JP2000214355A - レセプタクル型光モジュ―ル - Google Patents

レセプタクル型光モジュ―ル

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JP2000214355A
JP2000214355A JP11014101A JP1410199A JP2000214355A JP 2000214355 A JP2000214355 A JP 2000214355A JP 11014101 A JP11014101 A JP 11014101A JP 1410199 A JP1410199 A JP 1410199A JP 2000214355 A JP2000214355 A JP 2000214355A
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optical
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waveguide substrate
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忠明 石川
Makoto Shimaoka
誠 嶋岡
Masaya Horino
正也 堀野
Kazuyuki Fukuda
和之 福田
Shingo Nasu
真吾 奈須
Makoto Horie
誠 堀江
Tomoyuki Nishio
友幸 西尾
Tatsuo Teraoka
達夫 寺岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境温度変化に対する特性変化が小さく、か
つ安価に製造することのできるレセプタクル型光モジュ
ールを提供する。 【解決手段】 レセプタクル型光モジュールは、光導波
路を有し該光導波路と光結合した半導体光素子4aが搭
載された光導波路基板1と、内部に光ファイバ6が設け
られ一端が前記光導波路に結合されたフェルール2と、
フェルール2に固定され外部より挿入される光コネクタ
用プラグとフェルール2の他端とを結合するレセプタク
ル・スリーブ13とを備えている。このような光モジュ
ールにおいて、一端側が光導波路基板1に固定され他端
側がレセプタクル・スリーブ13に固定されて、中間部
に折り曲げ部3aが形成された板バネ部材3と、光導波
路基板1が取り付けられた端子台17に一端側が固定さ
れ、他端側はレセプタクル・スリーブ13に当接しただ
けの滑り構造を成したケース部材18とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信で利用される
光モジュールに係り、特に、外部とPC接続(球面接
続)により光結合するレセプタクルを備えた光モジュー
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路基板に半導体光素子が搭載さ
れ、外部とPC接続により光結合するレセプタクル型の
光モジュールの公知例としては、1997年電子情報通
信学会総合大会講演論文集エレクトロニクス1:SC−
3−1に述べられている光導波路モジュールが知られて
いる。
【0003】この従来技術による光導波路モジュール
は、波長多重通信を行うための光合波・分波回路をSi
基板上の光導波路で実現しており、外部との光信号の入
出力用として、端面をPC研磨(球面研磨)したフェル
ールを利用したレセプタクルを備えている。
【0004】レセプタクルに挿入されるプラグ側のフェ
ルールもPC研磨されており、両フェルールは割スリー
ブにより互いに位置合わせが行われ、プラグをレセプタ
クルに挿入後は、プラグ内のばね力によりプラグ側のフ
ェルールがレセプタクル側のフェルールに押し付けられ
ることで、両フェルールはPC接続される。
【0005】この接続の際のばね力による荷重をモジュ
ール内部に伝えないように、モジュール側フェルールは
モジュールケースに対し、頑丈に固定されている。フェ
ルールのPC研磨されていない側からは、短かくファイ
バ素線が突き出しており、ファイバ素線端面が光導波路
基板端面の光導波路露出部分に光結合した状態で接着固
定されている。このファイバ、あるいは光素子との光結
合のために、光導波路基板は両端で光結合ユニット等を
介して箱型のセラミックケースに固定されている。
【0006】光素子はケースの両端に搭載されており、
その近傍でケースにある電気信号端子と導通しており、
この電気信号端子を電気基板上のパッドに固定すること
でケースは電気基板に固定される。ここで、光導波路基
板をその両端でケースに対して固定する構造としたた
め、両者の線膨張係数の違いにより、環境温度変化時に
は熱応力が発生する。これはケース材に光導波路基板と
線膨張係数が近いものを選ぶことで緩和されるが、足り
