JP2000215052A - コンピュ―タシステム - Google Patents

コンピュ―タシステム

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JP2000215052A
JP2000215052A JP2000007263A JP2000007263A JP2000215052A JP 2000215052 A JP2000215052 A JP 2000215052A JP 2000007263 A JP2000007263 A JP 2000007263A JP 2000007263 A JP2000007263 A JP 2000007263A JP 2000215052 A JP2000215052 A JP 2000215052A
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    • G06F9/06Arrangements for program control, e.g. control units using stored programs, i.e. using an internal store of processing equipment to receive or retain programs
    • G06F9/30Arrangements for executing machine instructions, e.g. instruction decode
    • G06F9/3017Runtime instruction translation, e.g. macros
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合命令を縮小命令セット・コンピュータの
ハードウエアで実行できるようにする。 【解決手段】 プロセッサが非ネイティブ命令のストリ
ームをネイティブ命令へと変換でき、プロセッサがさら
に、メモリからバスを経て非ネイティブ命令のストリー
ムを受取るための手段と、非ネイティブ命令のストリー
ムを所定数未満のネイティブ命令に変換する手段と、所
定数までのネイティブ命令を記憶できる少なくとも2つ
の中間バケットにネイティブ命令の少なくとも2つのグ
ループを記憶する手段と、ネイティブ命令の少なくとも
2つのグループのサブセットを所定数のネイティブ命令
の最大容量を有する最終バケットに統合して、ホストプ
ロセッサ上で最終バケットのネイティブ命令のサブセッ
トを出力できるようにする手段とによって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的にはスーパー
スカラ方式のRISC型マイクロプロセッサに関し、よ
り具体的には複合命令をRISCベースのハードウェア
で実行できるようにするためのCISC型からRISC
型へのマイクロプロセッサ命令のアライメント・ユニッ
トとデコード・ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】関連出
願の引照 以下は同一承継人の出願に係る同時係属中の出願であ
る。米国出願番号07/802,816、1992年1
2月6日出願(代理人整理番号SP024)、発明の名
称「RAMセル及び巡回冗長検査回路搭載ROM(AR
OM with RAM Cell and Cycl
ic Redundancy check Circu
it)」、米国出願番号07/817,810、199
2年1月8日出願(代理人整理番号SP015)、発明
の名称「高性能RISC型マイクロプロセッサ・アーキ
テクチャ(High Performance RIS
C Microprocessor Architec
ture)、米国出願番号07/817,809、19
92年1月8日出願(代理人整理番号SP021)、発
明の名称「拡張可能RISC型マイクロプロセッサ・ア
ーキテクチャ(Extensible RISC Mi
croprocessor Architectur
e)」。
【0003】上記の出願の開示は参照することにより本
明細書に組み込まれているものとする。
【0004】関連技術 可変長命令を使用する複合命令セット・コンピュータ
(CISC型コンピュータ)は全て、命令ストリームの
中で発生する各命令の長さを確定するという問題に直面
している。命令は連続するバイトからなるデータとして
メモリの中に詰め込まれる。従って、命令のアドレスが
与えられれば、第1命令の長さがわかっている場合次の
命令の開始アドレスを確定することは可能である。
【0005】従来のプロセッサでは、この長さの確定
が、実際の各命令実行のような、命令ストリームの処理
における他のステージに比べて、性能に大きく影響する
ことはない。その結果、かなり単純な回路が典型的に使
用されている。一方、スーパースカラ型の縮小命令セッ
ト・コンピュータ(RISC型コンピュータ)ははるか
に高速で命令をプロセスできるが、複数の命令を並列で
実行するためにはるかに高速でメモリから命令が抽出さ
れなければならない。命令がメモリから抽出される速度
によって課せられるこの制限要因はフライン・ボトルネ
ック(FlynnBottleneck)と呼ばれる。
【0006】各命令の長さを確定し、さらにその命令を
命令ストリームから引き出すタスクは命令アライメント
・ユニット(IAU)と呼ばれる機能ユニットによって
実行される。このブロックには命令の長さを確定するた
めのデコーダ・ロジックと、命令データをそのデコーダ
・ロジックに合わせてアライメントするためのシフタが
含まれなければならない。
【0007】インテル社(Intel)の80386マ
イクロプロセッサでは、命令の第1バイトが命令長全体
に関して多くのことを暗示しており、最終の長さを知る
前に追加バイトのチェックが必要になることがある。さ
らに、追加バイトから他の追加バイトを特定できること
がある。従って、プロセスが本質的にシーケンシャルで
あるため、x86系の命令の長さを即時に確定するのは
極めて困難である。
【0008】i486のプログラマ・リファレンス・ガ
イド(i486 Programmer’s Refe
rence Guide)に提供されている情報に基づ
き、i486に採用されているアライメント・ユニット
に関して幾つかの結論を引き出すことができる。i48
6のIAUは命令の最初の数バイトだけを見るように設
計されている。これらのバイトがその長さを十分には特
定していない場合、これらの初期バイトが抽出されさら
にそのプロセスが残りのバイトに対して繰り返される。
このプロセスの繰り返しは毎回フル・サイクルを要す
る。従って、最悪の場合、命令が完全にアライメントさ
れるには数サイクルかかることがある。
【0009】i486のIAUが追加サイクルを要する
のはプレフィックス形や拡張型(2バイト)の演算コー
ドが使われている場合などである。これらの演算コード
は共にi486のプログラムでは共通のものである。そ
の上、複合命令はまたディスプレースメント及びイミデ
ィエト・データから成り立っていることもある。i48
6ではこのデータを抽出するのに追加の時間が必要にな
る。
【0010】CISC型プロセッサ命令のフォーマット
例は図22に示す通りである。この例は可変長のi48
6CISC型命令の可能バイトを表している。命令はバ
イト境界上のメモリに格納されている。命令の長さは最
短で1バイト、最長はプレフィックスを入れて15バイ
トである。命令の全長はPrefixesOpcod
e、ModR/M及びSIBのバイトによって確定され
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、Intel8
0x86マイクロプロセッサのような複合命令セット・
コンピュータ(CISC)、またはその他のCISC型
プロセッサをエミュレートするように設計されたスーパ
ースカラ型の縮小命令セット・コンピュータ(RIS
C)・プロセッサを有するマイクロプロセッサのサブシ
ステム並びに方法である。
【0012】本発明におけるCISC型からRISC型
への変換(translation)処理には二つの基
本的なステップがある。CISC型命令は先ず命令スト
リームから抽出され、そして次にRISC型プロセッッ
サによって処理され得るナノ命令を生成するためにデコ
ードされなければならない。これらのステップはそれぞ
れ命令アライメント・ユニット(IAU)と命令デコー
ド・ユニット(IDU)によって実行される。
【0013】IAUは命令データ上の古い方から23番
目までのバイトを調べることによって命令ストリームか
ら個々のCISC型命令を抽出する働きをする。IAU
は命令FIFOのボトム・ラインにあるバイトのいずれ
かから始まって継続する8バイトを抽出する。各クロッ
ク・フェーズの間に、IAUは現在の命令の長さを確定
し、この情報を使って2個のシフタを制御してその現在
の命令をシフトアウトするのであるが、そのストリーム
には次に来る続きの命令が残っている。IAUは、その
結果、サイクル当たり2命令というピーク・レートで、
各クロック・フェーズの間にアライメントされた命令を
出力する。このベスト・ケースの性能の例外については
以下の項2.0と2.1で説明する。
【0014】CISC型命令がメモリから抽出された
後、IDUがこれらのアライメントされた命令をナノ命
令と呼ばれるRISC型命令と同じシーケンスに変換す
る働きをする。IDUはアライメントされた各命令はI
AUからの出力であるとみなして、必要なナノ命令の数
やタイプ、データ・オペランドのサイズ、さらにアライ
メントされた命令を完了するのにメモリ・アクセスが必
要か否かなどといった様々な要因を確定するためにその
命令をデコードする。単純な命令は直接デコーダ・ハー
ドウェアによってナノ命令に変換されるのに対し、より
複雑なCISC型命令はマイクロコード・ルーチンと呼
ばれる特殊命令セットのサブルーチンによってエミュレ
ートされ、そのサブルーチンは次にナノ命令にデコード
される。この情報は、二つの命令につき完全な1サイク
ルで収集され、その次に命令バケットを形成すべく一つ
にまとめられるが、その中には両方のソース命令に対応
するナノ命令が含まれている。このバケットは次にRI
SC型プロセッサによる実行のため命令実行ユニット
(IEU)に転送される。ナノ命令バケットの実行は本
発明の適用範囲外である。
【0015】本発明の前記、ならびにそれ以外の特徴並
びに利点については、添付の図面に示すように、以下の
本発明の好適な実施例のより詳細な説明から明らかにな
るであろう。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。 目次 1.0 命令フェッチ・ユニット 2.0 命令アライメント・ユニットの概略 2.1 命令アライメント・ユニットのブロック図 3.0 命令デコード・ユニットの概説 3.1 マイクロコード・ディスパッチ・ロジック 3.2 メールボックス 3.3 ナノ命令フォーマット 3.4 特殊命令 3.5 命令デコード・ユニットのブロック図 4.0 デコードされた命令FIFO 好適な実施例の詳細な説明 本項で説明する基本的な概念については以下の参考文献
により詳細に記述されている:「Superscala
r Microprocesser Design」、
MikeJohnson著、ニュージャージー州、イン
グルウッドクリフ所在のPrentice−Hall社
より1991年出版。「Computer archi
tecture−A Quantitative Ap
proach」、John L.Hennessy他
著、カリフォルニア州、サンマテオ所在のMorgan
KaufmannPublishers社より1990
年出版。「i486 Misroprocessor
Programmer’sReference Man
ual」及び「i486 Misroprocesso
r Hardware Reference Manu
al」、カリフォルニア州、サンタタララ所在のInt
elCorporationより1990年発行でオー
ダ番号はそれぞれ240486及び240552。これ
らの出版物の開示は参照することにより本明細書に組み
込まれているものとする。
【0017】1.0 命令フェッチ・ユニット 本発明の命令フェッチ・ユニット(IFU)は命令メモ
リや、命令キャッシュ等の中に格納された命令ストリー
ムから命令バイトをフェッチし、さらにその命令バイト
を実行のためにデコーダ部に供給するために使用され
る。命令アライメント・ユニットによってアライメント
されるべき命令は従ってIFUから供給される。図1に
示すのはそのIFU内の3個の命令プリフェッチ・バッ
ファ200のブロック図であり、それは主命令バッファ
(MBUF)204、エミュレーション命令バッファ
(EBUF)202、及び目標命令バッファ(TBU
F)206から成っている。その命令プリフェッチ・バ
ッファは命令キャッシュから128ビット(16バイ
ト)の命令ストリームを単一サイクルでロードすること
ができる。このデータはIAUによって使用されるべく
3個のバッファのうちの1個に保持される。
【0018】通常のプログラム実行中、MBUF202
は命令バイトをIAUに供給するために使用される。条
件付きの制御フロー(即ち、条件付き分岐命令)に遭遇
すると、MBUF202からの実行が続行している間、
そのブランチのターゲット・アドレスに対応する命令は
TBUF206に格納される。一度ブランチの決定が下
されると、分岐しない場合はTBUF206の廃棄、分
岐する場合にはTBUF206のMBUFへの転送、の
いずれかが行なわれる。いずれの場合も、MBUFから
の実行は続行する。EBUF204の動作は多少異な
る。エミュレーション・モードに入ると、エミュレーシ
ョン命令かもしくは例外によって、命令のフェッチング
と実行がEBUF204に転送される。(エミュレーシ
ョン・モード及び例外処理については共に以下に詳細に
説明する。)プロセッサがエミュレーション・モードに
なっている限り、実行はEBUF204から続行する。
エミュレーション・ルーチンが終わると、実行はMBU
F204に残っている命令データから続けられる。これ
により、エミュレーション・ルーチン実行後、主命令デ
ータを再度フェッチする必要がなくなる。
