。
【0025】また、養殖場等への添加剤として用いる場
合、硫化物発生抑制剤、環境改善剤、異臭発生抑制剤等
様々な用途に使用可能である。例えば魚介類の養殖場に
おける硫化物の発生抑制剤として用いる場合には、上記
のようにして培養した培養液から遠心分離等の手段で菌
体を回収し、50%の人工海水に懸濁後、化成岩等に固
定化することが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、「%」は重量%を示す。
【0027】試験例1 窒素源の検討 培地中の窒素源の種類がバチルス属細菌の増殖に及ぼす
影響を検討した。 1.菌株:バチルス・パミルスA−1株及びバチルス・
レンタスA−2株を用いた。 2.培地:下記処方のSpirizen培地に炭素源としてグル
コース0.5重量%を添加し、更に窒素源としてイース
トエキス(アサヒビール株式会社製)、CSL(サンエ
イ糖化製)、醤油抽出残渣アミノ酸液(味の素株式会社
製)、魚肉エキスカルチベータ(焼津水産化学社製)、
ポリペプトン(和光純薬社製)をそれぞれ0.2重量%
添加して培地を調製し、増殖を比較した。
【0028】
【表1】
【0029】3.培養方法:500ml坂口フラスコを用
い、振盪培養を行った。このとき、培養条件は培地量1
00ml、菌株接種量0.4%、培養温度25℃、振盪回
数116stroke/minとした。
【0030】4.結果:結果を図1及び図2に示す。A
−1株は培養24時間目でfull growth(グルコースを
全て消費)に達し、その時の生菌数はイーストエキス添
加培地が5.4×109/mlで最も高く、次いでCSL
の3.2×109/mlであった。一方、A−2株は培養
48時間目でfull growthに達し、その時の生菌数はイ
ーストエキス添加培地が4.5×107/mlで最も高
く、次いでCSLの4.0×107/mlであった。
【0031】試験例2 イーストエキスとCSLとの増
殖の比較 試験例1において増殖性の良好であったイーストエキス
及びCSLの培地組成濃度を増量し、バチルス属細菌の
増殖性への影響を検討した。また、このときバチルス属
細菌の芽胞化についても検討した。培地はグルコースを
1.0%、イーストエキス及びCSLをそれぞれ1.0
%とし、その他の条件は試験例1と同様に培養を行っ
た。その結果、A−1株は培養24時間目でfull growt
hに達し、その時の生菌数はイーストエキスが8.3×
109/ml、CSLが6.0×109/mlであった。一
方、A−2株は培養48時間目でfull growthに達し、
その時の生菌数はイーストエキスが2.0×109/ml
で最も高く、次いでCSLの1.1×109/mlであっ
た(図3、4)。また、full growth 後の培養液に通気
を継続し(A−1株48時間、A−2株24時間)、こ
れを顕微鏡観察し、その芽胞化率を判定した。CSL添
加培地では、ほとんどのバチルス属細菌が芽胞化されて
いたが、イーストエキス添加培地では芽胞は認められな
かった。
【0032】製造例1 処理CSLの製造 以下のように処理CSLの製造を行った。まず、CSL
(サンエイ糖化製、pH3.5)1kgに対して蒸留水60
0mlを添加して希釈した。これを5N NaOHでpH
6.5に調整(5N NaOHを約320ml使用)し、
2Lにメスアップした。次いで、遠心分離機により沈殿
物を除去し、上清を回収し、処理CSLとした。このと
き、回収上清液量は約1900ml、沈殿量は乾物重量で
約65gであった(乾燥条件:105℃、8時間)。
【0033】製造例2 処理CSLの製造 クエン酸を使った製造 CSL(サンエイ糖化製、pH3.5)1kgに対してクエ
ン酸100gを添加して攪拌後、5N NaOHでpH
7.0に調整する(5N NaOH約650ml使用)。
2Lにメスアップ後、70℃で45分間加熱処理を行
い、冷却後、遠心分離にて上清を回収すると、約50%
濃度のCSL処理液が得られた。
【0034】試験例3 CSLと処理CSLの比較(図
5) CSL(サンエイ糖化製)及び製造例1の処理CSLを
用い、バチルス属細菌の増殖性を比較した。菌株として
バチルス・パミルスA−2株を用い、グルコース濃度は
1.5%とし、CSL及び処理CSL濃度は図5に示す
各種濃度に設定し、その他の条件は試験例1と同様にし
て培養を行った。結果を図5に示す。菌体増殖は24時
間でfull growthに達し、その時の生菌数は、処理CS
L3%(CSL1.5%)培地で1.2×1010/ml、
5%(CSL2.5%)培地で2.1×1010/mlであ
った(図5)。このとき、グルコースは完全に消費され
ていた。
【0035】実施例1 処理CSL培地における増殖と
芽胞化 下記組成の培地にバチルス・レンタスA−3株0.8%
を接種し、25℃にて培養を行った(3L発酵槽で1.
