JP2000216104A - 気相成長装置と気相成長方法 - Google Patents
気相成長装置と気相成長方法Info
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Abstract
御し、生成膜の膜特性を精密に制御する。 【解決手段】 気相成長装置1000の反応管1の内壁
に予め堆積膜70を所定の厚さa以上の厚さに堆積させ
ておき、この気相成長装置1000により気相成長を行
う。
Description
相成長方法に係わる。
基板上に半導体薄膜を成膜する技術は、各分野において
利用されている。このCVD法において、基板を加熱し
て気相成長を行う熱CVD法においては、多くの種類の
反応ガスを利用できるという長所と、成膜時に、基板を
比較的高温にしなければならないという短所を有してい
る。
接加熱法とがある。直接加熱法には、例えば、赤外線ラ
ンプにより基板を直接加熱する方法があり、間接加熱法
としては、例えば基板をグラファイト製のサセプタに載
置し、このサセプタに通電して加熱する方法や、気相成
長を行う反応管内に基板を配置してこの反応管を外部か
ら例えば電気炉等により加熱する方法等が挙げられる
(CVDハンドブック、化学工学会、朝倉書店)。
度状態にばらつきがあると、生成膜の膜厚、グレンサイ
ズ、屈折率や光吸収係数等の光学特性、膜組成等の、生
成膜の種々の特性にばらつきが生じてしまう。膜質の低
下を回避するためには、膜生成工程において、温度制御
を高精度に行うことが必要である。
と、基板を内部に載置した反応管を、電気炉等により加
熱する、すなわち反応管の外部の加熱手段により加熱を
行う方法においては、基板の面内温度分布の均一性が、
良好であるという利点がある。
ている縦型構造の気相成長装置、特に、基板103上に
気相成長を行う反応炉本体100の概略図を示す。この
場合、反応管101の下部に、ロードロック室(図示せ
ず)が配置された構成を有する。このロードロック室は
排気手段により内部を高真空度に保持することができる
ようになっている。
は、加熱手段102により所定の温度に調節し、ガス供
給ノズル104より、膜生成のために必要なガスを反応
管101内に供給し、例えばシリコンの基板103を、
ボート110上に載置し、これをボート昇降機構111
により、ロードロック室と反応管101内との間で上下
に昇降可能とされ、反応管101内において気相成長が
行われる。
り、ボート110上に配置された基板103の加熱を行
う場合の加熱のメカニズムについて説明する。すなわ
ち、反応管101の外部に設置された電気炉等の加熱手
段102による熱伝導、対流、輻射の3つの経路によ
り、反応管101内に熱が伝達される。反応管101に
伝達された熱は、反応管101内にある材料ガスや、そ
の他のガスによる対流と、反応管101の内壁からの輻
射により、基板に到達し、これにより、基板の加熱が行
われる。
段102により、基板103の加熱を行う方法において
は、反応管101内の温度制御は、電気炉等の加熱手段
102自体の温度を制御することにより行うことができ
る。しかし、一方においては、反応管内の温度制御を行
う方法として、以下の方法が挙げられる。
内に予め温度計を装備し、反応管101内部の温度を測
定し、この測定値を基準として、電気炉等の加熱手段1
02の制御を行う方法が挙げられる。
成を行わないときに、反応管101内に温度計を挿入
し、任意の圧力、例えば窒素ガス等のガスを任意の供給
量に調節して、電気炉等の加熱手段102による加熱を
行って、このときの加熱手段102と、反応管101内
部の温度差を測定して、これを元に、目的とする反応管
101内の温度を設定することができるように、加熱手
段102の温度を決定し、その加熱手段102の設定値
を基準に、加熱手段102の温度調節を行う方法が挙げ
られる。なお、上記第1および第2の方法のいずれの方
法においても、温度計としては、先端を閉じた石英ガラ
