JP2000213918A - フ―リエ分光法を用いた厚み測定方法 - Google Patents

フ―リエ分光法を用いた厚み測定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】リファレンス試料を不要にして試料測定のため
にかかる手間と時間を低減しながら、しかもより正確な
測定結果を得る。 【解決手段】測定インターフェログラムのセンターバー
スト付近でサイドバーストとを含まない領域を使用して
位相インターフェログラムを求め、この位相インターフ
ェログラムと測定インターフェログラムとのコンボリュ
ーション計算によって対称インターフェログラムを求め
る。対称インターフェログラムのセンターバーストとサ
イドバースト付近に残る大きな非対称性を奇関数として
取り出す。取り出した奇関数インターフェログラムに
は、サイドバースト付近に残った非対称性がピークとし
て大きく現れる。この奇関数インターフェログラムのセ
ンターバーストのピーク位置からサイドバースト付近に
残った非対称性によるピーク位置までの距離βを求め
て、試料の厚みが計算される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフーリエ変
換赤外分光度計(以下、FT−IRともいう)等のフー
リエ分光装置を用いて測定した試料のインターフェログ
ラムに現れるサイドバーストまたはこのインターフェロ
グラムをフーリエ変換して得られる試料のスペクトルに
現れるチャネルスペクトルに基づいて、その試料の厚み
を測定するフーリエ分光法を用いた厚み測定方法の技術
分野に属し、特に、試料の厚みの情報としてのサイドバ
ーストまたはチャネルスペクトルの歪みを少なくするよ
うにしたフーリエ分光法を用いた厚み測定方法の技術分
野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばシリコンウェハにおいて薄膜から
なるエピタキシャル層が形成されているが、このエピタ
キシャル層の厚みを測定する場合、従来、フーリエ分光
装置であるFT−IRを用いてその厚みを測定してい
る。図2は、このようなFT−IRの一例を模式的に示
す図である。
【0003】図2に示すように、このFT−IR1にお
いては、光源2からの赤外線光が、試料3である、例え
ば図3に示すシリコン基盤3a上にエピタキシャル層3
bがコーティングされたシリコンウェハ3に照射される
と、エピタキシャル層3bの表面で反射した反射光と、
シリコン基盤3aとエピタキシャル層3bとの界面で反
射した反射光とが干渉し、この反射光の干渉が干渉計4
で測定されて、図4に示すようにインターフェログラム
5が得られる。そして、このインターフェログラム5が
フーリエ変換(FFT)されて、試料3の赤外線スペク
トル6が得られる。
【0004】ところで、図4に示すように測定インター
フェログラム5には、一般にセンターバーストとサイド
バーストとが現れる。このサイドバーストは試料3の厚
み情報を与えるものであり、具体的には、図4に示すセ
ンターバーストからサイドバーストまでの距離αがシリ
コンウェハ3におけるエピタキシャル層3bの厚みdに
対して一定の関係(比例関係)を有している。
【0005】多くの場合、サイドバーストは非常に弱
く、測定インターフェログラム5の中から取り出すこと
が難しいため、従来、このサイドバーストを取り出す方
法としてリファレンス試料を用いた方法が採られてい
る。この方法は、例えば、試料3のサンプルインターフ
ェログラムとリファレンスインターフェログラムとの引
き算などによってサイドバーストを取り出す方法であ
り、リファレンス試料が必要である。
【0006】また、図示しないがインターフェログラム
5をフーリエ変換して得られる試料3の赤外線スペクト
ル6においても、このサイドバーストに対応した、試料
3の厚み情報としてのチャネルスペクトルが現れる。こ
のチャネルスペクトルを用いても、試料3の厚みを測定
することができる。しかし、このチャネルスペクトルも
非常に弱く、赤外線スペクトル6の中から取り出すこと
が難しいため、従来、このチャネルスペクトルを取り出
す方法としては、前述のサイドバーストの場合と同様に
リファレンス試料を用いた方法が採られている。このた
め、この場合もリファレンス試料が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サイドバー
ストあるいはチャネルスペクトルを取り出すために必要
なリファレンス試料としては、例えば鏡を使用できる
が、この鏡はシリコンウェハ3aとエピタキシャル層3
bとの界面の状態を反映していないため、サンプルイン
ターフェログラムとリファレンスインターフェログラム
との引き算で取り出したサイドバーストに歪みを与えた
り、あるいは取り出したチャネルスペクトルに歪みを与
えてしまうことがある。このため、厚みの測定に誤差が
生じてしまい、正確な測定結果が得られなくなる。
【0008】このような歪みをできるだけ少なくするた
めに、従来、エピタキシャル層を形成しない他のシリコ
ンウェハをリファレンスとして用いる場合が多くなって
いる。しかし、この他のシリコンウェハも被測定試料で
あるサンプルシリコンウェハと条件が異なる状態となっ
ており、前述と同様にリファレンス測定による誤差が測
定結果に混入してしまう。リファレンスシリコンウェハ
として、サンプルシリコンウェハとまったく同じものを
選択すればよいが、サンプルシリコンウェハと同じもの
を入手できない場合がある。