【0019】2.0 命令アライメント・ユニットの概
本発明との組み合わせで命令アライメント・ユニット
は、スーパースカラ型プロセッサの卓越したサイクル当
たりの命令スループットを用いることによって、普通の
ケースを高速処理にするRISC戦略を用いる。
【0020】本発明において、「アライメントする」と
いう用語は、後でデコードするために或る命令のバイト
を命令ストリームで隣接するバイトと区別できるように
位置付けることを意味する。IAUは、現在の命令のバ
イト数を確定することによって、現在の命令の終わりを
次の命令の始まりと区別する。IAUは次に、IDUに
入れられる最下位のバイトが現在の命令の第1バイトと
なるように、現在の命令をアライメントする。バイトは
いろいろ異なる順序でIDUに供給することもできる。
【0021】本発明のIAUのサブシステムはあらゆる
クロック・レートにおいてサイクル当たり2命令の速度
でほとんどの一般的な命令をアライメントすることがで
き、縮小クロック速度でこれと同じレートでその他のほ
とんどの命令をアライメントすることができる。プレフ
ィックスを含む命令にアライメントに半サイクル余計に
必要である。イミディエト・データ及びディスプレース
メントのフィールドは並列で抽出されるために余分な時
間は不要である。
【0022】さらに、IAUのアライメント・タイムは
最悪のケースで1命令当たりわずか2.0サイクルであ
り、従来のCISC型プロセッサの一般的な命令の多く
をアライメントするのに要する時間より短い。命令が一
つ以上のプレフィックス(アライメントに要するサイク
ル合計の半分)を有し、その命令が長さの確定に完全に
1サイクルを要するセットからのもので、且つその命令
(プレフィックスを含まない)の長さが8バイトより長
い場合(半サイクル余計に必要だから、結果として合計
で完全な2サイクルになる)には最悪のケースが起こ
る。
【0023】幾つかの構造上の特徴によってこうした性
能が実現される。第一に、IAUは、アライメント回路
中のフェーズ・ラッチとマルチプレクサを交互に使用す
ることによりクロックのフェーズ毎に完全なアライメン
ト操作を実行するように設計されている。第二に、デコ
ード・ロジックは各命令の長さを確定するために考慮に
入れなければならないビット数に基づいてCISC型命
令を二つのカテゴリーに分ける。即ち、少数ビットで指
定された長さの命令は単一フェーズ(半サイクル)でア
ライメントされるのに対し、他の命令は典型的に、さら
に1クロック・サイクルが必要である。最後に、IAU
は命令ストリームから一回だけのシフトで8バイトまで
を抽出できる。これにより、長い命令(i486では1
5バイトまで)を数少ないシフト命令でアライメントす
ることが可能になり、且つほとんどの命令が一回だけの
シフトでアライメントできるようになる。
【0024】高速且つ正確にCISC型命令をデコード
するために以下のタスクがIAUによって実行される プレフィックス・バイトの存在とその長さを検出する 演算コード、ModR/M及びSIB(scale、i
ndex、base)のバイトを分離する 命令の長さ(次の命令の記憶位置を示す)を検出する 以下の情報を命令デコード・ユニット(IDU)に送る − 演算コード、即ち8ビットに任意の拡張3ビットを
足したもの。2バイトの演算では、第1バイトは常にO
Fhexだから、2番目のバイトが演算コードとして送
られる − ModR/Mバイト、SIBバイト、ディスプレー
スメント及びイミディエト・データ。
【0025】− プレフィックス数及びタイプに関す
る情報 演算コード・バイトはその命令によって実行された演算
を指定する。ModR/Mバイトは、命令がメモリのオ
ペランドを参照する場合に用いられるアドレス形式を指
定する。ModR/Mバイトはまた2番目のアドレッシ
ング・バイト、即ち、SIB(scale、inde
x、base)バイトを参照することもでき、そのSI
Bバイトはアドレッシング形式を十分に指定することを
必要とすることがある。
【0026】2.1 命令アライメント・ユニットのブ
ロック図 IAUのブロック図は図2に示す通りである。この図は
二つの部分、即ち、メインデータバス302(破線で囲
んだ部分)とプレデコーダ304(破線で囲んだ部分)
とに分れる。命令のシフティングや抽出はメインデータ
バス302で起こるのに対し、長さの確定やデータバス
の制御はプレデコーダ304によって処理される。
【0027】メインデータバス302は幾つかのシフ
タ、ラッチ及びマルチプレクサから成り立っている。抽
出シフタ306はバイトで構成された命令データをIF
Uから受け取る。IFI0b_バス〔127:0〕とI
FI1b_バス〔55:0〕の2本のバス(概ね303
で示した)はIFUの命令データ出力を表している。I
FUはIAUからの要求に答えてアドバンス・バッファ
・リクエスト(ADVBUFREQ)ライン308上で
この命令情報を更新する。ADVBUFREQ信号の生
成については以下に説明する。現在の命令に該当する8
バイトのデータは抽出シフタから出力され且つバス30
7上の整列シフタ310に送られる。整列シフタは合計
で16バイトの命令データを保持し且つフェーズ毎に8
バイトまでシフトすることができる。シフトアウトによ
ってプレフィックスが検出される場合、命令からプレフ
ィックスを切り離すために整列シフタが使用される。整
列シフタはまた、命令をより低位のバイトにアライメン
トし、さらにアライメント後にその命令全体をシフトア
ウトするために使用される。
【0028】その8バイトはバス309を介してイミデ
ィエト・データシフタ(IMMシフタ312)とディス
プレースメント・シフタ(DISPシフタ314)にも
送られる。IMMシフタ312は現在の命令からイミデ
ィエト・データを抽出し、DISPシフタ314はディ
スプレースメント・データを抽出する。これら2個のシ
フタへのデータはアライメントされた命令との同期を維
持するためにΩサイクル遅延素子316によって遅延さ
せられる。
【0029】整列シフタ310はバス311上のアライ
メントされた次の命令を2個の整列_IRラッチ318
または320へ出力する。これらのラッチはシステム・
クロックの対向フェーズ上で動作する。それによってサ
イクル毎に二つの命令がラッチされることになる。整列
_IRラッチ318及び320はアライメントされた命
令を2本の出力バス321上に出力する。そのラッチの
1個が新規の値を受け取るフェーズ期間中に、他のラッ
チの出力(アライメントされた現在の命令)はマルチプ
レクサ(MUX 322)によって選択される。MUX
322はそのアライメントされた現在の命令をアライメ
ントされた命令バス323に出力する。出力323はI
AUの一次出力である。この出力は、現在の命令の長さ
を確定するためにプレデコーダ304によって使用さ
れ、且つ次の命令が抽出されるデータとして整列シフタ
310にフィードバックされる。アライメントされた現
在の命令はバス325、スタック334、さらに先のバ
ス305を介して整列シフタ310にフィードバックさ
れる。バス305はアライメントされた現在の命令に関
する情報をΩサイクル・データ遅延316にも送る。
【0030】IMMシフタ312とDISPシフタ31
4はそれぞれイミディエト・データとディスプレースメ
ント・データをシフトすることができる。何故ならば、
それらはシフトするのに合計16バイトが必要だからで
ある。Ωサイクル・データ遅延316はシフタへの命令
バイトを1本のバス上に出力する。IMMシフタ312
は現在の命令に対応するイミディエト・データをイミデ
ィエト・データバス340上に出力する。DISPシフ
タ314は現在の命令に対応するディスプレースメント
・データをディスプレースメント・データバス342上
に出力する。
【0031】プレデコーダ304は、次命令検出器(N
ID)324、イミディエト・データ及びディスプレー
スメント検出器(IDDD)326、及びプレフィック
ス検出器(PD)328の3つのデコーダ・ブロックか
ら成り立っている。NIDとPDは整列シフタ及び抽出
シフタを制御し、IDDDはIMMシフタ312とDI
SPシフタ314を制御する。
【0032】PD328は一つの命令中のプレフィック
スの存在を検出するように設計されている。PD328
は存在するプレフィックス数を確定し、且つ次の半サイ
クルで命令ストリームからプレフィックスを抽出するた
めに、ライン331、MUX330、及びライン333
を介して整列シフタ310とカウンタシフタ332にシ
フト制御信号を供給する。さらに、PD328はプレフ
ィックス自体をデコードしてこのプレフィックス情報を
IDUへの出力ライン329上に供給する。
【0033】PD328の基本アーキテクチャは4個の
同一の検出装置(プレフィックスを4つまで検出するた
め)と、プレフィックス自体をデコードするための第2
ブロックのロジックとで構成されている。CISC型フ
ォーマットはプレフィックス発生の順序を定義するが、
本発明では初めの4バイト位置のそれぞれにおける全て
のプレフィックスの存在を検査する。さらに、デコーダ
の減速要求を利用すべく、プレフィックスの存在を検出
する機能とプレフィックスをデコードする機能は別々に
なっている。PD328のアーキテクチャについては以
下にさらに詳細に述べる。
【0034】IDDD326は各命令からイミディエト
・データとディスプレースメント・データを抽出するよ
うに設計されている。IDDD326はそれらの存在に
係わりなく常にこの二つのフィールドの抽出を試みる。
IDDD326はIMMシフタ312とDISシフタ3
14を1対のライン344と346上でそれぞれ制御す
る。IDUはアライメントされた命令をプロセスするの
に半サイクルを要するが、イミディエト・データ及びデ
ィスプレースメント・データには無用のものである。従
って、イミディエト・データ及びディスプレースメント
・データは、IDDD326がシフト量の計算にもっと
時間をかけられるようにするために、Ωサイクル・デー
タ遅延316によって遅延させられる。何故ならば、同
じフェーズでデコードとシフトを実行するNID324
と異なり、シフトはその次にくるフェーズで起こるから
である。
【0035】NID324はプレデコーダの心臓部であ
る。一度プレフィックスが取り除かれると、NID32
4は各命令の長さを確定する。NID324は制御ライ
ン327、MUX330、さらにライン333を介して
整列シフタ310とカウンタシフタ332を制御する。
NIDは二つのサブブロック、サブセット次命令検出器
(SNID702)と、さらに残存次命令検出器(RN
ID704)とから成り立っており、RNID704に
ついては図6、図7との関連において説明する。
【0036】その名が示すように、SNID702はC
ISC型命令セットのサブセットの長さを確定する。サ
ブセット内の命令はSNIDによってサイクル当たり2
命令の割合でアライメントされる。
【0037】RNID704は残る全ての命令の長さを
確定し、さらにあと半サイクルを必要とし、それによっ
てデコード時間合計は完全な1サイクルになる。サブセ
ットに命令が入っているかどうかの確定はSNIDによ
ってなされ、さらにこの信号はSNIDかRNIDかい
ずれかの出力を選択するためにNID内で使用される。
【0038】新規の命令がアライメントされている場
合、初めはサブセットの中に存在していると仮定され、
それによってSNIDの出力が選択される。SNIDが
その命令はRNIDによって処理されるべきものである
と(この同じ半サイクル中に)判定した場合、信号がア
サートされ、IAUが現在の命令をループし、それをさ
らに半サイクルの間保持する。この2番目の半サイクル
の間に、RNIDの出力が選択され、且つ命令が適正に
アライメントされる。
【0039】NIDのこのアーキテクチャには幾つかの
利点がある。その一つは先に既に述べたが、サイクル時
間が十分に長ければ、SNID・RNID間の選択が一
回の半サイクルの間に実行でき、それによって全ての命
令が単一フェーズ(プレフィックスや8バイトより長い
命令を抽出する時間は含まない)内にアライメントされ
るようになることである。これにより、ハードウェアを
追加せずに低サイクル・レートでサイクル当たりの性能
を向上させることができる。
【0040】第2の利点は、選択信号をアライメント取
消信号として使用できることである。何故ならば、選択
信号はIAUがSNIDシフト出力を無視し、そして、
さらに半サイクルの間現在の命令を保持するからであ
る。特定命令の組み合わせまたは長さを予測し、続いて
その予測が正しくなければ取消信号を生成するようにS
NIDを設計することができる。例えば、この方法は一
回の半サイクルで複数の命令をアライメントするために
使用することができ、これによって性能がさらに向上す
る。
【0041】IAUもカウンタシフタ332から成り立
っている。カウンタシフタ332はライン335を介し
て抽出シフタ306のシフト量を確定し、さらにADV
BUFREQライン308を用いてIFUに追加のCI
SC型命令バイトを要求するために使用される。カウン
タシフタ332の機能については次のIAUの動作フロ
ーチャートとタイミング図の例を検討することにより良
く理解されるであろう。
【0042】図3は本発明のIAUによって実行される
命令バイト抽出とアライメントの概略フローチャートで
ある。ステップ402に示すように、新規のデータがI
FUのMBUF204(BUCKET_#0と呼ばれ
る)の最低ライン205に入力されると、抽出シフタ3
06は第1命令から始まる8バイトを抽出する。ステッ
プ404に示すように、その8命令バイトは整列シフタ
310をバイパスして整列_IRラッチ318及び32
0に渡される。ステップ406に示すように、IAUは
次に整列_IRラッチ中にアライメントされた命令を保
持しながら次のクロック・フェーズがくるのを待つ。
【0043】次のクロック・フェーズの間に、IAUは
IDU、STACK334、IDDD326、NID3
24、PD328及びΩサイクル・データ遅延316に
アライメントされた命令を出力する。イミディエト・デ
ータとディスプレースメントに関する情報は次にバス3
40と342上のそれぞれのIDUへ出力される。この
データは、もし存在していたら、その前のフェーズでア