ない分は光導波路基板が両端のみの固定である事を利用
し、光導波路基板自身がたわむように変形することで緩
和されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、次の問題点が存在する。第1にモジュール
の温度に対する特性変化が大きくなる。光導波路は屈折
率違いを利用して光を光導波路中に閉じ込めて伝播する
ため、部材が応力や変形の影響を受けると屈折率分布が
変化し、光特性が変わってしまう。モジュールが高温、
あるいは低温環境に置かれた場合、ケース材と光導波路
基板との線膨張係数の違いにより、応力が発生するが、
ケース材は電気基板に対し固定されており、かつ箱型で
変形しにくいため、光導波路基板が変形することで応力
は緩和される。この光導波路基板の変形により、光導波
路の光特性は変化するため、結果としてモジュールの温
度特性変化が大きくなる。これでは、モジュールの使用
可能温度範囲が狭くなることになる。
【0008】第2の問題点としては、放熱の問題が上げ
られる。光導波路基板とケース材の線膨張率の違いから
発生する第1の問題点を緩和するために、ケース材とし
て、光導波路基板の材質であるSi、SiO2 、ガラス
等に近い線膨張係数を持つ42アロイ等の合金やアルミ
ナ等のセラミック等が用いられるが、これらの物質の熱
伝導率は30W/(m・K)前後と比較的小さいため
に、モジュール全体としての熱抵抗が上がることにな
り、LD(Laser Diode:半導体レーザー、
以下LDと略す)やアンプ用ICなど発熱量の多い素子
をモジュール内に搭載した場合、内部の熱を外部に放熱
しにくく、モジュール内の温度が上がりやすい。
【0009】モジュールの温度が上昇し、内部素子が放
熱できなくなると、LDの発振が不安定になったり、I
Cが熱暴走したりする可能性が高くなるため、モジュー
ルの放熱性をあげるには放熱フィンをモジュールにつけ
たり、モジュールが搭載される電気基板を通して放熱す
るために接続用ピンの数を増やす、あるいはモジュール
底面に伝熱性グリースや伝熱性シート等の伝熱物質をつ
けて電気基板と密着させる等の手段が必要となり、コス
ト高を招いている。
【0010】以上の理由にから、従来の技術では環境温
度変化に対する高い耐久性を優する光モジュールを安価
に製造することは困難であった。
【0011】本発明の課題は、環境温度変化に対する特
性変化が小さく、かつ安価に製造することのできるレセ
プタクル型光モジュールを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は、光導波路が形成され且つ該光導波路と光
結合した光素子が搭載された光導波路基板と、内部に光
ファイバが設けられ一端が前記光導波路基板の光導波路
に結合されたフェルールと、外部より挿入される光コネ
クタ用プラグと前記フェルールの他端とを結合するレセ
プタクル部とを備えたレセプタクル型光モジュールにお
いて、前記光導波路基板と前記フェルールを保持すると
ともに光導波路基板とフェルールの熱膨張による伸縮を
吸収する伸縮吸収手段を備えたことを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、熱膨張による光導波路
基板とフェルールの伸縮が伸縮吸収手段によって吸収さ
れるために、光導波路基板やフェルールが撓んだり、ま
たは光導波路基板とフェルールとの結合部分が破壊され
たりするのを防ぐことができる。
【0014】また、本発明は、光導波路が形成され且つ
該光導波路と光結合した光素子が搭載された光導波路基
板と、内部に光ファイバが設けられ一端が前記光導波路
基板の光導波路に結合されたフェルールと、前記フェル
ールに固定され外部より挿入される光コネクタ用プラグ
と前記フェルールの他端とを結合するレセプタクル部と
を備えたレセプタクル型光モジュールにおいて、一端側
が前記光導波路基板に固定され他端側が前記レセプタク
ル部に固定されて、且つ中間部に折り曲げ部が形成され
た板バネ部材と、前記光導波路基板が取り付けられた端
子台に一端側が固定され、他端側は前記レセプタクル部
に当接しただけの滑り構造を成したケース部材とを備え
たことを特徴としている。
【0015】上記構成によれば、熱膨張によって光導波
路基板やフェルールが伸縮すると、ケース部材はその他
端側がレセプタクル部に当接した状態で滑り、また板バ
ネ部材は折り曲げ部が伸び縮みするので、光導波路基板
やフェルールには熱応力が加わらない。その結果、光導
波路基板やフェルールの撓みを抑制でき、モジュールの
温度変化に対する光特性変化を軽減することができる。
【0016】前記板バネ部材は、熱伝導率50W/(K
・m)以上のCuまたはCu系合金で、もしくは、線膨
張係数10×10~6/K以下のFe−Ni系合金で形成
することができる。この場合、板バネ部材の厚さは0.