【0009】このように、より正確な測定結果を得るた
め、リファレンス試料は、測定しようとする試料3の条
件を可能な限り反映するものを選択する必要があるが、
このようなリファレンス試料を確実に得ることは困難で
ある。しかも、リファレンス試料の測定のための手間と
時間がかかるという問題もある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、リファレンス試料を不要
にして試料測定のためにかかる手間と時間を低減しなが
ら、しかもより正確な測定結果を得ることのできるフー
リエ分光法を用いた厚み測定方法を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、フーリエ分光装置を用いて試
料を測定することにより試料の測定インターフェログラ
ムを求めるとともに、この測定インターフェログラムに
現れるセンターバーストを含むセンターバースト付近の
測定インターフェログラムを用いて位相スペクトルの位
相インターフェログラムを求め、前記測定インターフェ
ログラムと前記位相インターフェログラムとに基づいて
前記測定インターフェログラムに存在する非対称性を位
相補正して対称インターフェログラムを求め、求めた対
称インターフェログラムのセンターバーストおよびサイ
ドバースト付近に残る非対称性をインターフェログラム
の奇関数として取り出し、取り出した奇関数に現れるセ
ンターバーストおよびサイドバースト付近の非対称性の
ピーク位置に基づいて、試料の厚みを計算することを特
徴としている。
【0012】また、請求項2の発明は、前記位相インタ
ーフェログラムを求めるとき、前記測定インターフェロ
グラムのセンターバースト付近でサイドバーストを含ま
ない領域の測定インターフェログラムを使用することを
特徴としている。更に、請求項3の発明は、前記位相補
正する方法として、コンボリューション法を用いること
を特徴としている
【作用】このように構成された本発明のフーリエ分光法
を用いた厚み測定方法においては、フーリエ分光装置に
よって試料の測定インターフェログラムが測定されると
ともに、この測定インターフェログラムのセンターバー
ストを含むセンターバースト付近の領域により位相イン
ターフェログラムが求められる。そして、これらの測定
インターフェログラムと位相インターフェログラムとに
基づいて測定インターフェログラムに存在する非対称性
を位相補正することにより、対称インターフェログラム
が得られる。
【0013】この対称インターフェログラムのセンター
バーストおよびサイドバースト付近に大きな非対称性が
残るが、この非対称性がインターフェログラムの奇関数
として取り出される。取り出された奇関数には、センタ
ーバーストおよびサイドバースト付近に非対称性の大き
なピークが現れ、このピーク位置に基づいて試料の厚み
が計算される。こうして、リファレンス試料を用いず
に、測定サンプルのインターフェログラムのみを用いて
試料の厚みが測定されるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明のフーリエ分光法を用いた
厚み測定方法の実施の形態の一例を説明する図である。
【0015】フーリエ分光法において理想的な干渉計に
よって得られたインターフェログラムは光路差が0の位
置で対称となる。しかし、現実の干渉計には光学的に補
償しきれずに残った非線形の波長分散があるため、現実
の干渉計によって得られた測定インターフェログラムは
非対称となる。
【0016】そこで、この例のフーリエ分光法を用いた
厚み測定方法では、測定インターフェログラムの非対称
性を用いている。すなわち、まず、測定インターフェロ
グラムのこの非対称性を取り除くために、測定インター
フェログラムに対して位相補正を行う。この位相補正を
行う方法としては、従来、フォーマン(Forman)らによ
って提唱されたコンボリューション(Convolution)法
(参照 Forman et al.1966, J. Opt. Soc. Am. 56, 5
9)がある。
【0017】この方法は、測定されたインターフェログ
ラムの中の、センターバースト付近の測定インターフェ
ログラムを使用して、位相スペクトルの位相インターフ
ェログラムを計算する。得られた位相インターフェログ
ラムと測定インターフェログラムとのコンボリューショ
ン計算によって、対称インターフェログラムを求める方
法である。
【0018】しかしながら、このように位相補正によっ
て得られた対称インターフェログラムは一応外見では対
称に見えるが、計算で行うため、実際にはわずかに非対
称性が残ってしまう。
【0019】そこで、この例のフーリエ分光法を用いた
厚み測定方法では、このわずかに残った非対称性を利用
している。すなわち、まず、図1(a)に示すように測
定されたインターフェログラムの中の、センターバース
ト付近でサイドバーストとを含まない領域を使用して、
図1(b)に示すように位相インターフェログラムを計
算する。次いで、得られた位相インターフェログラムと
測定インターフェログラムとのコンボリューション計算
によって、図1(c)に示すように対称インターフェロ
グラムを求める。
【0020】このようにして求めた対称インターフェロ
グラムには、前述のようにセンターバーストとサイドバ
ースト付近に非対称性が残るが、このとき、サイドバー
ストとの位相がセンターバーストとの位相と若干異なる
ため、この非対称性は大きなものとなる。そして、図1
(d)に示すようにこの非対称性のインターフェログラ