ス管内に、熱電対を挿入したものを適用することができ
る。
D法により基板103上に膜生成を行う場合には、温度
制御に関して、以下の問題がある。
相成長装置を用いて基板103上に膜形成を行うと、気
相成長中に、図10に示すように反応管101の内壁部
において、堆積膜105が形成されてしまい、これが原
因となって、反応管101の精密な温度制御が困難にな
る。
スよりなるときは、赤外線の吸収率が低いため、加熱手
段102から輻射された赤外線は、反応管101を透過
する。反応管101の内部に付着した堆積膜105が、
反応管101を構成する材質と異なる材質、例えばSi
3 N4 や、Si等である場合には、反応管101の材質
とは、赤外線に対する吸収率、反射率が異なる。よっ
て、図11に矢印をもって模式的に示すように、加熱手
段102からの赤外線(図中の波線)が、堆積膜105
により、吸収されたり、あるいは反射されたりするた
め、堆積膜105が、反応管101の内壁面に付着して
いない場合と比較して、反応管101内部に載置した基
板103の加熱の状態に差異が生じる。
膜105の赤外線に対するを吸収率や反射率は、堆積膜
105の膜の厚さにも影響される。このため、加熱手段
102自体の設定温度を一定にしても、基板103の加
熱状態が、堆積膜105の厚さに影響されて、経時的に
変化してしまい、基板103上への安定した成膜を行う
ことが困難になる。
ち、反応管101内に予め温度計を装備し、反応管10
1内部の温度を測定し、この測定値を基準として、電気
炉等の加熱手段102の制御を行う方法においては、図
12に示すように、温度計106は、例えば石英ガラス
よりなる保護管107に挿入された状態で、反応管10
1内に装備されるが、この保護管107の表面にも堆積
膜が付着してしまい、これが原因となって、反応管10
1内の測定温度に影響を与える。
102からの赤外線(図中の波線)が、堆積膜105に
より、吸収されたり、あるいは反射された後に、さらに
温度計106の保護管107の表面に被着した堆積膜1
08により吸収されたり、あるいは反射されたりするた
め、堆積膜105、108が、反応管101や、温度計
の保護管107の表面に付着していない場合と比較し
て、温度計106の測定温度に差異が生じる。堆積膜1
05のみ形成され、堆積膜108が形成されなければ、
温度計106は反応管101内の温度を反映するので、
加熱手段102にフィードバックすることで反応管10
1内に温度を制御できる。しかしながら、堆積膜108
が形成されるので、温度計106の測定温度と反応管1
01内の温度に差異が生じ、加熱手段102のフィード
バック制御後も反応管101内の温度は、目的とする温
度からずれを生じる。堆積膜108の膜厚が変化した場
合も、温度計106の測定温度は影響を受け、同様に、
反応管101内の温度は目的とする温度からずれを生じ
る。
生成を行わないときに、反応管101内に温度計を挿入
し、任意の圧力、例えば窒素ガス等のガスを任意の供給
量に調節して、電気炉等の加熱手段102による加熱を
行った場合の、加熱手段102と、反応管101内部の
温度差を測定して、これを元に、目的とする反応管10
1内の温度を設定することができるように、加熱手段1
02の温度を決定し、その加熱手段102の設定値を基
準に、加熱手段102の温度調節を行う方法において
は、以下の影響が見られる。
反応管101内壁に堆積膜105が堆積していない状態
で行っても、基板103上への成膜工程中に、図10に
おいて示したように、反応管101の内壁に堆積膜10
5が付着し始めるので、堆積膜105そのものの影響に
より、安定な温度制御が困難になったり、堆積膜105
の厚さによる経時的な温度制御への影響が生じたりす
る。
に、反応管101内の温度測定を行うことによって、上
記不都合をある程度軽減することができるが、成膜装置
100の稼働効率を低下させてしまうという不都合が生
じる。