5mm以下とするのがよい。このように構成すれば、放
熱フィン等の補助手段無しでも、より広い環境温度範囲
で安定した動作を行うことが可能になる。
【0017】また、前記板バネ部材は、モジュールの電
気信号ピンを形成するためのリードフレームにダイパッ
ドとして形成することができる。このように構成すれ
ば、工程を減らしコスト低減を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。
【0019】(実施の形態1)図1および図2は本発明
に係る光モジュールの構成を示しており、図1はフェル
ール中のファイバを含む垂直面で切断した場合の断面
図、図2は水平面で切断した場合の断面図である。ま
た、図3はケース板バネ部材が変形した状態を示す断面
図であり、図4はケース板バネ部材を有するリードフレ
ームの上面概観図である。
【0020】図1および図2において、光導波路基板1
には、ベースとなるSiまたは石英の基板上に石英の光
導波路1aが形成されている。光導波路基板1上には、
フェルール2との接着面積を増やし接着部付近を保護す
るために、パイレックスガラス等の光導波路1aに膨張
係数が近い物質を材質とする補強材が接着されている。
また、光導波路基板1の端部には、半導体光素子を搭載
するために電気配線を施したピット1bが設けられてい
る。ピット1bの高さは、ここに搭載されたLD(半導
体レーザ素子)4a、および受光用フォトダイオード
(以下、PDと略す)4cが光導波路1aと最適に光結
合できるように設定されている。
【0021】LD4a、モニタ用フォトダイオード(以
下、モニタPDと略す)4b、PD4cはピット1b上
に施された電気配線上に半田付けにより搭載されるが、
LD4aとPD4cについては素子端面での光反射を避
けるため、光導波路1aの光軸に対して端面が斜めにな
るように搭載されている。光導波路基板1自体は、ワイ
ヤボンディングにより電気配線されるため、また発熱体
であるLD4aの熱を効率的に逃がすため、LD4aが
搭載されているピット部1b下面付近でケース板バネ部
材3を兼ねるダイパッド15(図4参照)に接着されて
いる。5はボンディングワイヤである。
【0022】また、フェルール2は円筒形でガラスまた
はジルコニア等のセラミックで形成され、内部に光信号
を伝えるためのファイバ6が接着固定されている。ファ
イバ6はその全長がフェルール2に内蔵されている。こ
のように構成すると、組み立て時のファイバ6の破損を
大幅に減らすことができる。また、フェルール2と共に
ファイバ6の両端面を加工することが可能となり、加工
コストの低減を図ることができる。
【0023】ファイバ6を内蔵したフェルール2の両端
面のうち、光導波路基板1に接着され光導波路1aと光
結合する側の端面2aは、端面での反射を押さえるため
に斜め研磨されている。その研磨角度は、垂直面に対し
て約8度とするのが望ましい。また、光導波路基板1側
の端面も同様に斜め研磨されているが、光軸つまり光信
号の進行方向を一致させるために、研磨角度はフェルー
ル2とは逆となる。その研磨角度は、垂直面に対して約
−8度とするのが望ましい。このようにフェルール2と
光導波路基板1の端面が斜め研磨されることにより、フ
ェルール2からの光信号についても、LD4a側からの
光信号についても、反射光がファイバ6、光導波路1a
に戻る量を減らすことができ、モジュールの動作安定性
を増すことができる。
【0024】フェルール2と光導波路基板1は接着剤で
接着されている。この接着剤としては、光信号の使用す
る0.78〜1.55μm帯、特にモジュールの仕様に従
い0.78または1.3または1.55μm近傍の光の透
過率が高いこと、作業時間短縮のため硬化時間が短いこ
と、硬化時の位置ずれを防止するために硬化収縮が小さ
いこと、長期間に渡って光結合を維持するために耐久性
が高いこと等が要求され、アクリル系またはエポキシ系
の紫外線硬化型樹脂が使用される。
【0025】フェルール2の反対側端面2bは、外部と
の光信号入出力用のレセプタクルの一部を構成するた
め、端面がPC研磨(球面研磨)されている。また、外
部から挿入される光信号入出力用のプラグ(図示省略)
のフェルールも端面がPC研磨されている。プラグ側の
フェルールもフェルール2と同じ直径であり、プラグ挿
入時には、フェルール同士が割スリーブ12により位置
合わせされる。挿入後はプラグがレセプタクル・スリー