ライメントされた命令に対応する。これらのオペレーシ
ョンは概ね図3のステップ408に示す通りである。
【0044】プレフィックスが存在しているかを確定す
るために、次にIAUによって条件文409が入力され
る。この確定はPD(プレフィックスデコーダ)328
によって行なわれる。条件文409を出る矢印「Ye
s」で示すように、PDによって一つ以上のプレフィッ
クスが検出されれば、そのプロセスはステップ410へ
と進み、そこでIAUはMUX330でPDの出力を選
択する。ステップ412に示すように、そのデコードさ
れたプレフィックス情報は次に対応するアライメントさ
れた命令とともに次のフェーズでIDUに送られるべく
ラッチされる。条件文409を出る矢印「No」で示す
ように、プレフィックス命令バイトが検出されなけれ
ば、ステップ414に示すようにMUX330でNID
324の出力が選択される。
【0045】一度ステップ412または414が完了す
れば、ブロック416に示すように、抽出シフタ306
を制御して、整列シフタ310とnサイクル・データ遅
延316に次の8バイトの命令データを供給するために
カウンタシフタ332の現在の出力が使用される。次
に、IAUはMUX330の出力をシフト_Aと呼ばれ
る変数として用いる。この変数は整列シフタ310を制
御して次の命令をアライメントするために用いられる。
シフト_Aは、次のフェーズの間に用いるシフト量を計
算するために、現在の抽出シフタのシフト量(BUF_
カウントと呼ばれる)にも加えられる。この加算は、ス
テップ408に示すように、カウンタシフタ308にお
いて行なわれる。
【0046】IAUによって行なわれる次の操作のステ
ップは、ステップ420に示すように、整列_IRラッ
チ内の整列シフタの出力をラッナすることである。ステ
ップ422に示すように、IDDD326内のイミディ
エト・データとディスプレースメント・データの位置が
計算され、さらにこのシフト量がΩサイクルだけ遅延さ
せられる。次に、ステップ424に示すように、IAU
はその前の半サイクルの間に計算されたシフト量を用
い、現在IMMシフタ312とDISPシフタ314に
入力中のデータをシフトする。最後に、このプロセスを
ステップ406から初めて繰り返して行ない、次のクロ
ック・フェーズを待つ。408から424までのステッ
プが命令ストリーム中に残存する命令バイトに対して繰
り返される。
【0047】図4に示すのは図2のIAUに関連するタ
イミング図である。図4の上部に二つの命令バケットが
表示されている。バケット_#0及びバケット_♯1と
ラベルの付いたこれら二つの命令バケットはそれぞれI
FU(図示していない命令メモリから)によって図2に
示したIAUに供給される16命令バイトから成り立っ
ている。命令のアライメントはいっもバケット_#0の
右(即ち、一番下のバケット)から行なわれる。本実施
例においては、バケット #0及びバケット_#1がI
FUのMBUF204の一番下の二つのバケットであ
る。他の配列も可能である。
【0048】本実施例において、IAUに送られた最初
の3命令はOP0、OP1、OP2で、長さはそれぞれ
5バイト、3バイト、11バイトである。命令OP2の
最初の8バイトだけがバケット_♯0に収まることに注
意すること。残る3バイトはバケット_♯1の始まりに
ラッチされる。この実施例を簡素化するために、これら
の3命令にはプレフィックス・バイトがないものと仮定
する。プレフィックスが検出されれば、1命令のアライ
メントのために1フェーズの追加が必要になる。
【0049】命令はバケットのどの位置からでも開始で
きる。命令は一番下のバケットのいずれかの位置から始
まって一度に8バイトまで抽出される。IAUは本実施
例におけるOP2のような、2番目のバケットに入り込
んでいる命令に対処するため、二つのバケットを調べ
る。
【0050】このタイミング図におけるトレース「1」
は二つのシステム・クロックの一つ、CLK0である。
本実施例において、このシステム・クロックは半サイク
ルが6ナノ秒になっている。別のシステム・クロックC
LK1と対比して逆のフェーズを有するCLK0はT6
で上がりT0で下がる。その場合、T0はCLK1の立
ち上がりエッジであり、T6がCLK0の立ち上がりエ
ッジである。説明をわかりやすくするために図4におい
て主な3つのクロック・フェーズにはF1、F2、F3
のラベルを付けてある。
【0051】このタイミング図におけるトレースの
「2」と「3」は入力バスIFI1BとIFI0B上の
命令データを表している。502に示すように、新規の
バケット_#0はF1が始まるところのIFI0B上で
使用可能になる。少し後に、OP0(B#0;7−0)
で始まる最初の8バイトが504のところで抽出シフタ
306によって抽出される。バケット_♯0バイト7−
0は有効であることが示されている。抽出シフタのタイ
ミングはトレース「4」に示す通りである。
【0052】命令ストリームのCISC型からRISC
型へのデコーディングが始まると、カウンタシフタ33
2はバケット_#0から最初の8バイトを抽出するため
に抽出シフタ306を制御する。カウンタシフタは命令
のアライメントの進行につれてバケットからさらにバイ
トをシフトし且つ抽出するように抽出シフタに信号を送
る。バケット_#0から命令バイトが空になると、バケ
ット_#1の内容がバケット_#0の中にシフトされ、
バケット_#1は命令ストリームから補充される。最初
の8バイト抽出後、抽出シフタは、命令長、プレフィッ
クス長並びに先のシフトの情報に基づいて、ライン33
5上のカウンタシフタの制御のもとバイトを抽出してシ
フトする。
【0053】しかしながら、本実施例では、カウンタシ
フタは第1命令をアライメントすべくゼロにシフトする
ように抽出シフタに信号を送る。よって、抽出シフタは
第1命令の最初の8バイトを整列シフタ310にシフト
アウトする。整列シフタの信号のタイミングはタイミン
グ図のトレース「5」に示す通りである。これらの8バ
イトは参照番号506で示したF1の時間帯の間整列シ
フタで有効になる。
【0054】バケット_♯0の最初の8バイトは整列シ
フタをバイパスして2個の整列_IRラッチ318また
は320(図4のトレース「6」と「7」に示すよう
に)の中に格納される。クロック信号CLK0とCLK
1のタイミングに基づいて、これらの整列_IRラッチ
は交互に命令バイトを受け取る。整列_IR0318は
クロック信号CLK0のラッチで、即ちクロック信号C
LK0がハイの時ラッチされる。整列_IR1320は
クロック信号CLK1のラッチで、クロック信号CLK
1がハイの時ラッチする。F1の終わり寄りの参照番号
508で示すように、最初の8バイトは第1クロック信
号CLK0のフェーズ終了前に整列_IR0にて有効に
なる。
【0055】MUX322はその前のフェーズでラッチ
を実行したラッチを選択する。本実施例では、従って、
MUX322が2番目の完全フェーズ、F2の間にOP
0の最初の8バイトを出力する。
【0056】その次に、OP0最初の8バイトはNID
324とスタック334に流れる。NID324は、第
1命令が5バイト長であることを検出してこの情報をラ
イン325、MUX330、さらにライン333経由で
整列シフタ及びカウンタシフタに送り返す。上述したよ
うに、同時に最初の8バイトはスタックを通って流れ、
整列シフタにフィードバックされる。その結果、整列シ
フタは命令バイトを抽出シフタからと、そして間接的に
自分自身から受け取ることになる。これはサイクル毎に
最大8バイトをシフトするためには整列シフタには16
バイトの入力が必要だからである。整列シフタがXバイ
トを右にシフトすると、最下位のXバイトを廃棄して次
の8バイトのデータをラッチの318と320に渡す。
この場合、スタック334は整列シフタ310にバイト
0〜7を供給する。
【0057】整列シフタを取り囲むバイパス336は抽
出シフタが命令ストリームから第1命令を抽出する初期
のケースで使われる。プレフィックス・バイトを除い
て、第1命令がアライメントされるため、整列シフタが
初期のケースでシフトを行なう必要はない。
【0058】タイミング図のF2の期間中、抽出シフタ
はバケット_#0のバイト15〜8の8バイトをシフト
アウトする。図4の510を参照。これらのバイトは整
列シフタに送られるが、その整列シフタは今や合計で1
6の処理対象の続きバイトを有している。整列シフタは
抽出シフタの出力並びにF2期間中のラッチ318と3
20の有効出力を調べる。
【0059】F2の終わり近くで、整列シフタはNID
からの信号に基づき、バケット_#0のバイト12〜5
を出力にシフトする。そのNIDからの信号は整列シフ
タに5バイト右にシフトするように指示するものであ
る。それによって命令OP0に対応する最下位の5バイ
トが廃棄される。タイミング図のトレース「8」のシフ
ト_5_バイト信号512を参照。残る命令データの8
バイト、即ちバイト12〜5はその後整列シフタを通っ
て流れる。バイト5は次の命令OP1の第1バイトであ
ることに注意すること。
【0060】カウンタシフタ332は次に抽出シフタ3
06の8バイトをシフトする。何故ならば、最初の8バ
イトは今や整列_IRラッチから入手でき、よって次の
バイトが必要だからである。フェーズF3が始まると、
カウンタシフタは先のフェーズで整列シフタ310によ
ってシフトアウトされたバイト数だけシフト量を増やす
ように抽出シフタに信号を送る。従ってカウンタシフタ
は先の抽出シフタのシフト量を格納し、さらにこの値に
整列シフタのシフト量を加算するためのロジックから成
り立っていなければならない。
【0061】整列シフタ用に新規の値がでてくる毎に、
カウンタシフタはその量を旧シフト量に加算する。本実
施例においては、F2の期間中カウンタシフタは8バイ
トをシフトしたことになる。従って、F3の期間中、カ
ウンタシフタは抽出シフタに8+5または13バイトを
シフトするように指示しなければならない。抽出シフタ
によるバイト出力はバイト20〜13である。整列
RラッチはF3の期間中バイト12−5を出力し、よっ
てバイト20〜5が整列シフタで使用可能になることに
注意のこと。
【0062】F3の期間中、抽出シフタはバイト20〜
13を出力する。しかしながら、バケット_#0はバイ
ト15〜0しか含有していないため、バイト20〜16
はバケット_#1から取ってこなければならない。タイ
ミング図の514に示すように、バケット_#1はF3
の始まりで有効になる。516に示すように、抽出シフ
タは続いてバケット_#1のバイト4〜0をシフトし、
さらにバケット_♯0のバイト15〜13をシフトす
る。この時点でバケット_♯1が有効でなければ、IA
Uは有効になるまで待たなければならない。
【0063】上記のごとく、シフト_5 バイト信号が
F2の期間中NIDによって生成された。518に示す
ように、この信号に従い、バケット_#0のバイト12
〜5は整列シフタによってシフトアウトされ、さらに5
20に示すように、その後まもなく整列_IR1の中に
ラッチされる。
【0064】バイト12〜5はF3の始まりにMUX3
22によってスタック334とNID324に送られ
る。スタックは305に示すようにバイト12−5を整
列シフタにフィードバックし、さらに522のトレース
「9」に示すように、NIDはOP1の長さが3バイト
であると確定して、F3の期間中の後半にシフト_3_
バイト信号を出力する。整列シフタは3バイト(15−
8)をシフトし、さらにこの量がカウンタシフタに加算
される。
【0065】上述のプロセスがさらに繰り返される。一
つの命令がバケット_#0を越える(即ち、バケット_
♯0が全部使われている)と、バケット_#1がバケッ
ト_#0になり、そして新規のバケット_#1がその後
有効になる。
【0066】タイミング図のトレース「10」は命令ス
トリームからのバイト抽出のタイミングを示している。
Buf_カウント#0ブロックは格納された抽出シフト
量を表している。フェーズ毎にアライメントされたシフ
ト量がBuf_カウント#0に加算され、その結果が次
のフェーズで抽出シフト量になる(カウンタ_シフトと
ラベルのついたブロックを参照)。
【0067】タイミング図のトレース「11」は命令ア
ライメントのタイミングを示す。IR_ラッチ_#0と
IR_ラッチ_♯1のラベルのついたブロックは対応す
る整列_IRラッチ内の命令が有効になる期間を表す。
MUX1のラベルが付いた小さなブロックはMUX32
2がその有効アライメント・ラッチを選択し始める時を
表している。MUX2のラベルが付いた小さなブロック
はMUX330がNID324が確定したシフト量を選
択し始める時を表す。最後に、整列_シフトのラベルが
付いたブロックは整列シフタが命令を出力し始める時を
表している。
【0068】プレフィックスは命令がアライメントされ
るのと同じ技法を使って抽出されるが、MUX330は
NID324の出力ではなくPD328の出力を選ぶ。
【0069】スタック334の一部分のブロック図は図
5に示す通りである。このスタックは並列に配置され
た、64個の1ビット・スタックから成り立っている。
1ビット・スタック600はそれぞれ2個のラッチ60
2及び604、さらに3入力のMUX606とから成っ
ている。アライメントされた命令はラッチ並びにINの
ラベルが付いたバス607上のMUXへ入力される。こ
の2個のラッチのローディングはいずれかのクロック・
フェーズで個別に行なわれる。さらに、MUX606は
いずれのラッチの出力を選択するか、またはINデータ
をバイパスして直接OUTのラベルが付いた出力610
に送るかするために3本のMUX制御ライン608を有
している。
【0070】IAUは定期的に別々の命令ストリームに
転送することができる。スタックによってIAUがMU
X322からの8バイトの命令データ・セット2組を格
納できるようになる。この特徴は一般的にCISC型命
令エミュレーションで使われるものである。IAUが複
雑なCISC型命令のエミュレーション用のマイクロコ
ード・ルーチンを処理するために分岐しなければならな
い時、CISC型命令のエミュレーションが完了すれば
IAUの状態が格納され、再開始される。
【0071】Ωサイクル・データ遅延316はイミディ
エト・データとディスプレースメントの情報を送らせる