と、基板103への熱の伝達は、輻射による割合が高く
なる。特に、極端に圧力が低く、分子流量域で成膜を行
う超高真空CVD(UHV−CVD)法においては、ガ
ス流量が極端に少ないため、ガスによる熱伝導が殆どな
いので、輻射による影響が支配的となり、反応管101
内部の堆積膜105の影響で、反応管内部の温度に深刻
な影響を与える。
に成膜を行う場合に、安定した温度制御を行うことので
きる気相成長装置および気相成長方法を提供する。
は、外部に加熱手段を有する反応管と、反応管を排気す
る排気手段とを有し、この反応管の内壁に、反応管の材
質と異なる材質の膜が、所定の厚さa以上の厚さに成膜
堆積されたものとする。
を有する反応管の内壁に、反応管の材質と異なる材質の
膜を、所定の厚さa以上の厚さに予め成膜する工程と、
その後、反応管内に基板を挿入し、基板上に成膜する工
程とにより、成膜を行うものとする。
内壁に予め生成膜を所定の厚さaに堆積させておく構成
としたため、その後に反応管の内壁に被着堆積する生成
膜の厚さに影響されることなく、反応管内の温度、膜の
生成を行う基板の安定した温度制御がなされ、成膜時の
温度に依存する膜特性を精密に制御される。
膜の生成を行う前の工程において、予め反応管の内壁に
生成膜を所定の厚さaに堆積させておくこととしたた
め、その後の膜生成工程において、反応管の内壁に被着
堆積する生成膜の厚さに影響されることなく、反応管内
の温度、成膜されるべき基板の安定した温度制御がなさ
れ、成膜時の温度に依存する膜特性を精密に制御され
る。
加熱手段を有する反応管と、反応管を排気する排気手段
とを有し、この反応管の内壁に、反応管の材質と異なる
材質よりなる膜が、所定の厚さa以上の厚さに成膜堆積
された構成を有するものとする。
を有する反応管の内壁に、反応管の材質と異なる材質よ
りなる膜を、所定の厚さa以上の厚さに予め成膜する工
程と、その後、反応管内に基板を挿入し、基板上に成膜
する工程とにより、成膜を行うものとする。
長方法の一例について説明するが、本発明は以下の例に
限定されるものではない。
た本発明の気相成長装置1000の一例の概略構成図を
示す。この例において、気相成長装置1000は、反応
炉本体10と、第1のロードロック室11と、第2のロ
ードロック室12とを有する構成とする。反応炉本体1
0は、石英製の例えば吊鐘形状をなす反応管1が、例え
ばほぼ円筒形状をなす載置台14上に載置され、反応管
1の外周には加熱手段2が配置されてなる。反応管1内
には、外部からガスが供給されるガス導入ノズル16が
配置される。
する開閉がなされる第1のゲートバルブ81が設けら
れ、この第1のロードロック室11は、第2のロードロ
ック室12に、第2のゲートバルブ82を介して連結さ
れる。また、第2のロードロック室12は、反応管1下
に配置され、第3のゲートバルブ83を介して、反応管
1に連結される。
の、例えばターボ分子ポンプがバルブ51を介して連結
され、更にバルブ52を介して第2の高真空排気手段3
2のクライオポンプが連結される。
ンプには、バルブ53を介してメカニカルブースタポン
プ40およびドライポンプ41が連結されて、外部EX
Hに排気されるようになされている。
通路から、分路が設けられ、この分路がバルブ54およ
び55を介してメカニカルブースタポンプ42およびド
ライポンプ43が連結される。
ルブ56を介してメカニカルブースタポンプ44および
ドライポンプ45が連結され、外部EXHに排気される
ようになされている。また、バルブ57を介して第3の
高真空排気手段33のクライオポンプが連結されてい
る。
び33は、それぞれバルブ59および58を介してい
る。
ブ60および61を介して前記メカニカルブースタポン
プ42およびドライポンプ43が連結され、更に、この
第2のロードロック室12はバルブ62を介して例えば
ターボ分子ポンプによる第4の高真空排気手段34が連
結される。この第4の高真空排気手段34には、バルブ