ブ13のつめで固定され、プラグ内のばねによりフェル
ールに適度な荷重がかかり、両フェルール間がPC接続
される。このように、ばねによる荷重でPC接続される
形式の光通信用コネクタとしては、JIS規格化されて
いるものとしてFC型、SC型、MU型が一般的であ
る。
【0026】なお、フェルール2は、フェルール固定具
8によってレセプタクル・スリーブ13に固定されてい
る。また、フェルール固定具8とレセプタクル・スリー
ブ13はレセプタクル部を構成している。
【0027】ところで、LD4aは発熱量が多く、その
熱によって光導波路基板1およびフェルール2は熱膨張
して、これら光導波路基板1やフェルール2の内部には
熱応力が作用しやすい。
【0028】本実施の形態では、レセプタクル・スリー
ブ13にケース板バネ部材3の一端側が接着剤16で接
着固定され、そのケース板バネ部材3の他端側が接着剤
16で光導波路基板1に接着固定されている。そして、
ケース板バネ部材3の中間部には凸状折り曲げ部3aが
形成されており、光導波路基板1やフェルール2よりも
弾性率が低く設定されている。また、光導波路基板1や
フェルール2を上側から覆うケース上側部品18は、光
導波路基板1のピット部1b側に設けられた端子台17
には固定されているが、レセプタクル・スリーブ13に
は固定されておらず、レセプタクル・スリーブ13とケ
ース上側部品18間は滑りを許す構造となっている。
【0029】このように構成すれば、温度変化により光
導波路基板1やフェルール2が熱膨張したときは、ケー
ス板バネ部材3が凸状折り曲げ部3aの所で引き伸ばさ
れるので、光導波路基板1やフェルール2に作用する熱
応力を緩和することができる。その様子を図3に示す。
なお、図3においては、ケース板バネ部材3による熱応
力の緩和を明瞭に示すために、凸状折り曲げ部3aの変
形の様子が誇張して描かれている。
【0030】また、プラグの挿入または引き抜きの際に
は、直接あるいは割スリーブ12を介して間接的に、フ
ェルール2およびレセプタクル・スリーブ13に荷重が
かかるが、上記のような構成であると、プラグの挿入・
引き抜き時の荷重がケース板バネ部材3の凸状折り曲げ
部3aで吸収され、光導波路基板1やフェルール2に過
大な荷重がかかるのを防ぐこともできる。
【0031】このように、ケース板バネ部材3で熱応力
の影響を軽減できることから、このような構造のモジュ
ールはより広い動作温度範囲をもつことができ、耐久性
を向上させることができる。
【0032】ケース板バネ部材3は、図4に示すように
リードフレーム14と共に製作することができる。半導
体パッケージなどで一般に利用されているリードフレー
ム14は、通常厚さが約0.25mmで42アロイなど
Fe−Ni系合金かCu単体あるいはCu系合金がその
ままあるいはめっきを施して用いられる。これはリード
フレーム14中のダイパッド15を通常のものより大き
くし、端子台17成形時に他の電気信号ピン9とともに
切り出し、凸状折り曲げ部3aの位置に折り曲げ加工等
を行うことで、ケース板バネ部材として形成可能であ
る。材質として、Fe−Ni系合金の方が線膨張係数が
Siやガラスなど光導波路基板材料に近いので、発生す
る熱応力そのものを押さえることができ、また一方で、
Cu単体あるいはCu系合金の方が熱伝導率が高いの
で、LDやアンプICなどの発熱を効率的に放熱できる
ので、発熱量や使用環境を基に適切な素材を選ぶ必要が
ある。なお、図4において、斜線部は形成加工時にカッ
トされる部分である。
【0033】(実施の形態2)図5および図6は本発明
の実施の形態2による光モジュールの構成を示してお
り、図5はフェルール中のファイバに含む垂直面で切断
した場合の断面図、図6は光モジュールのケース側壁の
一面をはがした状態の斜視図である。
【0034】本実施の形態においては、実施の形態1の
場合とは逆に、ケース板バネ部材20が光導波路基板1
やフェルール2の上面側に設けられ、モジュールケース
の上面を構成している。ケース板バネ部材20はその中
間部に凸状折り曲げ部20aが形成され、光導波路基板
1やフェルール2よりも弾性率が低く設定されている。
そして、ケース板バネ部材20の一端側はレセプタクル
・スリーブ13に接着剤16によって接着固定され、他
端側は接着剤16によって端子台21に接着固定されて
いる。また、光導波路基板1およびフェルール2に下側
にはケース下側部品22が設けられ、このケース下側部