ために使用される。同じ半サイクル期間中に命令長とシ
フトを確定するのではなく、シフタの前にIAUに遅延
を入れることによって次のフェーズでシフトを行なうた
めにイミディエト・データとディスプレースメント・ロ
ジックが送られる。これらの動作がそのサイクルに渡っ
て広げられるから、タイミング要件をそのロジックに合
せるのが容易になる。IDDDブロック326はIMM
シフタ312とDISPシフタ314を制御して命令か
らイミディエト・データ並びにディスプレースメント・
データを抽出する。例えば、最初の3バイトの命令が演
算コードでそれに4バイトのディスプレースメント並び
に4バイトのイミディェト・データが続いていれば、シ
フタは適切なバイトをシフトアウトすることができるよ
うになる。
【0072】シフタの312と314は、実際のデータ
・サイズが8、16、或いは32ビットであろうが関係
なく常に32ビットを出力し、それには32ビット出力
の低位ビットの順に適正アライメントされたイミディエ
ト・データ及びディスプレースメント・データが含まれ
ている。IDUはそのイミディエト・データ及びディス
プレースメント・データが有効であるか確定し、もし有
効ならば、どれだけ有効データがあるかを確定する。
【0073】プレフィックス、イミディエト・データ、
ディスプレースメント・データの長さの確定並びに命令
の実際の長さの確定はアライメントされ、さらにデコー
ドされている実際のCISC型命令セットの機能の一つ
である。当業者はCISC型命令セット自体、メーカー
のユーザ・マニュアル、もしくはその他一般的な参考資
料を調査することによってこうした情報を得ることがで
きる。当業者はこれをどのように行なうか、また上述の
IAUサブシステムを実現するために情報をランダム・
ロジックにどのように転換するか、以下に述べるIDU
サブシステムをどのように実現するか、さらにデータの
流れ(flow)を制御するために使われる制御ロジッ
ク並びに制御信号をどのように生成するかについて容易
に理解するだろう。さらに、一度そうしたランダム・ロ
ジックが生成されたら、市販のエンジニアリング・ソフ
トウェア・アプリケーション(例えば、カリフォルニア
州サンノゼ市所在のCadenceDesignSys
tems社製のVerilog)を使ってロジックを検
証することができるし、そうしたアプリケーションは制
御信号や関連するランダム・ロジックのタイミングや生
成を定義するのに役に立つ。ゲートやセルのレイアウト
を生成して、そうした機能ブロックや制御ロジックの実
現を最適化するために他の市販のエンジニアリング・ソ
フトウェア・アプリケーションを用いることができる。
【0074】i486の命令セットは、一つの命令の中
で一緒に使われるとき順序が定義されている11個のプ
レフィックスをサポートしている。そのフォーマットは
プレフィックスを単一命令に4個まで含めるように定義
する。従って、本発明のプレフィックス検出器328は
同一のプレフィックス検出回路4個を備えている。各々
の回路がその11個のプレフィックス・コードのどれか
を探索する。プレフィックス検出器に渡される最初の4
バイトが評価され、さらに存在するプレフィックス数の
合計を確定するために4個のプレフィックス検出回路の
出力が一つにまとめられる。その結果はMUX330に
渡されるシフト量として使用される。
【0075】NIDのブロック図を図6及び図7に示
す。NIDについての以下の説明はi486命令のアラ
イメント特有のものである。他のCISC型命令のアラ
イメントは異なるNIDアーキテクチャを用いるのが適
切である。以下に述べる技法は従って当業者にとって一
つのガイドとはなるが、それによって本発明の適用範囲
を限定するものと考えられるべきではない。
【0076】一つの命令の長さを確定するには4バイト
だけあればよい(上記のごとく、その4バイトは二つの
演算コードバイトと、一つの任意のModR/Mバイト
並びに一つのSIBバイトから成り立っている)。
【0077】図6に示すのはMUX322から受け取っ
た命令の最初の4バイトを表す4バイト(32ビット)
・バス701である。その最初の2バイトはバス703
上のSNID702に送られる。SNIDは、定義上、
その最初の2バイトに基づいて識別される命令の最初の
サブセットの長さを確定する。SNIDは半サイクルで
命令のこのサブセットの長さを確定できる。サブセット
命令の長さはバス705上のSNIDによって出力され
る。バスの幅はSNIDによって検出された命令バイト
の最大数に相当する。SNIDはまたModR/Mバイ
トがその命令の中にあるかどうかを知らせるために1ビ
ットのMOD検出(MOD_DET)出力ライン707
を有している。さらに、SNIDは命令がサブセット形
式でない制御ロジックを合図するために1ビットのNI
D_待ちライン709を有している(即ち、代わりにR
NIDの出力を用いる)。従ってIAUは、NID_待
ちが真の場合、命令をデコードするためにRNIDを半
サイクル待たなければならない。
【0078】SNIDによってデコードされた命令のサ
ブセットは最低1、2及び3入力のゲート(否定論理
積、否定論理和及びインベンタ)を使って半サイクルで
デコードすることができるCISC型命令であり、その
ゲート遅延は256命令の16×16のカルノー図に基
づいて最大で5である。ほとんどが1バイトの演算コー
ド命令を含むカルノー図のブロックはこのようにして実
現できる。残りの命令はゲート遅延がもっと長いロジッ
ク・アレイを使ってRNIDによってデコードされる。
【0079】RNID704はバス701上の最初の4
バイトを受け取る。RNIDはデコードするのに1フェ
ーズ以上を要する残りの命令の長さを確定するためにデ
コードを実行する。RNIDはSNIDの出力に類似し
た出力を有する。
【0080】RNIDは命令長を検出してその結果をバ
ス711上に出力する。1ビットのオーバー8出力71
2はその命令は長さが8バイト以上であることを示して
いる。RNIDはまた、命令にModR/Mバイトを含
んでいるかどうかを示す1ビットのMOD_DET出力
714を有する。
【0081】SNIDまたはRNIDのどちらかによっ
てデコードされた長さはMUX706によって選択され
る。現在の命令のための選択デコーダ(SELDECI
R)と呼ばれる、MUX706用の制御ライン708は
1から11バイトである実際の長さを測定するためにM
UX706を2個のデコーダ間で切り替える。例えば、
11バイト長の命令は、RNIDがオーバー8信号と3
をバス711上に出力するようにする。その命令長(1
n)はバス716上のMUX330に送られ、整列シフ
タ310とカウンタシフタ332によって使用される。
トップのMUX706によって出力された8ビットは整
列シフタ及びカウンタシフタ用のシフト制御(イネーブ
ル)として使われる。
【0082】ModR/Mバイトも同様に選択される。
SELDECIR信号708は適切なMODラインを選
んで、ModR/Mバイトが存在しているか否かを示す
ために第2MUX710を制御する。MODライン出力
718はIDDDによって使用される。
【0083】SELDECIR信号708はNID_待
ち信号709に基づいて生成される。SNIDの出力
は、その結果が完全なものであるから、第1クロック・
フェーズ期間中に選択される。NID_待ち信号709
がその命令がデコードされていないことを示している場
合、MUX706と710はRNIDの出力711を選
択するために切り替えられ、その次のクロック・フェー
ズの始まりで使用可能になる。
【0084】RNID704は基本的に2個の並列デコ
ーダを備えており、その1個は命令を1バイトの演算コ
ードがあるかのようにデコードし、もう1個は2バイト
の演算コードがあるかのようにデコードする。エスケー
プ検出(ESC_DET)入力信号は演算コードの長さ
が1バイトか2バイトかを示す。例えば、i486の命
令セットでは、全2バイトの演算コード(エスケープバ
イトと呼ばれる)の第1バイトはその命令が2バイトの
演算コードを有することを示す値OFhexを有してい
る。RNIDはESC_DET信号に基づいて有効命令
長を出力する。この信号は第1演算コードがエスケープ
(OFhex)であることを示し、それは即ち2バイト
の演算コードであることを示しており、それによって第
2バイト・デコーダをイネーブルにする。ESC_DE
T信号を生成するためのロジックのデコーディングにつ
いては当業者には明らかなはずである。
【0085】RNIDのブロック図は図7に示す通りで
ある。RNIDは、第1演算コードバイトをデコードす
るRNID_1OPデコーダ752、第2演算コードバ
イトをデコードするRNID_2OPデコーダ754、
存在する演算バイト数によって確定された2ケ所の位置
のいずれかにModR/Mバイトをデコードする2個の
同一のRNID_MODデコーダ756と758、及び
RNID SUM加算器760を備えている。4個のR
NIDデコーダ752〜758の出力に基づいて、RN
ID_SUM加算器760はバス762上に命令の全長
を出力する。RNID_SUM加算器760は、命令の
長さが8バイト以上であるかどうかを示すために、OV
ER8とラベルが付いた別の出力ライン764を有して
いる。
【0086】命令の第1演算コードのバイト及びMod
R/Mバイトの3ビット(拡張ビットと呼ばれるビット
〔5:3〕)はバス766上のRNID_1OP752
へ入力される。データ_SZと呼ばれるRNID_1O
Pへのさらに別の入力ライン768は命令のオペランド
・サイズが16ビットか32ビットかを示す。データ・
サイズは使用されるメモリ保護構成と、さらに、デフォ
ルトのデータ・サイズを無効にするプレフィックスが存
在しているか否かに基づいて確定される。RNID_1
OPは、命令が1バイトの演算コードを有していると仮
定し、さらにその情報と拡張3ビットに基づいて命令の
長さを確定しようとする。
【0087】RNID_MODデコーダ756はバス7
70上のModR/Mバイトの命令入力をデコードす
る。RNID_MODデコーダはアドレス・サイズが1
6ビットか32ビットかを示すADD_SZのラベルが
付いた別の入力バス772を有している。アドレス・サ
イズはデータ・サイズとは無関係である。
【0088】ESC_DET信号774はブロック76
0へも入力される。例えば、ESC_DET信号がロジ
ックのHIGHであれば、RNID_SUMブロックは
演算コードが実際に第2バイトになっていることを知
る。
【0089】RNID_2OPデコーダ754は演算コ
ードが2バイトであると仮定し、それゆえ演算コードの
第2バイト(バス776参照)をデコードする。RNI
D_2OPデコーダはデータ・サイズを認識する入力7
68も有している。
【0090】デコーダ自体は演算コードの長さ、即ち1
バイトなのか2バイトなのかを知らないし、且つMod
R/Mバイトは必ず演算コードの後に続くから、ここで
も2バイトであると仮定して2バイトの演算コードに続
くバイト(バス778参照)をデコードするために第2
RNID_MODデコーダ758が使用される。2個の
RNID_MODデコーダは同一であるが、命令ストリ
ーム中の異なるバイトをデコードする。
【0091】さらにまた、ESC_DET信号774に
基づいて、RNID_SUM760は適切な演算コード
及びModR/Mバイト・デコーダの出力並びにバス7
62上の命令の長さを選択する。オーバー8のラベルが
付いた出力764は命令が8バイト以上か否かを示す。
命令の長さが8バイト以上の場合、IR_NO〔7:
0〕バス762が8を越える命令バイト数を示す。
【0092】RNID_1OPデコーダ752は9ビッ
ト幅の出力バス780を有する。1本のラインは命令が
1バイト長であるか否かを示す。2本目のラインは命令
が1バイト長で且つModR/Mバイトが存在している
ことを示しており、従って命令の長さを判定するにはM
odR/Mデコーダからの情報も含まれるべきものであ
る。同様に、バス780の残りの出力ラインは次のバイ
ト数を示す:2、2/MOD、3、3/MOD、4、
5、及び5/MOD。命令が4バイト長であれば、Mo
dR/Mバイトは存在しているはずがない。これはi4
86命令セット特有のことである。しかしながら、本発
明はいかなる点においても特定のCISC型命令セット
に限定されるものではない。当業者はどんなCISC型
命令セットに対してもアライメント並びにデコードする
ために本発明の特徴を適用することができる。
【0093】RNID_2OPデコーダ754は6ビッ
ト幅の出力バス782を有する。1本のラインは命令が
1バイト長であるか否かを示す。2本目のラインは命令
が1バイト長であるか否かを示し、且つModR/Mバ
イトを含有しており、命令の長さを確定するには含まれ
るべきものである。同様に、バス782の残りの出力ラ
インは2、2/MOD、3、及び5/MODが存在する
ことを示す。演算コードが2バイト長の場合、i486
の命令セットがサポートする命令長は他に考えられな
い。
【0094】2個のデコーダRNID_MOD756及
び758の出力784及び786によってRNID_S
UM760はModR/Mバイトにより指定される5つ
の考えられる追加の長さを知る。各RNID_MODデ
コーダは5ビット幅の出力バスを有している。その考え
られる5つの追加の長さは1、2、3、5及び6バイト
である。全長を確定するのにModR/Mバイト自体が
含まれている。残りのバイトはいずれもイミディエト・
データまたはディスプレースメント・データから成り立
っている。
【0095】図8に示すのはIDDD326のブロック
図である。IDDD326はIMMシフタ312及びD
ISPシフタ314のシフト量を確定する。シフト量
は、命令のModR/Mバイトによって確定される。
【0096】i486命令セットは二つの特殊命令、即
ちenter_detect命令とjump_call
_detect命令を含む。従って、IDDD326は
これらの命令のデコーディング処理をするためにイミデ
ィエト特殊検出器(ISD)802と呼ばれるブロック
を有する。ISDへの入力803は、命令の第1バイト
である。2本の出力ラインEN_DETとJMP_CL
_DET(820と822)は該当する命令の一つが検