5L培養、通気量0.5VVM、350rpm)。培養2
4時間でfull growthに達したため、更に48時間通気
攪拌し、得られた培養液を顕微鏡観察し、その芽胞化率
を判定した。また、菌体を分離し、人工海水に懸濁して
培養液量の7.8倍濃縮液を調製し、生菌数を測定し
た。
【0036】
【表2】(培地組成) 製造例1の処理CSL 40g/L KH2PO4 2 クエン酸ナトリウム 1 NaCl 5 グルコース 15 硫安 4 MgSO4・7H2O 0.2 消泡剤 100μl
【0037】結果を表3に示す。表3より、1×109c
fu/mlの生菌数を得ると共に、80%以上の芽胞化を達
成できたことがわかる。
【0038】
【表3】
【0039】実施例2 バチルス・パミルスA−1株、バチルス・レンタスA−
2株、バチルス・レンタスA−3株及びバチルス・パミ
ルスA−4株を培養し、生菌数及び芽胞化率を測定し
た。培地は処理CSLを用い、製造例1のものを2%、
製造例2のものを4%配合(併用)したものを用い、2
5℃で培養を行った。A−1株、A−3株、A−4株は
培養後24時間で、A−2株は48時間でfull growth
に達した。full growth後通気攪拌を48時間(A−2
株のみ24時間)継続し、実施例1と同様に芽胞化率を
判定した。結果を表4に示す。表4よりすべての菌株で
少なくとも1×109cfu/ml以上の生菌数及び80%以
上の芽胞化率が得られた。なお、full growth後通気攪
拌を72時間を超えて継続したところ、A−4株は細胞
から芽胞が脱落しているのが確認された。
【0040】
【表4】
【0041】製造例3 飼料の調製 通常養殖に用いる飼料1tに対し109cfu/mlのバチル
ス属細菌芽胞菌液を1L混合して調整した。
【0042】製造例4 硫化物発生抑制剤の調製 実施例2の方法で培養したバチルス・パミルスA−1
株、A−4株及びバチルス・レンタスA−2株、A−3
株の菌液を遠心分離して集菌し、3%NaCl溶液で1
×108cfu/ml濃度に希釈した。希釈した菌液200L
に火成岩等の固定化担体400kgを1時間程度通気しな
がら浸漬した後、余剰菌液を分離し硫化物発生抑制剤
(500kg)とした。
【0043】試験例4 以下2通りの方法で調製したバチルス・レンタスA−3
株を、4℃で2週間密封保存した後飼料を作製し、その
生残性を比較した。 (調製法1)実施例1で調製したバチルス・レンタスA
−3株を3%NaCl溶液で1×109cfu/mlまで希釈
した。この菌液1Lを4℃で2週間密封保存した後、通
常養殖に用いる飼料1tに混合し、飼料を調製した。 (調製法2)バチルス・レンタスA−3株をブイヨン培
地(日水)で28℃、48時間培養し、遠心分離して集
菌し、3%NaCl溶液で1×108cfu/mlまで希釈し
た。この菌液1Lを4℃で2週間密封保存した後、通常
養殖に用いる飼料1tに混合し、飼料を調製した。表5
に示す通り、製造例1の飼料では2週間後でも1×10
6cfu/gの生菌数が維持されていたが、比較例1の飼料
では1×103cfu/g程度まで菌数が低下していた。
【0044】
【表5】
【0045】試験例5 硫化物発生抑制剤の投与試験 全国24箇所の水産養殖場に、製造例4で製造した硫化
物発生抑制剤を一定量継続的に(3回以上又は合計1t
以上)散布した。養殖期間中の底質(ヘドロ状の黒色物
質の堆積)、臭気(異臭)の発生等に関し、表5に示す
4段階の評価を行った。
【0046】
【表6】
【0047】その結果、78%以上で有効性が認めら
れ、散布時の投与菌数も1×109cfu/ml以上に保持さ
れていた。効果がどちらともいえない事例は、ウイルス
発症により効果の判定ができなかったので途中で使用を
打ち切ったなどの理由によるものであり、効果の得られ
なかった2例は養殖終了近くになって投与を開始した場
合、投与を途中で中止した場合であった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、1×109cfu/ml以上
の高濃度の芽胞化バチルス属細菌を得ることができる。
また、本発明の芽胞化方法により得られるバチルス属細
菌芽胞は、製剤化、飼料への添加時等の集菌、固定化等
の工程においても高い生残性を保ち、菌濃度の高い飼料
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒素源の違いによる生菌数の経時変化(バチル
ス・パミルスA−1株)を示す図である。
【図2】窒素源の違いによる生菌数の経時変化(バチル
ス・レンタスA−2株)を示す図である。
【図3】イーストエキスとCSLによる菌体の増殖比較
(バチルス・パミルスA−1株)を示す図である。
【図4】イーストエキスとCSLによる菌体の増殖比較
(バチルス・レンタスA−2株)を示す図である。
【図5】CSLと処理CSLにおける菌体の増殖比較
(バチルス・パミルスA−1株)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:07) (C12N 1/20 C12R 1:07) (72)発明者 三沢 宏 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 2B005 GA01 GA02 MB02 2B150 AA01 AA05 AA07 AA08 AB02 AB03 AB20 AC02 DD12 DD26 4B065 AA15X AC13 BB01 BB02 BB03 BB15 BB23 BB26 BB29 BC01 BC02 BC03 BC05 BC08 BC11 BC13 BC26 BC50 BD15 BD50 CA43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1〜5重量%のコーンスティープリカー
    及び炭素源を含有する培地において、バチルス属細菌を
    炭素源が消費し尽くされるまで培養し、その後24〜7
    2時間通気することを特徴とするバチルス属細菌の芽胞
    化方法。
  2. 【請求項2】 1〜5重量%のコーンスティープリカ
    ー、0.05〜2.5重量%のイーストエキス及び炭素
    源を含有する培地において、バチルス属細菌を炭素源が
    消費し尽くされるまで培養し、その後24〜72時間通
    気することを特徴とするバチルス属細菌の芽胞化方法。
  3. 【請求項3】 コーンスティープリカーが、その不溶物
    を除去したものである請求項1又は2記載のバチルス属
    細菌の芽胞化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の芽胞化方法に
    より得られたバチルス属細菌を含有する動物又は魚介類
    の飼料。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の芽胞化方法に
    より得られたバチルス属細菌を含有する魚介類の養殖場
    への添加剤。
JP11022898A 1999-01-29 1999-01-29 バチルス属細菌の芽胞化方法 Pending JP2000217567A (ja)

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