品22の一側は端子台21に接着剤16によって固定さ
れているが、他端側はレセプタクル・スリーブ13には
固定されておらず、レセプタクル・スリーブ13とケー
ス下側部品22間は滑りを許す構造となっている。
【0035】このように構成すれば、温度変化により光
導波路基板1やフェルール2が熱膨張したときは、ケー
ス板バネ部材20が凸状折り曲げ部20aの所で引き伸
ばされるので、光導波路基板1やフェルール2に作用す
る熱応力を緩和することができる。また、プラグの挿入
・引き抜き時の荷重がケース板バネ部材20の凸状折り
曲げ部20aで吸収され、光導波路基板1やフェルール
2に過大な荷重がかかるのを防ぐこともできる。
【0036】電気信号ピン9は端子台21からケース下
側部品19の方向に伸びて設けられている。半導体パッ
ケージにおけるDIL型、グリッドアレイ型のように電
気信号ピンを持つ光モジュールを電気基板やICソケッ
トに取り付ける場合、電気信号ピンを電気基板上の穴や
ICソケットに挿入するために、荷重をかける必要があ
るが、本実施の形態においては電気信号ピン9が付いて
いる端子台21の背面を押すことで、モジュールの他の
部分に不必要な力をかけることなく、電気信号ピン9に
効率的に下向きの力をかけることができ、取り付け時の
モジュール破損の可能性を減らすことができる。
【0037】また、搭載する光素子やICチップからの
発熱は電気信号ピン9からの熱伝導による放熱だけでな
く、ケース板バネ部材20からの空気中への放熱も重要
となる。本実施の形態においてはケース板バネ部材20
が上面側に設けられているので、空気中への放熱を効率
よく行うことができる。
【0038】なお、ケース板バネ部材20からの放熱面
積を増やすために、図7のように構成することもでき
る。図7では、ケース板バネ部材20に凸状折り曲げ部
20aが3箇所に形成されている。凸状折り曲げ部20
aの数が増えた分だけ面積が増え、図5の場合と比較し
て、ケース板バネ部材20からの放熱性が向上してい
る。凸状折り曲げ部20aは2箇所でもよいし、4箇所
以上あってもよい。
【0039】(実施の形態3)図8は本発明の実施の形
態3による光モジュールの構成を示しており、フェルー
ル中のファイバに含む垂直面で切断した場合の断面図で
ある。
【0040】本実施の形態においては、ケース板バネ部
材30が端子台31の一部として樹脂材料で一体成形さ
れている。樹脂材料としては、エポキシ樹脂または液晶
ポリマーなどを主材とし、熱伝導率の高いものがよい。
ケース板バネ部材30はその中間部に凹状折り曲げ部3
0aが形成され、光導波路基板1やフェルール2よりも
弾性率が低く設定されている。
【0041】ケース板バネ部材30の一端側はレセプタ
クル・スリーブ13に接着剤16によって接着固定さ
れ、他端側は接着剤16によって端子台31に接着固定
されている。また、光導波路基板1やフェルール2を上
側から覆うケース上側部品32が設けられ、このケース
上側部品32の一側は端子台31に接着剤16によって
固定されているが、他端側はレセプタクル・スリーブ1
3には固定されておらず、レセプタクル・スリーブ13
とケース上側部品32間は滑りを許す構造となってい
る。
【0042】本実施の形態の場合も、温度変化により光
導波路基板1やフェルール2が熱膨張したときに、ケー
ス板バネ部材30が凹状折り曲げ部30aの所で引き伸
ばされるので、光導波路基板1やフェルール2に作用す
る熱応力を緩和することができる。また、プラグの挿入
・引き抜き時の荷重が凹状折り曲げ部30aで吸収され
るので、光導波路基板1やフェルール2に過大な荷重が
かかるのを防ぐこともできる。
【0043】また、本実施の形態によれば、ケース板バ
ネ部材30を端子台31と一体化することにより、ケー
ス板バネ部材を別個に作成した場合と比べて、ケース板
バネ部材を取り付けるための工程を省略でき、モジュー
ルのコストを下げることが可能である。
【0044】(実施の形態4)図9は本発明の実施の形
態4による光モジュールの構成を示しており、フェルー
ル中のファイバに含む垂直面で切断した場合の断面図で
ある。
【0045】本実施の形態においては、ケース板バネ部
材40の中間部にクランク状折り曲げ部40aが形成さ
れ、ケース板バネ部材40の弾性率は光導波路基板1や
フェルール2よりも低く設定されている。
【0046】ケース板バネ部材40の一端側はレセプタ