出されていることを示す。
【0097】MOD_DECデコーダ804と806は
同一物でイミディエト・データとディスプレースメント
・データをデコードする。ADD_SZ772に基づい
て、デコーダ804は1バイトの演算コードと仮定して
ModR/Mバイトを調べ、デコーダ806は2バイト
と仮定してModR/Mバイトを調べる。MOD_DE
C804及び805への命令バイト入力はそれぞれ80
5及び807である。これらのデコーダは命令ストリー
ムのディスプレースメントの位置とイミディエト・デー
タの位置を確定する。二つの7ライン出力824と82
6はディスプレースメント及びイミディエト・データの
開始位置を示す。即ち、ディスプレースメントは位置2
か位置3から始まり、イミディエト・データは位置2、
3、4、6或いは7から始まる。
【0098】MOD_DETライン707と714もま
た選択ブロック812へ入力される。
【0099】選択ブロック812はEN_DET信号と
JMP_CL_DET信号、MOD_DET結果とMO
D_DEC結果、及びADD_SZとを組み合わせて、
4個のバス832〜838上にその結果を出力する。デ
ィスプレースメント(DISP_1)バス832は1バ
イトの演算コードと仮定してディスプレースメント・シ
フトの結果を出力する。ディスプレースメント2(DI
SP_2)バス834は2バイトの演算コードと仮定し
てディスプレースメント・シフト結果を出力する。イミ
ディエト1及び2(IMM_1とIMM_2)バス83
6及び838はそれぞれ1バイトと2バイトの演算コー
ドと仮定してイミディエト・データ・シフトの情報を出
力する。
【0100】MOD_SEL/DLYとラベルが付いた
最後のブロック814は実際に適切なシフト量を選択し
てその結果を半サイクル遅延させる。MOD_SEL/
DLY816によって実行された半サイクルの遅延は図
2に示した遅延316を表す。上述のESC_DET信
号774はシフトの選択を行なうためにMOD_SEL
/DLYブロックによって使用される。その結果は半サ
イクル遅れてクロック信号CLK0とCLK1とによっ
てMOD_SEL/DLY814からクロックされる。
イミディエト・データのシフト制御信号並びにディスプ
レースメントのシフト制御信号はシフト_D〔3:0〕
バス840とシフト_I〔7:0〕バス842をそれぞ
れ介してDISPシフタとIMMシフタに送られる。C
ISC型命令内でのイミディエト・データとディスプレ
ースメント・データの可能な位置数はシフト量を指定す
るのに必要なビット数を定義する。
【0101】プレフィックス検出器328のブロック図
は図9に示す通りである。プレフィックス検出器328
はプレフィックス_数デコーダ(PRFX_NO)90
2、4個のプレフィックス_検出器デコーダ(PRFX
_DEC904〜910)とプレフィックス_デコーダ
(PRFX_SEL)912を備えている。
【0102】例えば、i486命令セットは11の考え
られるプレフィックスを含む。幾つかの無効なプレフィ
ックスの組み合わせがあるから、1命令につき合計で4
つのプレフィックスを含むことができる。その4つのプ
レフィックスの順序もまた命令セットによって定義され
る。しかしながら、正しいプレフィックス順列のみを検
出するためではなく、むしろ命令の最初の4バイトをそ
れぞれデコードするためにプレフィックス検出器は4個
のプレフィックス検出器904〜910を使う。命令の
最初の4バイトはバス901上のプレフィックス検出器
へ入力される。検出器904から910はそれぞれ12
ビット幅の出力バス(905、907、909及び91
1)を有する。プレフィックスが実際にデコードされて
いれば、12の出力からどのプレフィックスが存在して
いるかわかる。12番目のプレフィックスはロック解除
と呼ばれ、これはi486のロックプレフィックスの機
能上の補数であるが、エミュレーション・モード時のマ
イクロコード・ルーチンにのみ使用可能である。
【0103】整列_RUN制御信号920はプレフィッ
クス・デコーダをイネーブル/ディスエーブルにするた
めに組み込まれていることがあり、プレフィックスを全
てマスク・アウトするために使用される。HOLD_P
RFX制御信号922はプレフィックス情報をラッチし
且つ保持するために使用される。一般的に、プレフィッ
クス検出器328がプレフィックスの存在を示している
場合の命令のアライメントでは、制御ロジックがプレフ
ィックス情報をラッチしなければならない。プレフィッ
クス情報はその後プレフィックスをシフト・アウトする
ために整列シフタ310によって使用される。その次の
サイクルで、IAUは命令の長さを確定してアライメン
トし、さらにIDUに引き渡す。
【0104】PRFX_NOデコーダ902は演算コー
ドの最初の4バイトをデコードすることによりプレフィ
ックスがどこにどれだけ存在しているかを示す。PRF
X_NOデコーダ902の論理図は図10に示す通りで
ある。PRFX_NOデコーダは4個の同一のデコーダ
1002〜1008並びに論理ゲート1010一式を備
えている。4個のデコーダ1002〜1008は各々最
初の4バイト(1010〜1013)の一つを調べてプ
レフィックスが存在しているかどうかを確定する。プレ
フィックス・バイトは演算コード・バイトに続くことが
できるから、論理ゲート1010は最初の演算コード・
バイトの前にプレフィックス総数を示している結果を出
力するために使用される。何故なら、演算コードに続く
プレフィックスは次の命令の演算コードにのみ適用でき
るからである。
【0105】第1バイト(位置)がプレフィックスで第
2位置にプレフィックスがなければ、プレフィックス総
数は1である。また別の実施例として、プレフィックス
が最初の3位置になければ、第4位置のプレフィックス
はどうでもよい。一番下のNANDゲート1014から
出力されたロジックHIGH(1)は4個のプレフィッ
クスが存在することを示し、下から2番目のNANDゲ
ート1015から出力されたHIGHは3個のプレフィ
ックスの存在を示すといった具合である。4個のNAN
Dゲートの出力はPREFIX_NOバス1018を形
成するために結合され、バス1018は第1演算コード
に先行する有効プレフィックス総数、即ちプレフィック
ス検出器328のシフト量出力を表す。
【0106】PRFX_NOデコーダ902はPref
ix_Present(PRFX_P)出力バス102
0(これも4ビット幅)も含んでいる。4本のPRFX
_P出力ライン1020〜1023は、他の位置の出力
が何であるかに係わらず、特定の位置にプレフィックス
があるか否かを示す。PRFX_P出力は4個のデコー
ダ(1002〜1008)の出力から直接採られる。
【0107】PRFX_NOデコーダの結果(図10と
の関連で説明する)及びPRFX_DEC検出器904
〜910からの情報はPRFX_SELデコーダ912
によって結合される。プレフィックス情報は1個の13
ビット出力バス924を形成するために結合され、バス
924はプレフィックス信号があるか、及びどのプレフ
ィックスが存在するかを示す。
【0108】3.0 命令デコード・ユニットの概略 命令は全てIAUから命令デコード・ユニット(ID
U)に引き渡され、直接RISC型の命令に変換され
る。IEUによって実行される命令は先ずIDUによっ
て処理される。IDUは各命令がエミュレートされた命
令なのか基本命令なのかを判定する。エミュレートされ
ていれば、全て基本命令からなるマイクロコード・エミ
ュレーション・ルーチンが処理される。基本命令であれ
ば、直接ハードウェアによって1個から4個のナノ命令
に変換されてIEUに送られる。IEUが実際に実行す
るのは、元々のCISC型かマイクロコードの命令では
なくて、これらやナノ命令である。
【0109】命令の分割には二つの主要な利点がある。
その1は、簡単なオペレーションに対応しているだけで
いいから、ハードウェアが小型ですむ。その2は変更が
容易な複合マイクロコード・ルーチンでバグが発生しや
すいため、バグはそれほど厄介な問題ではなくなる。
【0110】本発明に関連するIDUのマイクロコード
・ルーチン対応のハードウェアには固有の特徴が幾つか
ある。マイクロコード命令はプロセッサ内に存在する様
々なデータバス用の制御ビットから成り、ほとんど符号
化されていないか全く符号化されていないというのが典
型的である。これと対比して、本発明のマイクロコード
は特定の複合命令セットをエミュレートするために設計
された比較的高レベルの機械言語である。典型的なマイ
クロコードは直接プロセッサの機能ユニットへ送られる
のに対し、本発明のマイクロコードは目標のCISC型
(例えば、80x86)命令に使用されるのと同じデコ
ーダ論理によって処理される。これによって、本発明の
マイクロコードのコード密度が典型的なマイクロコード
によって達成される場合よりはるかに優れたものにな
り、そして目標のCISC型命令セットと類似している
からマイクロコードの開発が容易になる。さらに、本発
明はマイクロコードの改訂用にハードウェアで対応でき
るようになる。即ち、オンチップROMベースのマイク
ロコードはソフトウェア制御によって部分的もしくは全
体的に外部RAMベースのマイクロコードに置き換える
ことができる。(1991年12月6日に出願された、
同一承継人の出願に係る同時係属出願中の、米国出願番
号07/802,816、発明の名称「RAMセル及び
巡回冗長検査回路搭載ROM」、代理人整理番号SP0
24を参照。なお、当該出願の開示は参照することによ
って本明細書に組み込まれているものとする。) マイクロコード・ルーチン言語は、あらゆるエミュレー
トされた複合命令に必要な機能に加え、例外処理に関連
する様々な制御並びに保守機能を実行するために、RI
SC型コアによって実行される命令セットになるように
設計されている。エミュレートされた命令は典型的には
エミュレートされていない(基本)命令などには性能に
影響しないし、さらに例外(マイクロコード・ルーチン
によって処理される)はめったに起こらないけれど、そ
れでもなお両方を効率的に処理することが総体的なシス
テムのスループットにとって非常に重要なことである。
この目標は様々な形式のマイクロコード・ルーチン対応
のハードウェアを使用することによって達成される。本
発明はマイクロコード対応のハードウェアの4つの領
域、即ち、ディスパッチ論理、メイルボックス、ナノ命
令フォーマット、及び特殊命令を備えている。
【0111】マイクロコード・ディスパッチ論理は目標
CISC型命令ストリームからマイクロコード・ルーチ
ンへ、そしてまた目標命令ストリームに戻るプログラム
制御の効率的な転送を制御する。それはわずかなハード
ウェアを使用し、且つRISC型コアの命令実行ユニッ
ト(IEU)には見えない方法で、処理される。(IE
UはRISC型命令を実行する。上述の「RISCコ
ア」はIEUと同義語である。IEUについての詳細は
当業者が本発明を実施するのに必要ではない。本発明の
特徴はRISC型プロセッサ全般に適用できる。) メールボックスは情報を体系的な方法で命令デコード・
ハードウェアからマイクロコード・ルーチンに転送する
ために使用されるレジスタのシステムを備えている。こ
れによってこのハードウェアが命令オペランドや同様の
データをマイクロコード・ルーチンに引き渡せるように
なり、その結果、命令からこのデータを抽出するタスク
を省くことになる。
【0112】ナノ命令フォーマットはIDUからIEU
に引き渡す情報を記述する。ソースのCISC型命令か
ら効率的に抽出されるようにするためにこのフォーマッ
トが選択されているが、依存性の検査や機能ユニット制
御には十分な情報をIEUに提供する。
【0113】最後に、特殊命令はRISC型ハードウェ
アを完全に制御できるようにし、ハードウェア固有のエ
ミュレーション・タスクに対応するために備えられた追
加の命令セットであり、且つCISC型命令セット専用
である。
【0114】3.1 マイクロコード・ディスパッチ論
マイクロコードにディスパッチする第1のステップはマ
イクロコード・ルーチンのアドレスを確定することであ
る。このステップには二つの重要要件がある。即ち、各
マイクロコード・ルーチン毎に固有の開始アドレスがあ
ることと、それらのアドレスは高速で生成されなければ
ならないことである。取り扱い件数が少なければハード
ウェアがアドレスを定数として格納できるし且つそれら
の間で選択することもほとんどないから、このやり方で
かなり容易に例外処理のルーチンを実現できる。しかし
ながら、実行可能なアドレス全部を格納させるにはあま
りにも数が多いため、エミュレートされた命令のアドレ
ス確定はもっと難しい。
【0115】マイクロコード.ディスパッチ論理は直接
その演算コードを各命令のディスパッチ・アドレスに基
づかせることによって要件を満たしている。例えば、1
バイトの演算コードがOHから1FFFHのアドレス空
間にマップされる。その場合、16ビットのディスパッ
チ・アドレスの上位3ビットはゼロでなければならな
い。これらのマイクロコードのエントリ・ポイントは6
4バイト隔てられており、各エントリ・ポイント・アド
レスの最下位の6ビットはゼロでなければならない。こ
れによって7ビットが未定のまま残ることになるが、演
算コードの7ビットから直接取り込むことができる。当
業者には明確になるように、この方法によるアドレス生
成はほとんどロジックを必要としない。例えば、演算コ
ードから適正ビットを選択するためにマルチプレクサだ
けが使用される。
【0116】一度マイクロコード・ルーチンのディスパ
ッチ・アドレスが確定されれば、マイクロコードはメモ
リからフェッチされなければならない。典型的には、マ
イクロコードはオンチップROM内に存在するが、必ず
しもそうとは限らない。上記に引用した米国出願番号0
7/802,816に詳述されているように、各エント
リ・ポイントはROMのルーチンが正しいか否かを表す
ROM無効ビットに対応している。このビットはROM
へのアクセスと並行してフェッチされ、従来のキャッシ
ュ・ヒット・インディケータと同様の働きをする。この
ビットがROMのエントリが有効であることを示してい
れば、マイクロコード・ルーチンはROMから縦続して
フェッチされ、普通に実行される。しかしながら、ビッ