63を介してメカニカルブースタポンプ46およびドラ
イポンプ47が連結されて、外部EXHに排気するよう
になされている。
ロック室12には、気相成長がなされる多数の基板、例
えば半導体基板、例えばシリコン基板、または、反応管
1の内壁に予め堆積膜を形成させるためのダミー基板が
搭載されたボート17を反応管1内に対して、出入させ
るボート昇降機18が配置される。このボート昇降機1
8には、ボート17を上昇させてこのボート17を反応
管1内に配置させた状態で、反応管1の筒状載置台14
を閉蓋する蓋体19が配置され、この蓋体19上に、例
えば筒状の断熱体20を介してボート17が配置され
る。
0を用いて基板3上に、例えばシリコン半導体層を気相
成長させるための方法について説明する。まず、基板3
を搭載するためのボート17を、第1のロードロック室
11内に配置する。第1のゲートバルブ81、第2およ
び第3のゲートバルブ82および83を閉じ、第1のロ
ードロック室11内を、バルブ56を開放して、所定の
圧力までポンプ44および45を動作させて排気した
後、バルブ56を閉じ、バルブ57を開放して、第3の
高真空排気手段33のクライオポンプを動作して排気す
ると共に、第2のロードロック室12についても、バル
ブ62、63を開放して、第4の高真空排気手段34の
ターボ分子ポンプとポンプ46、47を用いて、両ロー
ドロック室11および12内を、約10-6Paに排気す
る。
なされていない状態で、バルブ51、52を開放して、
第1の高真空排気手段31のターボ分子ポンプ31と同
時に特に第2の高真空排気手段32のクライオポンプを
動作して、反応管1内を約10-7Paに排気する。
ン基板を、縦型UHV−CVD装置外において、薬液処
理を行い、基板表面に付着されている有機物を除去す
る。更に、その後、所要の温度に加熱したアンモニア−
過酸化水素水溶液でパーティクル除去を行い、希フッ酸
処理して基板表面の金属汚染物の除去、および基板表面
に生じた自然酸化膜の除去を行う。
1のロードロック室11内を大気圧にし、第1のゲート
バルブ81を開けて第1のロードロック室11内のボー
ト17に、上述した洗浄処理済の基板3を搭載する。
から、第1のロードロック室11を真空排気手段33を
併用して約10-6Paの圧力にする。
ック室11および12内を、約10 -6Paとした状態
で、第2のゲートバルブ82を開けて、基板を搭載した
ボート17を、第1ロードロック室11内部のボート移
動機(図示せず)を用いて第2のロードロック室12内
に移動させ、ゲートバルブ82を閉じ、ロードロック室
12内を、上述したと同様の方法によって約10-6Pa
の圧力にする。
反応管1内のガス導入ノズル16から水素ガスを導入し
ながら、ボート昇降機18を上昇させて、基板3を搭載
したボート17を、反応管1内に移動する。このボート
17の移動中は、バルブ51、52、54、55、62
を閉じ、バルブ60および61を開けてメカニカルブー
スタポンプ42およびドライポンプ43を動作させて排
気を行う。
した状態で、蓋体19が、載置台14に当接し、反応管
1を閉塞すると同時に、ガス導入ノズル16からの水素
ガス導入を停止してバルブ60および61を閉じる。
の圧力まで反応管1内部を排気した後、バルブ54およ
び55を閉じて、バルブ51および53を開けて高真空
排気を行い、約1×10-5Paとなったところで、バル
ブ52を開けて第2の高真空排気手段32のクライオポ
ンプを併用して、所望の圧力となるまで高真空排気を行
い、その後、バルブ52を閉じる。
水素ガスを導入しながら例えば900℃程度まで加熱し
て基板表面に形成された自然酸化膜を還元除去する。そ
の後、所望の成膜温度まで降温する。
段31のターボ分子ポンプにて、高真空排気し、ガス導
入ノズル16から成膜に必要なガスを供給する。このと
き、エピタキシャル成長のための原料ガスは、分子流領
域となる圧力となるように設定する。この圧力は、0.