ムを奇関数として取り出すと、取り出した奇関数インタ
ーフェログラムには、サイドバースト付近に残った非対
称性がピークとして大きく現れるようになる。
【0021】この奇関数インターフェログラムのセンタ
ーバーストのピーク位置からサイドバースト付近に残っ
た非対称性によるピーク位置までの距離βは、前述の従
来の図4に示す距離αと同様に、シリコンウェハ3にお
けるエピタキシャル層3bの厚みdに対して一定の関係
(比例関係)がある。したがって、この距離βを求める
ことにより、エピタキシャル層3bの厚みdが計算され
る。
【0022】このように、この例のフーリエ分光法を用
いた厚み測定方法によれば、フーリエ分光装置1の干渉
計4によって測定された試料3の測定インターフェログ
ラムとこの測定インターフェログラムのセンターバース
トを含むセンターバースト付近の領域により求めた位相
インターフェログラムとのコンボリューション計算で、
測定インターフェログラムに存在する非対称性を位相補
正して対称インターフェログラムを得るとともに、この
対称インターフェログラムのセンターバーストおよびサ
イドバースト付近に残る大きな非対称性をインターフェ
ログラムの奇関数として取り出すことにより、センター
バーストおよびサイドバースト付近に非対称性の大きな
ピークを得、このピーク位置に基づいて厚みを計算する
ようにしているので、リファレンス試料を用いずに、測
定サンプルのインターフェログラムのみを用いて試料3
の厚みを測定することができるようになる。
【0023】これにより、リファレンス試料が不要にな
る。また、これに伴い、リファレンス測定で得られる余
分な測定データがないので、厚みの測定結果がリファレ
ンス測定による影響を受けることがなく、より正確な測
定結果を得ることができるようになる。しかも、リファ
レンス測定がなくなるので、厚み測定の手間と時間を大
幅に省くことができるようになる。そのうえ、リファレ
ンス試料が不要となることで、コストも効果的に低減す
ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のフーリエ分光法を用いた厚み測定方法によれば、従来
のようなリファレンス試料を用いずに、測定サンプルの
インターフェログラムのみを用いて試料の厚みを測定す
るようにしているので、試料の厚み測定にあたって、リ
ファレンス試料を不要にできる。
【0025】また、リファレンス試料の不要に伴い、リ
ファレンス測定で得られる余分な測定データがないの
で、厚みの測定結果として、リファレンス測定による影
響を受けない、より正確な測定結果を得ることができる
ようになる。しかも、リファレンス測定がなくなるの
で、厚み測定の手間と時間を大幅に省くことができるよ
うになる。そのうえ、リファレンス試料が不要となるこ
とで、厚み測定に要するコストも効果的に低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフーリエ分光法を用いた厚み測定方
法の実施の形態の一例を説明する図である。
【図2】 従来のFT−IRの一例を模式的に示す図で
ある。
【図3】 図2に示すFT−IRで試料の厚み測定を説
明する図である。
【図4】 図2に示すFT−IRで測定された試料のイ
ンターフェログラムを示す図である。
【符号の説明】
1…フーリエ変換赤外分光度計(FT−IR)、2…光
源、3…試料(シリコンウェハ)、3a…シリコン基
盤、3B…エピタキシャル層3b、4…干渉計、5…イ
ンターフェログラム、6…赤外線スペクトル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フーリエ分光装置を用いて試料を測定す
    ることにより試料の測定インターフェログラムを求める
    とともに、この測定インターフェログラムに現れるセン
    ターバーストを含むセンターバースト付近の測定インタ
    ーフェログラムを用いて位相スペクトルの位相インター
    フェログラムを求め、前記測定インターフェログラムと
    前記位相インターフェログラムとに基づいて前記測定イ
    ンターフェログラムに存在する非対称性を位相補正して
    対称インターフェログラムを求め、求めた対称インター
    フェログラムのセンターバーストおよびサイドバースト
    付近に残る非対称性をインターフェログラムの奇関数と
    して取り出し、取り出した奇関数に現れるセンターバー
    ストおよびサイドバースト付近の非対称性のピーク位置
    に基づいて、試料の厚みを計算することを特徴とするフ
    ーリエ分光法を用いた厚み測定方法。
  2. 【請求項2】 前記位相インターフェログラムを求める
    とき、前記測定インターフェログラムのセンターバース
    ト付近でサイドバーストを含まない領域の測定インター
    フェログラムを使用することを特徴とする請求項1記載
    のフーリエ分光法を用いた厚み測定方法。
  3. 【請求項3】 前記位相補正する方法として、コンボリ
    ューション法を用いることを特徴とする請求項1または
    2記載のフーリエ分光法を用いた厚み測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020009150A1 (ja) * 2018-07-06 2020-01-09 国立大学法人東京大学 高速スキャンフーリエ変換分光装置及び分光方法
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