トがROMが無効であることを示していれば、マイクロ
コードはRAM等の外部メモリからフェッチされる。
【0117】オンチップ・マイクロコード・ルーチンの
アドレス指定はIDU自身によって行なわれる。IDU
はマイクロコードROMにアクセスするための16ビッ
トのアドレスを生成する。アドレス指定されているRO
Mエントリに対応するROM無効ビットがそのマイクロ
コードは無効であることを示していれば、主メモリ内に
オフチップで存在する外部マイクロコードのアドレスが
計算される。U_ベースレジスタは主メモリ内に存在す
る外部マイクロコードの上位16のアドレス・ビット
(開始アドレスと呼ばれる)を保持する。IDUによっ
てデコードされた16ビットのアドレスは、主メモリ内
に存在する外部マイクロコードにアクセスするために、
U_Baseレジスタの上位16ビットと連結される。
主メモリ内に存在する外部マイクロコードの記憶場所が
変更されれば、新規の主メモリの記憶場所を反映するた
めU_Baseレジスタの内容を修正することができ
る。
【0118】この特徴によって、全てのマイクロコード
に外部メモリ・アクセスの性能低下を強いることなく、
あるルーチンを外部メモリ内の別のものと置き換えるこ
とによりマイクロコードの更新を行なえるようになる。
RISC型チップの面積要件を減らしたり、マイクロコ
ード開発援助のために、RISC型チップからROMを
全て削除して外部RAMにマイクロコード全体を入れる
こともできるようになる。
【0119】タスクが終了するとマイクロコード・ルー
チンが命令の主ストリームに戻るための手段を提供する
のもこのディスパッチ論理である。この処理のために、
個別のプログラム・カウンタ(PC’s)及び命令バッ
ファを維持する。通常動作中、主PCが外部メモリ内の
各CISC型命令のアドレスを確定する。これらの命令
を含むメモリのセクションはIFUによってフェッチさ
れ、MBUFに格納される。
【0120】エミュレートされた命令または例外が検出
されると、現在の命令のPC値と長さが一時バッファに
格納される。一方、マイクロコード・ディスパッチ・ア
ドレスは上述のように計算され、さらに命令がこのアド
レスからEBUFにフェッチされる。マイクロコードの
「リターン」命令が検出されるまでマイクロコードがE
BUFから実行される。リターン命令検出時に予備のP
C値が再ロードされ、MBUFから実行が縦続される。
MBUFやその他全ての関連レジスタはマイクロコード
・ルーチンへの制御の転送中は保存されているから、C
ISC型プログラムヘの戻りの転送は非常に高速で起こ
る。
【0121】命令エミュレーション・ルーチンと例外処
理ルーチンの相違に対応するためにマイクロコード・ル
ーチンによって使用される二つのリターン命令がある。
例外処理のためにマイクロコード・ルーチンが入力され
ると、そのルーチン終了後にプロセッサは割り込みが入
ったまさにその状態に戻ることが重要である。しかしな
がら、命令をエミュレートするためにマイクロコード・
ルーチンが入力されると、ルーチンはエミュレートされ
た命令に続く命令に戻りたがる。さもなければ、エミュ
レーション・ルーチンは二回目を実行する。これらの二
つの機能は二つのリターン命令、即ち、aret及びe
ret、を使用して処理される。aret命令は、マイ
クロコードが入力されていれば、プロセッサをその状態
に戻し、一方、eret命令は主PCを更新し且つ制御
して目的ストリームの次の命令に戻るようにする。
【0122】3.2 メールボックス エミュレーション・ルーチンがうまく複合CISC型命
令の機能を行なうためには、マイクロコードが、エミュ
レートされた命令によって参照されるオペランドにアク
セスしやすいことが必要である。本発明において、この
ことは4個のメールボックス・レジスタを使用すること
によって行なわれる。これらのレジスタはその使われ方
が特有である。即ち、マイクロコードに使用可能な、整
数レジスタ・ファイル内の16個の一時レジスタ・セッ
トの最初の4個であると定義されている。オリジナル命
令からのオペランドか他の情報を要する各エミュレーシ
ョン・ルーチンは、ルーチンに入る際に、1個以上のメ
ールボックス・レジスタに格納されたこれらの値を見つ
けるはずである。IDUはエミュレートされた命令を検
出すると、マイクロコード・ルーチン自体の実行開始前
に、マイクロコードが予期する値を有するレジスタをロ
ードするためにIEUによって使用される命令を生成す
る。
【0123】例えば、オペランドとして汎用レジスタの
どれかを指定するLoad Machine Stat
us Word(lmsw)命令のエミュレーションを
考察してみよう。エミュレート対象の特定命令がlms
waxであると仮定し、それは「ax」レジスタから1
6ビットの状態ワードをロードするとする。命令で実際
に指定されたレジスタいかんにかかわわらず同じマイク
ロコード・ルーチンが使用され、従ってこの命令のため
にメイルボックス♯0には状態ワードがマイクロコード
・エントリの前にロードされる。IDUはこの命令を検
出すると、IEUが「ax」レジスタから「u0」レジ
スタに状態ワードを移動するようにmovu0・ax命
令を生成するのであるが、それはメイルボックス#0と
定義されている。このmov命令がIEUに送られた後
に、マイクロコード・ルーチンがフェッチされて送られ
る。従って、マイクロコードはエミュレートされた命令
がlmswu0であるかのように書き込まれ、オリジナ
ルのCISC型命令で指定される全ての考えられるオペ
ランドを正確に処理する。
【0124】3.3 ナノ命令フォーマット 上述したように、CISC型命令はIDUによってナノ
命令にデコードされるのであるが、その処理はIEUと
呼ばれるRISC型プロセッサ・コアによって行なわれ
る。ナノ命令は「バケット」と呼ばれる4つのグループ
に分けてIDUからIEUに渡される。バケットの一つ
を図11に示す。各バケットは2個のパケットとそのバ
ケット全体に関する一般的な情報とで構成されている。
パケット#0には常に順序通りに実行される3つのナノ
命令が入っている。その3つのナノ命令はロード命令1
102、ALUタイプ命令1104、格納命令1106
である。パケット#1は単一のALUタイプ命令110
8から成る。
【0125】IEUはサイクル当たり1個のピーク・レ
ートでIDUからバケットを受け入れることができる。
IDUはサイクル当たり2個のピーク・レートで基本命
令を処理する。ほとんどの基本命令は単一のパケットに
変換されているため、通常二つの基本命令は1個のバケ
ットに入れられて一緒にIEUに渡される。このレート
の一番大きな制約は基本命令がバケットの要件に適合し
ていなければならないということである。その要件とは
以下の通りである。
【0126】二つの基本命令のうち一つしかメモリ・オ
ペランドを参照することはできない(バケット毎にロー
ド/格納動作は一つしかない)、さらに両命令ともに単
一のALUタイプ演算(二つのALUタイプ演算を要す
る一つの命令と対照して)から成っていなければならな
い。
【0127】この制約の片方か両方かが満たされなけれ
ば、基本命令の一つだけに該当するナノ命令の入ったバ
ケットがIEUに送られ、残る命令は後から別のバケッ
トで送られる。これらの制約はIEUの能力を正確に反
映するものである。即ち、IEUは2個のALUと1個
のロード/格納ユニットを備えているから、実際にはこ
れらの要件によって性能が限定されるわけではない。こ
のタイプのIEUの例については、同一承継人の出願に
係る同時係属中の、米国特許出願番号07/817.8
10、発明の名称「高性能RISC型マイクロプロセッ
サ・アーキテクチャ(High Performanc
e RISC Microprocessor Arc
hitecture)」、1992年1月8日出願(代
理人整理番号SPO15/1397.028000
1)、並びに米国特許出願番号07/817.809、
発明の名称「拡張可能RISC型マイクロプロセッサ・
アーキテクチャ(Extensible RISC M
icroprocessorArchitectur
e)」、1992年1月8日出願(代理人整理番号SP
O21/1397.0300001)に開示している。
なお、これらの開示は参照することにより本明細書に組
み込まれているものとする。
【0128】3.4 特殊命令 汎用命令を用いて実行するのが困難であったり不十分で
あるマイクロコード・ルーチンによって実行されなけれ
ばならない機能は数多くある。さらに、従来のCISC
型プロセッサに比べ当RISC型プロセッサのアーキテ
クチャは拡張されているため、特定の機能が有効であ
る。かといって、そうした機能はCISC型プロセッサ
には何の意味もないし、従ってCISC型命令のどんな
組み合わせを用いても実行できない。合わせて、こうし
た状況から「特殊命令」が生まれた。
【0129】特殊命令の第1カテゴリーの例はextr
act_desc_base命令である。この命令によ
って2個のマイクロコードの汎用レジスタから様々なビ
ット・フィールドが抽出され、それらは連結され、さら
にその結果がマイクロコードによる使用のために第3の
汎用レジスタに入れられる。この命令を利用しないで同
じ動作を実行するには、マイクロコードが幾つかのマス
キングとシフトの動作を実行しなければならない上、一
時的値を保持するために追加のレジスタの使用が必要と
なる。特殊命令によって、単一サイクルで1命令によっ
てしかもスクラッチ・レジスタを使わずに、実行される
のと同じ機能が果たせるようになる。
【0130】特殊命令の第2カテゴリーの二つの例につ
いては既に述べた。即ち、マイクロコード・ルーチンを
終了させるために用いられる二つのリターン命令、ar
etとeretである。これらの命令はマイクロコード
環境でのみ意味があり、従ってCISC型のアーキテク
チャには同等の命令とか命令順序といったものはない。
本件において、特殊命令は性能上の理由だけでなく、機
能補正の点からも必要だった。
【0131】特殊命令はマイクロコード・ルーチンにの
み使用可能であり、さらにエミュレートされた命令は目
標のCISC型命令ストリームにしか発生しないから、
エミュレートされた命令の演算コードは特殊命令のマイ
クロコード・モード時に再使用される。従って、目標の
CISC型命令ストリームにこれらの演算コードの一つ
が発生する時、それはその命令のマイクロコード・エミ
ュレーション・ルーチンが実行されるべきであるという
ことを表しているにすぎない。しかしながら、その同じ
演算コードがマイクロコード命令ストリームに発生する
時、それは特殊命令の一つとして全く異なった機能を有
している。この演算コードの再使用に対応するために、
IDUは現在のプロセッサの状態を記録し、さらに命令
を適正にデコードする。この演算コード再使用はIEU
には見えない。
【0132】IDUは各CISC型命令(例えば、i4
86命令セットの)をデコードして各命令を幾つかのR
ISC型プロセッサ・ナノ命令に変換する。上述したよ
うに、複雑性や機能性いかんによって、各命令は0から
4つのナノ命令に変換される。IDUは最高で1サイク
ルの割合で2個のCISC型命令をデコードして変換す
る。IDUの基本機能を要約すると以下の通りである。 * 半サイクルにつき1個のCISC型命令をデコード
する。 * 第1フェーズで第1CISC型命令をデコードす
る。 * 第1CISC型命令のデコードされた結果を有効な
ものであるとして第2フェーズ終了まで保持する。 * 第2フェーズで第2CISC型命令をデコードす
る。 * 第3フェーズで可能ならば、二つの命令の出力を結
合する。 * サイクル毎に4つのナノ命令から成るバケットを1
個出力する。
【0133】3.5 命令デコード・ユニットのブロッ
ク図 IDUのブロック図は図12に示す通りである。IAU
からのアライメントされた命令は32ビット幅(〔3
1:0〕か4バイト)のバス1201上のIDUに到達
する。そのアライメントされた命令は命令デコーダ12
02によって受け取られる。IDU1202はCISC
型からRISC型への変換を行なうためにアライメント
された命令の最初の4バイトを調べるだけである。
【0134】命令デコーダ1202は1クロック・フェ
ーズ(半サイクル)で作動する。アライメントされた命
令はそのデコーダを通り、そしてそこを出るデコードさ
れた情報は多重化され、バス1203を介して半サイク
ル遅延ラッチ1204にフェッチされる。従って、その
デコードされた情報は1フェーズ・パイプライン遅延と
同じことを経験することになる。
【0135】半サイクルの遅延後、そのデコードされた
情報は使用された実際のレジスタ・コードを確定するた
めにバス1205を介してMUX1206に送られる。
デコーディングのこの段階で、そのデコードされた情報
はナノ命令にフォーマットされる。そのナノ命令は次に
ラェッチされる。2個の完全なナノ命令バケットがサイ
クル毎にラッチされる。2個のナノ命令バケットのラッ
チをそれぞれ第1IRバケット1208、第2IRバケ
ット1210で図式的に示す。
【0136】IDUはバケット1208と1210を1
個のバケット1212にまとめようとする。制御ゲート
ー式1214がまとめ作業を行なう。IDUは先ず各ナ
ノ命令のタイプを調べ、結合可能なタイプかどうかを確
定する。二つのラッチされた命令のロード(LD)動作
のどちらが単一バケット1212のLD記憶場所121
6に入ってもいいし、ラッチされた命令の格納(ST)
動作のどちらが単一バケットのST記憶場所に入っても
いいし、A0動作のどちらがA0記憶場所1220に入
ってもいい、さらにA0かA1の動作のいずれでもA1
記憶場所1222に入っていいことに注意すること。
【0137】IDUは命令を全体的に扱う。IDUは二
つの命令を一つのバケットに詰め込めなければ、一つの
完全な命令を後に残す。例えば、第1IRラッチにはA
0動作しかなく、第2IRラッチに4つの動作全てが入
っている場合、IFUは第2IRラッチからA1を取り
込まずA0動作に合併する。A0動作が単独で送られ、
第2IRラッチの動作の集合は第1IRラッチに転送さ
れ次のフェーズ上に送られる。その期間中に第2IRラ
ッチは再ロードされる。言い換えれば、第1IRラッチ
に格納された動作は常に送られ、第2IRラッチに格納