5〔Pa〕以下であることが望ましい。
ためには、シリコン原料ガスとしてモノシラン(SiH
4 )やジシラン(Si2 H6 )を用いることができる。
シリコン−ゲルマニウム混晶槽を形成するためには、前
記シラン系原料ガスと同時にゲルマン(GeH4 )ガス
を供給すれば良い。更に、前記エピタキシャル成長槽に
ドーパントのボロン(B)やリン(P)をドープする場
合には、その供給ガスとしてジボラン(B2 H6 )やホ
スフィン(PH3 )等を導入することができる。
た後、反応管1内の温度を降温し、ボート17を第2の
ロードロック室12に移動する。その後、基板を前述し
た大気から反応管1内部への搬送手順とは逆の手順を行
い、エピタキシャル成長による成膜層を有する基板を、
気相成長装置から搬出する。
ように、特に、目的とする基板3上に、成膜を行う前
に、ボート17および図1に示した断熱体20を含む反
応管1内部に、あらかじめ、所定の厚さa〔μm〕以上
の、堆積膜70を形成するものとする。すなわち、目的
とする基板3上に気相成長により成膜を行う前に、予
め、ダミー基板を反応管内に配置して気相成長を行い、
反応管1内に堆積膜70を形成しておくものである。
を示す。 シランガス流量:20〔sccm〕 水素ガス流量:25〔sccm〕 反応管内温度:650℃ 反応管内圧力:0.1〔Pa〕 成膜累計時間:250〔分〕 膜厚 :1.5〔μm〕
質と異なる材質の堆積膜70が付着した場合、加熱手段
による輻射光の透過率、吸収率、反射率が、堆積膜が付
着していない場合と変化することは、前述した通りであ
るが、反応管1の内壁に付着した堆積膜70の厚さが、
加熱手段による輻射光の、反応管1内における吸収率、
透過率、反射率に対し、どの様な影響を与えるかについ
てのシミュレーション結果を、以下に示す。
し、この反応管1内において、シリコン基板3上に、ポ
リシリコンを、1000(K)の温度条件で、CVD膜
の形成を行った場合について、図3に、縦軸に、反応管
の壁面が、基板からの輻射エネルギーを吸収する量と透
過する量との合計量の、単位面積あたりのエネルギー量
〔μW/cm2 〕を示し、横軸に、反応管の内壁に堆積
したポリシリコンの膜の厚さ〔μm〕を示す。
から、反応管1の内壁のポリシリコンの堆積膜70の厚
さが、0〔μm〕から1〔μm〕未満の範囲において
は、堆積膜70の厚さの変化に対して、反応管1の壁面
が、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と透過す
る量との合計量が大きく変化するが、堆積膜70の厚さ
が、1〔μm〕以上、特に1.5〔μm〕程度になる
と、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と透過す
る量との合計量が安定している。すなわち、ほとんど変
化しない。
り、気相成長装置10で基板3上にシリコンエピタキシ
ャル薄膜の成膜を行う場合に、加熱手段2からの輻射熱
が反応管に吸収、透過されるエネルギー量の、堆積膜7
0の厚さ依存傾向も、図3のシミュレーションと、同様
の結果を示すことがわかる。
堆積したポリシリコン膜の厚さが、1〔μm〕以上、望
ましくは1.5〔μm〕以上になると、基板3に到達す
る加熱手段からの輻射熱の熱量が、堆積膜70の厚さに
依存しないようになることがわかる。
リコン膜の厚さが、1〔μm〕以上、望ましくは1.5
〔μm〕以上になると、気相成長工程において、基板3
の温度を精密に制御することが可能になる。
1の内壁に、反応管1の材質と異なる材質の膜が、所定
の厚さ、例えば1〔μm〕以上、好ましくは1.5〔μ
m〕以上の厚さに成膜堆積されたものを用いて気相成長
を行うと、精密で安定した温度制御を行うことが可能に
なり、気相成長における成膜特性の高精度化を図ること
ができる。
反応管1を適用し、この反応管1内で、シリコン基板3
上に、Si3 N4 を、例えば1000(K)の温度条件
で、膜形成を行った場合の例について説明する。図4
に、縦軸に、反応管の壁面が、基板からの輻射エネルギ
ーを吸収する量と透過する量との合計量の、単位面積あ
たりのエネルギー量〔μW/cm2 〕を示し、横軸に、