クル・スリーブ13に接着剤16によって接着固定さ
れ、他端側は接着剤16によって端子台41に接着固定
されている。また、光導波路基板1やフェルール2の下
側にはケース下側部品42が設けられ、このケース下側
部品42の一側は端子台41に接着剤16によって固定
されているが、他端側はレセプタクル・スリーブ13に
は固定されておらず、レセプタクル・スリーブ13とケ
ース下側部品42間は滑りを許す構造となっている。
【0047】本実施の形態の場合も、温度変化により光
導波路基板1やフェルール2が熱膨張したときに、ケー
ス板バネ部材40がクランク状折り曲げ部40aの所で
引き伸ばされるので、光導波路基板1やフェルール2に
作用する熱応力を緩和することができる。また、プラグ
の挿入・引き抜き時の荷重がクランク状折り曲げ部40
aで吸収されるので、光導波路基板1やフェルール2に
過大な荷重がかかるのを防ぐこともできる。
【0048】また、実施の形態1〜3の場合のように凸
状または凹状の折り曲げ部を設けると、ケース板バネ部
材の伸縮時に曲げ力が生じ、光導波路基板1やフェルー
ル2に曲げモーメントが働くことになるが、本実施の形
態においては、クランク状折り曲げ部40aであるの
で、ケース板バネ部材伸縮時の曲げ力が小さく、光導波
路基板1やフェルール2に作用する曲げモーメントを小
さくすることが可能である。
【0049】ケース板バネ部材としては図10に示すよ
うな断面形状のものでもよい。
【0050】同図(a)は曲線的な折り曲げ形状で変形
しやすい部分を作っている。同図(b)は上面向きと下
面向きにそれぞれ凸形状を設けることにより、変形時の
曲げモーメントの発生を軽減している。同図(c)は上
下方向への凸形状の屈曲を連続して行うことにより、
(b)より曲げの個所を一箇所減らしている。同図
(d)はケース板バネ部材の一部分を特に薄くすること
により、変形しやすい部分を集中させている。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱膨張によって光導波路基板やフェルールが伸縮して
も、その伸縮が吸収されるため、光導波路基板やフェル
ールが撓むのを防ぐことができる。その結果、環境温度
変化に対する特性変化が小さいレセプタクル型光モジュ
ールを実現することができる。
【0052】また、折り曲げ部を有する板バネ部材を設
けるだけでよいから、レセプタクル型光モジュールを安
価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるレセプタクル型光
モジュールの垂直断面図である。
【図2】図1に示したレセプタクル型光モジュールの水
平断面図である。
【図3】図1に示したレセプタクル型光モジュールでケ
ース板バネ部材が変形した状態の断面図である。
【図4】ケース板バネ部材を有するリードフレームの上
面概観図である。
【図5】本発明の実施の形態2によるレセプタクル型光
モジュールの垂直断面図である。
【図6】図5に示したレセプタクル型光モジュールでケ
ース側壁の一面をはがした状態の斜視図である。
【図7】放熱性を高めた構造のレセプタクル型光モジュ
ールの斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態3によるレセプタクル型光
モジュールの垂直断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4によるレセプタクル型光
モジュールの垂直断面図である。
【図10】ケース板バネ部材の形状例を示した断面図で
ある。
【符号の説明】
1 光導波路基板 1a 光導波路 1b ピット部 2 フェルール 3 ケース板バネ部材 3a 凸状折り曲げ部 4a 半導体レーザ素子(LD) 4b モニタ用フォトダイオード(モニタPD) 4c 受光用フォトダイオード(PD) 5 ボンディングワイヤ 6 光ファイバ 7 樹脂 8 フェルール固定具 9 電気信号ピン 12 割スリーブ 13 レセプタクル・スリーブ 14 リードフレーム 15 ダイパッド 16 接着剤 17 端子台 18 ケース上側部品 20 ケース板バネ部材 20a 凸状折り曲げ部 21 端子台 22 ケース下側部品 30 ケース板バネ部材 30a 凹状折り曲げ部 31 端子台 32 ケース上側部品 40 ケース板バネ部材 40a クランク状折り曲げ部 41 端子台 42 