された動作は可能ならば第1IRラッチの動作と一つに
まとめられるということである。万一第1IRと第2I
Rがまとめられない場合には先のIDU並びにIAUの
パイプライン・ステージは待機しなければならない。I
DUが第1と第2のIRラッチ動作を合併できるのは下
記の状況においてである。
【0138】1.共にA0しか使用しない、もしくは 2.片方はA0しか使用せず、他方はA0、LD及びS
Tのみを使用する 先に説明した機能性及び基本論理の設計実務に基づい
て、当業者は、第1と第2のIRラッチの内容を合併す
べく、制御ゲートに必要な制御信号を生成するために組
み合わせ論理を容易に設計できる。
【0139】IDUがエミュレーションを要する命令の
サブセットに属する命令を識別するとエミュレーション
・モードになる。エミュレーション・モードになると、
エミュレーション・モード制御信号(EMUL_MOD
E)がIDUのデコーダに送られる。CISC型命令の
直接デコーディングは中断し、識別された命令に対応す
るマイクロコード・ルーチンがデコーディングのためI
DUに送られる。マイクロコード・ルーチンがサブセッ
ト命令のエミュレーションを終えると、IDUデコーダ
はCISC型命令のデコーディングを続けるため基本モ
ードに戻る。基本的に、IDUは基本CISC型命令及
びマイクロコード命令を同様に取り扱う。演算コードの
解釈だけが変わる。
【0140】1バイト並びに2バイトの演算コード命令
のデフォルト(基本)モードのカルノー図を図13〜図
17に示す。カルノー図の左側と上部に示す数字は演算
コード・ビットである。例えば、hexOFのコードの
ついた1バイトの演算コードは第1行第11列に相当
し、それは「2バイト・エスケープ」命令である。
【0141】図13〜図17のカルノー図で影をつけた
グレーの命令ボックスは基本命令で、白のボックスはエ
ミュレートされなければならない命令である。
【0142】IDUの命令デコーダ1202のブロック
図を図18に示す。命令デコーダ1202はCISC型
命令とマイクロコード・ルーチンをデコードするために
用いられる複数のデコーダを含んでいる。
【0143】タイプジェネレータ(TYPE_GEN)
デコーダ1402は整列_IRバス上の完全にアライメ
ントされた最初の命令を受取り、命令のタイプフィール
ドを識別するために命令を一つずつデコードする。
【0144】識別されたタイプフィールドはIDUとの
関連で先に説明したナノ命令の動作に対応する。タイプ
はバケット内の各動作(ロード、ALU0、格納、AL
U1)を表す4ビットのフィールドで表わされる。TY
PE_GENデコーダ1402は命令実行にはこれら4
つの動作のどれが必要かを指定する。受け取った命令い
かんで、CISC型命令を満たすには命令の1から4ま
でのいずれかの番号が必要である。
【0145】例えば、1個のレジスタの内容をもう1個
のレジスタの内容と合計する、加算演算はALUナノ命
令を一回実行するだけでいい。一方、レジスタの内容と
記憶場所の内容を足さなければならない命令では、ロー
ド、ALUの動作と、続いて格納動作とを合わせて3つ
のナノ命令の動作が必要となる。(データはメモリから
読み出され、レジスタに加算され、さらにメモリに格納
されなければならない。)より複雑なCISC型命令で
は4つのナノ命令全てが必要になる。
【0146】TYPE_GENデコーダ1402は3個
のタイプデコーダを備えている。第1デコーダタイプ1
は命令はModR/Mバイトの前に1バイトの演算コー
ドを有していると仮定し、その仮定に基づいてタイプを
計算する。第2デコーダタイプ2はその命令には2バイ
トの演算コードがあると仮定する。第1バイトはエスケ
ープバイトであるが、それは演算コードである第2バイ
トとModR/Mバイトである第3バイトとの前にく
る。第3デコーダタイプFはその命令は浮動小数点命令
であると仮定し、その仮定に基づき命令をデコードす
る。
【0147】TYPE_GENデコーダは4ビット幅の
タイプ命令出力バス(タイプ1、タイプ2、タイプF)
を3個有する。各ビットはバケット内の4つのナノ命令
動作の一つに対応する。特定のタイプフィールドによっ
てCISC型命令を実行するのにどのナノ命令が必要か
指定される。例えば、4ビットが全てロジックのHIG
Hの場合、CISC型命令にはロード、格納の動作がそ
れぞれ一回と、ALU動作が二回必要である。
【0148】1、2、Fのラベルが付いたセクションを
含む図18の残りのデコーダはそれらがそれぞれ1バイ
トの演算コード、2バイトの演算コード、浮動小数点命
令であると仮定してデコードする。無効結果が選択され
ることはめったにない。マルチプレクサは正しいデコー
ダの出力を選択する。
【0149】二つのALU動作(ALU0とALU1)
には各々11ビット長の演算コード・フィールドがあ
る。その11ビットは演算コードの8ビットと、隣接す
るModR/Mバイトからの3演算コード拡張ビットと
から成る。IDUが処理するCISC型命令ではほとん
どの場合、演算コード・ビットはナノ命令動作に直接コ
ピーされる。しかしながら、CISC型命令のなかには
演算コードの置き換えを必要とするものもある。この場
合、IDU装置はCISC型演算コードを命令実行ユニ
ット(IEU)にフィルタすることはめったにない。I
EU内の機能ユニットのタイプ及び数がIDU内での演
算コードの置き換えが特定のCISC型命令にとって必
要か否かを左右するから、このことは当業者には明確に
なるであろう。
【0150】IEUがALU動作を処理するためには、
指定されたALU動作を処理するのにどの機能ユニット
が必要であるかという情報を受け取らなければならな
い。従って、IDUはF_0UNIT1、F_0UNI
T2、及びF_0UNITFの3個のデコーダから成る
機能ゼロユニット(F 0UNIT)デコーダ1410
を含んでいる。デコーダの出力はA0のALU動作を処
理するのにどの機能ユニットが必要かを表す複数バイト
のフィールドである。A1のALU動作のためのデコー
ディングをする機能ユニットは同一ではあるが、別個の
デコーダF_1ユニット1412によって取り扱われ
る。
【0151】CISC型命令は演算コードによって暗示
されるレジスタを用いてオペレーションを実行すること
が多い。例えば、多くの命令がアキュムレータとしてA
Xレジスタを用いるべきであると暗示している。従っ
て、そのCISC型命令の演算コードに基づいたレジス
タ・インデックスを生成するために定数ジェネレータ
(CST_GEN)デコーダ1414が含まれている。
CST_GENデコーダは特定の演算コードに基づい
て、どのレジスタが暗示されているかを明らかにする。
ナノ命令の正しいソースやデスティネーション・レジス
タ・インデックスを生成するための多重化については図
19との関連において以下に説明する。
【0152】追加の2ビットの制御信号である、Tem
pCount(TC)は、CST_GENデコーダへ入
力される。TC制御信号は ダミー・レジスタとしてI
EUが使うために、循環する4個の一時レジスタを表す
2ビットのカウンタである。一時(もしくはダミー)レ
ジスタは、暗示されたレジスタに加えて、CST GE
Nデコーダから受け継ぐレジスタのもう一つの値を示
す。動作毎のレジスタを2個有するALU動作が二つあ
るため、定数ジェネレータ・デコーダは4つの定数フィ
ールドを引き渡す。定数レジスタ・バスはそれぞれが2
0ビット幅で、各定数は計5ビットだから、IEU内の
32個のレジスタの1個を選択することができる。
【0153】次に、概ねブロック1416で示した選択
ジェネレータ(SEL GEN)デコーダについて説明
する。SEL_GENデコーダはフラグ要求変更(FG
_NM)デコーダ1418を含む。FG_NMデコーダ
は1バイトの演算コード、2バイトの演算コード、及び
浮動小数点命令用にデコードする。例えば、i486命
令セットには計6個のフラグがある。フラグは命令によ
って変更してもいいが、これらのフラグは命令の実行が
開始される前に有効になっていなければならない。FG
_NMデコーダはフラグ毎に二つの信号を出力する。一
方のビットはこの命令実行のためにフラグが必要か否か
を示し、別のビットはこの命令が実際にフラグを変更す
るか否かを示す。
【0154】ALU0とALU1の動作に関するレジス
タの無効情報はそれぞれ1420と1422で表したI
NVD1とINVD2のデコーダによってデコードされ
る。INVD1及びINVD2デコーダはSEL_GE
Nデコーダ1416の一部でもある。INVD1及びI
NVD2のデコーダはIEU用の制御信号を生成する。
これらの信号はALUレジスタを使用すべきか否かを示
す。3個の考えられるレジスタ・インデックスは各AL
U動作により指定される。その一つはソース及び/また
はデスティネーション・レジスタとして使用し、残りの
二つはソース・レジスタ指定だけに限定される。動作に
はどのレジスタが必要かを指定するために4ビットのフ
ィールドが使われる。
【0155】SEL_GENデコーダ1416はさらに
CISC命令にはレジスタ・フィールドのどれが必要か
を示すFLD_CNTデコーダ1424を含んでいる。
FLD_CNTデコーダは二つのフィールドのどちらが
ソース・レジスタでどちらがデスティネーション・レジ
スタであるかを指定する。
【0156】ナノ命令ジェネレータ(NIR_GEN)
デコーダは概ねブロック1426として示す通りであ
る。データ・サイズ(DATA_SZ)及びアドレス・
サイズ(ADDR_SZ)の入力制御信号はシステムが
動作しているデフォルトの状態に対応している。最終の
アドレス並びにオペランドのサイズをデコードするため
には、デフォルト・モードが分かっていなければならな
いし、プレフィックス(IAUとの関連において先に説
明した)の存在も分かっていなければならない。EMU
L_MODE制御信号はNIR_GENデコーダへ入力
されるが、他のデコーダによっても使用される。
【0157】エスケープ検出(ESC_DET)入力制
御信号は、命令が2バイトの演算コードを有しているか
を表すために、NIR_GENデコーダに送り込まれ
る。さらに、エミュレーション命令が検出されるとメー
ルボックス・レジスタのローディングを起こすために、
選択演算コード拡張(SEL_OP_EXT)入力制御
信号が使われる。
【0158】浮動小数点レジスタ(FP_REG)入力
制御信号は変換された浮動小数点レジスタ・インデック
スをIDUに渡す。例えば、i486の浮動小数点フォ
ーマットは浮動小数点数用の8個のレジスタを有してい
るが、それらのレジスタはスタックと同様にアクセスさ
れる。スタック・アクセス方式、即ち、レジスタ0がス
タックの一番上で、レジスタ1が上から2番目といった
具合、を使ってこれらのレジスタをアクセスできる。こ
のレジスタ・スタックは固定インデックスを有する8個
の線形レジスタを使用することによってエミュレートさ
れる。入力命令がレジスタ0を指定すれば、変換ブロッ
ク(図示せず)は周知の方法でスタック関連レジスタ・
インデックスを線形レジスタ用のレジスタ・インデック
スに変換する。これによりIDUがどのレジスタがスタ
ックの一番上にあるかを記録することができるようにな
る。
【0159】システムがエミュレーション・モードに分
岐すると、IDUはエミュレートされている命令につい
ての情報を保存する。IDUは、デスティネーションの
レジスタインデックス(EM_RDEST)、ソース
(EM_RDEST2)、ベースインデックス情報(E
M_BSIDX)に加えて、命令のデータサイズ(EM
_DSIZE)及びアドレスサイズ(EM_ASIZ
E)も保存する。この保存された情報は命令を適切にエ
ミュレートするためにマイクロコード・ルーチンによっ
て使用される。例えば、加算命令のエミュレーションを
考えてみよう。マイクロコード・ルーチンは、どのアド
レス・サイズをエミュレートするかを知るために、加算
命令のアドレス・サイズを確定するのにEM_ASIZ
Eをチェックすることがある。
【0160】NIR_GENデコーダ1426はサイズ
デコーダ1428を含む。SIZEデコーダ(即ち、S
IZE1、SIZE2、SIZEF)によって生成され
たフィールドは命令のアドレス・サイズ、オペランド・
サイズ、さらにイミディエト・データ・サイズを表す。
16ビットか32ビットのアドレス・サイズ、8ビット
か16ビットか32ビットかのオペランド・サイズ、8
ビットか16ビットか32ビットかのイミディエト・デ
ータ・フィールド・サイズが各命令用に抽出される。
【0161】もう一つのNIR_GENデコーダはロー
ド情報(LD_INF)デコーダ1430と呼ばれる。
LD_INFデコーダはロード及び格納の動作に対応す
る情報をデコードする。ロード情報は効果的なアドレス
計算を行なうために使用される。CISC命令セットは
通常多くの様々に異なるアドレス指定モードを支援する
から、ロード情報のフィールド(LD_INF1、LD
_INF2、LD_INFF)はCISC命令によって
どのアドレス指定モードが使われているかを指定するた
めに使用される。
【0162】i486の基本アドレス指定モードは、ア
ドレスを確定するために足して一つにまとめられるセグ
メント・フィールドとオフセットを含んでいる。インデ
ックス・レジスタのスケールに加えて(例えば、インデ
ックス・レジスタがアレイ内の素子である場合)、イン
デックス・レジスタを指定できるし、素子を長さで1、
2、4、または8バイトとして指定できる。従って、イ
ンデックス・レジスタがアドレスを確定するために加算
される前に1、2、4、または8でインデックス・レジ
スタを基準化することができる。ベース並びにインデッ
クスもLD_INFフィールドで指定できる。
【0163】ナノ命令演算コード(NIR_OPC)デ
コーダ1432はA1オペレーション(パケット1)用
の演算コードを転送する。デコードされたフィールド
(NIR_OPC1、NIR_OPC2、NIR_OP
CF)は第1命令バイト(8ビット)と第2バイトから
の3つの拡張ビットから成る。
【0164】雑演算コード(MISC_OPC)デコー
ダ1434は、命令が浮動小数点であるか、及びロード
命令が実際に存在しているかどうかを表す。MISC_
OPCデコーダによって生成されたフィールドは、浮動
データの変換が必要かを示すことになる。この情報は命