反応管の内壁に堆積したSi3 N4 膜の厚さ〔μm〕を
示す。
率を2.00+0.0iとする。図4に示されているシ
ミュレーション結果から、反応管1の内壁のSi3 N4
の堆積膜の厚さが、0〔μm〕から1〔μm〕未満の範
囲においては、堆積膜の厚さの変化に対して、反応管1
の壁面が、基板3からの輻射エネルギーを吸収する量と
透過する量との合計量が大きく変化するが、1〔μm〕
以上、特に1.5〔μm〕程度になると、基板3からの
輻射エネルギーを吸収する量と透過する量との合計量が
安定する。
り、気相成長装置10で基板3上に成膜を行う場合に、
加熱手段2からの輻射熱が反応管に吸収、透過されるエ
ネルギー量の、堆積膜70の厚さ依存傾向も、図4のシ
ミュレーションと、同様の結果を示すことがわかる。
堆積したSi3 N4 膜の厚さが、1〔μm〕以上、望ま
しくは1.5〔μm〕以上になると、基板3に到達する
加熱手段からの輻射熱の熱量が、堆積膜70の厚さに依
存しないようになることがわかる。
さと、光の吸収量との関係について説明する。光の吸収
量は、次の(数1)で表される。
層した構造体の実効放射率(反射率)を示し、I(λ)
は、ある温度における加熱手段の分光放射発散度(任意
の温度における、各波長の光強度)を示し、a、bは積
分する波長領域〔μm〕を示すものとする。
光の波長の1/4程度の膜厚において、光の全反射が生
じる。光の全反射が生じる条件では、ポリシリコンのよ
うに光を吸収する膜の場合、膜内での繰り返し反射によ
り、光の吸収は波長によらず、一定値に近づく。そのた
めに、堆積膜の膜厚が厚いほど、光の吸収量が安定す
る。図5に、反応管の壁面に堆積したポリシリコンの厚
さが、0.15〔μm〕(曲線201)、0.3〔μ
m〕(曲線202)、0.5〔μm〕(曲線203)で
ある場合の、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
また、図6に、反応管の壁面に堆積したポリシリコンの
厚さが、1〔μm〕(曲線204)、3〔μm〕(曲線
205)、5〔μm〕(曲線206)である場合の、波
長と、光の実効吸収率との関係を示す。
厚が厚いほど、それぞれの曲線201〜206の振幅が
小さくなり、光の吸収量が安定していることがわかる。
i3 N4 膜の厚さが、0.15〔μm〕(曲線30
1)、0.3〔μm〕(曲線302)、0.5〔μm〕
(曲線303)である場合の、波長と、光の実効吸収率
との関係を示す。また、図8に、反応管の壁面に堆積し
たSi3 N4 の厚さが、1〔μm〕(曲線304)、3
〔μm〕(曲線305)、5〔μm〕(曲線306)で
ある場合の、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
厚が厚いほど、それぞれの曲線301〜306の曲線の
波の波長が小さくなる。光の吸収量は、(数1)の式に
示すように、ある波長領域での積分値であるので、膜厚
が厚くて曲線の波長が小さいほど、膜厚が増加して曲線
が変化したときの光の吸収量が小さくなり、光の吸収量
が安定していることがわかる。
ポリシリコン膜、あるいはSi3 N 4 膜が、堆積するこ
とになる場合について説明したが、この例に限定される
ものではなく、例えば、シリコン−ゲルマニウムの混
晶、多結晶シリコン、多結晶シリコン−ゲルマニウム
等、各種の膜が、反応管内壁に堆積する場合について
も、同様に、堆積する膜種に応じた所定の厚さa〔μ
m〕以上の厚さに堆積されると、基板に到達する加熱手
段からの輻射熱の熱量が、堆積膜の厚さに依存しないよ
うになることがわかり、精密で安定した温度制御を行う
ことが可能となる。
び気相成長方法においては、いわゆる縦型のUHV−C
VD装置を用いて気相成長を行う例について説明した
が、本発明はこの例に限定されるものではない。すなわ
ち、例えば横型のUHV−CVD装置を用いて気相成長
を行う場合についても同様に適用することができる。
基板上にシリコン膜のエピタキシャル成長あるいはSi
3 N4 膜の成長を行う場合について説明したが、本発明
は、この例に限定されるものではなく、例えば、シリコ
ン−ゲルマニウムの混晶、多結晶シリコン、多結晶シリ