ケース下側部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋岡 誠 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 堀野 正也 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 福田 和之 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 奈須 真吾 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 堀江 誠 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 西尾 友幸 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 寺岡 達夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA04 BA13 BA24 DA15 DA33 DA35 DA37 5F041 DA03 DA07 EE05 EE08 FF14 5F073 AB28 BA02 FA07 FA11 FA27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路が形成され且つ該光導波路と光
    結合した光素子が搭載された光導波路基板と、内部に光
    ファイバが設けられ一端が前記光導波路基板の光導波路
    に結合されたフェルールと、外部より挿入される光コネ
    クタ用プラグと前記フェルールの他端とを結合するレセ
    プタクル部と、を備えたレセプタクル型光モジュールに
    おいて、 前記光導波路基板と前記フェルールを保持するとともに
    光導波路基板やフェルールの熱膨張による伸縮を吸収す
    る伸縮吸収手段を備えたことを特徴とするレセプタクル
    型光モジュール。
  2. 【請求項2】 光導波路が形成され且つ該光導波路と光
    結合した光素子が搭載された光導波路基板と、内部に光
    ファイバが設けられ一端が前記光導波路基板の光導波路
    に結合されたフェルールと、前記フェルールに固定され
    外部より挿入される光コネクタ用プラグと前記フェルー
    ルの他端とを結合するレセプタクル部と、を備えたレセ
    プタクル型光モジュールにおいて、 一端側が前記光導波路基板に固定され他端側が前記レセ
    プタクル部に固定されて、且つ中間部に折り曲げ部が形
    成された板バネ部材と、 前記光導波路基板が取り付けられた端子台に一端側が固
    定され、他端側は前記レセプタクル部に当接しただけの
    滑り構造を成したケース部材と、 を備えたことを特徴とするレセプタクル型光モジュー
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のレセプタクル型光モジ
    ュールにおいて、 前記板バネ部材は、熱伝導率50W/(K・m)以上の
    CuまたはCu系合金で形成されていることを特徴とす
    るレセプタクル型光モジュール。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のレセプタクル型光モジ
    ュールにおいて、 前記板バネ部材は、線膨張係数10×10~6/K以下の
    Fe−Ni系合金で形成されていることを特徴とするレ
    セプタクル型光モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載のレセプ
    タクル型光モジュールにおいて、 前記板バネ部材は、厚さが0.5mm以下であることを
    特徴とするレセプタクル型光モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載のレセプ
    タクル型光モジュールにおいて、 前記板バネ部材は、モジュールの電気信号ピンを形成す
    るためのリードフレームにダイパッドとして形成されて
    いることを特徴とするレセプタクル型光モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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