令のフォーマットに係わらず簡単に抽出されるから、こ
のデコーダは多重化する必要がない。
【0165】パケット0のA0動作用の演算コードは演
算コードデコーダ1436により指定される。A0演算
コードは通常i486の入力演算コードから直接コピー
されるが、命令によっては演算コードが別の演算コード
で置き換えられることがある。(上記のように、NIR
_GENデコーダにより生成された信号の機能性はデコ
ードされているCISC型命令セットに特有であり、よ
ってCISC型命令セット並びに本発明のナノ命令フォ
ーマットを検討すると当業者には明確になるはずであ
る。)EXT_CODEデコーダ1440はModR/
Mバイトから3ビットの演算コード拡張子を抽出する。
【0166】IN_ORDERデコーダ1442は命令
が「順序正しく」実行されなければならないかを確定す
るために命令をデコードする。これによって、全ての先
行命令の実行終了までこの命令に対して何もしないよう
にIEUに指示が出される。一度命令の実行が完了する
と、それに続く命令の実行が開始される。
【0167】制御フロージャンプサイズデコーダ144
4はアドレスを指定するジャンプのディスプレースメン
ト・サイズを表す。CF_JV_SIZEとラベルをつ
けた、このフィールドはジャンプのアドレス・サイズを
指定する。これはCISC型命令セットに使用されるア
ドレス指定方式のタイプに特有のものである。
【0168】DEC_MDEST1446とラベルをつ
けた1ビットのデコーダは命令のデスティネーションが
メモリ・アドレスであるか否かを表す。
【0169】最後に、命令デコーダはレジスタ・コード
(インデックス)選択のために3個のレジスタコードデ
コーダ1438を含んでいる。i486の命令フォーマ
ットは命令内の様々な場所にあるレジスタ・フィールド
のインデックスを符号化する。これらのフィールドのイ
ンデックスはRCデコーダにより抽出される。ModR
/Mバイトは2個のレジスタ・インデックスも有してお
り、それらは演算コード自体により指定されたデスティ
ネーション/ソースとして使用される。レジスタコード
デコーダ1438は3つのRCフィールド、RC1、R
C2、及びRC3を生成する。プロセッサがエミュレー
ション・モードでない場合、RC1及びRC2は以下の
ようにModR/Mバイトから抽出され、その命令は浮
動少数点命令ではない。即ち、RC1=ModR/Mバ
イトのビット〔2:0〕で、RC2=ModR/Mバイ
トのビット〔5:3〕で、そしてRC3=演算コードの
ビット〔2:0〕。基本(エミュレーションでない)モ
ードの浮動小数点命令では、RC1、RC2、RC3は
以下のように割り当てられる。
【0170】RC1:ST(0)=スタックの1番上 RC2:ST(1)=スタックの2番目のアイテム=ス
タックの上から2番目 RC3:ST(i)=スタックからi番目のアイテム
で、そこにおいて、iは演算コードの中に指定されてい
る。エミュレーション・モードでは、RC1、RC2、
RC3は以下のように割り当てられる。
【0171】RC1:バイト3のビット〔4:0〕 RC2:バイト2のビット〔1:0〕及びバイト3のビ
ット〔7:5〕 RC3:バイト2のビット〔6:1〕 図19はCST_GEN、NIR_GEN、SEL_G
ENの各デコーダ(1414、1438、1424)の
代表的なブロック並びに論理ゲート図を表すものであ
る。この図19は、ナノ命令オペレーションA0及びA
1のソース並びにデスティネーション・レジスタ・イン
デックス、さらにロード命令のデスティネーション・レ
ジスタ・インデックスを生成するために、1バイトの演
算コード、2バイトの演算コード及び浮動小数点のデコ
ードされた結果がどのように選択され、遅延させられ、
さらに結合されるかを示す実施例であると理解されるべ
きものである。選択、遅延、さらに多重化の技法は、1
バイトの演算コード、2バイトの演算コード及び浮動小
数点の結果を個別に生成しない信号を除く、命令デコー
ダ1202により生成される全ての信号に適用される。
さらに、言い換えれば、この実施例により生成された結
果はアプリケーション専用であり、i486命令を本発
明のナノ命令フォーマットにデコードすることに適用さ
れる。しかしながら、これらの実施例を通してこれまで
に説明してきた原理はCISC型からRISC型への命
令のアライメント及びデコーディングに概ね適用可能で
ある。
【0172】先に説明したようにCST_GENデコー
ダ1414はCST1、CST2及びCSTFの3つの
出力を生成し、その各々は4つの定数5ビットレジスタ
・フィールド(計20ビット)から成り立っている。S
EL_GENはもっと先の部分MUX1512でのマル
チプレクサの選択のためにレジスタ・フィールド制御信
号(FLD1、FLD2、FLD3)を生成する。CS
T1、CST2かCSTFの結果並びにFLD1、FL
D2、及びFLDFの結果の選択についてはマルチプレ
クサ・ブロック1502に概ね示す通りである。3ビッ
トのMUXセレクト線1504は、命令が1バイトの演
算コード、2バイトの演算コード、或いは浮動小数点命
令を有しているかどうかで結果を選択するために使用さ
れる。
【0173】Ωサイクル・パイプライン遅延ラッチ15
06はマルチプレクサ1502によって選択された結果
と、3つのレジスタ制御フィールドのRC1、RC2、
RC3を遅延させるために使用される。Ωパイプライン
遅延ラッチ1504への各入力は対向してクロックされ
た一対のラッチ1508に送られる。このラッチの内容
はマルチプレクサ1510により選択される。この配列
はIAUとの関連で先に説明したΩサイクル・データ遅
延316に類似している。
【0174】さらにその先の多重化のステージはブロッ
ク1512に示す通りである。マルチプレクサ1502
によって選択された定数レジスタ・フィールドは、15
14に概ね示すように、regc1からregc4まで
個々にラベルをつけた4つの個別のフィールドとしてマ
ルチプレクサ1512へ入力される。ブロック1512
への入力としても示したのは、演算コード及びModR
/Mバイトからの抽出レジスタフィールド、RC1、R
C2及びRC3である。概ね1518に示した動作A1
用のソース及びデスティネーションのレジスタ・インデ
ックスa1_rd及びa1_rsだけでなく、概ね15
16に表わした動作A0用のソース及びデスティネーシ
ョンのレジスタ・インデックスa0_rd及びa0_r
sを生成するためにFLD制御信号1520の制御の下
ブロック1512の論理により、regcフィールド並
びにRCフィールドが結合される。ロード命令のデステ
ィネーション・レジスタ・インデックスである、インデ
ックス1d_rdもブロック1512で選択される。
【0175】4.0 デコードされた命令FIFO 本発明におけるデコードFIFO(DFIFO)のブロ
ック図は図20Aに示す通りである。DFIFOは4個
の完全なバケットを保持し、その各々には一つのナノ命
令、二つのイミディエト・データ・フィールド、及び一
つのディスプレースメント・フィールドが入っている。
各バケットはDFIFOの1レベルのパイプライン・レ
ジスタに対応している。これらのバケットはIDUで生
成されてIEUが新規のバケットを要求する各サイクル
期間中にDFIFOに押し出される。バケット内のナノ
命令はパケット0及びパケット1と呼ばれる二つのグル
ープに分けられる。パケット0はロード、ALU、及び
/または格納の動作で構成され、その動作は1、2、も
しくは3ナノ命令に対応している。パケット1は1ナノ
命令に相当するALU動作のみである。この分割の結
果、1個のバケットは二つのALU動作のみを含み、そ
の一つだけがメモリを参照できる。その後に続く命令が
共にメモリ・オペランドを要求する場合、それらの命令
は別々のバケットに入れられなければならない。
【0176】図20Bから分かるように、各パケット及
びバケット全体に関する、相当量の一般的な情報がある
だけである。この情報は一般情報FIFOに格納され
る。デフォルトでは、1個のバケット内に入った4つの
ナノ命令がNIR0からNIR3への順序で実行され
る。NIR3はNIR0〜NIR2の前に実行されなけ
ればならないことを示すようにバケットの一般情報ビッ
トの一つを設定することができる。この特徴により連続
する命令を単一のバケットにまとめることが容易にな
る。何故なら、その順序はもはやバケット要件を満たす
能力に影響しないからである。
【0177】図20Cはバケット0〜バケット4のイミ
ディエト・データ及びディスプレースメントFIFOを
示す。IMM0はパケット0に対応するイミディエト・
データを表し、IMM1はパケット1に対応するイミデ
ィエト・データを表している。DISPはパケット0に
対応するディスプレースメントを表わしている。DIS
Pフィールドはアドレス計算の一部としてしか使用され
ないから、パケット1はDISP情報を使用しない。
【0178】上述の3タイプのナノ命令の具体例を図2
1に示す。これらの表は各バケットの内容についての情
報を提供するものである。
【0179】本発明に基づく様々な実施例を先に記述し
てきたが、あくまで例として提示したものであり、それ
により限定されるものではないことが理解されるはずで
ある。従って、本発明の広さ並びに範囲については上記
の例としての実施例によって制限されるべきものではな
く、特許請求の範囲及びそれに相当するものに従っての
み定められるべきことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の命令プリフェッチ・バッファのブロ
ック図である。
【図2】 本発明の命令アライメント・ユニットのブロ
ック図である。
【図3】 本発明のIAUの命令抽出並びにアライメン
ト方法を表す代表的なフローチャートである。
【図4】 図2のブロック図並びに図3のフローチャー
トに関連する簡略タイミング図である。
【図5】 本発明のSTACKのブロック図である。
【図6】 本発明の次命令検出器(NID)のブロック
図である。
【図7】 本発明の残存次命令検出器(RNID)のブ
ロック図である。
【図8】 本発明のイミディエト・データ及びディスプ
レースメント検出器(IDDD)のブロック図である。
【図9】 本発明のプレフィックス検出器(PD)のブ
ロック図である。
【図10】 本発明のプレフィックス数(PRFX_N
O)デコーダのブロック図である。
【図11】 本発明のナノ命令バケットのブロック図で
ある。
【図12】 本発明の命令デコード・ユニット(ID
U)の代表的なブロック図である。
【図13】 本発明の命令ビット・マップを示す図であ
る。
【図14】 本発明の命令ビット・マップを示す図であ
る。
【図15】 本発明の命令ビット・マップを示す図であ
る。
【図16】 本発明の命令ビット・マップを示す図であ
る。
【図17】 本発明の命令ビット・マップを示す図であ
る。
【図18】 本発明のIDDDの命令デコーダのセクシ
ョンの一例を示すブロック図である。
【図19】 図18に示した命令デコーダのデコーダー
式の代表的なブロック並びにロジック図である。
【図20】 本発明のデコードFIFOの概念的なブロ
ック図である。
【図21】 本発明のナノ命令のフィールド・フォーマ
ットの例を示す図である。
【図22】 従来のCISC型命令のデータ構造フォー
マットを示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 ニューエン リートロン アメリカ合衆国 95030 カリフォルニア 州 モンテ セレノ, ダニエル プレー ス 15096 ブルバード 2171 (72)発明者 ワン ジョハネス アメリカ合衆国 94062 カリフォルニア 州 レッド ウッド シティ キング ス トリート 25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセッサ、メモリ、及び前記プロセッ
    サと前記メモリとを接続するバスによって構成されるコ
    ンピュータシステムであって、 前記プロセッサが非ネイティブ命令のストリームをネイ
    ティブ命令へと変換でき、前記プロセッサがさらに、 (a) 前記メモリから前記バスを経て非ネイティブ命
    令のストリームを受取るための手段と、 (b) 非ネイティブ命令のストリームを所定数未満の
    ネイティブ命令に変換する手段と、 (c) 前記所定数までのネイティブ命令を記憶できる
    少なくとも2つの中間バケットに前記ネイティブ命令の
    少なくとも2つのグループを記憶するための手段と、 (d) 前記ネイティブ命令の前記少なくとも2つのグ
    ループのサブセットを前記所定数のネイティブ命令の最
    大容量を有する最終バケットに統合して、ホストプロセ
    ッサ上で前記最終バケットの前記ネイティブ命令の前記
    サブセットを出力できるようにするための手段とによっ
    て構成されるコンピュータシステム。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも2つの中間バケットが一
    時に4つまでのネイティブ命令を記憶できることを特徴
    とする請求項1に記載のプロセッサ。
  3. 【請求項3】 前記所定数のネイティブ命令が4つのネ
    イティブ命令であることを特徴とする請求項1に記載の
    コンピュータシステム。
  4. 【請求項4】 非ネイティブ命令のストリームが少なく
    とも2つの非ネイティブ命令を含むことを特徴とする請
    求項1に記載のコンピュータシステム。
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US08/784,339 US5983334A (en) 1992-03-31 1997-01-16 Superscalar microprocessor for out-of-order and concurrently executing at least two RISC instructions translating from in-order CISC instructions

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