コン−ゲルマニウム等の、各種の気相成長膜の形成を行
う場合についても、同様に適用することができる。
の内壁に予め、反応管の材料と異なる材料の膜を所定の
厚さに堆積させておく構成としたため、その後に反応管
の内壁に被着堆積する生成膜の厚さに影響されることな
く、反応管内の温度、膜の生成を行う基板の温度を安定
して制御することができ、成膜時の温度に依存する膜特
性を精密に制御することができるようになった。
生成を行う前の工程において、予め反応管の内壁に、反
応管の材料と異なる材料の膜を所定の厚さに堆積させて
おくこととしたため、その後の膜生成工程において、反
応管の内壁に被着堆積する生成膜の厚さに影響されるこ
となく、反応管内の温度、膜の生成を行う基板の温度を
安定して制御することができ、成膜時の温度に依存する
膜特性を精密に制御することができるようになった。
本体の概略図を示す。
の関係を示すシミュレーション結果を表す。
の関係を示すシミュレーション結果を表す。
ときの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
ときの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
きの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
きの、波長と、光の実効吸収率との関係を示す。
例の概略断面図を示す。
一例の概略断面図を示す。
を示す。
一例の概略断面図を示す。
を示す。
102 加熱手段、3,103 基板、4,104 ガ
ス供給ノズル、70,105,108 堆積膜、106
温度計、107 保護管、5,110 ボート、6,
111 ボート昇降機構、1000 気相成長装置、
Claims (4)
- 【請求項1】 外部に加熱手段を有する反応管と、 該反応管を排気する排気手段とを有する気相成長装置で
あって、 上記反応管の内壁に、該反応管の材質と異なる材質の膜
が、所定の厚さa以上の厚さに成膜堆積されてなること
を特徴とする気相成長装置。 - 【請求項2】 上記aの値が、1μmであることを特徴
とする請求項1に記載の気相成長装置。 - 【請求項3】 外部に加熱手段を有する反応管の内壁
に、該反応管の材質と異なる材質の膜を、所定の厚さa
以上の厚さに予め成膜して、堆積膜を形成する工程と、 その後、上記反応管内に基板を挿入し、基板上に成膜す
る工程とを有することを特徴とする気相成長方法。 - 【請求項4】 上記aの値が、1μmであることを特徴
とする請求項3に記載の気相成長方法。
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---|---|---|---|
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JP4451508B2 JP4451508B2 (ja) | 2010-04-14 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002299328A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-11 | Tokyo Electron Ltd | 熱処理方法及び熱処理装置 |
JP2003082534A (ja) * | 2001-09-12 | 2003-03-19 | Ulvac Japan Ltd | グラファイトナノファイバ粉体の製造装置 |
WO2004086475A1 (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-07 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | 基板処理装置及び半導体デバイスの製造方法 |
-
1999
- 1999-01-26 JP JP01729399A patent/JP4451508B2/ja not_active Expired - Fee Related
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